JP2006250776A - 画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置 - Google Patents

画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置 Download PDF

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誠 庭川
Nobuyuki Fujiwara
伸行 藤原
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Abstract

【課題】 トロリー線の磨耗部の幅を正確に測定し、かつ、測定装置を小型化及び低コスト化をはかることができる画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置を提供する。
【解決手段】 電車10の屋根上にラインセンサ11を設置し、このラインセンサ11でトロリー線16を撮影することによりラインセンサ画像30を取得する。このラインセンサ画像30を走査線方向で微分してエッジ画像40を取得し、このエッジ画像40からトロリー線16の磨耗部の端部の軌跡45,46を検出する。この軌跡45,46について高速フーリエ変換を行って周波数画像60を取得し、この周波数画像60から異常磨耗箇所23を発見する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像処理によりトロリー線の磨耗を測定する分野のもので、とくにトロリー線の異常磨耗を検知する装置に関する。
トロリー線は、電車へ電力を供給するための電線である。このトロリー線は、電車が通過するたびにパンタグラフとの摩擦で磨耗する。更に、トロリー線とパンタグラフが瞬間的に離れてアーク放電が発生する個所では、トロリー線に局所的な異常磨耗が発生する。この異常磨耗の個所には相乗してアーク放電が発生するため、磨耗の進行が早い。磨耗したトロリー線を交換しない場合、最終的にはトロリー線が破断して事故を招くことになる。そこでトロリー線には摩耗限界が設けられており、トロリー線の磨耗量を測定し、その測定値がトロリー線の磨耗限界の値を超えないようにトロリー線を交換している。
従来から、トロリー線の磨耗を測定する方式には、トロリー線の厚みを測定する方式と、トロリー線の幅を測定する方式の2つの方式がある。トロリー線の厚みを測定する方式とは、ノギス等で直接トロリー線の厚みを手作業で測定する方式である。トロリー線の幅を測定する方式とは、ナトリウムランプやレーザ光等を使用してトロリー線の幅を測定する方式である。下記非特許文献1にナトリウムランプを使用してトロリー線の幅を測定する方式が開示されている。
第114回鉄道総研月例発表会要旨「軌陸車を用いた電車線検測装置の開発」http://www.rtri.or.jp/infoce/getsurei/1998/Getsu09/g114_5.html
上記非特許文献1に開示されている方式では、ナトリウムランプの光をトロリー線へ照射しその反射光を測定して、トロリー線の幅を測定する方式である。トロリー線の断面はひょうたん形状になっているが、パンタグラフとの摩擦による磨耗によりひょうたん形状の下部が平坦に削れ、磨耗が進むほど平坦部の幅が広くなる。
この幅を利用して、トロリー線の磨耗を測定する。この方式に使用する機器は、ナトリウムランプなど含めた比較的大型な装置となるため、電気検測車と呼ばれる専用車に搭載し、走行しながら反射光を反射光データとして記録し、後で記録した反射光データを基にトロリー線の磨耗を測定する。
トロリー線の厚みを測定する方式は、作業を機械化することが困難であるため、人がノギス等を用いて手作業で測定している。このように、人が手作業で測定しているため連続的に測定を行うことが困難であり、効率が悪いという問題がある。
また、ナトリウムランプやレーザ光を使用してトロリー線の幅を測定する方式には以下の問題がある。
第1の問題として、トロリー線が磨耗して平坦になっている部分の縁が波状になっている部分(以下、波状磨耗)や、トロリー線がアーク放電により劣化して黒く変色した部分(以下、黒化個所)等のトロリー線の異常磨耗とされる部分の反射光は、トロリー線の磨耗部の幅が、正常な幅と狭い幅が繰り返し現れる飛び石のような反射光となるため、単に反射光の幅だけで異常磨耗であるか判断することは困難であるという問題がある。
第2の問題として、反射光は、トロリー線を固定するクランプや碍子の反射によって局所的に反射光が広くなる場合があり、単に反射光の幅だけでこれを異常磨耗と判定してしまうという問題がある。
第3の問題として、上記第1の問題と第2の問題の異常磨耗の場合、反射光の反射データしか記録していないのでそれ以上の詳細なことがわからないという問題がある。
これらのことから本発明は、トロリー線の磨耗部の幅を正確に測定し、かつ、作業効率を高めることができる画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決する第1の発明(請求項1に対応)に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置は、ラインセンサによりトロリー線からの反射光を経時的に撮影することにより、前記トロリー線の磨耗により平坦となっている磨耗部を表示するラインセンサ画像を取得し、前記ラインセンサ画像を走査方向に微分してトロリー線の磨耗部のエッジ画像を取得し、前記エッジ画像からトロリー線の磨耗部のエッジの軌跡を検出し、前記軌跡について高速フーリエ変換を行い周波数画像を取得し、前記周波数画像を基に異常磨耗箇所を検出することを特徴とする。
上記の課題を解決する第2の発明(請求項2に対応)に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置は、第1の発明に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置において、前記ラインセンサ画像に二値化処理又は膨張・縮退処理を施すことを特徴とする。
上記の課題を解決する第3の発明(請求項3に対応)に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置は、第1の発明に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置において、前記ラインセンサ画像から前記トロリー線の磨耗部の幅を計算し、前記トロリー線の磨耗部の幅について高速フーリエ変換することを特徴とする。
上記の課題を解決する第4の発明(請求項4に対応)に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置は、第1の発明に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置において、前記ラインセンサ画像に二値化処理又は膨張・縮退処理を施し、前記ラインセンサ画像から前記トロリー線の磨耗部の幅を計算し、前記トロリー線の磨耗部の幅について高速フーリエ変換することを特徴とする。
上記の課題を解決する第5の発明(請求項5に対応)に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置は、第1の発明ないし第4の発明のいずれかに係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置において、前記高速フーリエ変換に代えてウエーブレット変換を行うことを特徴とする。
上記の課題を解決する第6の発明(請求項6に対応)に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置は、第1の発明ないし第5の発明のいずれかに係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置において、時間あたりの前記軌跡及び前記前記トロリー線の磨耗部の幅を、電車の位置あたりのトロリー線の磨耗部の端部の軌跡に変換して、磨耗測定結果を補正することを特徴とする。
上記の課題を解決する第7の発明(請求項7に対応)に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置は、第1の発明ないし第5の発明のいずれかに係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置において、前記ラインセンサに代えてエリアカメラを使用することを特徴とする。
第1の発明に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置によれば、画像処理によりトロリー線の異常磨耗とされる波状磨耗や黒化個所などの状態を定量化できる利点がある。
さらに、屋根上の装置はラインセンサ等で構成することにより小型化できる利点がある。このため例えば営業車両に設置することで、専用の電気検測車が不要になるため専用の電気検測車の保守費や運用費が不要となる。また営業車両での測定は、高い頻度で測定できる利点もある。
また、ラインセンサ画像が記録されているため、画像処理により検知した異常磨耗の個所を、写真と同等なラインセンサ画像で視認できる。これにより現地のトロリー線まで出向くことなくトロリー線の表面状態を目視で確認できる利点がある。
第2の発明に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置によれば、二値化処理又は膨張・縮退処理を施した画像からトロリー線のエッジを取得することができる。これにより第1の発明に挙げた利点に加え、ラインセンサ画像内のノイズが除去できる利点がある。
第3の発明に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置によれば、第1の発明に挙げた利点に加え、トロリー線の偏位による悪影響をなくす利点がある。
第4の発明に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置によれば、二値化処理又は膨張・縮退処理を施した画像からトロリー線のエッジを取得することができる。これにより第1の発明と第3の発明に挙げた利点に加え、ラインセンサ画像内のノイズを除去できる利点がある。
第5の発明に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置によれば、ウエーブレット変換を使用するので第1の発明ないし第4の発明に挙げた利点に加え、トロリー線の黒化個所のような、突発的な変化点の状態測定に向いており、また、トロリー線の波状磨耗のような、特定の周波数の状態測定に向いているという利点がある。
第6の発明に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置によれば、第1の発明ないし第4の発明に挙げた利点に加え、電車の速度変化による磨耗状態値の変化を補正できる利点がある。
第7の発明に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置によれば、第1の発明ないし第5の発明に挙げた利点に加え、エリアカメラはラインセンサより安価であるため、経費を削減できる。また、エリアカメラはラインセンサより露光時間を長くできるため、消費電力の小さい照明で済む利点がある。さらに、電車の速度変化による磨耗状態の測定結果への影響を受けないという利点がある。
以下、本発明の実施形態に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置を図1から図10を用いて説明する。図1は本発明の一実施形態に係る装置構成の模式図、図2は本発明の一実施形態に係るラインセンサ画像のグラフ、図3は本発明の一実施形態に係るエッジ画像のグラフ、図4は本発明の一実施形態に係るトロリー線の幅のグラフ、図5は本発明の一実施形態に係る周波数画像のグラフ、図6は実施例1のフローチャート、図7は実施例2のフローチャート、図8は実施例3のフローチャート、図9は実施例4のフローチャート、図10は本発明の一実施形態に係る磨耗状態測定結果の補正を示すグラフである。
本実施例の装置構成は、図1に示すように電車10の屋根上に、ラインセンサ11、照明12を設置し、電車10の車内に画像記録部13及び画像処理部14を設置する。ラインセンサ11は斜め上方、又は真上に向けて設置し、ラインセンサ11の走査線17が枕木方向と平行になるようにして、トロリー線16を横切るようにする。
ラインセンサ11から取得した走査線データの撮影時の時間tを横軸とし走査線xを縦軸として、図2のようにラインセンサ画像30として画像記録部13に保存する。異常磨耗23は波状磨耗20と黒化箇所21とからなる。ラインセンサ画像30はトロリー線16の磨耗部を白35、背景を黒34で表す。白35と黒34の境界がエッジ36,37である。画像記録部13に保存した画像は以下の画像処理によって磨耗状態を測定する。
本実施例の画像処理の手順を図6のフローチャートに従って説明する。
S10において、画像記録部13に保存したラインセンサ画像30を取得する。
S11において、取得したラインセンサ画像30を、x軸方向で微分し、図3のようにエッジ画像40を求める。
S12において、このエッジ画像40をx軸方向に、矢印Aで示すように微分値が正の最大値になる個所と負の最大値になる個所を探索し、それぞれトロリー線16の磨耗部の端部47,48として検出する。
S13において、矢印Aで示すx軸方向の探索を全ての時間tについて行い、トロリー線16の磨耗部の端部の軌跡45,46を取得する。
S14において、トロリー線16の磨耗部の端部の軌跡45,46を高速フーリエ変換して図5のような周波数画像60を得る。即ち、トロリー線16の磨耗部の端部の軌跡45、46が良好な状態で取得できた場合は、トロリー線16の磨耗部の端部の軌跡45,46をそれぞれ高速フーリエ変換し、トロリー線16の磨耗部の端部の軌跡45を高速フーリエ変換した結果と、トロリー線16の磨耗部の端部の軌跡46を高速フーリエ変換した結果とを加算して求めた値により周波数画像60とする。
なお、トロリー線16の磨耗部の端部の軌跡45,46がノイズ等の影響により取得できない場合は、トロリー線16の磨耗部の端部の軌跡45又は軌跡46のいずれか状態の良い方だけを高速フーリエ変換して求めた値により周波数画像60を得る。この周波数画像60において、波状磨耗20又は黒化個所21であると判断することができる周波数域65に所定の値以上の振動量(図示せず)がある個所を、異常磨耗23とする。この異常磨耗23の周波数域65及び振動量は、パラメータとして実験的に求める。
以下に本実施例の利点を説明する。本実施例の屋根上の装置は、ラインセンサ11と照明12のみで構成して小型化できる利点がある。このため場合によっては営業車両に装置を設置することで、専用の電気検測車が不要になる利点がある。これにより専用検測車の保守費や運用費が不要となる。また、営業車両での測定は、高い頻度で測定できる利点もある。
さらに、ラインセンサ画像30が画像記録部13に記録されているため、画像処理により検知した異常磨耗の箇所を、写真と同等のラインセンサ画像30で視認できる。これにより現地に出向くことなくトロリー線16の表面状態を目視で確認できる利点がある。また、画像処理によりトロリー線16の波状磨耗20や黒化個所21等の磨耗状態を定量化できる利点がある。
本実施例は実施例1に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置において、ラインセンサ画像30に二値化処理、膨張処理、縮退処理を施しノイズを除去する処理を加えたものである。
本実施例の画像処理の手順を図7のフローチャートに従って説明する。
S20において、画像記録部13に保存したラインセンサ画像30を取得する。
S21において、ラインセンサ画像30に二値化処理を施して二値化し、トロリー線16の二値化ラインセンサ画像30を得る。
S22において、二値化ラインセンサ画像30に対し膨張処理及び縮退処理を施し、二値化ラインセンサ画像30のノイズを除去する。
S23において、ノイズを除去した二値化ラインセンサ画像30を、x軸方向で微分し、図3のようにエッジ画像40を求める。
S24において、このエッジ画像40をx軸方向に、矢印Aで示すように微分値が正の最大値になる個所と負の最大値になる個所を探索し、それぞれトロリー線16の磨耗部の端部47,48として検出する。
S25において、矢印Aで示すx軸方向の探索を全ての時間tについて行い、トロリー線16の磨耗部の両側の軌跡45,46を取得する。
S26において、トロリー線16の磨耗部の両側の軌跡45,46を高速フーリエ変換して図5のような周波数画像60を得る。即ち、トロリー線16の磨耗部の両側の軌跡45、46が良好な状態で取得できた場合は、両側のトロリー線16の磨耗部の軌跡45,46をそれぞれ高速フーリエ変換し、軌跡45を高速フーリエ変換した結果と、軌跡46を高速フーリエ変換した結果とを加算して求めた値により周波数画像60とする。
なお、トロリー線16の磨耗部の両端の軌跡45,46がノイズ等の影響により取得できない場合は、トロリー線16の磨耗部の両側の軌跡45又は軌跡46のいずれか状態の良い方だけを高速フーリエ変換して求めた値により周波数画像60を得る。この周波数画像60において、波状磨耗20又は黒化個所21であると判断することができる周波数域65に所定の値以上の振動量(図示せず)がある個所を、異常磨耗23とする。この異常磨耗23の周波数域65及び振動量は、パラメータとして実験的に求める。
実施例1では、ラインセンサ画像30を直接微分してエッジ画像40を取得するが、本実施例ではラインセンサ画像30に二値化処理、縮退処理、膨張処理を施した二値化ラインセンサ画像30を微分してエッジ画像40を取得する点が異なる。このように、本実施例では二値化ラインセンサ画像30からエッジ画像40を取得する。これにより本実施例には実施例1の利点に加え、ラインセンサ画像30内のノイズを除去できる利点がある。
本実施例は実施例1に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置において、ラインセンサ画像30からトロリー線の磨耗部の幅Wを抽出し、このトロリー線の磨耗部の幅Wにより周波数画像60を得るというものである。本実施例の画像処理の手順を図8のフローチャートに従って説明する。
S30において、画像記録部13に保存したラインセンサ画像30を取得する。
S31において、取得したラインセンサ画像30を、x軸方向で微分し、図3のようにエッジ画像40を求める。
S32において、このエッジ画像40をx軸方向に、矢印Aで示すように微分値が正の最大値になる個所と負の最大値になる個所を探索し、それぞれトロリー線16の磨耗部の端部47,48として検出する。
S33において、矢印Aで示すx軸方向の探索を全ての時間tについて行い、トロリー線16の磨耗部の端部の軌跡45,46を取得する。
S34において、トロリー線16の磨耗部の端部の軌跡45,46から図4のようなトロリー線16の磨耗部の幅Wの時間的変化を示すグラフ50を計算する。
S35において、トロリー線16の磨耗部の幅Wを高速フーリエ変換して図5のような周波数画像60を得る。
実施例1ではトロリー線16の磨耗部の端部の軌跡45,46を周波数変換するが、本実施例ではトロリー線16の磨耗部の幅Wを周波数変換する点が実施例1と異なる。通常トロリー線16は偏位とよばれるジグザグな架線がなされる。この偏位は、図5の周波数画像60上の低い周波数域で現れて磨耗状態の測定結果に影響を及ぼす恐れがある。
本実施例はトロリー線16の磨耗部の幅Wを周波数変換することで、偏位による影響を無くす利点がある。このように、本実施例は実施例1の利点に加え、トロリー線16の偏位による影響を無くす利点がある。
本実施例は実施例1に係る画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置において、ラインセンサ画像30に二値化処理、膨張処理、縮退処理を施し、この二値化ラインセンサ画像30から得たトロリー線16の磨耗部の幅Wにより周波数画像60を得るというものである。本実施例の画像処理の手順を図9のフローチャートに従って説明する。
S40において、画像記録部13に保存した図3のラインセンサ画像30を取得する。
S41において、ラインセンサ画像30に二値化処理を施して二値化し、トロリー線16の二値化ラインセンサ画像30を得る。
S42において、二値化ラインセンサ画像30に対し膨張処理及び縮退処理を施し、二値化ラインセンサ画像30のノイズを除去する。
S43において、ノイズを除去した二値化ラインセンサ画像30を、x軸方向で微分し、図3のようにエッジ画像40を求める。
S44において、このエッジ画像40をx軸方向に、矢印Aで示すように微分値が正の最大値になる個所と負の最大値になる個所を探索し、それぞれトロリー線16の両端47,48として検出する。
S45において、矢印Aで示すx軸方向の探索を全ての時間tについて行い、トロリー線16の磨耗部の端部の軌跡45,46を取得する。
S46において、トロリー線16の磨耗部の端部の軌跡45,46から図4のようなトロリー線16の磨耗部の幅Wの時間的変化を示すグラフ50を計算する。
S47において、トロリー線16の磨耗部の幅Wを高速フーリエ変換して図5のような周波数画像60を得る。
本実施例は二値化ラインセンサ画像30からトロリー線16のエッジ36,37を取得する。これにより本実施例には実施例1と実施例3の利点に加え、ラインセンサ画像30内のノイズを除去できる利点がある。
本実施例は、実施例1ないし実施例4で使用している高速フーリエ変換の代わりにウエーブレット変換を行い、トロリー線16の磨耗状態を測定するものである。下記[数1]に本実施例におけるウエーブレット変換の式を示す。ここで、
X(ω,b)は周波数画像、g(t)はウエーブレット関数、x(t)は軌跡位置、gはマザーウエーブレット関数、ωは周波数、bは電車10の走行位置、tは時間である。
Figure 2006250776
上記数1に示す式において、ωとbを変化させてウエーブレット関数g(t)を求め、そのウエーブレット関数g(t)と軌跡位置x(t)との内積により周波数画像X(ω,b)を求める。
ウエーブレット変換とは、デジタル信号を時間と周波数の2次元に分けて解析することができるため、高周波成分の時間分解能が高い。また、高速フーリエ変換の場合、基底関数として無限の広がりを持つ周期関数である正弦関数を用いるため、変化点に敏感に反応することができないが、ウエーブレット変換の場合、基底関数としてコンパクトな波の小片であるマザーウエーブレット関数を用いるため、変化点に敏感に反応できるといった特徴がある。
このウエーブレット変換の特徴は、異常磨耗の波形特徴と合致していることから、本実施例には、実施例1ないし実施例4に挙げた利点に加え、特定の周波数を持つ波状磨耗の状態測定に向いているという利点や、突発的な変化点である黒化個所の状態測定に向いているという利点がある。
本実施例は、実施例1ないし実施例4のトロリー線16の磨耗部の端部の軌跡45,46と、実施例3と実施例4のトロリー線16の幅50を、電車10の走行位置あたりのトロリー線16の軌跡x(s)に変換し、電車10の速度変化による磨耗状態測定の結果の変化を補正するものである。
以下に本実施例の磨耗状態測定の結果の補正方法を説明する。ラインセンサ画像30撮像時に下記[表1]のように撮影時間tとそのときの電車位置sのログ
を記録しておく。そして、補正時に図10のように求めたいx(s)を、下記[数2]により求める。
Figure 2006250776
Figure 2006250776
この電車位置sはGPSなどを含むセンサから取得しても良いし、自動列車制御装置(ATC)などの車両設備から取得しても良い。
このように本実施例は、実施例1ないし実施例4の利点に加え、電車の速度変化による磨耗状態の測定の結果を補正できる利点がある。
本実施例は、実施例1ないし実施例5で使用しているラインセンサ11の代わりに、エリアカメラ(図示せず)を使用し、電車10の速度変化による磨耗状態の測定結果の変化を無くすものである。このエリアカメラは、ラインセンサ11が一つの走査線しか有していないのに対し、複数の走査線を有しているという特徴がある。
以下に本実施例について説明する。エリアカメラで連続的にトロリー線16の画像を撮影し、そのときの電車位置sのログを記録しておく。補正時に撮影した画像のオーバーラップ個所を重ねて図2のような画像を作成し、実施例1ないし実施例5と同様の処理を行う。なお、電車10の最高速度は決まっているので、必ずオーバーラップ個所ができるようにエリアカメラの単位秒あたりのフレーム数[フレーム数/sec]を選定するようにする。
電車10の走行位置はGPSなどを含むセンサから取得しても良いし、自動列車制御装置(ATC)などの車両設備から取得しても良い。
本実施例は、実施例6と同様に電車10の速度変化による磨耗状態測定により求めた値の変化を補正するものである。エリアカメラは、ラインセンサ11より安価であるため、経費を削減できる。また、エリアカメラはラインセンサ11より露光時間を長くできるため、消費電力の小さい照明で済む利点がある。さらに、本実施例は電車10の速度変化による磨耗状態の測定結果への影響を受けないという利点がある。
本発明の一実施形態に係る装置構成の模式図である。 本発明の一実施形態に係るラインセンサ画像を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係るエッジ画像を示すグラフある。 本発明の一実施形態に係るトロリー線の幅を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る周波数画像を示すグラフである。 実施例1のフローチャートである。 実施例2のフローチャートである。 実施例3のフローチャートである。 実施例4のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る磨耗状態の測定結果の補正を示すグラフである。
符号の説明
11 ラインセンサ
16 トロリー線
23 異常磨耗箇所
30 ラインセンサ画像
40 エッジ画像
45,46 トロリー線の磨耗部の端部の軌跡
W トロリー線の磨耗部の幅
60 周波数画像

Claims (7)

  1. ラインセンサによりトロリー線からの反射光を経時的に撮影することにより、前記トロリー線の磨耗により平坦となっている磨耗部を表示するラインセンサ画像を取得し、
    前記ラインセンサ画像を走査方向に微分してトロリー線の磨耗部のエッジ画像を取得し、
    前記エッジ画像からトロリー線の磨耗部のエッジの軌跡を検出し、
    前記軌跡について高速フーリエ変換を行い周波数画像を取得し、
    前記周波数画像を基に異常磨耗箇所を検出する
    ことを特徴とする画像処理によるトロリー線磨耗状態測定装置。
  2. 請求項1に記載するトロリー線磨耗状態測定装置において、
    前記ラインセンサ画像に二値化処理又は膨張・縮退処理を施す
    ことを特徴とする画像処理によるトロリー線磨耗状態測定装置。
  3. 請求項1に記載するトロリー線磨耗状態測定装置において、
    前記ラインセンサ画像から前記トロリー線の磨耗部の幅を計算し、
    前記トロリー線の磨耗部の幅について高速フーリエ変換する
    ことを特徴とする画像処理によるトロリー線磨耗状態測定装置。
  4. 請求項1に記載するトロリー線磨耗状態測定装置において、
    前記ラインセンサ画像に二値化処理又は膨張・縮退処理を施し、
    前記ラインセンサ画像から前記トロリー線の磨耗部の幅を計算し、
    前記トロリー線の磨耗部の幅について高速フーリエ変換する
    ことを特徴とする画像処理によるトロリー線磨耗状態測定装置。
  5. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載するトロリー線磨耗状態測定装置において、
    前記高速フーリエ変換に代えてウエーブレット変換を行う
    ことを特徴とする画像処理によるトロリー線磨耗状態測定装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載するトロリー線磨耗状態測定装置において、
    時間あたりの前記軌跡及び前記前記トロリー線の磨耗部の幅を、電車の位置あたりのトロリー線の磨耗部の端部の軌跡に変換して、磨耗測定結果を補正する
    ことを特徴とする画像処理によるトロリー線磨耗状態測定装置。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載するトロリー線磨耗状態測定装置において、
    前記ラインセンサに代えてエリアカメラを使用する
    ことを特徴とする画像処理によるトロリー線磨耗状態測定装置。
JP2005068798A 2005-03-11 2005-03-11 画像処理によるトロリー線の磨耗状態測定装置 Pending JP2006250776A (ja)

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