JP2006249635A - スチールコード、スチールコードの製造方法及びこの方法に用いる撚線機 - Google Patents

スチールコード、スチールコードの製造方法及びこの方法に用いる撚線機 Download PDF

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Abstract

【課題】無撚り状態で並列に引き揃えられたスチールからなる複数本のコアフィラメントの周囲に、スチールからなるシースフィラメントを1層偏在させながら撚り合わせるようにしたスチールコードに関して、加硫時にフィラメント間の隙間が確保されるようにしてゴムペネ性を高めることを目的とする。
【解決手段】撚り合わせ前に、コアフィラメント又はシースフィラメントのうちの少なくとも1本(コアフィラメント16、シースフィラメント26A)に対して、他のコアフィラメント18及びシースフィラメント26Bとは異なる型付けを施し、コアフィラメント−シースフィラメント間に隙間A,Bを強制的に確保する。加硫時には、この隙間からゴムが入り込むことができ、ゴムペネ性が良好となる。加硫時においてスチールコード30に対し張力や周囲のゴムからの圧力が加わっても、この隙間がなくなることはない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、無撚り状態で並列に引き揃えられたスチールからなる複数本のコアフィラメントの周囲に、スチールからなるシースフィラメントが1層偏在した状態で撚り合わされたスチールコード、該スチールコードの製造方法及びこの方法に用いる撚線機に関する。
空気入りタイヤ等のゴム物品を補強するスチールコードは、複数のフィラメントを撚り合わせて製造されるのが一般的であり、そのフィラメントの撚り合わせにはチューブラー撚線機が多用されている(特許文献1から特許文献3参照)。
スチールコードの撚り方には種々のものがあるが、所謂ゴムペネ性(ゴム被覆する際の、フィラメント間へのゴムの入り込み易さ)を高めることを目的として、複数本の芯素線を同一平面上に引き揃えて並べたコアフィラメントの周囲に、複数本の側素線を巻き付け、断面を扁平状としたスチールコードであって、コード幅方向両端部における芯素線と側素線との間に夫々隙間を設けたスチールコードが開示されている(特許文献4参照)。
特開2004−277923号公報 特開2001−3281号公報 特開2000−355890号公報 特開2002−180387号公報
しかしながら、上記したスチールコードは、ゴムペネ性には問題がないと推察されるものの、製造が難しいと考えられる。
その理由として、第1に装置内部で製品を巻き取るタイプのバンチャー型撚線機を使用してコアフィラメントが平行なコードを製造するには、バンチャー型撚線機で加えられる撚りを打ち消すだけの逆方向撚りをコアフィラメントに対して予め加える工程が必要であり、製造コスト的にも不利だからである。
第2に、装置外部で製品を巻き取るタイプのバンチャー型撚線機を使用する場合には、コアフィラメントを外から巻き出すこで1工程撚りが可能になるが、装置内部からシースフィラメントを巻き出すために、シースフィラメントの本数が多い場合には、大掛かりな撚線機となってしまうからである。
第3に、チューブラ撚線機や回転式撚線機を用いて、フィラメントをプレフォームした後に単に撚り合わせるようにすると、撚り合わせ部分に張力が作用してしまうことから、通常コアフィラメントとシースフィラメントとが接触した状態の撚線となってしまうので、芯素線と側素線との間に隙間を設けることは難しいからである。
一方、コアフィラメントとシースフィラメントとが接触したスチールコードの場合には、シースフィラメントがコアフィラメントの周囲に均等に配置されず、一部に偏ってしまい易い。このようなスチールコードでは、無撚りで平行に引き揃えられたコアフィラメントがシースフィラメントの撚り合わせ張力に引きずられるため、多かれ少なかれうねり形状を呈し、そのため曲げの内側(圧縮側)でコアフィラメントとシースフィラメントとが接することになる。
特に一方向に並列に引き揃えられたコアフィラメントに対して、シースフィラメントが該一方向と略直角方向から覆い被さるような断面配置となる撚り部分では、ゴム被覆がされていても、加硫時の張力と周囲ゴムからの圧力によりフィラメントが相互に接触し隙間が塞がれることでコード内部にゴムが入っていない(ゴムペネしていない)閉空間が形成されるという問題があった。
本発明は、上記事実を考慮して、無撚り状態で並列に引き揃えられたスチールからなる複数本のコアフィラメントの周囲に、スチールからなるシースフィラメントを1層偏在させながら撚り合わせるようにしたスチールコードに関して、加硫時にフィラメント間の隙間が確保されるようにしてゴムペネ性を高めることを目的とする。
請求項1の発明(スチールコードの製造方法)は、スチールからなる複数本のコアフィラメントを夫々無撚り状態で並列に引き揃える工程と、該工程で引き揃えられた前記複数のコアフィラメントの周囲に、スチールからなるシースフィラメントを、前記周囲に1層撚り合わせる場合に配置可能な最大本数の75%以下かつ少なくとも3本以上用いて1層に配列し、かつ前記周囲の一部に偏在させながら撚り合わせてスチールコードとする工程と、を有するスチールコードの製造方法であって、前記撚合わせ前に、前記コアフィラメント又は前記シースフィラメントのうちの少なくとも1本に対して、他の前記コアフィラメント及び前記シースフィラメントとは異なる型付けを施すことを特徴としている。
ここで、シースフィラメントの本数を、コアフィラメントの周囲に1層撚り合わせる場合に配置可能な最大本数の75%以下かつ少なくとも3本以上としたのは、75%を超える場合には、シースフィラメントをコアフィラメントの周囲に略均等に配置することが比較的容易で、シースフィラメント間の隙間を十分に確保できるので、ゴムペネ性の問題が生じないからであり、また、3本を下回ると、ゴムペネ不具合を引き起こすようなコアフィラメント−シースフィラメント間の閉空間はでき難いからである。
請求項1に記載のスチールコードの製造方法では、撚合わせ前に、コアフィラメント又はシースフィラメントのうちの少なくとも1本に対して、他のコアフィラメント及びシースフィラメントとは異なる型付けを施すので、コアフィラメント−シースフィラメント間に隙間が強制的に確保される。加硫時には、この隙間からゴムが入り込むことができるので、ゴムペネ性が良好となる。加硫時においてスチールコードに対し張力や周囲のゴムからの圧力が加わっても、この隙間がなくなることはない。
即ち、請求項1に記載のスチールコードの製造方法によれば、無撚り状態で並列に引き揃えられたスチールからなる複数本のコアフィラメントの周囲に、スチールからなるシースフィラメントを1層偏在させながら撚り合わせるようにしたスチールコードでありながら、ゴムペネ性に優れたスチールコードを製造することができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載のスチールコードの製造方法において、前記コアフィラメントの少なくとも1本に、他の前記コアフィラメントとは異なる型付けを施すことを特徴としている。
請求項2に記載のスチールコードの製造方法では、コアフィラメントの少なくとも1本に、他のコアフィラメントとは異なる型付けを施すので、コアフィラメント間に隙間が強制的に確保される。加硫時には、この隙間からコアフィラメント−シースフィラメント間にゴムが入り込むことができるので、ゴムペネ性が良好となる。
請求項3の発明は、請求項1に記載のスチールコードの製造方法において、前記シースフィラメントの少なくとも1本に、他の前記シースフィラメントとは異なる型付けを施すことを特徴としている。
請求項3に記載のスチールコードの製造方法では、シースフィラメントの少なくとも1本に、他のシースフィラメントとは異なる型付けを施すので、シースフィラメント間に隙間が強制的に確保される。加硫時には、この隙間からコアフィラメント−シースフィラメント間にゴムが入り込むことができるので、ゴムペネ性が良好となる。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3の何れか1項に記載のスチールコードの製造方法において、前記シースフィラメントのうちその配列方向の両端に位置するものを除いた中の少なくとも1本に、他の前記シースフィラメントとは異なる型付けを施すことを特徴としている。
ゴムペネを妨げるような閉空間を形成するのは、コアフィラメントの周囲(特に水平に配置されたコアフィラメントの上側又は下側)に偏在しているシースフィラメントの中央部分となるので、閉空間が形成されないようにするには、該配列方向の両端を除いた中のシースフィラメントに対して異なる型付けを施すことが有効である。
請求項4に記載のスチールコードの製造方法では、シースフィラメントのうちその配列方向の両端に位置するものを除いた中の少なくとも1本に、他のシースフィラメントとは異なる型付けを施すので、配列されたシースフィラメントのうち両端のフィラメントを除いた部分に隙間が強制的に確保され、コアフィラメント−シースフィラメント間に閉空間が形成されない。加硫時には、この隙間からコアフィラメント−シースフィラメント間にゴムが入り込むことができるので、ゴムペネ性が良好となる。
請求項5の発明(チューブラー撚線機)は、複数のコア用ボビンから繰り出されるコアフィラメントと、回転バレル内の複数のシース用ボビンから繰り出されシース用プレフォーマにより型付けされるシースフィラメントとを集合させて撚り合わせるチューブラー撚線機であって、一部の前記コアフィラメントに対して型付けを行うコア用プレフォーマを有することを特徴としている。
請求項5に記載のチューブラー撚線機では、一部のコアフィラメントに対して型付けを行うコア用プレフォーマを有しているので、型付けが施されない他のコアフィラメントと型付けが施される該一部のコアフィラメントとの間に隙間を強制的に確保しながらスチールコードを撚り合わせることができる。加硫時には、この隙間からコアフィラメント−シースフィラメント間にゴムを入り込ませることができるので、ゴムペネ性が良好なスチールコードとなる。
なお、他のコアフィラメントに対しても型付けが施される場合には、一部のコアフィラメントに施される型付けは他のコアフィラメントとは異なったものとされる。
請求項6の発明は、請求項5に記載のチューブラー撚線機において、前記コアフィラメントに対してねじりを与えることができるように、前記コア用ボビン及び前記コア用プレフォーマが夫々回動可能に構成されていることを特徴としている。
請求項6に記載のチューブラー撚線機では、コア用ボビン及びコア用プレフォーマが夫々回動することで、一部のコアフィラメントに対してねじりを与えることができるので、該一部のコアフィラメントに回転波形的な型付けを施すことができ、該他のコアフィラメントと一部のコアフィラメントとの間に隙間を強制的に確保しながらスチールコードを撚り合わせることができる。
請求項7の発明は、請求項5又は請求項6に記載のチューブラー撚線機において、前記シース用プレフォーマに配設されたピンにより型付けされる前記シースフィラメントのうち、一部のシースフィラメントの型付けが他のシースフィラメントと異なるように、前記一部のシースフィラメントを型付けする前記ピンの配置が、前記他のシースフィラメントを型付けする前記ピンの配置と異なることを特徴としている。
請求項7に記載のチューブラー撚線機では、シース用プレフォーマにおけるピンの配置が、異なる型付けが施される一部のシースフィラメント用のピンと、他のシースフィラメント用のピンとで異なっているので、シースフィラメント間に隙間を強制的に確保しながらスチールコードを撚り合わせることができる。
一部のシース用フィラメントに対して、他のシースフィラメントと異なる型付けを施すためには、例えばシースフィラメントの送り方向におけるピンの間隔、ピンの振幅、ピン配置の位相に差異を設けることにより、隣接するシースフィラメント間で型付けが調和しないようにする。
請求項8の発明(スチールコード)は、無撚り状態で並列に引き揃えられたスチールからなる複数本のコアフィラメントの周囲に、スチールからなるシースフィラメントを前記周囲の一部に偏在させながら1層撚り合わせてなるスチールコードであって、前記シースフィラメントの本数は、前記コアフィラメントの前記周囲に1層撚り合わせる場合に配置可能な最大本数の75%以下かつ少なくとも3本以上であり、前記コアフィラメント又は前記シースフィラメントのうちの少なくとも1本に対して、他の前記コアフィラメント及び前記シースフィラメントとは異なる型付けが施されていることを特徴としている。
請求項8に記載のスチールコードでは、コアフィラメント又はシースフィラメントのうちの少なくとも1本に対して、他のコアフィラメント及びシースフィラメントとは異なる型付けが施されているので、コアフィラメント−シースフィラメント間に隙間が強制的に確保されている。加硫時には、この隙間からゴムが入り込むことができるので、ゴムペネ性が良好であり、加硫時においてスチールコードに対し張力や周囲のゴムからの圧力が加わっても、この隙間がなくなることはない。
請求項9の発明は、請求項8に記載のスチールコードにおいて、前記コアフィラメントの少なくとも1本に、他の前記コアフィラメントとは異なる型付けが施されていることを特徴としている。
請求項9に記載のスチールコードでは、コアフィラメントの少なくとも1本に、他のコアフィラメントとは異なる型付けが施されているので、コアフィラメント間に隙間が強制的に確保されている。加硫時には、この隙間からコアフィラメント−シースフィラメント間にゴムが入り込むことができるので、ゴムペネ性が良好である。
請求項10の発明は、請求項8に記載のスチールコードにおいて、前記シースフィラメントの少なくとも1本に、他の前記シースフィラメントとは異なる型付けを施されていることを特徴としている。
請求項10に記載のスチールコードでは、シースフィラメントの少なくとも1本に、他のシースフィラメントとは異なる型付けが施されているので、シースフィラメント間に隙間が強制的に確保されている。加硫時には、この隙間からコアフィラメント−シースフィラメント間にゴムが入り込むことができるので、ゴムペネ性が良好である。
請求項11の発明は、請求項8から請求項10の何れか1項に記載のスチールコードにおいて、前記シースフィラメントのうちその配列方向の両端に位置するものを除いた中の少なくとも1本に、他の前記シースフィラメントとは異なる型付けが施されていることを特徴としている。
ゴムペネを妨げるような閉空間を形成するのは、コアフィラメントの周囲(特に水平に配置されたコアフィラメントの上側又は下側)に偏在しているシースフィラメントの中央部分となるので、閉空間が形成されないためには、該配列方向の両端を除いた中のシースフィラメントに対して異なる型付けが施されていることが望ましい。
請求項11に記載のスチールコードでは、シースフィラメントのうちその配列方向の両端に位置するものを除いた中の少なくとも1本に、他のシースフィラメントとは異なる型付けが施されているので、配列されたシースフィラメントのうち両端のフィラメントを除いた部分に隙間が強制的に確保され、コアフィラメント−シースフィラメント間に閉空間が形成されない。加硫時には、この隙間からコアフィラメント−シースフィラメント間にゴムが入り込むことができるので、ゴムペネ性が良好である。
以上説明したように、本発明のスチールコード、スチールコードの製造方法及びこの方法に用いる撚線機によれば、無撚り状態で並列に引き揃えられたスチールからなる複数本のコアフィラメントの周囲に、スチールからなるシースフィラメントを1層偏在させながら撚り合わせるようにしたスチールコードに関して、加硫時にフィラメント間の隙間が確保されるようにしてゴムペネ性を高めることができる、という優れた効果を有する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(チューブラー撚線機)
図1において、本実施の形態に係るチューブラー撚線機10は、複数のコア用ボビン12,14から繰り出されるコアフィラメント16,18と、回転バレル20内の複数のシース用ボビン22から繰り出されシース用プレフォーマ24により型付けされるシースフィラメント26とを集合部28で集合させて撚り合わせることができるように構成され、撚り合わされたスチールコード30は、例えばリール42に巻き取られるようになっている。
また、チューブラー撚線機10は、一部のコアフィラメント16に対して型付けを行うコア用プレフォーマ32を有している。このコア用プレフォーマ32は、例えば夫々回動自在に支持された1対以上の歯車であり、該歯車間を通過するコアフィラメント16に対して歯形状(平面波形)の型付けを行うことができるようになっている。なお、コア用プレフォーマ32は、歯車を使用したものに限られず、複数のピンを配置してなるプレフォームピンであってもよい(図示せず)。
コア用ボビン12及びコア用プレフォーマ32は、コアフィラメント16に対してねじりを与えることができるように、例えば矢印R又は矢印L方向に、夫々回動可能に構成されている。なお、コア用ボビン12及びコア用プレフォーマ32が一体的に回動するように構成してもよい。
図2に示されるように、シース用プレフォーマ24は、例えば角柱状に形成され、各面にシースフィラメント26に対して型付けを施すためのピン34,36が複数本立設して配置されている。一部のシースフィラメント26Aを型付けするピン34の配置は、シースフィラメント26のうち、一部のシースフィラメント26Aの型付けが他のシースフィラメント26Bと異なるように、他のシースフィラメント26Bを型付けするピン36の配置と異なっている。
ピン34の配置をピン36の配置と異なるものとするために、図3に示されるように、例えばシースフィラメントの送り方向Xにおけるピン34の間隔S、ピン34の振幅W又はピン配置の位相Pに差異が設けられている。なお、ピン配置に差異を設けるに際し、間隔S、振幅W及び位相Pについて夫々単独で差異を設けるだけでなく、これらを適宜組み合せて差異を設けるようにしてもよい。
(作用)
図1において、チューブラー撚線機10によるスチールコード30の製造工程は、複数本のコアフィラメント16,18を夫々無撚り状態で並列に引き揃える工程と、該工程で引き揃えられた複数のコアフィラメント16,18の周囲に、スチールからなるシースフィラメント26を、周囲に1層撚り合わせる場合に配置可能な最大本数の75%以下かつ少なくとも3本以上用いて1層に配列し、かつ周囲の一部に偏在させながら撚り合わせてスチールコード30とする工程と、を有している。
ここで、シースフィラメント26の本数を、コアフィラメント16,18の周囲に1層撚り合わせる場合に配置可能な最大本数の75%以下かつ少なくとも3本以上としたのは、75%を超える場合には、シースフィラメント26をコアフィラメント16,18の周囲に略均等に配置することが比較的容易で、シースフィラメント26間の隙間を十分に確保できるので、ゴムペネ性の問題が生じないからであり、また、3本を下回ると、ゴムペネ不具合を引き起こすようなコアフィラメント−シースフィラメント間の閉空間はでき難いからである。
コアフィラメント16,18を引き揃える工程で、コアフィラメント16には、コア用プレフォーマ32によりコアフィラメント18とは異なる平面波形状の型付けが施される。このため、撚り合わされたスチールコード30において、コアフィラメント16,18が密着せず、その間に隙間Aが強制的に確保される(図4及び図5)。
コア用ボビン及びコア用プレフォーマ32を夫々回動させれば、コアフィラメント16に平面波形の型付けをしながら、ねじりをも与えることができ、結果として回転波形的な型付けを施すことができる。
なお、コアフィラメント16,18間において型付けが異なっていればよいので、コアフィラメント18には型付けを施さないようにしてもよい。コアフィラメント18に対しても型付けを施す場合には、コアフィラメント16と型付けが異なったものとなるように、例えば螺旋状の型付けとする(図示せず)。
一方、図1において、シースフィラメント26は、シース用ボビン22から夫々繰り出され、回転バレル20を出たところでシース用プレフォーマ24により型付けが施される。このとき、図2及び図3に示されるように、シース用プレフォーマ24におけるピン34の配置が、ピン36の配置と異なっているので、該ピン34を通過するシースフィラメント26Aの型付けは、ピン36を通過する他のシースフィラメント26Bとは異なったものとなり、隣接するシースフィラメント26A,26B間で型付けが調和しない。このため、撚り合わされたスチールコード30において、該シースフィラメント26A,26Bが密着せず、その間に隙間Bが強制的に確保される(図4及び図5)。
図4及び図5に示されるように、シースフィラメント26Aは、シースフィラメント26のうちその配列方向の両端に位置するものを除いた中の少なくとも1本である。
このように、チューブラー撚線機10では、型付けが施されない他のコアフィラメント18と型付けが施される該一部のコアフィラメント16との間に隙間Aを強制的に確保し、また、シースフィラメント26A,26B間に隙間Bを強制的に確保しながら、スチールコード30を撚り合わせることができる。
(スチールコード)
図4において、チューブラー撚線機10により撚り合わされたスチールコード30は、無撚り状態で並列に引き揃えられた2本のコアフィラメント16,18の周囲に、4本のシースフィラメント26が1層撚り合わされたものであり、シースフィラメント26はコアフィラメント16,18の周囲の一部に偏在している(図4における各部の断面図を参照)。
このような撚り方の場合、図4に示されるように、スチールコード30の長手方向位置によって、コアフィラメント16,18の周囲におけるシースフィラメント26の位置が異なる。このため、従来は、特にシースフィラメント26がコアフィラメント16,18の配列方向と略直角方向から覆い被さるような断面配置となる撚り部分において、コアフィラメント16,18とシースフィラメント26とにより加硫時にゴムが入らない(ゴムペネしない)閉空間が形成されるという問題があったが、スチールコード30では、コアフィラメント16,18間に隙間Aが確保されると共に、シースフィラメント26A,26B間に隙間Bが確保され、しかも加硫時にスチールコード30に対し張力や周囲のゴム(図示せず)からの圧力が加わっても、隙間A,Bがなくなることはないので、図6に示されるように、ゴム38は隙間A,Bを通ってスチールコード30内に入り込むことができる。
このように、スチールコード30は、シースフィラメント26がコアフィラメント16,18の周囲に偏在しながら撚り合わされている構成でありながら、ゴムペネ性が良好であり、該スチールコード30を使用することで、十分にゴムが行き渡ったリボン40等のゴム部品を製造することが可能となる。
なお、図5及び図6は、コアフィラメント16,18の上側からシースフィラメント26が覆い被さるように描かれているが、これはコアフィラメント16,18の配列方向を左右(水平)方向とした場合の例であって、コアフィラメント16,18の配列方向及びシースフィラメント26の位置はこれに限られるものではない。
リボン40は、タイヤのベルト補強層等(図示せず)に利用でき、該リボン40をベルト補強層に使用すると、トレッド(図示せず)がカットされたときでも、ベルト補強層内、特にスチールコード内部に水分が侵入し難く、耐腐食性が改善される。
なお、コアフィラメント16,18の直径は、例えば0.1乃至0.4mmであり、シースフィラメント26の直径も同様である。図示の例では、コアフィラメントが2本であるが、これは3本又は4本であってもよい。
(試験例)
タイヤサイズ185/70R14、2層のベルト補強層が配置される試作タイヤ(1本)のベルト層(タイヤ径方向最内側に位置する第1ベルト層)の周上に、表1に示す各実施例と各比較例に係るスチールコードを同時に埋設し、加硫後にタイヤからスチールコードを取り出し、シースフィラメントを除去したコアフィラメントの表面ゴム付き状態を観察することで、ゴムペネ性を評価した。
ゴムペネ率の評価は、一方向に並列に引き揃えられたコアフィラメントに対して、シースフィラメントが該一方向と略直角方向から覆い被さるような断面配置の撚り部分のみを問題とし、該当する10箇所の断面をチェックし、ゴムペネが実現している断面数の割合(パーセンテージ)で表した。
この試験例によれば、フィラメントに型付けが施されていない比較例1及び比較例2では、いずれもゴムペネ率が低いのに対し、コアフィラメントやシースフィラメントに対して各種の型付けを施した各実施例では、高いゴムペネ率が達成されている。
Figure 2006249635
チューブラー撚線機を示す模式図である。 シース用プレフォーマを示す模式図である。 シース用プレフォーマにおけるピン配置を示す模式図である。 スチールコードの平面図及び該スチールコード各部の断面図である。 スチールコードの断面図である。 スチールコードにゴムを被覆し、加硫してなるリボンの断面図である。
符号の説明
10 チューブラー撚線機
12 コア用ボビン
14 コア用ボビン
16 コアフィラメント
18 コアフィラメント
20 回転バレル
22 シース用ボビン
24 シース用プレフォーマ
26 シースフィラメント
26A シースフィラメント
26B シースフィラメント
30 スチールコード
32 コア用プレフォーマ
34 ピン
36 ピン
A 隙間
B 隙間

Claims (11)

  1. スチールからなる複数本のコアフィラメントを夫々無撚り状態で並列に引き揃える工程と、
    該工程で引き揃えられた前記複数のコアフィラメントの周囲に、スチールからなるシースフィラメントを、前記周囲に1層撚り合わせる場合に配置可能な最大本数の75%以下かつ少なくとも3本以上用いて1層に配列し、かつ前記周囲の一部に偏在させながら撚り合わせてスチールコードとする工程と、
    を有するスチールコードの製造方法であって、
    前記撚合わせ前に、前記コアフィラメント又は前記シースフィラメントのうちの少なくとも1本に対して、他の前記コアフィラメント及び前記シースフィラメントとは異なる型付けを施すことを特徴とするスチールコードの製造方法。
  2. 前記コアフィラメントの少なくとも1本に、他の前記コアフィラメントとは異なる型付けを施すことを特徴とする請求項1に記載のスチールコードの製造方法。
  3. 前記シースフィラメントの少なくとも1本に、他の前記シースフィラメントとは異なる型付けを施すことを特徴とする請求項1に記載のスチールコードの製造方法。
  4. 前記シースフィラメントのうちその配列方向の両端に位置するものを除いた中の少なくとも1本に、他の前記シースフィラメントとは異なる型付けを施すことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のスチールコードの製造方法。
  5. 複数のコア用ボビンから繰り出されるコアフィラメントと、回転バレル内の複数のシース用ボビンから繰り出されシース用プレフォーマにより型付けされるシースフィラメントとを集合させて撚り合わせるチューブラー撚線機であって、
    一部の前記コアフィラメントに対して型付けを行うコア用プレフォーマを有することを特徴とするチューブラー撚線機。
  6. 前記コアフィラメントに対してねじりを与えることができるように、前記コア用ボビン及び前記コア用プレフォーマが夫々回動可能に構成されていることを特徴とする請求項5に記載のチューブラー撚線機。
  7. 前記シース用プレフォーマに配設されたピンにより型付けされる前記シースフィラメントのうち、一部のシースフィラメントの型付けが他のシースフィラメントと異なるように、前記一部のシースフィラメントを型付けする前記ピンの配置が、前記他のシースフィラメントを型付けする前記ピンの配置と異なることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のチューブラー撚線機。
  8. 無撚り状態で並列に引き揃えられたスチールからなる複数本のコアフィラメントの周囲に、スチールからなるシースフィラメントを前記周囲の一部に偏在させながら1層撚り合わせてなるスチールコードであって、
    前記シースフィラメントの本数は、前記コアフィラメントの前記周囲に1層撚り合わせる場合に配置可能な最大本数の75%以下かつ少なくとも3本以上であり、
    前記コアフィラメント又は前記シースフィラメントのうちの少なくとも1本に対して、他の前記コアフィラメント及び前記シースフィラメントとは異なる型付けが施されていることを特徴とするスチールコード。
  9. 前記コアフィラメントの少なくとも1本に、他の前記コアフィラメントとは異なる型付けが施されていることを特徴とする請求項8に記載のスチールコード。
  10. 前記シースフィラメントの少なくとも1本に、他の前記シースフィラメントとは異なる型付けを施されていることを特徴とする請求項8に記載のスチールコード。
  11. 前記シースフィラメントのうちその配列方向の両端に位置するものを除いた中の少なくとも1本に、他の前記シースフィラメントとは異なる型付けが施されていることを特徴とする請求項8から請求項10の何れか1項に記載のスチールコード。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010168670A (ja) * 2009-01-20 2010-08-05 Kanai Hiroaki ゴム製品補強用スチールコード
JP2013199190A (ja) * 2012-03-23 2013-10-03 Bridgestone Corp 空気入りラジアルタイヤ
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JP7420731B2 (ja) 2018-10-17 2024-01-23 株式会社ブリヂストン エラストマー-金属コード複合体およびこれを用いたタイヤ

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