JP2006249204A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2006249204A
JP2006249204A JP2005066447A JP2005066447A JP2006249204A JP 2006249204 A JP2006249204 A JP 2006249204A JP 2005066447 A JP2005066447 A JP 2005066447A JP 2005066447 A JP2005066447 A JP 2005066447A JP 2006249204 A JP2006249204 A JP 2006249204A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
acid
weight
parts
evoh
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005066447A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuhiro Ogawa
伸浩 小川
Kaoru Inoue
馨 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2005066447A priority Critical patent/JP2006249204A/ja
Publication of JP2006249204A publication Critical patent/JP2006249204A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】 酸素吸収能に優れ、臭気の発生がなく、透明性にも優れた樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)にポリアリキレンエーテルユニットを有する重合体(B)、酸化触媒(C)を含有させてなる。

Description

本発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を主成分とする樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、酸素吸収能が良好で、臭気の発生がなく、かつ透明性に優れた樹脂組成物に関する。
一般に、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略する。)は、透明性、ガスバリア性、保香性、耐溶剤性、耐油性などに優れており、かかる特性を生かして、食品包装材料、医薬品包装材料、工業薬品包装材料、農薬包装材料等の各種包装材料に用いられている。
中でも、EVOHの大きな特徴であるガスバリア性に関して、さらなる酸素バリア性の向上のために、EVOHに酸素吸収能を付与する検討がなされている。すなわち、EVOHに遷移金属を添加する方法(例えば、特許文献1。)、EVOHにポリオレフィンと酸化触媒からなる樹脂組成物を添加する方法(例えば、特許文献2。)、EVOHに特定の炭素−炭素二重結合を有する重合体と遷移金属塩を添加する方法(例えば、特許文献3。)が提案されている。
特開平04−211444号公報 特開平05−156095号公報 特開2001−106866号公報
しかしながら、上記の方法について本発明者が詳細に検討したところ、特許文献1に記載の方法では、まだまだ酸素吸収速度や酸素吸収量が小さく実用性に乏しく、特許文献2,3の方法では、酸素吸収能には優れるものの、EVOHとEVOH以外の重合体との相溶性が不足しているためか透明性が低く、また、酸素吸収後に臭気が発生することが判明したため、良好な酸素吸収能を有し、臭気の発生がなく、かつ透明性に優れた樹脂組成物が望まれるところである。
そこで、本発明者は、かかる現況に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、EVOH(A)、ポリアリキレンエーテルユニットを有する重合体(B)および酸化触媒(C)からなる樹脂組成物が上記の目的に合致することを見出して本発明を完成するに至った。
また、本発明においては、ポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体(B)が、ポリアルキレンエーテルユニットと、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種のユニットとのブロック共重合体であること、酸化触媒(C)が遷移金属化合物、さらにはコバルト化合物であること、EVOH(A)がホウ素化合物を含有すること、さらには光増感剤(D)が含有されてなること、等が好ましい実施態様である。
本発明の樹脂組成物は、EVOH、ポリアリキレンエーテルユニットを有する重合体および酸化触媒を含有しているため、良好な酸素吸収能を有し、臭気の発生がなく、かつ透明性に優れるものである。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明で用いられるEVOH(A)は、エチレンとビニルエステル系モノマーとの共重合体をケン化することで得られる。かかるビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、中でも酢酸ビニルが好ましく用いられる。
ビニルエステル系モノマー及びエチレンを共重合するに当たっては、特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、分散重合、またはエマルジョン重合等の公知の方法を採用することができるが、通常は溶液重合が行われる。共重合時のモノマー成分の仕込み方法としては特に制限されず、一括仕込み、分割仕込み、連続仕込み等任意の方法が採用される。
かかる共重合に用いられる溶媒としては、通常、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコールやアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられ、工業的には、メタノールが好適に用いられる。
溶媒の使用量は、目的とする共重合体の重合度等に合わせて、溶媒の連鎖移動定数を考慮して適宜選択すればよく、例えば、溶媒がメタノールの時は、S(溶媒)/M(モノマー)=0.01〜10(重量比)、好ましくは0.05〜7(重量比)程度の範囲から選択される。
また、共重合に当たっては重合触媒が用いられ、かかる重合触媒としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の公知のラジカル重合触媒やt−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、α,α'ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル類、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−iso−プロピルパーオキシジカーボネート]、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等のパーオキシジカーボネート類、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、ジイソブチリルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類などの低温活性ラジカル重合触媒等が挙げられ、重合触媒の使用量は、触媒の種類により異なり一概には決められないが、重合速度に応じて任意に選択される。例えば、アゾビスイソブチロニトリルや過酸化アセチルを用いる場合、ビニルエステル系モノマーに対して10〜2000ppmが好ましく、特には50〜1000ppmが好ましい。
また、共重合反応の反応温度は、使用する溶媒や圧力により40℃〜沸点の範囲から選択することが好ましい。
本発明では、上記触媒とともにヒドロキシラクトン系化合物またはヒドロキシカルボン酸を共存させることが得られる樹脂組成物の色調を良好(無色に近づける)にする点で好ましく、該ヒドロキシラクトン系化合物としては、分子内にラクトン環と水酸基を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸、グルコノデルタラクトン等を挙げることができ、好適にはL−アスコルビン酸、エリソルビン酸が用いられ、また、ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸等を挙げることができ、好適にはクエン酸が用いられる。
かかるヒドロキシラクトン系化合物またはヒドロキシカルボン酸の使用量は、回分式及び連続式いずれの場合でも、ビニルエステル系モノマー100重量部に対して0.0001〜0.1重量部(さらには0.0005〜0.05重量部、特には0.001〜0.03重量部)が好ましく、かかる使用量が0.0001重量部未満では共存の効果が十分に得られないことがあり、逆に0.1重量部を超えるとビニルエステル系モノマーの重合を阻害する結果となって好ましくない。かかる化合物を重合系に仕込むにあたっては、特に限定はされないが、通常は低級脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノール等)やビニルエステル系モノマーを含む脂肪族エステル(酢酸メチル、酢酸エチル等)や水等の溶媒又はこれらの混合溶媒で希釈されて重合反応系に仕込まれる。
また、本発明では、上記の共重合時に本発明の効果を阻害しない範囲で共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重合していてもよく、かかる単量体としては、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド類、メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル類、ビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルエチレンカーボネート、エチレンカーボネート等が挙げられる。
さらに、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロライド、N−アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−アクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、メタアリルトリメチルアンモニウムクロライド、3−ブテントリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジエチルジアリルアンモニウムクロライド等のカチオン基含有単量体、アセトアセチル基含有単量体等も挙げられる。
さらにビニルシラン類としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルイソブチルジメトキシシラン、ビニルエチルジメトキシシラン、ビニルメトキシジブトキシシラン、ビニルジメトキシブトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルメトキシジヘキシロキシシラン、ビニルジメトキシヘキシロキシシラン、ビニルトリヘキシロキシシラン、ビニルメトキシジオクチロキシシラン、ビニルジメトキシオクチロキシシラン、ビニルトリオクチロキシシラン、ビニルメトキシジラウリロキシシラン、ビニルジメトキシラウリロキシシラン、ビニルメトキシジオレイロキシシラン、ビニルジメトキシオレイロキシシラン等を挙げることができる。
得られた共重合体は、次いでケン化されるのであるが、かかるケン化にあたっては、得られた共重合体をアルコール又は含水アルコールに溶解された状態で、アルカリ触媒又は酸触媒を用いて行われる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブタノール等が挙げられるが、メタノールが特に好ましく用いられる。アルコール中の共重合体の濃度は系の粘度により適宜選択されるが、通常は10〜60重量%の範囲から選ばれる。ケン化に使用される触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラート、リチウムメチラート等のアルカリ金属の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒、硫酸、塩酸、硝酸、メタスルフォン酸、ゼオライト、カチオン交換樹脂等の酸触媒が挙げられる。
かかるケン化触媒の使用量については、ケン化方法、目標とするケン化度等により適宜選択されるが、アルカリ触媒を使用する場合は通常、ビニルエステル系モノマーの合計量に対して0.001〜0.1当量、好ましくは0.005〜0.05当量が適当である。かかるケン化方法に関しては目標とするケン化度等に応じて、バッチケン化、ベルト上の連続ケン化、塔式の連続ケン化等の何れも可能で、ケン化時のアルカリ触媒量が低減できることやケン化反応が高効率で進み易い等の理由より、好ましくは、一定加圧下での塔式ケン化が用いられる。また、ケン化時の圧力は目的とするエチレン含有量により一概に言えないが、2〜7kg/cm2の範囲から選択され、このときの温度は80〜150℃、好ましくは100〜130℃から選択される。
かくして、目的とするEVOHが得られるのであるが、本発明においては、得られたEVOHのエチレン含有量やケン化度は、特に限定されないが、エチレン含有量を10〜60モル%(さらには20〜50モル%、特には25〜48モル%)、ケン化度を90モル%以上(さらには95モル%以上、特には99モル%以上)とすることが好ましく、該エチレン含有量が10モル%未満では高湿時のガスバリア性や外観性が低下する傾向にあり、逆に60モル%を超えると通常のガスバリア性も低下する傾向にあり、さらにケン化度が90モル%未満ではガスバリア性や耐湿性等が低下する傾向にあり好ましくない。
また、該EVOHのメルトフローレート(MFR)(210℃、荷重2160g)についても特に限定はされないが、0.1〜100g/10分(さらには0.5〜50g/10分、特には1〜30g/10分)が好ましく、該メルトフローレートが該範囲よりも小さい場合には、成形時に押出機内が高トルク状態となって押出加工が困難となる傾向にあり、また該範囲よりも大きい場合には、外観性やガスバリア性が低下する傾向にあり好ましくない。
また、本発明で用いるポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体(B)は、ポリアルキレンエーテルユニットを含有する重合体であれば、単一重合体であっても共重合体であっても良い。
ポリアルキレンエーテルユニットを含有する重合体(B)としては、ポリメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−及び1,3)プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール等の直鎖状及び分岐状の脂肪族エーテルの他、シクロヘキサンジオールの縮合体やシクロヘキサンジメタノールの縮合体等の脂環状エーテルの単一重合体または共重合体が挙げられる。また、これらエーテルユニット内でのランダム共重合体でも良い。また、ポリアルキレンエーテルユニットを有するブロック共重合体も用いることができ、これらのブロック共重合体としては、芳香族ポリエステルとポリアルキレンエーテルを用いたポリエステルエーテルブロック共重合体、脂肪族ポリエステルとポリアルキレンエーテルを用いたブロック共重合体や短鎖グリコールとジイソシアネートとの重合体からなるユニットとジイソシアネートとポリアルキレンエーテルとの重合体からなるユニットを有するポリウレタン系共重合体、ポリアミドとポリアルキレンエーテルを用いたポリアミドポリエーテル共重合体等が挙げられる。これらの中でも特に好ましいものはポリテトラメチレングリコールである。また、ポリアルキレンエーテルユニットの数平均分子量は600〜4000(さらには800〜2500、特には900〜2100)のものが好ましく、かかる数平均分子量が600未満では融点が高くなってエチレン−ビニルアルコール共重合体とのブレンドの際に溶融性が低下し、逆に4000を超えると融点が低下して上記のブレンド時にホッパーへの付着等が発生する虞があり好ましくない。これらのポリアルキレンエーテルユニットは、1種又は数平均分子量が異なる2種以上を使用することが出来る。
なお、上記の芳香族ポリエステルとポリアルキレンエーテルを用いたポリエステルエーテルブロック共重合体は、炭素原子数2〜12の脂肪族及び/又は脂環族ジオールと、芳香族ジカルボン酸またはそのアルキルエステル、及び平均分子量が600〜4,000のポリアルキレンエーテルとを原料とし、エステル化反応又はエステル交換反応により得られたオリゴマーを重縮合させて得ることができる。
炭素原子数2〜12の脂肪族及び/又は脂環族ジオールとしては、ポリエステルの原料として通常用いられるものが使用できる。例えば、アルキレングリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられるが中でも1,4−ブタンジオールが好ましい。これらのジオールは、1種又は2種以上の混合物を使用することができる。
芳香族ジカルボン酸としては、ポリエステルの原料として一般的に用いられているものが使用でき、例えばテレフタル酸及びその低級アルキルエステルやイソフタル酸、フタル酸、2,5−ノルボナンジカルボン酸、1,4−ナフタル酸、1,5−ナフタル酸、4,4−オキシ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸及びそれらの低級アルキルエステル等が挙げられる。これらの中では、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましく、特にテレフタル酸が好適である。また、これらの芳香族ジカルボン酸を2種以上併用してもよい。
上記のポリエステルエーテルブロック共重合体としては、「ポリエスター」(日本合成化学工業社製)、「プリマロイ」(三菱化学社製)、「ペルプレン」(東洋紡績社製)、「ハイトレル」(デュポン社製)などの市販品を挙げることができる。
なお、本発明においては、上記のポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体(B)は、酸変性されていてもよく、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラス酸、テトラヒドロフタル酸等のα,β−不飽和カルボン酸や不飽和ジカルボン酸、無水マレイン酸無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸などの酸類を重合体(B)にグラフト重合した酸変性物を挙げることができる。
ポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体(B)の含有量としては、EVOH(A)100重量部に対して1〜25重量部(さらには1〜15重量部、特には1〜10重量部)が好ましく、かかる含有量が1重量部未満では酸素吸収能が不足し、逆に25重量部を超えると得られる樹脂組成物の透明性が低下する傾向となり好ましくない。
また、本発明で用いる酸化触媒(C)としては、金属酸化触媒が好ましく、さらには遷移金属化合物であることが好ましい。かかる遷移金属としてはチタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ルテニウム、パラジウムから選ばれる少なくとも一種であり、中でも樹脂との相溶性、触媒としての機能性、安全性の点でコバルトが好ましい。かかる化合物の形態としては、特に限定されるものではなく、酸化物や塩化物、有機酸塩、錯体等が挙げられるが、樹脂への練り混みを考慮すると、有機酸塩が好ましく、中でも脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸等のカルボン酸塩が好ましく、より具体的には溶融混合性が良好である点でステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸、デカン酸、オクタン酸、オレイン酸、ネオデカン酸、リノール酸等の長鎖アルキル脂肪酸塩が好ましく、さらにはステアリン酸、ネオデカン酸の塩が好ましい。この遷移金属の含有量は金属換算でポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体(B)100重量部に対して0.001〜10重量部(さらには0.01〜5重量部、特には0.05〜1重量部)が好ましく、かかる含有量が0.001重量部未満では酸素吸収能が不足し、逆に10重量部を超えると、得られる樹脂組成物の外観が悪くなる傾向にあり好ましくない。
本発明の樹脂組成物は、上記のEVOH(A)、ポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体(B)および酸化触媒(C)を含有してなるもので、これらのブレンド方法としては、特に限定されないが、均一な混合が可能である点で溶融混合する方法が好ましい。
かかる溶融混合する方法としては、例えば、ニーダールーダー、押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、プラストミルなどの公知の混練装置を使用して行うことができるが、通常は単軸又は二軸等の押出機を用いることが工業上好ましく、また、必要に応じて、ベント吸引装置、ギヤポンプ装置、スクリーン装置等を設けることも好ましい。特に、水分や副生成物(熱分解低分子量物等)を除去するために、押出機に1個以上のベント孔を設けて減圧下に吸引したり、押出機中への酸素の混入を防ぐために、ホッパー内に窒素等の不活性ガスを連続的に供給したりすることにより、熱着色や熱劣化が軽減された品質の優れた樹脂組成物を得ることができる。
また、各々の成分を押出機に供給する方法についても特に限定されず、イ)(A)〜(C)をドライブレンドして一括して押出機に供給する方法、ロ)(A)あるいは(B)のいずれかを押出機に供給して溶融させたところに残りの成分を供給する方法(ソリッドサイドフィード法)、ハ)(A)あるいは(B)のいずれか1種を押出機に供給して溶融させたところに溶融状態の他方と(C)を供給する方法(メルトサイドフィード法)等を挙げることができるが、中でも、イ)の方法が装置の簡便さ、ブレンド物のコスト面等で工業上実用的である。
かくして得られた本発明の樹脂組成物は、このままで溶融成形等に供することもできるが、本発明においては、かかる樹脂組成物に本発明の目的を阻害しない範囲において、飽和脂肪族アミド(例えばステアリン酸アミド等)、不飽和脂肪酸アミド(例えばオレイン酸アミド等)、ビス脂肪酸アミド(例えばエチレンビスステアリン酸アミド等)、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等)、低分子量ポリオレフィン(例えば分子量500〜10,000程度の低分子量ポリエチレン、又は低分子量ポリプロピレン等)などの滑剤、無機塩(例えばハイドロタルサイト等)、可塑剤(例えばエチレングリコール、グリセリン、ヘキサンジオール等の脂肪族多価アルコールなど)等や、消臭剤(活性炭等)、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、充填材(例えば無機フィラー等)、他樹脂等を配合しても良い。
さらには、本発明の目的を阻害しない範囲において、本発明の樹脂組成物に酢酸、リン酸等の酸類やそのアルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属塩を添加させることがEVOHの熱安定性を向上させる点で好ましい。
酢酸の添加量としては樹脂組成物中のEVOH100重量部に対して0.001〜1重量部(さらには0.005〜0.2重量部、特には0.010〜0.1重量部)とすることが好ましく、かかる添加量が0.001重量部未満ではその含有効果が十分に得られないことがあり、逆に1重量部を超えると得られる成形物の外観が悪化する傾向にあり好ましくない。
また、酸の金属塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリル酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等の有機酸や、硫酸、亜硫酸、炭酸、リン酸等の無機酸の金属塩が挙げられ、好適には酢酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩である。また、該金属塩の添加量としては、樹脂組成物中のEVOH100重量部に対して金属換算で0.0005〜0.1重量部(さらには0.001〜0.05重量部、特には0.002〜0.03重量部)とすることが好ましく、かかる添加量が0.0005重量部未満ではその含有効果が十分に得られないことがあり、逆に0.1重量部を超えると得られる成形物の外観が悪化する傾向にあり好ましくない。尚、EVOHに2種以上のアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の塩を添加する場合は、その総計が上記の添加量の範囲にあることが好ましい。
また、上記の酸や金属塩と同様、ホウ素化合物をホウ酸やホウ酸金属塩として添加することも好ましく、かかるホウ酸金属塩としてはホウ酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム・カリウム、ホウ酸アンモニウム(メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等)、ホウ酸カドミウム(オルトホウ酸カドミウム、四ホウ酸カドミウム等)、ホウ酸カリウム(メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム等)、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)、ホウ酸鉛(メタホウ酸鉛、六ホウ酸鉛等)、ホウ酸バリウム(オルトホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、二ホウ酸バリウム、四ホウ酸バリウム等)、ホウ酸ビスマス、ホウ酸マグネシウム(オルトホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、メタホウ酸マグネシウム、四ホウ酸三マグネシウム、四ホウ酸五マグネシウム等)、ホウ酸リチウム(メタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸リチウム等)などの他、ホウ砂、カーナイト、インヨーアイト、コトウ石、スイアン石、ザイベリ石等のホウ酸塩鉱物などが挙げられ、好適にはホウ砂、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)が挙げられる。またホウ素化合物の添加量としては、樹脂組成物中のEVOH100重量部に対してホウ素換算で0.001〜1重量部(さらには0.002〜0.2重量部、特には0.005〜0.1重量部)とすることが好ましく、かかる添加量が0.001重量部未満ではその含有効果が十分に得られないことがあり、逆に1重量部を超えると得られる成形物の外観が悪化する傾向にあり好ましくない。
樹脂組成物に酸類やその金属塩、あるいはホウ素化合物(以下、まとめて添加物と称す)を添加する方法については、特に限定されず、ア)含水率20〜80重量%のEVOHの多孔性析出物を、添加物の水溶液と接触させて、添加物を含有させてから乾燥する方法、イ)EVOHの均一溶液(水/アルコール溶液等)に添加物を含有させた後、凝固液中にストランド状に押し出し、次いで得られたストランドを切断してペレットとして、さらに乾燥処理をする方法、ウ)EVOHと添加物を一括して混合してから押出機等で溶融混練する方法、エ)樹脂組成物と添加物を一括して混合してから押出機等で溶融混練する方法、オ)EVOHの製造時において、ケン化工程で使用したアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)を酢酸等の酸類で中和して、残存する酢酸等の酸類や副生成する酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属塩の量を水洗処理により調整したりする方法等を挙げることができる。本発明の効果をより顕著に得るためには、添加物の分散性に優れるア)、イ)またはオ)の方法が好ましい。
上記ア)、イ)またはオ)の方法で得られたEVOH組成物は、塩類や金属塩が添加された後、乾燥が行われる。
かかる乾燥方法としては、種々の乾燥方法を採用することが可能である。例えば、実質的にペレット状のEVOHが、機械的にもしくは熱風により撹拌分散されながら行われる流動乾燥や、実質的にペレット状のEVOHが、撹拌、分散などの動的な作用を与えられずに行われる静置乾燥が挙げられ、流動乾燥を行うための乾燥器としては、円筒・溝型撹拌乾燥器、円管乾燥器、回転乾燥器、流動層乾燥器、振動流動層乾燥器、円錐回転型乾燥器等が挙げられ、また、静置乾燥を行うための乾燥器として、材料静置型としては回分式箱型乾燥器が、材料移送型としてはバンド乾燥器、トンネル乾燥器、竪型乾燥器等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。流動乾燥と静置乾燥を組み合わせて行うことも可能である。
該乾燥処理時に用いられる加熱ガスとしては空気または不活性ガス(窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等)が用いられ、該加熱ガスの温度としては、40〜150℃が、生産性とEVOHの熱劣化防止の点で好ましい。該乾燥処理の時間としては、EVOHの含水量やその処理量にもよるが、通常は15分〜72時間程度が、生産性とEVOHの熱劣化防止の点で好ましい。
上記の条件でEVOH組成物が乾燥処理されるのであるが、該乾燥処理後の含水率は0.001〜5重量%(さらには0.01〜2重量%、特には0.1〜1重量部)になるようにするのが好ましく、該含水率が0.001重量%未満では、ロングラン成形性が低下する傾向にあり、逆に5重量%を超えると、押出成形時時に発泡が発生する虞があり好ましくない。
また、本発明においては、後述するエネルギー線照射を考慮して、本発明の樹脂組成物に光増感剤(D)を含有させることも好ましく、かかる光増感剤(D)としては、ベンゾフェノン、0−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4,4−ビス−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'メチル−ジフェニルサルファイド、アルキル化ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニルベンゾフェノン)、アセトフェノン、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ) −フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2メチル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル) −ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル) −フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル) −2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドなどが挙げられ、中でもベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系のものが用いられる。
かかる光増感剤(D)の含有量は、ポリアルキレンエーテルユニットを含有する重合体(B)100重量部に対して、0.0001〜1重量部(さらには0.001〜0.1重量部、特には0.001〜0.05重量部)が好ましく、かかる含有量が0.0001重量部未満では光増感作用に乏しく、逆に1重量部を超えると照射されるエネルギー線が均一に吸収されないことがあり好ましくない。
かかる光増感剤(D)の添加方法としては、特に制限されないが、イ)(A)〜(D)をドライブレンドして一括して押出機に供給する方法、ロ)(A)あるいは(B)のいずれかを押出機に供給して溶融させたところに残りの(C)及び(D)を供給する方法(ソリッドサイドフィード法)、ハ)(A)あるいは(B)のいずれか1種を押出機に供給して溶融させたところに溶融状態の他方と(C)及び(D)を供給する方法(メルトサイドフィード法)等を挙げることができるが、中でも、イ)の方法が装置の簡便さ、ブレンド物のコスト面等で工業上実用的である。
かくして本発明の樹脂組成物が得られるわけであるが、かかる樹脂組成物は、成形物に有用で、特に溶融成形に有用でかかる溶融成形について以下に説明する。
成形物としては単層あるいは複層(積層)のフィルムやシート、容器、チューブ等を挙げることができ、他の基材と積層するときの積層方法としては、例えば本発明の樹脂組成物のフィルム、シート等に他の基材を溶融押出ラミネートする方法、逆に他の基材に該樹脂を溶融押出ラミネートする方法、該樹脂と他の基材とを共押出する方法、該樹脂(層)と他の基材(層)とを有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする方法等が挙げられるが、多層構造体(積層体)が簡便に作製できる点で共押出する方法が好ましい。
かかる共押出法としては、具体的には、マルチマニーホールドダイ法、フィードブロック法、マルチスロットダイ法、ダイ外接着法等の公知の方法を採用することができる。ダイスの形状としてはTダイス、丸ダイスが挙げられる。また溶融押出時の溶融成形温度は、150〜300℃が好ましい。
かかる他の基材としては、熱可塑性樹脂が有用で、具体的には、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン(ブロックおよびランダム)共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン(炭素数4〜20のα−オレフィン)共重合体、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又は共重合体、或いはこれらのオレフィンの単独又は共重合体を不飽和カルボン酸又はそのエステルでグラフト変性したものなどの広義のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂(共重合ポリアミドも含む)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ポリスチレン、ビニルエステル系樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、芳香族または脂肪族ポリケトン、さらにこれらを還元して得られるポリアルコール類、更には他のEVOH等が挙げられるが、積層体の物性(特に強度)等の実用性の点から、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン(ブロック又はランダム)共重合体、ポリアミド、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)が好ましく用いられる。
さらに、本発明の樹脂組成物のフィルムやシート、延伸フィルム等の成形物に他の基材を押出コートしたり、他の基材のフィルム、シート等を接着剤を用いてラミネートする場合、かかる基材としては、前記の熱可塑性樹脂以外に任意の基材(紙、金属箔、一軸又は二軸延伸プラスチックフィルム又はシートおよびその無機物蒸着物、織布、不織布、金属綿状、木質等)が使用可能である。
積層体の層構成は、本発明の樹脂組成物の層をa(a1、a2、・・・)、他の基材、例えば熱可塑性樹脂層をb(b1、b2、・・・)とするとき、フィルム、シート、ボトル状であれば、a/bの二層構造のみならず、b/a/b、a/b/a、a1/a2/b、a/b1/b2、b2/b1/a/b1/b2、b2/b1/a/b1/a/b1/b2等任意の組み合わせが可能であり、さらには、少なくとも該樹脂組成物と熱可塑性樹脂の混合物からなるリグラインド層をRとするとき、b/R/a、b/R/a/b、b/R/a/R/b、b/a/R/a/b、b/R/a/R/a/R/b等とすることも可能であり、フィラメント状ではa、bがバイメタル型、芯(a)−鞘(b)型、芯(b)−鞘(a)型、或いは偏心芯鞘型等任意の組み合わせが可能である。なお、上記の層構成において、それぞれの層間には、必要に応じて接着性樹脂層を設けることができ、かかる接着性樹脂としては、種々のものを使用することもでき、bの樹脂の種類によっても異なり一概に言えないが、不飽和カルボン酸またはその無水物をオレフィン系重合体(上述の広義のポリオレフィン系樹脂)に付加反応やグラフト反応等により化学的に結合させて得られるカルボキシル基を含有する変性オレフィン系重合体を挙げることができ、具体的には、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−プロピレン(ブロックおよびランダム)共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビニル共重合体等から選ばれた1種または2種以上の混合物が好適なものとして挙げられる。このときの、熱可塑性樹脂に含有される不飽和カルボン酸又はその無水物の量は、0.001〜3重量%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜1重量%、特に好ましくは0.03〜0.5重量%である。該変性物中の変性量が少ないと、接着性が不充分となることがあり、逆に多いと架橋反応を起こし、成形性が悪くなることがあり好ましくない。またこれらの接着性樹脂には、本発明の樹脂組成物や他のEVOH、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレンゴム等のゴム・エラストマー成分、さらにはb層の樹脂等をブレンドすることも可能である。特に、接着性樹脂の母体のポリオレフィン系樹脂と異なるポリオレフィン系樹脂をブレンドすることにより、接着性が向上することがあり有用である。
積層体の各層の厚みは、層構成、bの種類、用途や容器形態、要求される物性などにより一概に言えないが、通常は、a層は2〜500μm(さらには3〜200μm)、b層は10〜5000μm(さらには30〜1000μm)、接着性樹脂層は1〜400μm(さらには2〜150μm)程度の範囲から選択される。
また、基材樹脂層に従来知られているような酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、核材、ブロッキング防止剤、ワックス等を含んでいても良い。
かくして得られた積層体の形状としては任意のものであってよく、フィルム、シート、テープ、カップ、トレイ、チューブ、ボトル、パイプ、フィラメント、異型断面押出物等が例示される。又、得られる積層体は必要に応じ、熱処理、冷却処理、圧延処理、印刷処理、ドライラミネート処理、溶液又は溶融コート処理、製袋加工、深絞り加工、箱加工、チューブ加工、スプリット加工等を行うことができる。
上記の如く得られたカップ、トレイ、チューブ、ボトル、パウチ、袋等からなる容器や延伸フィルムからなる袋や蓋材は一般的な食品の他、マヨネーズ、ドレッシング等の調味料、味噌等の発酵食品、サラダ油等の油脂食品、飲料、化粧品、医薬品、洗剤、香粧品、工業薬品、農薬、燃料等各種の容器として有用である。
本発明においては、本発明の樹脂組成物に活性エネルギー線を照射することにより、酸素吸収能を十分に発揮させることができる。すなわち、上記で得られた積層体等の成形物に活性エネルギー線を照射することにより、ガス(酸素)バリア性及び酸素吸収能が十分に発揮されるのである。
ここで、用いられる活性エネルギー線としては特に限定されないが、可視光線、紫外光線、電離放射線などを挙げることができ、好ましくは、可視光線および紫外光線である。照射される活性エネルギー量としては、可視光線では、照度3500〜7000ルクスで1分以上照射することが好ましく、紫外線では200〜1000mJ/cm2が好ましく、電離放射線では、20〜100kGyが好ましい。活性エネルギー量が少ない場合は十分な酸素吸収能力が発現せず、逆に多い場合は樹脂組成物(積層体等)の劣化の虞あり好ましくない。
以下に、実施例を挙げて本発明の方法を具体的に説明する。なお、以下、「%」、「部」とあるのは、特にことわりのない限り、重量基準を意味する。
実施例1
EVOH〔エチレン含有量44モル%、MFRが6g/分(210℃ 2160g荷重)、ホウ酸をホウ素換算でEVOH100部に対して0.05部含有〕(A)100部、1,4−ブタンジオール・ポリテトラメチレングリコール・テレフタル酸共重合体〔1,4−ブタンジオール/ポリテトラメチレングリコール/テレフタル酸の共重合モル比が0.4/0.1/0.5〕(B)5部およびステアリン酸コバルト(C)を0.4部を30mmφ二軸押出機に供して210℃で溶融混合して、本発明の樹脂組成物のペレットを得た。
上記で得られたペレット(樹脂組成物)を以下の要領で評価した。
(酸素吸収能)
得られたペレットを40mmφ単軸押出機に供給し、400mm幅の単層Tダイスから210℃で80℃のロール上に押出して、厚み15μmの単層フィルムを得た。次いで、得られたフィルムを、縦13cm×17cmに裁断し、5枚のフィルムを精秤した後、東芝社製蛍光灯機(光源:蛍光灯、白色40W)を光源として、可視光線を照度5000ルクスで上記のフィルムに1時間照射して測定用試料フィルムを得た。別途多層フィルム(PE/EVOH(日本合成化学工業社製「ソアノールDT2903」)/PEの3層フィルム、酸素透過度1.3cc/m2・day・atm以下)で透明パウチを作製し、その中に上記で得られた試料フィルムを投入し、完全に脱気した後、パウチにシリンジを用いて200ccの空気を注入しヒートシールにて密封し、23℃で10日間放置後、パウチ内の空気組成をガスクロマトグラフィーにて測定して、酸素濃度減少分をフィルムの酸素吸収量として、フィルム単位重量当たりの酸素吸収量を求めた。
(透明性)
上記で、酸素吸収能を測定した後のフィルムのヘイズ値を、日本電色社製「NDH2000ヘイズメーター」を用いて測定した。
(臭気)
上記の単層フィルムをA4サイズに裁断して、上記と同様に可視光線を照度5000ルクスで1時間照射後、2lの無臭袋に入れ、脱気した後、約1lの空気を入れて、ヒートシールにて密封し、23℃で10日間放置したのち、袋を開封して袋中の臭気を下記の様に官能評価を行った。
○・・・殆んど臭気を感じない
△・・・わずかに臭気を感じる
×・・・強い臭気を感じる
実施例2
実施例1において、可視光線照射を行わなかった以外は同様に評価を行った。
実施例3
実施例1において、EVOH(A)としてエチレン含有量44モル%、MFRが12g/分(210℃ 2160g荷重)でホウ酸を含有しないEVOHを使用した以外は同様に樹脂組成物を作製し、同様に評価を行った。
実施例4
実施例1において、(B)成分として1,4−ブタンジオール/ポリテトラメチレングリコール/テレフタル酸の共重合モル比が0.7/0.3/1.0の共重合樹脂を用いた以外は同様に樹脂組成物を作製し、同様の評価を行った。
実施例5
実施例1において、(C)成分としてネオデカン酸コバルトを用いた以外は同様に樹脂組成物を作製し、同様の評価を行った。
実施例6
実施例1において、さらに光増感剤(D)として、4,4−ビス−ジエチルアミノベンゾフェノンを0.02部含有させた以外は同様に樹脂組成物を作製し、同様の評価を行った。
実施例7
実施例1において、EVOH(A)としてエチレン含有量32モル%、MFRが12g/分(210℃ 2160g荷重)、でホウ酸をホウ素換算でEVOH100部に対して0.02部含有するEVOHを使用した以外は同様に樹脂組成物を作製し、同様の評価を行った。
実施例8
実施例1において、(B)成分の含有量を10部とした以外は同様に樹脂組成物を作製し、同様の評価を行った。
実施例9
実施例1において、(C)成分の含有量を0.1部とした以外は同様に樹脂組成物を作製し、同様の評価を行った。
実施例10
実施例1おいて、光増感剤(D)として2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノンを0.02部含有させて、さらに可視光線に替えて、330mJ/cm2の紫外線照射を行った以外は同様に評価を行った。
比較例1
実施例1において、(B)成分を含有しなかった以外は同様にして評価を行った。
比較例2
実施例1において、(B)成分の代わりに1,4−ポリブタジエンを用いた以外は同様に樹脂組成物を作製し、同様の評価を行った。
比較例3
実施例1において、(C)成分を含有しなかった以外は同様にして評価を行った。
実施例及び比較例の評価結果を表1にまとめて示す。
〔表1〕
Figure 2006249204
本発明の樹脂組成物は、酸素吸収能に優れ、臭気がなく透明性にも優れており、食品包装材料、医薬品包装材料、工業薬品包装材料、農薬包装材料等の各種包装材料として有用である。

Claims (12)

  1. エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)、ポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体(B)および酸化触媒(C)を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. ポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体(B)が、ポリアルキレンエーテルユニットと、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミドからなる群から選ばれる少なくとも1種のユニットとのブロック共重合体であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 酸化触媒(C)が、遷移金属化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 酸化触媒(C)が、コバルト化合物であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の樹脂組成物。
  5. ポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体(B)の含有量が、エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)100重量部に対して1〜25重量部であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の樹脂組成物。
  6. 酸化触媒(C)の含有量が、金属換算でポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体(B)100重量部に対して0.001〜10重量部であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の樹脂組成物。
  7. 活性エネルギー線が照射されてなることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の樹脂組成物。
  8. 活性エネルギー線が可視光線または紫外線であることを特徴とする請求項7に記載の樹脂組成物。
  9. さらに、光増感剤(D)が含有されてなることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の樹脂組成物。
  10. 光増感剤(D)が、ベンゾフェノン系であることを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の樹脂組成物。
  11. 光増感剤(D)の含有量が、ポリアルキレンエーテルユニットを有する重合体(B)100重量部に対して0.0001〜1重量部であることを特徴とする請求項1〜10いずれか記載の樹脂組成物。
  12. エチレン−ビニルアルコール共重合体(A)がホウ素化合物をエチレン−ビニルアルコール共重合体100重量部に対してホウ素換算で0.001〜1重量部含有されてなることを特徴とする請求項1〜11いずれか記載の樹脂組成物。

JP2005066447A 2005-03-10 2005-03-10 樹脂組成物 Pending JP2006249204A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005066447A JP2006249204A (ja) 2005-03-10 2005-03-10 樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005066447A JP2006249204A (ja) 2005-03-10 2005-03-10 樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006249204A true JP2006249204A (ja) 2006-09-21

Family

ID=37090029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005066447A Pending JP2006249204A (ja) 2005-03-10 2005-03-10 樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006249204A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019103078A1 (ja) 2017-11-22 2019-05-31 日本合成化学工業株式会社 樹脂組成物、溶融成形用材料、多層構造体および液体包装用材料

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04211444A (ja) * 1990-03-12 1992-08-03 Toppan Printing Co Ltd 酸素バリヤー性樹脂組成物
JP2001106866A (ja) * 1999-03-03 2001-04-17 Kuraray Co Ltd 酸素吸収性樹脂組成物
JP2001106920A (ja) * 1999-03-03 2001-04-17 Kuraray Co Ltd ガスバリア性樹脂組成物
JP2003064250A (ja) * 2001-08-23 2003-03-05 Mitsubishi Chemicals Corp 酸素吸収性樹脂組成物
JP2003113311A (ja) * 2001-10-01 2003-04-18 Mitsubishi Chemicals Corp 酸素吸収性樹脂組成物
JP2006070108A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Kyoraku Co Ltd 酸素吸収性樹脂組成物及び多層構造体

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04211444A (ja) * 1990-03-12 1992-08-03 Toppan Printing Co Ltd 酸素バリヤー性樹脂組成物
JP2001106866A (ja) * 1999-03-03 2001-04-17 Kuraray Co Ltd 酸素吸収性樹脂組成物
JP2001106920A (ja) * 1999-03-03 2001-04-17 Kuraray Co Ltd ガスバリア性樹脂組成物
JP2003064250A (ja) * 2001-08-23 2003-03-05 Mitsubishi Chemicals Corp 酸素吸収性樹脂組成物
JP2003113311A (ja) * 2001-10-01 2003-04-18 Mitsubishi Chemicals Corp 酸素吸収性樹脂組成物
JP2006070108A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Kyoraku Co Ltd 酸素吸収性樹脂組成物及び多層構造体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019103078A1 (ja) 2017-11-22 2019-05-31 日本合成化学工業株式会社 樹脂組成物、溶融成形用材料、多層構造体および液体包装用材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5008290B2 (ja) エチレン−ビニルアルコール共重合体組成物およびそれを用いた多層構造体
JP4217198B2 (ja) エチレン−ビニルアルコール共重合体およびその組成物、その用途および製造方法
JP4627471B2 (ja) 多層フィルム
JP5008291B2 (ja) 樹脂組成物およびそれを用いた多層構造体
JP5089071B2 (ja) 樹脂組成物
JP4549270B2 (ja) 多層シュリンクフィルム
JP4620560B2 (ja) 多層延伸フィルム
JP5188006B2 (ja) 樹脂組成物およびそれを用いた多層構造体
JP4895562B2 (ja) 積層構造体およびその用途
JP2007261074A (ja) 多層延伸フィルム
JP4627424B2 (ja) バッグインボックス内容器
JP5008292B2 (ja) 樹脂組成物およびそれを用いた多層構造体
JP7156028B2 (ja) 溶融成形用エチレン-ビニルアルコール系共重合体組成物、ペレットおよび多層構造体
JP4627469B2 (ja) 多層延伸フィルム
JP4744835B2 (ja) 絞り出し多層容器
JP4421828B2 (ja) 多層容器
JP4744834B2 (ja) 樹脂組成物およびそれを用いた多層構造体および容器
EP2014713A1 (en) Resin composition and multilayer structure making use of the same
WO2019004258A1 (ja) エチレン-ビニルアルコール系共重合体組成物、溶融成形用エチレン-ビニルアルコール系共重合体組成物、ペレットおよび多層構造体
JP2006249204A (ja) 樹脂組成物
JP5041693B2 (ja) ラミネート用原反フィルム
JP4375739B2 (ja) 燃料容器
JP4612383B2 (ja) ブロー成形多層ボトル
JP6972717B2 (ja) 新規エチレン−ビニルアルコール系共重合体及びそれを含むフィルム、多層構造体、およびその製造方法
WO2004069922A1 (ja) 樹脂組成物およびその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110426

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110607