JP2006247579A - 電着塗膜の低汚染化方法および当該方法によって得られる低汚染性の塗装物品 - Google Patents

電着塗膜の低汚染化方法および当該方法によって得られる低汚染性の塗装物品 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、耐候性、耐久性、耐薬品性、耐溶剤性、外観、意匠性等において従来品と同等の性能を有し、かつ従来にない優れた低汚染性を有する電着塗膜を得る方法、および該電着塗膜が塗装された塗装物品を得ることを目的としている。
【解決手段】 被塗装材に、アニオン型あるいはカチオン型の電着塗装を行った塗膜を、アルコキシシランおよびまたはその部分加水分解縮合物で表面処理した後、100℃から250℃の温度で焼付け乾燥することにより、低汚染性に優れた電着塗膜を得ることができる。また、当該方法を適用することで、優れた低汚染性を有する塗装物品を得ることができる。

Description

本発明は、アニオン型電着塗装法あるいはカチオン型電着塗装法によって得られる電着塗膜を、特定の処理を行い、当該塗膜に低汚染性を付与する技術に関するものであり、また当該方法を被塗装材に適用することにより、低汚染性に優れた屋外用の塗装物品を提供することができる。
近年資源の保護、エネルギー使用量の削減等の問題から、塗膜の長期性能を十分に確保する要求が高まっている。このような中、屋外で使用される用途においては、従来からの耐候性確保の要求に加えて、塗膜の汚れを防止し、塗装直後の美観を長期間保持する性能が強く求められている。特に都市近郊においては、近年大気中の各種浮遊汚染物質が増加しており、この物質が塗膜に付着し汚染の要因になるため、これを防止し、塗膜の低汚染性を確保し美観を保持することが重要な課題である。
上記は電着塗装された塗膜についても例外ではなく、例えばアルミ建材、アルミパネルの塗装、あるいは屋外設置の鋼製部材の塗装等においては、従来技術では得られない、耐候性と低汚染性を付与した塗膜が必須になっている。
このような要求を満足させるため、他の塗料と同様に、電着塗料中に汚染性を防止する化合物を添加するという方法が考えられる。引用の特許文献1,2,3および4は、このような化合物を利用した、電着塗装以外の塗装方法における低汚染化技術である。しかしながら、電着塗装においてこのような技術を応用しても、その特異性、すなわち電着塗装時に当該化合物が塗膜へ泳動性するかどうかの問題、あるいは、塗装、焼き付け後に当該化合物が塗膜表面に濃縮されるかどうかの問題等で、未だ実用的な技術は得られていない。
特許第2869443号公報 特開平10−152646号公報 特許第3073775号公報 特開平11−343462号公報
本発明はこのような要求に応えてなされたもので、本発明によれば電着塗装、電着塗膜に要求される諸性能を十分に満足させ、かつ近年要望の高まっている汚染防止効果を、容易に電着塗膜に付与することが可能である。また本発明の塗装方法を実施することにより、低汚染性、耐候性、耐久性、耐薬品性、耐溶剤性、外観、意匠性に優れた塗装物品を提供することができる。
すなわち本発明は、被塗装材に電着塗装して得られる塗膜を、アルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物で表面処理した後、100℃から250℃の温度で焼付け乾燥することを特徴とする、電着塗膜の低汚染化方法、および当該方法によって得られる低汚染性を有する塗装物品に関する。
本発明における電着塗装は、アニオン型電着塗装およびカチオン電着塗装の両方に適用され、また本発明のアルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物は、アルキレン基、ポリオキシアルキレン基またはポリシロキサンポリオキシアルキレン基の中から選ばれた1種または1種以上の基で変性された、あるいは変性されていない、アルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物の両者を包含している。
本発明によれば、従来法と同様の電着塗装方法が適用され、電着塗膜に要求される諸性能を十分に満足させるとともに、得られる電着塗膜に容易に低汚染性を付与することが可能である。また本発明の塗装方法を実施することにより、低汚染性、耐候性、耐久性、耐薬品性、耐溶剤性、外観、意匠性に優れた塗装物品を提供することができる。
低汚染効果の発現については、アルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物が加水分解してシラノール基を形成し、塗膜表面を親水化することにより、低汚染効果が発揮されると考えられる。実施例においても塗膜を高湿度下に保持することで、塗膜表面と水の接触角が低下して親水性が向上していることがわかる。
以下に、本発明における電着塗膜の低汚染化方法およびその方法によって得られる塗装物品について詳細に説明する。本発明における電着塗装方法は、アニオン型電着塗装方法およびカチオン型電着塗装方法の両方を包含している。
[電着塗料]
アニオン型電着塗料について説明する。使用される基剤樹脂は、カルボキシル基に代表される酸基を有する樹脂で、酸基をアンモニア、有機アミン等のアルカリで中和して、水溶化もしくは水分散化を図り電着塗料に供せられる。また焼付けにおいて三次元架橋した塗膜を形成させるため、架橋剤が併用されるのが一般的である。基剤樹脂については酸基含有のビニル樹脂、ポリエステル樹脂が代表的であり、架橋剤についてはメラミン樹脂が代表である。
基剤樹脂は酸価が10〜150mgKOH/g、より好ましくは20〜100mgKOH/g、メラミン樹脂と架橋反応させるため、水酸基価は20〜200mgKOH/g、より好ましくは40〜160mgKOH/gが選ばれる。重量平均分子量は1000〜100000が好ましい。
メラミン樹脂はメチロール基の少なくとも一部を低級アルコールでアルコキシ化したアルキルエーテル化メチロールメラミン樹脂であって、低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等が使用できる。
カチオン型電着塗料について説明する。使用される基剤樹脂はアミノ基を有する樹脂で、アミノ基を蟻酸、酢酸、乳酸等の酸化合物で中和して、水溶化もしくは水分散化を図り電着塗料に供せられる。また焼付けにおいて三次元架橋した塗膜を形成させるため、架橋剤が併用されるのが一般的である。基剤樹脂についてはアミノ基含有のビニル樹脂、アミン化合物をエポキシ基と反応させて得られる、アミノ基含有エポキシ樹脂誘導体が代表的であり、架橋剤についてはブロック化ポリイソシアネートが代表である。
基剤樹脂のアミノ基の量は、樹脂1000g当たり0.3〜6当量が好ましく、より好ましくは0.5〜3当量で、ブロック化ポリイソシアネートと架橋反応させるため、水酸基価は40〜300mgKOH/g、より好ましくは70〜200mgKOH/gが選ばれる。重量平均分子量は400〜50000が好ましい。
ブロック化ポリイソシアネートは、イソシアネート基がブロック化剤で保護され、加熱により再生するイソシアネート基が基剤樹脂の水酸基と反応する化合物である。
アニオンおよびカチオンの両塗装法において、電着塗料は上記記載の基剤樹脂および架橋剤、さらに必要に応じてプロパノール、ブタノール、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、ベンジルアルコール等の溶剤、酸化チタン、酸化鉄、有機着色顔料、カーボンブラック、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、防錆顔料等の顔料を併用して製造され、本発明の電着塗装に供せられる。その他粘度調整剤、界面活性剤、消泡剤、はじき防止剤、たれ防止剤、硬化触媒等の添加剤を併用することも可能である。
[電着塗装方法]
アニオン電着塗装は、被塗装材例えばアルミニウム材、アルミニウム合金を陽極に接続し、浴液のPHが6〜9、浴温が10〜30℃に調整されたアニオン型電着塗料中で、通常30〜350Vの電圧をかけ、0.5〜7分で電着塗装を行う。電着塗装後、塗膜表面に付着した余分の塗料を水洗除去した後、所定の条件で加温焼付けを行い最終電着塗膜を得る。一方カチオン電着塗装は、被塗装材に各種の鋼板、例えば亜鉛メッキ鋼板、りん酸亜鉛処理鋼板、未処理鋼板等を陰極に接続し、浴液のPHが4〜8、浴温が15〜35℃に調整されたカチオン型電着塗料中で、通常50〜450Vの電圧をかけ、0.5〜7分で電着塗装を行う。
[アルコキシシランおよびまたはその部分加水分解縮合物:表面処理剤]
本発明に用いるアルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物とは、1個のシリコン原子に複数個のアルコキシ基が結合したアルコキシシランおよびその部分加水分解縮合物を包含している。また当該アルコキシシランがアルキレン基、ポリオキシアルキレン基およびまたはポリシロキサンポリオキシアルキレン基で変性された化合物をも包含している。
アルコキシシランを例示すると、テトラアルコキシシラン、有機基置換のトリアルコキシシランあるいは有機基置換のジアルコキシシランであり、アルコキシ基としてはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、炭素数5〜20のアルコキシ基、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、ブトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エトキシプロポキシ等が挙げられる。また上記の置換有機基としてはメチル、エチル、プロピル、ブチル、グリシジル基置換のアルキル、アミノ基置換のアルキル等が挙げられる。
具体的な例としては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるがこれらに限定されない。炭素数の大きなアルコキシ基を有する化合物は、例えば上記化合物と相当するアルコールの交換反応で得られる。
上記アルコキシシランを変性するアルキレン基としては、ブチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、その他メチル基置換のアルキレン基等の炭素数2〜20のアルキレン基が例示できるがこれらに限定されない。
上記アルコキシシランを変性するポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシメチレン基、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシテトラメチレン基、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン基、ポリオキシエチレン−ポリオキシブチレンレン基等が挙げられる。好ましくは、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン基等が挙げられるがこれらに限定されない。
上記アルコキシシランを変性するポリシロキサンポリオキシアルキレン基としては、ポリジメチルシロキサンポリオキシメチレン基、ポリジメチルシロキサンポリオキシエチレン基、ポリジメチルシロキサンポリオキシプロピレン基、ポリジメチルシロキサンポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン基、ポリメチルフェニルシロキサンポリオキシメチレン基、ポリメチルフェニルシロキサンポリオキシエチレン基、ポリメチルフェニルシロキサンポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン基等があげられる。好ましくは、ポリジメチルシロキサンポリオキシエチレン基、ポリジメチルシロキサンポリオキシプロピレン基、ポリジメチルシロキサンポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン基等が挙げられるがこれらに限定されない。
アルキレン基、ポリオキシアルキレン基あるいはポリシロキサンポリオキシアルキレン基の分子量は80〜2000が好ましい。また上記変性基が複数であってもかまわない。
[表面処理方法]
上記のアルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物、さらにはアルキレン基、ポリオキシアルキレン基およびまたはポリシロキサンポリオキシアルキレン基で変性されたアルコキシシランおよびまたはその部分加水分解縮合物(以下本発明のアルコキシシランという)を使用して、電着塗膜を表面処理する方法について説明する。基本的には本発明のアルコキシシランを水に溶解または分散させて処理液を作製し、電着塗装された部材を、この処理液に浸漬したり、処理液でシャワーしたりして表面処理を行う。表面処理後100℃〜250℃の温度で焼付けを行い、汚染防止効果に優れた電着塗膜を得る。上記の表面処理液を作製する場合、本発明のアルコキシシランを溶剤に溶解した後、水に溶解または分散させても問題はない。溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールエチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル等を例示できるが、これらに限定されない。
また電着塗装工程には塗装後に塗膜表面に残存する余分な塗料を水洗する工程がある。従って新たに処理液を作製しなくても、本発明のアルコキシシランを直接この水洗液に溶解または分散させて、上記と同様の表面処理を行うことも可能である。
以上の述べた表面処理方法によって、本発明のアルコキシシランを確実に塗膜表面に偏在させることができ、電着塗膜に確実に低汚染性を付与することができる。以上本発明のアルコキシシランを使用して電着塗膜を処理する方法を述べたが、これに限定されるわけではない。
本発明をさらに具体的に説明するため、続いて実施例について述べる。
[アルコキシシランおよびまたはその部分加水分解縮合物:表面処理剤]
表面処置剤1 メチルシリケート51(多摩化学工業(株)製)
表面処理剤2 エチルシリケート40(多摩化学工業(株)製)
[合成例1](表面処理剤3の合成)
加熱装置、撹拌機、還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、エチルシリケート(SiO成分約40%)300重量部とメトキシポリオキシエチレングリコール(MPG130、日本乳化剤社製)200量部とジブチルチンジラウレート1.0重量部を加え、窒素置換し、適度な攪拌下で130℃まで昇温する。減圧下でエタノールを留去しつつ、3時間保持した後、室温まで冷却して生成物を得た。これを表面処理剤3とする。
[合成例2](表面処理剤4の合成)
加熱装置、撹拌機、還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、多摩化学社製エチルシリケート40を300部、ポリエチレングリコール(平均分子量600)100部、ジブチル錫ジオクテ−ト1部を仕込み、適度な撹拌下に130℃まで昇温し、生成するエタノールを留去しながら約5時間保持する。100℃に温度を下げ、残存するエタノールを減圧留去し、ポリエチエレングリコール鎖を分子骨格内に25重量%含有した生成物を得た。これを表面処理剤4とする。
[合成例3](表面処理剤5の合成)
加熱装置、撹拌機、還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、多摩化学社製メチルシリケート51を300部、ポリエチレングリコール(平均分子量600)100部、ジブチル錫ジオクテ−ト1部を仕込み、適度な撹拌下に130℃まで昇温し、生成するメタノールを留去しながら約5時間保持する。100℃に温度を下げ、残存するメタノールを減圧留去し、固形分100%で、ポリエチエレングリコール鎖を分子骨格内に25重量%含有した生成物を得た。これを表面処理剤5とする。
[合成例4](表面処理剤6の合成)
加熱装置、撹拌機、還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、エチルシリケート(SiO成分約40%)300重量部とSH3771(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)200重量部とジブチルチンジラウレート1重量部を加え、窒素置換し、適度な攪拌下で140℃まで昇温する。減圧下でエタノールを留去しつつ、2時間保持した後、室温まで冷却して生成物を得た。これを表面処理剤6とする。
[合成例5](表面処理剤7の合成)
加熱装置、撹拌機、還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、エチルシリケート(SiO成分約40%)300重量部とメトキシポリオキシエチレングリコール(MPG130、日本乳化剤社製)100量部と2−エチルヘキサノール70重量部とジブチルチンジラウレート1.0重量部を加え、窒素置換し、適度な攪拌下で130℃まで昇温する。減圧下でエタノールを留去しつつ、3時間保持した後、室温まで冷却して生成物を得た。これを表面処理剤7とする。
[合成例6](表面処理剤8の合成)
加熱装置、撹拌機、還流冷却管を備えた4つ口フラスコに、多摩化学社製エチルシリケート40を300部、2−エチルヘキサノール100部、ジブチル錫ジオクテ−ト1部を仕込み、適度な撹拌下に130℃まで昇温し、生成するエタノールを留去しながら約5時間保持する。100℃に温度を下げ、残存するエタノールを減圧留去し、2−エチルヘキサノールで変性された生成物を得た。これを表面処理剤8とする。
[実施例1]
[塗装材1の作製および表面処理]
電着塗料エスビアED AL−9600(神東塗料(株)製)を濃度10%に水希釈して塩化ビニル製の浴槽に入れ、陰極をSUS304鋼板とし、6063Sアルミニウム合金板にアルマイト処理(日本テストパネル社製、アルマイト膜厚=9μm)を施したアルミニウム材を陽極(被塗物)として電着塗装を行った。電着塗装の条件は浴温22℃、電圧130Vで塗膜厚が10μmになるように通電し、電着塗装後水洗を行う。続いて、上記の表面処理剤2を濃度5%に水希釈し(必要な場合は表面処理剤をあらかじめイソプロパノールに溶解)、これを用いて電着塗装されたアルミニウム材を浸漬処理し、最後に185℃で30分間焼き付けを行った。
[実施例2〜4]
実施例1と同様に他の表面処理剤との組合せにより表面処理を行い表1に併せて示した。
[実施例5〜8]
[塗装材2の作製および表面処理]
電着塗料エスビアED AL−180(神東塗料(株)製)を濃度10%に水希釈して塩化ビニル製の浴槽に入れ、陰極をSUS304鋼板とし、6063Sアルミニウム合金版にアルマイト処理(日本テストパネル社製、アルマイト膜厚=9μm)を施したアルミニウム材を陽極(被塗物)として電着塗装を行った。電着塗装の条件は浴温22℃、電圧170Vで塗膜厚が20μmになるように通電し、電着塗装後水洗を行う。続いて、表1に示す表面処理剤をそれぞれ濃度5%に水希釈し(必要な場合は表面処理剤をあらかじめイソプロパノールに溶解)、これを用いて電着塗装されたアルミニウム材を浸漬処理し、最後に185℃で30分間焼き付けを行った。塗装材と表面処理剤の組合せおよびその試験結果を表1に示す。
[実施例9〜12]
[塗装材3の作製および表面処理]
電着塗料サクセード3000白(神東塗料(株)製)を、濃度18%に水希釈して塩化ビニル製の浴槽に入れ、カーボン電極を陽極とし、りん酸亜鉛処理鋼板(日本テストパネル社製、Bt3004、0.8×70×150mm)を陰極(被塗物)として電着塗装を行った。電着塗装の条件は浴温27℃、電圧170Vで塗膜厚が20μmになるように通電し、電着塗装後水洗を行う。続いて、表1に示す表面処理剤をそれぞれ濃度5%に水希釈し(必要な場合は表面処理剤をあらかじめイソプロパノールに溶解)、これを用いて電着塗装された鋼板をシャワー処理し、最後に175℃で30分間焼き付けを行った。塗装材と表面処理剤の組合せおよびその試験結果を表1に示す。
比較例としては、電着塗装後、実施例で行った表面処理を行わないこと以外は、塗装材1、2、3の作製における方法と同じ方法で塗装材を作製した。得られた塗装材をそれぞれ塗装材4(エスビアED AL−9600使用)、5(エスビアED AL−180使用)、6(サクセード3000白使用)とする。試験は実施例と同様の試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 2006247579
Figure 2006247579
(1)水接触角(焼付後) :協和化学(株)製接触角測定装置LCD−400Sで 塗装板の水接触角を測定。
(2)水接触角(120時間後):塗装板を相対湿度98%の雰囲気下に120時間放置 した後、(1)同様に水接触角を測定。
(3)汚染性 :塗装板を相対湿度98%の雰囲気下に5日間放置した後、下記の汚染 性試験を実施。
独立行政法人土木研究所による土木構造物用防汚材料の利用の利用技 術ガイドライン(案)における促進汚染評価方法に準拠。
汚染液は水/カーボン=95/5の分散液。
約3ccの汚染液を塗装板に落とし、60℃で1時間乾燥。
乾燥後、水洗し、拭取らずに60℃で10分間乾燥。
試験部と非試験部のL値の測定を行い、|△L|を算出する。
|△L|<3 の場合 汚染性は良好で○とした。
|△L|>3 の場合 汚染性は不良で×とした。
被塗装材に、アニオン型あるいはカチオン型の電着塗装を行った塗膜を、アルコキシシランおよびまたはその部分加水分解縮合物で表面処理した後、100℃から250℃の温度で焼付け乾燥することにより、低汚染性に優れた電着塗膜を得ることができる。また、当該方法を適用することで、優れた低汚染性を有する塗装物品を得ることができる。

Claims (6)

  1. 被塗装材に電着塗装して得られる塗膜を、アルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物で表面処理した後、100℃から250℃の温度で焼付け乾燥することを特徴とする、電着塗膜の低汚染化方法、および当該方法によって製造される低汚染性を有する塗装物品。
  2. 電着塗膜を表面処理する方法が、アルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物の、水溶液または水分散液を用いて浸漬処理することを特徴とする、請求項1に記載の低汚染化方法、および当該方法によって得られる低汚染性の塗装物品。
  3. 電着塗膜を表面処理する方法が、アルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物の、水溶液または水分散液を用いてシャワー処理することを特徴とする、請求項1に記載の低汚染化方法、および当該方法によって得られる低汚染性の塗装物品。
  4. 電着塗装方法がアニオン型電着塗装方法である請求項1、2、3に記載の低汚染化方法、および当該方法によって得られる低汚染性の塗装物品。
  5. 電着塗装方法がカチオン型電着塗装方法である請求項1、2、3に記載の低汚染化方法、および当該方法によって得られる低汚染性の塗装物品。
  6. アルコキシシランおよび/またはその部分加水分解縮合物がアルキレン基、ポリオキシアルキレン基またはポリシロキサンポリオキシアルキレン基の中から選ばれた1種または1種以上の基で変性された化合物である、請求項1、2、3、4、5に記載の電着塗膜の低汚染化方法、および当該方法によって得られる低汚染性の塗装物品。
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