JP2006242328A - 転動ボール式差動変速装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1滑動穴部15aを第1転動ボール4aを介して内周案内壁16に嵌合させ、第2滑動穴部16aを第2転動ボール6aを介して外周案内壁15に嵌合させる。このため、第1滑動穴部15aが第1転動ボール4aを介して内周案内壁16に噛み合う上に、第2滑動穴部16aが第2転動ボール6aを介して外周案内壁15に噛み合うことになり、外周案内壁15と第2滑動穴部16aおよび第1滑動穴部15aと内周案内壁16による二重の噛み合い構造を実現して高い噛合い率が得られる。
【選択図】図2
Description
このものでは、転動ボールを介して第一の動板と第二の動板とを重ね合わせるだけで済むため、全体の厚みが小さくてコンパクトになりながらも、バックラッシュがなくて伝達効率が高く、低騒音で大きなトルク伝達容量を確保できるようになっている。
とりわけ、大きなトルク伝達を行う場合、第一の動板と第二の動板とが強く圧接され、第二の動板の回転に伴って第二の動板と第一の動板が剪断方向に大きなスラスト力を受ける。このため、案内溝どおしの噛合い率が低いと、トルク伝達が一層不安定になってトルク伝達の円滑性を確保できない不都合がある。
第1動板は、表面部にエピサイクロイド曲線に沿って周方向に形成された外周案内壁を設けている。略半球状の第1滑動穴部は、第1動板に形成されて、外周案内壁の内周側で前記エピサイクロイド曲線の波面部に対応して等角度間隔で設けられている。
第2動板は、表面部にエピサイクロイド曲線に対応するハイポサイクロイド曲線に沿って周方向に形成された内周案内壁を設けている。略半球状の第2滑動穴部は、第2動板に形成されて、内周案内壁の外周側でハイポサイクロイド曲線の波面部に対応して等角度間隔で設けられている。
内周案内壁のハイポサイクロイド曲線と外周案内壁のエピサイクロイド曲線との波数差を1個に設定した上で、偏心軸は第1動板と第2動板とを近接させるように取り付けられ、第1滑動穴部を第1転動ボールを介して内周案内壁に当接させ、第2滑動穴部を第2転動ボールを介して外周案内壁に当接させる。
第1動板に対する第2動板の回転駆動により、第1転動ボールが第1滑動穴部内で滑動しながら内周案内壁に沿って転動し、第2転動ボールが第2滑動穴部内で滑動しながら外周案内壁に沿って転動することにより、第1動板に対して第2動板が自転変位と公転変位とを合成した複合運動を相対的に行い、偏心軸から自転変位のみを出力させるようにしている。
第1動板は、表面部にハイポサイクロイド曲線に沿って周方向に形成された内周案内壁を設けている。略半球状の第1滑動穴部は、第1動板に形成され、内周案内壁の外周側でハイポサイクロイド曲線の波面部に対応して等角度間隔で設けられている。
第2動板は、表面部にハイポサイクロイド曲線に対応するエピサイクロイド曲線に沿って周方向に形成された外周案内壁を設けている。略半球状の第2滑動穴部は、第2動板に形成されて、外周案内壁の内周側でエピサイクロイド曲線の波面部に対応して等角度間隔で設けられている。
外周案内壁のエピサイクロイド曲線と内周案内壁のハイポサイクロイド曲線との波数差を1個に設定した上で、偏心軸は第1動板と第2動板とを近接させるように取り付けられ、第1滑動穴部を第1転動ボールを介して外周案内壁に当接させ、第2滑動穴部を第2転動ボールを介して内周案内壁に当接させている。
第1動板に対する第2動板の回転駆動により、第1転動ボールが第1滑動穴部内で滑動しながら外周案内壁に沿って転動し、第2転動ボールが第2滑動穴部内で滑動しながら内周案内壁に沿って転動することにより、第1動板に対して第2動板が自転変位と公転変位とが合成された複合運動を行い、偏心軸から自転変位のみを出力させるようにしている。
偏芯軸から自転変位のみを出力させるために等速内歯継手が設けられている。等速内歯継手は、第2動板および第2動板に対応するように設けられた整動板のうち一方に形成された滑動穴と他方に形成された円形窪みあるいは環状溝とに滑動可能に配された回動ボールを備えている。第2動板の複合運動が回動ボールを介して整動板に伝達される過程で公転変位が吸収される。
このため、整動板に連結された偏芯軸からは自転変位のみが伝わって複合運動に対する整動作用が機能する。しかも、等速内歯継手は、第2動板および整動板の一方に滑動穴を形成し、他方に円形窪みあるいは環状溝を形成して回動ボールを設けるだけの比較的簡単な構造で済み、コンパクト化が図られてコスト的にも有利である。
また、滑動穴で回動ボールを保持することにより、第2動板と整動板との間に確実な噛み合いが維持されてトルク伝達性が円滑化するとともに、全体が緊密化して剛性が向上する。
図1に示す転動ボール式差動変速装置Aにおいて、偏平で矩形のケーシング1の左側壁および右側壁には挿通口2、3を対向状態に形成している。ケーシング1の右側壁内面には、挿通口2と連通する透孔5を有する円盤状の第1動板4が固定されている。第2動板6は、中央部に透孔7を形成し、ケーシング1内で第1動板4と近接・対向状態に取り付けられている。
第1動板4の表面には、図2および図3(a)に示すように、略面垂直な外周案内壁15が周方向に形成されている。この外周案内壁15は、エピサイクロイド曲線に沿って10個の波数で所定の基礎円の外部を薄肉に連続刻設したものである。この際、エピサイクロイド曲線の波高長に相当する寸法eを偏心量としている。また、第1動板4には、外周案内壁15の内周側でエピサイクロイド曲線の波面部に対応する略半球状の第1滑動穴部15aを所定のピッチ円P1に沿って等角度間隔で複数だけ設けている。
偏心回転力を受けた第2動板6は、第1動板4の第1滑動穴部15a内で滑動する第1転動ボール4aを内周案内壁16に沿って転動させるとともに、第2滑動穴部16a内で滑動する第2転動ボール6aを外周案内壁15に沿って転動させる。これにより、図4に示すように第2動板6が第1動板4に対して公転変位と自転変位からなる複合運動(転頭運動)を行う。
また、外周案内壁15と内周案内壁16とは、第1転動ボール4aおよび第2転動ボール6aを介して重ね合わせ状態に取り付けられているので、第1転動ボール4aと内周案内壁16との遊び、ならびに第1転動ボール4aと外周案内壁15との遊びが除去されて、出力軸14の正確な回転角度を高い精度で設定することができる。
第1動板4と第2動板6を軸方向(アキシャル方向)に与圧することによりバックラッシュを除去することができる。
互いに対向する第1動板4と第2動板6を重ね合わせるだけの簡素な構造であり、薄型化が図られて省スペースでコストの低減に資する。
第1動板4と第2動板6との間に第1転動ボール4aおよび第2転動ボール6aを挟むことにより保持することで、確実な噛み合いが保たれ、剛性が向上してトルク伝達が円滑になる。
この場合、図1で説明したように、第1動板4に対して第2動板6が複合運動を偏心回転運動として行う際、整動手段30の回動ボール20が円形窪み31および滑動穴32の各外周案内壁部を接触状態で転動し、複合運動から公転変位が吸収され、整動板12に自転変位のみを伝達する。
また、第1動板4と第2動板6との偏心量が変更されても、偏心軸8の出力軸14は共通のもので済み、偏心量を変更する毎に全部品を取換える必要がなくなり出力軸14の共通化が図られる利点がある。
なお、外周案内壁15および内周案内壁16は、第1動板4や第2動板6に略面垂直な片壁部に限らず、傾斜面状やゴシック壁状または断面略V字溝状やゴシック溝状であってもよい。第1滑動穴部15aおよび第2滑動穴部16aについても、略半球状に限らず、断面略V字状やゴシック壁状であってもよい。
また、外周案内壁15の波数Z1や内周案内壁16の波数Z2は、10個や11個に限らず、両者間の波数差が1個であることを前提にしつつ使用状況や必要な変速域に応じて所望に設定することができる。
4a 第1転動ボール
6 第2動板
6a 第2転動ボール
8 偏心軸
12 整動板(等速内歯継手)
14 出力軸
15 外周案内壁
15a 第1滑動穴部
16 内周案内壁
16a 第2滑動穴部
19、33 環状溝(等速内歯継手)
30 整動手段(等速内歯継手)
31 円形窪み(等速内歯継手)
32 滑動穴(等速内歯継手)
A 転動ボール式差動変速装置
Claims (3)
- 表面部にエピサイクロイド曲線に沿って周方向に形成された外周案内壁を設けた第1動板と、
この第1動板に形成され、前記外周案内壁の内周側で前記エピサイクロイド曲線の波面部に対応して等角度間隔で設けられた略半球状の第1滑動穴部と、
表面部に前記エピサイクロイド曲線に対応するハイポサイクロイド曲線に沿って周方向に形成された内周案内壁を設けた第2動板と、
この第2動板に形成され、前記内周案内壁の外周側で前記ハイポサイクロイド曲線の波面部に対応して等角度間隔で設けられた略半球状の第2滑動穴部と、
前記外周案内壁の前記エピサイクロイド曲線と前記内周案内壁の前記ハイポサイクロイド曲線との波数差を1個に設定した上で、前記第1動板と前記第2動板とを近接させるように取り付けられ、前記第1滑動穴部を第1転動ボールを介して前記内周案内壁に当接させ、前記第2滑動穴部を第2転動ボールを介して前記外周案内壁に当接させる偏心軸とを備え、
前記第1動板に対する前記第2動板の回転駆動により、前記第1転動ボールが前記第1滑動穴部内で滑動しながら前記内周案内壁に沿って転動し、前記第2転動ボールが前記第2滑動穴部内で滑動しながら前記外周案内壁に沿って転動することにより、前記第1動板に対して前記第2動板が自転変位と公転変位とを合成した複合運動を行い、前記偏心軸から前記自転変位のみを出力させるようにしたことを特徴とする転動ボール式差動変速装置。 - 表面部にハイポサイクロイド曲線に沿って周方向に形成された内周案内壁を設けた第1動板と、
この第1動板に形成され、前記内周案内壁の外周側で前記ハイポサイクロイド曲線の波面部に対応して等角度間隔で設けられた略半球状の第1滑動穴部と、
表面部に前記ハイポサイクロイド曲線に対応するエピサイクロイド曲線に沿って周方向に形成された外周案内壁を設けた第2動板と、
この第2動板に形成され、前記外周案内壁の内周側で前記エピサイクロイド曲線の波面部に対応して等角度間隔で設けられた略半球状の第2滑動穴部と、
前記外周案内壁の前記エピサイクロイド曲線と前記内周案内壁の前記ハイポサイクロイド曲線との波数差を1個に設定した上で、前記第1動板と前記第2動板とを近接させるように取り付けられ、前記第1滑動穴部を第1転動ボールを介して前記外周案内壁に当接させ、前記第2滑動穴部を第2転動ボールを介して前記内周案内壁に当接させる偏心軸とを備え、
前記第1動板に対する前記第2動板の回転駆動により、前記第1転動ボールが前記第1滑動穴部内で滑動しながら前記外周案内壁に沿って転動し、前記第2転動ボールが前記第2滑動穴部内で滑動しながら前記内周案内壁に沿って転動することにより、前記第1動板に対して前記第2動板が自転変位と公転変位とが合成された複合運動を行い、前記偏心軸から前記自転変位のみを出力させるようにしたことを特徴とする転動ボール式差動変速装置。 - 前記偏芯軸から前記自転変位のみを出力させるために等速内歯継手が設けられており、この等速内歯継手は、前記第2動板および前記第2動板に対応するように設けられた整動板のうち一方に形成された滑動穴と他方に形成された円形窪みあるいは環状溝とに滑動可能に配された回動ボールを備え、
前記第2動板の複合運動が前記回動ボールを介して前記整動板に伝達される過程で前記公転変位が吸収されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の転動ボール式差動変速装置。
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JP2005060881A JP4414357B2 (ja) | 2005-03-04 | 2005-03-04 | 転動ボール式差動変速装置 |
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CN107504147A (zh) * | 2017-09-07 | 2017-12-22 | 海尚集团有限公司 | 无随动板的机器人摆线减速机及机器人 |
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