JP2006242328A - 転動ボール式差動変速装置 - Google Patents

転動ボール式差動変速装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006242328A
JP2006242328A JP2005060881A JP2005060881A JP2006242328A JP 2006242328 A JP2006242328 A JP 2006242328A JP 2005060881 A JP2005060881 A JP 2005060881A JP 2005060881 A JP2005060881 A JP 2005060881A JP 2006242328 A JP2006242328 A JP 2006242328A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
moving plate
guide wall
peripheral guide
sliding hole
rolling ball
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005060881A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4414357B2 (ja
Inventor
Yoshimasa Hattori
賢正 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kamo Seiko KK
Original Assignee
Kamo Seiko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kamo Seiko KK filed Critical Kamo Seiko KK
Priority to JP2005060881A priority Critical patent/JP4414357B2/ja
Publication of JP2006242328A publication Critical patent/JP2006242328A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4414357B2 publication Critical patent/JP4414357B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Transmission Devices (AREA)

Abstract

【課題】外周案内溝と第2滑動穴部および第1滑動穴部と内周案内溝による二重の噛み合い構造を実現して高い噛合い率が得られ、第1動板に対する第2動板のトルク伝達が安定して円滑なトルク伝達が可能な転動ボール式差動変速装置を提供する。
【解決手段】第1滑動穴部15aを第1転動ボール4aを介して内周案内壁16に嵌合させ、第2滑動穴部16aを第2転動ボール6aを介して外周案内壁15に嵌合させる。このため、第1滑動穴部15aが第1転動ボール4aを介して内周案内壁16に噛み合う上に、第2滑動穴部16aが第2転動ボール6aを介して外周案内壁15に噛み合うことになり、外周案内壁15と第2滑動穴部16aおよび第1滑動穴部15aと内周案内壁16による二重の噛み合い構造を実現して高い噛合い率が得られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、第1動板と第2動板とを転動ボールを介して重ね合わせて、第1動板に対する第2動板の回転駆動により伝達トルクを出力する転動ボール式差動変速装置に関する。
転動ボール式差動変速装置では、自動車部品などの生産工程でロボットなどの関節部の回動変位の伝達に用いられ、組付け部品を次工程に搬送する搬送装置に組み込まれている。この種の差動変速装置のなかでも、エピサイクロイド曲線に沿って案内溝を形成した第一の動板とハイポサイクロイド曲線に沿って案内溝を形成した第二の動板とを転動ボールを介して重ね合わせ、第一の動板に対する第二の動板の回転駆動によりトルクを出力として伝達する転動ボール式差動減速機構が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このものでは、転動ボールを介して第一の動板と第二の動板とを重ね合わせるだけで済むため、全体の厚みが小さくてコンパクトになりながらも、バックラッシュがなくて伝達効率が高く、低騒音で大きなトルク伝達容量を確保できるようになっている。
特開平5−231490号公報
ところが、特許文献1の転動ボール式差動減速機構では、第一の動板と第二の動板とを重ね合わせる時、エピサイクロイド曲線の案内溝に沿って配置した複数の転動ボールをハイポサイクロイド曲線の案内溝に嵌合させる構成のため、案内溝どおしの噛合い率が低くて、第一の動板に対する第二の動板へのトルク伝達が不安定になりがちで、トルク伝達に円滑性が欠けるという虞がある。
とりわけ、大きなトルク伝達を行う場合、第一の動板と第二の動板とが強く圧接され、第二の動板の回転に伴って第二の動板と第一の動板が剪断方向に大きなスラスト力を受ける。このため、案内溝どおしの噛合い率が低いと、トルク伝達が一層不安定になってトルク伝達の円滑性を確保できない不都合がある。
本発明は上記の事情を考慮してなされたもので、その目的は大きなトルク伝達容量を確保しながらも、第1動板と第2動板との間に大きな噛合い率が得られて、円滑なトルク伝達を長期にわたって確保することができる転動ボール式差動変速装置を提供することにある。
(請求項1について)
第1動板は、表面部にエピサイクロイド曲線に沿って周方向に形成された外周案内壁を設けている。略半球状の第1滑動穴部は、第1動板に形成されて、外周案内壁の内周側で前記エピサイクロイド曲線の波面部に対応して等角度間隔で設けられている。
第2動板は、表面部にエピサイクロイド曲線に対応するハイポサイクロイド曲線に沿って周方向に形成された内周案内壁を設けている。略半球状の第2滑動穴部は、第2動板に形成されて、内周案内壁の外周側でハイポサイクロイド曲線の波面部に対応して等角度間隔で設けられている。
内周案内壁のハイポサイクロイド曲線と外周案内壁のエピサイクロイド曲線との波数差を1個に設定した上で、偏心軸は第1動板と第2動板とを近接させるように取り付けられ、第1滑動穴部を第1転動ボールを介して内周案内壁に当接させ、第2滑動穴部を第2転動ボールを介して外周案内壁に当接させる。
第1動板に対する第2動板の回転駆動により、第1転動ボールが第1滑動穴部内で滑動しながら内周案内壁に沿って転動し、第2転動ボールが第2滑動穴部内で滑動しながら外周案内壁に沿って転動することにより、第1動板に対して第2動板が自転変位と公転変位とを合成した複合運動を相対的に行い、偏心軸から自転変位のみを出力させるようにしている。
第1動板と第2動板とを近接状態に取り付けた時、第1滑動穴部を第1転動ボールを介して内周案内壁に当接させ、第2滑動穴部を第2転動ボールを介して外周案内壁に当接させる。このため、第1滑動穴部が第1転動ボールを介して内周案内壁に噛み合う上に、第2滑動穴部が第2転動ボールを介して外周案内壁に噛み合うことになり、外周案内壁と第2滑動穴部および第1滑動穴部と内周案内壁による二重の噛み合い構造を実現して高い噛合い率が得られる。この結果、第1動板と第2動板との間のトルク伝達が安定して円滑なトルク伝達を確保することができる。しかも、転動ボールを介して第1動板と第2動板とを重ね合わせるだけで済むため、全体の厚みが小さくてコンパクトになりながらも、バックラッシュがなくて伝達効率が高く、大きなトルク伝達容量を確保することができる。
(請求項2について)
第1動板は、表面部にハイポサイクロイド曲線に沿って周方向に形成された内周案内壁を設けている。略半球状の第1滑動穴部は、第1動板に形成され、内周案内壁の外周側でハイポサイクロイド曲線の波面部に対応して等角度間隔で設けられている。
第2動板は、表面部にハイポサイクロイド曲線に対応するエピサイクロイド曲線に沿って周方向に形成された外周案内壁を設けている。略半球状の第2滑動穴部は、第2動板に形成されて、外周案内壁の内周側でエピサイクロイド曲線の波面部に対応して等角度間隔で設けられている。
外周案内壁のエピサイクロイド曲線と内周案内壁のハイポサイクロイド曲線との波数差を1個に設定した上で、偏心軸は第1動板と第2動板とを近接させるように取り付けられ、第1滑動穴部を第1転動ボールを介して外周案内壁に当接させ、第2滑動穴部を第2転動ボールを介して内周案内壁に当接させている。
第1動板に対する第2動板の回転駆動により、第1転動ボールが第1滑動穴部内で滑動しながら外周案内壁に沿って転動し、第2転動ボールが第2滑動穴部内で滑動しながら内周案内壁に沿って転動することにより、第1動板に対して第2動板が自転変位と公転変位とが合成された複合運動を行い、偏心軸から自転変位のみを出力させるようにしている。
第1動板と第2動板とを近接状態に取り付けた時、第1滑動穴部を第1転動ボールを介して外周案内壁に当接させ、第2滑動穴部を第2転動ボールを介して内周案内壁に当接させている。このため、請求項1と同様に、内周案内壁と第2滑動穴部および第1滑動穴部と外周案内壁による二重の噛み合い構造を実現して高い噛合い率が得られる。この結果、第1動板と第2動板との間のトルク伝達が安定して円滑なトルク伝達を確保することができる。しかも、転動ボールを介して第1動板と第2動板とを重ね合わせるだけで済むため、全体の厚みが小さくてコンパクトになりながらも、バックラッシュがなくて伝達効率が高く、大きなトルク伝達容量を確保することができる。
(請求項3について)
偏芯軸から自転変位のみを出力させるために等速内歯継手が設けられている。等速内歯継手は、第2動板および第2動板に対応するように設けられた整動板のうち一方に形成された滑動穴と他方に形成された円形窪みあるいは環状溝とに滑動可能に配された回動ボールを備えている。第2動板の複合運動が回動ボールを介して整動板に伝達される過程で公転変位が吸収される。
このため、整動板に連結された偏芯軸からは自転変位のみが伝わって複合運動に対する整動作用が機能する。しかも、等速内歯継手は、第2動板および整動板の一方に滑動穴を形成し、他方に円形窪みあるいは環状溝を形成して回動ボールを設けるだけの比較的簡単な構造で済み、コンパクト化が図られてコスト的にも有利である。
また、滑動穴で回動ボールを保持することにより、第2動板と整動板との間に確実な噛み合いが維持されてトルク伝達性が円滑化するとともに、全体が緊密化して剛性が向上する。
本発明の転動ボール式差動変速装置では、第1滑動穴部を第1転動ボールを介して内周案内壁に嵌合させ、第2滑動穴部を第2転動ボールを介して外周案内壁に嵌合させるため、第1滑動穴部が第1転動ボールを介して内周案内壁に噛み合う上に、第2滑動穴部が第2転動ボールを介して外周案内壁に噛み合うことになる。これにより、外周案内壁と第2滑動穴部および第1滑動穴部と内周案内壁による二重の噛み合い構造を実現して高い噛合い率が得られて、第1動板から第2動板へのトルク伝達が安定して円滑なトルク伝達を確保することができる。
図1および図4を参照しながら本発明の実施例1を説明する。
図1に示す転動ボール式差動変速装置Aにおいて、偏平で矩形のケーシング1の左側壁および右側壁には挿通口2、3を対向状態に形成している。ケーシング1の右側壁内面には、挿通口2と連通する透孔5を有する円盤状の第1動板4が固定されている。第2動板6は、中央部に透孔7を形成し、ケーシング1内で第1動板4と近接・対向状態に取り付けられている。
偏心軸8はケーシング1内に設けられており、その一端部は第1動板4の透孔5を挿通する偏心部8aとして軸受9を介して第2動板6の透孔7内に支持されている。偏心軸8の他端は、軸受10を介して挿通口3に支持され、挿通口3から外部に突出する入力部11を備えている。この場合、偏心軸8の偏心量を後述するサイクロイド系曲線の外周案内壁15および内周案内壁16が形成する波高長に相当する寸法に設定している。
円盤状をなす整動板12は、ケーシング1内で第2動板6と対向状態に配置され、中央部に軸受13を介して挿通口2に支持された出力軸14を取り付けている。
第1動板4の表面には、図2および図3(a)に示すように、略面垂直な外周案内壁15が周方向に形成されている。この外周案内壁15は、エピサイクロイド曲線に沿って10個の波数で所定の基礎円の外部を薄肉に連続刻設したものである。この際、エピサイクロイド曲線の波高長に相当する寸法eを偏心量としている。また、第1動板4には、外周案内壁15の内周側でエピサイクロイド曲線の波面部に対応する略半球状の第1滑動穴部15aを所定のピッチ円P1に沿って等角度間隔で複数だけ設けている。
第2動板6の表面には、図2および図3(b)に示すように、略面垂直な内周案内壁16が外周案内壁15に対応するように形成されている。この内周案内壁16は、外周案内壁15よりも僅かに径小に設定されており、ハイポサイクロイド曲線に沿って11個の波数で所定の基礎円の内部を薄肉に連続刻設したものである。この際、ハイポサイクロイド曲線の波高長に相当する寸法eを偏心量としている。また、第2動板6には、内周案内壁16の外周側でハイポサイクロイド曲線の波面部に対応する略半球状の第2滑動穴部16aを所定のピッチ円P2に沿って等角度間隔で複数だけ設けている。
エピサイクロイド曲線とは、所定の径寸法の基礎円に径小な円を外接状態に滑ることなく転動させた時、径小な円の任意の一点が描く軌跡であり、ハイポサイクロイド曲線とは、同様な基礎円に径小な円を内接状態に転動させた時、径小な円の任意の一点が描く軌跡である。内周案内壁16におけるハイポサイクロイド曲線の基礎円は、第1滑動穴部15aのピッチ円P1に対応し、第2滑動穴部16aのピッチ円P2は、外周案内壁15におけるエピサイクロイド曲線の基礎円に対応している。
第1動板4と第2動板6との間には、複数の第1転動ボール4aおよび第2転動ボール6aがスチールボールとして周方向に設けられている。第1転動ボール4aは、第1滑動穴部15a内に滑動可能に嵌合されているとともに、内周案内壁16内に転動可能に当接し、第1滑動穴部15aおよび内周案内壁16を介して第1動板4と第2動板6とをトルク伝達可能に連結している。
また、第2転動ボール6aは、第2滑動穴部16a内に滑動可能に嵌合されているとともに、外周案内壁15外に転動可能に当接し、第2滑動穴部16aおよび外周案内壁15を介して第1動板4と第2動板6とをトルク伝達可能に連結している。第1動板4を第2動板6に対して圧接することにより、第1転動ボール4aは第1滑動穴部15aの内壁部および内周案内壁16に強く摺接し、第2転動ボール6aは第2滑動穴部16aの内壁部および外周案内壁15に強く当接するようになる。
第2動板6の外表面で、内周案内壁16の反対側には、図1に示すように断面半円状の径小な環状溝18が等角度間隔で複数設けられている。これら環状溝18は、外周案内壁15および内周案内壁16の偏心量に相当する径寸法に設定されている。また、整動板12において環状溝18に対向する表面には、環状溝18と外径が同一で同数の環状溝19が周方向に形成されている。第2動板6と整動板12との間には、環状溝18および環状溝19に嵌め込まれた回動ボール20が配置されて、いわゆる等速内歯継手を整動手段30として構成している。
上記構成において、搬送用ロボットに適用した場合、偏心軸8の入力部11には電動機(図示せず)が連結され、出力軸14には関節用のアーム(図示せず)が取り付けられている。電動機への通電により、偏心軸8が回転駆動されて偏心部8aにより第2動板6に偏心回転力が伝達される(図1および図2参照)。
偏心回転力を受けた第2動板6は、第1動板4の第1滑動穴部15a内で滑動する第1転動ボール4aを内周案内壁16に沿って転動させるとともに、第2滑動穴部16a内で滑動する第2転動ボール6aを外周案内壁15に沿って転動させる。これにより、図4に示すように第2動板6が第1動板4に対して公転変位と自転変位からなる複合運動(転頭運動)を行う。
第2動板6の複合運動に伴い、第1転動ボール4aおよび第2転動ボール6aが滑動や転動を行う過程で、図1の整動手段30の回動ボール20が環状溝18および整動板12の環状溝19の各外周案内壁部を接触状態で転動する。これにより、第2動板6の複合運動から公転変位が吸収され、整動板12に自転変位のみを伝達して出力軸14を減速状態に回転させて関節用のアームを所定の工程に移動する。
この場合、偏心軸8の一回転量は、第1転動ボール4aが内周案内壁16を波数1個分の長さ寸法だけ転動する距離、あるいは第2転動ボール6aが外周案内壁15を波数1個分の長さ寸法だけ転動する距離に相当する。このため、入力部11に対する第2動板6の減速比は、外周案内壁15と内周案内壁16との波数差に相当する数値1と外周案内壁15の波数Z1に数値2を加えたものとの比、すなわち1/(1+Z1)となる。実施例1では、波数Z1を10個としているので、減速比(R)は1/(1+10)=1/11となる。一般に、内周案内壁16の波数をZ2とすると、減速比は[(Z2−Z1)/{(Z2−Z1)+Z1}]={1−(Z1/Z2)}の演算式により算出される。
このように、外周案内壁15と内周案内壁16との波数差に基づいて比較的大きな減速比を確保しながらも、第1動板4と第2動板6とを対向状態に並設するだけで済み、厚みが小さくて全体のコンパクト化が図られる。
また、外周案内壁15と内周案内壁16とは、第1転動ボール4aおよび第2転動ボール6aを介して重ね合わせ状態に取り付けられているので、第1転動ボール4aと内周案内壁16との遊び、ならびに第1転動ボール4aと外周案内壁15との遊びが除去されて、出力軸14の正確な回転角度を高い精度で設定することができる。
これにより、第1動板4と第2動板6との間のバックラッシュがなくなり、これら動板4、6同士が密接に連結されるため、剛性に優れてコンパクトな一体物となり、第1動板4と第2動板6との間のトルク伝達容量をコスト的に有利に向上せることができる。
さらに、第1動板4と第2動板6とを近接状態に取り付けた時、第1滑動穴部15aを第1転動ボール4aを介して内周案内壁16に当接させ、第2滑動穴部16aを第2転動ボール6aを介して外周案内壁15に当接させている。このため、第1滑動穴部15aが第1転動ボール4aを介して内周案内壁16に噛み合う上に、第2滑動穴部16aが第2転動ボール6aを介して外周案内壁15に噛み合うことになり、外周案内壁15と第2滑動穴部16aおよび第1滑動穴部15aと内周案内壁16による二重の噛み合い構造を実現して高い噛合い率が得られる。この結果、第1動板4と第2動板6との間のトルク伝達が安定して円滑なトルク伝達を長期にわたって確保することができる。
すなわち、本発明の効果は下記のように纏めることができる。
第1動板4と第2動板6を軸方向(アキシャル方向)に与圧することによりバックラッシュを除去することができる。
互いに対向する第1動板4と第2動板6を重ね合わせるだけの簡素な構造であり、薄型化が図られて省スペースでコストの低減に資する。
第1動板4と第2動板6との間に第1転動ボール4aおよび第2転動ボール6aを挟むことにより保持することで、確実な噛み合いが保たれ、剛性が向上してトルク伝達が円滑になる。
図5は本発明の実施例2を示す。実施例2が実施例1と異なるところは、第1動板4と整動板12との配置を逆にしたことである。すなわち、実施例2では、実施例1の整動板12、第1動板4および第2動板6を重ね合わせたままで左右に180度だけ回転させた形態となしている。この場合、整動板12には偏心軸8を挿通させる透孔26を設け、第1動板4は無孔状に形成され、中央部に出力軸14を連結している。
図6(a)、(b)は本発明の実施例3を示す。実施例3が実施例1と異なるところは、等速内歯継手における整動手段30の環状溝18に代わって、倍尺径寸法の円形窪み31を第2動板6の裏面側に形成し、環状溝19に代わり滑動穴32を整動板12に形成したことである。
この場合、図1で説明したように、第1動板4に対して第2動板6が複合運動を偏心回転運動として行う際、整動手段30の回動ボール20が円形窪み31および滑動穴32の各外周案内壁部を接触状態で転動し、複合運動から公転変位が吸収され、整動板12に自転変位のみを伝達する。
また、第1動板4と第2動板6との偏心量が変更されても、偏心軸8の出力軸14は共通のもので済み、偏心量を変更する毎に全部品を取換える必要がなくなり出力軸14の共通化が図られる利点がある。
図7(a)、(b)は本発明の実施例4を示す。実施例4が実施例1と異なるところは、第1動板4にハイポサイクロイド曲線に沿って内周案内壁16を形成し、第2動板6にエピサイクロイド曲線に沿って外周案内壁15を形成したことである。すなわち、実施例4では、内周案内壁16および外周案内壁15の基礎となったサイクロイド系曲線の形成位置が実施例1とは逆の関係になっている。
図8(a)は本発明の実施例5を示す。実施例5が実施例3と異なるところは、等速内歯継手において、第2動板6に円形窪み31に代えて環状溝33を形成したことである。
図8(b)は本発明の実施例6を示す。実施例6が実施例3と異なるところは、等速内歯継手において、実施例3とは逆に第2動板6に滑動穴32を形成し、整動板12に円形窪み31を形成したことである。
図8(c)は本発明の実施例7を示す。実施例7が実施例5と異なるところは、実施例5とは逆に第2動板6に滑動穴32を形成し、整動板12に環状溝33を形成したことである。
〔変形例〕
なお、外周案内壁15および内周案内壁16は、第1動板4や第2動板6に略面垂直な片壁部に限らず、傾斜面状やゴシック壁状または断面略V字溝状やゴシック溝状であってもよい。第1滑動穴部15aおよび第2滑動穴部16aについても、略半球状に限らず、断面略V字状やゴシック壁状であってもよい。
また、外周案内壁15および内周案内壁16を形成するにあたっては、サイクロイド系曲線に沿って案内溝を第1転動ボール4aおよび第2転動ボール6aよりも幅広に形成し、該案内溝の片壁部を外周案内壁および内周案内壁としてもよい。
また、外周案内壁15の波数Z1や内周案内壁16の波数Z2は、10個や11個に限らず、両者間の波数差が1個であることを前提にしつつ使用状況や必要な変速域に応じて所望に設定することができる。
本発明の転動ボール式差動変速装置では、外周案内壁と第2滑動穴部および第1滑動穴部と内周案内壁による二重の噛み合い構造を実現して高い噛合い率が得られて、第1動板から第2動板へのトルク伝達が安定するため、円滑なトルク伝達を確保することができる。これにより、小型で高性能なロボット技術への応用が可能となる有益性から工作機械の効率化を求める需要者の増加に伴い、機械産業界へ広く適用することがきる。
転動ボール式差動変速装置の縦断面図である(実施例1)。 転動ボール式差動変速装置の主要部を示す分解斜視図である(実施例1)。 第1動板および第2動板に対する第1転動ボールおよび第2転動ボールの配置関係を示す平面図である(実施例1)。 第1動板および第2動板が重なり合って回転する態様を示す平面図である(実施例1)。 転動ボール式差動変速装置の主要部を示す縦断面図である(実施例2)。 (a)裏面側に円形窪みを形成した第2動板を示す平面図、(b)はN−N線に沿う縦断面図である(実施例3)。 第1動板および第2動板に対する第1転動ボールおよび第2転動ボールの配置関係を示す平面図である(実施例4)。 (a)第2動板および整動板の部分縦断面図(実施例5)、(b)は第2動板および整動板の部分縦断面図(実施例6)、(c)は第2動板および整動板の部分縦断面図(実施例7)である。
符号の説明
4 第1動板
4a 第1転動ボール
6 第2動板
6a 第2転動ボール
8 偏心軸
12 整動板(等速内歯継手)
14 出力軸
15 外周案内壁
15a 第1滑動穴部
16 内周案内壁
16a 第2滑動穴部
19、33 環状溝(等速内歯継手)
30 整動手段(等速内歯継手)
31 円形窪み(等速内歯継手)
32 滑動穴(等速内歯継手)
A 転動ボール式差動変速装置

Claims (3)

  1. 表面部にエピサイクロイド曲線に沿って周方向に形成された外周案内壁を設けた第1動板と、
    この第1動板に形成され、前記外周案内壁の内周側で前記エピサイクロイド曲線の波面部に対応して等角度間隔で設けられた略半球状の第1滑動穴部と、
    表面部に前記エピサイクロイド曲線に対応するハイポサイクロイド曲線に沿って周方向に形成された内周案内壁を設けた第2動板と、
    この第2動板に形成され、前記内周案内壁の外周側で前記ハイポサイクロイド曲線の波面部に対応して等角度間隔で設けられた略半球状の第2滑動穴部と、
    前記外周案内壁の前記エピサイクロイド曲線と前記内周案内壁の前記ハイポサイクロイド曲線との波数差を1個に設定した上で、前記第1動板と前記第2動板とを近接させるように取り付けられ、前記第1滑動穴部を第1転動ボールを介して前記内周案内壁に当接させ、前記第2滑動穴部を第2転動ボールを介して前記外周案内壁に当接させる偏心軸とを備え、
    前記第1動板に対する前記第2動板の回転駆動により、前記第1転動ボールが前記第1滑動穴部内で滑動しながら前記内周案内壁に沿って転動し、前記第2転動ボールが前記第2滑動穴部内で滑動しながら前記外周案内壁に沿って転動することにより、前記第1動板に対して前記第2動板が自転変位と公転変位とを合成した複合運動を行い、前記偏心軸から前記自転変位のみを出力させるようにしたことを特徴とする転動ボール式差動変速装置。
  2. 表面部にハイポサイクロイド曲線に沿って周方向に形成された内周案内壁を設けた第1動板と、
    この第1動板に形成され、前記内周案内壁の外周側で前記ハイポサイクロイド曲線の波面部に対応して等角度間隔で設けられた略半球状の第1滑動穴部と、
    表面部に前記ハイポサイクロイド曲線に対応するエピサイクロイド曲線に沿って周方向に形成された外周案内壁を設けた第2動板と、
    この第2動板に形成され、前記外周案内壁の内周側で前記エピサイクロイド曲線の波面部に対応して等角度間隔で設けられた略半球状の第2滑動穴部と、
    前記外周案内壁の前記エピサイクロイド曲線と前記内周案内壁の前記ハイポサイクロイド曲線との波数差を1個に設定した上で、前記第1動板と前記第2動板とを近接させるように取り付けられ、前記第1滑動穴部を第1転動ボールを介して前記外周案内壁に当接させ、前記第2滑動穴部を第2転動ボールを介して前記内周案内壁に当接させる偏心軸とを備え、
    前記第1動板に対する前記第2動板の回転駆動により、前記第1転動ボールが前記第1滑動穴部内で滑動しながら前記外周案内壁に沿って転動し、前記第2転動ボールが前記第2滑動穴部内で滑動しながら前記内周案内壁に沿って転動することにより、前記第1動板に対して前記第2動板が自転変位と公転変位とが合成された複合運動を行い、前記偏心軸から前記自転変位のみを出力させるようにしたことを特徴とする転動ボール式差動変速装置。
  3. 前記偏芯軸から前記自転変位のみを出力させるために等速内歯継手が設けられており、この等速内歯継手は、前記第2動板および前記第2動板に対応するように設けられた整動板のうち一方に形成された滑動穴と他方に形成された円形窪みあるいは環状溝とに滑動可能に配された回動ボールを備え、
    前記第2動板の複合運動が前記回動ボールを介して前記整動板に伝達される過程で前記公転変位が吸収されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の転動ボール式差動変速装置。
JP2005060881A 2005-03-04 2005-03-04 転動ボール式差動変速装置 Expired - Fee Related JP4414357B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005060881A JP4414357B2 (ja) 2005-03-04 2005-03-04 転動ボール式差動変速装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005060881A JP4414357B2 (ja) 2005-03-04 2005-03-04 転動ボール式差動変速装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006242328A true JP2006242328A (ja) 2006-09-14
JP4414357B2 JP4414357B2 (ja) 2010-02-10

Family

ID=37048948

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005060881A Expired - Fee Related JP4414357B2 (ja) 2005-03-04 2005-03-04 転動ボール式差動変速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4414357B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107504147A (zh) * 2017-09-07 2017-12-22 海尚集团有限公司 无随动板的机器人摆线减速机及机器人

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107504147A (zh) * 2017-09-07 2017-12-22 海尚集团有限公司 无随动板的机器人摆线减速机及机器人

Also Published As

Publication number Publication date
JP4414357B2 (ja) 2010-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2966536B2 (ja) 転動ボール形差動減速装置
US5683323A (en) Ball-rolling type torque transmission device
JP4814351B2 (ja) 転動ボール式二段低変速装置
JP2010014214A (ja) 転動ボール式差動変速装置
JPS622064A (ja) 転動ボ−ル形差動減速機構
US5286236A (en) Ball-type speed reducer
JP6232551B2 (ja) 回転力伝達装置
JP2009121494A (ja) 複段減速装置
JP4759607B2 (ja) ロータリー減速機
JP2008075840A (ja) 減速機
US5454277A (en) Intermittent torque transmission device
JPH0627532B2 (ja) 遊星歯車増減速機
JP2005517139A (ja) 潤滑剤用溝を備えた伝動装置
JP4414357B2 (ja) 転動ボール式差動変速装置
TWI763689B (zh) 齒輪裝置
JP4648414B2 (ja) 動力伝達装置
JP2012067899A (ja) 増減速機
TWI548823B (zh) 減速機
JP4811795B2 (ja) トロイダル型無段変速機
US6902510B2 (en) Toroidal-type continuously variable transmission
JP2006077833A (ja) 転動ボール式差動減速機
KR101301702B1 (ko) 마찰구동을 이용한 감속장치
US20200011405A1 (en) Ball type speed reducer
JP5082589B2 (ja) トロイダル型無段変速機
US11773946B2 (en) Gearless transmission unit having unilaterally positioned finger assists

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061004

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091104

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20091119

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees