JP2006241431A - アレルゲン不活化剤およびそれを用いたフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】抗アレルゲン性金属成分を含有することを特徴とするアレルゲン不活性化剤。
Description
好ましく、最も好ましくは完全水系溶媒である。但し、必要に応じてアルコール等の低沸点溶媒、抗菌剤、脱臭剤、界面活性剤などを助剤として加えることを妨げるものではない。
マイクロチューブ(容量1.5mL)に12.9mgの硝酸銀を分取、PBSを100μL加え水溶液とした。この溶液を精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに0.015mL加え、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが99.3%不活化されることが分かった。
また、この溶液を1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、99.1%であり、性能の劣化はなかった。
1重量%の二酸化チタンコロイド水溶液500mLを60℃に加温し、1重量%硝酸銀水溶液200mLを加え、膜濃縮を行い、抗アレルゲン性金属成分である銀と金属酸化物である二酸化チタンとの複合粒子を固形分濃度3重量%含む分散溶液を得た。
この分散溶液は、安定な亜鉛担持チタニア微粒子が分散した状態であり、1ヶ月静置後も分離、沈殿は確認されなかった。
この溶液を精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに0.015mL加え、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが82.3%不活化されることが分かった。
また、この溶液を1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、83.5%であり、性能の劣化はなかった。
1重量%の二酸化チタンコロイド水溶液500mLを60℃に加温し、0.5重量%硝酸亜鉛水溶液200mLを加え、膜濃縮を行い、抗アレルゲン性金属成分である亜鉛と金属酸化物である二酸化チタンとの複合粒子を固形分濃度3重量%含む分散溶液を得た。
この分散溶液は、安定な亜鉛担持チタニア微粒子が分散した状態であり、1ヶ月静置後も分離、沈殿は確認されなかった。
この溶液を精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに0.015mL加え、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが80.6%不活化されることが分かった。
また、この溶液を1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、80.2%であり、性能の劣化はなかった。
PBSを精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに0.015mL加え、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが10.1%不活化されることが分かった。これは、アレルゲンの自然減衰によるものと考えられる。
また、この溶液を1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、11.5%であった。
茶抽出物(白井松新薬株式会社 カテキン60W)0.08gをPBSに溶解し10%溶液とした。
この溶液を精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに0.015mL加え、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが62.2%不活化されることが分かった。
また、この溶液を1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、23.5%であり、性能の劣化が認められた。
マイクロチューブ(容量1.5mL)に12.9mgの硝酸銀を分取、PBSを100μL加え水溶液とした。この水溶液を0.015mL相当分1cm角のポリエステル不織布(目付60g/m2)に担持し、抗アレルゲン性を有するフィルタを作成した。このフィルタは無色、無臭であった。このフィルタを精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに浸漬し、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが95.3%不活化されることが分かった。
また、このフィルタを1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、96.3%であり、性能の劣化はなかった。
1重量%の二酸化チタンコロイド水溶液500mLを60℃に加温し、1重量%硝酸銀水溶液200mLを加え、膜濃縮を行い、抗アレルゲン性金属成分である銀と金属酸化物である二酸化チタンとの複合粒子を固形分濃度3重量%含む分散溶液を得た。
この水溶液を0.015mL相当分1cm角のポリエステル不織布(目付60g/m2)に担持し、抗アレルゲン性を有するフィルタを作成した。このフィルタは無色、無臭であった。このフィルタを精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに浸漬し、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが95.3%不活化されることが分かった。
また、このフィルタを1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、94.1%であり、性能の劣化はなかった。
1重量%の二酸化チタンコロイド水溶液500mLを60℃に加温し、0.5重量%硝酸亜鉛水溶液200mLを加え、膜濃縮を行い、抗アレルゲン性金属成分である亜鉛と金属酸化物である二酸化チタンとの複合粒子を固形分濃度3重量%含む分散溶液を得た。
この水溶液を0.015mL相当分1cm角のポリエステル不織布(目付60g/m2)に担持し、抗アレルゲン性を有するフィルタを作成した。このフィルタは無色、無臭であった。このフィルタを精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに浸漬し、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが93.8%不活化されることが分かった。
また、このフィルタを1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、92.4%であり、性能の劣化はなかった。
PBSを0.015mL相当分1cm角のポリエステル不織布(目付60g/m2)に担持し、抗アレルゲン性を有するフィルタを作成した。このフィルタは無色、無臭であった。
このフィルタを精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに浸漬し、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが16.8%不活化されることが分かった。これは、アレルゲンの自然減衰及びフィルタへの吸着による減少と考えられる。
また、このフィルタを1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、13.5%であった。
茶抽出物(白井松新薬株式会社 カテキン60W)0.08gをPBSに溶解し10%溶液とした。
この水溶液を0.015mL相当分1cm角のポリエステル不織布(目付60g/m2)に担持し、抗アレルゲン性を有するフィルタを作成した。
このフィルタは褐色となり、茶特有の臭気を有していた。
このフィルタを精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに浸漬し、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが73.6%不活化されることが分かった。
また、この溶液を1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、35.5%であり、性能の劣化が認められた。
Claims (11)
- 抗アレルゲン性金属成分を含有することを特徴とするアレルゲン不活性化剤。
- 請求項1記載の抗アレルゲン性金属成分が銀および/または亜鉛であることを特徴とするアレルゲン不活性化剤。
- 請求項1又は2記載の抗アレルゲン性金属成分が、水溶性であることを特徴とするアレルゲン不活性化剤。
- 請求項1又は2記載の抗アレルゲン性金属成分が、非水溶性であって、水分散されてなる事を特徴とするアレルゲン不活性化剤。
- 請求項1又は2記載の抗アレルゲン性金属成分が金属酸化物と複合粒子を形成して水分散されてなる事を特徴とするアレルゲン不活性化剤。
- 粒子径が50μm以下である事を特徴とする請求項4又は5記載のアレルゲン不活化剤。
- 金属酸化物がチタニア、シリカ、アルミナいずれかを少なくとも一種含むことを特徴とする請求項5又は6記載のアレルゲン不活化剤。
- 請求項1乃至7いずれかのアレルゲン不活化剤を含むことを特徴とする濾過部材。
- 塗布又は噴霧によりアレルゲン不活化剤を担持することを特徴とする請求項8記載の濾過部材。
- バインダーを用いてアレルゲン不活化剤を担持することを特徴とする請求項8記載の濾過部材。
- 請求項9記載のバインダーが水系樹脂エマルジョンであることを特徴とする濾過部材。
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