JP2006241431A - アレルゲン不活化剤およびそれを用いたフィルタ - Google Patents

アレルゲン不活化剤およびそれを用いたフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】臭気、着色がなく、効果的なアレルゲン不活化剤を提供する。
【解決手段】抗アレルゲン性金属成分を含有することを特徴とするアレルゲン不活性化剤。

Description

本発明は通常の方法では除去困難な蛋白質性アレルゲンを免疫的に不活性化する無機系抗アレルゲン剤ならびにその使用方法に関する。
従来から、スギ花粉等の植物性蛋白、ダニ虫体や***物、家畜の体毛等の動物性蛋白を継続的に吸入、接触もしくは摂取することにより感作状態となるアレルギー性疾患が問題となっている。そして、このように一旦感作状態となってしまうと、微量の同種アレルゲンを吸入、接触等により再摂取することにより、皮膚炎、鼻炎、喘息等の著しいアレルギー反応を生じるため、問題は更に深刻化する。このようなアレルギー反応を抑制するためには、原因物質となるアレルゲンとの接触を避けることが肝要であり、多くの検討がなされている。
アレルゲンとの接触を避ける手段として、例えば掃除機や空気清浄機等により床面堆積塵や空中浮遊塵を物理的に除去しアレルゲンを減少させる方法が推奨されている。ところが微細化された粒子状物質を完全に除去することは困難であり、場合によっては再飛散の原因となる。また、カーテンや布団、空気清浄フィルター等は形状ならびに設置場所の制約により効果的な除去は困難である。
また、アレルゲン不活化能を有する薬剤を環境中に噴霧、散布、もしくは塗布する方法も開示されている。
たとえば、タンニン酸化合物の蛋白結合作用を利用し、環境中に存在するアレルゲンを不活性化する抗アレルゲン剤ならびにその利用法や(例えば特許文献1、2参照)、上記成分を含有する茶抽出物を塗布することにより、アレルゲン不活化性を有したフィルター等(例えば特許文献3参照)が開示されている。
しかしながら、(1)カテコール類似構造を有するタンニン酸ならびにポリフェノール類は、酸化や共存する金属イオンとのキレート形成により変色しやすい、(2)精製度の低い粗抽出物である場合には不純物混入による臭気の発生が避けられない、(3)実質的に水溶性であるため塗布物質に触れることにより再溶出が生じるなどの問題を有していた。
特開昭61−44821号公報 特開平06−279273号公報 特開2000−5531号公報
本発明は従来技術の課題を背景になされたもので、優れたアレルゲン不活化能を長期間にわたって持続することができ、安全性が高く、無臭且つ無色のアレルゲン不活化剤を提供することを課題とするものである。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)抗アレルゲン性金属成分を含有することを特徴とするアレルゲン不活性化剤、(2)(1)記載の抗アレルゲン性金属成分が銀および/または亜鉛であることを特徴とするアレルゲン不活性化剤、(3)(1)又は(2)記載の抗アレルゲン性金属成分が、水溶性であることを特徴とするアレルゲン不活性化剤、(4)(1)又は(2)記載の抗アレルゲン性金属成分が、非水溶性であって、水分散されてなる事を特徴とするアレルゲン不活性化剤、(5)(1)又は(2)記載の抗アレルゲン性金属成分が金属酸化物と複合粒子を形成して水分散されてなる事を特徴とするアレルゲン不活性化剤、(6)粒子径が50μm以下である事を特徴とする(4)又は(5)記載のアレルゲン不活化剤、(7)金属酸化物がチタニア、シリカ、アルミナいずれかを少なくとも一種含むことを特徴とする(5)又は(6)記載のアレルゲン不活化剤、(8)(1)乃至(7)いずれかのアレルゲン不活化剤を含むことを特徴とする濾過部材、(9)塗布又は噴霧によりアレルゲン不活化剤を担持することを特徴とする(8)記載の濾過部材、(10)バインダーを用いてアレルゲン不活化剤を担持することを特徴とする(8)記載の濾過部材、(11)(9)記載のバインダーが水系樹脂エマルジョンであることを特徴とする濾過部材。
本発明のアレルゲン不活化剤は、無機系抗アレルゲン剤であるため優れたアレルゲン不活化能を長期間にわたって持続することができ、安全性が高い。無臭・無色の金属化合物を用いることにより、従来達成し得なかった優れた特性を得、更に幅広い用途に展開できるという利点を有する。
本発明のアレルゲン不活化剤は、金属成分を含有することが好ましい。金属成分とすることにより、カテキン等の生体由来高分子等に比して長期間にわたって持続することができ、安定性、安全性も高いからである。無臭・無色の金属化合物を用いることにより、従来達成し得なかった優れた特性を得、更に幅広い用途に展開できるという有利な効果も有する。
本発明での抗アレルゲン性金属成分としては、抗アレルゲン機能を有する金属成分を1種又は数種を組み合わせて用いることができ、例えば、銀、銅、亜鉛、鉛、錫、ビスマス、カドミウム、クロム、水銀、ニッケル、コバルトなどが例示される。特に、銀、亜鉛は、抗アレルゲン作用、人体に対する安全性などの観点から好ましい。
本発明のアレルゲン不活化剤は、水溶性の抗アレルゲン性金属化合物が含有されていることが好ましい。水溶性であれば、水溶液として扱うことができ、透明性、安定性の面で好ましく、担体の性質を保ったまま担持することが容易だからである。
水溶性銀系化合物は、優れたアレルゲン不活化作用を有すると共に、実質的に無色無臭であるため、着色及び変色、臭気の問題を解消することができ、更にはイオンとして水溶液中に存在するため、分散性が極めて良好だからである。本発明に用いられる水溶性銀化合物は特に限定されないが、例えば硝酸銀、硫酸銀等を例示することができる。
水溶性亜鉛系化合物は、優れたアレルゲン不活化作用を有すると共に、実質的に無色無臭であるため、着色及び変色、臭気の問題を解消することができ、更にはイオンとして水溶液中に存在するため、分散性が極めて良好だからである。本発明に用いられる水溶性亜鉛化合物は特に限定されないが、例えば硝酸亜鉛、硫酸亜鉛等を例示することができる。
また本発明のアレルゲン不活化剤の水溶性の抗アレルゲン性金属化合物濃度は0.005mol/L〜3mol/Lであることが好ましい。0.005mol/L未満であると、十分な効果が得られず、一方mol/Lを超えると、効果がほとんど変わらなくなる一方でコストが高くなるからである。より好ましくは0.05mol/L〜1mol/L、更に好ましくは0.1mol/L〜0.5mol/Lである。
本発明のアレルゲン不活化剤は、非水溶性の抗アレルゲン性金属化合物粒子を水分散させたものであってもよい。かかる液体を環境中もしくは汚染物品に噴霧、塗布することにより、タンパク質性アレルゲンが不活性化できるからである。本発明に用いられる非水溶性の抗アレルゲン性金属化合物は特に制限されないが、たとえば金属銀、酸化銀等を例示することができる。非水溶性の抗アレルゲン性金属化合物粒子の含有量は、0.1重量%〜30重量%であることが好ましい。0.1重量%未満であると、十分な効果が得られず、一方30重量%を超えると、粒子の分散性(再凝集)や、スプレーで用いた場合に詰まりの問題が生じるからである。より好ましくは0.5重量%〜20重量%、更に好ましくは1重量%〜10重量%である。
本発明の抗アレルゲン性金属成分は、金属酸化物と複合粒子を形成して水分散されていてもよい。複合粒子の形態としては、表層もしくは1部に銀化合物を担持させることが挙げられる。これにより、一般に高価な抗アレルゲン性金属成分の使用量を減少せしめると共に、抗アレルゲン性金属化合物による着色などを抑制することができるからである。かかる金属酸化物には特に制限はなく、単一無機酸化物、複合無機酸化物のいずれでもよい。単一の無機酸化物としては、SiO2、Al2O3、TiO2、ZrO2、Fe2O3、Sb2O3、WO3、CeO3などを挙げることができる。複合無機酸化物としては、前記各酸化物と他の無機酸化物の複合酸化物、例えばSiO2・Al2O3、SiO2・B2O3、SiO2・P2O5、SiO2・TiO2、SiO2・ZrO2、Al2O3・TiO2、Al2O3・ZrO2、Al2O3・CaO、Al2O3・B2O3、Al2O3・P2O5、Al2O3・CeO3、Al2O3・Fe2O3、TiO2・CeO3、TiO2・ZrO2、SiO2・TiO2・ZrO2、Al2O3・TiO2・ZrO2、SiO2・Al2O3・TiO2、SiO2・TiO2・CeO3などを挙げることができる。特に、チタニア(TiO2)、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)は、安全性および生産性の面で好ましい。
本発明に用いる非水溶性の抗アレルゲン性金属化合物粒子、及び抗アレルゲン性金属成分と金属酸化物との複合粒子の分散媒は水に限らず、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、トルエンなどの有機溶媒を利用してもよい。
本発明に用いる非水溶性の抗アレルゲン性金属化合物粒子、及び抗アレルゲン性金属成分と金属酸化物との複合粒子の粒子径は、50μm以下であることが好ましい。かかる範囲であれば、噴霧や塗布段階における取り扱い性を向上させ、付着対象物の外観変化(噴霧物による汚染)を抑制することができるからである。より好ましくは100nm以下、最も好ましくは10nm以下である。粒子径を小さくすることにより、表面積が飛躍的に増大するため不活化効果が高められると共に、付着力向上により塗布後の飛散等を抑制することができるという利点も有する。とりわけ、粒子径が10nmである場合には乾燥により皮膜形成することが可能である。
本発明に用いる非水溶性の抗アレルゲン性金属化合物粒子、及び抗アレルゲン性金属成分と金属酸化物との複合粒子の粒子径の下限は特に限定されないが、粉体の取り扱い性、再凝集の面から1nm以上とすることが好ましい。
本発明に用いる非水溶性の抗アレルゲン性金属化合物粒子、及び抗アレルゲン性金属成分と金属酸化物との複合粒子の粒子径を平均粒子径で管理することもでき、その範囲は、好ましくは1〜500nm、さらに好ましくは3〜100nm、最も好ましくは5〜10nmである。
抗アレルゲン性金属成分と金属酸化物との複合粒子中に含有される抗アレルゲン性金属成分の量は、酸化物換算で0.01以上、好ましくは0.01〜50重量%の範囲内であることが好ましい。抗アレルゲン性金属成分の含有量が0.01重量%に満たない場合は、抗アレルゲン作用が十分に発現しないことがあり、また、50重量%よりも多くしても50重量%の場合と比較して抗アレルゲン性効果に大差がない。また、銀成分は含有量が多くなると変色し易い。より好ましい抗アレルゲン性金属成分の含有量は0.5〜30重量%である。
本発明のアレルゲン不活化剤は生活環境中に使用することを目的としているため、吸入毒性、可燃性等の観点から水を主成分とした溶媒中に溶解もしくは分散されていることが
好ましく、最も好ましくは完全水系溶媒である。但し、必要に応じてアルコール等の低沸点溶媒、抗菌剤、脱臭剤、界面活性剤などを助剤として加えることを妨げるものではない。
また、アレルゲン不活化剤のpHは安全性の観点から鑑みて3〜11の範囲にあることが好ましく、より好ましくは5〜9であり、最も好ましくは6〜8である。また、本発明における不溶性とは分散媒として用いる水溶液のpHに対し溶解しないことを意味する。
また、本発明のアレルゲン不活化剤は既に汚染された環境、物品に使用するのみならず、床、壁面等の家屋構成部材、空調機器、織布、不織布等の繊維製品、マスク、フィルターなどの濾過部材に予め塗布、噴霧、担持しておく事も好適である。
特に、疎水性樹脂などで構成される疎水性の材料に本発明のアレルゲン不活化剤を塗布、噴霧、担持する場合には、バインダーを用いることが好ましく、バインダーとしては水系樹脂エマルジョンが特に好ましい。バインダーを用いることで、アレルゲン不活化剤を多量に、且つ均一に塗布、噴霧、担持することが可能となる。
本発明にて適用可能なアレルゲンは不活化効果が確認できる物であれば特に制限されないが、具体的にはイヌ、ネコ、鳥の体毛など家畜由来、スギ、ブタクサ等の植物由来、ダニ、ゴキブリ本体もしくは***物などの動植物蛋白質を例示することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
マイクロチューブ(容量1.5mL)に12.9mgの硝酸銀を分取、PBSを100μL加え水溶液とした。この溶液を精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに0.015mL加え、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが99.3%不活化されることが分かった。
また、この溶液を1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、99.1%であり、性能の劣化はなかった。
(実施例2)
1重量%の二酸化チタンコロイド水溶液500mLを60℃に加温し、1重量%硝酸銀水溶液200mLを加え、膜濃縮を行い、抗アレルゲン性金属成分である銀と金属酸化物である二酸化チタンとの複合粒子を固形分濃度3重量%含む分散溶液を得た。
この分散溶液は、安定な亜鉛担持チタニア微粒子が分散した状態であり、1ヶ月静置後も分離、沈殿は確認されなかった。
この溶液を精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに0.015mL加え、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが82.3%不活化されることが分かった。
また、この溶液を1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、83.5%であり、性能の劣化はなかった。
(実施例3)
1重量%の二酸化チタンコロイド水溶液500mLを60℃に加温し、0.5重量%硝酸亜鉛水溶液200mLを加え、膜濃縮を行い、抗アレルゲン性金属成分である亜鉛と金属酸化物である二酸化チタンとの複合粒子を固形分濃度3重量%含む分散溶液を得た。
この分散溶液は、安定な亜鉛担持チタニア微粒子が分散した状態であり、1ヶ月静置後も分離、沈殿は確認されなかった。
この溶液を精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに0.015mL加え、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが80.6%不活化されることが分かった。
また、この溶液を1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、80.2%であり、性能の劣化はなかった。
(比較例1)
PBSを精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに0.015mL加え、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが10.1%不活化されることが分かった。これは、アレルゲンの自然減衰によるものと考えられる。
また、この溶液を1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、11.5%であった。
(比較例2)
茶抽出物(白井松新薬株式会社 カテキン60W)0.08gをPBSに溶解し10%溶液とした。
この溶液を精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに0.015mL加え、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが62.2%不活化されることが分かった。
また、この溶液を1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、23.5%であり、性能の劣化が認められた。
(実施例4)
マイクロチューブ(容量1.5mL)に12.9mgの硝酸銀を分取、PBSを100μL加え水溶液とした。この水溶液を0.015mL相当分1cm角のポリエステル不織布(目付60g/m2)に担持し、抗アレルゲン性を有するフィルタを作成した。このフィルタは無色、無臭であった。このフィルタを精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに浸漬し、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが95.3%不活化されることが分かった。
また、このフィルタを1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、96.3%であり、性能の劣化はなかった。
(実施例5)
1重量%の二酸化チタンコロイド水溶液500mLを60℃に加温し、1重量%硝酸銀水溶液200mLを加え、膜濃縮を行い、抗アレルゲン性金属成分である銀と金属酸化物である二酸化チタンとの複合粒子を固形分濃度3重量%含む分散溶液を得た。
この水溶液を0.015mL相当分1cm角のポリエステル不織布(目付60g/m2)に担持し、抗アレルゲン性を有するフィルタを作成した。このフィルタは無色、無臭であった。このフィルタを精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに浸漬し、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが95.3%不活化されることが分かった。
また、このフィルタを1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、94.1%であり、性能の劣化はなかった。
(実施例6)
1重量%の二酸化チタンコロイド水溶液500mLを60℃に加温し、0.5重量%硝酸亜鉛水溶液200mLを加え、膜濃縮を行い、抗アレルゲン性金属成分である亜鉛と金属酸化物である二酸化チタンとの複合粒子を固形分濃度3重量%含む分散溶液を得た。
この水溶液を0.015mL相当分1cm角のポリエステル不織布(目付60g/m2)に担持し、抗アレルゲン性を有するフィルタを作成した。このフィルタは無色、無臭であった。このフィルタを精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに浸漬し、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが93.8%不活化されることが分かった。
また、このフィルタを1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、92.4%であり、性能の劣化はなかった。
(比較例3)
PBSを0.015mL相当分1cm角のポリエステル不織布(目付60g/m2)に担持し、抗アレルゲン性を有するフィルタを作成した。このフィルタは無色、無臭であった。
このフィルタを精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに浸漬し、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが16.8%不活化されることが分かった。これは、アレルゲンの自然減衰及びフィルタへの吸着による減少と考えられる。
また、このフィルタを1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、13.5%であった。
(比較例4)
茶抽出物(白井松新薬株式会社 カテキン60W)0.08gをPBSに溶解し10%溶液とした。
この水溶液を0.015mL相当分1cm角のポリエステル不織布(目付60g/m2)に担持し、抗アレルゲン性を有するフィルタを作成した。
このフィルタは褐色となり、茶特有の臭気を有していた。
このフィルタを精製ダニ抗原(Der f2)(アサヒフードアンドヘルスケア株式会社製)を50ng/mL含む1mLのPBSに浸漬し、室温で24時間静置後、アレルゲンの減少量をELISA方にて測定した。その結果、Derf2アレルゲンが73.6%不活化されることが分かった。
また、この溶液を1ヶ月間室温で静置後、再びアレルゲンの減少量を測定した結果、35.5%であり、性能の劣化が認められた。
Figure 2006241431
Figure 2006241431
本発明によると、臭気ならびに着色が無く、効果的なアレルゲン不活化剤を提供でき、床、壁面等の家屋構成部材、空調機器、織布、不織布等の繊維製品、マスク、フィルターなどの濾過部材等、臭いや、着色が問題となる分野においても広く利用することができ、産業界に寄与すること大である。

Claims (11)

  1. 抗アレルゲン性金属成分を含有することを特徴とするアレルゲン不活性化剤。
  2. 請求項1記載の抗アレルゲン性金属成分が銀および/または亜鉛であることを特徴とするアレルゲン不活性化剤。
  3. 請求項1又は2記載の抗アレルゲン性金属成分が、水溶性であることを特徴とするアレルゲン不活性化剤。
  4. 請求項1又は2記載の抗アレルゲン性金属成分が、非水溶性であって、水分散されてなる事を特徴とするアレルゲン不活性化剤。
  5. 請求項1又は2記載の抗アレルゲン性金属成分が金属酸化物と複合粒子を形成して水分散されてなる事を特徴とするアレルゲン不活性化剤。
  6. 粒子径が50μm以下である事を特徴とする請求項4又は5記載のアレルゲン不活化剤。
  7. 金属酸化物がチタニア、シリカ、アルミナいずれかを少なくとも一種含むことを特徴とする請求項5又は6記載のアレルゲン不活化剤。
  8. 請求項1乃至7いずれかのアレルゲン不活化剤を含むことを特徴とする濾過部材。
  9. 塗布又は噴霧によりアレルゲン不活化剤を担持することを特徴とする請求項8記載の濾過部材。
  10. バインダーを用いてアレルゲン不活化剤を担持することを特徴とする請求項8記載の濾過部材。
  11. 請求項9記載のバインダーが水系樹脂エマルジョンであることを特徴とする濾過部材。
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