JP2006241404A - 重合体粒子並びにそれを含む分散体の製造方法 - Google Patents

重合体粒子並びにそれを含む分散体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 重合体粒子のラテックスから精製された重合体粒子を回収する方法に関し、使用した有機溶媒を分離回収し再利用し、品質の安定した精製重合体粒子を効率良く回収する。
【解決手段】 重合体粒子(A)のラテックスを水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)と混合して得られる混合物(C)に対し、水(D)を接触させて、有機溶媒(B)を含有する重合体粒子(A)の凝集体(F)を水相(E)中に生成させた後、凝集体(F)を分離する精製重合体粒子の製造方法において、前記凝集体(F)に重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒(B’)を添加して作成した重合体粒子(A)が分散した分散体(G)より有機溶媒を回収し、この回収した有機溶媒を、有機溶媒(B)若しくは有機溶媒(B’)として再利用することを特徴とする、精製した重合体粒子の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、重合体のラテックスから、精製された重合体を製造する方法、並びに当該重合体を含む分散体の製造方法に関し、さらに詳しくは、使用した有機溶媒を回収し、これを繰り返し再利用する製造方法に関する。
従来、重合体粒子のラテックスから精製された重合体粒子を製造する場合、まず重合体粒子の凝集体を得て、次いで必要に応じて熱処理等を行った後、得られたスラリーを脱水若しくは脱溶媒後に水洗並びに乾燥を行い、重合体粒子を得る方法が一般的に行われている。
前記のラテックスから重合体粒子の凝集体を得る方法としては、例えば、(1)無機電解質または酸を凝固剤として添加する方法(例えば、特許文献1参照)、(2)高分子凝集剤を添加する方法、(3)有機溶媒を直接ラテックスと接触させる方法(例えば、特許文献2参照)、(4)ラテックスを直接加熱、または凍結させる方法、(5)機械的なせん断力を与える方法、或いはこれらを適宜組み合わせた方法が提案されている。
この際、得られた凝集体には、重合体に由来する乳化剤や電解質が多く含まれ、重合体の品質発現に悪影響をもたらすことがある。これらの乳化剤や電解質を除去する方法としては、通常、大量の水で洗浄することが行われている。しかしこの方法では、大量の水が必要となる上に、目的物が充分に除去されないのが現状である。また、有機溶媒を用いて洗浄する方法も行われているが、工程が複雑になり工業的に不利なプロセスとなる。
このよう課題を解決する方法として、特願2003−326711号には水に対し部分溶解性を持つ有機溶媒を用いて凝集体を得て、乳化剤等の夾雑物を除去し、さらにその凝集体に有機溶媒を添加することによって、重合体粒子を有機溶媒中に分散する方法が提案されている。この方法においては、凝集工程並びに凝集体を有機溶媒中に分散させる工程において有機溶媒を使用するため、有機溶媒の必要量が工業プロセスとして重要な課題となっている。
特開昭52−3637号公報 特開平08−73520号公報
本発明の目的は、重合体粒子のラテックスより精製した重合体を製造し、或いはそれを含む分散体を製造するに際し、生産性、コスト、環境負荷等の観点から、効率的に製造できる製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討をした結果、下記の発明を完成するに至った。
即ち本発明の第1は、重合体粒子(A)のラテックスを水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)と混合して得られる混合物(C)に対し、水(D)を接触させて、有機溶媒(B)を含有する重合体粒子(A)の凝集体(F)を水相(E)中に生成させた後、凝集体(F)を分離する精製重合体粒子の製造方法において、前記凝集体(F)に重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒(B’)を添加して作成した重合体粒子(A)が分散した分散体(G)より有機溶媒を回収し、この回収した有機溶媒を、有機溶媒(B)若しくは有機溶媒(B’)として再利用することを特徴とする、精製した重合体粒子の製造方法に関する。
本発明の第2は、重合体粒子(A)のラテックスを水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)と混合して得られる混合物(C)に対し、水(D)を接触させて、有機溶媒(B)を含有する重合体粒子(A)の凝集体(F)を水相(E)中に生成させた後、凝集体(F)を分離し、次いで凝集体(F)に重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒(B’)を添加して作成した重合体粒子(A)が分散した分散体(G)の製造方法において、前記分散体(G)より有機溶媒を回収し、この回収した有機溶媒を、有機溶媒(B)若しくは有機溶媒(B’)として再利用することを特徴とする、分散体の製造方法に関する。
好ましい実施態様は、前記凝集体(F)に、重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒(B’)を添加して作成した重合体粒子(A)が分散した分散体(G)にエポキシ樹脂(H)を添加した組成物より有機溶媒を回収し、この回収した有機溶媒を、有機溶媒(B)若しくは有機溶媒(B’)として再利用することを特徴とする、前記いずれかに記載の製造方法に関する。
好ましい実施態様は、前記の回収した有機溶媒は、精製を行うことなく油水分離を行った後に有機溶媒(B)若しくは有機溶媒(B’)として再利用することを特徴とする、前記いずれかに記載の精製した重合体粒子の製造方法に関する。
本発明の第3は、重合体粒子(A)のラテックスを水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)と混合して得られる混合物(C)に対し、水(D)を接触させて、有機溶媒(B)を含有する重合体粒子(A)の凝集体(F)を水相(E)中に生成させた後、凝集体(F)を分離する精製重合体粒子の製造方法において、水相(E)に含まれる有機溶媒(B)を回収し、有機溶媒(B)として再利用することを特徴とする、精製した重合体粒子の製造方法に関する。
本発明の第4は、重合体粒子(A)のラテックスを水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)と混合して得られる混合物(C)に対し、水(D)を接触させて、有機溶媒(B)を含有する重合体粒子(A)の凝集体(F)を水相(E)中に生成させた後、凝集体(F)を分離し、次いで凝集体(F)に重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒(B’)を添加して作成した重合体粒子(A)が分散した分散体(G)の製造方法において、水相(E)に含まれる有機溶媒(B)を回収し、有機溶媒(B)若しくは有機溶媒(B’)として再利用することを特徴とする、分散体の製造方法。
好ましい実施態様は、水相(E)より回収した有機溶媒(B)を蒸留処理で精製した後に、有機溶媒(B)若しくは有機溶媒(B’)として再利用することを特徴とする、前記いずれかに記載の製造方法に関する。
好ましい実施態様は、水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)の20℃における水に対する溶解度が5重量%以上、40重量%以下であることを特徴とする、前記いずれかに記載の製造方法に関する。
本発明の製造方法によれば、有機溶媒の使用量を大幅に削減することが可能となり、溶媒原料コストを大幅に削減することが可能となる。さらに有機溶媒の廃液処理量および、精製処理設備の装置コストも削減でき、工業的若しくは環境的に極めて有利なプロセスが提供できる。
本発明の製造方法において用いることのできる重合体粒子(A)の水性ラテックスについては特に限定されず、乳化重合、懸濁重合、マイクロサスペンジョン重合などの公知の重合法を用いて製造することができる。中でも、重合体粒子の構造制御若しくは粒子径制御が容易である点またはラテックスの安定性等の点から、乳化重合により得られた重合体粒子の水性ラテックスであることがより好ましい。
重合体粒子を構成する単量体としては、例えば、スチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、α−メチルスチレン等のビニル芳香族、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化物、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル等のハロゲン化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、アリルメタクリレート、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、モノエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、グリシジルメタクリレート等の架橋モノマーが挙げられ、それらのホモ重合体、共重合体、または重合体のラテックスの混合物も適用することができる。中でも、凝集体スラリーの製造し易さ等の点から、少なくとも一部にゴム状部を有するゴム状重合体粒子若しくはゴム状重合体粒子を含む混合物であることが好ましい。
重合体粒子(A)の水性ラテックスにおける固形分濃度については特に制限はないが、凝集体を得やすいという点から、固形分濃度は15重量%〜50重量%の範囲であることが好ましい。ラテックスの固形分濃度が15重量%未満では凝集体が生成しにくく、逆に50重量%を越えると水性ラテックスの安定性が低下する傾向がある。
重合体粒子(A)のラテックスの製造における水媒体中での乳化若しくは分散剤としては、ラテックスのpHを中性とした場合でも乳化若しくは分散安定性が損なわれないものを用いることが好ましい。具体的には、ジオクチルスルホコハク酸やドデシルベンゼンスルホン酸等に代表される様なアルキルまたはアリールスルホン酸、アルキルまたはアリールエーテルスルホン酸、ドデシル硫酸に代表されるようなアルキルまたはアリール硫酸、アルキルまたはアリールエーテル硫酸、アルキルまたはアリール置換燐酸、アルキルまたはアリールエーテル置換燐酸、ドデシルザルコシン酸に代表されるようなN−アルキルまたはアリールザルコシン酸、オレイン酸やステアリン酸等に代表されるようなアルキルまたはアリールカルボン酸、アルキルまたはアリールエーテルカルボン酸等の、各種の酸類のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、アルキルまたはアリール置換ポリエチレングリコール等の非イオン性乳化剤或いは分散剤、ポリビニルアルコール、アルキル置換セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸誘導体等の分散剤が例示されうるが、これらに限定されるものではない。これらは1種または2種以上を適宜組み合わせて使用できる。上記の乳化若しくは分散剤は、残存すると悪影響を及ぼす夾雑物となりうることから、重合体粒子(A)のラテックス作成過程において乳化・分散安定性に支障を生じない範囲でできる限り少量を使用することが好ましい。
本発明の製造方法において用いることのできる重合体粒子の粒子径には特に制限は無く、重合体粒子を水性ラテックスの状態で安定的に得ることができるものであれば問題なく使用できる。工業生産性の面からは、体積平均粒子径が0.03〜2μmの範囲のものが、製造が容易であるという点から、より好ましい。
前記の水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)としては、ラテックスと円滑に混合できるものが好ましい。中でも、円滑な混合操作あるいは水性ラテックスとの混合性の点から、20℃における水に対する溶解度が5重量%以上、40重量%以下である有機溶媒であることが好ましく、更には5重量%以上、30重量%以下であることがより好ましい。水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)の20℃における水に対する溶解度が40重量%を越えると、重合体粒子(A)のラテックスが一部凝固を生じて円滑な混合操作に支障をきたす場合がある。逆に、水に対する溶解度が5重量%未満では、重合体粒子(A)のラテックスとの混合性が不十分となり、円滑な混合が困難になり易い傾向がある。なお、前記ラテックスと水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)との混合方法について特に制限はなく、一般的に知られている方法が利用できる。
水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)としては、具体的には、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、エタノール、(イソ)プロパノール、ブタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等から選ばれる1種以上の有機溶媒が挙げられる。これらは必要に応じて、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
重合体粒子(A)のラテックスと水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)との混合物(C)中に含まれる水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)の量は、重合体粒子(A)の種類、あるいは重合体粒子(A)のラテックス中での固形分濃度によっても変化しうるため、特に制限されるものではないが、重合体粒子(A)のラテックス100重量部に対し、水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)を50〜400重量部混合することが好ましく、より好ましくは70〜300重量部である。水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)の量が50重量部未満では、重合体粒子(A)を安定して分散できなくなる場合があり、粘度が上昇して取り扱いが困難になる場合がある。逆に400重量部を超えると、有機溶媒の量が多くなり不経済である。
重合体粒子(A)のラテックスおよび水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)との混合操作に際しては、特別な装置あるいは方法は必要ではなく、良好な混合状態が得られる装置あるいは方法であれば、公知のものが使用可能である。一般的な装置としては、攪拌翼つきの攪拌槽が挙げられるが、スタティックミキサ(静止混合器)やラインミキサ(配管の一部に攪拌装置を組み込む方式)による連続処理も可能である。
本発明においては、前記により得られた混合物(C)を水(D)と接触させる。この操作により、混合物(C)に含まれる水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)の一部が水(D)に溶解し、水相(E)となり得る。同時に、混合物(C)に含まれるラテックス由来の水分も水相(E)へ排除され得る。このため、混合物(C)は水を含んだ有機溶媒(B)中に重合体粒子(A)を濃縮した形となり、結果として凝集体(F)を生成する。
本発明における凝集操作および生成した凝集体(F)は、以下のような特徴を有するものである。(a)一般に電解質や酸などの凝固剤添加や加熱操作による凝集操作では、重合体粒子(A)のラテックスに由来する乳化剤や電解質の大部分が凝集体表面に吸着される、若しくは凝集体内部に包含されている場合が多く、凝集後に水洗操作を行った場合でも除去することは容易ではない。これに対し、本発明では、重合体粒子(A)のラテックスと前記有機溶媒(B)との混合から重合体粒子(A)の凝集までの操作を通じ、重合体粒子(A)に由来する乳化剤や電解質は、凝集体(F)より遊離した後、水相(E)に移行するため、これらを容易に除去することができる。(b)一般に電解質や酸などの凝固剤添加や加熱操作で生成した凝集体は、機械的剪断によっても凝集体から重合体粒子(A)の1次粒子の状態まで再分散させることが困難であるような強固な凝集体である。これに対し、本発明で得られた凝集体(F)においては、その後、例えば重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒と攪拌下で混合させることにより、その大部分が重合体粒子(A)の1次粒子として再び分散することができる。すなわち、本発明で得られる凝集体(F)は、粒子の合一分散に関して有機溶媒中において可逆性を有する。本発明では、これを緩凝集体という。
この凝集体(F)の生成操作は、部分的な未凝集体の発生防止の観点から、攪拌下あるいは攪拌と同等の流動性を付与することができる流動条件下で実施することが望ましい。例えば、攪拌機を備えた攪拌槽での回分操作あるいは連続操作により実施することができる。水(D)の添加方法は、例えば、連続的に添加する方法、一括して添加する方法等が適用できる。
前記混合物(C)に接触させる水(D)の量は、重合体粒子(A)の種類、重合体粒子(A)のラテックス中での固形分濃度、水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)の種類や量によっても変化し得るが、前記水(D)の量は、ラテックスと混合させる際に使用した水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)100重量部に対し、40重量部以上、350重量部以下であることが好ましく、60重量部以上、250重量部以下であることがより好ましい。前記水(D)の量が40重量部未満では、重合体粒子(A)の凝集体(F)が生成しにくくなる傾向があり、逆に350重量部を超えると生成した凝集体(F)中の有機溶媒(B)の濃度が低くなるため、後工程において凝集体(F)を再分散させる所要時間が長期化するなど分散性が低下する傾向がある。
生成した凝集体(F)と、水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)を含む水相(E)とを分離することにより、凝集体(F)に同伴する前記有機溶媒(B)に含まれる水分を除き、重合体粒子(A)のラテックス由来の乳化剤や電解質の大部分を水相(E)とともに重合体粒子(A)から分離除去した精製重合体粒子を得ることができる。凝集体スラリーの固液分離は、加圧濾過、減圧濾過、遠心分離等、工業的に一般に知られている濾過装置を用いて行うことができる。
本発明で得られた凝集体(F)においては、その後、例えば重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒(B’)と攪拌下で混合させることにより、その大部分が重合体粒子(A)の1次粒子として再び分散した分散体(G)を得ることができる。
この際添加する重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒(B’)の量は、重合体粒子(A)の種類、水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)の種類や量によっても変化しうるため、特に制限されない。しかしながら、添加する重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒(B’)の量は、好ましくは重合体粒子(A)100重量部に対し、好ましくは40〜1400重量部であり、より好ましくは200〜1000重量部である。添加する重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒(B’)の量が40重量部未満では、有機溶媒(B)および/または有機溶媒(B’)中に重合体粒子(A)が均一に分散しにくくなり、重合体粒子(A)の凝集体(F)の塊が残ったり、粘度が上昇して取り扱いにくくなる場合がある。1400重量部を超えると、最終的な揮発分の蒸発留去に際して多量のエネルギーおよび大規模な装置を必要として不経済である。
なお、本発明において用いる重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒(B’)としては、重合体粒子(A)を再分散可能なものであれば特に制限はなく、例えば、水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)として先に例示したものを同様に好適に用いることができる。中でも、有機溶媒(B)若しくは(B’)を再利用する観点から、重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒(B’)としては、前工程で用いた有機溶媒(B)と同一の溶媒を用いることがより好ましい。
本発明においては、前記凝集体(F)に重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒(B’)を添加して作成した分散体(G)から有機溶媒(B)および(B’)を回収し、この回収した有機溶媒を、有機溶媒(B)若しくは有機溶媒(B’)として再利用することを特徴とする。なお、有機溶媒の回収は、凝集体(F)に重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒(B’)を添加して作成した分散体(G)からだけでなく、当該分散体(G)にさらに他の成分を加えた組成物から、有機溶媒を回収しても良い。
前記分散体(G)を含有する組成物中に添加することができる成分としては特に制限はなく、各種目的に応じて適宜使用することができるが、例えば、重合体粒子(A)の使用用途に応じて、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸誘導体、シアン化ビニル化合物、マレイミド化合物等のラジカル重合性単量体、ジメチルテレフタレート、アルキレングリコール等の芳香族ポリエステル原料等を挙げることができる。なかでも、通常前記ような重合体粒子を配合することが比較的困難である点から、エポキシ樹脂(H)を代表とする熱硬化性樹脂を添加することが好ましい。
本発明に用いられうるエポキシ樹脂(H)は、エポキシ基を有する化合物であれば特に制限されないが、ポリエポキシドとも言われるエポキシ樹脂であることが好ましい。前記のエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノール、フェノール類ノボラック等の多価フェノールとエピクロルヒドリンの付加反応生成物などのポリグリシジルエーテル、アニリン、ジアミノベンゼン、アミノフェノール、フェニレンジアミン、ジアミノフェニルエーテル等のモノアミンおよび多価アミンより誘導される多価グリシジルアミン化合物、シクロヘキシルエポキシ等の脂環式エポキシ構造を有する脂環式エポキシ樹脂、多価アルコール類とエピクロルヒドリンとの付加反応生成物、これらの一部の水素を臭素等のハロゲン元素で置換したハロゲン化エポキシ樹脂、アリルグリシジルエーテル等の不飽和モノエポキシドを含む単量体を重合して得られるホモポリマーもしくはコポリマーなどが例示される。これらは1種または2種以上の混合物であっても良い。多価フェノールより合成される多くのポリエポキシドは、例えば米国特許第4,431,782号に開示されている。ポリエポキシドの例としては更に、米国特許第3,804,735号、同第3,892,819号、同第3,948,698号、同第4,014,771号、及び、エポキシ樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社、昭和62年)に開示されているものが挙げられる。
本発明で用いられ得るエポキシ樹脂(H)は前述のようなものであるが、一般的にはエポキシ等量(Epoxy Equivalent Weight)として、80〜2000を有するものが挙げられる。これらのポリエポキシドは周知の方法で得ることができるが、通常よく用いられる方法として、例えば、多価アルコールもしくは多価フェノールなどに対して過剰量のエピハロヒドリンを塩基存在下で反応させることがあげられる。
本発明で用いられ得るエポキシ樹脂には、反応性希釈剤としてモノエポキシド、例えば、脂肪族グリシジルエーテル、例えばブチルグリシジルエーテル、あるいはフェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテルを含んでいても良い。一般的に知られているように、モノエポキシドはポリエポキシド配合物の化学量論に影響を及ぼすが、これの調整は硬化剤の量、あるいはその他周知の方法で行われ得る。
本発明で用いるエポキシ樹脂成分には、上記エポキシ基含有化合物の硬化剤および/または硬化促進剤を含有することも可能であるが、本製造方法の条件下においては実質的にエポキシ樹脂と意図しない硬化反応を起こさない硬化剤および/または硬化促進剤であることが好ましい。かかる硬化剤および/または硬化促進剤としては、例えば、前述のエポキシ樹脂ハンドブックに記載のものから上記要件を満たすものを選択して使用することができる。
本発明における分散体(G)あるいは分散体(G)を含有する組成物から有機溶媒を回収する方法については特に制限無く、公知の方法を用いることができる。有機溶媒を回収する方法としては、例えば、槽内に分散体(G)あるいは分散体(G)を含有する組成物を仕込み加熱減圧留去する方法、薄膜式蒸発機を用いるような連続式の方法、脱揮機構を備えた押出機あるいは連続式攪拌槽を用いる方法などが挙げられる。回収する有機溶媒を留去する際の温度や所要時間等の条件は、重合体粒子(A)を含有する組成物の品質を損なわない範囲で適宜選択することができる。また、該組成物に残存する揮発分の量は該組成物の使用目的に応じ、問題のない範囲で適宜選択できる。
本発明において回収される有機溶媒の量は消費されるものではないので、工程中から分離回収することで使用量を大幅に削減でき、工業的に有利なプロセスとなりうる。
上記のような方法で回収された有機溶媒中には、未反応単量体等の不純物が蓄積する場合が多い。通常であれば、プロセスで再利用するためには、回収した溶媒を精製して使用することが必要である。精製方法としては通常、蒸留操作等が行われるが、使用する溶媒量が多いと設備が大型化する上に、蒸気等のユーティリティーコストもかかる問題がある。
通常、蒸発回収した有機溶媒中には、未反応単量体などの有機性不純物、並びに水性ラテックスおよび凝集工程由来の水が含まれる。回収した有機溶媒中に含まれ、懸濁状態で分散する水相は、凝集工程にて凝集体(F)の粒子径の変動を引き起こすなどの悪影響を与える傾向がある。この場合は、回収後の有機溶媒を油水分離することで、懸濁状態で分散する水分を除去することができ、回収した有機溶媒中の水分をほぼ一定に保つことができることから、この油水分離を行った回収有機溶媒を再利用することが好ましい。なお、油水分離の方法としては、静置分離、油水分離装置、油水分離フィルターなど通常、工業的に使用されているものが利用できる。
さらに回収した有機溶媒中には未反応単量体等の有機性不純物も含まれうる。この溶媒を精製することなく使用したとしても、不純物は製品である重合体粒子中に残留することなく溶媒中に蓄積する。このため精製を行わずに回収有機溶媒を使用しても、最終的な重合体粒子(A)を含有する製品中に不純物はほとんど残留しない。従って、本発明においては、油水分離を行った回収有機溶媒を精製を行うことなく再利用することができる。
一方、本発明においては、重合体粒子(A)のラテックスを水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)と混合して得られる混合物(C)に対し、水(D)を接触させて、有機溶媒(B)を含有する重合体粒子(A)の凝集体(F)を水相(E)中に生成させた後、凝集体(F)を分離するが、この方法において水相(E)に含まれる有機溶媒(B)を回収し、有機溶媒(B)として再利用することも本発明の特徴の一つである。
本発明においては、水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)を使用するため、凝集操作後の水相(E)中に、一部の有機溶媒(B)が含まれる。この有機溶媒(B)については、蒸留操作等の精製方法によって精製した後に再利用することができる。
前記蒸留操作には特に制限はなく、例えば、バッチ蒸留、連続蒸留などの公知の方法が利用できる。バッチ蒸留の場合では、蒸留初期の塔頂留出液を抜き出すことにより、低沸分を除去することができ、蒸留後の塔底残存液を抜き出すことにより、高沸分を除去することができる。連続蒸留の場合では、1本あるいは複数本の蒸留塔により、水相(E)を蒸留精製し、有機溶媒(B)を回収することができる。
水相(E)を蒸留処理して回収した有機溶媒(B)は、一定範囲内に精製されたものであるため、蒸発回収した有機溶媒とは異なり懸濁水分を含んでいない。したがって、蒸留回収した有機溶媒中の水分量はほぼ一定に保たれており、上記のような油水分離処理は敢えて必要とせず、そのまま有機溶媒(B)若しくは有機溶媒(B’)として使用することができる。
当然ながら、本発明において、分散体(G)若しくは分散体(G)を含む組成物より回収した有機溶媒と、水相(E)から回収した有機溶媒は、それぞれ単独で再利用しても良いし、必要に応じて混合して、有機溶媒(B)若しくは有機溶媒(B’)として再利用しても良い。
上記の通り、本発明の重合体粒子の製造方法において使用した有機溶媒を回収し、繰り返し利用することにより、溶媒コストを削減でき、生産性の観点から、工業的に有利なプロセスとなりうる。さらに、分散体(G)あるいは分散体(G)を含む組成物より回収した有機溶媒を精製せずに油水分離のみを行って使用することにより、溶媒精製設備を最小限とすることが可能となる。また廃棄される溶媒量を減少することができる点から、環境負荷も小さくなる。
本発明により得られた、例えば、精製した重合体粒子とエポキシ樹脂との組成物は、産業用資材やスポーツ用品に有用な繊維あるいはフィラー強化複合材料、接着剤、塗料、コーティング材料、バインダー、半導体封止剤や回路基盤用積層板、樹脂付き金属箔等の電気・電子部品材料などの、エポキシ樹脂が通常使用されうる各種の用途に対して幅広く利用が可能であり、硬化物中の重合体粒子の分散状態が非常に安定で、かつ不純物の少ない硬化成型物を得ることができる。
(製造例1)重合体粒子(A)ラテックスの製造
100L耐圧重合機中に、水200重量部、リン酸三カリウム0.03重量部、リン酸二水素カリウム0.25重量部、エチレンジアミン4酢酸0.002重量部、硫酸第一鉄0.001重量部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5重量部を投入し、攪拌しつつ十分に窒素置換を行って酸素を除いた後、ブタジエン75重量部およびスチレン25重量部を系中に投入し、45℃に昇温した。パラメンタンハイドロパーオキサイド0.015重量部、続いてナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.04重量部を投入し重合を開始した。重合開始から4時間目に、パラメンタンハイドロパーオキサイド0.01重量部、エチレンジアミン4酢酸0.0015重量部および硫酸第一鉄0.001重量部を投入した。重合10時間目に減圧下、残存モノマーを脱揮除去し、重合を終了した。重合転化率は98%、得られたスチレン−ブタジエンゴムラテックスの体積平均粒子径は0.1μmあった。
続いて3Lガラス容器に、前記ゴムラテックス1300g(スチレン・ブタジエンゴム粒子420gを含み、乳化剤としてゴムの固形分に対して1.5重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む。)および純水440gを仕込み、窒素置換を行いながら70℃で攪拌した。アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.2gを加えた後、スチレン54g、メタクリル酸メチル72g、アクリロニトリル36g、メタクリル酸グリシジル18gの混合物を3時間かけて連続的に添加しグラフト重合した。添加終了後、更に2時間攪拌して反応を終了させ、ゴム状重合体粒子(A)のラテックスを得た。重合転化率は99.5%であった。得られたラテックスはそのまま使用した。
(実施例1)
攪拌機付き1L槽(内径100mm、三方後退翼を底部に1段設置)に、新品のメチルエチルケトン150gを入れ、400rpmで撹拌を開始した。そこに製造例1に示すゴム状重合体粒子(A)の水性ラテックスを150g添加し、均一に混合した。次いで撹拌を停止し、撹拌槽底部より水216gを静かに供給した。全量を供給した後、400rpmで撹拌を開始し、ゴム状重合体粒子(A)の凝集体(F)を生成させた。
次に、一部の水相を含む凝集体(F)を残し、水相(E)を槽下部の払い出し口より387g排出させた。一部の水相を含む凝集体(F)は129gであった。水相(E)は廃棄した。
上記で得られた凝集体(F)129gにメチルエチルケトン180gを加え、400rpmの撹拌条件で60分混合し、ゴム状重合体粒子(A)を均一に分散した分散体(G)を得た。この分散体(G)にエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート828)131gを加えて均一に混合した。この混合物をエバポレーターを用いて80℃で吸引・蒸発し、揮発分は冷却器を用いて凝縮させてを有機溶媒を回収した。凝縮した液を静置分離した結果、油相は270g、水相は18g回収できた。水相は廃棄し、油相はメチルエチルケトンとして凝集工程での再利用に供した。
実施例1の凝集体(F)の乳化剤残存率は5重量%で良好な結果であった。また、実施例1における廃溶媒量は、メチルエチルケトンを含む水相(E)および蒸発凝縮液の水相との合計378gであった。また再利用に供する溶媒量は270gであった。
(実施例2)
実施例1と同様の操作を後2回行い、ゴム状重合体粒子(A)とエポキシ樹脂との混合物から有機溶媒を810g回収した。回収したメチルエチルケトン中に含まれるアクリロニトリル、メタクリル酸メチル、スチレン濃度ををガスクロマトグラフで測定した結果、スチレンのみが15ppm検出された。ここで回収したメチルエチルケトンを用いて、実施例1と同様の操作を行った。ただし、回収したメチルエチルケトンは水で飽和しており、メチルエチルケトン分は89重量%であった。このため、実施例1におけるメチルエチルケトンの量を168.5g、撹拌槽底部より供給する水を197.5gとした。
また得られた凝集体に回収したメチルエチルケトン202gを加え、実施例1と同様の操作を行って分散体を作成し、さらにエポキシ樹脂を添加した後に蒸発操作を行い、有機溶媒を270g、水相を18g回収した。
実施例2における凝集体(F)の乳化剤残存率は5.3重量%と実施例1と同様に良好な結果であった。実施例2における廃溶媒量は、メチルエチルケトンを含む水相(E)および蒸発凝縮液の水相18gとの合計405gであった。また再利用に供する溶媒量は270gであった。
(実施例3)
アクリロニトリル910ppm、メタクリル酸メチル410ppm、スチレン936ppmを含む回収したメチルエチルケトン380gを用いて、実施例2と同様の操作を行った。
また得られた凝集体に回収したメチルエチルケトン202gを加え、実施例2と同様の操作を行って分散体を作成し、さらにエポキシ樹脂を添加した後に蒸発操作を行った結果、回収メチルエチルケトンを270g、水相を18g回収した。
実施例3における凝集体(F)の乳化剤残存率は5.1重量%と実施例1と同様に良好な結果であった。
実施例3における廃溶媒量は、メチルエチルケトンを含む水相(E)および蒸発凝縮液の水相18gとの合計405gであった。また再利用に供する溶媒量は270gであった。
(実施例4)
実施例2と同様の操作を行い、凝集体(F)を分離して回収した水相(E)を蒸留処理し、水相に含まれるメチルエチルケトンを回収した。回収したメチルエチルケトンは90gであった。
実施例4における廃溶媒量は、分散体を蒸発処理した後に得られる蒸発凝縮液の水相18gのみであった。
(比較例1)
実施例1の操作を行った後、メチルエチルケトンの回収は行わず全て廃棄した。廃溶媒量は670gであった。
(比較例2)
実施例1と同様の操作を行い、水相(E)を378g回収した。水相(E)にはメチルエチルケトンが76重量%含まれていた。実施例1と同様に混合したメチルエチルケトン150g、重合体粒子(A)の水性ラテックス150gの混合物に対し、撹拌槽底部より回収した水相(E)280gを静かに供給した。全量を供給した後、400rpmで撹拌を行った。しかし凝集体は生成せず、撹拌槽内は油相と水相が2相分離した状態であった。
凝集体(F)より回収した水相(E)はメチルエチルケトンを含むため、精製しない状態では、凝集体(F)を生成させる水としても使用できなかった。
上記の実施例に記載した通り、分散体(G)若しくは水相(E)より有機溶媒を回収し、再利用することにより、廃棄する溶媒量を大幅に削減できる。また、回収した有機溶媒を使用しても、特に品質に悪影響を与えないことがわかる。

Claims (8)

  1. 重合体粒子(A)のラテックスを水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)と混合して得られる混合物(C)に対し、水(D)を接触させて有機溶媒(B)を含有する重合体粒子(A)の凝集体(F)を水相(E)中に生成させた後、凝集体(F)を分離する精製重合体粒子の製造方法において、前記凝集体(F)に重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒(B’)を添加して作成した重合体粒子(A)が分散した分散体(G)より有機溶媒を回収し、この回収した有機溶媒を、有機溶媒(B)若しくは有機溶媒(B’)として再利用することを特徴とする、精製した重合体粒子の製造方法。
  2. 重合体粒子(A)のラテックスを水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)と混合して得られる混合物(C)に対し、水(D)を接触させて、有機溶媒(B)を含有する重合体粒子(A)の凝集体(F)を水相(E)中に生成させた後、凝集体(F)を分離し、次いで凝集体(F)に重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒(B’)を添加して作成した重合体粒子(A)が分散した分散体(G)の製造方法において、前記分散体(G)より有機溶媒を回収し、この回収した有機溶媒を、有機溶媒(B)若しくは有機溶媒(B’)として再利用することを特徴とする、分散体の製造方法。
  3. 前記凝集体(F)に、重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒(B’)を添加して作成した重合体粒子(A)が分散した分散体(G)にエポキシ樹脂(H)を添加した組成物より有機溶媒を回収し、この回収した有機溶媒を、有機溶媒(B)若しくは有機溶媒(B’)として再利用することを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記回収した有機溶媒は、精製を行うことなく油水分離を行った後に有機溶媒(B)若しくは有機溶媒(B’)として再利用することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 重合体粒子(A)のラテックスを水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)と混合して得られる混合物(C)に対し、水(D)を接触させて、有機溶媒(B)を含有する重合体粒子(A)の凝集体(F)を水相(E)中に生成させた後、凝集体(F)を分離する精製重合体粒子の製造方法において、水相(E)に含まれる有機溶媒(B)を回収し、有機溶媒(B)として再利用することを特徴とする、精製した重合体粒子の製造方法。
  6. 重合体粒子(A)のラテックスを水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)と混合して得られる混合物(C)に対し、水(D)を接触させて、有機溶媒(B)を含有する重合体粒子(A)の凝集体(F)を水相(E)中に生成させた後、凝集体(F)を分離し、次いで凝集体(F)に重合体粒子(A)と親和性を示す有機溶媒(B’)を添加して作成した重合体粒子(A)が分散した分散体(G)の製造方法において、水相(E)に含まれる有機溶媒(B)を回収し、有機溶媒(B)若しくは有機溶媒(B’)として再利用することを特徴とする、分散体の製造方法。
  7. 水相(E)より回収した有機溶媒(B)を蒸留処理で精製した後に、有機溶媒(B)若しくは有機溶媒(B’)として再利用することを特徴とする、請求項5または6に記載の製造方法。
  8. 水に対し部分溶解性を示す有機溶媒(B)の20℃における水に対する溶解度が5重量%以上、40重量%以下であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載のの製造方法。
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