JP2006241356A - Tダイでの発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体 - Google Patents

Tダイでの発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体 Download PDF

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尚 梅田
Takayuki Kono
孝之 河野
Koji Kato
孝二 加藤
Yoshikatsu Tanaka
義勝 田中
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Abstract

【課題】 無機充填剤添加系で低連続気泡率であり、シート外観等の発泡特性に優れる発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体を提供する。
【解決手段】 下記成分(A)、(B)及び(C)を含むTダイでの発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。(A)230℃における溶融張力が5〜30gのポリオレフィン成分:5〜40重量%(B)下記(1)〜(4)を満たすポリプロピレン系樹脂:5〜90重量% (1)190℃における溶融張力が1.5〜7.0g (2)メルトフローレートが3〜10g/10分 (3)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が5〜8、Z平均分子量(Mz)が95万〜200万 (4)回転型レオメーターを用いて測定した溶融粘弾性挙動において、角周波数ω=0.1rad/秒における緩和時間(τ)が2〜7秒(C)無機充填剤:5〜25重量%
【選択図】なし

Description

本発明は、Tダイでの発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体に関する。
近年、電子レンジの普及、コンビニエンスストアの増加に伴い電子レンジ用容器の需要が伸びている。該容器には断熱性、耐熱性、耐油性が求められており、ポリプロピレン系樹脂が好ましい素材の一つであるが、結晶性樹脂であるため、結晶融点を境に融点以上では溶融粘度が極めて低くなり、発泡した気泡を保持できないで破泡し易いという問題があった。このような問題に対して、線状のポリプロピレンに分岐鎖を付与した、あるいは粘度の非常に高い高分子量成分を少量有する高溶融張力ポリプロピレンが用いられ、発泡特性(セルの微細化、低連続気泡率)に優れた発泡体が得られている。一方、容器剛性を得るためにタルクを添加することが行われているが、タルク添加により連続気泡率が高くなるため、高溶融張力ポリプロピレンを主原料にした系でないと満足できる成形品が得られなかった。
例えば、特許文献1、2には、高溶融張力ポリプロピレンにタルクを添加した系が開示されている。
しかしながら、特許文献1の実施例では、独立気泡率が約55〜65%と低く、熱成形時、破泡が進行して肉厚の不均一な型再現性の悪い容器しか得られていない。また、特許文献2の実施例では、タルクを添加した系(タルク10%)は、高溶融張力ポリプロピレンであるPF−814の配合量が30重量部に対して連続気泡率は約15%である。効果はPF−814の配合量の割には連続気泡率が高く発泡性能とコストのバランスが得られていない。
そこで、高溶融張力ポリプロピレンを少量添加した系であって連続気泡率が低く(独立気泡率が高い)、シート外観に優れた発泡特性に優れた材料が求められている。
特開2004−122717 特開2001−226510
本発明の目的は、無機充填剤添加系で低連続気泡率であり、シート外観等の発泡特性に優れる発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体を提供することである。
本発明によれば、以下の発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体が提供される。
1.下記成分(A)、(B)及び(C)を含むTダイでの発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
(A)230℃における溶融張力が5〜30gのポリオレフィン成分:5〜40重量%
(B)下記(1)〜(4)を満たすポリプロピレン系樹脂:5〜90重量%
(1)190℃における溶融張力が1.5〜7.0g
(2)メルトフローレートが3〜10g/10分
(3)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が5〜8、Z平均分子量(Mz)が95万〜200万
(4)回転型レオメーターを用いて測定した溶融粘弾性挙動において、角周波数ω=0.1rad/秒における緩和時間(τ)が2〜7秒
(C)無機充填剤:5〜25重量%
2.(A)成分が、超高分子量エチレン重合体を重合用触媒に担持された予備活性化触媒の存在下に、重合工程でプロピレン重合体を製造し、引き続きオレフィン重合体を製造して得られたオレフィン多段重合体である1記載の発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
3.(A)成分が、電離性放射線を照射して得られる長鎖分岐を導入したポリプロピレン系樹脂である1記載の発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
4.(A)成分が、ポリプロピレン系樹脂、有機ケイ素化合物及び高分子量酸変性α−オレフィン重合体を接触させて得られたプロピレン重合体組成物である1記載の発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
5.A)成分が、ポリエン存在下二段重合法により、エチレン、プロピレン、炭素数4〜20のα−オレフィン、スチレン類及び環状オレフィン類から選ばれる一種又は二種以上のモノマーを重合又は共重合させて得られたポリオレフィン系樹脂である1記載の発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
6.(B)成分が、四塩化チタンを有機アルミニウム化合物で還元して得られる三塩化チタン組成物を、エーテル及び電子受容体で処理して得られる固体触媒成分と有機アルミニウム化合物を必須成分とする触媒の存在下、プロピレンを重合して得られたポリプロピレン系樹脂である1〜5のいずれか記載の発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
7.(C)成分が、レーザー法により測定した平均粒子径が30μm以下のタルクである1〜6のいずれか記載の発泡成形用ポリプロピレン樹脂組成物。
8.1〜7のいずれか一項記載の発泡成形用ポリプロピレン樹脂組成物を発泡成形して得られた下記(1)及び(2)を満たす発泡成形体。
(1)平均セル径が500μm以下
(2)連続気泡率が1〜30%
本発明によれば、無機充填剤添加系で低連続気泡率であり、シート外観等の発泡特性に優れる発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物及びその発泡成形体が提供される。従って、本発明によれば、生産性の向上、コスト低減が図れる
以下、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に含まれる成分について説明する。
(A)ポリオレフィン成分
ポリオレフィン成分(A)(以下、(A)成分)として、キャピログラフを用い測定温度230℃、引き取り速度3.1m/分にて測定した溶融張力が、5〜30gのポリオレフィン系樹脂を用いる。このようなポリオレフィン系樹脂であれば特に制限はない。5g未満であると発泡特性が低下(発泡倍率が低下、連続気泡率が上昇)するとともに熱成形性も低下する恐れがある。30gを超えると生産性が低くなる恐れがある。好ましくは、溶融張力は7〜25gである。
好適なポリオレフィン系樹脂として、ポリプロピレン系樹脂(例えば、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ランダムブロックポリプロピレン等)が挙げられる。
このような所定の溶融張力を有するポリオレフィン成分として、以下のポリオレフィン系樹脂を使用できる。
(1)超高分子量ポリエチレンを重合用触媒に担持された予備活性化触媒の存在下に、重合工程でプロピレン重合体を製造し、引き続きオレフィン重合体を製造して得られたオレフィン多段重合体
超高分子量ポリエチレンは、好ましくは、135℃のテトラリン中で測定した固有粘度が15〜160dl/gである。
オレフィン重合用触媒として、チタン化合物を含む遷移金属化合物触媒成分を主成分とする触媒成分、好ましくはチタン含有固体触媒成分を使用でき、有機金属化合物、電子供与体を組み合わせることができる。
この重合体の製造方法の詳細は、国際公開WO97/20869(特願平09−521155)、特開2002−356601に記載されている。
(2)電離性放射線を照射して得られる長鎖分岐を導入したポリプロピレン系樹脂
ポリプロピレン系樹脂(例えば、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ランダムブロックポリプロピレン等)に、電離性放射線を照射して得られるポリプロピレン系樹脂を好適に用いることができる。電離性放射線としては、α線、β線、γ線、X線、電子線等が挙げられる。このうち、実用上、好ましいのは電子線である。この方法(電離性放射線)で得られる樹脂は、自由末端長鎖分岐構造を有している。電子線架橋法における具体的な製造条件については、特開昭62−121704号公報や特開平2−69533号公報等に記載の条件を用いることができる。
このような樹脂の市販品としては、例えば、Profax PF−814、Pro−fax SD−632(モンテル・エスディーケー・サンライズ社製、商品名)等が挙げられる。
(3)ポリプロピレン系樹脂、有機ケイ素化合物及び高分子量酸変性α−オレフィン重合体を接触させて得られたプロピレン重合体組成物
このようなプロピレン重合体組成物として、例えば、(a)135℃、テトラリン中で測定した極限粘度[η]が0.7〜5dl/gのポリプロピレン100質量部、
(b)一般式(1)
SiY(OR)4−(n+m) (1)
(式中、Xはカルボン酸又はその無水物と反応しうる基を含有する置換基、Yは炭化水素基、水素原子又はハロゲン原子、Rは炭化水素基を示し、nは1〜3、mは0〜2の整数を示し、(n+m)=1〜3である。)
で表わされる有機ケイ素化合物0.001〜1質量部、及び
(c)不蝕和カルボン酸及び/又はその無水物に由来する酸を0.001〜1質量%含有し、135℃、テトラリン中で測定した極限粘度[η]が0.7dl/g以上の炭素数2〜20の変性α−オレフイン重合体0.1〜30質量部
を接触させて得られるプロピレン重合体組成物が挙げられる。
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物としては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
高分子量酸変性α−オレフィン重合体については、好ましくは、135℃、テトラリン中で測定した極限粘度[η]が0.7dl/g以上であり、不飽和カルボン酸及び/又はその無水物で酸変性されている。具体的には、高分子量酸変性α−オレフィン重合体として、135℃、テトラリン中で測定した極限粘度[η]が0.7dl/g以上の、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸等で変性されたプロピレン重合体、1−ブテン重合体等が挙げられる。
この製造方法におけるその他の具体的な製造条件については、特開2004−75946号公報等に記載の条件を用いることができる。
この方法により、重合組成物中に分岐構造を有する溶融張力発現成分が形成される。
(4)ポリエン存在下二段重合法により、エチレン、プロピレン、炭素数4〜20のα−オレフィン、スチレン類及び環状オレフィン類から選ばれる一種又は二種以上のモノマーを重合又は共重合させて得られたポリオレフィン系樹脂
(A)成分として、二段重合法により、ポリエン(例えば、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、1,5−ヘキサジエン等)存在下、エチレン、プロピレン、炭素数4〜20のα−オレフィン(例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等)、スチレン類(例えば、スチレン、p−メチルスチレン等)及び環状オレフィン類(例えば、ノルボルネン等)から選ばれる一種又は二種以上のモノマーを重合又は共重合させて得られるポリオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。この方法では、樹脂中に分岐構造を有する溶融張力発現成分が形成される。
具体的には、シクロペンタジエニル骨格を有する周期律表第4族の遷移金属化合物を含む触媒成分と、助触媒成分とを組み合わせた触媒の存在下、エチレン、プロピレン、炭素数4〜20のα−オレフィン、スチレン類及び環状オレフィン類から選ばれる一種又は二種以上のモノマーを重合又は共重合させる第1重合工程と、該第1重合工程で得られた単独重合体又は共重合体を、1分子中に重合可能な炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有するポリエンの存在下、エチレン、プロピレン、炭素数4〜20のα−オレフィン、スチレン類及び環状オレフィン類から選ばれる一種又は二種以上のモノマーを共重合させる第2重合工程を含む製造方法から製造することができる。この方法で用いる助触媒成分としては、(i)アルミノキサン、(ii)上記遷移金属化合物と反応してカチオンに変換し得るイオン性化合物、並びに(iii)粘土、粘土鉱物及びイオン交換性層状化合物の中から選ばれた少なくとも一種を用いることができる。
また、三塩化チタン系化合物、又はチタン、マグネシウム及びハロゲン元素を必須成分として含む触媒成分と、有機アルミニウム化合物とを組み合わせた触媒の存在下、エチレン、プロピレン及び炭素数4〜20のα−オレフィンから選ばれる一種又は二種以上のモノマーを重合又は共重合させる第1重合工程と、第1重合工程で得られた単独重合体又は共重合体を、1分子中に重合可能な炭素−炭素二重結合を少なくとも2個有するポリエンの存在下、エチレン、プロピレン及び炭素数4〜20のα−オレフィンから選ばれる一種又は二種以上のモノマーを共重合させる第2重合工程を含む製造方法から製造することができる。有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノクロリド等が挙げられる。
上記の製造方法におけるその他の具体的な製造条件については、国際公開第02/072649号パンフレット、特願2004−331795号明細書に記載の条件を用いることができる。
本発明の樹脂組成物における(A)成分の割合は、5〜40重量%、好ましくは7〜30重量%である。5%未満では発泡特性が低下(連続気泡率が上昇、シート外観が悪化)し熱成形性も低下するので好ましくない。40重量%を超えると生産性が悪化する。
(B)ポリプロピレン系樹脂
本発明の組成物に含まれるポリプロピレン系樹脂(B)(以下、(B)成分)は、下記(1)〜(4)を満たす。
(1)190℃における溶融張力が1.5〜7.0g
(2)メルトフローレート(MFR)が3〜10g/10分
(3)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が5〜8、Z平均分子量(Mz)が95万〜200万
(4)回転型レオメーターを用いて測定した溶融粘弾性挙動において、角周波数ω=0.1rad/秒における緩和時間(τ)が2〜7秒
上記(1)において、溶融張力が1.5g未満では、連続気泡率の上昇、発泡セル径の増大、熱成形時の型再現性の悪化等が起こり好ましくない。一方、7.0gを超えると、高分子量成分が増大することにより、延伸性が低下するため好ましくない。(B)成分の溶融張力は、好ましくは1.5〜3.5gである。
上記(2)において、MFRが3g/10分未満では発泡成形時にシート表面の荒れが発生して好ましくない。また、10g/10分を超えると連続気泡率が高くなり好ましくない。(B)成分のMFRは、好ましくは4g/10分〜7g/10分である。
上記(3)において、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した分子量分布曲線から求めたMwとMnの比(Mw/Mn)が、5未満では連続気泡率が高く好ましくない。一方、8を超えると発泡成形時に高分子量成分が多い影響でシート表面の荒れが起きる場合がある。(B)成分のMw/Mnは、好ましくは5〜7である。また、Z平均分子量が95万未満では張力が弱くなり、破泡して連泡になりやすい。一方200万を越えると高分子量成分の絡み合いの影響から、外観不良ひどい場合にはシートの破断が発生する恐れがある。(B)成分のMzは好ましくは100万〜200万である。
上記(4)において、(B)成分の回転型レオメーターを用い測定して得られる溶融粘弾性挙動において角周波数ω=0.1rad/秒における緩和時間τ(秒)が、2秒未満では張力が弱いため発泡セルが破泡して連泡になりやすい。一方、7秒を超えると高分子量成分が多い影響でシート表面の荒れが起きる場合がある。(B)成分の緩和時間τ(秒)は、好ましくは2.0秒〜3.5秒である。
緩和時間の詳細については特願2004−331795号明細書に記載されている。
(B)成分は、好ましくは、四塩化チタンを有機アルミニウム化合物で還元して得られる三塩化チタン組成物を、エーテル及び電子受容体で処理して得られる固体触媒成分と有機アルミニウム化合物を必須成分とする触媒の存在下、プロピレンを重合して得られたポリプロピレン系樹脂である。
固体触媒成分において、四塩化チタンを還元する有機アルミニウム化合物としては、例えば、(イ)アルキルアルミニウムジハライド、具体的には、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、及びn−プロピルアルミニウムジクロライド、(ロ)アルキルアルミニウムセスキハライド、具体的には、エチルアルミニウムセスキクロライド、(ハ)ジアルキルアルミニウムハライド、具体的には、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジ−n−プロピルアルミニウムクロライド、及びジエチルアルミニウムブロマイド、(ニ)トリアルキルアルミニウム、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、及びトリイソブチルアルミニウム、(ホ)ジアルキルアルミニウムハイドライド、具体的には、ジエチルアルミニウムハイドライド等を挙げることができる。ここで、「アルキル」は、メチル、エチル、プロピル、ブチル等の低級アルキルである。また、「ハライド」は、クロライド又はブロマイドであり、特に前者が普通である。
三塩化チタンを得るための、有機アルミニウム化合物による還元反応は、−60〜60℃、好ましくは−30〜30℃の温度範囲で行うことが普通である。還元反応は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン及びデカン等の不活性炭化水素溶媒中で行うのが好ましい。
さらに、四塩化チタンの有機アルミニウム化合物による還元反応によって得られた三塩化チタンに対し、さらにエーテル処理及び電子受容体処理を施すことが好ましい。
前記三塩化チタンのエーテル処理で好ましく用いられるエーテル化合物としては、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジネオペンチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、ジ−n−オクチルエーテル、ジ−2−エチルヘキシルエーテル、メチル−n−ブチルエーテル及びエチル−イソブチルエーテル等の各炭化水素残基が炭素数2〜8の鎖状炭化水素であるエーテル化合物が挙げられ、これらの中でも特にジ−n−ブチルエーテルを用いることが好適である。
三塩化チタンの処理で用いられる電子受容体としては、周期律表第III族〜第IV族及び第VIII族の元素のハロゲン化合物が好ましく、具体的には、四塩化チタン、四塩化ケイ素、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、五塩化アンチモン、三塩化ガリウム、三塩化鉄、二塩化テルル、四塩化スズ、三塩化リン、五塩化リン、四塩化バナジウム及び四塩化ジルコニウム等を挙げることができる。固体触媒成分を調製する際に、三塩化チタンのエーテル化合物及び電子受容体による処理は、両処理剤の混合物を用いて行ってもよく、また、一方による処理後に、他方による処理を行ってもよい。これらのうちでは、後者が好ましく、エーテル処理後に電子受容体処理を行うことがさらに好ましい。
エーテル化合物及び電子受容体による処理の前に、三塩化チタンを炭化水素で洗浄することが一般に望ましい。前記三塩化チタンのエーテル処理は、該三塩化チタンと前記エーテル化合物を接触させることによって行われる。また、エーテル化合物による三塩化チタンの処理は、希釈剤の存在下で両者を接触させることによって行うのが有利である。このような希釈剤には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ベンゼン及びトルエン等の不活性炭化水素化合物を使用することが好適である。
エーテル化合物の使用量は、三塩化チタン1モル当たり、一般に0.05〜3.0モル、好ましくは0.5〜1.5モルの範囲である。尚、有機アルミニウム化合物やエーテル化合物で処理した三塩化チタンは、厳密に言えば、三塩化チタンを主成分とする組成物である。
このような固体触媒成分として、Solvay型三塩化チタンを好適に用いることができる。
固体触媒成分と共に用いる有機アルミニウム化合物としては、上記と同様の化合物が挙げられる。
このポリプロピレンの製造法はスラリー重合法が好ましい。重合法は一段で重合してもよくまた多段であってもよい。構造は特に制限はなく、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ランダムブロックポリプロピレン等が挙げられる。
このポリプロピレン系樹脂の製造に有機アルミニウム化合物と三塩化チタン組成物からなる触媒系を用いることにより、有機マグネシウム化合物と四塩化チタン組成物からなる触媒系と比較して、分子量分布が広く高分子量成分が多いポリプロピレンが得られる。
本発明の樹脂組成物における(B)成分の割合は、5〜90重量%、好ましくは60〜85重量%である。90重量%を超えると、発泡特性が低下し好ましくない。一方、5重量%未満では、コストが低減できず好ましくない。
(C)無機充填剤
(C)成分の無機充填剤(以下、(C)成分)としては、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。これらの中ではシート外観、機械的物性にバランスのとれているタルクが好ましい。タルクの好適な平均粒子径(レーザー法により測定)は30μm以下である。
本発明の樹脂組成物における(C)成分の割合は、5〜25重量%、好ましくは10〜20重量%である。充填量は、5%未満では容器の剛性への寄与が小さいため好ましくない。一方、25%を超えると容器の重量が重くなるとともに破泡が起こり断熱性が悪化する。
本発明の樹脂組成物はその効果を損なわない範囲で他の成分を含むことができる。本発明の組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、中和剤、難燃剤、結晶核剤等の添加剤を含むことができる。
本発明の組成物は、各成分をドライブレンドや押出機内での溶融混練等の通常の方法で混合して製造できる。本発明の組成物は、各成分を混合した後、Tダイでの発泡成形によりシート状に成形することができる。また、発泡シートをさらに熱成形して成形体として得ることができる。得られた成形体は容器、文具、通い箱等に使用できる。
発泡シートは、例えば、上記したようなポリプロピレン系樹脂と発泡剤とを押出機内で溶融混練した後、この溶融混練物を押出機先端に取り付けたTダイより押出発泡してシート状にすることにより製造される。
本発明の樹脂組成物から発泡シートを得るに当たって、必要に応じて結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤等の添加剤を添加することもできる。
本発明の組成物を発泡成形してなる成形体は、好ましくは、下記(1)及び(2)を満たす。
(1)平均セル径が500μm以下
(2)連続気泡率が1〜30%
上記(1)及び(2)を満たす発泡成形品は、断熱性及び容器外観に優れているので好ましい。平均セル径は発泡剤の種類や添加量、発泡倍率等により調整できる。本発明の組成物を発泡成形したものは、容易にこれらの条件を満たす。
本発明の発泡シートその他の成形体を得るにあたり、発泡剤としては、無機発泡剤、揮発性発泡剤、分解型発泡剤等を用いることができる。
無機発泡剤としては、二酸化炭素、空気、窒素等が挙げられる。揮発性発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ブタンとi−ブタンとの混合物、ペンタン、ヘキサン等の鎖状脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン等の環状脂肪族炭化水素等が挙げられる。分解型発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム等が挙げられる。これらの発泡剤は、適宜混合して用いることができる。
本発明の発泡成形体は、さらに、熱成形することができる。熱成形の方法としては、一般的な真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法等が用いられる。これらの成形法により得られる熱成形体は、食品用容器、電子材料用トレー等に用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、各例で得られた樹脂、成形体の各種特性の測定、評価は下記の通り行った。
(1)溶融張力(MT[単位:g])
東洋精機(株)製キヤピログラフ1Cを使用し、引取り速度3.1m/分にて測定した。測定温度は(A)成分は230℃、(B)成分は190℃であった。
測定には、長さ8mm、直径2.095mmのオリフイスを使用した。
(2)分子量分布(Mw/Mn)及びZ平均分子量(Mz)
分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルバーミエーションクロマトグラフ(GPC)法により、下記の装置及び条件で測定したプロピレン重合体換算のMw及びMnより算出した。また、Mzは同様の測定により得た。
GPC測定装置
カラム:TOSOGMHHR−H(S)HT
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器 WATERS150C
測定条件
溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン
温度:145℃
(3)メルトフローレート(MFR)(単位:g/10分)
JIS−K7210に準拠し、測定温度230℃、荷重2.16kgにて測定した。
(4)緩和時間τ(単位:秒)
ポリプロピレン系樹脂を、気泡が入らないように220℃で3分間プレスにより圧縮成形し、厚さ1mm、直径25mmの円盤状の測定サンプルを作製した。このサンプルについて、レオメトリックス社製回転型レオメーターにおいて、コーンプレート25mmφ、コーンアングル:0.10ラジアンを用い、温度175℃、歪5%において周波数が0.01〜100rad/sの範囲で周波数分散測定を行ったときの角周波数ω=0.1rad/秒における緩和時間τを求めた。
即ち、測定された複素弾性率G(iω)を、応力σと歪みγによりσ/γで定義したとき、下記式により、求めた。
(iω)=σ/γ=G’(ω)+iG”(ω)
τ(ω)=G’(ω)/ωG”(ω)
(ここで、G’は貯蔵弾性率を示し、G”は損失弾性率を示す。)
(5)発泡倍率
得られた発泡シートの重量を水中置換法により求めた体積で除することにより比重を求め発泡倍率を計算した。
(6)連続気泡率(%)
空気比較式比重計1000型(東京サイエンス製)を用いて測定した。
(7)シート外観
シート表面を目視観察した。
○ 平滑性に優れる、△ 平滑性やや悪い、× 平滑性悪い
(8)熱成形性
真空圧空用熱成形機FK−0431−10(浅野研究所製)にてトレー用金型を用いて真空成形を行って得られたトレーの形状を目視にて観察した。間接加熱温度は上下500℃(設定)で行った。
○ 型再現性に優れる、△ 型再現性やや悪い、× 型再現性悪い
型再現性とは、容器形状が型と同じ形状になることである。
連続気泡率が高くなると熱成形時、破泡が進行して賦型の際、シートが伸ばされた時肉厚が不均一になり必要な容器形状が得られない。
(9)平均セル径
走査型電子顕微鏡JSM−6100(日本電子製)を用い、倍率70倍にてシートの断面を観察し、画面中の100個のセルの直径を測定して平均値を求めた。
各例で以下の成分を使用した。
(A)成分:以下の4種類の樹脂を用いた。
(1)FB3312(JPP製)(高分子量予備重合体)
(2)PF−814(サンアロマー製)(電子線架橋体)
(3)シラン架橋ポリプロピレン(製造例1)
(4)プロピレン系グラフト重合体(製造例2)
(B)成分
製造例3〜8で製造したポリプロピレンを用いた。
(C)成分
タルク(浅田製粉(株)製、商品名JA−80R、レーザー法で測定した平均粒子径が10μm)
製造例1:シラン架橋ポリプロピレン((A)成分)
特願2004−160665号記載の方法により製造した。
製造例2:プロピレン系グラフト重合体((A)成分)
特願2004−160665号記載の方法により製造した。
製造例3:Al−Ti触媒系MFR7((B)成分)
(予備重合)
内容積5リットルの攪拌機付きの三つ口フラスコを十分に乾燥し窒素ガスで置換した後、脱水処理したヘプタンを4リットル、ジエチルアルミニウムクロライド140グラムを加え、固体触媒成分(市販のSolvay型三塩化チタン触媒(東ソー・ファインケム社製))20gを加えた。内温を20℃に保持し、攪拌しながらプロピレンを連続的に導入した。80分後、攪拌を停止し結果的に固体触媒1g当たり0.8gのプロピレンが重合した予備重合触媒成分を得た。
(プロピレン重合)
内容積10リットルの攪拌機付きステンレス製オートクレーブを十分乾燥し窒素ガスで置換した後、脱水処理したヘプタン6リットルを加え、系内の窒素をプロピレンで置換した。その後、内温を60℃として水素を0.078MPa加えて攪拌しながらプロピレンを導入した。系内が全圧0.78MPa、60℃に安定した後、上記予備重合触媒成分を固体触媒換算で0.75グラム含むヘプタンスラリーを150ミリリットル加えて重合開始した。重合開始から4時間プロピレンを連続的に供給した後、50ミリリットルのメタノールを添加し重合終了させ、降温、脱圧した。内容物を全量フィルター付きろ過槽へ移し1−ブタノール100ミリリットルを加え85℃で1時間撹拌した後に固液分離した。さらに、85℃のヘプタン5リットル、蒸留水1リットルの混合液で固体部を2回洗浄し、真空乾燥してプロピレン重合体3.8kgを得た。この重合体の135℃テトラリン中で測定した極限粘度[η]は1.87dl/gであった。
得られたプロピレン重合体100重量部対して酸化防止剤としてイルガノックス1010を0.1重量部、イルガフォス168を0.1重量部、中和剤としてステアリン酸カルシウムを0.1重量部添加して撹拌混合を十分に行った。次にTEM35B二軸押出し機(東芝機械製)を用いシリンダー温度200℃、押出量30kg/hrにて造粒(溶融混練)した。
このポリプロピレンのMTは2.0g、MFRは、7.1g/10min、τは3.4秒、分子量分布Mw/Mnは6.7、Z平均分子量(Mz)は131万であった。
製造例4:Al−Ti触媒系MFR3((B)成分)
内容積10リットルの攪拌機付きステンレス製オートクレーブを十分乾燥し窒素ガスで置換した後、脱水処理したヘプタン6リットルを加え、系内の窒素をプロピレンで置換した。その後、内温を70℃として水素を0.069MPa加えて攪拌しながらプロピレンを導入した。系内が全圧0.74MPa、70℃に安定した後、製造例3で製造した予備重合触媒成分を固体触媒換算で0.50グラム含むヘプタンスラリーを100ミリリットル加えて重合開始した。重合開始から4時間プロピレンを連続的に供給した後、50ミリリットルのメタノールを添加し重合終了とし降温、脱圧した。内容物を全量フィルター付きろ過槽へ移し1−ブタノール100ミリリットルを加え85℃で1時間撹拌した後に固液分離した。さらに、85℃のヘプタン5リットル、蒸留水1リットルの混合液で固体部を2回洗浄し、真空乾燥してプロピレン重合体3.1kgを得た。この重合体の135℃テトラリン中で測定した極限粘度[η]は2.04dl/gであった。得られたポリプロピレンの各種特性を製造例3と同様に測定し、その結果を表1に示す。
製造例5:Al−Ti触媒系MFR9((B)成分)
製造例3において水素初期張込み圧を0.098MPaに変えた以外は製造例3と同様に行い、プロピレン重合体3.8kgを得た。この重合体の135℃テトラリン中で測定した極限粘度[η]は1.66dl/gであった。得られたポリプロピレンの各種特性を製造例3と同様に測定し、その結果を表1に示す。
製造例6:Al−Ti触媒系MFR4((B)成分)
製造例3において水素初期張込み圧を0.072MPaに変えた以外は製造例3と同様に行い、プロピレン重合体3.7kgを得た。この重合体の135℃テトラリン中で測定した極限粘度[η]は1.98dl/gであった。得られたポリプロピレンの各種特性を製造例3と同様に測定し、その結果を表1に示す。
製造例7:Mg−Ti触媒系MFR7((B)成分)
(固体触媒成分の調製)
窒素で置換した内容積5リットルの攪拌器付三つ口フラスコにジエトキシマグネシウム160g(1.4モル)を投入し、さらに脱水処理したヘプタンを500ミリリットル加えた。40℃に加熱し四塩化ケイ素28.5ミリリットル(225ミリモル)を加え、20分間攪拌し、フタル酸ジエチルを127ミリモル加えた。溶液を80℃まで昇温し、引き続き四塩化チタンを滴下ロートを用いて461ミリリットル(4.2モル)滴下した。内温を110℃とし2時間攪拌し担持操作とした。その後脱水ヘプタンを用いて十分洗浄を行った。さらに四塩化チタンを768ミリリットル(7モル)加え、内温を110℃とし2時間攪拌し2回目の担持操作とした。その後脱水ヘプタンを用いて十分洗浄を行い、固体触媒成分を得た。
(予備重合)
窒素で置換した内容積1リットルの攪拌機付きの三つ口フラスコに上記の固体触媒成分60グラム(37.6ミリモル−Ti)を含むヘプタンスラリーを投入し、さらに脱水したヘプタンを加えて、全量を500ミリリットルとした。これを40℃に制御しながら攪拌し、トリエチルアルミニウム24.8ミリモル、シクロヘキシルジメトキシシラン6.2ミリモルを加えた。40℃のまま、120分間プロピレンを所定量吸収させ、残留プロピレンを窒素で置換して、ヘプタンを用いて充分洗浄を行い、予備重合触媒成分を85グラム得た(シール量:0.43グラム−ポリプロピレン/グラム固体状Ti触媒成分)。
(プロピレン重合)
内容積10リットルの攪拌機付ステンレス製オートクレーブを十分乾燥し、窒素置換の後、内部に脱水処理したヘプタン6リットルを加えた。このオートクレーブ温度を80℃に加温し、トリエチルアルミニウム12ミリモル、続いてシクロヘキシルメチルジメトキシシラン1.2ミリモルを加えた。次いで水素を0.03MPa導入した後、プロピレンを導入して全圧を0.78MPaとした。系内が安定した後、上記予備重合触媒成分をTi当たりで0.3ミリモルを加え、重合を開始した。その1時間後、メタノール50ミリリットルを系内に投入して重合終了させ、降温、脱圧した。内容物を取り出し、ろ別し、70℃の乾燥窒素気流下で12時間乾燥を行いプロピレン重合体2.4kgを得た。この重合体の135℃テトラリン中で測定した極限粘度[η]は1.68dl/gであった。得られたポリプロピレンの各種特性を製造例3と同様に測定し、その結果を表1に示す。
Figure 2006241356
実施例1
(A)成分としてJPP社製、FB3312を20重量%、(B)成分として製造例3より得たポリプロピレンを70重量%、(C)成分としてタルク10%の配合割合からなるペレットブレンド100重量部に発泡剤(永和化成工業製、EE205)を0.4重量部ドライブレンドした。発泡成形機は東芝機械(株)製のTEM−41SSを用いた。スクリュー回転数100rpm、シリンダー温度210℃、ダイス温度180℃に設定し、二酸化炭素注入量120g/hrにて成形を行った。引取速度2.5m/分で得られた発泡シートに関し、シート表面外観を目視観察した。発泡倍率は約2倍であった。また、得られたシートの連続気泡率、平均セル径を測定した。さらに得られた発泡シートを用いて熱成形を行い、型再現性を評価した。
実施例2
(B)成分を製造例6のポリプロピレンに変えた以外は実施例1と同様に行った。得られた発泡シートについて実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
実施例3
(A)成分としてPF−814を10重量%、(B)成分として製造例3のポリプロピレンを75重量%、タルク量を15重量%に変えた以外は実施例1と同様に行なった。得られた発泡シートについて実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
実施例4
実施例3における各成分の配合量を表2のように変えた以外は実施例3と同様に行った。得られた発泡シートについて実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
実施例5
(B)成分を製造例5のポリプロピレンに変えた以外は実施例1と同様に行った。得られた発泡シートについて実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
実施例6
(B)及び(C)成分の配合量を表2のように変えた以外は実施例1と同様に行った。得られた発泡シートについて実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
実施例7、8
(A)成分を製造例1、配合量を表2のように変えた以外は実施例1と同様に行った。得られた発泡シートについて実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
実施例9
(A)成分を製造例2、配合量を表2のように変えた以外は実施例1と同様に行った。得られた発泡シートについて実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
比較例1
(A)成分を用いないで(B)成分を製造例3のポリプロピレンに変え、配合量を表2のように変えた以外は実施例1と同様に行った。得られた発泡シートについて実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
比較例2
(A)成分を用いないで(B)成分を製造例4のポリプロピレンに変え、配合量を表2のように変えた以外は実施例1と同様に行った。得られた発泡シートについて実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
比較例3
(B)成分を製造例7のポリプロピレンに変えた以外は実施例1と同様に行なった。得られた発泡シートについて実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
比較例4
(B)成分を製造例4のポリプロピレンに変えた以外は実施例1と同様に行なった。得られた発泡シートについて実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
比較例5
実施例3において、実施例3の配合量を表2のように変えた以外は実施例3と同様に行なった。得られた発泡シートについて実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
比較例6
実施例7において、(B)成分を製造例7のポリプロピレンに変えた以外は実施例7と同様に行なった。得られた発泡シートについて実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
比較例7
実施例9において、(B)成分を製造例7のポリプロピレンに変えた以外は実施例9と同様に行なった。得られた発泡シートについて実施例1と同様に評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 2006241356
本発明により得られた発泡成形体は断熱性、耐熱性、耐油性に優れ、食品容器、特に電子レンジ用容器(トレイ、丼、カップ等)等として好適に使用できる。

Claims (8)

  1. 下記成分(A)、(B)及び(C)を含むTダイでの発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
    (A)230℃における溶融張力が5〜30gのポリオレフィン成分:5〜40重量%
    (B)下記(1)〜(4)を満たすポリプロピレン系樹脂:5〜90重量%
    (1)190℃における溶融張力が1.5〜7.0g
    (2)メルトフローレートが3〜10g/10分
    (3)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が5〜8、Z平均分子量(Mz)が95万〜200万
    (4)回転型レオメーターを用いて測定した溶融粘弾性挙動において、角周波数ω=0.1rad/秒における緩和時間(τ)が2〜7秒
    (C)無機充填剤:5〜25重量%
  2. (A)成分が、超高分子量エチレン重合体を重合用触媒に担持された予備活性化触媒の存在下に、重合工程でプロピレン重合体を製造し、引き続きオレフィン重合体を製造して得られたオレフィン多段重合体である請求項1記載の発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  3. (A)成分が、電離性放射線を照射して得られる長鎖分岐を導入したポリプロピレン系樹脂である請求項1記載の発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  4. (A)成分が、ポリプロピレン系樹脂、有機ケイ素化合物及び高分子量酸変性α−オレフィン重合体を接触させて得られたプロピレン重合体組成物である請求項1記載の発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  5. (A)成分が、ポリエン存在下二段重合法により、エチレン、プロピレン、炭素数4〜20のα−オレフィン、スチレン類及び環状オレフィン類から選ばれる一種又は二種以上のモノマーを重合又は共重合させて得られたポリオレフィン系樹脂である請求項1記載の発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  6. (B)成分が、四塩化チタンを有機アルミニウム化合物で還元して得られる三塩化チタン組成物を、エーテル及び電子受容体で処理して得られる固体触媒成分と有機アルミニウム化合物を必須成分とする触媒の存在下、プロピレンを重合して得られたポリプロピレン系樹脂である請求項1〜5のいずれか一項記載の発泡成形用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  7. (C)成分が、レーザー法により測定した平均粒子径が30μm以下のタルクである請求項1〜6のいずれか一項記載の発泡成形用ポリプロピレン樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項記載の発泡成形用ポリプロピレン樹脂組成物を発泡成形して得られた下記(1)及び(2)を満たす発泡成形体。
    (1)平均セル径が500μm以下
    (2)連続気泡率が1〜30%
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