JP2006239864A - 射出成形用金型およびこの射出成形用金型を用いた射出成形工法 - Google Patents

射出成形用金型およびこの射出成形用金型を用いた射出成形工法 Download PDF

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Abstract

【課題】
アンダーカット部の深さに拘わらず大型化を招くことなく、開閉のための可動金型の移動を利用してアンダーカット部の処理を行なうことができる射出成形用金型を提供する。
【解決手段】
開閉可能に設けられキャビティ空間13を形成する固定金型11および可動金型12と、キャビティ空間13のアンダーカット部14を規定するために固定金型11または可動金型12に設けられたスライド駒15とを備え、スライド駒15は、アンダーカット部14の処理のために可動金型11の開閉作動方向と交差する方向に沿ってアンダーカット部14の規定位置と退避位置とを移動可能である射出成形用金型10である。可動金型12の移動力をスライド駒15に伝達する伝達手段16を備え、伝達手段16は、可動金型12の開成位置への移動に伴いスライド駒15を退避位置へ移動させる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、射出成形に用いられる金型およびこれを用いた成形工法に関し、特にアンダーカット処理を行うことができる金型およびこれを用いた成形工法に関する。
従来から、射出成形用金型として、固定金型と可動金型とを備えたものが知られている。この固定金型及び可動金型により形成されるキャビティ空間には、溶融樹脂が射出充填される。この樹脂が冷却されて固化することにより、キャビティ空間に倣う形状に成形された硬化樹脂からなる成形品を得ることができる。
このような成形品には、固定金型および可動金型の開閉では取り出すことができない凹部、すなわちアンダーカット部を有するものがある。このアンダーカット部の処理方法として、傾斜ピン(アンギュラーピン)を用いるものがある(例えば、特許文献1参照。)。このものは、例えば、図1に示す構成を有しており、固定金型1および可動金型2の開閉の際、両金型1、2の開閉方向(図2矢印A参照。)に対して傾斜を為す傾斜ピン3により、スライド駒4(スライドコア)を開閉方向と異なる方向(図2矢印B参照。)に移動させることができ、成形品5のアンダーカット部6を処理することができる。
特開平09−216251号公報(第2−7頁、第1図)
しかしながら、傾斜ピン3は、一般的に、適切な強度および円滑な動作を得るために、両金型1、2の開閉方向に対する角度が20°以下に設計されているので、アンダーカット部6の処理のためのスライド駒4の所望の移動量に対して大きな移動量が必要である。このため、例えば、図1に示した成形品5のように、高さPに対するアンダーカット部6の深さOの割合が大きくなると、スライド駒4の所望の移動量Oを得るための傾斜ピン3の高さ方向の移動量Qが高さPよりも大きくなってしまう。すると、図2に示すように、成形品5を取り出すために必要な移動量である高さPよりも大きな移動量Qだけ可動金型2を移動させる必要がある。また、傾斜ピン3には、この移動量Qを確保することができる長さ寸法が必要となるので、射出成形用金型が大きくなってしまう。
アンダーカット部の処理方法としては、図3に示すように、傾斜ピン3に代えてシリンダ装置7を用いるものもある。このものでは、アンダーカット部6の処理のために移動されるスライド駒4をシリンダ装置7で移動させる(図4矢印C参照。)ので、スライド駒4の移動量に拘わらず成形品5を取り出すために必要な移動量だけ可動金型2を移動させればよい。ところが、アンダーカット部6の深さOが大きくなると、大きなシリンダ装置7が必要となり、射出成形用金型が大きくなってしまう。また、シリンダ装置7を用いると、傾斜ピン3を用いることに比較してコストが上昇してしまう。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、アンダーカット部の深さに拘わらず大型化を招くことなく、開閉のための可動金型の移動を利用してアンダーカット部の処理を行なうことができる射出成形用金型およびこの射出成形用金型を用いた射出成形工法を提供することを目的とするものである。
上記した課題を解決するために、請求項1に記載の射出成形用金型は、開閉可能に設けられキャビティ空間を形成する固定金型および可動金型と、前記キャビティ空間のアンダーカット部を規定するために前記固定金型または前記可動金型に設けられたスライド駒とを備え、該スライド駒は、前記アンダーカット部の処理のために前記可動金型の開閉作動方向と交差する方向に沿って前記アンダーカット部の規定位置と退避位置とを移動可能である射出成形用金型であって、前記可動金型の移動力を前記スライド駒に伝達する伝達手段を備え、該伝達手段は、前記可動金型の開成位置への移動に伴い前記スライド駒を退避位置へ移動させることを特徴とする。
請求項2に記載の射出成形工法は、請求項1に記載の射出成形用金型を用いて射出成形品を形成することを特徴とする。
請求項3に記載の射出成形用金型は、請求項1に記載の射出成形用金型であって、前記伝達手段は、前記可動金型の開閉動作に伴い開閉作動方向に沿って移動する第1のラックと、該第1のラックに噛合し回動可能なピニオン部と、該ピニオン部に噛合し該ピニオン部の回動を受けて前記スライド駒を移動させる第2のラックとを有することを特徴とする。
請求項4に記載の射出成形工法は、請求項3に記載の射出成形用金型を用いて射出成形品を形成することを特徴とする。
請求項5に記載の射出成形用金型は、請求項3に記載の射出成形用金型であって、前記ピニオン部は、単一のギヤ部を有するピニオンギヤもしくは同軸上にギヤ比の異なる複数段のギヤ部を有するピニオンギヤからなることを特徴とする。
請求項6に記載の射出成形工法は、請求項5に記載の射出成形用金型を用いて射出成形品を形成することを特徴とする。
請求項7に記載の射出成形用金型は、請求項3に記載の射出成形用金型であって、前記ピニオン部は、1つもしくは複数のピニオンギヤからなることを特徴とする。
請求項8に記載の射出成形工法は、請求項7に記載の射出成形用金型を用いて射出成形品を形成することを特徴とする。
請求項9に記載の射出成形用金型は、請求項3に記載の射出成形用金型であって、さらに、前記伝達手段は、前記スライド駒とは異なる1つもしくは複数のスライド駒と、該1つもしくは複数のスライド駒に対を為して設けられかつ前記ピニオン部に噛合し前記第2のラックとは異なる1つもしくは複数のラックとを有し、前記1つもしくは複数のスライド駒は、前記キャビティ空間のアンダーカット部を規定し、前記1つもしくは複数のラックは、前記ピニオン部の回動を受けて前記1つもしくは複数のスライド駒を移動させることを特徴とする。
請求項10に記載の射出成形工法は、請求項9に記載の射出成形用金型を用いて射出成形品を形成することを特徴とする。
請求項11に記載の射出成形用金型は、請求項3に記載の射出成形用金型であって、前記第1のラックは、前記可動金型の移動方向に沿って前記固定金型および前記可動金型を掛け渡して配置されかつ前記固定金型および前記可動金型のいずれか一方に固着され、前記ピニオン部は、前記固定金型および前記可動金型の他方に設けられ、前記第2のラックは、前記固定金型および前記可動金型の他方に前記スライド駒の移動方向に沿って設けられていることを特徴とする。
請求項12に記載の射出成形工法は、請求項11に記載の射出成形用金型を用いて射出成形品を形成することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、伝達手段が両金型の開閉の際の可動金型の移動力を伝達することでシリンダ駒を移動させているので、シリンダ駒を移動させるためだけに移動手段を設けることに比較して、金型の小型化を図ることができる。また、伝達手段により両金型の相対的な移動量に拘わらずスライド駒を規定位置から退避位置へ移動させることができるので、両金型の相対的な移動量を必要最小限とすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の射出成形用金型を用いて射出成形を行なうので、コストの上昇を招くことなく、効率良く成形品を得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、伝達手段が二本のラックとピニオン部とを有しているので、大型化を招くことなく、簡単な構成で可動金型の移動力をスライド駒に伝達することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の射出成形用金型を用いて射出成形を行なうので、効率良く安価に成形品を得ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、各ギヤ部のギヤ比を適宜設定することで、両金型の相対的な移動量に拘わらずスライド駒の移動量を調節することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載の射出成形用金型を用いて射出成形を行なうので、効率良く安価に成形品を得ることができる。
請求項7に記載の発明によれば、各ピニオンギヤの組み合わせによりギヤ比を適宜設定することで、両金型の相対的な移動量に拘わらずスライド駒の移動量を調節することができる。また、ピニオンギヤを偶数とすると、移動方向を反転させることができる。ピニオンギヤを複数とすると、両ラック間の間隔を調節することができるので、両ラックおよびピニオン部の配置位置の自由度を高めることができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の射出成形用金型を用いて射出成形を行なうので、効率良く安価に成形品を得ることができる。
請求項9に記載の発明によれば、キャビティ空間が複数のアンダーカット部を有する場合であっても、可動金型の移動力が各シリンダ駒に伝達されるので、両金型の開閉に伴って複数のアンダーカット部を処理することができる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項9に記載の射出成形用金型を用いて射出成形を行なうので、効率良く安価に複数のアンダーカット部を有する成形品を成形することができる。
請求項11に記載の発明によれば、第1のラックが可動金型の移動方向に沿って設けられ、かつ第2のラックがスライド駒の移動方向に沿って設けられているので、両ラックの移動範囲を最小限とすることができる。
請求項12に記載の発明によれば、請求項11に記載の射出成形用金型を用いて射出成形を行なうので、効率良く安価に成形品を得ることができる。
以下に、本発明に係る射出成形用金型およびこれを用いた射出成形工法の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図5は、本発明に係る射出成形用金型10が適用された射出成形機を部分的に示した模式図である。
射出成形用金型10は、互いに平行に対向する固定金型11と可動金型12とを備える。可動金型12は、固定金型11の下方に位置しており、この対向及び平行関係を維持したまま上下方向に移動可能に設けられている。このため、本実施例では、上下方向が両金型11、12の開閉作動方向となる。可動金型12は、固定金型11と協働してキャビティ空間13を形成する。キャビティ空間13には、固定金型11に設けられた供給路(図示せず。)から溶融樹脂Rを供給可能である。キャビティ空間13には、アンダーカット部14が設けられている。
アンダーカット部14には、スライド駒15が配置されている。スライド駒15は、可動金型12の移動方向に対して直交する方向に沿って突出しており、両金型11、12が閉鎖されているときキャビティ空間13のアンダーカット部14を規定する規定位置に配置されている。スライド駒15は、固定金型11と対向する可動金型12の対向面12aに沿って移動可能に対向面12aに設けられている。このスライド駒15を移動させる手段として、伝達手段16が設けられている。
伝達手段16は、固定金型11および可動金型12の側方に設けられている。伝達手段16は、第1のラック17と、ピニオンギヤ18と、第2のラック19とを有する。第1のラック17は、歯が連設されたギヤ部17aを有する平板状を呈し(図6参照。)、上下方向(可動金型12の移動方向)に沿って移動可能に配置されている。第1のラック17は、一端17bが固定金型11に固着されており、他端17cが可動金型12の側方まで延在しており、固定金型11と可動金型12とを掛け渡すように配置されている。ピニオンギヤ18は、全体に円筒形状を呈する歯車(図6参照。)である。ピニオンギヤ18は、第1のラック17の側方に位置するように、可動金型12に回動可能に設けられている。ピニオンギヤ18は、その軸線方向に沿って見て一定の径を維持するギヤ比が一定のギヤ部18aを有する。ギヤ部18aには、第1のラック17のギヤ部17aが噛合されている。第2のラック19は、歯が連設されたギヤ部19aを有する平板状を呈する(図6参照。)。第2のラック19は、ピニオンギヤ18の上方に位置するように、可動金型12にその対向面12aに沿って移動可能に設けられている。第2のラック19は、第1のラック17と可動金型12との間に配置され、スライド駒15に取り付けられている。第2のラック19は、ピニオンギヤ18のギヤ部18aに噛合されている。これにより、伝達手段16は、図6に示すような配置関係を有している。
次に、射出成形時の射出成形用金型10の動作を図5ないし図7で説明する。図7は、本発明に係る射出成形用金型10の開放状態を示す模式図である。
図5に示すように、キャビティ空間13に溶融樹脂Rが射出され、充填される。この充填された溶融樹脂Rが冷却されて固化することにより、キャビティ空間13に倣う形状に成形された硬化樹脂からなる成形品(R)が形成される。
射出成形用金型10では、成形品(R)を取り出すために、可動金型12が下方へ移動される(図5矢印D参照。)。可動金型12の移動に伴って、固定金型11と可動金型12との相対的な間隔が開くので、ピニオンギヤ18に対して第1のラック17が上方へ移動する(図5、図6矢印E参照。)。第1のラック17の上方への移動によりピニオンギヤ18が回動し(図5、図6矢印F参照。)、ピニオンギヤ18の回動により第2のラック19が可動金型12の対向面12aに沿って移動する(図5、図6矢印G参照。)。
このため、射出成形用金型10が開放されると、図7に示すように、固定金型11と可動金型12との間隔が成形品(R)の高さよりも大きくなるとともに、スライド駒15がアンダーカット部14から取り外される。これにより、成形品(R)が取り出し可能となる。この固定金型11と可動金型12との間隔が成形品(R)の高さよりも大きくなった位置が可動金型12の開成位置であり、スライド駒15がアンダーカット部14から取り外された位置がスライド駒15の退避位置である。
この射出成形用金型10によれば、以下の効果が得られる。
(1)伝達手段16が両金型11、12の開閉の際の可動金型12の移動力を伝達することでシリンダ駒15を移動させているので、シリンダ駒15を移動させるためだけに移動手段を設けることに比較して、射出成形用金型10全体を小さくすることができる。
(2)伝達手段16が二本のラック17、19とピニオンギヤ18とにより構成されているので、大型化を招くことなく、簡単な構成で両金型11、12の開閉に伴ってシリンダ駒15を移動させることができる。
(3)第1のラック17が可動金型12の移動方向に沿って設けられ、かつ第2のラック19がスライド駒15の移動方向に沿って設けられているので、両ラック17、19の移動範囲、すなわち開成時における両金型11、12の間隔およびスライド駒15の移動距離を最小限とすることができる。
したがって、本発明に係る射出成形用金型10によれば、アンダーカット部14の深さに拘わらず大型化を招くことなく、開閉のための可動金型の移動を利用してアンダーカット部14の処理を行なうことができる。
また、射出成形用金型10を用いた射出成形工法によれば、上記した効果を得ることができるので、コストの上昇を招くことなく、効率良く射出成形品を成形することができる。
なお、図8に示すように、伝達手段16が複数のピニオンギヤを有する構成としてもよい。図示した例では、伝達手段16は、二つのピニオンギヤ20、21を有している。両ピニオンギヤ20、21は、ピニオンギヤ18と同様の構成であり、それぞれギヤ部20a、21aを有し、互いのギヤ部20a、21aが噛合されている。また、ピニオンギヤ20のギヤ部20aは、第1のラック17のギヤ部17aに噛合し、ピニオンギヤ21のギヤ部21aは、第2のラック19のギヤ部19aに噛合している。この例では、両金型11、12の開放により、第1のラック17が移動(図8矢印H参照。)し、これによりピニオンギヤ20が回動し(図8矢印I参照。)、これによりピニオンギヤ21が回動し(図8矢印J参照。)、第2のラック19が移動(図8矢印K参照。)する。このように偶数個のピニオンギヤを用いると回転方向を反転させることができるので、第1のラック17および第2のラック19の配置位置の自由度を高めることができる。また、複数個のピニオンギヤを用いると、大きな径のピニオンギヤを用いることなく離れた位置に力を伝達することができる。このように、伝達手段が複数のピニオンギヤを有することにより、各ラックの配置位置および移動方向を適宜変更することができる。
次に、本実施例の変形例について説明する。
この変形例では、図9に示すように、射出成形用金型10´のキャビティ空間22が二つのアンダーカット部23、24を有する。アンダーカット部23には、スライド駒25が配置され、アンダーカット部24には、スライド駒26が配置されている。
スライド駒25は、可動金型12の移動方向に対して直交する方向に沿って突出しており、固定金型11と可動金型12とが閉鎖されているときキャビティ空間22のアンダーカット部23を規定する。スライド駒25は、固定金型11と対向する可動金型12の対向面12aに沿って移動可能に対向面12aに設けられている。
スライド駒26は、可動金型12の移動方向およびスライド駒25の移動方向に対して傾斜を為す方向に沿って突出しており、両金型11、12が閉鎖されているときキャビティ空間22のアンダーカット部24を規定する規定位置に配置されている。スライド駒26は、その突出方向に沿って移動可能に可動金型12に設けられている。
両スライド駒25、26を移動させる手段として、伝達手段27が設けられている。伝達手段27は、伝達手段16と同様に、固定金型11および可動金型12の側方に設けられている。伝達手段27は、第1のラック28と、ピニオン部29と、第2のラック30と、第3のラック31とを有する。
第1のラック28は、歯が連設されたギヤ部28aを有する平板状を呈し、上下方向に沿って移動可能に配置されている。第1のラック28は、一端28aが固定金型11に固着されており、他端28bは可動金型12の側方まで延在している。
ピニオン部29は、二つのピニオンギヤ32、33を有する。各ピニオンギヤ32、33は、それぞれ全体に円筒形状を呈する歯車であり、可動金型12に回動可能に設けられている。ピニオンギヤ32は、同軸線上で径の異なるすなわちギヤ比の異なる2段のギヤ部32a、32bを有する。ギヤ部32bは、第1のラック28の側方に位置し、ギヤ部32aは、ギヤ部32bおよび第1のラック28と可動金型12との間に位置している。ギヤ部32bには、第1のラック28のギヤ部28aが噛合され、ギヤ部32aには、ピニオンギヤ33のギヤ部33aが噛合されている。
第2のラック30は、歯が連設されたギヤ部30aを有する平板状を呈する。第2のラック30は、可動金型12の対向面12aに沿って移動可能に可動金型12に設けられている。第2のラック30は、ピニオンギヤ32のギヤ部32aの上方に位置し、スライド駒25に取り付けられている。第2のラック30のギヤ部30aは、ギヤ部32aに噛合されている。
第3のラック31は、歯が連設されたギヤ部31aを有する平板状を呈し、スライド駒25の移動方向に沿って移動可能に可動金型12に設けられている。第3のラック31は、ピニオンギヤ33の側方に位置し、スライド駒26に取り付けられている。第3のラック31のギヤ部31aは、ピニオンギヤ33から見てピニオンギヤ32と対向する位置に配置されており、ピニオンギヤ33のギヤ部33aに噛合されている。
この射出成形用金型10´では、両金型11、12の開放に伴って、ピニオンギヤ32に対して第1のラック28が上方へ移動する(図9矢印L参照。)。これによりピニオンギヤ32が回動し(図9矢印M参照。)、これにより第2のラック30が可動金型12の対向面12aに沿って移動する(図9矢印O参照。)。また、ピニオンギヤ32の回動によりピニオンギヤ33が回動し(図9矢印N参照。)、これにより第3のラック31が移動する(図9矢印P参照。)。
このため、射出成形用金型10´が開放されると、固定金型11と可動金型12との間隔が成形品(R)の高さよりも大きくなるとともに、スライド駒25、26がそれぞれアンダーカット部23、24から取り外された退避位置へ移動する。これにより、成形品(R)が取り出し可能となる。
この変形例では、ピニオン部29がスライド駒25を移動させるための第2のラック30に対応するピニオンギヤ32と、スライド駒26を移動させるための第3のラック31に対応するピニオンギヤ33との二つの組のラックおよびピニオンギヤを有しているので、両金型の開閉の際、同時に二つのアンダーカット部を処理することができる。
また、ピニオンギヤ32が二つの段のギヤ部32a、32bを有しているので、このギヤ比を調節することにより両金型11、12の相対的な移動量に拘わらずスライド駒25、26の移動量を調節することができる。
なお、二つ以上の異なるギヤ比の段を有するピニオンギヤ、二つ以上のピニオンギヤおよび二つ以上のスライド駒とそれに対応するラックを適宜組み合わせることにより、例えば、深さの大きく異なる複数のアンダーカット部を有するキャビティ空間が形成されているような様々な型の射出成形用金型に対応することができる。
また、伝達手段は、可動金型の移動力をスライド駒に伝達でき、かつ金型が開成位置に移動したときスライド駒を退避位置に移動させることができるものであれば、例えば、クランク機構等により構成されていてもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
上記した例では、金型の開放時に成形品が可動金型に固着される構成であったので、第1のラックを固定金型に固着し、かつピニオン部、各スライド駒およびこれに対応するラックを可動金型に設けていたが、成形品が固定金型に固着される構成のときは、可動金型側と固定金型側とを入れ替える、すなわち第1のラックを可動金型に固着し、かつピニオン部、各スライド駒およびこれに対応するラックを固定金型に設けることで対応することができる。
傾斜ピンを有する従来の射出成形用金型を部分的に示す模式図である。 図1の射出成形用金型の開成位置の状態を部分的に示す模式図である。 シリンダ装置を有する従来の射出成形用金型を部分的に示す模式図である。 図3の射出成形用金型の開成位置の状態を部分的に示す模式図である。 本発明に係る射出成形用金型を部分的に示す模式図である。 図5の伝達手段を部分的かつ模式図に示す斜視図である。 図5の射出成形用金型の開成位置の状態を部分的に示す模式図である。 本発明に係る射出成形用金型の他の例を部分的に示す模式図である。 本発明に係る射出成形用金型の他の例を部分的に示す模式図である。
符号の説明
10 射出成形用金型
11 固定金型
12 可動金型
13、22 キャビティ空間
14、23、24 アンダーカット部
15、25、26 スライド駒
16、27 伝達手段
17 第1のラック
18、20、21、32、33 ピニオンギヤ
19 第2のラック

Claims (12)

  1. 開閉可能に設けられキャビティ空間を形成する固定金型および可動金型と、前記キャビティ空間のアンダーカット部を規定するために前記固定金型または前記可動金型に設けられたスライド駒とを備え、該スライド駒は、前記アンダーカット部の処理のために前記可動金型の開閉作動方向と交差する方向に沿って前記アンダーカット部の規定位置と退避位置とを移動可能である射出成形用金型であって、
    前記可動金型の移動力を前記スライド駒に伝達する伝達手段を備え、該伝達手段は、前記可動金型の開成位置への移動に伴い前記スライド駒を前記退避位置へ移動させることを特徴とする射出成形用金型。
  2. 請求項1に記載の射出成形用金型を用いて射出成形品を形成することを特徴とする射出成形工法。
  3. 前記伝達手段は、前記可動金型の開閉動作に伴い開閉作動方向に沿って移動する第1のラックと、該第1のラックに噛合し回動可能なピニオン部と、該ピニオン部に噛合し該ピニオン部の回動を受けて前記スライド駒を移動させる第2のラックとを有することを特徴とする請求項1に記載の射出成形用金型。
  4. 請求項3に記載の射出成形用金型を用いて射出成形品を形成することを特徴とする射出成形工法。
  5. 前記ピニオン部は、単一のギヤ部を有するピニオンギヤもしくは同軸上にギヤ比の異なる複数段のギヤ部を有するピニオンギヤからなることを特徴とする請求項3に記載の射出成形用金型。
  6. 請求項5に記載の射出成形用金型を用いて射出成形品を形成することを特徴とする射出成形工法。
  7. 前記ピニオン部は、1つもしくは複数のピニオンギヤからなることを特徴とする請求項3に記載の射出成形用金型。
  8. 請求項7に記載の射出成形用金型を用いて射出成形品を形成することを特徴とする射出成形工法。
  9. さらに、前記伝達手段は、前記スライド駒とは異なる1つもしくは複数のスライド駒と、該1つもしくは複数のスライド駒に対を為して設けられかつ前記ピニオン部に噛合し前記第2のラックとは異なる1つもしくは複数のラックとを有し、前記1つもしくは複数のスライド駒は、前記キャビティ空間のアンダーカット部を規定し、前記1つもしくは複数のラックは、前記ピニオン部の回動を受けて前記1つもしくは複数のスライド駒を移動させることを特徴とする請求項3に記載の射出成形用金型。
  10. 請求項9に記載の射出成形用金型を用いて射出成形品を形成することを特徴とする射出成形工法。
  11. 前記第1のラックは、前記可動金型の移動方向に沿って前記固定金型および前記可動金型を掛け渡して配置されかつ前記固定金型および前記可動金型のいずれか一方に固着され、前記ピニオン部は、前記固定金型および前記可動金型の他方に設けられ、前記第2のラックは、前記固定金型および前記可動金型の他方に前記スライド駒の移動方向に沿って設けられていることを特徴とする請求項3に記載の射出成形用金型。
  12. 請求項11に記載の射出成形用金型を用いて射出成形品を形成することを特徴とする射出成形工法。
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