JP2006239621A - ワイピング装置およびこれを備えた液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器 - Google Patents

ワイピング装置およびこれを備えた液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】機能液滴吐出ヘッドのノズル面に対するワイピングシートの押付け圧力を精度良く管理することができるワイピング装置を提供する。
【解決手段】ワークWに機能液滴を吐出する機能液滴吐出ヘッド3のノズル面45を払拭するためのワイピングシート111と、払拭に際し、機能液滴吐出ヘッド3のノズル面45にワイピングシート111を相対的に押し付ける押圧機構151,152,153と、押圧機構151,152,153のワイピングシート111への押付け圧力を調整する押圧力調整機構182と、押付け圧力を検出する圧力検出手段155と、を備えたものである。
【選択図】図10

Description

本発明は、ワークに機能液滴を吐出する機能液滴吐出ヘッドのノズル面を払拭するワイピング装置およびこれを備えた液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器に関するものである。
従来、液滴吐出装置に設けられ、インクジェットヘッドである機能液滴吐出ヘッドのノズル面をワイピングするワイピング装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このワイピング装置は、機能液滴吐出ヘッドを払拭するワイピングシートと、ワイピングシートを繰り出す繰出しリールと、繰出されたワイピングシートを巻き取る巻取りリールと、ワイピングシートを周回しこれを機能液滴吐出ヘッドに押し付ける押圧機構と、を有している。押圧機構は、ワイピングシートを介して機能液滴吐出ヘッドに摺接する押圧ローラ(拭取りローラ)と、押圧ローラを回転自在に軸支する軸支フレームと、軸支フレームを介して押圧ローラを機能液滴吐出ヘッドから離接させるよう昇降させるエアーシリンダとを有している。
そして、巻取りリールの駆動で機能液滴吐出ヘッドの方向に送られるワイピングシートは、押圧機構のエアーシリンダにより機能液滴吐出ヘッドのノズル面に押し付けられ、ノズル面の払拭(ワイピング)に用いられる。この場合、ノズル面に対する押圧ローラの押付け圧(押付け荷重)は、エアーシリンダにより押圧ローラを離間位置から所定の寸法(度当り調整)上昇させることにより管理されている。
特開2004−167488号公報
上記従来のワイピング装置では、度当り調整により押圧ローラの押付け圧を管理しているため、経時的な押圧ローラ(ゴムローラ)の永久変形やローラ廻りの機構上のガタ等により、機能液滴吐出ヘッドに対する押圧機構の押付け圧を精度良く管理することができない問題があった。
本発明は、機能液滴吐出ヘッドのノズル面に対するワイピングシートの押付け圧力を精度良く管理することができるワイピング装置およびこれを備えた液滴吐出装置、並びに電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器を提供することを課題としている。
本発明のワイピング装置は、ワークに機能液滴を吐出する機能液滴吐出ヘッドのノズル面を払拭するためのワイピングシートと、払拭に際し、機能液滴吐出ヘッドのノズル面にワイピングシートを相対的に押し付ける押圧機構と、押圧機構のワイピングシートへの押付け圧力を調整する押圧力調整機構と、押付け圧力を検出する圧力検出手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、圧力検出手段により押圧機構のワイピングシートへの押付け圧力を検出し、この検出結果に基づいて、押圧力調整機構により押圧機構のワイピングシートへの押付け圧力を調整するようにしているため、ワイピングシートを機能液滴吐出ヘッドのノズル面に、所定の押圧力で且つ精度良く押し付けることができる。これにより、機能液滴吐出ヘッドのノズル面を安定且つ適切にワイピングすることができ、機能液滴吐出ヘッドの吐出ノズルを良好な状態に管理することができる。なお、機能液滴吐出ヘッドのノズル面に対するワイピングシートの押付けは、シート側を移動させる構造、ヘッド側を移動させる構造、この両者を移動させる構造、のいずれであってもよい。
この場合、押圧機構は、ワイピングシートが周回する押圧ローラと、押圧ローラを両持ちで回転自在に軸支すると共に、ワイピングシートを挟み込んで押圧ローラを、ノズル面に対し離接自在に支持する軸支フレームと、軸支フレームを介して、押圧ローラをノズル面に対し離接させる離接動機構と、を有し、圧力検出手段は、軸支フレームと離接動機構との間に介設されていることが、好ましい。
この構成によれば、離接動機構が、軸支フレームを介して押圧ローラをノズル面に接触させる過程で、ノズル面に対するワイピングシートの押付け圧力を容易に検出することができる。すなわち、圧力検出手段をワイピングシートや押圧ローラに設けることなく、押付け圧力を精度良く検出することができる。
この場合、圧力検出手段は、押圧ローラの軸方向に離間して配置した一対の検出器で、構成されていることが好ましい。また、ロードセルおよびひずみゲージのいずれかであることが、好ましい。
この構成によれば、押圧ローラの軸方向に離間した一対の検出器で押付け圧力を検出することができるため、押圧ローラの軸方向における圧力バランスをも検出することができる。このため、この検出結果に基づいて、押付け圧力を調整することで、ノズル面の各部に対し、ワイピングシートを均一な押付け圧力で押し付けることができる。
これらの場合、押圧力調整機構は、離接動機構の接触端位置を度当り調整すると共に、押圧ローラの軸方向に離間して配置した一対のマイクロヘッドで、構成されていることが、好ましい。
この構成によれば、簡単な操作で、ノズル面の各部に対するワイピングシートの押付け圧力を均一且つ高い精度に調整することができる。
同様に、押圧力調整機構は、圧力検出手段の検出結果に基づいて、離接動機構の接触端位置を制御するコントローラで、構成されていることが好ましい。
この構成によれば、ノズル面に対するワイピングシートの押付け圧力を、常に一定になるように調整することができる。
本発明の液滴吐出装置は、上記したワイピング装置と、機能液滴吐出ヘッドを有し、ワークに対し機能液滴吐出ヘッドを相対移動させながら、機能液滴吐出ヘッドを駆動してワークに描画を行う描画手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、最適な押付け圧力で機能液滴吐出ヘッドをワイピングすることができるため、機能液滴吐出ヘッドを吐出ノズル良好な状態に維持することができ、高い描画品質を安定に維持することができる。したがって、装置の信頼性を向上させることができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した液滴吐出装置を用い、ワークに機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする。
また、本発明の電気光学装置は、上記した液滴吐出装置を用い、ワークに機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする。
これらの構成によれば、高い描画品質を安定に維持することができる液滴吐出装置を用いるため、信頼性の高い電気光学装置を製造することが可能となる。なお、電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)としては、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、PDP装置、電子放出装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)やSED(Surface-conduction Electron-Emitter Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられる。
本発明の電子機器は、上記した電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または上記した電気光学装置を搭載したことを特徴とする。
この場合、電子機器としては、いわゆるフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話、パーソナルコンピュータの他、各種の電気製品がこれに該当する。
以下、添付の図面を参照して、本発明のワイピング装置を適用した液滴吐出装置について説明する。液滴吐出装置は、いわゆるフラットパネルディスプレイの製造ラインに組み込まれるものであり、インクジェットヘッドである機能液滴吐出ヘッドを用いた液滴吐出法(インクジェット法)により、液晶表示装置のカラーフィルタや有機EL装置の各画素となる発光素子等を形成するものである。
図1および図2に示すように、液滴吐出装置1は、機台2と、機能液滴吐出ヘッド3を有し機台2上に十字状に載置された描画装置4と、機能液滴吐出ヘッド3に接続した機能液供給装置5と、描画装置4に添設するように機台2上に載置したヘッド保守装置6と、を備えている。また、液滴吐出装置1には、制御装置10が設けられており(図10および図11参照)、液滴吐出装置1では、機能液供給装置5により描画装置4が機能液の供給を受けながら、制御装置10による制御に基づいて、描画装置4がワークWに対する描画動作を行うと共に、機能液滴吐出ヘッド3に対して、ヘッド保守装置6が適宜保守動作(メンテナンス)を行うようにしている。
描画装置4は、ワークWを主走査(X軸方向に移動)させるX軸テーブル7およびX軸テーブル7に直交するY軸テーブル8から成るX・Y移動機構11と、Y軸テーブル8に移動自在に取り付けられたメインキャリッジ12と、メインキャリッジ12に垂設され、機能液滴吐出ヘッド3を搭載したヘッドユニット13と、を有している。
X軸テーブル7は、X軸方向の駆動系を構成するX軸モータ(図示省略)駆動のX軸スライダ14を有し、これに吸着テーブル15およびθテーブル16等から成るセットテーブル17を移動自在に搭載して構成されている。同様に、Y軸テーブル8は、Y軸方向の駆動系を構成するY軸モータ(図示省略)駆動のY軸スライダ18を有し、これにヘッドユニット13を支持する上記のメインキャリッジ12をY軸方向に移動自在に搭載して構成されている。なお、X軸テーブル7は、X軸方向に平行に配設されており、機台2上に直接支持されている。一方、Y軸テーブル8は、機台2上に立設した左右の支柱21に支持されており、X軸テーブル7およびヘッド保守装置6を跨ぐようにY軸方向に延在している(図1および図2参照)。
液滴吐出装置1では、X軸テーブル7およびY軸テーブル8が交わるエリアがワークWの描画を行う描画エリア22、Y軸テーブル8およびヘッド保守装置6が交わるエリアが機能液滴吐出ヘッド3に対する機能回復処理を行う保守エリア23となっており、ワークWに描画を行う場合には描画エリア22に、機能回復処理を行う場合には保守エリア23に、それぞれヘッドユニット13を臨ませるようになっている。
メインキャリッジ12は、図2に示すように、Y軸テーブル8のY軸スライダ18に下側から固定される外観「I」形の吊設部材24と、吊設部材24の下面に取り付けられ、ヘッドユニット13のθ方向に対する位置補正を行うためのθ回転機構25と、θ回転機構25の下方に吊設するよう取り付けたキャリッジ本体26(キャリッジ)と、で構成されている。キャリッジ本体26は、位置決め機構を有する枠状フレーム(図示省略)を有し、これに後述の支持フレーム27(図3参照)を介してヘッドユニット13を位置決め状態で固定している。
支持フレーム27は、略方形の枠状に形成されており、図3に示すようにヘッドユニット13、バルブユニット28、タンクユニット31の順でこれらを位置決め状態で搭載している。なお、支持フレーム27には、一対のハンドル(図示省略)が取り付けられており、この一対のハンドルを手持ち部位として、支持フレーム27をメインキャリッジ12に運び込めるようになっている。
図3に示すように、ヘッドユニット13は、1個(少数)の機能液滴吐出ヘッド3と、ヘッド保持部材(図示省略)を介して機能液滴吐出ヘッド3を搭載するヘッドプレート32と、を備えている。ヘッドプレート32は、支持フレーム27に着脱自在に支持されており、ヘッドユニット13は、支持フレーム27を介してキャリッジ本体26に位置決めして搭載される。なお、支持フレーム27には、ヘッドユニット13に並んで、バルブユニット28およびタンクユニット31が支持されている。
図3に示すように、機能液供給装置5は、支持フレーム27に搭載されており、機能液を貯留する機能液タンク33を有するタンクユニット31と、機能液タンク33および機能液滴吐出ヘッド3を接続する機能液供給チューブ34と、機能液供給チューブ34を機能液タンク33および機能液滴吐出ヘッド3に接続するための接続具35と、複数の機能液供給チューブ34に介設した圧力調整弁36を有するバルブユニット28と、を有している。機能液タンク33から圧力調整弁36に流入した機能液は、圧力調整弁36により、所望の作動圧まで減圧されて機能液滴吐出ヘッド3に供給される。
図4に示すように、機能液滴吐出ヘッド3は、いわゆる2連のインクジェットヘッドであり、2連の接続針41を有する機能液導入部42と、機能液導入部42に連なる2連のヘッド基板43と、ヘッド基板43の下方に連なり機能液で満たされるヘッド内流路が内部に形成されたヘッド本体44と、を備えている。ヘッド本体44の下面(図示では上面)には、ノズル面45を有するノズルプレート46が設けられている。ノズルプレート46のノズル面45には、ノズルピッチを相互に半ピッチずらした多数の吐出ノズル47から成る2列のノズル列48,48が形成されている。
一方、図1に示すように、ヘッド保守装置6は、機台2上に載置され、X軸方向に延在する移動テーブル51と、移動テーブル51上に載置した吸引装置52と、吸引装置52に並んで移動テーブル51上に配設されたワイピング装置53と、を備えている。移動テーブル51は、X軸方向に移動可能に構成されており、機能液滴吐出ヘッド3の保守時には、吸引装置52およびワイピング装置53を適宜保守エリア23に移動させる。なお、上記の各装置に加え、機能液滴吐出ヘッド3から吐出された機能液滴の飛行状態を検査する吐出検査装置や、機能液滴吐出ヘッド3から吐出された機能液滴の重量を測定する重量測定装置等を、ヘッド保守装置6に加えるようにしてもよい。
吸引装置52では、キャップユニット54を介して機能液滴吐出ヘッド3に吸引力を作用させ、機能液滴吐出ヘッド3から機能液が強制的に排出される。この機能液の吸引は、機能液滴吐出ヘッド3の目詰まりを解消/防止するために行われる他、機能液滴吐出ヘッド3のヘッド交換場合などに、機能液タンク33から機能液滴吐出ヘッド3に至る機能液流路に機能液を充填するために行われる。また、キャップユニット54は、機能液滴吐出ヘッド3の捨て吐出(予備吐出)により吐出された機能液を受けるフラッシングボックスを兼ねると共に、液滴吐出装置1の非稼動時に、機能液滴吐出ヘッド3を保管するためにも用いられる。
次に、ワイピング装置について説明する。ワイピング装置53は、機能液滴吐出ヘッド3の吸引(クリーニング)等により機能液が付着して汚れた各機能液滴吐出ヘッド3のノズル面45を、ロール状のワイピングシート111を繰り出しながら、これを用いて拭き取る(ワイピングする)ものである。
図5ないし図8に示すように、ワイピング装置53は、略方形の厚板で構成された装置ベース112と、装置ベース112上に立設され、主構成装置を支持するテーブル様の装置フレーム113と、装置フレーム113と左右(Y軸方向)に並んで装置ベース112上に立設され、後述する洗浄液噴霧ユニット118を支持するユニットスタンド114と、を備えている。装置フレーム113には、その内側に位置して、ワイピングシート111を供給するシート供給ユニット115が支持され、その上側に位置してワイピングシート111を介して機能液滴吐出ヘッド3のノズル面45を払拭する拭取りユニット116が支持されている。また、主構成装置であるこれらのユニット115、116は、箱状のカバーボックス117で覆われている。
装置フレーム113は、装置ベース112上に直接固定され、シート供給ユニット115を支持する下部ワイピングフレーム121と、下部ワイピングフレーム121上に載置され、拭取りユニット116を支持する上部ワイピングフレーム122と、で構成されている。なお、説明の便宜のため、ここでは、X軸方向を前後方向、Y軸方向を左右方向としている。
図8に示すように、シート供給ユニット115は、ロール状のワイピングシート111を装填し、ワイピングシート111を繰り出す図示右側の繰出しリール131と、繰り出されたワイピングシート111を巻き取る図示左側の巻取りリール132と、巻取りリール132を巻取り回転させる巻取りモータ133と、巻取りモータ133の動力を巻取りリール132に伝達する動力伝達機構(図示省略)と、ワイピングシート111の巻取り速度(送り速度)を検出する速度検出ローラ135と、繰出しリール131からのワイピングシート111を速度検出ローラ135に送る第1中間ローラ136と、速度検出ローラ135からのワイピングシート111を拭取りユニット116に送る第2中間ローラ137と、を有している。そして、繰出しリール131の軸端には、巻取りモータ133に抗するように制動回転するトルクリミッタ(図示省略)が設けられており、繰出されたワイピングシート111に一定の張力を付与できるようになっている。
第1中間ローラ136は、ワイピングシート111の送り経路が速度検出ローラ135の位置で略直角になるように、速度検出ローラ135の略直下に配設され、第2中間ローラ137は、拭取りユニット116に向かうワイピングシート111の送り経路が鉛直方向となるように、速度検出ローラ135の斜め上側に配設されている。すなわち、第1中間ローラ136は、速度検出ローラ135に対するワイピングシート111のスリップを抑制(転接面積大)するように、また第2中間ローラ137は、噴霧ヘッド202に対し、ワイピングシート111が鉛直に対峙するように、ワイピングシート111の送り経路を変更している。
拭取りユニット116(押圧機構)は、機能液滴吐出ヘッド3のノズル面45にワイピングシート111を当接させるゴム製の拭取りローラ151(押圧ローラ、図8参照)と、拭取りローラ151を支持するローラ支持フレーム152(軸支フレーム)と、上部ワイピングフレーム122に固定され、ローラ支持フレーム152を介して拭取りローラ151を昇降させるローラ昇降機構153(離接動機構)と、ローラ支持フレーム152およびローラ昇降機構153の間に介設され、ノズル面58に対する拭取りローラ151の拭取り圧力(押圧力)を一定に維持する緩衝機構154と、を備えている。なお、図中の符号204は、洗浄液噴霧ユニット118のシート受け部材(後述する)である。
ローラ支持フレーム152は、拭取りローラ151を両持ちで、回転自在に軸支する前後一対の軸受スタンド161と、前後一対の軸受スタンド161を支持する水平フレーム163と、を有している。軸受スタンド161は、その上端面から拭取りローラ151の上端が僅かに突出するよう拭取りローラ151を支持しており、ワイピング動作時に軸受スタンド161が機能液滴吐出ヘッド3のノズル面45を損傷しないように配慮されている。
水平フレーム163は、ワイピングシート111のシート送り経路を逃げるように、長辺部分の一部を切り欠いた略方形の厚板状に形成され、両端部に設けた一対のリニアブシュ164,164を介して、後述するローラ昇降プレート171の一対のガイドシャフト175,175に対し昇降自在にガイドされている。この場合、ローラ支持フレーム152は、緩衝機構154に支持されており、緩衝機構154による衝撃の吸収に際し、一対のリニアブシュ164,164が拭取りローラ151およびローラ支持フレーム152の微小な上下動を許容する。
ローラ昇降機構153は、緩衝機構154を介してローラ支持フレーム152を支持するローラ昇降プレート171と、ローラ昇降プレート171を支持すると共に、これを昇降させるローラ昇降シリンダ(離接動機構)172と、ローラ昇降プレート171の昇降を案内する一対のローラ昇降ガイド173と、ローラ昇降プレート171の昇降端位置を規制する昇降位置規制機構(押圧力調整機構)174と、を有している。また、詳細は後述するが、ローラ支持フレーム152とローラ昇降プレート171との間隙には、ノズル面45に対するワイピングシート111の押付け圧を検出する圧力検出手段155が介設されている(図10参照)。
ローラ昇降シリンダ172は、上記の上部ワイピングフレーム122上に上向きに固定され、そのピストンロッド172aの先端部は、ローラ昇降プレート171に固定されている。ローラ昇降ガイド173は、ローラ昇降シリンダ172を挟むように、上部ワイピングフレーム122に立設された一対のガイドレール178と、ローラ昇降プレート171に固定され、各ガイドレール178にスライド自在に係合する一対のリニアガイド179と、で構成されている。これにより、ローラ昇降シリンダ172が駆動すると、一対のガイドレール178に案内されて、ローラ昇降プレート171が水平姿勢を維持しつつ昇降する。
昇降位置規制機構174は、ローラ昇降プレート171を位置規制するための側面視略「L」字状の一対の規制板181と、一対の規制板181を介して、ローラ昇降プレート171の上昇端位置を規制する一対の上昇端規制部材182と、一対の規制板181を介して、ローラ昇降プレート171に下側から当接(度当たり)して、下降端位置を規制する一対の下降端規制部材183と、を有している。
規制板181は、ローラ昇降プレート171の両端部に垂設されており、その下部には、外側に水平に延びる規制部181aが形成されている。各上昇端規制部材182は、規制板181の規制部181aに臨むように、上部ワイピングフレーム122の立設フレーム128に固定されたマイクロヘッドで構成されており、規制部181aの上端面にスピンドル182aが度当たりして、ローラ昇降プレート171の上昇端位置、すなわち拭取りローラ151の上昇端位置(接触端位置)を規制する。上部ワイピングフレーム122に設けた各下降端規制部材183も、規制部181aの下端面に度当たりすることにより、ローラ昇降プレート171の下降端位置を規制する。なお、拭取りローラ151の上昇端位置は、機能液滴吐出ヘッド3のノズル面58の高さ位置を基準にして(ノズル面よりも僅かに高い位置に)予め設定されており、マイクロヘッドにより、拭取りローラ151の上昇端が所定の高さとなるように調整される。
ローラ昇降シリンダ172を駆動し、ピストンロッド172aを往動させると、ローラ昇降ガイド173に案内されながら、ローラ昇降プレート171が上昇してゆく。これにより、緩衝機構154およびローラ支持フレーム152を介して、拭取りローラ151が機能液滴吐出ヘッド3のノズル面58に向かって上昇する。そして、ローラ昇降プレート171が上昇端位置に達すると、上昇端規制部材182によりローラ昇降プレート171の移動が規制され、拭取りローラ151の上昇が停止する。同様に、ピストンロッド172aを復動させると、ローラ昇降プレート171は、下降端規制部材183に規制されるまでローラ昇降ガイド173に案内されながら下降してゆき、これに伴って拭取りローラ151が下降する。
緩衝機構154は、サスペンションシリンダ191と、ピストンロッド191aと、から成るエアーサスペンションで構成されている。図9に示すように、サスペンションシリンダ191は、ローラ昇降プレート171の下面に取り付けられ、その先端部が水平フレーム163の下面に連結されている。機能液滴吐出ヘッド3のワイピング動作において、拭取りローラ151に加わる微少な衝撃は、ローラ支持フレーム152を介して緩衝機構154に伝達し、この緩衝機構154により吸収される。
図6および図8に示すように、洗浄液噴霧ユニット118は、洗浄液を供給する洗浄液タンク201と、ワイピングシート111に洗浄液タンク201からの洗浄液を供給する単一の噴霧ヘッド202と、噴霧ヘッド202および洗浄液タンク201を接続する洗浄液供給チューブ203と、ワイピングシート111の送りを鉛直方向にガイドすると共に、噴霧ヘッド202とワイピングシート111との距離を一定に保つシート受け部材204と、噴霧ヘッド202を支持するヘッドキャリッジ205と、ヘッドキャリッジ205を介して、噴霧ヘッド202をワイピングシート111の幅方向に水平に移動させるヘッド移動機構206と、を備えている。
図8に示すように、ワイピングシート111は、繰出しリール131から、第1中間ローラ136、速度検出ローラ135を経て、第2中間ローラ137に送られる。そして、第2中間ローラ137から鉛直方向上方に送られ、拭取りローラ151を周回した後、第3中間ローラ185を経て、巻取りリール132に巻き取られる。これに対し、洗浄液噴霧ユニット118は、第2中間ローラ137から鉛直に送られるワイピングシート111に噴霧ヘッド202を臨ませ、これに洗浄液を散布する。
洗浄液タンク201には、図外のエアー供給設備から一定圧の圧縮エアーが導入され、タンク内の洗浄液が加圧送液される。なお、洗浄液は、機能液を溶解するもの、例えば機能液の溶剤等が用いられる。洗浄液タンク201に接続した洗浄液供給チューブ203には、流量調整弁207が介設されており、噴霧ヘッド202に供給する洗浄液量をコントロール可能に構成されている。但し、実施形態のものでは、噴霧ヘッド202が適切に機能する最低限の洗浄液量に調整されている。
噴霧ヘッド202は、先端側に組み込んだ噴霧ノズル211と、これを保持するノズルホルダ212と、尾端側に設けた継手213と、で構成されており、この継手213に洗浄液供給チューブ203が接続されている。そして、噴霧ヘッド202に洗浄液が圧送されることにより、ワイピングシート111には微細な洗浄液滴が噴霧・塗着される。噴霧ヘッド202に適用する噴霧ノズルの噴霧形態は、実情に応じ任意に設定可能であるが、上方に送られるワイピングシート111に効率よく洗浄液を散布するため、本実施形態では、縦長の長円形(楕円形)に洗浄液を噴霧する噴霧ノズル211を用いている。
ヘッドキャリッジ205は、ヘッド移動機構206のスライダ251(後述する)に固定されたベース部231と、ベース部231からY軸方向の拭取りユニット116側に「L」字状に延在するアーム部232と、アーム部232の先端に固定され、噴霧ヘッド202を水平に支持するヘッド支持部233と、を有している。ヘッド支持部233は、噴霧ヘッド202を水平に支持しており、噴霧ヘッド202は、鉛直方向に送られるワイピングシート111に対し、水平方向から洗浄液を噴霧する(図8参照)。ベース部231は、アーム部232を支持する上ベース部234と、上ベース部234を支持する下ベース部235と、から成り、上ベース部234と下ベース部235との間には、Y軸方向における噴霧ヘッド202の前後位置、すなわち、ワイピングシート111に対する噴霧ヘッド202の離間距離を調整する距離調整機構241が組み込まれている。
図6に示すように、ヘッド移動機構206は、ヘッドキャリッジ205のベース部231が固定され、ヘッドキャリッジ205をX軸方向(すなわち、ワイピングシート111の幅方向)にスライド自在に支持するスライダ251と、スライダ251を移動させるためのボールねじ(図示省略)と、スライダ251の移動をガイドするスライドガイド(図示省略)と、ボールねじを正逆回転させる移動モータ(図示省略)と、を備えている。移動モータが駆動すると、ボールねじが正逆回転し、スライダ251を介してヘッドキャリッジ205(噴霧ヘッド202)がX軸方向に移動する。
このように、本実施形態の洗浄液噴霧ユニット118では、噴霧ヘッド202をワイピングシート111の幅方向に移動(走査)させながら、ワイピングシート111上に洗浄液を噴霧するようにし、ワイピングシート111の一定の領域(噴霧領域)に洗浄液を均一に塗着・含浸させる。この洗浄液の噴霧は、ワイピングシート111の送りを停止した状態で、1回の往動或いは1回の往復動により行う(微小量の噴霧)。そして、噴霧後に、ワイピングシート111の噴霧領域を拭取りローラ151の位置まで送って、機能液滴吐出ヘッド3のノズル面45を拭取るようになっている。
次に、図10の模式図を参照して、拭取りユニット116廻りの構造について、詳細に説明する。上述したように、ワイピングシート111を機能液滴吐出ヘッド3のノズル面45に押し付ける拭取りローラ(押圧ローラ)151は、ローラ支持フレーム(軸支フレーム)152に回転自在に支持されている。また、ローラ支持フレーム152は、一対のリニアブシュ164,164を介して、ローラ昇降プレート171に対し昇降自在に連結されている。一方、ローラ昇降プレート171は、上部ワイピングフレーム122に支持されたローラ昇降シリンダ(離接動機構)172により、一対のローラ昇降ガイド173に案内されて昇降する。さらに、ローラ昇降プレート171は、一対の上昇端規制部材(押圧力調整機構)182により、上昇端位置が規制されるようになっている。なお、図示では、緩衝機構154が省略されている。
すなわち、ローラ昇降シリンダ172により、ローラ昇降プレート171およびローラ支持フレーム152を介して、拭取りローラ151が上昇し、この拭取りローラ151を周回するワイピングシート111がノズル面45に押し付けられる。また、この拭取りローラ151の上昇端位置(接触位置)は、マイクロヘッドで構成した一対の上昇端規制部材182,182により、位置規制(度当り調整)される。一対の上昇端規制部材182,182は、拭取りローラ151の軸方向延長上にあって、拭取りローラ151の中心に対し点対称となるように配設されている。
そして、本実施形態では、ワイピングシート111を挟み込んでノズル面45に押し付けられる拭取りローラ151の押付け圧(ワイピングシート111の押付け圧)を、ローラ支持フレーム152とローラ昇降プレート171との間に介設した圧力検出手段155で検出するようにしている。圧力検出手段155は、拭取りローラ151の軸方向に離間して配置した一対の検出器261,261と、各検出器261をローラ昇降プレート171上に固定する一対の台座262,262とで、構成されている。一対の検出器261,261は、ローラ昇降シリンダ172の取付け位置に対し点対称位置に配設され、それぞれ各台座262により、その検出子261aがローラ支持フレーム152の下面に接触するように高さ調整されている。この場合、各検出器261は、ロードセル或いはひずみゲージで構成され、ローラ昇降シリンダ172による押付け圧(押付け力)を検出する。
一方、一対の検出器261,261は、上述した制御装置(コントローラ)10に接続されており、制御装置10は、そのディスプレイに各検出器261で測定した押付け圧(押付け力)の測定値を表示する。この場合、押付け圧は、予め実験等により、ノズル面45を良好に払拭可能な推奨値が定められおり、オペレータは、ディスプレイ上の測定値が推奨値となるように、一対の上昇端規制部材(マイクロヘッド)182,182を調整する。なお、この調整では、一対の検出器261,261の値(推奨値)が同一になるようにする。
このような構成では、機能液滴吐出ヘッド3のノズル面45に対する拭取りローラ151の押付け圧、すなわちワイピングシート111の押付け圧を、適切なものとなるように調整することができる。しかも、一対の検出器261,261の検出結果に基づき一対の上昇端規制部材(マイクロヘッド)182,182を調整するようにしているため、ノズル面45に対し、拭取りローラ151の軸方向においても均一でバランスの良い押付け圧を作用させることができる。したがって、機能液滴吐出ヘッド3のノズル面45を安定且つ適切にワイピングすることができ、機能液滴吐出ヘッド3の吐出ノズル47を良好な状態に管理することができる。
次に、図11を参照して、拭取りユニット116廻りの第2実施形態について説明する。この実施形態では、ローラ昇降シリンダ172に代えて、ローラ昇降モータ271が設けられている。ローラ昇降モータ271の主軸には、カップリングを介してリードねじ(ボールねじ)272が連結されており、ローラ昇降プレート171に取り付けた雌ねじ部材273に、このリードねじ272が螺合している。ローラ昇降モータ271が正逆回転すると、リードねじ272によりローラ昇降プレート171が昇降し、これに合わせて拭取りローラ151が昇降する。すなわち、ローラ昇降モータ271が正逆回転すると、ワイピングシート11を挟んで拭取りローラ151が、機能液滴吐出ヘッド3のノズル面45に離接する。
この実施形態では、一対の検出器261,261とローラ昇降モータ271とが、制御装置(コントローラ)10に接続されている。すなわち、制御装置10は、一対の検出器261,261で検出された測定値が推奨値となるように、ローラ昇降モータ271をフィードバック制御する。これにより、第1実施形態と同様に、ノズル面45を良好に払拭可能な押付け圧により、ワイピングシート11を機能液滴吐出ヘッド3のノズル面45に押し付けることができる。なお、雌ねじ部材273のローラ昇降プレート171への取付け部分にゴム等の弾性部材を介在させ、ローラ昇降プレート171が、微小傾動するように構成することが、好ましい。このようにすれば、ノズル面45に対し、拭取りローラ151の軸方向においても均一でバランスの良い押付け圧を作用させることができる。
したがって、この第2実施形態によっても、機能液滴吐出ヘッド3のノズル面45を安定且つ適切にワイピングすることができ、機能液滴吐出ヘッド3の吐出ノズル47を良好な状態に管理することができる。
次に、本実施形態の液滴吐出装置1を用いて製造される電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)として、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマディスプレイ(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)、更にこれら表示装置に形成されてなるアクティブマトリクス基板等を例に、これらの構造およびその製造方法について説明する。なお、アクティブマトリクス基板とは、薄膜トランジスタ、及び薄膜トランジスタに電気的に接続するソース線、データ線が形成された基板を言う。
先ず、液晶表示装置や有機EL装置等に組み込まれるカラーフィルタの製造方法について説明する。図12は、カラーフィルタの製造工程を示すフローチャート、図13は、製造工程順に示した本実施形態のカラーフィルタ500(フィルタ基体500A)の模式断面図である。
まず、ブラックマトリクス形成工程(S101)では、図13(a)に示すように、基板(W)501上にブラックマトリクス502を形成する。ブラックマトリクス502は、金属クロム、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂ブラック等により形成される。金属薄膜からなるブラックマトリクス502を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクス502を形成する場合には、グラビア印刷法、フォトレジスト法、熱転写法等を用いることができる。
続いて、バンク形成工程(S102)において、ブラックマトリクス502上に重畳する状態でバンク503を形成する。即ち、まず図13(b)に示すように、基板501及びブラックマトリクス502を覆うようにネガ型の透明な感光性樹脂からなるレジスト層504を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム505で被覆した状態で露光処理を行う。
さらに、図13(c)に示すように、レジスト層504の未露光部分をエッチング処理することによりレジスト層504をパターニングして、バンク503を形成する。なお、樹脂ブラックによりブラックマトリクスを形成する場合は、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク503とその下のブラックマトリクス502は、各画素領域507aを区画する区画壁部507bとなり、後の着色層形成工程において機能液滴吐出ヘッド3により着色層(成膜部)508R、508G、508Bを形成する際に機能液滴の着弾領域を規定する。
以上のブラックマトリクス形成工程及びバンク形成工程を経ることにより、上記フィルタ基体500Aが得られる。
なお、本実施形態においては、バンク503の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)501の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程においてバンク503(区画壁部507b)に囲まれた各画素領域507a内への液滴の着弾位置精度が向上する。
次に、着色層形成工程(S103)では、図13(d)に示すように、機能液滴吐出ヘッド3によって機能液滴を吐出して区画壁部507bで囲まれた各画素領域507a内に着弾させる。この場合、機能液滴吐出ヘッド3を用いて、R・G・Bの3色の機能液(フィルタ材料)を導入して、機能液滴の吐出を行う。なお、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
その後、乾燥処理(加熱等の処理)を経て機能液を定着させ、3色の着色層508R、508G、508Bを形成する。着色層508R、508G、508Bを形成したならば、保護膜形成工程(S104)に移り、図13(e)に示すように、基板501、区画壁部507b、および着色層508R、508G、508Bの上面を覆うように保護膜509を形成する。
即ち、基板501の着色層508R、508G、508Bが形成されている面全体に保護膜用塗布液が吐出された後、乾燥処理を経て保護膜509が形成される。
そして、保護膜509を形成した後、カラーフィルタ500は、次工程の透明電極となるITO(Indium Tin Oxide)などの膜付け工程に移行する。
図14は、上記のカラーフィルタ500を用いた液晶表示装置の一例としてのパッシブマトリックス型液晶装置(液晶装置)の概略構成を示す要部断面図である。この液晶装置520に、液晶駆動用IC、バックライト、支持体などの付帯要素を装着することによって、最終製品としての透過型液晶表示装置が得られる。なお、カラーフィルタ500は図13に示したものと同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
この液晶装置520は、カラーフィルタ500、ガラス基板等からなる対向基板521、及び、これらの間に挟持されたSTN(Super Twisted Nematic)液晶組成物からなる液晶層522により概略構成されており、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置している。
なお、図示していないが、対向基板521およびカラーフィルタ500の外面(液晶層522側とは反対側の面)には偏光板がそれぞれ配設され、また対向基板521側に位置する偏光板の外側には、バックライトが配設されている。
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層側)には、図14において左右方向に長尺な短冊状の第1電極523が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極523のカラーフィルタ500側とは反対側の面を覆うように第1配向膜524が形成されている。
一方、対向基板521におけるカラーフィルタ500と対向する面には、カラーフィルタ500の第1電極523と直交する方向に長尺な短冊状の第2電極526が所定の間隔で複数形成され、この第2電極526の液晶層522側の面を覆うように第2配向膜527が形成されている。これらの第1電極523および第2電極526は、ITOなどの透明導電材料により形成されている。
液晶層522内に設けられたスペーサ528は、液晶層522の厚さ(セルギャップ)を一定に保持するための部材である。また、シール材529は液晶層522内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するための部材である。なお、第1電極523の一端部は引き回し配線523aとしてシール材529の外側まで延在している。
そして、第1電極523と第2電極526とが交差する部分が画素であり、この画素となる部分に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
通常の製造工程では、カラーフィルタ500に、第1電極523のパターニングおよび第1配向膜524の塗布を行ってカラーフィルタ500側の部分を作成すると共に、これとは別に対向基板521に、第2電極526のパターニングおよび第2配向膜527の塗布を行って対向基板521側の部分を作成する。その後、対向基板521側の部分にスペーサ528およびシール材529を作り込み、この状態でカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる。次いで、シール材529の注入口から液晶層522を構成する液晶を注入し、注入口を閉止する。その後、両偏光板およびバックライトを積層する。
実施形態の液滴吐出装置1は、例えば上記のセルギャップを構成するスペーサ材料(機能液)を塗布すると共に、対向基板521側の部分にカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる前に、シール材529で囲んだ領域に液晶(機能液)を均一に塗布することが可能である。また、上記のシール材529の印刷を、機能液滴吐出ヘッド3で行うことも可能である。さらに、第1・第2両配向膜524,527の塗布を機能液滴吐出ヘッド3で行うことも可能である。
図15は、本実施形態において製造したカラーフィルタ500を用いた液晶装置の第2の例の概略構成を示す要部断面図である。
この液晶装置530が上記液晶装置520と大きく異なる点は、カラーフィルタ500を図中下側(観測者側とは反対側)に配置した点である。
この液晶装置530は、カラーフィルタ500とガラス基板等からなる対向基板531との間にSTN液晶からなる液晶層532が挟持されて概略構成されている。なお、図示していないが、対向基板531およびカラーフィルタ500の外面には偏光板等がそれぞれ配設されている。
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層532側)には、図中奥行き方向に長尺な短冊状の第1電極533が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極533の液晶層532側の面を覆うように第1配向膜534が形成されている。
対向基板531のカラーフィルタ500と対向する面上には、カラーフィルタ500側の第1電極533と直交する方向に延在する複数の短冊状の第2電極536が所定の間隔で形成され、この第2電極536の液晶層532側の面を覆うように第2配向膜537が形成されている。
液晶層532には、この液晶層532の厚さを一定に保持するためのスペーサ538と、液晶層532内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するためのシール材539が設けられている。
そして、上記した液晶装置520と同様に、第1電極533と第2電極536との交差する部分が画素であり、この画素となる部位に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
図16は、本発明を適用したカラーフィルタ500を用いて液晶装置を構成した第3の例を示したもので、透過型のTFT(Thin Film Transistor)型液晶装置の概略構成を示す分解斜視図である。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置したものである。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500と、これに対向するように配置された対向基板551と、これらの間に挟持された図示しない液晶層と、カラーフィルタ500の上面側(観測者側)に配置された偏光板555と、対向基板551の下面側に配設された偏光板(図示せず)とにより概略構成されている。
カラーフィルタ500の保護膜509の表面(対向基板551側の面)には液晶駆動用の電極556が形成されている。この電極556は、ITO等の透明導電材料からなり、後述の画素電極560が形成される領域全体を覆う全面電極となっている。また、この電極556の画素電極560とは反対側の面を覆った状態で配向膜557が設けられている。
対向基板551のカラーフィルタ500と対向する面には絶縁層558が形成されており、この絶縁層558上には、走査線561及び信号線562が互いに直交する状態で形成されている。そして、これらの走査線561と信号線562とに囲まれた領域内には画素電極560が形成されている。なお、実際の液晶装置では、画素電極560上に配向膜が設けられるが、図示を省略している。
また、画素電極560の切欠部と走査線561と信号線562とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体、およびゲート電極とを具備する薄膜トランジスタ563が組み込まれて構成されている。そして、走査線561と信号線562に対する信号の印加によって薄膜トランジスタ563をオン・オフして画素電極560への通電制御を行うことができるように構成されている。
なお、上記の各例の液晶装置520,530,550は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
次に、図17は、有機EL装置の表示領域(以下、単に表示装置600と称する)の要部断面図である。
この表示装置600は、基板(W)601上に、回路素子部602、発光素子部603及び陰極604が積層された状態で概略構成されている。
この表示装置600においては、発光素子部603から基板601側に発した光が、回路素子部602及び基板601を透過して観測者側に出射されるとともに、発光素子部603から基板601の反対側に発した光が陰極604により反射された後、回路素子部602及び基板601を透過して観測者側に出射されるようになっている。
回路素子部602と基板601との間にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜606が形成され、この下地保護膜606上(発光素子部603側)に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜607が形成されている。この半導体膜607の左右の領域には、ソース領域607a及びドレイン領域607bが高濃度陽イオン打ち込みによりそれぞれ形成されている。そして陽イオンが打ち込まれない中央部がチャネル領域607cとなっている。
また、回路素子部602には、下地保護膜606及び半導体膜607を覆う透明なゲート絶縁膜608が形成され、このゲート絶縁膜608上の半導体膜607のチャネル領域607cに対応する位置には、例えばAl、Mo、Ta、Ti、W等から構成されるゲート電極609が形成されている。このゲート電極609及びゲート絶縁膜608上には、透明な第1層間絶縁膜611aと第2層間絶縁膜611bが形成されている。また、第1、第2層間絶縁膜611a、611bを貫通して、半導体膜607のソース領域607a、ドレイン領域607bにそれぞれ連通するコンタクトホール612a,612bが形成されている。
そして、第2層間絶縁膜611b上には、ITO等からなる透明な画素電極613が所定の形状にパターニングされて形成され、この画素電極613は、コンタクトホール612aを通じてソース領域607aに接続されている。
また、第1層間絶縁膜611a上には電源線614が配設されており、この電源線614は、コンタクトホール612bを通じてドレイン領域607bに接続されている。
このように、回路素子部602には、各画素電極613に接続された駆動用の薄膜トランジスタ615がそれぞれ形成されている。
上記発光素子部603は、複数の画素電極613上の各々に積層された機能層617と、各画素電極613及び機能層617の間に備えられて各機能層617を区画するバンク部618とにより概略構成されている。
これら画素電極613、機能層617、及び、機能層617上に配設された陰極604によって発光素子が構成されている。なお、画素電極613は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極613の間にバンク部618が形成されている。
バンク部618は、例えばSiO、SiO2、TiO2等の無機材料により形成される無機物バンク層618a(第1バンク層)と、この無機物バンク層618a上に積層され、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れたレジストにより形成される断面台形状の有機物バンク層618b(第2バンク層)とにより構成されている。このバンク部618の一部は、画素電極613の周縁部上に乗上げた状態で形成されている。
そして、各バンク部618の間には、画素電極613に対して上方に向けて次第に拡開した開口部619が形成されている。
上記機能層617は、開口部619内において画素電極613上に積層状態で形成された正孔注入/輸送層617aと、この正孔注入/輸送層617a上に形成された発光層617bとにより構成されている。なお、この発光層617bに隣接してその他の機能を有する他の機能層を更に形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成する事も可能である。
正孔注入/輸送層617aは、画素電極613側から正孔を輸送して発光層617bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層617aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、公知の材料を用いる。
発光層617bは、赤色(R)、緑色(G)、又は青色(B)の何れかに発光するもので、発光層形成材料(発光材料)を含む第2組成物(機能液)を吐出することで形成される。第2組成物の溶媒(非極性溶媒)としては、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な公知の材料を用いることが好ましく、このような非極性溶媒を発光層617bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層617aを再溶解させることなく発光層617bを形成することができる。
そして、発光層617bでは、正孔注入/輸送層617aから注入された正孔と、陰極604から注入される電子が発光層で再結合して発光するように構成されている。
陰極604は、発光素子部603の全面を覆う状態で形成されており、画素電極613と対になって機能層617に電流を流す役割を果たす。なお、この陰極604の上部には図示しない封止部材が配置される。
次に、上記の表示装置600の製造工程を図18〜図26を参照して説明する。
この表示装置600は、図18に示すように、バンク部形成工程(S111)、表面処理工程(S112)、正孔注入/輸送層形成工程(S113)、発光層形成工程(S114)、及び対向電極形成工程(S115)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
まず、バンク部形成工程(S111)では、図19に示すように、第2層間絶縁膜611b上に無機物バンク層618aを形成する。この無機物バンク層618aは、形成位置に無機物膜を形成した後、この無機物膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすることにより形成される。このとき、無機物バンク層618aの一部は画素電極613の周縁部と重なるように形成される。
無機物バンク層618aを形成したならば、図20に示すように、無機物バンク層618a上に有機物バンク層618bを形成する。この有機物バンク層618bも無機物バンク層618aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部618が形成される。また、これに伴い、各バンク部618間には、画素電極613に対して上方に開口した開口部619が形成される。この開口部619は、画素領域を規定する。
表面処理工程(S112)では、親液化処理及び撥液化処理が行われる。親液化処理を施す領域は、無機物バンク層618aの第1積層部618aa及び画素電極613の電極面613aであり、これらの領域は、例えば酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理される。このプラズマ処理は、画素電極613であるITOの洗浄等も兼ねている。
また、撥液化処理は、有機物バンク層618bの壁面618s及び有機物バンク層618bの上面618tに施され、例えば4フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド3を用いて機能層617を形成する際に、機能液滴を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液滴が開口部619から溢れ出るのを防止することが可能となる。
そして、以上の工程を経ることにより、表示装置基体600Aが得られる。この表示装置基体600Aは、図1に示した液滴吐出装置1の吸着テーブル16に載置され、以下の正孔注入/輸送層形成工程(S113)及び発光層形成工程(S114)が行われる。
図21に示すように、正孔注入/輸送層形成工程(S113)では、機能液滴吐出ヘッド3から正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を画素領域である各開口部619内に吐出する。その後、図22に示すように、乾燥処理及び熱処理を行い、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電極(電極面613a)613上に正孔注入/輸送層617aを形成する。
次に発光層形成工程(S114)について説明する。この発光層形成工程では、上述したように、正孔注入/輸送層617aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層617aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617a上に吐出しても、正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層617bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒ならびに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層617aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層617a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層617aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617aに均一に塗布することができる。
そして次に、図23に示すように、各色のうちの何れか(図23の例では青色(B))に対応する発光層形成材料を含有する第2組成物を機能液滴として画素領域(開口部619)内に所定量打ち込む。画素領域内に打ち込まれた第2組成物は、正孔注入/輸送層617a上に広がって開口部619内に満たされる。なお、万一、第2組成物が画素領域から外れてバンク部618の上面618t上に着弾した場合でも、この上面618tは、上述したように撥液処理が施されているので、第2組成物が開口部619内に転がり込み易くなっている。
その後、乾燥工程等を行う事により、吐出後の第2組成物を乾燥処理し、第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、図24に示すように、正孔注入/輸送層617a上に発光層617bが形成される。この図の場合、青色(B)に対応する発光層617bが形成されている。
同様に、機能液滴吐出ヘッド3を用い、図25に示すように、上記した青色(B)に対応する発光層617bの場合と同様の工程を順次行い、他の色(赤色(R)及び緑色(G))に対応する発光層617bを形成する。なお、発光層617bの形成順序は、例示した順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決める事も可能である。また、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
以上のようにして、画素電極613上に機能層617、即ち、正孔注入/輸送層617a及び発光層617bが形成される。そして、対向電極形成工程(S115)に移行する。
対向電極形成工程(S115)では、図26に示すように、発光層617b及び有機物バンク層618bの全面に陰極604(対向電極)を、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成する。この陰極604は、本実施形態においては、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。
この陰極604の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO2、SiN等の保護層が適宜設けられる。
このようにして陰極604を形成した後、この陰極604の上部を封止部材により封止する封止処理や配線処理等のその他処理等を施すことにより、表示装置600が得られる。
次に、図27は、プラズマ型表示装置(PDP装置:以下、単に表示装置700と称する)の要部分解斜視図である。なお、同図では表示装置700を、その一部を切り欠いた状態で示してある。
この表示装置700は、互いに対向して配置された第1基板701、第2基板702、及びこれらの間に形成される放電表示部703を含んで概略構成される。放電表示部703は、複数の放電室705により構成されている。これらの複数の放電室705のうち、赤色放電室705R、緑色放電室705G、青色放電室705Bの3つの放電室705が組になって1つの画素を構成するように配置されている。
第1基板701の上面には所定の間隔で縞状にアドレス電極706が形成され、このアドレス電極706と第1基板701の上面とを覆うように誘電体層707が形成されている。誘電体層707上には、各アドレス電極706の間に位置し、且つ各アドレス電極706に沿うように隔壁708が立設されている。この隔壁708は、図示するようにアドレス電極706の幅方向両側に延在するものと、アドレス電極706と直交する方向に延設された図示しないものを含む。
そして、この隔壁708によって仕切られた領域が放電室705となっている。
放電室705内には蛍光体709が配置されている。蛍光体709は、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの色の蛍光を発光するもので、赤色放電室705Rの底部には赤色蛍光体709Rが、緑色放電室705Gの底部には緑色蛍光体709Gが、青色放電室705Bの底部には青色蛍光体709Bが各々配置されている。
第2基板702の図中下側の面には、上記アドレス電極706と直交する方向に複数の表示電極711が所定の間隔で縞状に形成されている。そして、これらを覆うように誘電体層712、及びMgOなどからなる保護膜713が形成されている。
第1基板701と第2基板702とは、アドレス電極706と表示電極711が互いに直交する状態で対向させて貼り合わされている。なお、上記アドレス電極706と表示電極711は図示しない交流電源に接続されている。
そして、各電極706,711に通電することにより、放電表示部703において蛍光体709が励起発光し、カラー表示が可能となる。
本実施形態においては、上記アドレス電極706、表示電極711、及び蛍光体709を、図1に示した液滴吐出装置1を用いて形成することができる。以下、第1基板701におけるアドレス電極706の形成工程を例示する。
この場合、第1基板701を液滴吐出装置1の吸着テーブル16に載置された状態で以下の工程が行われる。
まず、機能液滴吐出ヘッド3により、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴としてアドレス電極形成領域に着弾させる。この液体材料は、導電膜配線形成用材料として、金属等の導電性微粒子を分散媒に分散したものである。この導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、又はニッケル等を含有する金属微粒子や、導電性ポリマー等が用いられる。
補充対象となる全てのアドレス電極形成領域について液体材料の補充が終了したならば、吐出後の液体材料を乾燥処理し、液体材料に含まれる分散媒を蒸発させることによりアドレス電極706が形成される。
ところで、上記においてはアドレス電極706の形成を例示したが、上記表示電極711及び蛍光体709についても上記各工程を経ることにより形成することができる。
表示電極711の形成の場合、アドレス電極706の場合と同様に、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴として表示電極形成領域に着弾させる。
また、蛍光体709の形成の場合には、各色(R,G,B)に対応する蛍光材料を含んだ液体材料(機能液)を機能液滴吐出ヘッド3から液滴として吐出し、対応する色の放電室705内に着弾させる。
次に、図28は、電子放出装置(FED装置あるいはSED装置ともいう:以下、単に表示装置800と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置800を、その一部を断面として示してある。
この表示装置800は、互いに対向して配置された第1基板801、第2基板802、及びこれらの間に形成される電界放出表示部803を含んで概略構成される。電界放出表示部803は、マトリクス状に配置した複数の電子放出部805により構成されている。
第1基板801の上面には、カソード電極806を構成する第1素子電極806aおよび第2素子電極806bが相互に直交するように形成されている。また、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bで仕切られた部分には、ギャップ808を形成した導電性膜807が形成されている。すなわち、第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807により複数の電子放出部805が構成されている。導電性膜807は、例えば酸化パラジウム(PdO)等で構成され、またギャップ808は、導電性膜807を成膜した後、フォーミング等で形成される。
第2基板802の下面には、カソード電極806に対峙するアノード電極809が形成されている。アノード電極809の下面には、格子状のバンク部811が形成され、このバンク部811で囲まれた下向きの各開口部812に、電子放出部805に対応するように蛍光体813が配置されている。蛍光体813は、赤(R)、緑(G)、青(B)の何れかの色の蛍光を発光するもので、各開口部812には、赤色蛍光体813R、緑色蛍光体813Gおよび青色蛍光体813Bが、上記した所定のパターンで配置されている。
そして、このように構成した第1基板801と第2基板802とは、微小な間隙を存して貼り合わされている。この表示装置800では、導電性膜(ギャップ808)807を介して、陰極である第1素子電極806aまたは第2素子電極806bから飛び出す電子を、陽極であるアノード電極809に形成した蛍光体813に当てて励起発光し、カラー表示が可能となる。
この場合も、他の実施形態と同様に、第1素子電極806a、第2素子電極806b、導電性膜807およびアノード電極809を、液滴吐出装置1を用いて形成することができると共に、各色の蛍光体813R,813G,813Bを、液滴吐出装置1を用いて形成することができる。
第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807は、図29(a)に示す平面形状を有しており、これらを成膜する場合には、図29(b)に示すように、予め第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807を作り込む部分を残して、バンク部BBを形成(フォトリソグラフィ法)する。次に、バンク部BBにより構成された溝部分に、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bを形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)し、その溶剤を乾燥させて成膜を行った後、導電性膜807を形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)する。そして、導電性膜807を成膜後、バンク部BBを取り除き(アッシング剥離処理)、上記のフォーミング処理に移行する。なお、上記の有機EL装置の場合と同様に、第1基板801および第2基板802に対する親液化処理や、バンク部811,BBに対する撥液化処理を行うことが、好ましい。
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
本発明の実施形態に係る描画装置の平面模式図である。 本発明の実施形態に係る描画装置の正面模式図である。 実施形態に係るヘッドユニットの構成を説明する図である。 機能液滴吐出ヘッドの外観斜視図である。 ワイピング装置の外観斜視図である。 ワイピング装置の説明図であり、カバーボックスの一部を外したときの外観斜視図である。 ワイピング装置の説明図であり、カバーボックスの一部を外したときに、左側からみた外観斜視図である。 ワイピング装置の正面図である。 拭取りユニット廻りの左側面図である。 第1実施形態に係る拭取りユニット廻りの模式図である。 第2実施形態に係る拭取りユニット廻りの模式図である。 カラーフィルタ製造工程を説明するフローチャートである。 (a)〜(e)は、製造工程順に示したカラーフィルタの模式断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた第2の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた第3の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 有機EL装置である表示装置の要部断面図である。 有機EL装置である表示装置の製造工程を説明するフローチャートである。 無機物バンク層の形成を説明する工程図である。 有機物バンク層の形成を説明する工程図である。 正孔注入/輸送層を形成する過程を説明する工程図である。 正孔注入/輸送層が形成された状態を説明する工程図である。 青色の発光層を形成する過程を説明する工程図である。 青色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。 各色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。 陰極の形成を説明する工程図である。 プラズマ型表示装置(PDP装置)である表示装置の要部分解斜視図である。 電子放出装置(FED装置)である表示装置の要部断面図である。 表示装置の電子放出部廻りの平面図(a)およびその形成方法を示す平面図(b)である。
符号の説明
1 液滴吐出装置 3 機能液滴吐出ヘッド
4 描画装置 6 ヘッド保守装置
10 制御装置 11 X・Y移動機構
13 ヘッドユニット 44 ヘッド本体
45 ノズル面 47 吐出ノズル
53 ワイピング装置 115 シート供給ユニット
116 拭取りユニット 118 洗浄液噴霧ユニット
122 上部ワイピングフレーム 151 拭取りローラ
152 ローラ支持フレーム 153 ローラ昇降機構
155 圧力検出手段 164 リニアブシュ
171 ローラ昇降プレート 172 ローラ昇降シリンダ
173 ローラ昇降ガイド 174 昇降位置規制機構
178 ガイドレール 179 リニアガイド
182 上昇端位置規制部材 261 検出器
271 ローラ昇降モータ W ワーク

Claims (10)

  1. ワークに機能液滴を吐出する機能液滴吐出ヘッドのノズル面を払拭するためのワイピングシートと、
    前記払拭に際し、前記機能液滴吐出ヘッドの前記ノズル面に前記ワイピングシートを相対的に押し付ける押圧機構と、
    前記押圧機構の前記ワイピングシートへの押付け圧力を調整する押圧力調整機構と、
    前記押付け圧力を検出する圧力検出手段と、を備えたことを特徴とするワイピング装置。
  2. 前記押圧機構は、前記ワイピングシートが周回する押圧ローラと、
    前記押圧ローラを両持ちで回転自在に軸支すると共に、前記ワイピングシートを挟み込んで前記押圧ローラを、前記ノズル面に対し離接自在に支持する軸支フレームと、
    前記軸支フレームを介して、前記押圧ローラを前記ノズル面に対し離接させる離接動機構と、を有し、
    前記圧力検出手段は、前記軸支フレームと前記離接動機構との間に介設されていることを特徴とする請求項1に記載のワイピング装置。
  3. 前記圧力検出手段は、前記押圧ローラの軸方向に離間して配置した一対の検出器で、構成されていることを特徴とする請求項2に記載のワイピング装置。
  4. 前記各検出器が、ロードセルおよびひずみゲージのいずれかであることを特徴とする請求項3に記載のワイピング装置。
  5. 前記押圧力調整機構は、前記離接動機構の接触端位置を度当り調整すると共に、前記押圧ローラの軸方向に離間して配置した一対のマイクロヘッドで、構成されていることを特徴とする請求項3または4に記載のワイピング装置。
  6. 前記押圧力調整機構は、前記圧力検出手段の検出結果に基づいて、前記離接動機構の接触端位置を制御するコントローラで、構成されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載のワイピング装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のワイピング装置と、
    前記機能液滴吐出ヘッドを有し、ワークに対し前記機能液滴吐出ヘッドを相対移動させながら、前記機能液滴吐出ヘッドを駆動して前記ワークに描画を行う描画手段と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  8. 請求項7に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワークに前記機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  9. 請求項7に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワークに前記機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
  10. 請求項8に記載の電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または請求項9に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
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