JP2006238215A - 無線通信装置及び無線通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 OFDM_MIMO通信において、トレーニング系列をトーン・インターリーブして送信する際に生じるICIによる影響を除去する。
【解決手段】 複数のアンテナ間のチャネル情報より得られる各送信ストリーム間のゲイン、SN値又は固有値から、各ストリームの通信品質を測定する。ストリーム間の通信品質の差が閾値を超えるときには、各送信ストリームのトレーニング信号間で生じるICIの影響を軽減するように各送信ストリームの電力比を決定し、トレーニング系列にその電力比を掛けて伝送する。受信側では、乗算された電力比を意識せず、受信したトレーニング系列からチャネル行列を求める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、互いに直交する複数のサブキャリアを多重伝送するOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)変調方式を適用する無線通信装置及び無線通信方法に係り、特に、残留周波数オフセット誤差により生じる近隣のサブキャリア同士の干渉(ICI:インターキャリア・インターフェアレンス)による影響を除去する無線通信装置及び無線通信方法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、複数のアンテナを持つ送信機と複数のアンテナを持つ受信機が対となって、空間多重を利用して複数の論理的なチャネルを形成したMIMO(Multi Input Multi Output)通信にOFDM変調方式を適用した無線通信装置及び無線通信方法に係り、特に、サブキャリア毎にトーン・インターリーブしてMIMO伝送する際に生じるサブキャリア同士の干渉による影響を除去する無線通信装置及び無線通信方法に関する。
旧来の有線通信方式における配線から解放するシステムとして、無線ネットワークが注目されている。無線ネットワークに関する標準的な規格として、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11などを挙げることができる。
例えばIEEE802.11a/gでは、無線LANの標準規格として、マルチキャリア方式の1つであるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)変調方式が採用されている。受信機が直接波と複数の反射波・遅延波の重ね合わせを受信するというマルチパス環境下では、遅延ひずみ(又は、周波数選択性フェージング)、さらには遅延ひずみに起因するシンボル間干渉が生じるが、マルチキャリア伝送方式はその有効な対策となる。何故ならば、送信データを周波数の異なる複数のキャリアに分配して伝送するので、各キャリアの帯域が狭帯域となり、周波数選択性フェージングの影響を受け難くなるからである。
マルチキャリア伝送方式の代表例であるOFDM方式では、各サブキャリアがシンボル区間内で相互に直交するように各サブキャリアの周波数が設定されている。ここで、サブキャリアが互いに直交するとは、任意のサブキャリアのスペクトラムのピーク点が常に他のサブキャリアのスペクトラムのゼロ点と一致していることを意味する。OFDM変調方式によれば、周波数利用効率が非常に高く、周波数選択性フェージング妨害に強い。
情報伝送時には、シリアルで送られてきた情報を情報伝送レートより遅いシンボル周期毎にシリアル/パラレル変換して出力される複数のデータを各サブキャリアに割り当ててサブキャリア毎に振幅及び位相の変調を行ない、その複数サブキャリアについて逆フーリエ変換(IFFT)を行なうことで周波数軸での各サブキャリアの直交性を保持したまま時間軸の信号に変換して送信する。また、受信時はこの逆の操作、すなわちフーリエ変換(FFT)を行なって時間軸の信号を周波数軸の信号に変換して各サブキャリアについてそれぞれの変調方式に対応した復調を行ない、パラレル/シリアル変換して元のシリアル信号で送られた情報を再生する。
また、IEEE802.11aの規格では最大で54Mbpsの通信速度を達成する変調方式をサポートしているが、さらなる高ビットレートを実現できる無線規格が求められている。
無線通信の高速化を実現する技術の1つとして、MIMO(Multi−Input Multi−Output)通信が注目を集めている。これは、送信機と受信機の双方において複数のアンテナ素子を備え、空間多重した伝送路(以下、「MIMOチャネル」とも呼ぶ)を実現する通信方式であり、周波数帯域を増大させることになく、アンテナ本数に応じて伝送容量の拡大を図り、通信速度向上を達成することができる。MIMOは、チャネルの特性を利用して空間多重された各信号をクロストークなしに取り出す通信方式であり、単なる送受信アダプティブ・アレーとは相違する。例えば、IEEE802.11a/nでは、1次変調にOFDMを用いたOFDM_MIMO方式が採用されている。
MIMO伝送を構成方法としてはさまざまな方式が提案されているが、アンテナのコンフィギュレーションに応じていかにしてチャネル情報を送受信間でやり取りするかが実装上の大きな課題である。チャネル情報をやり取りするには、既知のトレーニング系列からなるリファレンス信号を送信機から受信機にのみ伝送する方法が容易であり、この場合は送信機と受信機が互いに独立して空間多重伝送を行なうことになり、オープンループ型のMIMO伝送方式と呼ばれる。また、この方法の発展形として、受信機から送信機にもプリアンブル情報をフィードバックすることによって、送受信間で理想的な空間直交チャネルを作り出すクローズドループ型のMIMO伝送方式もある。
オープンループ型のMIMO伝送方式として、例えばV−BLAST(Vertical Bell Laboratories Layered Space Time)方式を挙げることができる(例えば、特許文献1を参照のこと)。送信側では、特にアンテナ重み係数行列を与えず、単純にアンテナ毎に信号を多重化して送る。言い換えれば、アンテナ重み係数行列を得るためのフィードバック手続きが一切省略される。送信機は、多重化信号を送出する前に、受信機側でチャネル推定を行なうためのトレーニング信号を、例えばアンテナ毎に時分割で挿入する。これに対し、受信機では、チャネル推定部でトレーニング信号を利用してチャネル推定を行ない、各アンテナ対に対応したチャネル情報行列Hを算定する。そして、Zero−forcingとキャンセリングを巧妙に組み合わせることで、キャンセリングによって生じたアンテナ自由度を活用してSN比を向上させ、復号の確度を高める。
また、クローズドループ型のMIMO伝送の理想的な形態の1つとして、伝播路関数の特異値分解(SVD:Singular Value Decomposition)を利用したSVD−MIMO方式が知られている(例えば、非特許文献1を参照のこと)。SVD−MIMO伝送では、各アンテナ対に対応するチャネル情報を要素とした数値行列すなわちチャネル情報行列Hを特異値分解してUDVHを求め、送信側のアンテナ重み係数行列としてVを与えるとともに、受信側のアンテナ重み係数行列としてUHを与える。これによって、それぞれのMIMOチャネルは、各特異値λiの平方根を対角要素に持つ対角行列Dとして表され、全くクロストーク無しに信号を多重化して伝送することができる。この場合、送信機側と受信機側の双方において、空間分割すなわち空間直交多重された論理的に独立した複数の伝送路を実現することができる。
図5には、SVD−MIMO伝送システムを概念的に示している。SVD−MIMO伝送では、各アンテナ対に対応するチャネル情報を要素とした数値行列すなわちチャネル情報行列Hを特異値分解してUDVHを求め、送信側のアンテナ重み係数行列としてVを与えるとともに、受信側のアンテナ重み係数行列としてUHを与える。これによって、それぞれのMIMOチャネルは、各固有値λiの平方根を対角要素に持つ対角行列Dとして表され、全くクロストーク無しに信号を多重化して伝送することができる。この場合、送信機側と受信機側の双方において、空間分割すなわち空間直交多重された論理的に独立した複数の伝送路を実現することができる。
MIMO通信システムにおいて得られるMIMOチャネル数は、一般に、送信アンテナ本数Mと受信アンテナ本数Nのうち少ない方min[M,N]に相当する。また、送信側におけるアンテナ重み係数行列Vは、MIMOチャネル数分の送信ベクトルviで構成される(V=[v1,v2,…,vmin[M,N])。また、各送信ベクトルviの要素数は送信アンテナ本数Mである。SVD−MIMO伝送方式によれば、理論的には最大の通信容量を達成することができ、例えば送受信機がアンテナを2本ずつ持てば、最大2倍の伝送容量が得られる。
SVD−MIMO伝送では、同一の周波数及び同一の時間でありながら、クロストークのない複数の論理的に独立なMIMOチャネルを得ることができる。つまり、同時刻に同一周波数を使用して、複数のデータを無線通信で伝送することが可能となり、伝送速度の向上を実現することができる。
MIMO通信システムでは、送信機からは、送受信機間で既知のトレーニング系列からなるリファレンス信号が送られる。受信機側では、このリファレンス信号を用いてチャネル行列Hを取得し、その逆行列を受信用の重みとして用いて空間分離を行なう。SVD−MIMO通信システムでは、送信機側からは、ユーザ・データを空間多重して送信する前に、各MIMOストリーム用のVで重み付け(すなわち空間多重)されたリファレンス信号が、送信ブランチ毎に時分割多重して送信される。受信機側では、リファレンス信号を基にチャネル行列Hを取得し、これを特異値分解して受信重みと送信重みを算出する。
IEEE802.11nのようにOFDM変調を適用するSVD−MIMOでは、送信機側ではトレーニング系列をOFDM変調して(図6を参照のこと)、送信ブランチ毎に時分割送信する(図7を参照のこと)。受信機側では、サブキャリア毎にチャネル行列の取得手続きを行なう。
図8には、MIMOストリーム毎のトレーニング信号を送るためのデータ・パケットの構成例を示している。同図では、i番目のMIMOストリームのj番目のサブキャリアにおける送信重みベクトルをV(i,j)と表している。図示のように、同期獲得用のプリアンブルに続いて、Vで重み付けされたトレーニング系列がMIMOブランチ毎に時分割多重して送信され、その後に各MIMOストリームのユーザ・データが空間多重して送信される構成となっている。ここでは2×2のアンテナ構成からなる通信システムを想定しているので、チャネル行列Hは2×2の行列であり、送信用の重みは2個の2×1の送信重みベクトルV1及びV2で構成される。ユーザ・データを空間多重送信する前に、送信重みベクトルV1及びV2でそれぞれ重み付けした2つのトレーニング系列が時分割で送信される。受信機側では、サブキャリア毎にVで重み付けされたトレーニング系列を受信してチャネル行列を取得し、空間多重された送信ストリームの空間分離に使用する受信用重み算出することができる。
また、ベクトルV1及びV2でそれぞれ重み付けしたトレーニング信号を時分割送信する際、「トーン(周波数)・インターリーブ」を行なうことがある(例えば、非特許文献2を参照のこと)。トーン・インターリーブとは、OFDM_MIMO通信システムにおいてトレーニング信号を時分割送信する際に、各MIMOチャネル用のトレーニング信号を挿入する位置をサブキャリア毎に入れ替える操作のことである(図9を参照のこと)。トレーニング系列をトーン・インターリーブする目的は、各アンテナからの電力の不要なピークを避け、劣悪なクロストーク・チャネルを通って受信するMIMOストリームの受信ゲインをすべての受信ブランチにわたって均一化することにある、と言われている。
送信信号の系列をトーン・インターリーブする見返りとして、受信機側で備える自動利得制御(AGC:Automatic Gain Control)が許容すべきダイナミック・レンジを低減することができる。例えば、2×2構成のMIMOチャネルにおいて、一方の送信アンテナからの送信信号Aと他方の送信アンテナからの送信信号Bの受信ゲインに著しく大きな差が見られる場合、AGCが許容すべきダイナミック・レンジは非常に大きなものとなり、現実的でない。受信ブランチ毎に異なるAGCを装備することもできるが、チャネル状況が変動するような実際の利用環境に対応することができない。
図10には、2×2のMIMOシステムにおいて、トーン・インターリーブを行なう場合のデータ・パケットの構成例を示している。図示のパケットは、同期獲得用のプリアンブルに続いて、各MIMOチャネルのVで重み付けされたリファレンス信号が時分割多重して送信され、その後に各MIMOチャネルのユーザ・データが空間多重して送信される。リファレンス信号1の奇数番目のサブキャリアにはMIMOチャネル1に属する当該サブキャリア用の重みがかけられ、偶数番目のサブキャリアにはMIMOチャネル2に属する当該サブキャリア用の重みがかけられている。他方、リファレンス信号2の奇数番目のサブキャリアにはMIMOチャネル2に属する当該サブキャリア用の重みがかけられ、偶数番目のサブキャリアにはMIMOチャネル1に属する当該サブキャリア用の重みがかけられている。
ところで、OFDM通信機においては、周波数オフセットの問題がある。これは、送信機と受信機にそれぞれ搭載されているローカルオシレータの周波数が微妙に誤差を持つことに起因する。例えば、無線LANでは20ppm程度の精度の発振器が使用される。
通常、受信機側では周波数オフセットの補正を行なう。送信機側ではパケットの先頭に同期獲得用プリアンブルを送信する。受信機側ではこのプリアンブルを利用して同期獲得並びに送信機との周波数オフセットの観測を行ない、周波数のずれに対応してデータの位相を逆回転することにより周波数オフセットの補正が行なわれる。
ところが、実際には周波数オフセットの見積もりには誤差があるため、データに対する周波数オフセットの補償を完全には実行できず、残留周波数オフセットがデータに残ったままの受信になってしまう。例えば、ノイズその他の影響により周波数オフセット量の算出において誤差が生じた場合などには周波数誤差が残留する。
OFDM通信システムの場合、受信側でFFTを行なった後のデータは周波数領域のデータになる。送信側のIFFTと受信側のFFTの周波数が一致していると、受信側では送信信号を完全に再現することができる。これに対し、残留周波数オフセットが存在する場合には、周波数軸上における各サブキャリアの位置が送受信間でずれるという現象として観測される。その結果として、隣接するサブキャリア同士が干渉し合うというICI(インターキャリア・インターフェアレンス:以下、「サブキャリア間干渉」とも呼ぶ)を生じる。勿論、ICIは、周波数軸上の両隣のサブキャリアからだけでなく、他のすべてのサブキャリアからも被る。あるサブキャリアが隣接するサブキャリアから受ける干渉量I(但しデシベル表現)を残留周波数オフセット量F_Offsetから見積もるための式を以下に示す。ここでは、5GHz帯のOFDM無線機において、64ポイントのFFTを使用して、サブキャリア間隔が0.3125MHzの場合を想定している。
Figure 2006238215
例えば、残留周波数オフセットF_OffSetが300Hzの場合に隣接のサブキャリアからの干渉は、−24[dB]になる。但し、上記の式は、すべてのサブキャリアの電力が同等の場合の見積もりである。干渉を与えるサブキャリアの電力が干渉を被るサブキャリアの電力よりも極端に大きい場合には、その電力差が上乗せされた干渉量となる。例えば、干渉を与えるサブキャリアの大きさが干渉を受けるサブキャリアよりも10dBだけ大きな場合には、−24+10dB=−14dBとより大きな干渉を受けることになる(図11を参照のこと)。
通常の(すなわちSISO(Single Input Single Output)方式の)OFDM通信システムにおいては、隣接するサブキャリア間では電力の連続性があるので、過度のICIを生じることはなく、受信処理において他のサブキャリアからの干渉量をほとんど無視することができる。
また、データ・パケットにおいてMIMOチャネル毎のリファレンス信号を時分割で送る際に、それぞれのリファレンス信号のサブキャリアには特定のMIMOチャネル用の重みを掛けている。図8に示したように、各MIMOチャネル用のリファレンス信号を挿入する位置を全サブキャリアにわたって統一している場合には、サブキャリアの連続性が保たれることから、想定し得る残留周波数オフセットの範囲内では過度のサブキャリア間干渉を生じることはないと思料される。
これに対し、トレーニング系列にトーン・インターリーブを施した場合には、各トレーニング系列において周波数軸上に並ぶサブキャリアに電力の連続性が保証されなくなることから(図9を参照のこと)、過度のICIを生じる可能性がある。そして、有効なトレーニング系列を得られないことからチャネル行列を正確に算出することができず、結果として受信信号をMIMOストリーム毎に空間分離できなくなる。
周波数オフセットがなく、互いに同等の品質のチャネルを通ったMIMOチャネルについては、トーン・インターリーブされた各送信ブランチからのトレーニング信号は完全に周波数直交するので、サブチャネル間干渉の影響はなく、有効なチャネル推定を行なうことができる(図12を参照のこと)。ところが、受信機において周波数オフセットが大きいと、OFDMの直交崩れにより、隣接するサブキャリアからの干渉を受け易くなる。サブキャリアの信号レベルが高ければ影響は小さくて済むが、現実のチャネルでは各送信ストリームのチャネル特性は大きく異なることが多く、サブキャリア間干渉の問題は無視できない。信号レベルの大きいものと小さいものの電力の差が10dB程度ある場合には、残留周波数オフセットを原因にしたICIに電力差が上乗せされ、−24dB+10dB=−14dBにまでサブキャリア間干渉が悪化することになる。
SVD−MIMO通信システムにおいて、特異値分解という処理は、MIMOチャネル本数分の特異値λiを算出し、これらの特異値を(大きい順に)対角行列Dの対角要素に並べ替えるという操作まで含んでいることから、送信ストリーム間の品質の差が顕著となる。特異値λiは対応するMIMOチャネルの通信品質すなわち信号電力に相当する。
この点について、もう少し具体的に説明する。簡単化のため、2×2のMIMOシステムにおいて、完全なる空間直交が成立する場合を想定する。
Figure 2006238215
上式(9)において、y、λ、xは、受信信号、チャネル利得に相当する固有値、送信信号をそれぞれ示す。同式から分かるように、受信信号xはMIMOチャネルを通ってあるチャネル利得を以って復号される。したがって、チャネル利得に大きな差があると、トレーニング系列の受信信号レベルは送受信ブランチ間で大きな差を生じる(例えば、対角行列Dの中の成分であるλ1とλ2の大きさが例えば10dBくらいの差がある場合。図13を参照のこと)。このような状況でさらに受信機で周波数オフセットの補正が完全でないと、サブキャリア間干渉の影響は無視できなくなる。
結果として、チャネル推定に致命的な誤差を含むことになり、MIMO合成により受信信号を空間分離するときに、サブキャリア間干渉の影響がクロストーク成分として現れ、受信特性を劣化させる。
以上の問題は、高レートの変調方式を用いたMIMO無線機ほど顕著に現れる。特に、送信ストリーム毎に異なる変調方式を割り当ててSVD−MIMO伝送を行なうシステムでは、MIMOチャネル間で品質の差が開くほど高レートの変調方式を用いるので、サブキャリア間干渉の問題は無視できない。
特開平10−84324号公報 http://radio3.ee.uec.ac.jp/MIMO(IEICE_TS).pdf(平成15年10月24日現在) http://www.803wirelessworld.com/index.jsp
本発明の目的は、複数のアンテナを持つ送信機と複数のアンテナを持つ受信機が対となって、空間多重を利用して複数の論理的なチャネルを形成したOFDM_MIMO通信を行なう際の、残留周波数オフセット誤差により生じる近隣のサブキャリア同士の干渉による影響を好適に除去することができる、優れた無線通信装置及び無線通信方法を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、OFDM_MIMO通信において、受信機側でチャネル行列を取得するための各空間チャネル用のトレーニング系列をトーン・インターリーブして送信する際に生じるサブキャリア同士の干渉による影響を好適に除去することができる、優れた無線通信装置及び無線通信方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、複数のアンテナを備え、複数のアンテナを持つ受信機と対となって形成される複数の空間チャネル上で空間多重伝送する無線通信装置であって、
ユーザ・データ及び送受信アンテナ間のチャネル特性を推定するために使用するトレーニング系列を含む送信データを生成する送信データ生成部と、
各空間チャネルのチャネル特性に基づいて得られる送信重みを用いて送信データを空間多重して複数の送信ストリームを生成する空間多重部と、
各送信ストリームに対し、周波数軸上で互いに直交する複数のサブキャリアにOFDMマッピングするOFDM変調部と、
トレーニング系列を伝送する際の各送信ストリームの電力比を決定する電力比決定部と、
トレーニング系列に該決定された電力比に基づいて各送信ストリームに電力を割り当てる電力割当て部と、
各送信ストリームを前記の各アンテナから空間チャネルに送出する送信部と、
を具備することを特徴とする無線通信装置である。
本発明に係る無線通信装置は、複数のアンテナを備え、互いに独立した複数の論理チャネルすなわちMIMOチャネルを構成するMIMO通信方式を適用することができる。また、本発明に係る無線通信装置は、周波数利用効率を上げるとともにマルチパス環境における遅延歪みの問題などを解決するために、OFDM変調方式を適用している。MIMO伝送を行なう無線通信装置は、空間チャネルのチャネル特性を取得し、チャネル特性に基づいて得られる送信重みを用いて空間多重された複数の送信ストリームを生成する。MIMO通信方式によれば、周波数帯域を増大させることになく、アンテナ本数に応じて伝送容量の拡大を図り、通信速度向上を達成することができる。
無線通信システムにおいては、送信機と受信機にそれぞれ搭載されているローカルオシレータの周波数が微妙に誤差を持つことに起因して、残留周波数オフセットが受信信号に含まれる。OFDM通信方式では、残留周波数オフセットは、周波数軸上における各サブキャリアの位置が送受信間でずれるという現象として観測される。その結果として、隣接するサブキャリア同士が干渉し合うというサブキャリア間干渉を生じ、受信側で送信信号を正確に再現することができなくなる。
サブキャリア間干渉の問題は、干渉を与えるサブキャリアの電力が干渉を被るサブキャリアの電力よりも極端に大きい場合に顕在化する。一般的なOFDM通信においては、周波数軸上に並んだサブキャリア間で信号電力に連続性がある。また、OFDM_MIMO通信においても、MIMOチャネル毎にサブキャリア間で信号電力に連続性があると考えられる。
ここで、MIMO通信はチャネル特性を利用した通信方式であり、パケットを伝送する際に、受信機側でチャネル行列を取得するために各空間チャネル用のトレーニング信号が時分割で付加される。また、各アンテナからの電力の不要なピークを避けるために、周波数軸上に並ぶサブキャリア毎に、各空間チャネル用のトレーニング信号を挿入する位置を入れ替えるトーン・インターリーブが施されることがある。
ところが、このようなトーン・インターリーブ処理により、各トレーニング信号において、周波数軸上に並ぶサブキャリアに電力の連続性が保証されなくなるので、サブキャリア間干渉量が無視できなくなる。有効なトレーニング信号を得られないことからチャネル行列を正確に算出することができず、結果として各ストリームの受信信号をクロストークなしに空間分離できなくなる。
SVD−MIMO通信システムにおいては、MIMOチャネル毎に算出された特異値を大きい順に対角行列Dの対角要素に並べ替える操作を行なうことから、MIMOチャネル間で通信品質に大きな差がある場合には、トーン・インターリーブすると隣接サブキャリア間でさらに電力差が生じることから、サブキャリア間干渉量は増大する。
これに対し、本発明に係る無線通信装置は、前記電力比決定部は、前記受信機が持つ周波数オフセットに基づいて推定される、トレーニング系列におけるサブキャリア間干渉量を軽減するように、トレーニング系列を伝送する際の各送信ストリームの電力比を決定し、前記電力割当て部は、トレーニング系列にOFDM変調を施す際に、該決定された電力比に基づいて各送信ストリームに電力を割り当てるようになっている。したがって、受信機側でチャネル行列を取得するための各空間チャネル用のトレーニング系列をトーン・インターリーブして送信する際に生じるサブキャリア同士の干渉による影響を好適に除去することができる。
ここで、前記電力比決定部は、各送信ストリームの通信品質が均等に近づくように、トレーニング系列を伝送する際の各送信ストリームの電力比を決定することで、実質的に、トレーニング系列におけるサブキャリア間干渉量を軽減するような電力比を求めることができる。
また、前記電力比決定部は、各送信ストリームが持つ通信品質とともに、前記受信機が持つ周波数オフセットに基づいて推定されるサブキャリア間干渉量を考慮して電力比を決定する。
本発明に係る無線通信装置は、各送信ストリームの通信品質を取得する通信品質取得部をさらに備え、前記電力比決定部は、各送信ストリームが持つ通信品質に基づいてトレーニング系列を伝送する際の各送信ストリーム間の電力比を決定するようにしてもよい。前記通信品質取得部は、具体的には、各送受信アンテナ間のチャネル情報より得られる送信ストリーム間のゲイン、SN値、又はチャネル行列の特異値分解により得られる各送信ストリームの固有値のうち少なくとも1つに基づいて通信品質を取得することができる。
通常のSVD−MIMO通信システムでは、チャネル行列Hを特異値分解して得られる対角行列Dの各対角要素である固有値に基づいて、各ストリームの通信品質を求める。そして、固有値すなわち通信品質に基づいて送信ストリーム毎に異なる変調方式を割り当てるときには、ストリーム間で通信品質が均等に近づくように、例えば注水定理を用いて各送信ストリームの電力比パラメータを決定し、電力割当てを行なうようになっている。ここで行なわれる電力割当ては、空間多重するユーザ・データ部分に関する電力割当てであって、従来はトレーニング信号部分において電力割り当ては行なわれていない。
これに対し、トーン・インターリーブされたトレーニング信号部分におけるサブキャリア間干渉による影響を除去するために、トレーニング信号に対し電力割当てを行なう、という点で相違する。
勿論、前記電力比決定部は、ユーザ・データを伝送する際に用いられる電力比パラメータに基づいて、トレーニング系列を伝送する際の各送信ストリーム間の電力比を決定するようにしてもよい。
また、前記電力比決定部は、常に電力配分を決定するための処理を行なう必要はない。多くの場合、送受信機間の周波数オフセットは装置固有の値であるから、周波数オフセットに起因するサブキャリア間干渉量並びにこの影響を除去するためのストリーム毎の電力比パラメータを事前に推定し、これをあらかじめ通信装置に設定しておくことができる。そして、温度変化やその他の周囲環境の変化により各送信ストリームの通信品質の差が所定の閾値を超えた場合など、あらかじめ設定されている電力比パラメータが有効でなくなったときにのみ、前記電力比決定部は、各送信ストリームが持つ通信品質に基づいてトレーニング系列を伝送する際の各送信ストリーム間の電力比を決定するようにしてもよい。
本発明に係る無線通信装置をMIMO通信システムにおける送信機として用いた場合、その通信相手となる受信機側には、電力比パラメータが乗算されたトレーニング系列が届くことになる。この場合、受信機は、電力比パラメータが乗算されたチャネル行列を得ることになるから、その逆行列を用いて空間分離を行なう際に、受信信号の信号空間上の振幅の大きさが元に戻り、電力比パラメータ成分は取り除かれるので、正確なデマッピング処理を行なうことができる。したがって、送信機側でトレーニング系列に電力比を乗算しても、受信機側ではトレーニング系列用の電力推定を行なう必要はない。
また、本発明の第2の側面は、複数のアンテナを備えた通信機と対となって形成される複数の空間チャネル上で空間多重伝送するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ・システムに対し、
ユーザ・データ及び送受信アンテナ間のチャネル特性を推定するために使用するトレーニング系列を含む送信データを生成する送信データ生成手順と、
各空間チャネルのチャネル特性に基づいて得られる送信重みを用いて送信データを空間多重して複数の送信ストリームを生成する空間多重手順と、
トレーニング系列を伝送する際の各送信ストリームの電力比を決定する電力比決定手順と、
トレーニング系列に該決定された電力比に基づいて各送信ストリームに電力を割り当てる電力割当て手順と、
各送信ストリームに対し、周波数軸上で互いに直交する複数のサブキャリアにOFDMマッピングするOFDM変調手順と、
各送信ストリームを前記の各アンテナから空間チャネルに送出する送信手順と、
を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第2の側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1の側面に係る無線通信装置と同様の作用効果を得ることができる。
本発明によれば、複数のアンテナを持つ送信機と複数のアンテナを持つ受信機が対となって、空間多重を利用して複数の論理的なチャネルを形成したOFDM_MIMO通信を行なう際の、残留周波数オフセット誤差により生じる近隣のサブキャリア同士の干渉による影響を好適に除去することができる、優れた無線通信装置及び無線通信方法を提供することができる。
また、本発明によれば、OFDM_MIMO通信において、受信機側でチャネル行列を取得するための各空間チャネル用のトレーニング系列をトーン・インターリーブして送信する際に生じるサブキャリア同士の干渉による影響を好適に除去することができる、優れた無線通信装置及び無線通信方法を提供することができる。
本発明によれば、送信ストリーム毎に異なる変調方式を割り当てるSVD−MIMO通信システムにおいて、トレーニング系列のトーン・インターリーブを施す場合に、高レートの変調方式を用いてMIMO伝送を行なう場合であっても、サブキャリア間干渉による影響を軽減することができる。
また、本発明に係る無線通信装置及び無線通信方法によれば、チャネル状況や送信重み係数に依存せず、パケット中のトレーニング系列以降のデータ部分の信号レベルが安定するので、通信相手となる受信機側では、AD変換器のビット数削減などの効果を期待することができる。
また、本発明によれば、送信機側でトレーニング系列に電力比を乗算しても、受信機側ではトレーニング系列用の電力推定を行なう必要はない。何故ならば、受信機側は、電力比パラメータが乗算されたチャネル行列を得るので、その逆行列を用いて空間分離を行なう際に受信信号の信号空間上の振幅の大きさが元に戻り、正確なデマッピング処理を行なうことができるからである。
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
本発明は、伝送信号を空間的に多重化して通信するMIMO通信システムに関する。MIMO通信システムでは、複数のアンテナを持つ送信機と複数のアンテナを持つ受信機が対となって、互いに独立した複数の論理チャネルすなわち「MIMOチャネル」を構成するように、送信機又は受信機の一方又は両方でアンテナ合成を行なう。MIMO通信方式によれば複数のRF送受信部を1つの無線機に集約して大容量データ伝送を実現する。本発明では、とりわけ、チャネル行列を特異値分解(SVD)して送受信重みを得るSVD−MIMO方式に関する。また、周波数利用効率を上げるとともにマルチパス環境における遅延歪みの問題などを解決するために、OFDM変調方式を適用している。
図1には、本発明の一実施形態に係るMIMO通信システムの構成を模式的に示している。図示の例では、それぞれ複数のアンテナ素子を備えたMIMO送信機とMIMO受信機が対となってOFDM_MIMO伝送を行なう。
MIMO送信機は、データ生成部11と、空間多重部12と、OFDM変調部13と、電力比制御部14とを備えている。なお、図面の簡素化のため省略しているが、アンテナ毎にD/A変換器及び送信用アナログ処理部を備えているものとする。
データ生成部11は、通信プロトコルの上位レイヤから送られてきた送信データを誤り訂正符号で符号化するとともに、BPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAMなどの所定の変調方式により送信信号を信号空間上にマッピングする。データ生成部11は、チャネル行列Hを特異値分解して得られる対角行列Dの各対角要素である固有値すなわち通信品質に基づいて送信ストリーム毎に異なる変調方式を割り当てるようにしてもよい。
また、データ生成部11では、送受信アンテナ間のチャネル特性を推定するために使用するトレーニング系列を生成する。本実施形態では、周波数軸上に並ぶサブキャリア毎に、各送信ストリーム用のトレーニング系列を挿入する位置を入れ替えるトーン・インターリーブを施す。そして、各送信ストリーム用のトレーニング系列を送信ブランチ毎に時分割送信する(図9及び図10を参照のこと)。
送信データを生成する時点で、パイロット・シンボル挿入パターン並びにタイミングに従って、既知のデータ系列をパイロット・シンボルとして変調シンボル系列に挿入する。サブキャリア毎あるいはサブキャリア数本の間隔で、既知パターンからなるパイロット信号が挿入される。
空間多重部12は、送信相手からの受信信号に基づいて取得されるチャネル行列Hから求まる送信重みを各MIMOチャネル用のデータに乗算して空間多重を行なう。空間多重部12内の構成は、MMSFやZero−forcingなどのオープンループ型MIMO方式、又はSVD−MIMOなどのクローズドループ型MIMO方式によって異なる。チャネル行列Hを特異値分解(SVD)して得られた送信重み行列Vを算出する方法については、既に説明した通りである。
なお、送受信機間のチャネル行列Hは、厳密にはアップリンクとダウンリンクの各方向で相違するが、送受信機それぞれの送受信アナログ回路が持つ伝達関数のキャリブレーション処理を施すことにより、双方向で利用可能なチャネル行列を得ることができる。但し、キャリブレーション処理自体は本発明の要旨に直接関連しないので、ここではこれ以上説明しない。
OFDM変調部13では、変調されたシリアル形式の信号を、並列キャリア数並びにタイミングに従って、並列キャリア数分のパラレル・データに変換してまとめた後、所定のFFTサイズ並びにタイミングに従ってFFTサイズ分の逆フーリエ変換(IFFT)を行なう。
ここで、シンボル間干渉の除去のため、1OFDMシンボルの前後にガード・インターバル区間を設けるようにしてもよい。ガード・インターバルの時間幅は、伝搬路の状況、すなわち復調に影響を及ぼす遅延波の最大遅延時間によって決定される。そして、直列の信号にパラレル・シリアル変換し、周波数軸での各キャリアの直交性を保持したまま時間軸の信号に変換して、送信信号とする。
電力比制御部14は、各送信ストリーム間の電力比を決定する。通常のSVD−MIMO通信システムでは、チャネル行列Hを特異値分解して得られる対角行列Dの各対角要素である固有値に基づいて、各ストリームの通信品質を求める。そして、固有値すなわち通信品質に基づいて送信ストリーム毎に異なる変調方式を割り当てるときには、ストリーム間で通信品質が均等に近づくように、例えば注水定理を用いて各送信ストリーム間の電力比パラメータを決定し、電力割当てを行なうようになっている。
注水定理によれば、帯域又は時刻により雑音電力が異なる場合に、測定した雑音電力と信号電力との和(基準電力)とが等しくなるように帯域又は時刻毎に電力を設定して通信を行なうことで、平均送信信号電力当たりの通信容量を大きくすることができる。基準電力は、例えば符号化に用いる符号の誤り訂正能力や、受信機側の受信状態のフィードバックに基づいて決定することができる。注水定理を用いた電力割当てに関しては、例えば本出願人に既に譲渡されている特願2004−140486号明細書に開示されている。
従来のMIMO通信システムでは、空間多重するユーザ・データ部分に関して電力割当てを行なうものがある。これに対し、本実施形態では、電力比制御部14がトレーニング系列を伝送する際の各送信ストリーム間の電力比パラメータを決定してトレーニング信号に対しても電力割当てを行なうことにより、トーン・インターリーブされたトレーニング信号部分におけるサブキャリア間干渉による影響を除去するようになっている。但し、電力割当ての仕組みの詳細については、後述に譲る。
アンテナ毎の送信信号は、それぞれのD/A変換によりアナログのベースバンド信号に変換され、さらにそれぞれの送信用アナログ処理によりRF周波数帯にアップコンバートされてから、各アンテナより各MIMOチャネルへ送出される。
一方、MIMO受信機は、OFDM復調部21と、空間分離部22と、データ再生部23と、電力比制御部24を備えている。なお、受信機は、アンテナ毎の受信用アナログ処理部及びA/D変換器、同期獲得部を備えているが、同図では図面の簡素化のため省略している。
各アンテナより受信した信号を、各受信ブランチでRF周波数帯からベースバンド信号にダウンコンバートし、それぞれのA/D変換器により、デジタル信号に変換する。各アンテナ系統のデジタル・ベースバンド信号は、同期獲得により検出された同期タイミングに従って、シリアル・データとしての受信信号をパラレル・データに変換してまとめられる(ここでは、ガード・インターバルまでを含む1OFDMシンボル分の信号がまとめられる)。
また、この段階で周波数誤差推定値に基づいて、それぞれのデジタル・ベースバンド信号に対しタイミング誤差の除去並びに周波数補正が行なわれる。但し、実際には周波数オフセットの見積もりには誤差があるため、残留周波数オフセットが残ってしまう(前述)。残留周波数オフセットは装置固有の値であるから、例えば出荷時などに無線通信装置内にあらかじめ記憶させておくようにしてもよい。勿論、空間分離後のMIMOチャネルの信号から直接推定するようにしてもよい。
OFDM復調部21は、有効シンボル長分の信号をフーリエ変換(FFT)により時間軸の信号を周波数軸の信号に変換し、受信信号をサブキャリア信号に分解する。
MIMO受信機は、パケットのプリアンブル部に含まれるトレーニング系列のFFT出力を基に、チャネル行列Hをサブキャリア毎に生成し、このチャネル行列を利用して、送受信重みを算出することができる。具体的には、MIMO送信機側からは各MIMOチャネルに対応したトレーニング信号が時分割で送られてくるので、各トレーニング信号から取得した伝達関数を各列ベクトルとして構成されるチャネル行列Hを求め、これを基に得られる受信重みを空間分離部22に与える。
空間分離部22は、与えられた受信重みを利用して、パケットのデータ部のFFT出力をサブキャリア毎にMIMO合成して、独立した複数のMIMOストリームに分離する。空間分離部22内の構成は、MMSFやZero−forcingなどのオープンループ型MIMO方式、又はSVD−MIMOなどのクローズドループ型MIMO方式によって異なる。チャネル行列Hを特異値分解(SVD)して得られた送信重み行列Vを算出する方法については、既に説明した通りである。
データ再生部23は、位相回転補正後に、位相空間(constallation)上の変調点から元の値に復調して、MIMO送信機から送出された元のデータを再現する。本実施形態では、データ再生部23は、MIMOストリーム毎に適応的に設定される変調符号化方式を適用する。
電力比制御部24は、各受信ストリーム間の電力比を決定する。通常のSVD−MIMO通信システムでは、ストリーム間で通信品質が均等に近づくように、例えば注水定理を用いて各送信ストリーム間の電力比パラメータを決定し、電力割当てを行なうようになっている(前述)。
パケットのユーザ・データ部分に関する電力割当ては、本発明の要旨に直接関連しないのでここではこれ以上説明しない。本実施形態では、トーン・インターリーブされたトレーニング信号部分におけるサブキャリア間干渉による影響を除去するという目的で、MIMO送信機側でトレーニング系列を伝送する際の各送信ストリーム間の電力比パラメータを決定してトレーニング信号に対し電力割当てが行なわれる点に特徴がある(前述)。
この場合、MIMO受信機側では、電力比パラメータが乗算されたトレーニング系列を基に、電力比パラメータが乗算されたチャネル行列を得ることになる。その逆行列を用いて空間分離を行なう際、受信信号の信号空間上の振幅の大きさが元に戻されることから、正確なデマッピング処理を行なうことができる。したがって、送信機側でトレーニング系列に電力比を乗算しても、受信機側の電力比制御部24は、トレーニング系列用の電力推定を行なう回路モジュールを備える必要はない。
無線通信では、送信機と受信機にそれぞれ搭載されているローカルオシレータの周波数が微妙に誤差を持つことに起因して、残留周波数オフセットが受信信号に含まれている。OFDM通信システムでは、残留周波数オフセットは、周波数軸上における各サブキャリアの位置が送受信間でずれ、すなわちサブキャリア間干渉という現象として現れる。
SISO方式のOFDM通信システムでは、隣接するサブキャリア間では電力の連続性があるので、過度のサブキャリア間干渉を生じることはなく、受信処理において他のサブキャリアからの干渉量をほとんど無視することができる。また、MIMO通信システムにおいてリファレンス信号を時分割送信する際に、各MIMOチャネル用のリファレンス信号を挿入する位置を全サブキャリアにわたって統一している場合には(図8を参照のこと)、サブキャリアの連続性が保たれることから、想定し得る残留周波数オフセットの範囲内では過度のサブキャリア間干渉を生じることはない。
ところが、リファレンス信号にトーン・インターリーブを施し、各MIMOチャネル用のリファレンス信号を挿入する位置をサブキャリア毎に入れ替えを行なう場合には(図9を参照のこと)、各リファレンス信号において、周波数軸上に並ぶサブキャリアに電力の連続性が保証されなくなるため、過度のサブキャリア間干渉を生じる可能性がある。とりわけ、SVD−MIMO通信システムにおいて、MIMOチャネル毎の通信品質に大きな差があると、サブキャリア間干渉の影響がさらに増幅される。サブキャリア間干渉により、有効なリファレンス信号を得られないことからチャネル行列を正確に算出することができず、結果として受信信号をMIMOチャネル毎に空間分離できなくなる。
そこで、本実施形態では、電力比制御部14がトレーニング系列を伝送する際の各送信ストリーム間の電力比パラメータを決定してトレーニング信号に対し電力割当てを行ない、トーン・インターリーブされたトレーニング信号部分におけるサブキャリア間干渉による影響を除去するようになっている。
図2には、MIMO送信機において送信データに電力割当てを行なうための機能構成を模式的に示している。データ生成部11により生成された各MIMOストリームのユーザ・データ部分並びにトレーニング系列に対し、電力比決定部14により決定された電力比パラメータを乗算して電力割当てが行なわれる。
電力比制御部14は、各送信ストリームの通信品質が均等に近づくように、トレーニング系列を伝送する際の各送信ストリーム間の電力比を決定することで、実質的に、トレーニング系列におけるサブキャリア間干渉量を軽減するような電力比を求める。このような場合、チャネル行列を取得するための各空間チャネル用のトレーニング系列をトーン・インターリーブして送信する際に生じるサブキャリア同士の干渉による影響を、MIMO受信機側で好適に除去することができる。
電力比制御部14は、各送信ストリームが持つ通信品質とともに、MIMO受信機が持つ周波数オフセットに基づいて推定されるサブキャリア間干渉量を考慮して電力比を決定するようにしてもよい。周波数軸上のサブキャリアの信号電力が連続的であると仮定した場合、上式(9)を用いて、残留周波数オフセットに基づいてサブキャリア間干渉量を推定することができる。
また、電力比制御部14は、各送信ストリームの通信品質を取得し、各送信ストリームが持つ通信品質に基づいてトレーニング系列を伝送する際の各送信ストリームの電力比を決定するようにしてもよい。具体的には、各送受信アンテナ間のチャネル情報より得られる送信ストリーム間のゲイン、SN値、チャネル行列の特異値分解により得られる各送信ストリームの固有値などに基づいて通信品質を取得することができる。
電力比制御部14は、ユーザ・データを伝送する際には、ストリーム間で通信品質が均等に近づくように電力比パラメータを決定する。SVD−MIMO通信方式において、チャネル行列Hを特異値分解して得られる対角行列Dの各対角要素である固有値すなわち通信品質に基づいて送信ストリーム毎に異なる変調方式を割り当てるときには、ストリーム間で通信品質が均等に近づくように、例えば注水定理を用いて各送信ストリームの電力比パラメータを決定し、電力割当てを行なう(前述)。電力比制御部14は、ユーザ・データを伝送する際に用いられる電力比パラメータをそのままトレーニング系列を伝送する際の各送信ストリーム間の電力比として用い、電力割当てを行なうようにしてもよい。
MIMO受信機側では、各MIMOストリームの受信信号xiはMIMOチャネルを通過する際のチャネル利得λiを以って復号される(式(9)を参照のこと)。したがって、SVD−MIMO方式のようにMIMOストリーム間でチャネル利得に大きな差があると、トレーニング系列の受信信号レベルは送受信ブランチ間で大きな差を生じることとなる。このような場合、周波数オフセットの補正が完全でないと、図13に示したように、チャネル利得の低いサブキャリアは隣接する(若しくは近隣の)サブキャリアからの干渉による影響を無視できなくなる。
これに対し、本実施形態では、MIMO送信機側において電力比制御部14が、ストリーム間で通信品質が均等に近づくように各送信ストリームの電力比パラメータを決定して、電力割当てを行なうようになっている。これによって、MIMOストリーム間でのチャネル利得の差が緩和されることから、MIMO受信機側では、周波数オフセットの補正が完全でなくても、サブキャリア間干渉による影響を軽減することができる。
電力比制御部14は、常にストリーム毎の電力配分を決定するための制御動作を起動する必要はない。多くの場合、送受信機間の周波数オフセットは装置固有の値であるから、周波数オフセットに起因するサブキャリア間干渉量並びにこの影響を除去するためのストリーム毎の電力比パラメータを事前に推定し、これをあらかじめ通信装置に設定しておくことができる。そして、温度変化やその他の周囲環境の変化により各送信ストリームの通信品質の差が所定の閾値を超えた場合など、あらかじめ設定されている電力比パラメータが有効でなくなったときにのみ、電力比制御部14は、各送信ストリームが持つ通信品質に基づいてトレーニング系列を伝送する際の各送信ストリーム間の電力比を決定するようにしてもよい。
固定通信などのチャネル状況があまり変化しないような通信環境では、電力比の設定方法として、あらかじめ送受信機間で情報を交換して、固定の電力比パラメータを準備するようにしてもよい。図3には、このような場合の各送信ストリームの電力比を乗算するための処理手順の一例を示している。
MIMO送信機側では、パケットを送信する際に、あらかじめ設定された電力比パラメータが有効であるか否かをチェックする(ステップS1)。
ここで、有効であると判断された場合には、あらかじめ設定された電力比パラメータを各送信ストリームのトレーニング系列に乗算する(ステップS2)。
また、温度変化やその他のチャネル状況の変化などにより、あらかじめ設定された電力比パラメータがもはや有効でないと判断されたときには、送受信機間で有効となる電力比パラメータを設定する処理ステップを実行する(ステップS3)。
この場合、MIMO送信機は、各送受信アンテナ間のチャネル情報より得られる送信ストリーム間のゲイン、SN値、チャネル行列の特異値分解により得られる各送信ストリームの固有値などに基づいて通信品質を取得し、これと周波数オフセットから見積もられるサブキャリア間干渉量に基づいて、電力比パラメータを求める。勿論、実機上で逐次的に電力比パラメータを演算処理するのではなく、複数の条件下での電力比パラメータをあらかじめ求めてこれをテーブルとして保持しておき、テーブル上の値を補間して有効な電力比パラメータを計算するようにしてもよい。
この際、隣接チャネル間で受信レベルが均一になるような電力比に設定してもよいし、周波数オフセットの見積もりから算出されるサブキャリア間干渉量の影響が少なくなるように電力比を調整するようにしてもよい。
一方、機器の移動が前提となる利用環境では、送受信機間での周波数オフセットが著しく変動するため、あらかじめ送受信機間で情報を交換して固定の電力比パラメータを準備することは現実的でない。この場合には、通信の都度、パケットの伝送の前に、送信側で通信品質を獲得し、互いの機器の周波数オフセットの見積もり値を参照して、サブキャリア間干渉による影響が少なくなるように、電力比パラメータを決定する必要がある。図4には、このような場合の各送信ストリームの電力比を乗算するための処理手順の一例を示している。
MIMO送信機側では、MIMO受信機との周波数オフセットの見込み値を設定し、例えば前述の式(8)を用いてMIMO受信機側で生じるサブキャリア間干渉量を推定する(ステップS11)。
さらに、ストリーム毎の通信品質を取得する(ステップS12)。例えば、各送受信アンテナ間のチャネル情報より得られる送信ストリーム間のゲイン、SN値、チャネル行列の特異値分解により得られる各送信ストリームの固有値などに基づいて通信品質を取得することができる。
電力比制御部14では、周波数オフセットから見積もられるサブキャリア間干渉量と、各送信ストリームの通信品質に基づいて、電力比パラメータを求める(ステップS13)。
そして、トーン・インターリーブされたトレーニング系列をOFDM変調する際には、このようにして決定された電力比パラメータを各送信ストリームのトレーニング系列に乗算する(ステップS14)。
各送信ストリームの電力比パラメータを決定する際には、チャネル行列の特異値分解から得られる固有値を用いて注水定理から求まる電力比を用いてもよい。あるいは、あらかじめ設定された電力比テーブルを基に、各送信ストリームに割り当てるべき変調方式、電力比と周波数オフセットの見積もり値を鑑みて決定するようにしてもよい。この際、隣接チャネル間で受信レベルが均一になるような電力比に設定してもよいし、周波数オフセットの見積もりから算出されるサブキャリア間干渉量の影響が少なくなるように電力比を調整するようにしてもよい。
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。
本明細書では、OFDM変調を適用するSVD−MIMO通信機に対して本発明を適用した実施形態を中心に説明してきたが、本発明の要旨はこれに限定されるものではない。SVD−MIMO以外のクローズドループ型MIMO通信システムや、オープンループ型MIMO通信システムにおいても、隣接するサブキャリア間で電力が不連続となる場合には、残留周波数オフセットによるサブキャリア間干渉(ICI)の影響を除去又は緩和するために、本発明を好適に適用することができる。
要するに、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明細書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲の記載を参酌すべきである。
図1は、本発明の一実施形態に係るMIMO通信システムの構成を模式的に示した図である。 図2は、MIMO送信機において送信データに電力割当てを行なうための機能構成を模式的に示した図である。 図3は、あらかじめ送受信機間で情報を交換して、固定の電力比パラメータを準備する場合において、各送信ストリームの電力比を乗算するための処理手順を示した図である。 図4は、通信の都度、パケットの伝送の前に、送信側で通信品質を獲得し、互いの機器の周波数誤差の見積もり値を参照して、サブキャリア間干渉による影響が少なくなるように、電力比パラメータを決定して各送信ストリームの電力比を乗算するための処理手順を示した図である。 図5は、SVD−MIMO伝送システムを概念的に示した図である。 図6は、MIMO送信機側でトレーニング系列をOFDM変調して送信する様子を示した図である。 図7は、送信機側ではトレーニング系列を送信ブランチ毎に時分割で送信する様子を示した図である。 図8は、MIMOストリーム毎のトレーニング信号を送るためのデータ・パケットの構成例を示した図である。 図9は、各MIMOチャネル用のトレーニング信号を挿入する位置をサブキャリア毎に入れ替えるトーン・インターリーブ操作を行なう様子を示した図である。 図10は、2×2のMIMOシステムにおいて、トーン・インターリーブを行なう場合のデータ・パケットの構成例を示した図である。 図11は、隣接するサブキャリア同士で干渉を起こす様子を示した図である。 図12は、トーン・インターリーブされた各送信ブランチからのトレーニング信号が完全に周波数直交する様子を示した図である。 図13は、トーン・インターリーブされた各送信ブランチからのトレーニング信号が周波数直交せず、サブキャリア間干渉を生じている様子を示した図である。
符号の説明
11…データ生成部
12…空間多重部
13…OFDM変調部
14…電力比制御部
21…OFDM復調部
22…空間分離部
23…データ再生部
24…電力比制御部

Claims (20)

  1. 複数のアンテナを備え、複数のアンテナを持つ受信機と対となって形成される複数の空間チャネル上で空間多重伝送する無線通信装置であって、
    ユーザ・データ及び送受信アンテナ間のチャネル特性を推定するために使用するトレーニング系列を含む送信データを生成する送信データ生成部と、
    各空間チャネルのチャネル特性に基づいて得られる送信重みを用いて送信データを空間多重して複数の送信ストリームを生成する空間多重部と、
    各送信ストリームに対し、周波数軸上で互いに直交する複数のサブキャリアにOFDMマッピングするOFDM変調部と、
    トレーニング系列を伝送する際の各送信ストリームの電力比を決定する電力比決定部と、
    トレーニング系列に該決定された電力比に基づいて各送信ストリームに電力を割り当てる電力割当て部と、
    各送信ストリームを前記の各アンテナから空間チャネルに送出する送信部と、
    を具備することを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記送信部は、各送信ストリーム用のトレーニング系列を送信ブランチ毎に時分割送信する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記送信データ生成部は、各送信ストリーム用のトレーニング系列を挿入する位置を周波数軸上に並ぶサブキャリア毎に入れ替えるトーン・インターリーブを施す、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  4. 前記空間多重部は、チャネル行列を特異値分解して求められる各空間チャネルにおける送信重み用いて複数の送信ストリームを空間多重する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  5. 前記電力比決定部は、前記受信機が持つ周波数オフセットに基づいて推定されるサブキャリア間干渉量を軽減するように、トレーニング系列を伝送する際の各送信ストリームの電力比を決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  6. 前記電力比決定部は、各送信ストリームの通信品質が均等に近づくように、トレーニング系列を伝送する際の各送信ストリームの電力比を決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  7. 前記電力比決定部は、ユーザ・データを伝送する際に用いられる各送信ストリーム間の電力比パラメータに基づいて、トレーニング系列を伝送する際の各送信ストリームの電力比を決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  8. 各送信ストリームの通信品質を取得する通信品質取得部をさらに備え、
    前記電力比決定部は、各送信ストリームが持つ通信品質に基づいてトレーニング系列を伝送する際の各送信ストリームの電力比を決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  9. 前記通信品質取得部は、各送受信アンテナ間のチャネル情報より得られる送信ストリーム間のゲイン、SN値、又はチャネル行列の特異値分解により得られる各送信ストリームの固有値のうち少なくとも1つに基づいて通信品質を取得する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の無線通信装置。
  10. 前記電力比決定部は、各送信ストリームの通信品質の差が所定の閾値を超えた場合に、各送信ストリームが持つ通信品質に基づいてトレーニング系列を伝送する際の各送信ストリームの電力比を決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  11. 前記電力比決定部は、各送信ストリームが持つ通信品質とともに、前記受信機が持つ周波数オフセットに基づいて推定されるサブキャリア間干渉量を考慮して電力比を決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  12. 複数のアンテナを備え、複数のアンテナを持つ受信機と対となって形成される複数の空間チャネル上で空間多重伝送する無線通信方法であって、
    ユーザ・データ及び送受信アンテナ間のチャネル特性を推定するために使用するトレーニング系列を含む送信データを生成する送信データ生成ステップと、
    各空間チャネルのチャネル特性に基づいて得られる送信重みを用いて送信データを空間多重して複数の送信ストリームを生成する空間多重ステップと、
    トレーニング系列を伝送する際の各送信ストリームの電力比を決定する電力比決定ステップと、
    トレーニング系列に該決定された電力比に基づいて各送信ストリームに電力を割り当てる電力割当てステップと、
    各送信ストリームに対し、周波数軸上で互いに直交する複数のサブキャリアにOFDMマッピングするOFDM変調ステップと、
    各送信ストリームを前記の各アンテナから空間チャネルに送出する送信ステップと、
    を具備することを特徴とする無線通信方法。
  13. 前記電力比決定ステップでは、前記受信機が持つ周波数オフセットに基づいて推定されるサブキャリア間干渉量を軽減するように、トレーニング系列を伝送する際の各送信ストリームの電力比を決定する、
    ことを特徴とする請求項12に記載の無線通信方法。
  14. 前記電力比決定ステップでは、各送信ストリームの通信品質が均等に近づくように、トレーニング系列を伝送する際の各送信ストリームの電力比を決定する、
    ことを特徴とする請求項12に記載の無線通信方法。
  15. 前記電力比決定ステップでは、ユーザ・データを伝送する際に用いられる各送信ストリーム間の電力比パラメータに基づいて、トレーニング系列を伝送する際の各送信ストリームの電力比を決定する、
    ことを特徴とする請求項12に記載の無線通信方法。
  16. 各送信ストリームの通信品質を取得する通信品質取得ステップをさらに備え、
    前記電力比決定ステップでは、各送信ストリームが持つ通信品質に基づいてトレーニング系列を伝送する際の各送信ストリームの電力比を決定する、
    ことを特徴とする請求項12に記載の無線通信方法。
  17. 前記通信品質取得ステップでは、各送受信アンテナ間のチャネル情報より得られる送信ストリーム間のゲイン、SN値、又はチャネル行列の特異値分解により得られる各送信ストリームの固有値のうち少なくとも1つに基づいて通信品質を取得する、
    ことを特徴とする請求項16に記載の無線通信方法。
  18. 前記電力比決定ステップでは、各送信ストリームの通信品質の差が所定の閾値を超えた場合に、各送信ストリームが持つ通信品質に基づいてトレーニング系列を伝送する際の各送信ストリームの電力比を決定する、
    ことを特徴とする請求項16に記載の無線通信方法。
  19. 前記電力比決定ステップでは、各送信ストリームが持つ通信品質とともに、前記受信機が持つ周波数オフセットに基づいて推定されるサブキャリア間干渉量を考慮して電力比を決定する、
    ことを特徴とする請求項12に記載の無線通信方法。
  20. 複数のアンテナを備えた通信機と対となって形成される複数の空間チャネル上で空間多重伝送するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータ・システムに対し、
    ユーザ・データ及び送受信アンテナ間のチャネル特性を推定するために使用するトレーニング系列を含む送信データを生成する送信データ生成手順と、
    各空間チャネルのチャネル特性に基づいて得られる送信重みを用いて送信データを空間多重して複数の送信ストリームを生成する空間多重手順と、
    トレーニング系列を伝送する際の各送信ストリームの電力比を決定する電力比決定手順と、
    トレーニング系列に該決定された電力比に基づいて各送信ストリームに電力を割り当てる電力割当て手順と、
    各送信ストリームに対し、周波数軸上で互いに直交する複数のサブキャリアにOFDMマッピングするOFDM変調手順と、
    各送信ストリームを前記の各アンテナから空間チャネルに送出する送信手順と、
    を実行させることを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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