JP2006232951A - プリプレグの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリプレグ中の樹脂ワニスの未含浸を低減してプリプレグ中の気泡の残存量を低減し、このプリプレグにて作製されるプリント配線板におけるCAF等のマイグレーションの発生を抑制する。
【解決手段】長尺な基材1をその長手方向に連続的に搬送しながら、前記基材1に搬送方向と直交する方向の応力をかけることによりこの基材1に一定の張力を付与する張力付与手段4と、樹脂ワニス2に前記基材1を浸漬する樹脂含浸手段5とを順次通過させる工程を含む。前記張力付与手段4は、トルクモータから伝達される駆動力により基材1の表面を一定の荷重で押圧する張力付与ロール7を備える。トルクモータの制御により所望の張力が付与され、基材1の弛みの発生を防止する。このため基材1を構成する繊維間に微細な空隙が生じることが防止され、樹脂ワニス2の未含浸が抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板の製造に用いられるプリプレグの製造方法に関するものである。
従来、プリント配線板の製造に用いられる積層板は、例えばガラスクロス等の基材にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂ワニスを含浸した後、加熱乾燥して半硬化させることによってプリプレグを作製し、このプリプレグを所要枚数重ねるとともに、必要に応じて銅箔等の金属箔をその片側又は両側に配して積層し、加熱加圧して成形を行うことによって製造されている。また、多層の積層板は、上記の方法で得られた金属箔張りの積層板の表面の金属箔をエッチングして回路形成した後、その回路形成した積層板の表裏に、上記と同様のプリプレグを所要枚数重ねると共に、必要に応じて金属箔をその片側又は両側に配して積層し、加熱加圧して成形を行うことによって製造されている。
樹脂ワニスは一般に粘度が高いため、基材の内部まで十分に樹脂ワニスが含浸されにくく、プリプレグ中に気泡が残存してしまうことがある。このような気泡の残存はマイグレーションの発生の原因となり、プリント配線板の絶縁不良の発生の要因となっている。
このため、プリプレグ中の樹脂ワニス2の未含浸の発生を抑制するために、従来種々の検討がなされており、例えば基材に粘度の低い溶剤や樹脂ワニスを一次含浸して基材内の気泡を抜いた後、基材にその溶剤等を含有させた状態のまま更に樹脂ワニスを二次含浸する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開平9−227699号公報
近年のプリント配線板における配線密度の向上に伴って、プリント配線板内のスルーホールやビアホールの壁間距離も従来は500μm程度であったものが250μm程度まで短くなってきており、このためCAF(Conductive Anodic Filaments)等のマイグレーションが更に生じやすくなってきている。このため、プリプレグ中の気泡の残存量を更に低減してマイグレーションの発生を更に抑制する必要があるが、上記のような従来の手法では樹脂ワニスの未含浸の抑制に限界があり、プリプレグ中の気泡の残存量を更に低減するための手法が求められるようになってきている。
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、プリプレグ中の樹脂ワニスの未含浸を低減してプリプレグ中の気泡の残存量を低減し、このプリプレグにて作製されるプリント配線板におけるCAF(Conductive Anodic Filaments)等のマイグレーションの発生を抑制することができるプリプレグの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、基材1に樹脂ワニス2を含浸した後乾燥させるプリプレグ3の製造方法において、長尺な基材1をその長手方向に連続的に搬送しながら、前記基材1に搬送方向と直交する方向の応力をかけることによりこの基材1に一定の張力を付与する張力付与手段4と、樹脂ワニス2に前記基材1を浸漬する樹脂含浸手段5とを順次通過させる工程を含み、前記張力付与手段4が、トルクモータから伝達される駆動力により基材1の表面を一定の荷重で押圧する張力付与ロール7を備えるものであることを特徴とするものである。このようにすると、樹脂含浸手段5にて樹脂ワニス2に浸漬される基材1に、トルクモータの制御により所望の張力を容易に付与することができ、このように基材1に張力を付与することで、基材1の弛みの発生を防止して基材1を構成する繊維間に微細な空隙が生じることを防止することができ、このため、基材1に樹脂ワニス2を含浸させる場合の未含浸の発生を抑制することができる。
上記張力付与手段4においては、基材1に11〜21N/m2の張力を付与することが好ましい。このような範囲において、基材1の弛みを十分に抑制して、基材1における樹脂ワニス2の未含浸を更に抑制することができる。
また、上記プリプレグ3の製造方法においては、基材1が上記樹脂含浸手段5を通過する前に、溶剤又は樹脂ワニスからなる一次含浸液6を噴射して基材1に含浸させる一次含浸手段8を基材1が通過するようにすることも好ましい。このようにすると、一次含浸手段8によって基材1の細部にまで一次含浸液6が含浸した状態で、樹脂含浸手段5により前記一次含浸液6と置換して樹脂ワニス2を含浸させることができて、未含浸を更に抑制することができるものであり、また一次含浸手段8において一次含浸液6を含浸させる際にも基材1には張力がかけられていることから、更に未含浸を抑制することができるものである。
また、上記のような一次含浸手段8を通過した後、樹脂含浸手段5を通過する前の基材1に対して、その表面に押込ロール9にて荷重をかけるようにすることも好ましい。このようにすると、押込ロール9により一次含浸手段8にて基材1に含浸させた一次含浸液6を更に基材1へ押し込むことができて、更に未含浸の発生を抑制することができるものである。
本発明によれば、プリプレグ中の基材における樹脂ワニスの未含浸を抑制することができることから、このプリプレグにてプリント配線板を作製した際に、プリプレグにて形成される絶縁層中の気泡の残留が低減され、これによりCAF(Conductive Anodic Filaments)等のマイグレーションの発生を防止することができ、すなわち耐マイグレーション性に優れたプリント配線板を得ることができるものである。
以下、本発明を、その実施をするための最良の形態に基づいて説明する。
基材1としては、プリプレグ3の製造用途に用いられる適宜のものを採用することができ、特に制限されるものではないが、例えばロービングクロス、クロス、チョップドマット、サーフェシングマットなどの各種ガラス布、アスベスト布や金属繊維布、その他の合成もしくは天然の無機繊維布;全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリベンゾザール繊維等の液晶繊維から得られる織布又は不織布;ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維などの合成繊維から得られる織布又不織布;綿布や麻布やフェルトなどの天然繊維織布;カーボン繊維布;クラフト紙やコットン紙や紙−ガラス混繊紙などの天然セルロース系布などを挙げることができる。
また、樹脂ワニス2としても、プリプレグ3の製造用途に用いられる適宜の熱硬化性樹脂ワニス2を用いることができ、例えばエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、溶剤等を配合・混合して調製されたものである。尚、熱硬化性樹脂ワニス2としては、エポキシ樹脂以外にポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の各種の熱硬化性樹脂を含有するワニスを使用することもできる。
図1は本発明を実施するための工程の一例を示すものである。基材1としては、長尺なものが用いられ、この基材1がペイオフリール(図示せず)等から長手方向に沿って連続的に搬送されながら、樹脂ワニス2の含浸がなされる。
基材1の搬送経路には、張力付与手段4と、樹脂含浸手段5とがこの順に設けられる。
張力付与手段4は基材1に搬送方向と直交する方向の応力をかけることによりこの基材1に一定の張力を付与するものであり、トルクモータから伝達される駆動力により基材1の表面を一定の荷重で押圧する張力付与ロール7を備えるものである。
図示の張力付与手段4では、上下に配された二つのプーリ10間にチェーンやベルト等で構成される索条体11を掛架し、この索条体11に昇降移動可能な張力付与ロール7に連結している。前記二つのプーリ10のうちの少なくとも一方のプーリ10aには、このプーリ10aに所定のトルクをかけるトルクモータが接続されている。このときトルクモータによりプーリ10aに付与されたトルクによる応力は前記索条体11を介して張力付与ロール7に伝達され、この張力付与ロール7に搬送経路の基材1表面へ向かう一定の付勢力がかけられることとなり、これにより張力付与ロール7が基材1表面を一定の荷重で押圧して基材1に一定の張力を付与するようになっている。ここで、図示の例では、張力付与ロール7は基材1の搬送経路の上方に基材1の上面と接触するように配されており、この状態で張力付与ロール7に下方に向けて一定の付勢力が付与されるように上記トルクモータを作動させ、基材1の上面を一定の荷重で押圧するものである。
基材1の搬送経路における張力付与手段4の下流側には、複数の搬送ロール12が配されており、基材1はこの搬送ロール12に掛け支えられながら搬送されるようになっている。また、図示の例では、この張力付与手段4の下流側における搬送ロール12のうちの一つが、基材1にかけられている張力を測定するためのロードセル等のような張力測定手段が設けられた張力測定用ロール13として形成されている。このとき、この張力測定用ロール13にて測定された張力の値に基づいて上記張力付与手段4のトルクモータを制御することにより、基材1に予め設定された一定の張力をかけるようにすることができる。
基材1の搬送経路の更に下流側には、樹脂ワニス2に前記基材1を浸漬する樹脂含浸手段5が設けられている。図示の例での樹脂含浸手段5は、樹脂ワニス2が貯留される容器14内にディップロール15を配設して構成されており、容器14内に導入された基材1がこのディップロール15によって掛け支えられて、上方に引き出されるようになっている。また、この容器14の上方には一対のスクイズロール16,16が配設されており、上方に引き出された基材1はこのスクイズロール16,16間を通過して余分な樹脂ワニス2が絞られて樹脂含浸量が調整されるようになっている。
スクイズロール16,16の上方では、複数の搬送ロール12によって逆U字状の搬送経路が形成されており、この部分には加熱乾燥炉17が配設されている。これにより、スクイズロール16,16を通過した基材1は加熱乾燥炉17内に導入されて逆U字状に搬送されながら加熱乾燥された後、下方に引き出されるようになっている。
加熱乾燥炉17の下流側では、基材1が搬送ロール12に掛け支えられて横方向に引き出されており、この基材1の搬送経路の上方に基材1の上面と接触するように押圧ロール18が配設されている。この押圧ロール18は基材1上面に向けて荷重を押圧するものである。
上記のような工程によってプリプレグ3を作製する場合には、基材1はまず張力付与手段4を通過する際に張力付与ロール7による押圧力によって一定の張力が付与される。この張力は適宜の範囲とするものであるが、11〜21N/m2の範囲とすることが好ましい。基材1にかける張力が過少であると基材1を構成する繊維の弛みを十分に抑制することができないおそれがあり、また前記張力が過大であると基材1にちぎれが発生したり、基材1に過度の目曲がりが発生するおそれがある。
次に基材1は上記のような一定の張力がかけられた状態で、樹脂含浸手段5において樹脂ワニス2に浸漬されて、樹脂ワニス2が含浸される。このとき、基材1には前記のように一定の張力がかけられているため、基材1を構成する繊維の弛みが低減されている。ここで、基材1を構成する繊維に弛みが生じていると、基材1における繊維間の微細な空隙が増大してしまって、樹脂ワニス2を含浸させる場合に前記のような空隙に十分に樹脂ワニス2を浸入させることが困難になるが、上記のように基材1に張力をかけると基材1を構成する繊維の弛みが低減されることから、基材1における繊維間の微細な空隙が低減され、このため、基材1に樹脂ワニス2を含浸させる場合の未含浸の発生を抑制することができるものである。この樹脂含浸手段5における基材1の浸漬時間は、基材1に樹脂ワニス2が十分に含浸されるように適宜調整されるが、好ましくは5〜10秒の範囲となるようにする。
次に、基材1は加熱乾燥炉17を通過することによりこの基材1に含浸されている樹脂ワニス2が半硬化状態(Bステージ状態)となり、プリプレグ3が形成される。次いで、この基材1(プリプレグ3)は押圧ロール18による押圧を受けるものであり、このときプリプレグ3に加熱乾燥時における樹脂溜まりの形成により表面に凹凸が形成されている場合には、前記押圧ロール18による押圧により表面の平滑化がなされる。このようにして形成されるプリプレグ3は更に搬送経路を下流側に搬送され、必要に応じてシャーカッター等の切断手段により枚葉状に切断されるものである。
このようなプリプレグ3にて、積層板やプリント配線板を作製することができる。
例えば、一枚のプリプレグ3、又はこのプリプレグ3を複数枚重ねたものに対し、その両側に銅箔等の金属箔を配置した状態で、加熱加圧成形により一体化することにより、積層板を作製することができる。
そして、このようにして得られた積層板に対し、アディティブ法やサブトラクティブ法等による配線加工とビアホール加工とを施すことにより、プリント配線板を得ることができる。また、このようなプリント配線板の外面にビルドアップ法などにより絶縁層と導体層とを積層して形成することにより、多層のプリント配線板を形成することもできる。
このようにして得られるプリント配線板では、プリプレグ3にて形成される絶縁層中の気泡の残留が低減されていることから、CAF(Conductive Anodic Filaments)等のマイグレーションの発生を防止することができ、すなわち耐マイグレーション性に優れたプリント配線板を得ることができるものである。
図2は本発明を実施するための工程の他例を示すものであり、図1に示す構成において、一次含浸手段8を付加したものである。
一次含浸手段8は樹脂含浸手段5の上流側に設けるものであり、図示の例では張力付与手段4と樹脂含浸手段5との間において、張力測定手段の下流側に設けられている。
この一次含浸手段8は、基材1が樹脂含浸手段5を通過する前に、基材1に対して溶剤又は樹脂ワニスからなる一次含浸液6を噴射して含浸させるものであり、図示の例では、基材1の上面に向けて一次含浸液6を噴射するための噴射ノズル19が設けられている。
ここで、一次含浸手段8としては、上記のような一次含浸液6を噴射するもののほか、シャワー、フロート、片面塗布等の適宜の手段にて基材1に一次含浸液6を含浸させるものを設けることもできるが、特に上記のように一次含浸液6を噴射するものを用いると、上方からの噴射により基材1に対する一次含浸液6の含浸性を高くすることができるものである。
この一次含浸手段8において一次含浸液6として溶剤を含浸させる場合には、溶剤として、プリプレグ3の製造用途に用いられている適宜のものを用いることができるが、樹脂含浸手段5にて含浸させる樹脂ワニス2に含有されている溶剤と同一のものを用いることが好ましい。
また、一次含浸手段8において一次含浸液6として樹脂ワニスを含浸させる場合には、樹脂ワニスとして、プリプレグ3の製造用途に用いられている適宜のものを用いることができるが、例えば樹脂含浸手段5にて含浸させる樹脂ワニス2と同一の組成のものを用いることができ、またこの樹脂ワニスは、溶剤の量を調整するなどして樹脂含浸手段5にて用いられる樹脂ワニス2よりも粘度を低減することにより、基材1への含浸性を向上しておくことが好ましい。
一次含浸手段8における一次含浸液6の噴射量は適宜調整されるが、好ましくは2〜10L/minの範囲とするものである。
また、図示の例では、一次含浸手段8による一次含浸液6の噴射位置において、二つの搬送ロール12(上位置搬送ロール20,20)の間に、前記搬送ロール12よりも配置位置が低い搬送ロール12(下位置搬送ロール21)を配設し、この三つの搬送ロール20,21,20において、基材1を一方の上位置搬送ロール20の上面側、下位置搬送ロール21の下面側、他方の上位置搬送ロール20の上面側にて順次に掛け支えることで、基材1が略V字形又は略U字形の搬送経路を搬送されるようにする。そして、二つの上位置搬送ロール20,20の間における、略V字状又は略U字状となっている基材1の上面に向けて一次含浸液6を噴射するようにしている。このようにすると、基材1に向けて噴射された一次含浸液6は基材1に含浸されると共に、基材1に含浸されなかったものは基材1の表面に沿って下方に流下して基材1から流れ落ちることとなり、基材1に余分な一次含浸液6が付着されないようにすることができる。
その他の構成は、図1に示すものと同様である。
上記のような工程によってプリプレグ3を作製する場合には、基材1はまず張力付与手段4を通過する際に張力付与ロール7による押圧力によって一定の張力が付与される。この張力は適宜の範囲とするものであるが、11〜21N/m2の範囲とすることが好ましい。
次に、基材1は上記のような一定の張力がかけられた状態で、一次含浸手段8において一次含浸液6が噴射されて含浸される。このとき、樹脂含浸手段5における樹脂ワニス2よりも粘度の低い一次含浸液6を含浸させと、基材1の細部にまで容易に含浸させることができ、これにより未含浸の発生は更に抑制されることとなる。また、基材1には前記のように一定の張力がかけられているため、基材1を構成する繊維の弛みが低減されており繊維間の微細な空隙が低減され、このため基材1における一次含浸液6の未含浸の発生が更に抑制される。
次に、基材1は一定の張力がかけられた状態で、樹脂含浸手段5において樹脂ワニス2に浸漬される。このとき、一次含浸手段8において含浸されていた一次含浸液6が、樹脂含浸手段5における樹脂ワニス2と置換されて、樹脂ワニス2が基材1の細部まで含浸される。また、この樹脂含浸手段5による樹脂ワニス2の含浸の際においても、基材1には前記のように一定の張力がかけられているため、基材1を構成する繊維の弛みが低減されており繊維間の微細な空隙が低減され、このため基材1における樹脂ワニス2の未含浸の発生が更に抑制される。
次に、基材1は、上記図1に示す実施形態と同様に、加熱乾燥炉17、押圧ロール18を通過した後、必要に応じてシャーカッター等の切断手段により枚葉状に切断される。
このようにして得られるプリプレグ3を用い、上記図1に示す実施形態の場合と同様にして積層板やプリント配線板を作製することができる。
このようにして得られるプリント配線板では、プリプレグ3にて形成される絶縁層中の気泡の残留が更に低減されることとなって、CAF(Conductive Anodic Filaments)等のマイグレーションの発生を更に防止することができ、すなわち耐マイグレーション性に優れたプリント配線板を得ることができるものである。
図3は本発明を実施するための工程の更に他例を示すものであり、図2に示す構成において、押込ロール9を付加したものである。
押し込みロールは、一次含浸手段8を通過した後、樹脂含浸手段5を通過する前の基材1に対して、その表面にそれぞれ荷重をかけるものであり、図示の例では二つの押込ロール9,9にてそれぞれ基材1の一面側と他面側とに順次荷重をかけるようになっている。押込ロール9としては基材1が搬送されることにより基材1との摩擦力により回転する自由回転ロールと設けても良く、回転駆動して基材1に搬送のための駆動力を与える駆動ロールを設けても良い。
この押込ロール9は、基材1を掛け支えることにより基材1の搬送経路を曲折させるように形成されており、図示の例では上流側に配設されている押込ロール9において基材1の上面を掛け支えることにより基材1の搬送経路を上方に向けて曲折しており、下流側に配設されている押込ロール9は前記上流側の押込ロール9よりも上方位置に配置され、基材1の下面を掛け支えることにより基材1の搬送経路を下方に向けて曲折しているものである。このようにして押込ロール9を配設することにより、基材1の一面と他面に順次押込ロール9にて荷重がかけられるようになっている。この押込ロール9により基材1にかける荷重は、押込ロール9の配置位置を変更するなどして適宜調整することができるが、好ましくは49〜147Nの範囲となるようにする。
その他の構成は、図2に示すものと同様である。
上記のような工程によってプリプレグ3を作製する場合には、基材1はまず張力付与手段4を通過する際に張力付与ロール7による押圧力によって一定の張力が付与される。この張力は適宜の範囲とするものであるが、11〜21N/m2の範囲とすることが好ましい。
次に、基材1は上記のような一定の張力がかけられた状態で、一次含浸手段8において一次含浸液6が噴射されて含浸される。このとき、図2に示すものと同様に、基材1における一次含浸液6の未含浸の発生が抑制される。
次に、基材1は二つの押込ロール9を通過することにより各押込ロール9から順次一面側及び下面側に荷重がかけられる。これにより、基材1に対して上記一次含浸液6が更に押し込められることとなり、このため基材1における一次含浸液6の未含浸の発生が更に抑制されることとなる。
次に、基材1は一定の張力がかけられた状態で、樹脂含浸手段5において樹脂ワニス2に浸漬される。このとき、図2に示す場合と同様に、一次含浸手段8において含浸されていた一次含浸液6が、樹脂含浸手段5における樹脂ワニス2と置換されて、樹脂ワニス2が基材1の細部まで含浸されるものであるが、上記のように押込ロール9によって予め基材1における一次含浸液6の未含浸の発生が更に抑制されていることから、これらと置換して含浸される樹脂ワニス2の未含浸の発生も更に抑制されていることとなる。
次に、基材1は、上記各実施形態と同様に、加熱乾燥炉17、押圧ロール18を通過した後、必要に応じてシャーカッター等の切断手段により枚葉状に切断される。
このようにして得られるプリプレグ3を用い、上記各実施形態の場合と同様にして積層板やプリント配線板を作製することができる。
このようにして得られるプリント配線板では、プリプレグ3にて形成される絶縁層中の気泡の残留が、図2に示す実施形態の場合よりも更に低減されることとなって、CAF(Conductive Anodic Filaments)等のマイグレーションの発生を更に防止することができ、すなわち耐マイグレーション性が更に優れたプリント配線板を得ることができるものである。
(実施例1)
図1に示す構成を有する設備を用いて、プリプレグ3を作製した。
このとき、基材1としては、厚み0.1mm、タテ糸本数59本/25mm、ヨコ糸本数57本/25mmの長尺のガラスクロスを用いた。
また、樹脂含浸手段5において基材1に含浸させる樹脂ワニス2としては、粘度100cpsのFR−4タイプのエポキシ樹脂組成物を用い、樹脂含浸手段5における基材1の浸漬時間は7秒とした。
また、張力付与手段4では、基材1に13.7N/m2の張力を付与するようにトルクモータを作動させた。
また、加熱乾燥炉17における加熱条件は、180℃、4分間とした。
このような工程によって得られたプリプレグ3を6枚重ね、更にその両側に厚み18μmの銅箔を重ねた状態で180℃、4MPaの条件で90分間加熱加圧成形を行い、成形一体化して両面銅張積層板を作製した。
このようにして得られた両面銅張積層板を、121℃、R.H.100%の条件下に曝露し、一時間ごとに絶縁層と銅箔との間の剥離の有無を観察したところ、48時間で剥離が発生した。
(実施例2)
図2に示す構成を有する設備を用いて、プリプレグ3を作製した。
このとき、張力付与手段4では、基材1に16N/m2の張力を付与するようにトルクモータを作動させた。
また、一次含浸手段8における一次含浸液6としては、粘度80cpsのFR−4タイプのエポキシ樹脂組成物を用い、その噴射量は7L/minとした。
他の条件は、実施例1と同一とした。
このような工程にて得られたプリプレグ3を用い、実施例1と同様にして両面銅張積層板を作製し、これに対して実施例1と同様に121℃、R.H.100%の条件下に曝露し、一時間ごとに絶縁層と銅箔との間の剥離の有無を観察したところ、96時間で剥離が発生した。
(実施例3)
図3に示す構成を有する設備を用いて、プリプレグ3を作製した。
このとき、二つの押込ロール9による基材1への荷重は、それぞれ98Nとなるようにした。
他の条件は、実施例2と同一とした。
このような工程にて得られたプリプレグ3を用い、実施例1と同様にして両面銅張積層板を作製し、これに対して実施例1と同様に121℃、R.H.100%の条件下に曝露し、一時間ごとに絶縁層と銅箔との間の剥離の有無を観察したところ、168時間で剥離が発生した。
(比較例1)
図4に示すような、張力付与手段4が設けられていない以外は図1に示す構成を有する設備を用いて、プリプレグ3を作製した。
このとき、張力測定用ロール13にて測定された張力は、9.2N/m2であった。
他の条件は、実施例1と同一とした。
このような工程にて得られたプリプレグ3を用い、実施例1と同様にして両面銅張積層板を作製し、これに対して実施例1と同様に121℃、R.H.100%の条件下に曝露し、一時間ごとに絶縁層と銅箔との間の剥離の有無を観察したところ、24時間で剥離が発生した。
(評価)
上記のように両面銅張積層板が高温多湿雰囲気に曝露される際に絶縁層と銅箔との間に剥離が生じるのは、この両面銅張積層板の絶縁層中の空隙に存在する空気や水が絶縁層と銅箔との界面に浮き上がるために生じるものと考えられる。
従って、実施例1〜3で得られた両面銅張積層板は、高温多湿雰囲気に曝露し際に比較例1の場合よりも長時間剥離が生じなかったため、比較例1で得られた両面銅張積層板よりも絶縁層中の空隙量が低減されているものと評価できる。
また、実施例1〜3では、順次剥離が生じない時間が長くなっていることから、実施例1の場合よりも実施例2の場合の方が絶縁層中の空隙量が低減され、更に実施例3の方が更に前記空隙量が低減されているものと評価できる。
本発明の実施の形態の一例及び実施例1における、プリプレグの製造工程を示す概略図である。 本発明の実施の形態の他例及び実施例2における、プリプレグの製造工程を示す概略図である。 本発明の実施の形態の更に及び実施例3における、プリプレグの製造工程を示す概略図である。 比較例1における、プリプレグ3の製造工程を示す概略図である。
符号の説明
1 基材
2 樹脂ワニス
3 プリプレグ
4 張力付与手段
5 樹脂含浸手段
6 一次含浸液
7 張力付与ロール
8 一次含浸手段
9 押込ロール

Claims (4)

  1. 基材に樹脂ワニスを含浸した後乾燥させるプリプレグの製造方法において、長尺な基材をその長手方向に連続的に搬送しながら、前記基材に搬送方向と直交する方向の応力をかけることによりこの基材に一定の張力を付与する張力付与手段と、樹脂ワニスに前記基材を浸漬する樹脂含浸手段とを順次通過させる工程を含み、前記張力付与手段が、トルクモータから伝達される駆動力により基材の表面を一定の荷重で押圧する張力付与ロールを備えるものであることを特徴とするプリプレグの製造方法。
  2. 上記張力付与手段において、基材に11〜21N/m2の張力を付与することを特徴とする請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
  3. 基材が上記樹脂含浸手段を通過する前に、溶剤又は樹脂ワニスからなる一次含浸液を噴射して基材に含浸させる一次含浸手段を基材が通過するようにすることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリプレグの製造方法。
  4. 一次含浸手段を通過した後、樹脂含浸手段を通過する前の基材に対して、その表面に押込ロールにて荷重をかけることを特徴とする請求項3に記載のプリプレグの製造方法。
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