以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る照明装置の構成の一例を示す断面図である。図1に示す照明装置1は、例えば自動車やオートバイ等の車両に用いられる前照灯であり、車両の車体に固定される灯体ハウジング2(筐体)の内部にランプソケット3と反射板4と放電灯Laとを収納したものであり、灯体ハウジング2の前面に設けた開口部には、灯体レンズ5が装着される。灯体ハウジング2の後部には、放電灯Laを交換するための開口部6が設けられており、開口部6には着脱可能なキャップ7が取り付けられている。灯体ハウジング2の下部外側には、ケースに収納された放電灯点灯装置8が取り付けられ、放電灯点灯装置8には、例えばバッテリを直流電源として電源供給を行うための電源線CBL1が接続されている。さらに、放電灯点灯装置8と、ランプソケット3とはハーネスCBL2により接続されている。そして、ランプソケット3に放電灯Laを取り付けることにより、放電灯点灯装置8からの電力を放電灯Laへ供給し、放電灯Laを点灯させるようになっている。そして、照明装置1は、例えば図2に示す車両9の車体における前部の左右両側にそれぞれ配設されるようになっている。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る放電灯点灯装置8の構成の一例を示すブロック図である。図3に示す放電灯点灯装置8は、電力供給部10と、インバータ回路20と、始動回路30と、制御回路部40と、PWM信号発生回路50とを備えている。
電力供給部10は、外部に接続された直流電源Eから出力された直流の入力電圧Vinを、PWM信号発生回路50からのスイッチング信号SPWMに応じて昇圧又は降圧することによって所定の直流電圧である出力電圧Voutに変換してインバータ回路20に供給するDC−DCコンバータで、トランスTと、スイッチング素子Q1と、ダイオードD1と、コンデンサC1と、電流検出回路11とを備えている。
また、電力供給部10の外部に直流電源Eが接続されており、直流電源Eの正極は、トランスTの一次側巻線L1の一端に接続され、他端はスイッチング素子Q1を介して直流電源Eの負極に接続されている。トランスTの二次側巻線L2には、ダイオードD1とコンデンサC1との直列回路が並列に接続されている。そして、コンデンサC1の両端に生じる直流電圧が、電力供給部10の出力電圧Voutとしてインバータ回路20へ供給されるようになっている。
電流検出回路11は、トランスTの一次側巻線L1を流れる電流I1を検出し、その電流検出信号SI1をPWM信号発生回路50へ出力するもので、例えば抵抗やホール素子を用いて構成されている。
インバータ回路20は、例えば図略のスイッチング素子を用いて構成されたブリッジ回路によって、電力供給部10から出力された出力電圧Voutをスイッチングし、交番電圧に変換して始動回路30へ供給する。始動回路30は、放電開始時に点灯電圧よりも非常に高い電圧の始動電圧を印加する必要があるHIDランプ(高圧放電ランプ)を点灯させるための高電圧を発生する回路である。始動回路30は、図1に示すハーネスCBL2とランプソケット3とを介してランプソケット3に取り付けられた放電灯Laと接続されている。
制御回路部40は、ランプ電圧検出回路401(電圧検出部)と、目標値設定部402と、ランプ電流検出回路403(電流検出部)と、差分出力部404と、比例回路405と、積分回路406と、加算器407と、アンプ408と、コンパレータCMP1(最小オン時間検出部)と、スイッチSW1とを備えている。
ランプ電圧検出回路401は、コンデンサC1の両端電圧、すなわち電力供給部10の出力電圧Voutを、放電灯Laに供給されるランプ電圧と略等価な電圧として検出し、その電圧を示す電圧検出信号SLVを目標値設定部402へ出力する。目標値設定部402は、ランプ電圧検出回路401から出力された電圧検出信号SLVから放電灯Laに供給する目標電流値を設定すると共に、その目標電流値を示す目標電流値信号STIを差分出力部404へ出力する。ランプ電流検出回路403は、電力供給部10の出力電流を、放電灯Laに供給されるランプ電流と略等価な電流として検出し、その電流を示す電流検出信号SLIを差分出力部404へ出力する。
差分出力部404は、例えば減算器を用いて構成されており、目標値設定部402により設定された目標電流値を示す目標電流値信号STIからランプ電流検出回路403により検出された検出電流値を示す電流検出信号SLIを減算した差分値を示す差分信号SUB1を、比例回路405と、積分回路406と、アンプ408とへ出力する。比例回路405は、差分出力部404から出力された差分信号SUB1を、ゲインKp倍に増幅し、比例信号SKPとして加算器407へ出力する増幅回路である。図3に示す制御回路部40においては、比例信号SKPの上昇は、電力供給部10の出力電圧Voutを上昇させる方向に働くようにされている。
積分回路406は、例えば、演算増幅器OP1と、コンデンサC2と、抵抗R1とから構成された積分回路で、差分出力部404から出力された差分信号SUB1が抵抗R1を介して演算増幅器OP1の反転入力端子に接続され、演算増幅器OP1の非反転入力端子はグラウンドに接続され、演算増幅器OP1の出力端子はコンデンサC2を介して反転入力端子に接続されている。そして、演算増幅器OP1から出力された積分信号SCVは、加算器407と、コンパレータCMP1の反転入力端子とに出力される。図3に示す制御回路部40においては、積分信号SCVの上昇は、電力供給部10の出力電圧Voutを上昇させる方向に働くようにされている。
加算器407は、比例回路405から出力された比例信号SKPと、演算増幅器OP1から出力された積分信号SCVとを加算することにより得られた信号を、電力供給部10の出力電圧Voutを設定する電圧制御信号SWCとしてPWM信号発生回路50へ出力する。図3に示す制御回路部40においては、電圧制御信号SWCの上昇は、電力供給部10の出力電圧Voutを上昇させる方向に働くようにされている。アンプ408は、差分出力部404から出力された差分信号SUB1にゲインKtを乗じた信号をオフ時間延長信号SOFFとしてスイッチSW1を介してPWM信号発生回路50へ出力する。
コンパレータCMP1は、積分回路406から出力された積分信号SCVと、予め設定された基準電圧Vrofとを比較する。基準電圧Vrofは、PWM信号発生回路50からスイッチング素子Q1へ出力されるスイッチング信号SPWMのオン時間が、スイッチング素子Q1を完全にオンさせることができる最小のオン時間である最小オン時間Tminに達した場合において積分信号SCVとして得られる電圧値に設定されている。そして、コンパレータCMP1は、積分信号SCVが基準電圧Vrofを超えていれば、スイッチSW1をオフしてアンプ408から出力されたオフ時間延長信号SOFFをPWM信号発生回路50へ出力させない一方、積分信号SCVが基準電圧Vrof以下となると、スイッチSW1をオンしてアンプ408から出力されたオフ時間延長信号SOFFをPWM信号発生回路50へ出力させる。
すなわち、コンパレータCMP1は、積分回路406から出力された積分信号SCVに基づいて、オンオフ動作におけるオン時間が予め設定された最小オン検出時間以下となったことを検出し、スイッチSW1をオンしてアンプ408から出力されたオフ時間延長信号SOFFをPWM信号発生回路50へ出力させる。
PWM信号発生回路50は、制御回路部40から出力された電圧制御信号SWCに応じてPWM制御に基づきスイッチング素子Q1をオンオフさせるためのスイッチング信号SPWMのデューティを変化させ、電力供給部10から電圧制御信号SWCに応じた出力電圧Voutを出力させる制御回路で、フリップフロップFF1と、発振器OSC1と、コンパレータCMP2とを備える。コンパレータCMP2の非反転入力端子には、電圧制御信号SWCが入力され、コンパレータCMP2の反転入力端子には、電流検出信号SI1が入力され、コンパレータCMP2の出力信号はフリップフロップFF1のリセット端子へ出力される。また、アンプ408からスイッチSW1を介して出力されたオフ時間延長信号SOFFは、発振器OSC1に入力され、発振器OSC1から出力された周期信号CLK1はフリップフロップFF1のセット端子へ出力される。そして、フリップフロップFF1の出力信号が、スイッチング信号SPWMとしてスイッチング素子Q1へ出力される。
PWM信号発生回路50は、発振器OSC1から出力された周期信号CLK1によってフリップフロップFF1をセットし、スイッチング信号SPWMをハイレベルにしてスイッチング素子Q1をオンさせ、電力供給部10におけるトランスTの一次側巻線L1及びスイッチング素子Q1を流れる電流I1がスイッチング信号SPWMで示される値に達したことをコンパレータCMP2で検出してフリップフロップFF1をリセットし、スイッチング信号SPWMをローレベルにしてスイッチング素子Q1をオフさせる、いわゆるカレントモード型の回路方式になっている。
図4は、発振器OSC1の構成の一例を示す回路図である。また、図5は、発振器OSC1の動作を説明するための信号波形図である。図4に示す発振器OSC1は、電流源CS1,CS2と、切替スイッチSW2,SW3と、コンデンサC3と、抵抗R2,R3と、ヒステリシスを有するコンパレータCMP3とを用いて構成されている。そして、所定の基準電圧VSHとグラウンドとの間に抵抗R2,R3の直列回路が設けられ、基準電圧VSHが抵抗R2,R3により分圧されて基準電圧VSLが生成される。そして、基準電圧VSHが切替スイッチSW3の一方の接点TB1に供給され、基準電圧VSLが切替スイッチSW3の他方の接点TB2に供給され、切替スイッチSW3によって、基準電圧VSH及び基準電圧VSLのうちいずれかがコンパレータCMP3の非反転入力端子へ供給される。スイッチSW3は、コンパレータCMP3から出力される周期信号CLK1がハイレベルで基準電圧VSHをコンパレータCMP3の非反転入力端子へ供給し、周期信号CLK1がローレベルで基準電圧VSLをコンパレータCMP3の非反転入力端子へ供給する。
コンパレータCMP3の反転入力端子には、コンデンサC3と切替スイッチSW2とが接続されている。切替スイッチSW2は、接点TB3,TB4を備えている。そして、切替スイッチSW2は、コンパレータCMP3から出力される周期信号CLK1がハイレベルで接点TB3側に切り替えられて電流源CS1から出力された充電電流ICHGをコンデンサC3へ充電し、周期信号CLK1がローレベルで接点TB4側に切り替えられてコンデンサC3に充電された電荷を電流源CS2による放電電流IDCGによって放電させる。
まず、コンデンサC3が充電されていなければ、充電電圧VC3は基準電圧VSLに満たないためコンパレータCMP3により周期信号CLK1がハイレベルにされ、切替スイッチSW2が接点TB3側に切り替えられて電流源CS1から出力された充電電流ICHGがコンデンサC3で充電されて充電電圧VC3が徐々に上昇すると共に、スイッチSW3が接点TB1側に切り替えられて基準電圧VSHがコンパレータCMP3の非反転入力端子へ供給される。
そして、充電電圧VC3が基準電圧VSHに達すると、コンパレータCMP3により周期信号CLK1がローレベルにされ、切替スイッチSW2が接点TB4側に切り替えられてコンデンサC3が電流源CS2の放電電流IDCGにより放電され、充電電圧VC3が徐々に下降すると共に、スイッチSW3が接点TB2側に切り替えられて基準電圧VSLがコンパレータCMP3の非反転入力端子へ供給される。さらに、充電電圧VC3が基準電圧VSLに達すると、コンパレータCMP3により周期信号CLK1がハイレベルにされ、切替スイッチSW2が接点TB3側に切り替えられて電流源CS1から出力された充電電流ICHGによりコンデンサC3が充電されて充電電圧VC3が徐々に上昇すると共に、スイッチSW3が接点TB1側に切り替えられて基準電圧VSHがコンパレータCMP3の非反転入力端子へ供給される。
以上のように、コンデンサC3の充放電を繰り返すことにより、発振器OSC1から周期信号CLK1が出力される。そして、コンパレータCMP1によりスイッチSW1がオンされると、オフ時間延長信号SOFFが電流源CS1に入力され、オフ時間延長信号SOFFの増減に応じて電流源CS1から出力される充電電流ICHGが減増される結果、周期信号CLK1のハイレベルの期間Trが増減される。周期信号CLK1のハイレベルの期間Trは、スイッチング素子Q1のオフ期間と対応しており、これにより、コンパレータCMP1によりスイッチSW1がオン、すなわちスイッチング素子Q1のオン時間が最小オン検出時間以下となったことが検出されると、差分出力部404から出力された差分信号SUB1に、アンプ408によりゲインを乗じて出力されたオフ時間延長信号SOFFに基づきスイッチング素子Q1のオフ期間が増減され、スイッチング素子Q1のオンデューティが減増される。そして、図6に示すように、オフ時間延長信号SOFFに応じて、周期信号CLK1の周期が増大される。
なお、電流源CS1は、オフ時間延長信号SOFFの増減に応じて充電電流ICHGを減増させる例に限られず、例えばコンパレータCMP1によりスイッチング素子Q1のオン時間が最小オン検出時間以下となったことが検出されると、コンパレータCMP1の検出信号に応じて充電電流ICHGを予め設定された電流値に減少させる構成としてもよい。
図7は、電流源CS1の構成の一例を示す回路図である。図7に示す電流源CS1は、演算増幅器OP2と、トランジスタQ2〜Q7と、抵抗REXと、抵抗RCHGとを備えて構成されている。演算増幅器OP2の非反転入力端子には、オフ時間延長信号SOFFが入力され、演算増幅器OP2の出力端子はトランジスタQ2のベースに接続され、トランジスタQ2のエミッタは演算増幅器OP2の反転入力端子に接続されると共に抵抗REXを介してグラウンドに接続されている。
トランジスタQ2のコレクタは、トランジスタQ3のコレクタに接続されている。トランジスタQ3とトランジスタQ4とはカレントミラー回路を構成し、トランジスタQ4の出力電流ICTRは抵抗RCHGを介してグラウンドに供給される。また、トランジスタQ4と並列に、トランジスタQ5とトランジスタQ7との直列回路が接続され、トランジスタQ7のベースには、所定の基準電圧VREFにトランジスタQ7のベースエミッタ間電圧VBEを加算した電圧が印加されている。トランジスタQ5とトランジスタQ6とはカレントミラー回路を構成し、トランジスタQ6の出力電流が充電電流ICHGとしてスイッチSW2を介してコンデンサC3へ供給される。
図7に示す電流源CS1では、オフ時間延長信号SOFFがゼロの場合における充電電流ICHGは、抵抗RCHGの抵抗値をRCHGとすると、下記の式(1)で与えられる。
ICHG=VREF/RCHG ・・・(1)
さらに、オフ時間延長信号SOFFの電圧値がVexof、抵抗REXの抵抗値をREXとすると、充電電流ICHGは、下記の式(2)で与えられる。
ICHG=(VREF/RCHG)−(Vexof/REX) ・・・(2)
式(2)に示すように、充電電流ICHGは、オフ時間延長信号SOFFの電圧値Vexofに応じて増減される。また、スイッチング素子Q1のオン時間が最小オン検出時間以下となりスイッチング素子Q1のオフ時間による出力調整が行われている状態おけるフィードバックゲインは、アンプ408のゲインKtによって設定され、スイッチング素子Q1のオン時間が最小オン検出時間を超えている状態におけるフィードバックゲインは比例回路405のゲインKpによって設定することができるので、例えば放電灯Laが冷えている等により略短絡状態になった場合と、定常点灯状態とで異なるフィードバックゲインを設定することができ、それぞれの負荷条件にあわせて適切なゲインの設定を行うことが容易となる。
また、図4に示す発振器OSC1から出力される周期信号CLK1は、ローレベルの期間Tfが電流源CS2による放電電流IDCGで決定され、放電電流IDCGは固定されているので、ローレベルの期間Tfもまた固定である。そして、期間Tfがスイッチング素子Q1の最小オン時間Tminと等しくなるように放電電流IDCGが設定されている。そうすると、周期信号CLK1によって、少なくとも期間Tfの間フリップフロップFF1が強制的にセットされるので、スイッチング信号SPWMのハイレベルの期間、すなわちスイッチング素子Q1のオン時間が、少なくとも最小オン時間Tmin以上確保される。
また、図6に示すように、オフ時間延長信号SOFFがゼロの場合、すなわちスイッチング素子Q1のオン時間が最小オン検出時間を超えている場合には、周期信号CLK1は、式(1)で得られる充電電流ICHGにより決定される期間Trと、固定されている期間Tfとを加算した周期f1にされる。
図3に示すPWM信号発生回路50におけるコンパレータCMP2は、電流検出回路12により検出されたスイッチング素子Q1を流れる電流I1の電流値を示す電流検出信号SI1と、電圧制御信号SWCとを比較する。電流I1は、スイッチング素子Q1がオンされると徐々に上昇するので、電流検出信号SI1もまたスイッチング素子Q1がオンされてから徐々に上昇する。そして、電流検出信号SI1が電圧制御信号SWCに達すると、コンパレータCMP2の出力信号がローレベルとなりフリップフロップFF1がリセットされ、スイッチング信号SPWMがローレベルにされてスイッチング素子Q1がオフされる。
これにより、スイッチング素子Q1のオン時間が最小オン検出時間を超えている場合には、スイッチング素子Q1のオンオフ周期が周期f1にされると共に、スイッチング素子Q1のオン時間が電圧制御信号SWCに応じて設定されるので、スイッチング周期を一定に保ちつつオンデューティを制御することができる。また、スイッチング素子Q1のオン時間が最小オン検出時間以下となった場合には、発振器OSC1から出力される周期信号CLK1のローレベルの時間Tfによって、スイッチング素子Q1のオン時間が最小オン時間Tminにされると共に、スイッチング素子Q1のオフ時間がオフ時間延長信号SOFFに応じて延長されるので、スイッチング素子のスイッチング特性に応じた最小オン時間Tminを確保しつつ電力供給部10の出力電力を低下させることができ、放電灯Laを損傷したり、放電灯点灯装置8内の回路を損傷したりすることを抑制することができる。
図8は、PWM信号発生回路50の他の一例を示す回路図である。また、図9は、図8に示すPWM信号発生回路50の動作を説明するための信号波形図である。図8に示すPWM信号発生回路50は、図4に示す発振器OSC1とコンパレータCMP7とNANDゲート51とを備え、発振器OSC1におけるコンデンサC3の充放電動作に伴うノコギリ波状の信号波形と、電圧制御信号SWCとを比較して得られた信号をスイッチング信号SPWMとして用いる三角波比較方式のいわゆるスイッチモード型のPWM制御回路である。
図8に示すPWM信号発生回路50は、発振器OSC1におけるコンデンサC3の充電電圧VC3がコンパレータCMP7の非反転入力端子に入力され、電圧制御信号SWCがコンパレータCMP7の反転入力端子に入力され、コンパレータCMP7の出力端子はNANDゲート51の入力端子に接続されている。
次に、図9を参照して図8に示すPWM信号発生回路50の動作を説明する。まず、オフ時間延長信号SOFFがローレベルの場合、すなわちスイッチング素子Q1のオン時間が最小オン検出時間を超えている場合には、周期信号CLK1の周期が周期f1にされているので、充電電圧VC3はコンデンサC3の充放電動作に伴い周期f1のノコギリ波状の信号波形となっている。そうすると、コンパレータCMP7によって、充電電圧VC3と電圧制御信号SWCとが比較され、充電電圧VC3が電圧制御信号SWC以下であればコンパレータCMP7の出力信号がローレベルとなりNANDゲート51で反転されて、スイッチング信号SPWMがハイレベルで出力され、充電電圧VC3が電圧制御信号SWCを超えればコンパレータCMP7の出力信号がハイレベルとなりNANDゲート51で反転されてスイッチング信号SPWMがローレベルで出力される。
すなわち、スイッチング素子Q1のオン時間が最小オン検出時間を超えている場合には、スイッチング素子Q1は周期f1で電圧制御信号SWCの増減に応じてオンデューティが増減される。
一方、電力供給部10の出力電圧Voutを低下させるべく、電圧制御信号SWCが低下し、充電電圧VC3の下限電圧VSLを下回ると、コンパレータCMP7の出力信号がローレベルで固定されてしまい、コンパレータCMP7の出力信号におけるローパルス幅を最小オン時間Tmin以上にすることができない。そうすると、NANDゲート51から周期信号CLK1を反転させた信号がスイッチング信号SPWMとして出力される。
これにより、電力供給部10の出力電圧Voutが低下した場合であっても、周期信号CLK1におけるローパルス幅、すなわち最小オン時間Tmin以上のオン時間を確保することができるので、スイッチング信号SPWMのオン時間が短すぎるためにスイッチング素子Q1を完全にオンさせることができず、オン抵抗が残留してスイッチング素子Q1による損失増大を招くことが抑制される。
次に、図3に示す制御回路部40のコンパレータCMP1によって積分信号SCVが、最小オン時間Tminに対応する電圧である基準電圧Vrof以下となったことが検出され、スイッチSW1がオンされると、オフ時間延長信号SOFFが発振器OSC1に入力され、オフ時間延長信号SOFFに応じて電流源CS1から出力されるコンデンサC3の充電電流ICHGが減少される結果、コンパレータCMP1により周期信号CLK1におけるハイパルス幅が増大され、NANDゲート51で反転されてスイッチング信号SPWMにおけるハイパルス幅が増大され、スイッチング素子Q1におけるオフ時間が増大されることによりオンデューティが減少され、電力供給部10の出力電圧Voutが低下される。
これにより、最小オン時間Tminに対応する電圧である基準電圧Vrof以下となったことが検出された場合には、スイッチング素子Q1のオン時間を最小オン時間Tminに維持しつつ、スイッチング素子Q1のオフ時間をオフ時間延長信号SOFFに応じて延長することができるので、スイッチング素子のスイッチング特性に応じた最小オン時間Tminを確保しつつ電力供給部10の出力電力を低下させることができ、放電灯Laを損傷したり、放電灯点灯装置8内の回路を損傷したりすることを抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る放電灯点灯装置について説明する。図10は、放電灯点灯装置8aの構成の一例を示す回路図である。図10に示す放電灯点灯装置8aは、図3に示す放電灯点灯装置8とは、電力供給部10aと、制御回路部40aと、PWM信号発生回路50aとが異なる。なお、インバータ回路20と始動回路30とはその記載を省略している。
図10に示す電力供給部10aは、電流検出回路11の代わりにスイッチング素子Q1と直列に接続された抵抗R4を備え、トランスTの二次側巻線L2を流れる電流I2を検出する電流検出回路12をさらに備えている。抵抗R4は、トランスTの一次側巻線L1と、スイッチング素子Q1を介して直列に接続され、一次側巻線L1を流れる電流I1を検出する。そして、抵抗R4の両端電圧が一次側巻線L1を流れる電流I1の検出値を示す電流検出信号SI1として制御回路部40aへ出力される。
図10に示す制御回路部40aは、図3に示す制御回路部40のように差分出力部404で電流検出信号SLI(検出電流値)と目標電流値信号STI(目標電流値)との差演算により得られた電流を積分回路406で積分させる代わりに、電流検出信号SLIと目標電流値信号STIとの大小比較結果に応じてコンデンサC4からなる積分回路427の充電動作と放電動作とを切り替えるようにしたものである。
制御回路部40aは、カレントミラー回路421,422と、差分出力部423,424と、オフセット電流源CS3と、抵抗R5からなる比例回路426と、積分回路427と、オフ時間延長信号生成部433と、ランプ電圧検出回路401と、目標値設定部402と、ランプ電流検出回路403とを備えている。図10においては、ランプ電圧検出回路401と、目標値設定部402と、ランプ電流検出回路403とは図示を省略している。
オフ時間延長信号生成部433は、オフ時間延長信号SOFFを生成する回路部で、差分出力部425と、差分信号補正部428と、正信号抽出部429と、アンプ430とを備えて構成されている。
カレントミラー回路421は、目標値設定部402から出力された目標電流値信号STIを、3系統にして差分出力部423,424,425へそれぞれ供給する。カレントミラー回路422は、ランプ電流検出回路403から出力された電流検出信号SLIを、3系統にして差分出力部423,424,425へそれぞれ供給する。
差分出力部423は、抵抗R6,R7と、コンパレータCMP4と、フリップフロップFF2と、発振器OSC2と、定電流源CS4,CS5と、スイッチSW4とを備えている。そして、カレントミラー回路421から出力された目標電流値信号STIが抵抗R6を介してグラウンドへ流れることにより抵抗R6に生じた電圧がコンパレータCMP4の非反転入力端子へ供給され、カレントミラー回路422から出力された電流検出信号SLIが抵抗R7を介してグラウンドへ流れることにより生じた電圧がコンパレータCMP4の反転入力端子へ供給される。さらに、コンパレータCMP4の出力信号は、フリップフロップFF2により発振器OSC2から出力された周期T1の周期信号と同期化されてスイッチSW4へ出力される。
スイッチSW4は、フリップフロップFF2により周期T1と同期化されたコンパレータCMP4の出力信号に応じて切り替えられる切り替えスイッチで、コンパレータCMP4の出力信号がハイレベルであれば積分回路427を定電流源CS4に接続し、コンパレータCMP4の出力信号がローレベルであれば積分回路427を定電流源CS5に接続する。定電流源CS4は、予め設定された一定の電流をスイッチSW4を介して積分回路427へ供給し、充電する。定電流源CS5は、予め設定された一定の電流をスイッチSW4を介して積分回路427から引き抜いて、放電する。
そして、電流検出信号SLIが目標電流値信号STIよりも小さければ、コンパレータCMP4の出力信号がハイレベルとなり周期T1と同期したタイミングでスイッチSW4により積分回路427が定電流源CS4に接続され、定電流源CS4によって積分回路427が充電されてコンデンサC4の充電電圧である積分信号SCVの電圧が上昇する。一方、電流検出信号SLIが目標電流値信号STIよりも大きければ、コンパレータCMP4の出力信号がローレベルとなり周期T1と同期したタイミングでスイッチSW4により積分回路427が定電流源CS5に接続され、定電流源CS5によって積分回路427が放電されて積分信号SCVの電圧が下降する。さらに、積分回路427の積分信号SCVが、差分信号補正部428とPWM信号発生回路50aとへ出力される。
この場合、積分回路427の充電電流は、定電流源CS4から出力される予め設定された一定の電流となり、積分回路427の放電電流は、定電流源CS5により引き抜かれる予め設定された一定の電流となるので、例えば放電灯Laの放電開始直後等において電流検出信号SLIと目標電流値信号STIとの差が急激に増大し、積分回路427等の充放電電流が急激に増大して積分信号SCVにリンギングが生じることが抑制される。また、スイッチSW4の切り替えは、フリップフロップFF2により周期T1と同期したタイミングで行われるので、周期T1をスイッチSW4や定電流源CS4,CS5の応答時間以上に設定しておくことにより、コンパレータCMP4の出力信号の変化に積分回路427の充放電動作が追従できなくなることが抑制される。
差分出力部424は、例えば減算器を用いて構成されており、カレントミラー回路422により出力された電流検出信号SLIからカレントミラー回路421により出力された目標電流値信号STIを減算し、得られた差分値に応じた電流を差分信号SUB2として抵抗R5を介して電力供給部10aにおけるスイッチング素子Q1と抵抗R4との接続点へ供給する。
オフセット電流源CS3は、差分出力部424から出力された差分信号SUB2に予め設定されたオフセット電流を重畳して抵抗R5を介して電力供給部10aにおけるスイッチング素子Q1と抵抗R4との接続点へ供給する。抵抗R5は、オフセット電流源CS3によりオフセット電流が加算された差分信号SUB2の電流に比例する電圧を、抵抗R4により検出された電流I1の検出値を示す電流検出信号SI1に加算した比例信号SRVとしてPWM信号発生回路50aへ供給する比例回路426として機能する。
この場合、電力供給部10aにおける一次側巻線L1に流れる電流I1は、PWM信号発生回路50aからのスイッチング信号SPWMに応じてスイッチング素子Q1がスイッチング動作を行うと、スイッチング素子Q1のスイッチング動作に伴い増減を繰り返すため、電流検出信号SI1はノコギリ波状の信号となる。そして、このノコギリ波状の電流検出信号SI1に、比例回路426である抵抗R5を、差分出力部424から出力された差分信号SUB1が流れることによる電圧降下が加算され、比例信号SRVとしてPWM信号発生回路50aへ供給される。
差分信号補正部428は、差分信号補正部428は、例えばアンプ431と電圧電流変換器432とを備えている。そして、差分信号補正部428は、積分信号SCVをスイッチング素子Q1におけるオンデューティの増減指示として用い、差分出力部425から出力される差分信号SUB3を積分信号SCVに応じて補正するべく補正信号SKSを生成し、電流信号として差分出力部425へ出力する。
差分出力部424は、例えば減算器を用いて構成されており、カレントミラー回路422により出力された電流検出信号SLIから、カレントミラー回路421により出力された目標電流値信号STIと、差分信号補正部428から出力された補正信号SKSとを減算することにより得られた信号を差分信号SUB3として正信号抽出部429へ出力する。そして、差分信号補正部428は、積分回路427の積分信号SCVが、最小オン時間Tminに対応する電圧を超えている場合には、差分出力部425による演算の結果得られる差分信号SUB3が負の値になるように補正信号SKSを生成し、差分出力部425へ出力する。
正信号抽出部429は、例えばダイオードやトランジスタを用いて構成され、差分出力部425から出力された差分信号SUB3の負極側をカットし、正極側のみをアンプ430へ出力する。アンプ430は、正信号抽出部429から出力された信号、すなわち差分信号SUB3の正極側の信号SUB4にゲインKtを乗じた信号をオフ時間延長信号SOFFとしてPWM信号発生回路50aへ出力する。
これにより、積分回路427の積分信号SCVが最小オン時間Tminに対応する電圧を超えている場合、すなわちスイッチング素子Q1のオン時間が最小オン時間Tminを超えている場合には、差分信号補正部428から出力される補正信号SKSによって、差分信号SUB3が負の値にされ、正信号抽出部429によって差分信号SUB3の負極側がカットされるので、オフ時間延長信号SOFFがゼロにされ、PWM信号発生回路50aによるオフ時間の延長を行わせないようになっている。
一方、積分回路427の積分信号SCVが最小オン時間Tminに対応する電圧以下の場合、すなわちスイッチング素子Q1のオン時間が最小オン時間Tmin以下の場合には、差分信号SUB3が正の値にされ、正信号抽出部429によって差分信号SUB3がアンプ430へ出力され、ゲインKtが乗ぜられてオフ時間延長信号SOFFとしてPWM信号発生回路50aへ出力される結果、PWM信号発生回路50aによって、オフ時間延長信号SOFFに基づいてオフ時間が変化される。
図11は、オフ時間延長信号SOFFを生成するオフ時間延長信号生成部433の構成の一例を示す回路図である。図11に示すオフ時間延長信号生成部433は、差分信号補正部428、差分出力部425、正信号抽出部429、及びアンプ430を備えている。図11に示す差分信号補正部428は、差動アンプAMP1の非反転入力端子に積分回路427で得られた積分信号SCVが入力され、差動アンプAMP1の出力端子がトランジスタQ8のベースに接続され、トランジスタQ8のエミッタが抵抗RKsを介してグラウンドに接続され、トランジスタQ8のコレクタが、カレントミラー回路422から電流検出信号SLIを供給する配線W1に接続されている。
そして、所定のオフセット電流Iosを出力するオフセット電流源CS6によって、オフセット電流Iosが抵抗RKsを介してグラウンドへ流され、抵抗RKsに生じた電圧が差動アンプAMP1の反転入力端子に入力されている。オフセット電流Iosは、スイッチング素子Q1のオン時間が最小オン時間Tminとなった場合における積分信号SCVの電圧値を電圧Vrof、抵抗RKsの抵抗値をRKsとすれば、下記の式(3)を満たすように、設定される。
Vrof=Ios×RKs ・・・(3)
すなわち、トランジスタQ8がオフしている状態では、抵抗RKsの電圧降下が電圧Vrofにされ、差動アンプAMP1の反転入力端子には電圧Vrofが入力されるので、積分信号SCVが電圧Vrof以下である範囲、すなわちスイッチング素子Q1のオン時間が最小オン時間Tmin以下の範囲では、差動アンプAMP1の出力電圧は負となりトランジスタQ8はオンしない。
一方、積分信号SCVが電圧Vrofを超える範囲、すなわちスイッチング素子Q1のオン時間が最小オン時間Tminを超える範囲では、差動アンプAMP1の出力電圧は正となりトランジスタQ8は差動アンプAMP1の出力電圧に応じた電流、すなわち積分信号SCVの電圧値に応じた電流ISKSを、配線W1から抵抗RKsを介してグラウンドへ流すので、電流検出信号SLIから積分信号SCVの電圧値に応じた電流ISKSが減算される。すなわち、電流検出信号SLIからオンデューティの増減指示である積分信号SCVの増減に応じてオフ時間の増減指示量を減増させるべく電流ISKSが減算される。
図12は、差分信号補正部428の動作を説明するための説明図である。図12に示すように、積分信号SCVが電圧Vrof以下である範囲、すなわちスイッチング素子Q1のオン時間が最小オン時間Tmin以下の範囲では、電流ISKSはゼロなので、電流検出信号SLIはそのまま差分出力部425へ供給される。
一方、積分信号SCVが電圧Vrofを超える範囲、すなわちスイッチング素子Q1のオン時間が最小オン時間Tminを超える範囲では、電流ISKSが積分信号SCVの電圧値に応じて急激に増加する。そうすると、電流検出信号SLIから減算される電流ISKSが急激に増加するので、積分信号SCVが電圧Vrofを超えると、すみやかに正信号抽出部429へ供給される電流が負にされ、オフ時間延長信号SOFFがゼロにされるようになっている。電流ISKSの増加率(傾き)は、抵抗RKsの抵抗値RKsによって設定される。
図11に示す差分出力部425は、トランジスタQ9とトランジスタQ10とからなるカレントミラー回路にされており、トランジスタQ9のコレクタにカレントミラー回路421から出力された目標電流値信号STIが供給され、トランジスタQ10によって、配線W1を流れる電流、すなわち電流検出信号SLIから電流ISKSが減算された電流から、目標電流値信号STIを減算する。
以上、差分信号補正部428と、差分出力部425とにより電流検出信号SLIから電流ISKSと目標電流値信号STIとが減算された後の電流が、差分信号SUB3として正信号抽出部429におけるトランジスタQ11のエミッタへ出力される。
正信号抽出部429は、ベースに所定の基準電圧Vrefが印加されたトランジスタQ11から構成されており、トランジスタQ11のエミッタ−ベース間におけるダイオード機能により吐き出し方向の信号電流のみが抽出され、信号SUB4としてアンプ430へ出力される。
アンプ430は、トランジスタQ12,Q13からなるカレントミラー回路と、トランジスタQ14,Q15からなるカレントミラー回路と、トランジスタQ12のエミッタとグラウンドとの間に介設された抵抗値がRrの抵抗Rrと、トランジスタQ13のエミッタとグラウンドとの間に介設された抵抗値がRgの抵抗Rgとを備え、トランジスタQ12のコレクタにトランジスタQ11からの信号SUB4が供給され、トランジスタQ13のコレクタがトランジスタQ14のコレクタに接続されている。アンプ430のゲインKtは、下記の式(4)に基づき設定される。
Kt=Rr/Rg ・・・(4)
これにより、アンプ430におけるトランジスタQ15のコレクタからPWM信号発生回路50aへ、信号SUB4にゲインKtを乗じた信号がオフ時間延長信号SOFFとして出力される。
図10に示すPWM信号発生回路50aは、いわゆる電流境界モードで動作するカレントモード型のPWM信号発生回路の例であり、トランスTの二次側巻線L2を流れる電流I2を検出する電流検出回路12と、コンパレータCMP5,CMP6と、オアゲート504,505と、フリップフロップFF1と、最大オフ時間制限タイマ502と、最小オン時間制限タイマ503とを備えている。
そして、コンパレータCMP6の反転入力端子に比例回路426で得られた比例信号SRVが入力され、コンパレータCMP6の非反転入力端子に積分回路427で得られた積分信号SCVが入力され、コンパレータCMP6の出力信号がオアゲート505を介してフリップフロップFF1のリセット端子へ出力される。最小オン時間制限タイマ503は、最小オン時間Tminを確保し、さらに電流検出信号SI1の誤検出等によりスイッチング素子Q1がオン直後にオフしてしまう誤動作を防止するべく、スイッチング素子Q1のオンタイミングから最小オン時間Tminの間、ハイレベルの信号をオアゲート505へ出力してコンパレータCMP6の出力信号によるフリップフロップFF1のリセット動作を禁止する。
また、コンパレータCMP5の反転入力端子に予め設定された基準電圧Vrizが入力され、コンパレータCMP5の非反転入力端子に電流検出回路12で検出された電流I2の電流値が入力され、コンパレータCMP5の出力信号がオアゲート504の一方の入力端子に入力されている。基準電圧Vrizは、一次側巻線L1に磁気的に蓄えられたエネルギーが二次側巻線L2側に略すべて放出された場合の二次側巻線L2を流れる電流I2に対応して設定されている。
さらに、オアゲート504の他方の入力端子には、フリップフロップFF1から出力されたスイッチング信号SPWMが入力され、オアゲート504の出力信号がフリップフロップFF1のセット端子に入力されている。また、フリップフロップFF1の出力信号であるスイッチング信号SPWMは最大オフ時間制限タイマ502へ出力され、最大オフ時間制限タイマ502の出力がフリップフロップFF1のセット端子に接続されている。
これにより、ノコギリ波状にされた比例信号SRVが積分信号SCVに達した際にスイッチング素子Q1がオフされ、一次側巻線L1に磁気的に蓄えられたエネルギーが二次側巻線L2側に略すべて放出されたタイミングでスイッチング素子Q1がオンされる。
最大オフ時間制限タイマ502は、アンプ430から出力されたオフ時間延長信号SOFFに応じてスイッチング素子Q1のオフ時間の上限値を制限する回路部で、フリップフロップFF1から出力されたスイッチング信号SPWMのローレベルの時間に基づきオフ時間を計時し、オフ時間が予め設定された最大オフ時間を超えた場合にフリップフロップFF1をセットしてスイッチング素子Q1をオンさせる。これにより、スイッチング信号SPWMのオフ時間の上限が設定され、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数が予め設定された所定の周波数以下となることが抑制される。
これにより、例えば放電灯Laが高輝度放電灯負荷である場合等、ランプが冷えているためにランプ電圧が低下したり、放電灯点灯装置8aの回路故障等により出力短絡した場合等に出力電圧Voutが低下すると、トランスTのエネルギが負荷側に吐出す期間が過度に長くなり、スイッチング周波数の過度の低下を引き起こす可能性があるが、最大オフ時間制限タイマ502によって、スイッチング素子のオフ時間が最大オフ時間を超えることが抑制され、スイッチング周波数が過度に低下することが抑制される。
また、最大オフ時間制限タイマ502における最大オフ時間は、アンプ430から出力されたオフ時間延長信号SOFFの増減に応じて増減される。具体的には、オフ時間延長信号SOFFは、スイッチング素子Q1のオン時間が最小オン時間Tminを超えている場合はオフ時間延長信号生成部433によってゼロにされるので、最大オフ時間制限タイマ502によるオフ時間の延長は行われない。一方、スイッチング素子Q1のオン時間が最小オン時間Tmin以下の場合は、オフ時間延長信号生成部433によって電流検出信号SLIから目標電流値信号STIが減算され、さらに電流ISKSによる補正が加えられたオフ時間延長信号SOFFに応じて、PWM信号発生回路50aによるオフ時間の延長が行われる。
これにより、スイッチング素子Q1の最小オン時間Tminを確保しつつ、スイッチング素子Q1のオン時間が最小オン検出時間を超えている場合にはスイッチング信号SPWMのオフ時間が予め設定された最大オフ時間に制限され、スイッチング素子Q1のスイッチング周波数が予め設定された所定の周波数以下となることが抑制されると共に、スイッチング素子Q1のオン時間が最小オン時間Tmin以下の場合はオフ時間延長信号SOFFに応じてオフ時間の延長が行われるので、スイッチング素子のスイッチング特性に応じた最小オン時間を確保しつつスイッチング周波数の低下を軽減することができる。
また、オフ時間延長信号SOFFは、スイッチング素子Q1のオン時間が最小オン時間Tminを超えた場合に差分信号補正部428により積分信号SCVに応じて信号値が増大されるので、最大オフ時間制限タイマ502によるオフ時間の延長制御の有無の切替を連続的に行うことができ、切替がスムーズとなる。
なお、差分信号補正部428は、スイッチング素子Q1のオン時間が最小オン時間Tminを超えた場合にオフ時間延長信号生成部433による差分演算の結果である差分信号SUB3が負になるようにゲインKsを設定し、差分信号SUB3の正側信号だけを抽出することにより、スイッチング素子Q1のオン時間が最小オン時間Tminを超えた場合にオフ時間延長信号SOFFをゼロにする例を示したが、差分信号補正部428ではゲインをかけず、差分出力部425による差分演算後にスイッチング素子Q1のオン時間が最小オン時間Tminを超えた場合に相当する信号を抽出する構成としてもよい。
また、例えば、マイクロコンピュータを備えて構成された制御回路を用いて、スイッチング素子Q1のオン時間が最小オン時間Tminを超えた場合に、積分回路427による積分信号SCVに基づいてオンデューティを増減させ、スイッチング素子Q1のオン時間が最小オン時間Tminに達した場合、オフ時間を増減させることによりスイッチング素子Q1のオンデューティを減増させる制御を実行するようにしてもよい。