JP2006227154A - 写真撮影用照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定常光を使用して、色合いの良好な写真を簡単に撮影することができる写真撮影用照明装置を提供する。
【解決手段】スタジオ内でスチル写真のスタジオロケーション撮影を行なう際に使用される写真撮影用照明装置である。写真撮影スタジオ内の天井に、自然光に近似した色温度の定常光を放射する天井蛍光灯具6が配設される。定常光を被写体に照射するメインスポットライト1が写真撮影スタジオ内の被写体の略前方に配設される。定常光を背面壁に照射するバックライト5が配設され、被写体の上方から定常光を被写体に照射するトップスポットライト2が被写体の上方に配設される。被写体の斜め前方下側から定常光を被写体に照射するアッパースポットライト4が配設される。
【選択図】図1

Description

本発明は、写真撮影に使用する写真撮影用照明装置に関し、特に自然光に近い定常光を使用して、良好な写真を容易に撮影することができる写真撮影用照明装置に関する。
従来、写真撮影スタジオにおいて、スタジオロケーションで人物写真などを撮影する場合、照明装置としてはその殆ど全てにおいてストロボ装置を使用し、放電灯などをストロボ光源として閃光動作させ、スタジオ内でポートレートなどの写真を撮影している(例えば下記特許文献1を参照)。
特開2003−177461
しかし、室内でストロボ装置を光源として写真撮影する場合、被写体の影の出方を少なくするためには、照明装置の発光面積を大きくする必要があるが、このためには、大型のストロボを、メインストロボ、フロントストロボ、トップストロボのように、数多く設置する必要があるなどの課題があった。
また、ストロボ撮影の場合、定常光による撮影とは相違して、実際に被写体に照射された光の照度を測定してカメラの絞りやシャッター速度を調整することができないため、カメラのシャッター動作に同期して点灯するストロボ装置の発光量を予想してカメラの絞りやシャッター速度を調整している。このため、複数のストロボを使用する場合、試験撮影なしにカメラの絞りやシャッター速度を正確に調整することが難しいという課題があった。
また、逆に、予め設定したカメラの絞りやシャッター速度に応じて、ストロボ装置の発光開始時間と発光終了時間を制御することも行なわれているが、メインストロボ、フロントストロボ、トップストロボのような複数のストロボの発光時間を、カメラの絞りやシャッター速度に応じて正確に制御することは難しく、やはり試験撮影なしに良好に写真撮影を行うことが難しいという課題があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、定常光を使用して、色合いの良好な写真を簡単に撮影することができる写真撮影用照明装置を提供することを目的とする。
本発明に係る写真撮影用照明装置は、スタジオ内でスチル写真のスタジオロケーション撮影を行なう際に使用される写真撮影用照明装置であって、写真撮影スタジオ内の天井に、自然光に近似した色温度の定常光を放射する天井蛍光灯具が配設され、定常光を被写体に照射するメインスポットライトが写真撮影スタジオ内の被写体の略前方に配設され、定常光を背面壁に照射するバックライトが配設され、被写体の上方から定常光を被写体に照射するトップスポットライトが被写体の上方に配設され、被写体の斜め前方下側から定常光を被写体に照射するアッパースポットライトが配設されていることを特徴とする。
ここで、上記照明装置においては、請求項2のように、前記天井蛍光灯具及び前記スポットライトに加えて、被写体の正面前方から被写体に定常光を照射するフロントスポットライトが、スタジオ内を移動可能に配設された移動台上に取り付けられた構成とすることができる。
また、請求項3のように、前記メインスポットライト、バックライト、トップスポットライト、アッパースポットライト、及びフロントスポットライトには、フレネルレンズを用いたフレネルレンズスポットライトを使用することができる。
また、請求項4のように、被写体の背面側から定常光を照射する逆光ライトを、被写体の背面側に配設することができる。
また、請求項5のように、前記天井蛍光灯具、メインスポットライト、バックライト、トップスポットライト、アッパースポットライト、フロントスポットライト、及び逆光ライトは、調光制御盤に接続され、該調光制御盤には、使用するライトとその光量データとからなる複数のシーンデータが予め記憶され、該シーンデータに基づき、各ライトの調光制御が行われるように構成することができる。
上記構成の写真撮影用照明装置は、スチル写真のスタジオロケーション撮影を行なうスタジオ内に設置され、天井蛍光灯具、メインスポットライト、トップスポットライト、アッパースポットライト、及びフロントスポットライトが全て、或は選択された灯具を点灯して使用される。それらの灯具から被写体に向けて定常光が照射され、バックライトからはバックシートに向けて定常光が照射され、このような定常光をスタジオ内に照射した状態で、被写体の前方に設置したカメラによる写真撮影が行なわれる。
基本照明としての天井蛍光灯具から自然光に近似した色温度の定常光が、被写体を含むスタジオ全体に照射され、メインスポットライト、トップスポットライト、アッパースポットライト、及びフロントスポットライトから被写体に向けて定常光が照射され、充分な光量で影を殆ど生じずに、被写体を照明することができる。また、照明された被写体のそのままの状態を、カメラのファインダーを見ながら撮影することができるため、自動絞り調整機能または自動シャッター速度調整機能を動作させ、或いは照度計などで被写体の照度を正確に測定しその照度に合わせてカメラの絞り、シャッター速度を設定することができ、経験の浅い撮影者であっても、良好な写真を撮影することができる。
さらに、天井蛍光灯具には、例えば色温度5500°kの自然光に近似した定常光を照射する蛍光ランプを使用し、スポットライトには例えば色温度5600°kのメタルハライドランプなどの自然光に近い色温度の光を放射するランプを使用すると共に、照射面の輪郭が柔らかなソフトエッジ光を照射するフレネルレンズをスポットライト使用すれば、自然光に近いフラッドライトを被写体に照射することができ、自然光で撮影した場合と同様な自然の色合いで美しい写真を撮影することができる。
また、基本照明として天井蛍光灯具から定常光を照射した状態で、メインスポットライト、アッパースポットライト、及びフロントスポットライトから、比較的近い距離の被写体に定常光を照射するため、少ない灯具数で効率良く照明を行うことができ、テレビスタジオの照明設備或いは舞台照明のような多くのライト群を使用する照明装置とは異なり、小さい電源設備と電源容量で経済的に使用することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1、図2は、写真スタジオ内でスチル写真のスタジオロケーション撮影を行なう際に使用される写真撮影用照明装置の配置図を示している。
写真撮影スタジオの天井には、基本照明設備として、天井蛍光灯具6が取り付けられている。天井蛍光灯具6には、自然光に極めて近似した色温度5500°kの光を照射する複数の蛍光ランプ6aが装着される。この蛍光ランプ6aは、自然光と略同じ可視光領域の分光スペクトルを有した光を放射するランプであり、使用する蛍光ランプ6aの長さや本数は、任意に決めることができるが、基本照明である天井蛍光灯具6のみで、撮影に充分な照度(スタジオの床面の照度が例えば5000lx〜10000lx)が得られる程度に、蛍光ランプ6aの長さ、本数が決定される。背面壁の前には、バックシート9が上方から床上に引き出すように配設され、バックシート9の前部中央に人物などの被写体が配置される。
メインスポットライト1は写真撮影スタジオの天井部に、被写体に向けてライトを照射するように、斜め前方下側に向けて取り付けられる。また、2台のバックライト5が床上に背面壁を向けて配設され、定常光をバックシート9に照射するように設置されている。トップスポットライト2は、被写体の真上の天井部に、被写体の上方から定常光を被写体に照射するように取り付けられている。
さらに、アッパースポットライト4が、被写体の前方斜め下側に配置され、被写体の斜め前方下側から定常光を被写体に向けて照射するように配設されている。また、フロントスポットライト3が、被写体の正面前方からライトを照射するように、図示しない移動台上に固定される形態で、被写体の略正面前方に被写体を向けて配置される。フロントスポットライト3は、移動台を移動することにより、スタジオ内を移動可能に配設され、任意の位置に移動して配置できるようにしている。なお、フロントスポットライト3は、被写体の背面側に設置することにより、逆光ライトとして使用することもできる。
メインスポットライト1、バックライト5、トップスポットライト2、アッパースポットライト4、及びフロントスポットライト3には、例えば100W〜500Wの白熱電球、キセノンランプ、ハロゲンランプなどを使用したスポットライトを使用することができ、例えば色温度5600°kのメタルハライドランプなどの自然光に近い色温度の定常光を放射するランプを使用することができる。
また、上記メインスポットライト1、トップスポットライト2、アッパースポットライト4、及びフロントスポットライト3には、フレネルレンズを使用したフレネルレンズスポットライトが使用される。フレネルレンズスポットライトは、照射面の輪郭が柔らかい、ソフトエッジの明かりをつくる特性を備えており、所謂フラッドライトを被写体に照射することができる。太陽の直射光のような指向性を持つ狭窄された光束の定常光を被写体に照射する場合は、通常の平凸レンズを使用した通常のスポットライトが使用される。
基本照明設備である天井蛍光灯具6からの定常光により、スタジオ内全体の照度が確保できるため、またライトと被写体までの距離が比較的短いため、スポットライトの数は、舞台照明或はテレビスタジオの照明設備に比べ、遥かに少ない数のライトで照明装置を構成することができる。
上記メインスポットライト1、バックライト5、トップスポットライト2、アッパースポットライト4、フロントスポットライト3、及び天井蛍光灯具6は、図3に示すように、調光盤の調光制御部11に接続され、調光される。調光盤には調光制御部11を制御する調光記憶制御部12が設けられ、調光記憶制御部12には使用者が操作するための入力操作部13が接続されている。調光記憶制御部12は、CPU、RAM、ROM、入出力回路、及び記憶装置などから構成され、記憶装置には、使用するライトとその光度データとからなる複数のシーンデータが予め記憶される。そして、照明動作時には、入力操作部13の操作に応じて指定されたシーンデータが記憶装置から読み出され、そのシーンデータに基づき、各ライトの調光制御が行われる。
シーンデータとしては、例えば、シーンのタイトルを「朝」とした場合、天井蛍光灯具6を光度5で、メインスポットライト1を光度6で、フロントスポットライト3を光度4で、照射するように設定し、シーンのタイトルを「夜」とした場合、天井蛍光灯具6を光度1で、メインスポットライト1を光度3で、フロントスポットライト3を光度3で、照射するように設定する。
調光制御部11には、各スポットライトに供給する電源電圧または電流のチョッパ制御を行うサイリスタ制御回路、及び天井蛍光灯具6の調光を行なう位相制御回路が設けられ、サイリスタにより交流電源の点弧角を調整し、または交流電源の位相を制御して、各スポットライト及び天井蛍光灯具6の蛍光ランプに供給する電力を制御して、ランプの光度(輝度)を調整する。
なお、スタジオロケーションの撮影シーンによっては、バックシート6を使用せずに、スタジオ内の壁部に撮影用ロケーション設備(例えば街角の壁面など)を設置する場合もあり、その場合には設備の壁面の内側に、間接照明ライトを取り付け、壁面の窓などから間接光を出すように照明を行なうこともできる。
上記のように構成された写真撮影用照明装置は、スタジオ内でスチル写真のスタジオロケーション撮影を行なう際に、図1、図2の如く、スタジオ内に設置されて使用される。写真撮影用カメラ10には、デジタルカメラが使用され、被写体の前部略正面に設置される。
調光制御盤の入力操作部13の操作により、予めセットされたシーンを指定して、或は操作部の操作によって動作させるライトとその光度を指定して、照明装置を動作させる。このとき、例えば天井蛍光灯具6、メインスポットライト1、トップスポットライト2、アッパースポットライト4、フロントスポットライト3及びバックライト5が使用される場合、それらの光量が調光制御盤により制御され、天井蛍光灯具6、各スポットライト1〜4及びバックライト5は、調光制御部11によって設定された光度に制御される。
天井蛍光灯具6の蛍光ランプ6aからは、写真スタジオの略全体に、基本照明である自然光に近似した色温度5500°kの定常光が照射され、各スポットライト1〜4からは、被写体に向けて定常光が照射され、バックライト5からはバックシート6に向けて定常光が照射される。このように調整された光度の定常光がスタジオ内の被写体に照射され、この状態で、被写体の前方に設置した写真撮影用カメラ10による写真撮影が行なわれる。
撮影中は、天井蛍光灯具6からは自然光に近似した色温度の定常光がスタジオ全体に照射され、各スポットライト1〜4においても、例えば色温度5600°kのメタルハライドランプなどの自然光に近い色温度の定常光を放射するランプを使用し、且つ照射面の輪郭が柔らかなソフトエッジ光を照射するフレネルレンズを使用した場合、自然光に近いフラッドライトが被写体に照射される。このため、自然光で撮影した場合と同様な自然の色合いで輪郭が柔らかなソフトエッジの照明により、美しい写真を撮影することができる。
一方、指向性の高いスポット照明により、強い影を出して被写体を照明する場合は、基本照明の天井蛍光灯具6の光度を低くし、スポットライト1〜4に平凸レンズスポットライトを使用して被写体を照明すれば、光による演出効果の高い写真を、撮影することができる。
この場合も撮影時には、定常光によって照明された被写体のそのままの状態を、写真撮影用カメラ10のファインダーを見ながら撮影することができるため、自動絞り調整機能または自動シャッター速度調整機能を動作させ、或いは照度計などで被写体の照度を正確に測定しその照度に合わせてカメラ10の絞り、シャッター速度を設定することができ、経験の浅い撮影者であっても、良好な写真を撮影することができる。
さらに、自然光を照射する天井蛍光灯具6と共に、メインスポットライト1、アッパースポットライト4、及びフロントスポットライト3を使用して被写体を照明するため、比較的少ない数のライトにより効率良く照明を行うことができ、テレビスタジオの照明設備或いは舞台照明のような多くのライト群を使用する照明装置とは異なり、小さい電源設備と電源容量で経済的に使用することができる。
本発明の一実施形態を示す写真撮影用照明装置の正面図である。 同照明装置の左側面図である。 同照明装置を操作制御する制御盤のブロック図である。
符号の説明
1−メインスポットライト
2−トップスポットライト
3−フロントスポットライト
4−アッパースポットライト
5−バックライト
6−天井蛍光灯具
10−写真撮影用カメラ
11−調光制御部
12−調光記憶制御部
13−入力操作部

Claims (5)

  1. スタジオ内でスチル写真のスタジオロケーション撮影を行なう際に使用される写真撮影用照明装置であって、
    写真撮影スタジオ内の天井に、自然光に近似した色温度の定常光を放射する天井蛍光灯具が配設され、定常光を被写体に照射するメインスポットライトが写真撮影スタジオ内の被写体の略前方に配設され、定常光を背面壁に照射するバックライトが配設され、被写体の上方から定常光を被写体に照射するトップスポットライトが被写体の上方に配設され、被写体の斜め前方下側から定常光を被写体に照射するアッパースポットライトが配設されたことを特徴とする写真撮影用照明装置。
  2. 前記天井蛍光灯具及び前記スポットライトに加えて、被写体の正面前方から被写体に定常光を照射するフロントスポットライトが、スタジオ内を移動可能に配設された移動台上に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の写真撮影用照明装置。
  3. 前記メインスポットライト、バックライト、トップスポットライト、アッパースポットライト、及びフロントスポットライトには、フレネルレンズを用いたフレネルレンズスポットライトが使用されていることを特徴とする請求項2記載の写真撮影用照明装置。
  4. 被写体の背面側から定常光を照射する逆光ライトが被写体の背面側に配設されていることを特徴とする請求項2記載の写真撮影用照明装置。
  5. 前記天井蛍光灯具、メインスポットライト、バックライト、トップスポットライト、アッパースポットライト、フロントスポットライト、及び逆光ライトは、調光制御盤に接続され、該調光制御盤には、使用するライトとその光量データとからなる複数のシーンデータが予め記憶され、該シーンデータに基づき、各ライトの調光制御が行われることを特徴とする請求項4記載の写真撮影用照明装置。
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