JP2006226857A - 印刷物の検査方法及び検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷装置で印刷された印刷物の品質を検査する技術に関し、特に、赤外線領域において異なる特性を有するインキで印刷された印刷物の検査技術に関する。
【解決手段】赤外線領域において異なる特性を有するインキを印刷した印刷物3の検査方法であって、照明手段2から前記印刷物の表面に赤外線又は赤外線を含む光を照射し、画像入力手段5では、前記印刷物を赤外線の750nm以上の波長領域で撮像した赤外線画像データを入力し、記憶手段では、前記入力した赤外線画像データと、標準となる印刷物の赤外線基準画像データを記憶し、画像処理手段6では、前記赤外線画像データと、あらかじめ登録してある前記赤外線基準画像データとを比較し、その比較結果に基づいて前記印刷物3の印刷品質を検査することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、印刷装置で印刷された印刷物の品質を検査する技術に関し、特に、赤外線により読み取り可能な秘密情報印刷物に用いられる、赤外線領域において異なる特性を有するインキで印刷された印刷物の検査技術に関するものである。
赤外線領域において異なる特性を有するインキとは、情報を機械により読み取る手段として、株券、債権、小切手、商品券、宝くじ等の有価証券類に付与することに使用されているものである。そのインキには、特性の違いにより、赤外線を透過する赤外透過インキや、赤外線を吸収する赤外吸収インキ、赤外線を反射する赤外反射インキが知られている。
赤外透過インキは、そのインキ組成分に、赤外線を透過する性質を持つものが含まれている。この赤外透過インキを紙に印刷した印刷物に赤外線を照射すると、赤外線が透過してしまい、印刷物の基材の特性に応じて、照射した赤外線の反射光量が異なるが、赤外線が反射し、再び赤外透過インキを赤外線が透過し、照射した赤外線が戻ってくる。
赤外吸収インキは、そのインキ組成分に、赤外線を吸収する性質を持つものが含まれている。この赤外吸収インキを紙に印刷した印刷物に、赤外線を照射すると、赤外線を吸収し、照射した赤外線は戻らない。
赤外反射インキは、そのインキ組成分に、赤外線を反射する性質を持つものが含まれている。この赤外反射インキを紙に印刷した印刷物に、赤外線を照射すると、インキが赤外線を反射し、照射した赤外線は反射される。
赤外領域において異なる特性を有するインキは、このような特性をそれぞれ持っていて、その特性を利用し、例えば、紙などの基材に、印刷により、複数の細線からなる、いわゆるバーコードパターンを形成し、その基材上のパターンが照射されると、赤外線の反射光量を検知し、それぞれの透過、反射、吸収といった赤外線特性により、情報を再生することで、偽造防止用の機械認証手段として利用されている。
この赤外線領域において異なる特性を有するインキを用いて印刷する際には、前記した、赤外透過インキ、赤外吸収インキ、赤外反射インキなどの他に、印刷方式に応じて、オフセットインキやフレキソインキ、グラビアインキ、スクリーンインキ、凹版インキなどから適宜選択し、複数組み合わせて模様パターンやバーコードを形成することで、機械認証手段として用いられているものである。
このようなインキを用いて作製された印刷物は、赤外線領域において異なる特性を有するインキを印刷した部分は、可視光領域では同系統の色調であるため目視による識別が困難で、印刷品質の検査及びインキ誤使用の検査といった印刷物品質の管理が非常に難しいものであった。
このような印刷物の検査手段として、印刷物の印刷品質を検査する印刷物の検査装置が公知である。この印刷物の検査装置は、被検査対象物の印刷物に光源を照明し、その反射光を光学フィルタにより可視域の光と近赤外線領域の光とに分離し、この可視域の光と近赤外線領域の光とをそれぞれ電気信号に変換し、これを基に印刷品質を判定するものであった(例えば、特許文献1参照。)。
さらに、赤外線インキ印刷物の印刷工程又は検査工程における品質管理に適用することのできる装置として、赤外線反射吸収インキを用いた印刷物の検査装置が提案されている。この赤外線反射吸収インキを用いた印刷物の検査装置は、使用されるインキ特性が、赤外線反射吸収インキを用いており、印刷機で印刷された証券印刷製品に対して、赤外線を照射して、密着型ラインセンサ又は、エリアセンサで画像を取得し、基準画像と検出画像を演算により比較し、その結果から、許容値に従い合否判定を行うというものであった(例えば、特許文献2、非特許文献1参照)。
そして、印刷物毎の検査が可能であるものとしては、印刷物の原稿情報を参照画像データ、印刷物を撮像した画像情報を検査画像データとして、比較演算することで、印刷物の品質状態を検査する手段として、印刷物検査装置及び印刷物検査方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、このような、赤外線領域において異なる特性を有するインキを印刷機に投入する際には、前記したように、インキの色調が、可視光領域では同系統の色調のため、インキタンク投入時に人為的なミスにより投入の間違いが起こる恐れがあった。本出願人は、このような、印刷機へのインキ投入時に用いることのできるシステムとして、物質の誤投入を防止する、誤投入防止システムを出願している(例えば、特許文献4参照)。
特開平5−162294号 公報 特開平10−337935号 公報 特開2004−195878号 公報 特願2004−263281号 公報 (株)堀場製作所(本社・京都市、社長・堀場厚)、"FPD(フラットパネルディスプレー)検査分野に導入−高分解能(従来比50倍)のFPD品位検査装置−ベンチャー企業と合同で開発に成功"、[online]、平成9年5月20日、(株)堀場製作所、[平成16年11月1日検索]、インターネット<URL:http://global.horiba.com/news/news_release/id_81.htm>
しかしながら、上記記載の印刷物の検査装置では、被印刷紙の反射光を可視域と近赤外線域に分離させ、各々の光を撮像し、凹版印刷を可視情報、平版印刷を近赤外線情報としてパターン認識を行うことで、凹版印刷と平版印刷の互いの印刷に影響されることなく精度の高い印刷品質を検査するものであり、印刷に使用されるインキが、赤外線領域において異なる特性を有するインキであり、このインキにより印刷した印刷物の模様パターンについて、目視では判別が不可能であるこの複数のインキを認識し、所定位置に印刷されていることを検査することには向いていなかった。
上記記載の赤外線反射吸収インキを用いた印刷物の検査装置では、赤外線インキとして用いているインキ特性が、赤外線を反射吸収するものにおいて適用するものであるが、密着型ラインセンサ又はエリアセンサにより画像取り込みを行うものであり、印刷機上での印刷物の検査時には、印刷面に密着して、画像を取得する密着型ラインセンサを採用している。印刷機上において、このセンサを用いると、印刷物の搬送状態により、センサヘッド部が印刷面に触れることになるため、インキが十分に乾燥していない状態でセンサヘッド部を通過するので、特に凹版インキといったインキ盛量の多い印刷方式の印刷物に対しては、インキ乾燥状態が十分でないときに印刷面を擦ることになり、印刷物の品質を劣化させるとともに、センサヘッドの汚れによって、安定した入力信号を得ることが困難であった。この問題を改善するために、密着型ラインセンサを被検査対象物の印刷物に対して、印刷物の品質を劣化させない状態を考慮した位置まで、センサヘッド部を離した状態で使用したとしても、センサヘッド部で入力する信号が不安定となり、赤外線光量が相対的に減少するという影響により、この密着型ラインセンサでは画像を取得することが非常に困難になるなどの問題点があり、実際に使用するには多くの問題点が残っていた。
加えて、エリアセンサを用いた場合の検査では、印刷物の大判における全小切れの画像を一度に取り込むことができるが、密着型ラインセンサも同様に、印刷物の許容値との判定しかできず、印刷機における印刷物の経時変化といった品質管理上の必要な情報を入手するには困難であった。
また、上記記載の印刷物検査装置及び検査方法では、上記記載の他、視覚感度の低い色材で印刷された特定パターンを赤外線情報で認識することで目立つ位置合わせ用マークや見当マークを設けることなく画像の位置ズレ補正が行える点で有用なものであるが、本発明のように、印刷に使用されるインキが、赤外線領域において異なる特性を有するインキであり、このインキにより印刷した印刷物の模様パターンについて、目視では判別が不可能であるこの複数のインキを認識し、所定位置に印刷されていることを検査するには向いていなかった。
上記記載の誤投入防止システムは、印刷機におけるインキの誤投入といった人為的な間違いをカバーするシステムとして適用できるものであるが、印刷物自体を印刷機上で検査するものではなく、印刷物に対する品質管理を行うものではなかった。
本発明は、このような従来の技術では難しかった、印刷機上における印刷物の全数検査を目的としたオンライン及び印刷物の抜き取り検査によって高精度な検査を目的としたオフラインによる印刷物の品質管理を行うことにあり、特に、赤外線領域に異なる特性を有する複数のインキを用いた印刷物の検査方法及び検査装置を提供することにある。
本発明は、赤外線領域において異なる特性を有する凹版インキを印刷した印刷物をオンライン又はオフラインで検査することのできる検査方法及び検査装置を提供することにある。
赤外線領域において異なる特性を有するインキを印刷した印刷物の検査方法であって、照明手段から前記印刷物の表面に赤外線又は赤外線を含む光を照射し、画像入力手段では、前記印刷物を赤外線の750nm以上の波長領域で撮像した赤外線画像データを入力し、記憶手段では、前記入力した赤外線画像データと、標準となる印刷物の赤外線基準画像データを記憶し、画像処理手段では、前記赤外線画像データと、あらかじめ登録してある前記赤外線基準画像データとを比較し、その比較結果に基づいて前記印刷物の印刷品質を検査することを特徴とする印刷物の検査方法である。
前記画像処理手段は、前記赤外線画像データと、前記赤外線画像基準データとをパターンに切り分け、n×mピクセル(n、mは、1以上の整数)に分割し、前記ピクセルごとに画像を濃度判定し、一致率を求める演算によりパターンマッチング処理するステップと、前記パターンマッチングの結果に基づき、許容値と比較し、許容値内であれば良とし、許容値外であれば否と判定するステップとからなることを特徴とする印刷物の検査方法である。
前記赤外線領域において異なる特性を有するインキとは、赤外透過インキ、赤外吸収インキ、赤外反射インキのうちのいずれかであり、前記印刷物は前記インキを一つ以上組み合わせて印刷された印刷物であることを特徴とする印刷物の検査方法である。
前記赤外線画像データ及び前記赤外線画像基準データは、8ビットグレースケール画像であることを特徴とする印刷物の検査方法である。
前記赤外線領域において異なる特性を有するインキを印刷した印刷物の検査装置であって、前記印刷物に、赤外線を含む光を照射する光源を持つ照明手段と、前記照明手段により赤外線を照射した前記印刷物から取得される波長のうち750nm未満の波長領域を除去し、赤外線の750nm以上の波長領域を透過する可視光カット赤外透過フィルタを備え、赤外線画像データを入力する画像入力手段と、前記入力した赤外線画像データと、標準となる印刷物の赤外線基準画像データを記憶する記憶手段と、前記赤外線画像データと、前記赤外線画像基準データとをパターンに切り分け、n×mピクセル(n、mは、1以上の整数)に分割し、前記ピクセルごとに画像を濃度判定し、一致率を求める演算によりパターンマッチング処理を行う演算部と、前記パターンマッチングの結果に基づき、許容値と比較し、許容値内であれば良とし、許容値外であれば否と判定する判定部からなる画像処理手段と、前記画像処理手段における判定結果を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする印刷物の検査装置である。
前記画像入力手段は、CCDラインセンサカメラ又はCCDエリアセンサカメラを用いて、前記赤外線画像データ及び前記赤外線画像基準データを、8ビットグレースケール画像で入力することを特徴とする印刷物の検査装置である。
目視による官能検査では不可能であった、赤外線領域において異なる特性を有するインキを用いた印刷物の模様を、印刷機上において、搬送状態にある印刷物の全数を検査することが可能となったため、印刷物の品質管理が容易となった。
また、サンプリングによる静止状態の印刷物についても時間をかけずに画像入力及び検査が可能となったことで、印刷機上で搬送状態にある印刷物と同様に、サンプリング検査が容易となり、品質管理が容易となった。
本発明の実施の形態について説明する。本発明の検査方法を実施するため、照明手段としての光源、画像入力手段、画像処理手段を具備することが望ましい(図9参照)。
また、被検査対象物は、赤外透過インキ、赤外吸収インキ等の赤外線領域に異なる特性を有するインキを用いた印刷物である。
本発明の実施にあたっては、印刷物の一部又は全面に、赤外線吸収インキ、赤外線透過インキ、赤外線反射インキ等のそれぞれの赤外線領域に異なる特性を有するインキを用いた印刷物に対して検査が可能であり、これらのインキが紙などの基材に付与されていれば被検査対象物となる。
画像入力手段で用いる撮像手段には、CCDラインセンサカメラ又はCCDエリアセンサカメラ等が挙げられ、その機能特性として、赤外線領域に高い分光感度を有することが必要である(図7、図8参照)。搬送状態の画像撮影では、CCDラインセンサカメラが適しており、印刷物の印刷模様を含む領域の画像をCCDラインセンサカメラを用い、1次元の画像を順次取得し、2次元画像に生成する。静止状態の撮像には2次元画像を撮影できるCCDエリアセンサカメラが適している。これらのカメラには、そのレンズ部分に、図6に示すような可視光以下を除去して赤外線以上の光を透過する特徴を持つ光学フィルタを装着することで、可視光領域の反射光をカットし、検査対象物の画像処理に必要な赤外線領域の光のみを受光するようにし、安定した画像データを取得することができる。
このとき、印刷物の模様領域の撮像される画像は、可視光によって得られる印刷物のカラー模様画像とは異なり、赤外線領域のインキ特性の検査に極めて有用な白黒の2色による8ビットグレースケール画像で、印刷により付与したインキの赤外線領域での異なる特性が抽出され、その特性が機能しているかについて印刷された模様を抽出し、確認できる。
この取得した画像データから、印刷面を、模様が印刷されている部分で任意に切り分け、パターン化することにより、印刷品質の検査が行われる。具体的には、取得した赤外線領域の画像データを、画像処理手段のメモリに転送し、メモリ内に格納されている印刷物の基準画像データに対して、パターンマッチングといった公知の画像処理を実行し、被検査対象物である印刷物の切り分けた模様パターンと基準画像を認識することで、品質検査が行われる。
この取得した画像データは、画素が256階調の濃淡で表現される8ビットグレースケール画像である。このとき画像処理でよく行われる二値化処理は行わない。二値化とは、画像の特徴を解析するために画像から対象物を切り出し、背景と図形を分離するものであり、濃度値を持った濃淡画像から、0と1の二つの値で表す画像に変換することであるが、この二値化処理を行うと、取得した8ビットグレースケール画像の明るい部分が白、暗い部分が黒となり、白か黒のどちらかとなってしまう。このような二値化処理では、例えば、印刷模様の赤外線特性が徐々に弱くなっていく時や、インキを間違えて投入してしまい、印刷機のインキつぼの中で、違うインキが混ざり合い、だんだんと混色し、本来の赤外線領域の模様でなくなってくる時などのように、即座に異常を察知しなければならない時に、ある一定値までは白か黒のどちらかとして判断されてしまうため、良紙とされてしまうおそれがある。しかし、8ビットグレースケール画像を用いることにより、白と黒の中で階調が表現され、各々のパターンにより複数の切り分けた画像と比較する検査であるため、最小限な処理時間で検査することが可能であるといった優位性があるので、経時変化による品質確認の際には即座に対応することができる。
この画像データと基準画像データとを比較することによって、欠陥がすぐに判明するので、とても有用であることがわかる。その後は、公知の様々な技術を適宜利用し、欠陥品を排除すれば良い。
したがって、本発明を実施するには、被検査対象物の赤外線領域に異なる特性を有するインキを用いた印刷物の一部又は全面を含む領域に対して、赤外線を含んだ光源として、白熱球を選択する。この他に使用できる光源としては、赤外LED(発光ダイオード)、赤外ランプ等の赤外線のみを照射するものやハロゲンランプ、太陽光、HIDランプ(High Discharge Lamp)等の赤外線を含んだ光を照射するものから適宜選択すれば良い。その光源により照射された、印刷物から反射してくる光は、検査に不必要である可視光や紫外線を含んでいるため、可視光以下をカットし赤外線以上を透過する光学フィルタを撮像するカメラのレンズ部に取り付けることで、赤外線のみを抽出することができる。撮像に使用されるカメラは、赤外線領域に高い分光感度を有するCCDエリアセンサカメラやCCDラインセンサカメラを用いることが望ましい。CCDエリアセンサカメラは、テーブル上の検査台などのように、被検査対象物を生産ライン上から一度取り出して検査する、いわゆるオフライン検査で静止状態の撮影に適している。CCDラインセンサカメラは、被検査対象物を印刷機上の搬送途中などのような、生産ライン上で検査するいわゆるオンライン検査における走行状態の撮影に適している。
CCDエリアセンサカメラやCCDラインセンサカメラなどのそれぞれのCCDカメラにより撮像された画像は、2次元画像の画像データとして抽出することになる。
撮像により得られた画像データは、画像入力手段を通じて、画像処理手段のメモリに送られ、メモリ内にあらかじめ格納されている印刷物基準画像データによるパターンマッチングや、画像処理に代表される比較判定方法や特徴抽出法等によって、撮像された印刷物画像のデータから印刷模様形状の品質状態を確認し、判定が行われる。
印刷品質検査により、許容値の範囲内であれば正常と判定され、通常製品として扱われ、許容値の範囲外であれば欠陥と判定され、異常製品として処分される。
以下、本発明の印刷物の品質検査装置の実施例について図面を用いて詳細に説明するが、本発明の内容は、これらの実施例に限定されるものではなく、容易に類推される技術的範疇のものも含まれる。
(実施例1)
赤外線領域に異なる特性を有するインキを複数用いた印刷物として、赤外線透過インキと赤外線吸収インキを凹版模様に使用した印刷物3を静止状態において検査する場合、オフラインにおける印刷模様状態等の品質検査は、図1に示すように、可視光カット赤外線透過フィルタ付きCCDエリアセンサカメラ1(以下、赤外線透過フィルタ付きCCDエリアセンサカメラと略す。)、光源装置2、画像入力手段5、画像処理手段6からなる装置を主な構成としている(図1、図9参照)。
被検査対象物となる印刷物3をオフラインに設けた検査台に固定する。照射に用いる光源装置2は、赤外線を含んだ光を照射できる光源として、白熱球を使用している。この光源装置2を赤外線透過フィルタ付きCCDエリアセンサカメラ1に対して、照射角度を45度に設定する。この赤外線透過フィルタは、波長領域750nm未満をカット(遮断)し、750nm以上の波長領域を透過する特性のフィルタを用いている(図6参照)。この設置角度は、光源に照射されて被検査対象物の印刷物3からの反射による赤外線が、赤外線透過フィルタ付きCCDエリアセンサカメラ1のレンズに入射できるように照射角度を45度に設定したものであり、この場合の角度は、反射光がレンズに十分に入射できる角度であれば良く、その他に考えられる任意の角度で設定しても良い。
本発明の印刷物のパターン検査方法及び検査装置について、検査装置による印刷物検査工程の流れを図4のフローチャートを用いて、説明する。まず、赤外線領域において異なる特性を有するインキを用いて印刷した被検査対象物である印刷物3に光源から赤外線を含む光を照射する(S10)。このとき照射する光は、赤外線を含んでいて、好ましくは、750nmから1100nm付近までの近赤外線領域の光を照射できれば良い。赤外ランプのように、赤外線領域のみを照射することがより好ましいが、コストの面を考えると、高価な赤外ランプの導入よりは、安価に行うために、白熱球や赤外LEDのように安価で汎用性の光源を用いることが良い。その実現には、可視光カット赤外線透過フィルタを通した光をCCDカメラで取得することで、不必要な光を除去するので、光源の選択の範囲を広げている。したがって、光源は赤外線を含んでいれば、750nm未満の可視光領域やその他の波長が照射されても何ら問題はない。
次に、S10で赤外線を照射された印刷物3から反射してくる赤外線領域の波長を赤外線透過フィルタ付きCCDエリアセンサカメラ1で画像データとして取得する(S11)。この赤外線透過フィルタ付きCCDエリアセンサカメラ1で取得した、印刷物3の画像データは、画像入力手段5に送られ、印刷模様領域から赤外線の反射した画像データが入力される。このとき使用されるCCDエリアセンサカメラは、赤外線領域に高い分光感度特性を有するCCDカメラを用いる。この実施例に用いたCCDエリアセンサカメラの分光感度特性は、400nmから1100nm付近までの波長範囲の有効感度を持ち、分光感度のピーク感度は、600nmから800nm付近までの波長領域である(図7参照)。この赤外線透過フィルタ付きCCDエリアセンサカメラ1により、印刷模様の画像データを取得した。取得された画像データは、256階調の濃淡で表現される8ビットグレースケール画像である。取得される赤外線画像データは、印刷物のゆがみやたわみ等により用紙状態に若干の変化が起きても、再現性の高い印刷模様の画像データが取得される。
この取得した画像データをメモリに入力(S12)し、その画像データを画像処理手段6でパターンに切り分け処理し(S13)て、8ビットグレースケール画像のデータをパターン化したデータとして加工した。この加工されたパターン化したデータから各パターン領域を抽出する(S14)ことで、パターンマッチング処理が行われる。
このとき印刷物3の模様が印刷されていない白紙部分や、赤外線領域において異なる特性を有するインキを用いていない部分等は、パターンで切り出す際に、マスクをかけることで、その部分の検査をしないこともできる。
S14でパターン化したデータは、画像処理手段6内の演算部によってあらかじめ記憶し格納している基準画像データと自動でパターンマッチングにより比較される(S15)。基準画像データは、標準となる印刷物の赤外線基準画像データとなっている。ここでの処理は、基準画像データと検査する画像データの2つのパターン化したデータをそれぞれn×mピクセル(n、mは1以上の整数)で分割して比較し、パターンマッチングにより、品質確認の検査を行った。対象ピクセル毎に画像を濃度判定し、一致率90パーセント以上を合格とし、判定した。この一致率とピクセル単位当りの面積等は、適宜定めれば良い。
このように、パターンマッチングによりインキ濃度検査及び印刷パターン検査等の印刷状態の品質検査を行い、その結果に応じて、画像処理手段6で、正損の判定を下す(S16)。この判定結果により、品質検査の結果が損の場合は判定ランプにより表示される。この表示手段については、公知の手段を用いれば良い。
(実施例2)
製造ライン上の検査であって、赤外線領域に異なる特性を有するインキを複数用いた印刷物3の搬送状態におけるオンラインでの印刷模様状態等の品質検査は、図2に示すように、可視光カット赤外線透過フィルタ付きCCDラインセンサカメラ7(以下赤外線透過フィルタ付きCCDラインセンサカメラ)と略す。)、ライン型光源装置8、画像入力手段12、画像処理手段13を主とする装置構成で、被検査対象物の印刷物3は、検査胴9により搬送されている。このときの検査胴9の搬送形式は、グリッパや吸引式等の公知のものを適宜用いれば良い。本実施例では、印刷用紙の(搬送方向に対して)前部をグリッパで咥えて、吸引式で用紙の後部を固定した。また、検査胴9によらない場合は、ベルト搬送やチェーングリッパ等のシート搬送方式を用いることにより被検査対象物の印刷物3を製造ライン上の搬送途中においてオンラインで検査できる。この場合、用紙のバタツキを極力抑えることが望ましい。
製造ライン上の検査装置による印刷物検査工程の流れを図5のフローチャートを用いて、説明する。図2のように、検査胴9で搬送されている印刷物3にライン型光源装置8で赤外線を含む光を照射する(S21)。この時も、実施例1と同様の理由で、赤外線透過フィルタ付きのCCDラインセンサカメラ7のレンズに対して照射角度を45度に設定する。
次に、S21で赤外線を含む光を照射された印刷物3から反射してくる赤外線領域の波長を赤外線透過フィルタ付きのCCDラインセンサカメラ7でラインごとに撮像を繰り返し赤外線画像の1次元データを取得する(S22)。この赤外線透過フィルタ付きCCDラインセンサカメラ7で取得した印刷模様領域の1次元画像データは、画像入力手段12によって時系列に順次入力して2次元画像データを生成する(S23)。このとき使用されるCCDラインセンサカメラは、赤外線領域に高い分光感度特性を有するCCDラインセンサカメラを用いた。この実施例に用いたCCDラインセンサカメラの分光感度は、400nmから1000nm付近までの波長範囲の有効感度を持ち、分光感度のピーク感度は、700nmから800nm付近までの波長領域である(図8参照)。この赤外線透過フィルタ付きCCDラインセンサカメラ7により、印刷模様の画像データを取得した。取得された画像データは、実施例1と同様に256階調の濃淡で表現される8ビットグレースケール画像である。
この取得した画像データ(S24)をメモリに入力(S25)し、その画像データを画像処理手段13でパターンに切り分け処理し(S26)て、8ビットグレースケール画像のデータをパターン化したデータとして加工した。この加工されたパターン化データから各パターン領域を抽出する(S27)ことで、パターンマッチング処理が行われる。
実施例1と同様に、印刷物3の模様が印刷されていない白紙部分や、赤外線領域において異なる特性を有するインキを用いていない部分等は、パターンで切り出す際に、マスクをかけることで、その部分の検査をしないこともできる。
次に、S26でパターン化したデータは、画像処理手段13内の演算部によってあらかじめ記憶し格納している基準画像データと自動でパターンマッチングにより比較される(S28)。基準画像データは、標準となる印刷物の赤外線基準画像データとなっている。この処理は、基準画像データと検査する画像データの2つのパターン化したデータをそれぞれn×mピクセル(n、mは1以上の整数)で分割して比較し、パターンマッチングにより、品質確認の検査を行った。対象ピクセルごとに画像を濃度判定し、一致率90パーセント以上を合格とし、判定した。この一致率とピクセル単位当りの面積は、適宜定めれば良い。
このように、パターンマッチングによりインキ濃度検査及び印刷パターン検査等の印刷状態の品質検査を行い、その結果に応じて、画像処理手段13により、正損の判定を下す(S29)。この判定結果により、品質検査の結果が損の場合は、判定ランプにより表示又は印刷物のリジェクトを実行する。この表示やリジェクト手段については、公知の手段を用いれば良い。以上のことから、2次元画像データ取得後の処理については、オンライン及びオフラインともほぼ同様に判定することができる。
また、図3は、オンライン検査における検査胴9において搬送されている印刷物3が、検査胴9から少し浮上した状態またはバタツキを発生している状態を示したものであるが、本発明を実施するにおいては、CCDラインセンサカメラ、光学レンズ、光学フィルタを適宜組み合わせることにより、印刷模様部分が赤外線によりほぼ抽出できるので、このような状況下においても常に再現性のある安定した画像データを撮像することができる。
本発明におけるオフライン検査の概略図である。 本発明におけるオンライン検査の概略図である。 本発明におけるオンライン検査の側面図である。 本発明のオフラインにおける印刷品質検査工程のフローチャートである。 本発明のオンラインにおける印刷品質検査工程のフローチャートである。 実施例における可視光カット赤外透過フィルタの分光透過率特性グラフである。 本発明に用いるCCDエリアセンサカメラの分光感度の一例である。 本発明に用いるCCDラインセンサカメラの分光感度の一例である。 画像処理手段周辺の模式図の一例である。
符号の説明
1 可視光カット赤外線透過フィルタ付きCCDエリアセンサカメラ
2 光源装置
3 印刷物
4 赤外線透過インキ模様パターン
5、12 画像入力手段
6、13 画像処理手段
7 可視光カット赤外線透過フィルタ付きCCDラインセンサカメラ
8 ライン型光源装置
9 検査胴

Claims (6)

  1. 赤外線領域において異なる特性を有するインキを印刷した印刷物の検査方法であって、
    照明手段から前記印刷物の表面に赤外線又は赤外線を含む光を照射し、
    画像入力手段では、前記印刷物を赤外線の750nm以上の波長領域で撮像した赤外線画像データを入力し、
    記憶手段では、前記入力した赤外線画像データと、標準となる印刷物の赤外線基準画像データを記憶し、
    画像処理手段では、前記赤外線画像データと、あらかじめ登録してある前記赤外線基準画像データとを比較し、その比較結果に基づいて前記印刷物の印刷品質を検査することを特徴とする印刷物の検査方法。
  2. 前記画像処理手段は、前記赤外線画像データと、前記赤外線画像基準データとをパターンに切り分け、n×mピクセル(n、mは1以上の整数)に分割し、前記ピクセルごとに画像を濃度判定し、一致率を求める演算によりパターンマッチング処理するステップと、
    前記パターンマッチングの結果に基づき、許容値と比較し、許容値内であれば良とし、許容値外であれば否と判定するステップと、からなることを特徴とする請求項1記載の印刷物の検査方法。
  3. 前記赤外線領域において異なる特性を有するインキとは、赤外透過インキ、赤外吸収インキ、赤外反射インキのうちのいずれかであり、前記印刷物は前記インキを一つ以上組み合わせて印刷された印刷物であることを特徴とする請求項1又は2記載の印刷物の検査方法。
  4. 前記赤外線画像データ及び前記赤外線画像基準データは、8ビットグレースケール画像であることを特徴とする請求項1から3記載の印刷物の検査方法。
  5. 前記赤外線領域において異なる特性を有するインキを印刷した印刷物の検査装置であって、
    前記印刷物に、赤外線を含む光を照射する光源を持つ照明手段と、
    前記照明手段により赤外線を照射した前記印刷物から取得される波長のうち750nm未満の波長領域を除去し、赤外線の750nm以上の波長領域を透過する可視光カット赤外透過フィルタを備え、赤外線画像データを入力する画像入力手段と、
    前記入力した赤外線画像データと、標準となる印刷物の赤外線基準画像データを記憶する記憶手段と、
    前記赤外線画像データと、前記赤外線画像基準データとをパターンに切り分け、n×mピクセル(n、mは1以上の整数)に分割し、前記ピクセルごとに画像を濃度判定し、一致率を求める演算によりパターンマッチング処理を行う演算部と、前記パターンマッチングの結果に基づき、許容値と比較し、許容値内であれば良とし、許容値外であれば否と判定する判定部と、からなる画像処理手段と、
    前記画像処理手段における判定結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする印刷物の検査装置。
  6. 前記画像入力手段は、CCDラインセンサカメラ又はCCDエリアセンサカメラを用いて、前記赤外線画像データ及び前記赤外線画像基準データを、8ビットグレースケール画像で入力することを特徴とする請求項5記載の印刷物の検査装置。
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