JP2006226562A - 空気調和機の室内機および空気調和機の室内機の制御方法 - Google Patents

空気調和機の室内機および空気調和機の室内機の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 運転開始時の初期動作における使用者の快適感の低下を抑えることができる空気調和機の室内機を提供する。
【解決手段】 空気調和機の室内機は、室内機ケーシングと、送風ファンと、正面パネルと、水平フラップと、制御部とを備える。室内機ケーシングには、第1吸込口と吹出口とが設けられている。送風ファンは、第1吸込口から吸い込まれ吹出口から吹き出される空気の流れを生成する。正面パネルは第1吸込口を開閉する部材である。水平フラップは吹出口を開閉する部材である。そして、制御部は、送風ファンが停止し且つ第1吸込口と吹出口とが閉じられた運転停止状態から運転を開始するときには、正面パネルが第1吸込口を開くように移動する吸込口開動作を開始させ、送風ファンの駆動を吸込口開動作の開始後に開始させ、水平フラップが吹出口を開くように移動する吹出口開動作を送風ファンの駆動開始後に開始させる。
【選択図】 図14

Description

本発明は、空気調和機の室内機および空気調和機の室内機の制御方法に関する。
従来、空気調和機の室内機には、吸込口と吹出口とが設けられたケーシングと、吸込口を開閉する吸込口開閉部材と、吹出口を開閉する吹出口開閉部材と、吸込口から吸い込まれ吹出口から吹き出される空気の流れを生成する送風部を備えるものがある。このような空気調和機の室内機では、運転停止時には、送風部が停止されると共に吸込口開閉部材および吹出口開閉部材がそれぞれ吸込口と吹出口とを閉じた運転停止状態となる。このような運転停止状態の後、運転を開始する場合には、吸込口開閉部材および吹出口開閉部材がそれぞれ吸込口と吹出口とを開き、送風部が駆動する(特許文献1参照)。
特開2001−004192号公報
上記のような空気調和機の室内機の運転開始時の初期動作においては、吸込口開閉部材、吹出口開閉部材および送風部の各動作が開始されるタイミングが重要である。例えば、リモコンなどの操作によって運転開始が指示された場合に、まず送風部が駆動を開始した後に吸込口開閉部材および吹出口開閉部材が動作を開始する場合がある。このような場合、吸込口開閉部材および吹出口開閉部材の動作の開始が遅れるため、リモコンによる指令が正常に到達しなかったと使用者が誤認する恐れがある。また、吹出口開閉部材が吹出口を開き始めた後に、送風部が駆動を開始する場合には、運転停止状態において室内機の内部に籠もっていた空気がそのまま吹き出されるため、室内機内部の臭いが室内に漏れる恐れがある。また、暖房運転時には、十分に熱交換されていない空気が吹き出されるため、室内に冷風が吹き出される恐れがある。このような場合、使用者の快適感を低下させる恐れがある。
本発明の課題は、運転開始時の初期動作における使用者の快適感の低下を抑えることができる空気調和機の室内機を提供することにある。
第1発明に係る空気調和機の室内機は、ケーシング部と、送風部と、吸込口開閉部材と、吹出口開閉部材と、制御部とを備える。ケーシング部には、吸込口と吹出口とが設けられている。送風部は、吸込口から吸い込まれ吹出口から吹き出される空気の流れを生成する。吸込口開閉部材は吸込口を開閉する部材である。吹出口開閉部材は吹出口を開閉する部材である。そして、制御部は、送風部が停止し且つ吸込口と吹出口とが閉じられた運転停止状態から運転を開始するときには、吸込口開閉部材が吸込口を開くように移動する吸込口開動作を開始させ、送風部の駆動を吸込口開動作の開始後に開始させ、吹出口開閉部が吹出口を開くように移動する吹出口開動作を送風部の駆動開始後に開始させる。
この空気調和機の室内機では、運転開始時に送風部の駆動よりも吸込口開動作が先に開始される。このため、使用者は、吸込口開閉部材の動作を目視することにより、運転開始動作が始まったことを遅滞なく確認することができる。また、この空気調和機の室内機では、送風部の駆動開始後に吹出口開動作が開始されるため、送風部の駆動開始時には吹出口が吹出口開閉部材によって閉じられている。このため、運転停止状態において室内機の内部に籠もっていた空気がそのまま吹き出されることを抑えることができる。これにより、この空気調和機の室内機では、運転開始時の初期動作における使用者の快適感の低下を抑えることができる。
第2発明に係る空気調和機の室内機は、第1発明の空気調和機の室内機であって、制御部は、吸込口開動作の完了前に送風部の駆動を開始させる。
この空気調和機の室内機では、吸込口開動作の開始後であって吸込口開動作の完了前に送風部の駆動が開始される。このため、運転開始時の初期動作を迅速に行うことができる。
第3発明に係る空気調和機の室内機は、第1発明または第2発明の空気調和機の室内機であって、吸込口開動作において吸込口開閉部材は第2開度まで開く。そして、制御部は、吸込口開動作において吸込口開閉部材が第2開度より小さい第1開度まで開いたときに送風部の駆動を開始させる。
この空気調和機の室内機では、吸込口開閉部材が吸込口開動作の途中の第1開度まで開いたときに、送風部の駆動が開始される。このため、運転開始時の初期動作を迅速に行うことができる。
第4発明に係る空気調和機の室内機は、第3発明の空気調和機の室内機であって、第2開度は吸込口開閉部材が全開に開いた開度である。
この空気調和機の室内機では、吸込口開閉部材が全開に開く前の第1開度まで開いたときに、送風部の駆動が開始される。このため、運転開始時の初期動作を迅速に行うことができる。
第5発明に係る空気調和機の室内機は、第1発明の空気調和機の室内機であって、冷媒と空気との間で熱交換を行う熱交換器と、熱交換器の温度を検知する温度検知部とをさらに備える。そして、制御部は、吸込口開動作が完了し且つ熱交換器の温度が所定温度に到達したときに送風部の駆動を開始させる。
この空気調和機の室内機では、吸込口開動作が完了し且つ熱交換器の温度が所定温度に到達したときに送風部の駆動が開始される。このため、暖房運転時の初期動作において室内に冷風が吹き出されることをより抑えることができる。
第6発明に係る空気調和機の室内機は、第1発明の空気調和機の室内機であって、制御部は、吸込口開動作が完了し且つ所定時間が経過した後に送風部の駆動を開始させる。
この空気調和機の室内機では、吸込口開動作が完了し且つ所定時間が経過した後に送風部の駆動が開始される。このため、運転停止状態において室内機の内部に籠もっていた空気がそのまま吹き出されることをより抑えることができる。
第7発明に係る空気調和機の室内機は、第1発明から第6発明のいずれかの空気調和機の室内機であって、送風部は送風ファンを有する。そして、制御部は、吸込口開動作が完了し且つ送風ファンの回転数が第1回転数に到達したときに吹出口開動作を開始させる。
この空気調和機の室内機では、送風ファンの回転数が第1回転数に達したときに吹出口開閉部材の開動作が開始される。従って、送風ファンの駆動開始時には吹出口開閉部材は吹出口開動作を開始しておらず吹出口を閉じた状態となっている。このため、運転停止状態において室内機の内部に籠もっていた空気がそのまま吹き出されることをより抑えることができる。
第8発明に係る空気調和機の室内機は、第7発明の空気調和機の室内機であって、制御部は、吹出口開動作の開始後に送風ファンの回転数を第1回転数から第2回転数へと増大させる。
この空気調和機の室内機では、吹出口開動作の開始時の前後で段階的に送風ファンの回転数が増大する。このため、運転開始時の初期動作を迅速に行うことができる。
第9発明に係る空気調和機の室内機は、第8発明の空気調和機の室内機であって、吹出口開動作において吹出口開閉部材は第4開度まで開く。そして、制御部は、吹出口開動作において吹出口開閉部材が第4開度より小さい第3開度まで開いたときに送風ファンの回転数を第1回転数から第2回転数へと増大させる。
この空気調和機の室内機では、吹出口開閉部材が吹出口開動作の途中の第3開度まで開いたときに送風ファンの回転数が増大する。このため、運転開始時の初期動作を迅速に行うことができる。
第10発明に係る空気調和機の室内機は、第9発明の空気調和機の室内機であって、第4開度は吹出口開閉部材が全開に開いた開度である。
この空気調和機の室内機では、吹出口開閉部材が全開に開く前の第3開度まで開いたときに送風ファンの回転数が増大する。このため、運転開始時の初期動作を迅速に行うことができる。
第11発明に係る空気調和機の室内機は、第1発明から第10発明のいずれかの空気調和機の室内機であって、吹出口開閉部材は、吹出口から吹き出る空気を案内するフラップである。
この空気調和機の室内機では、フラップが、吹出口から吹き出る空気を案内する機能と、運転停止状態において吹出口を閉じる機能とを兼ねることができる。
第12発明に係る空気調和機の室内機は、第1発明から第11発明の空気調和機の室内機であって、吹出口開閉部材が吹出口を閉じた状態で吹出口との間に隙間が形成される。
この空気調和機の室内機では、吹出口開閉部材が吹出口を閉じた状態で吹出口との間に隙間が形成される。このため、吹出口開閉部材が吹出口を閉じた状態であっても隙間から僅かに空気が吹き出されることができる。これにより、室内機内部で空気をより効果的に攪拌することができ、吹出口が開かれた際に、運転停止状態において室内機の内部に籠もっていた空気がそのまま吹き出されることをより抑えることができる。
第13発明に係る空気調和機の室内機の制御方法は、吸込口と吹出口とが設けられたケーシング部と、吸込口から吸い込まれ吹出口から吹き出される空気の流れを生成する送風部と、吸込口を開閉する吸込口開閉部材と、吹出口を開閉する吹出口開閉部材とを備える空気調和機の室内機の制御方法であって、吸込口開動作開始ステップと、送風部駆動開始ステップと、吹出口開動作開始ステップとを備える。吸込口開動作開始ステップでは、送風部が停止し且つ吸込口と吹出口とが閉じられた運転停止状態から、吸込口開閉部材が吸込口を開くように移動する吸込口開動作を開始させる。送風部駆動開始ステップでは、送風部の駆動を吸込口開動作の開始後に開始させる。吹出口開動作開始ステップでは、吹出口開閉部が吹出口を開くように移動する吹出口開動作を送風部の駆動開始後に開始させる。
この空気調和機の室内機の制御方法では、運転開始時に送風部の駆動よりも吸込口開動作が先に開始される。このため、運転開始動作が始まったことを遅滞なく確認することができる。また、この空気調和機の室内機の制御方法では、送風部の駆動開始後に吹出口開動作が開始されるため、送風部の駆動開始時には吹出口が吹出口開閉部材によって閉じられている。このため、運転停止状態において室内機の内部に籠もっていた空気がそのまま吹き出されることを抑えることができる。これにより、この空気調和機の室内機の制御方法では、運転開始時の初期動作における使用者の快適感の低下を抑えることができる。
第1発明に係る空気調和機の室内機では、使用者は、吸込口開閉部材の動作を目視することにより、運転開始動作が始まったことを遅滞なく確認することができる。また、運転停止状態において室内機の内部に籠もっていた空気がそのまま吹き出されることを抑えることができるため、運転開始時の初期動作における使用者の快適感の低下を抑えることができる。
第2発明に係る空気調和機の室内機では、吸込口開動作の開始後であって吸込口開動作の完了前に送風部の駆動が開始されるため、運転開始時の初期動作を迅速に行うことができる。
第3発明に係る空気調和機の室内機では、吸込口開閉部材が吸込口開動作の途中の第1開度まで開いたときに、送風部の駆動が開始されるため、運転開始時の初期動作を迅速に行うことができる。
第4発明に係る空気調和機の室内機では、吸込口開閉部材が全開に開く前の第1開度まで開いたときに、送風部の駆動が開始されるため、運転開始時の初期動作を迅速に行うことができる。
第5発明に係る空気調和機の室内機では、吸込口開動作が完了し且つ熱交換器の温度が所定温度に到達したときに送風部の駆動が開始されるため、暖房運転時の初期動作において室内に冷風が吹き出されることをより抑えることができる。
第6発明に係る空気調和機の室内機では、吸込口開動作が完了し且つ所定時間が経過した後に送風部の駆動が開始されるため、運転停止状態において室内機の内部に籠もっていた空気がそのまま吹き出されることをより抑えることができる。
第7発明に係る空気調和機の室内機では、送風ファンの駆動開始時には吹出口開閉部材は吹出口開動作を開始しておらず吹出口を閉じた状態となっているため、運転停止状態において室内機の内部に籠もっていた空気がそのまま吹き出されることをより抑えることができる。
第8発明に係る空気調和機の室内機では、吹出口開動作の開始時の前後で段階的に送風ファンの回転数が増大するため、暖房や冷房などの空気調和を迅速に開始することができる。
第9発明に係る空気調和機の室内機では、吹出口開閉部材が吹出口開動作の途中の第3開度まで開いたときに送風ファンの回転数が増大するため、送風ファンが受ける負荷を軽減させることができると共に運転開始時の初期動作を迅速に行うことができる。
第10発明に係る空気調和機の室内機では、吹出口開閉部材が全開に開く前の第3開度まで開いたときに送風ファンの回転数が増大するため、送風ファンが受ける負荷を軽減させることができると共に運転開始時の初期動作を迅速に行うことができる。
第11発明に係る空気調和機の室内機では、フラップが、吹出口から吹き出る空気を案内する機能と、運転停止状態において吹出口を閉じる機能とを兼ねることができる。
第12発明に係る空気調和機の室内機では、吹出口開閉部材が吹出口を閉じた状態であっても隙間から僅かに空気が吹き出されることができるため、吹出口が開かれた際に、運転停止状態において室内機の内部に籠もっていた空気がそのまま吹き出されることをより抑えることができる。
第13発明に係る空気調和機の室内機の制御方法では、運転停止状態において室内機の内部に籠もっていた空気がそのまま吹き出されることを抑えることができるため、運転開始時の初期動作における使用者の快適感の低下を抑えることができる。
〔第1実施形態〕
<空気調和機の全体構成>
本発明の第1実施形態にかかる空気調和機100の構成および冷媒回路の概略を図1に示す。
この空気調和機100は、室内の壁面などに取り付けられる室内機1aと、室外に設置される室外機101とを備えている。
この空気調和機100の冷媒回路は、主として室内熱交換器10(熱交換器)、アキュムレータ102、圧縮機103、四路切換弁104、室外熱交換器105および電動膨張弁106で構成される。
室内機1aに設けられている室内熱交換器10は、接触する空気との間で熱交換を行う。また、室内機1aには、室内空気を吸い込んで室内熱交換器10に通し熱交換が行われた後の空気を室内に排出するための送風ファン31が設けられている。送風ファン31は、室内機1a内に設けられるファンモータ32によって回転駆動される。室内機1aの詳細な構成については後に説明する。
室外機101には、圧縮機103と、圧縮機103の吐出側に接続される四路切換弁104と、圧縮機103の吸入側に接続されるアキュムレータ102と、四路切換弁104に接続された室外熱交換器105と、室外熱交換器105に接続された電動膨張弁106とが設けられている。電動膨張弁106は、フィルタ107および液閉鎖弁108を介して冷媒配管に接続されており、この冷媒配管を介して室内熱交換器10の一端と接続される。また、四路切換弁104は、ガス閉鎖弁109を介して冷媒配管に接続されており、この冷媒配管を介して室内熱交換器10の他端と接続されている。また、室外機101には、室外熱交換器105での熱交換後の空気を外部に排出するための室外ファン110が設けられている。この室外ファン110は、室外ファンモータ111によって回転駆動される。
<室内機の構成>
室内機1aの外観を図2および図3に示す。図2は室内機1aの正面図であり、図3は室内機1aの側面図である。室内機1aは、室内機ケーシング2と、送風部3(図4参照)、水平フラップ5、正面パネル6a、移動機構7(図7参照)、室内熱交換器10(図4参照)、制御部8(図8参照)、リモコン9(図8参照)とを備えている。
〈室内機ケーシング〉
室内機ケーシング2(ケーシング部)は、図2に示すように、正面視において水平方向に長い長方形形状を有しており、図4に示すように、室内熱交換器10、送風部3、図示しない制御部品などを収容する。室内機ケーシング2の正面には、正面パネル6aが取り付けられている。正面パネル6aについては、後に詳細に説明する。室内機ケーシング2には、吹出口20、第1吸込口21(吸込口)および第2吸込口22が設けられている。なお、図4は、室内機1aの側面断面図である。
吹出口20は、室内へと吹き出される空気が通る開口であり、第1ケーシング面23に設けられている。第1ケーシング面23は、図3に示すように、室内機ケーシング2の底面の前側部分を構成しており、吹出口20は、室内機ケーシング2の下部に設けられている。第1ケーシング面23は、前端が上方に位置するように傾斜している。吹出口20は、室内機ケーシング2の幅W方向(室内機ケーシング2の長手方向、図2参照)に細長い形状を有しており、水平フラップ5が設けられる。
図4に示す第1吸込口21は、室内機ケーシング2内へと取り込まれる空気が通る開口であり、第2ケーシング面24に設けられている。第2ケーシング面24は、図3に示すように、室内機ケーシング2の正面すなわち前面を構成しており、第1吸込口21は、室内機ケーシング2の正面に設けられる。第2ケーシング面24は、上下方向に伸びる略平坦な形状となっているが、上端が前方に位置するように僅かに傾斜している。第2ケーシング面24の下端は、第1ケーシング面23の上端と連続しており、第2ケーシング面24は、第1ケーシング面23に対して所定角度をなしている。すなわち、第1ケーシング面23と第2ケーシング面24とは、屈曲した形状となっており、90度以上180度未満の比較的緩やかな角度をなしている。
第2吸込口22は、室内機ケーシング2内へと取り込まれる空気が通る開口であり、図5に示すように、室内機ケーシング2の天面25に設けられている。第2吸込口22は、室内機ケーシング2の幅W方向に伸びる複数のスリットによって構成されている。
[送風部]
送風部3は、送風ファン31およびファンモータ32を有している。図4に示す送風ファン31は、長細い円筒形状に構成され、中心軸が水平方向に平行になるように配置されたクロスフローファンである。送風ファン31の周面には羽根が設けられており、送風ファン31が中心軸周りに回転することにより、空気流を生成する。この空気流は、第1吸込口21および第2吸込口22から取り入れられ室内熱交換器10を通り吹出口20から室内へと吹き出す空気の流れである。送風ファン31は、側面視において室内機1aの概ね中央に位置している。
ファンモータ32(図1および図8参照)は、送風ファン31を中心軸周りに回転駆動する。ファンモータ32は、室内機1aの正面視において送風ファン31の右側方に送風ファン31と同軸に配置されている。送風ファン31は、後述する制御部8によって回転数を制御され、送風ファン31による送風量が制御部8によって制御される。
[水平フラップ]
水平フラップ5(吹出口開閉部材)は、吹出口20を開閉自在に設けられ、吹出口20から吹き出される空気を案内する。水平フラップ5は、室内機ケーシング2の幅W方向に細長い略長方形形状を有し、室内機ケーシング2の幅W方向に平行な軸を中心に回動自在に吹出口20に設けられる。水平フラップ5は、フラップモータ50(図8参照)によって回転駆動される。水平フラップ5は、吹出口20よりも僅かに小さい形状を有するが、図6に示すように、吹出口20を閉じた状態の水平フラップ5の上端と室内機ケーシング2との間には、隙間Gが設けられている。隙間Gは吹出口と比べると極小さな開口であるが、この隙間Gが設けられることによって、水平フラップ5は、吹出口20において制限少なく回動可能となっている。なお、図6は、正面パネル6aを取り外した状態における室内機1aの正面図である。
[正面パネル]
正面パネル6aは、室内機ケーシング2の前面に設けられ、室内機ケーシング2から離反するように移動して第1吸込口21を開き、室内機ケーシング2に近接するように移動して第1吸込口21を閉じることにより第1吸込口21を開閉する。また、正面パネル6aは、閉状態において、室内機ケーシング2の少なくとも一部と、吹出口20を閉じる水平フラップ5の少なくとも一端とを覆い、第1吸込口21と吹出口20とを閉じる。具体的には、正面パネル6aは、図3および図4に示すように、水平フラップ5の長辺をなす上端近傍、第1ケーシング面23および第2ケーシング面24の途中までの部分に外側から重なる。従って、正面パネル6aは、閉状態において、上述した水平フラップ5の上端と吹出口20との間の隙間Gを覆う。正面パネル6aは、室内機ケーシング2の第1ケーシング面23および第2ケーシング面24の屈曲に沿うように屈曲した形状を有している。正面パネル6aは、室内機ケーシング2の幅W方向に吹出口20よりも長い形状を有しており、室内機ケーシング2の幅Wと略同じ幅Wを有する。また、正面パネル6aは、図2に示すように、正面視において上下方向に伸びる継ぎ目を有さない。正面パネル6aは、第1パネル部61aと第2パネル部62a(吸込口開閉部材)とを有する。
第1パネル部61aは、正面パネル6aの閉状態において、水平フラップ5の上端を覆う部分である。第1パネル部61aは、正面パネル6aの下部を構成している。
第2パネル部62aは、正面パネル6aの閉状態において、第1吸込口21を覆う部分である。第2パネル部62aは、正面パネル6aの上部を構成している。
第1パネル部61aの上端と第2パネル部62aの下端とは連続しており、第1パネル部61aと第2パネル部62aとは、正面パネル6aの閉状態において、第1ケーシング面23および第2ケーシング面24に沿うように所定角度で一体化されている。
なお、正面パネル6aは、両側端をそれぞれ第1支持部材71によって支持されている(図9参照)。2つの第1支持部材71は、室内機ケーシング2の両側端に設けられており、それぞれ前後に移動可能に設けられている。これらの第1支持部材71が移動することによって正面パネル6aが移動する。
[移動機構]
図7に示す移動機構7は、第1吸込口21が所望の開度で開かれるように正面パネル6aを移動させる。移動機構7は、正面パネル6aが第1吸込口21を閉じた閉状態(図10(a)の状態)と、正面パネル6aが閉状態から前方へと移動して第1吸込口21を開いた第1運転状態(図10(b)の状態)と、正面パネル6aが第1状態からさらに前方へと移動して第1吸込口21をさらに大きく開いた第2運転状態(図10(c)の状態)とに正面パネル6aを移動させる。正面パネル6aが閉状態から第1運転状態へと移行する場合には、正面パネル6aは平行移動し、正面パネル6aが第1運転状態から第2運転状態へと移行する場合には、正面パネル6aは回転移動する。正面パネル6aが第1運転状態であるとき、第1吸込口21は第1運転開度で開かれる。また、正面パネル6aが第2運転状態であるとき、第1吸込口21は第1運転開度よりも大きい最大開度である第2運転開度で開かれる。移動機構7は、第1支持部材71と、第2支持部材72と、パネル駆動モーター73(図8参照)を有する。
第1支持部材71は、正面パネル6aの側端に正面パネル6aに略垂直に固定されて正面パネル6aを支持する板状の部材であり、正面パネル6aの左側端と右側端とのそれぞれに設けられる。第1支持部材71の上端は、前側が上方に位置し後側が下方に位置するように傾斜しており、後述する第2ピニオンギヤ79と螺合するラックギヤ74が第1支持部材71の上端に沿って設けられている。また、第1支持部材71の中央部分には、第1スリット部75、第2スリット部76、第3スリット部77が設けられている。第1スリット部75、第2スリット部76、第3スリット部77は、それぞれ第1支持部材71の両面に貫通するスリットであり、第1支持部材71と同様に前側が上方に位置し後側が下方に位置するように傾斜した形状となっている。第1スリット部75は、後下方から前上方へ直線状に延びる直線部分751と、直線部分751の後端に連続し下方に僅かに凹んで湾曲した湾曲部752を有している。第2スリット部76および第3スリット部77も第1スリット部75と同様の形状である。第2スリット部76は第1スリット部75の下方に位置し、第3スリット部77は第2スリット部76の下方に位置している。また、第1スリット部75、第2スリット部76、第3スリット部77はそれぞれ平行に配置されている。
第2支持部材72は、第1支持部材71を平行移動および回転移動可能に支持する部材であり、室内機ケーシング2の右側面の内側と左側面の内側にそれぞれ取り付けられている。第2支持部材72は、互いに螺合する第1ピニオンギヤ78と第2ピニオンギヤ79とを有している。第1ピニオンギヤ78は、パネル駆動モーター73の回転を第2ピニオンギヤ79へと伝達する。第2ピニオンギヤ79は、第1ピニオンギヤ78から伝達された回転を前述したラックギヤ74に伝達する。また、第2支持部材72の中央部付近には、第1支持爪721と第2支持爪722とが設けられている。第1支持爪721は、第2支持部材72の表面から突出する円筒形状を有しており、第1支持部材71の第1スリット部75に挿入される。第1支持爪721は、第1スリット部75に係止して第1支持部材71を支持する。第2支持爪722も、第1支持爪721と同様に第2支持部材72の表面から突出する円筒形状を有しており、第1支持部材71の第3スリット部77に挿入される。第2支持爪722は、第3スリット部77に係止して第1支持部材71を支持する。第1支持爪721および第2支持爪722は、正面パネル6aが開閉動作を行う際に、第1スリット部75および第2スリット部76に対して摺動し、前後に移動する正面パネル6aを支持する。
図8に示すパネル駆動モーター73は、制御部8の制御を受けて回転駆動される。パネル駆動モーター73は、第1ピニオンギヤ78に回転を伝達し、第1支持部材71を第2支持部材72に対して移動させる。
[制御部]
図8に示す制御部8は、後述するリモコン9から指示を受けて、上述した移動機構7のパネル駆動モーター73、ファンモータ32、フラップモータ50などを制御する。また、室内機1aには、室内熱交換器10の温度を検知する温度センサー52(温度検知部)が備えられており、検知された温度に基づいて各種の運転制御を行うことができる。制御部8が指示を受ける運転モードには、通常の冷房・暖房運転、パワフル運転などがある。パワフル運転は、通常の冷房・暖房運転よりも冷房・暖房能力を増大させて室内の冷房・暖房を迅速に行う運転モードである。
制御部8は、通常の冷房・暖房運転モードの指令を受けた時は、ファンモータ32を制御して送風ファン31による出力を第1風量とすると共に、パネル駆動モーター73を制御して正面パネル6aを第1運転状態に移行させて第1吸込口21を第1運転開度で開く。
また、制御部8は、パワフル運転の指令を受けた時は、ファンモータ32を制御して送風ファン31の出力を第1風量よりも大きい第3風量とすると共に、パネル駆動モーター73を制御して正面パネル6aを第2運転状態として、第1吸込口21を第2運転開度で開く。
なお、制御部8は、運転停止の指令を受けた時は、ファンモータ32を制御して送風ファン31を止め、フラップモータを制御して吹出口20を閉じると共に、パネル駆動モーター73を制御して正面パネル6aを閉状態とする。
[リモコン]
リモコン9は、使用者等が室内機の運転内容を指示するための装置であり、使用者等はリモコン9上に設けられた複数の操作ボタンを用いて運転内容をリモコン9に入力することができる。リモコン9は、室内機1aの電源のオン・オフ、通常暖房運転、通常冷房運転、パワフル運転などの運転モードの選択、温度設定、タイマー設定などの入力を受けて指令信号を赤外線通信などの通信手段によって制御部8へ送信する。
<開閉動作>
次に、正面パネル6aの開閉動作について図9および図10に基づいて詳細に説明する。
水平フラップ5によって吹出口20が閉じられると共に正面パネル6aによって第1吸込口21が閉じられた閉状態では、図9(a)に示すように、第1支持部材71の第1スリット部75の前端と第1支持爪721とが近接し、第1支持部材71の第3スリット部77の前端と第2支持爪722とが近接しており、正面パネル6aは、図10(a)に示すように、第1吸込口21を覆うと共に水平フラップ5の上端を覆っている。この閉状態において、第1パネル部61aは、水平フラップ5の上端、水平フラップ5の上端と吹出口20との間の隙間Gおよび第1ケーシング面23の吹出口20近傍を覆う。また、第2パネル部62aは、第2ケーシング面24を覆う。正面パネル6aは、屈曲した形状を有しており、閉状態では、第1ケーシング面23および第2ケーシング面24に沿って、第1ケーシング面23および第2ケーシング面24に近接した状態となる。これにより、室内機1aの運転停止状態においては、水平フラップ5の上端から第1吸込口21までの部分が外部から隠蔽される。
正面パネル6aが閉状態から第1運転状態へ移行する場合、第1支持部材71は、図9(b)に示すように、第1スリット部75の直線部分751の後端が第1支持爪721に近接し第3スリット部77の直線部分771の後端が第2支持爪722に近接する方向に移動する。このとき、第1スリット部75の直線部分751は第1支持爪721に対して摺動し、第3スリット部77の直線部分771は第2支持爪722に対して摺動する。これにより、第1支持部材71は、斜め前上方に平行移動し、正面パネル6aは、図10(b)に示すように、斜め前上方へと平行移動する(矢印A1参照)。このとき、第1パネル部61aが第1ケーシング面23に沿って斜め前上方へと移動すると共に第2パネル部62aが第2ケーシング面24から離れるように斜め前上方へと移動することによって、正面パネル6aは吹出口20および第1吸込口21を開く。このとき、第1パネル部61aは、下端が吹出口20の上端を越える位置まで移動して第1パネル部61aが吹出口20からの吹き出しを妨げないようにされると共に、第1パネル部61aが第2パネル部62aと第2ケーシング面24との間の下部を塞ぐ。そして、吹出口20を閉じていた水平フラップ5が回動することによって、吹出口20が開かれる。また、この状態においては、図11に示すように、第2パネル部62aと第2ケーシング面24との間の上部は開かれており、第1吸込口21から取り込まれる空気が通ることができる。なお、第1運転状態においては、第2パネル部62aと第2ケーシング面24との間の両側部は第1支持部材71によって塞がれており、この第1支持部材71が目隠し板となって外部から第1吸込口21を通して室内機ケーシング2の内部が見えないようにされている。
さらに、正面パネル6aが第1運転状態から第2運転状態へと移行する場合、第1支持部材71は、図9(c)に示すように、第1スリット部75の湾曲部752が第1支持爪721に係止され、第3スリット部77の湾曲部772が第2支持爪722に係止されるように移動する。これにより、第1支持部材71は回転移動し、正面パネル6aは、図10(b)に示すように上端が前方へ倒れるように回転移動する(矢印A2参照)。このとき、第1パネル部61aの下端は第1運転状態における位置のままであり、正面パネル6aが第1パネル部61aの下端を中心に回転することによって、第2パネル部62aの上端が前方へ向けて回転移動する。これにより、第2パネル部62aと第2ケーシング面24との間の上部がさらに開かれ、第1吸込口21がさらに開かれて第2運転開度となる。
なお、正面パネル6aが第2運転状態から第1運転状態へと移行する場合には、正面パネル6aが上記とは逆に回転移動する。また、閉状態に戻る場合には、水平フラップ5が回動して吹出口20を閉じた後、正面パネル6aが上記とは逆に平行移動して、水平フラップ5の上端から第1吸込口21までの部分が再び外部から隠蔽される。
<運転開始時の初期動作>
上記のような開閉動作のうち、送風ファン31が停止し且つ第1吸込口21と吹出口20とが閉じられた運転停止状態から運転を開始するときの初期動作について、図12、図13および図14に基づいて詳細に説明する。図12および図13は、初期動作における制御部8による制御フローを示しており、図14は、送風ファン31と、水平フラップ5と、正面パネル6aの動作のタイミングチャートを示している。
まず、第1ステップS1において、運転開始の指示の有無が判断される。ここでは、リモコン9から運転開始の指令信号を受信したか否かが判断される。
運転開始の指令信号を受信した場合は、第2ステップS2(吸込口開動作開始ステップ)において、吸込口開動作が開始される。ここで、吸込口開動作とは、正面パネル6aが第1吸込口21を閉じた状態から第2開度まで開くように移動する動作である。なお、第2開度とは、正面パネル6aの可動範囲の上限、すなわち全開に第1吸込口21を開いた状態の開度であり、上記の第2運転開度と同じである。なお、運転開始の指令信号が受信されると室外機101の圧縮機103も駆動される。
吸込口開動作が開始された後、第3ステップS3において正面パネル6aの開度が第1開度に達したか否かが判断される。正面パネル6aの開度が第1開度に達した場合には、第4ステップS4(送風部駆動開始ステップ)において、送風ファン31の駆動が開始される。ここで、第1開度とは、全開状態の第2開度よりも小さい開度である。送風ファン31は、吸込口開動作開始後であって、正面パネル6aが第2開度まで開いた状態、すなわち、吸込口開動作が完了していない吸込口開動作の途中の状態において、駆動を開始する。
送風ファン31の駆動が開始されると、第5ステップS5において送風ファン31の回転数が第1回転数に達したか否かが判断される。送風ファン31の回転数が第1回転数に達すると、第6ステップS6において、送風ファン31の回転数が第1回転数のまま暫く保持される。なお、運転開始時の初期動作においては送風ファン31の回転数は、最終的に第2回転数まで増大するため、初期動作においては送風ファン31の回転数が段階的に増大するといえる。
次に、第7ステップS7において、正面パネル6aの開度が第2開度に達したか否かが判断される。正面パネル6aの開度が第2開度に達した場合には、第8ステップS8において吸込口開動作が停止されると共に、第9ステップS9(吹出口開動作開始ステップ)において、吹出口開動作が開始される。すなわち、正面パネル6aが全開に開いて吸込口開動作が完了すると共に、送風ファン31が駆動開始後に所定の回転数に達した場合に、吹出口開動作が開始される。ここで、吹出口開動作とは、水平フラップ5が吹出口20を閉じた状態から第4開度まで開くように移動する動作である。なお、第4開度とは、水平フラップ5の可動範囲の上限、すなわち全開に第1吸込口21を開いた状態の開度である。
吹出口開動作が開始されると、第10ステップS10において水平フラップ5の開度が第3開度に達したか否かが判断される。水平フラップ5の開度が第3開度に達すると第11ステップS11において、送風ファン31の回転数が上げられる。ここでは、第1回転数に保持されていた送風ファン31の回転数が第1回転数からさらに高回転に駆動される。なお、第3開度とは、全開状態の第4開度よりも小さい開度である。すなわち、吹出口開動作開始後であって水平フラップ5が第3開度まで開いた吹出口開動作完了前において送風ファン31の回転数が増大される。
そして、第12ステップS12において送風ファン31の回転数が第2回転数に達したか否かが判断される。送風ファン31の回転数が第2回転数に達すると、第13ステップS13において、送風ファン31の回転数が第2回転数に保持される。
この間、水平フラップ5は、吹出口開動作を続けており、第14ステップS14において、水平フラップ5の開度が第4開度に達したか否かが判断される。水平フラップ5の開度が第4開度に達すると、暫く第4開度のまま保持された後、第15ステップSにおいて、水平フラップ5が第5開度に開かれる。第5開度とは設定された運転モードに対応した開度である。
<特徴>
(1)
この空気調和機100の室内機1aでは、リモコン9から運転開始の指令信号が送信された後、遅滞なく吸込口開動作が開始される。このため、運転開始時の初期動作において、使用者等に運転開始の指令信号が無事に受信されたことを正面パネル6aの移動によって確認することができる。
(2)
送風ファン31の駆動開始時には、吹出口開動作の開始前であり、吹出口20は水平フラップ5によって閉じられている。このため、室内機1aが運転を停止していた間に室内機1aの内部に籠もっていた空気がそのまま室内へ吹き出されることが防止される。また、送風ファン31の駆動開始時には、正面パネル6aが吸込口開動作を行っている途中であり、第1吸込口21が開かれている。このため、室内の空気が第1吸込口21より室内機内に取り込まれ、室内機1aの内部の空気が攪拌される。このため、吹出口開動作開始後に吹出口20から室内へと吹き出される空気による臭いや冷気が緩和される。これにより、臭いや冷気による使用者等への不快感の発生を抑えることができる。
(3)
水平フラップ5が吹出口20を閉じると共に正面パネル6aが開かれた状態においては隙間Gが形成されるため、水平フラップ5が吹出口20を閉じた状態であっても送風ファン31の駆動により生成される空気流の逃げ道が確保される。このため、内部の空気を効果的に攪拌することができ、内部に籠もった空気の臭いを低減することができる。また、この隙間Gは吹出口20と比べて小さなものであるため、吹出口20が開かれた状態で送風ファン31が駆動される場合よりも、臭いや冷気による使用者等への不快感の発生を十分に抑えることができる。
〔第2実施形態〕
第2実施形態では、空気調和機100の室内機1aは、冷風の発生をより強く防止可能な冷風防止運転や不快感を与える臭いの発生をより強く防止可能な臭い防止運転を運転開始時の初期動作において行う。冷風防止運転は、送風ファン31の駆動開始前に圧縮機103を駆動させて室内熱交換器10を高温にすることによって、室内機1aの内部の空気を暖める。臭い防止運転では、送風ファン31の駆動開始前に圧縮機103を駆動させて室内熱交換器10を低温にすることによって、室内熱交換器10に結露を生じさせる。室内機1aの内部の空気に含まれた臭い成分が結露により生じた水分に吸着されることによって、臭いの発生を防止することができる。
上記の第1実施形態における運転開始時の初期動作では、吸込口開動作の途中で送風ファン31の駆動が開始されているが、本実施形態では、図15に示すように、吸込口開動作が完了し且つ室内熱交換器10の温度が所定温度に到達したときに送風ファン31の駆動が開始される。ここでは、吸込口開動作の完了後に温度センサー52が検知した室内熱交換器10の温度が所定温度に到達したか否かの判断が制御部8によって行われ、室内熱交換器10の温度が所定温度に到達したときに送風ファン31の駆動が開始される。なお、運転開始の指令信号が受信されたときから圧縮機103は駆動を開始されており、室内熱交換器10の温度調整が開始されている。
吸込口開動作の開始のタイミングや送風ファン31の回転数の増大のタイミングについては第1実施形態と同様である。また、他の構成や制御についても第1実施形態と同様である。
このような空気調和機100の室内機1aでは、水平フラップ5が移動して吹出口20が開かれたときには、室内熱交換器10の温度がすでに所定温度に到達している。ここで、室内熱交換器10の温度が高温となっている場合には、吹出口20から室内へと吹き出される空気は室内熱交換器10によって暖められた後に室内へと吹き出される。これにより、運転開始時において冷風が室内に吹き出されることをより抑えることができる。また、室内熱交換器10の温度が低温となっている場合には、室内熱交換器10の表面に結露を生じさせ、室内機1a内部の空気中の臭い成分を発生した水滴に吸収させることができる。これにより、運転開始時において不快な臭いが発生することをより抑えることができる。
なお、温度センサー52によって検知された温度が所定温度に達するか判断される代わりに、運転開始の指示信号が受信されてからの経過時間が所定時間に達したか否かが判断されても良い。すなわち、吸込口開動作が完了後も経過時間が所定時間に到達するまでは送風ファン31の駆動が開始されず、この間に室内熱交換器10の温度が所定温度に到達することができるため、上記と同様の効果を奏することができる。なお、経過時間の測定開始時は運転開始の指示信号の受信時に限らず、圧縮機103の駆動開始時や、吸込口開動作の開始時などであってもよい。
〔第3実施形態〕
上記の実施形態では、正面パネル6aが一体のパネルによって構成されているが、図16に示す室内機1bのように、正面パネル6bが複数の別体のパネルによって構成されてもよい。
<正面パネルの構成>
正面パネル6bは、図16(a)に示すように、室内機ケーシング2の前面の略全体を覆う。正面パネル6bは、正面視において吹出口20と第1吸込口21とを覆い、吹出口20と第1吸込口21とを開閉する。正面パネル6bは、継目の無い複数のパネルが集合したパネル集合体であり、第1パネル部61bと第2パネル部62b(吸込口開閉部材)と第3パネル部63bとを有している。
〈第1パネル部〉
第1パネル部61bは、室内機ケーシング2の前面の下方に、吹出口20を開閉するように移動可能に配置されており、吹出口20を覆うように設けられる。第1パネル部61bは、図示しない移動機構によって上下方向に平行移動可能に左右両端近傍を支持されており、吹出口20を開閉する。第1パネル部61bは、継目を有さない長方形の平板状の部材であり、正面視における室内機ケーシング2の幅Wと略同じ幅を有する。第1パネル部61bの表側は、凹凸および穴などの開口部のない滑らかな概ね平坦な形状に形成されている。この第1パネル部61bは、吹出口20を閉じた状態においては、図16(a)および図17(a)のように、上下方向に平行な状態となる。また、この状態では、第1パネル部61bは、正面視において吹出口20よりも大きな投影面積を有する。従って、第1パネル部61bは、吹出口20を閉じた状態においては、吹出口20を含む室内機ケーシング2の前面の下方を完全に覆う。また、第1パネル部61bは、パール粒子などの輝度を有する粒子が混入された透明樹脂によって成型されており、粒子が混入された透明樹脂層を有している。そして、透明樹脂層の裏側には、色彩や模様等が表された塗料層が設けられている。この塗料層は、第1パネル部61bの裏側から塗装を施すことによって形成される。このように、第1パネル部61bは、意匠性が高く、使用者等の目に触れ易い前面に配置されることにより室内機1bの意匠性を高める意匠パネルとして機能する。
〈第2パネル部〉
第2パネル部62bは、室内機ケーシング2の前面の上方に、第1吸込口21を開閉するように移動可能に配置されており、第1吸込口21を覆うように設けられる。第2パネル部62bは、図示しない移動機構によって前後方向に移動可能に左右両端近傍を支持されており、第1吸込口21から離れるように移動することによって第1吸込口21を開き、第1吸込口21に近接するように移動することによって第1吸込口21を閉じる。第2パネル部62bは、継目を有さない長方形の平板状の部材であり、正面視において第1吸込口21を含む室内機ケーシング2の幅Wと略同じ幅を有する。第2パネル部62bの表側は、凹凸および穴などの開口部のない滑らかな概ね平坦な形状に形成されている。この第2パネル部62bは、第1吸込口21を閉じた状態においては、図16(a)および図17(a)のように、上下方向に平行な状態となる。また、第2パネル部62bは、正面視において第1吸込口21よりも大きな投影面積を有する。従って、第2パネル部62bは、第1吸込口21を閉じた状態においては、第1吸込口21を含む室内機ケーシング2の前面の上半分を完全に覆う。また、第2パネル部62bは、第1パネル部61bと同様に、パール粒子などの輝度を有する粒子が混入された透明樹脂によって成型されており、粒子が混入された透明樹脂層を有している。そして、透明樹脂層の裏側には、色彩や模様等が表された塗料層が設けられている。この塗料層は、第2パネル部62bの裏側から塗装を施すことによって形成される。このように、第2パネル部62bは、意匠性が高く、使用者等の目に触れ易い前面に配置されることにより室内機1bの意匠性を高める意匠パネルとして機能する。
〈第3パネル部〉
第3パネル部63bは、第1パネル部61bと第2パネル部62bとの間に配置されている。第3パネル部63bは、正面視において継目を有さない長方形の形状を有している。第3パネル部63bは、室内機ケーシング2と略同じ幅Wを有し、上下方向に第1パネル部61bと略同じ長さを有する。第3パネル部63bの表側は、凹凸および穴などの開口部のない滑らかな概ね平坦な形状に形成されている。第3パネル部63bは、図17(a)に示すように、左右端部近傍が室内機ケーシング2の左右の側面にそれぞれ固定されており、第3パネル部63bの前面部分が室内機ケーシング2の前面に対して前後方向に隙間を隔てるように配置されている。すなわち、第3パネル部63bの前面部分の後方には、室内機ケーシング2との間に隙間が形成されている。この隙間は、下方に配置された第1パネル部61bの厚さよりも僅かに大きく形成されており、吹出口20を開くために移動する第1パネル部61bを収容する空間となっている(図17c参照)。また、第3パネル部63bは、不透明な樹脂材料から成型されている。
このように、第1パネル部61bは、吹出口20を閉じた状態においては、吹出口20を含む室内機ケーシング2の前面の下方を完全に覆い、第2パネル部62bは、第1吸込口21を閉じた状態においては、第1吸込口21を含む室内機ケーシング2の前面の上方を完全に覆う。また、第1パネル部61b、第2パネル部62bおよび第3パネル部63bは、上下に並んで配置されており、吹出口20および第1吸込口21が閉じられた状態では、略平坦な長方形の平面を構成するように配置される。第1パネル部61b、第2パネル部62bおよび第3パネル部63bによって構成される正面パネル6bは、吹出口20および第1吸込口21が閉じられた状態では室内機1bの前面の略全体を覆い、第1パネル部61b、第2パネル部62bおよび第3パネル部63bの境目にできる継目のみが正面視において表れる。すなわち、第1パネル部61bと第3パネル部63bとの境目および第2パネル部62bと第3パネル部63bとの境目によって形成される水平方向に延びる継目のみが正面視において表れる。さらに、第1パネル部61b、第2パネル部62bおよび第3パネル部63bは上下方向に平行となっており、正面パネル6bは、吹出口20および第1吸込口21を閉じた状態において、上下方向に平行な平坦面を形成している。この空気調和機100の室内機1bでは、正面パネル6bがこのような平坦な形状とされることにより、美観が向上している。
<開閉動作>
次に、正面パネル6bの開閉動作について図17に基づいて詳細に説明する。
正面パネル6bの閉状態では、第1パネル部61bおよび第2パネル部62bは、吹出口20および第1吸込口21を閉じており、図17(a)に示すように、第1パネル部61b、第2パネル部62bおよび第3パネル部63bは、上下方向に平行に側面視において略一直線上に並ぶように配置される。また、第1パネル部61b、第2パネル部62bおよび第3パネル部63bの表側は略平坦になっている。なお、水平フラップ5は、水平面に平行になるように位置しており、水平面に平行な室内機1bの底面を構成している(図16参照)。
次に、図17(b)に示すように、第1パネル部61bは、上下方向上向きに平行移動して吹出口20を開く。第1パネル部61bが上下方向上向きに移動すると、第1パネル部61bの上端が第3パネル部63bの後方の隙間に挿入される。第1パネル部61bがさらに上方へと移動すると、図17(c)に示すように、第1パネル部61bが、第3パネル部63bと室内機ケーシング2との間の隙間に収容され、第3パネル部63bの後方に隠れた状態となる。すなわち、第1パネル部61bの略全体が、第3パネル部63bに重なった状態となる。
また、このような第1パネル部61bの移動にリンクして第2パネル部62bも移動する。このとき、図17(b)に示すように、第2パネル部62bは、前方へと移動すると共に、正面視における左右方向に平行な軸を中心に回動する。第2パネル部62bは、その下端近傍を中心にして、上端が前方へ向けて傾斜するように回動する。第2パネル部62bは、図17(c)に示すように、さらに移動して室内機ケーシング2と第2パネル部62bとの間に隙間が形成される。これにより、第1吸込口21が開かれる。そして、第2パネル部62bの上端と室内機ケーシング2との間の隙間から空気が吸込まれ、第1吸込口21から室内機1bの内部に空気が吸込まれる。
上記のように正面パネル6bが移動して吹出口20と第1吸込口21とが開かれると、水平フラップ5が、設定された運転モードに対応した吹出し角度となるように回転移動する。
室内機1bの運転停止時には、第1パネル部61bおよび第2パネル部62bが上記と逆に移動し、正面パネル6bは平坦な状態へと戻る。また、水平フラップ5は、水平面に平行になるように移動して吹出口20の下方を閉じる。
<運転開始時の初期動作>
この室内機1bの運転開始時の初期動作においては、第1実施形態における吸込口開動作において正面パネル6aが移動する代わりに第2パネル部62bが移動する。そして、吹出口開動作において水平フラップ5が移動する代わりに第1パネル部61bと水平フラップ5とが移動する。他の動作については第1実施形態と同様である。なお、第1パネル部61bと水平フラップ5とは同時に移動を開始するのではなく、第1パネル部61bが先に開いた後に水平フラップ5の移動が開始されてもよい。
<特徴>
この室内機1bにおいても第1実施形態と同様に、運転開始時の初期動作において、使用者等に運転開始の指令信号が無事に受信されたことを第2パネル部62bの移動によって確認することができる。また、臭いや冷気による使用者等への不快感の発生を抑えることができる。
さらに、この室内機1bでは、運転停止状態において、正面パネル6bが室内機1bの正面全体を覆う。そして、正面パネル6bは、鉛直方向に平行な平坦面を形成する。このため、室内機1bの運転停止時には、正面視において使用者等の視野には平坦な正面パネル6bのみが表れる。また、正面パネル6bの表面には、第1パネル部61bと第2パネル部62bと第3パネル部63bとの境界である横方向(水平方向)に延びる継目のみが表れ、他の継目は表れない。従って、この室内機1bでは、正面視において、縦方向(鉛直方向)に延びる継目が表れることがなく、横方向に延びる継目も最低限となっている。このため、この空気調和機100の室内機1bでは、正面視における室内機1bの運転停止状態の外観と室内の壁面とが調和し、美観が向上する。
〔第4実施形態〕
第3実施形態においては、正面パネル6bが3枚のパネルによって構成されているが、図18に示す室内機1cのように、正面パネル6cが2枚のパネルによって構成されてもよい。以下、この空気調和機100の室内機1cにおける正面パネル6cの構成および運転開始時の正面パネル6cの動作について説明する。他の構成および正面パネル6cの動作のタイミング等については、第2実施形態に係る室内機1bと同様である。
<正面パネルの構成>
この室内機1cは室内機ケーシング2の正面の略全体を覆う正面パネル6cを備える。正面パネル6cは、継目の無い2枚のパネルが集合したパネル集合体であり、第1パネル部61cと第2パネル部62c(吸込口開閉部材)と有している。
第1パネル部61cは、室内機ケーシング2の正面の下方に配置されている。第1パネル部61cは、図示しない移動機構によって上下方向に平行移動可能に支持されており、吹出口20を開閉する。第1パネル部61cは、継目を有さない長方形の平板状の部材であり、正面視における室内機ケーシング2の幅Wと略同じ幅を有する。第1パネル部61cは、吹出口20を閉じた状態においては、図18(b)のように、鉛直方向に平行な状態となる。また、この状態では、第1パネル部61cは、正面視において吹出口20よりも大きな投影面積を有する。従って、第1パネル部61cは、吹出口20を閉じた状態においては、吹出口20を含む室内機ケーシング2の正面の下方を完全に覆う。
第2パネル部62cは、室内機ケーシング2の正面の上方に配置されている。第2パネル部62cは、図示しない移動機構によって移動可能に支持されており、第1吸込口21を開閉する。第2パネル部62cは、継目を有さない長方形の平板状の部材であり、正面視において第1吸込口21を含む室内機ケーシング2の幅Wと略同じ幅を有する。第2パネル部62cは、第1吸込口21を閉じた状態においては、図18(b)のように、鉛直方向に平行な状態となる。また、第2パネル部62cは、正面視において第1吸込口21よりも大きな投影面積を有する。従って、第2パネル部62cは、第1吸込口21を閉じた状態においては、第1吸込口21を含む室内機ケーシング2の正面の上半分を完全に覆う。
このように、第1パネル部61cは、吹出口20を閉じた状態においては、吹出口20を含む室内機ケーシング2の正面の下方を完全に覆い、第2パネル部62cは、第1吸込口21を閉じた状態においては、第1吸込口21を含む室内機ケーシング2の正面の上方を完全に覆う。また、第1パネル部61cおよび第2パネル部62cは、上下に並んで配置されており、吹出口20および第1吸込口21が閉じられた状態では、略平坦な長方形の平面を構成するように配置される。第1パネル部61cおよび第2パネル部62cによって構成される正面パネル6cは、吹出口20および第1吸込口21が閉じられた状態では室内機1cの前面の略全体を覆い、第1パネル部61cおよび第2パネル部62cの境目にできる継目のみが正面視において表れる。すなわち、正面パネル6cでは、第1パネル部61cと第2パネル部62cとの境目によって形成される水平方向に延びる継目のみが正面視において表れる。
<開閉動作>
次に、正面パネル6cの開閉動作について図19に基づいて詳細に説明する。
正面パネル6cの閉状態では、第1パネル部61cおよび第2パネル部62cは、吹出口20および第1吸込口21を閉じており、図19(a)に示すように、第1パネル部61cおよび第2パネル部62cは、鉛直方向に平行に側面視において略一直線上に並んで配置されている。また、第1パネル部61cおよび第2パネル部62cの表面は略平坦になっている。
次に、第1パネル部61cおよび第2パネル部62cが移動して、吹出口20および第1吸込口21が開かれる。
図19(b)に示すように、第2パネル部62cは、第1吸込口21から離れるように前方へと移動すると共に、正面視における左右方向に平行な軸を中心に回動する。第2パネル部62cは、その下端近傍を中心にして、上端が前方へ向けて傾斜するように回動する。第2パネル部62cは、図19(c)に示すように、さらに移動して室内機ケーシング2と第2パネル部62cとの間に隙間が形成される。これにより、第1吸込口21が開かれる。そして、第2パネル部62cの上端と室内機ケーシング2との間の隙間から空気が吸込まれ、第1吸込口21から室内機ケーシング2内に空気が吸込まれる。なお、第2パネル部62cが第1吸込口21を開いた状態において、第2パネル部62cの上端が前方へと上端が後方へと傾斜した状態となる。また、この状態において、第2パネル部62cは、吹出口20に干渉しないように配置される。すなわち、第2パネル部62cの下端は、吹出口20よりも上方に位置しており、吹出口20からの吹出しの障害とならないようにされている。
このような第2パネル部62cの移動にリンクして第1パネル部61cも移動する。図19(b)に示すように、第1パネル部61cは、鉛直方向上向きに平行移動して吹出口20を開く。第1パネル部61cが鉛直方向上向きに移動すると、第1パネル部61cの上端が、前方へと移動した第2パネル部62cと室内機ケーシング2の前面との間へと挿入される。すなわち、第1パネル部61cの上端は、第2パネル部62cの後方の隙間に挿入される。第1パネル部61cがさらに上方へと移動すると、図19(c)に示すように、第1パネル部61cが、第2パネル部62cと室内機ケーシング2との間の隙間に収容される。すなわち、第1パネル部61cの全体または一部が、第2パネル部62cに重なった状態となる。なお、第1パネル部61cは、室内機ケーシング2の前面に近接した状態で移動する。第1パネル部61cと室内機ケーシング2とは、擦れによる傷の発生を防止する観点からは第1パネル部61cの移動中に接触しないことが望ましく、第1パネル部61cと室内機ケーシング2との間に約1mmないし2mmの隙間を隔てていることがより望ましい。
室内機1cの運転停止状態においては、第1パネル部61cおよび第2パネル部62cが上記と逆に移動することによって、平坦な状態へと戻る。また、水平フラップ5は、水平面に平行になるように移動して吹出口20の下方を閉じる。
<運転開始時の初期動作>
この室内機1cの運転開始時の初期動作においては、第1実施形態における吸込口開動作において正面パネル6aが移動する代わりに第2パネル部62cが移動する。そして、吹出口開動作において水平フラップ5が移動する代わりに第1パネル部61cと水平フラップ5とが移動する。他の動作については第1実施形態と同様である。なお、第1パネル部61cと水平フラップ5とは同時に移動を開始するのではなく、第1パネル部61cが先に開いた後に水平フラップ5の移動が開始されてもよい。
<特徴>
この室内機1cにおいても第3実施形態と同様に、運転開始時の初期動作において、使用者等に運転開始の指令信号が無事に受信されたことを第2パネル部62cの移動によって確認することができる。また、臭いや冷気による使用者等への不快感の発生を抑えることができる。
さらに、この室内機1cでは、運転停止状態において、正面パネル6cが室内機1cの正面全体を覆う。そして、正面パネル6bは、鉛直方向に平行な平坦面を形成する。このため、室内機1cの運転停止時には、正面視において使用者等の視野には平坦な正面パネル6cのみが表れる。また、正面パネル6cの表面には、第1パネル部61cと第2パネル部62cとの境界である横方向(水平方向)に延びる継目のみが表れ、他の継目は表れない。従って、この室内機1cでは、正面視において、縦方向(鉛直方向)に延びる継目が表れることがなく、横方向に延びる継目も最低限となっている。このため、この室内機1cでは、正面視における室内機1cの運転停止時の外観と室内の壁面とが調和し、美観が向上する。
〔他の実施形態〕
(1)
上記の実施形態では、第2開度は正面パネル6aが全開に開かれた状態であるが、各部材の可動範囲の限界位置に限らず、各運転モードにおける移動範囲の限界であってもよい。また、第2開度が全開状態ではない所定の開度であってもよい。第4開度についても同様である。
(2)
水平フラップ5ではなく吹出口20を開閉する別のパネルが吹出口開閉部材として設けられてもよい。
本発明は、運転開始時の初期動作における使用者の快適感の低下を抑えることができる効果を有し、空気調和機の室内機および空気調和機の室内機の制御方法として有用である。
空気調和機の室内機の冷媒回路の構成図。 第1実施形態にかかる室内機の正面図。 第1実施形態にかかる室内機の側面図。 第1実施形態にかかる室内機の側面断面図。 第1実施形態にかかる室内機の外観斜視図。 正面パネルが取り外された状態の室内機の正面図。 移動機構の構成を示す図。 室内機の制御ブロック図。 正面パネルの移動時の移動機構の動作を示す図。 正面パネルの開閉動作を示す図。 正面パネルが開いた状態の室内機の外観斜視図。 運転開始時の初期動作の制御フローを示す図。 運転開始時の初期動作の制御フローを示す図。 第1実施形態に係る運転開始時の初期動作のタイミングチャートを示す図。 第2実施形態に係る運転開始時の初期動作のタイミングチャートを示す図。 第3実施形態に係る室内機の正面図および側面断面図。 第3実施形態に係る室内機の正面パネルの開閉動作を示す図。 第4実施形態に係る室内機の正面図および側面断面図。 第4実施形態に係る室内機の正面パネルの開閉動作を示す図。
符号の説明
1a,1b,1c 室内機
2 室内機ケーシング(ケーシング部)
3 送風部
5 水平フラップ(吹出口開閉部材)
8 制御部
10 室内熱交換器(熱交換器)
20 吹出口
21 第1吸込口(吸込口)
31 送風ファン
52 温度センサー(温度検知部)
62a,62b,62c 第2パネル部(吸込口開閉部材)
G 隙間
S2 第2ステップ(吸込口開動作開始ステップ)
S4 第4ステップ(送風部駆動開始ステップ)
S9 第9ステップ(吹出口開動作開始ステップ)

Claims (13)

  1. 吸込口(21)と吹出口(20)とが設けられたケーシング部(2)と、
    前記吸込口(21)から吸い込まれ前記吹出口(20)から吹き出される空気の流れを生成する送風部(3)と、
    前記吸込口(21)を開閉する吸込口開閉部材(62a,62b,62c)と、
    前記吹出口(20)を開閉する吹出口開閉部材(5)と、
    前記送風部(3)が停止し且つ前記吸込口(21)と前記吹出口(20)とが閉じられた運転停止状態から運転を開始するときには、前記吸込口開閉部材(62a,62b,62c)が前記吸込口(21)を開くように移動する吸込口開動作を開始させ、前記送風部(3)の駆動を前記吸込口開動作の開始後に開始させ、前記吹出口開閉部が前記吹出口(20)を開くように移動する吹出口開動作を前記送風部(3)の駆動開始後に開始させる制御部(8)と、
    を備える空気調和機の室内機(1a,1b,1c)。
  2. 前記制御部(8)は、前記吸込口開動作の完了前に前記送風部(3)の駆動を開始させる、
    請求項1に記載の空気調和機の室内機(1a,1b,1c)。
  3. 前記吸込口開動作において前記吸込口開閉部材(62a,62b,62c)は第2開度まで開き、
    前記制御部(8)は、前記吸込口開動作において前記吸込口開閉部材(62a,62b,62c)が前記第2開度より小さい第1開度まで開いたときに前記送風部(3)の駆動を開始させる、
    請求項1または2に記載の空気調和機の室内機(1a,1b,1c)。
  4. 前記第2開度は前記吸込口開閉部材(62a,62b,62c)が全開に開いた開度である、
    請求項3に記載の空気調和機の室内機(1a,1b,1c)。
  5. 冷媒と空気との間で熱交換を行う熱交換器(10)と、
    前記熱交換器(10)の温度を検知する温度検知部(52)と、
    をさらに備え、
    前記制御部(8)は、前記吸込口開動作が完了し且つ前記熱交換器(10)の温度が所定温度に到達したときに前記送風部(3)の駆動を開始させる、
    請求項1に記載の空気調和機の室内機(1a,1b,1c)。
  6. 前記制御部(8)は、前記吸込口開動作が完了し且つ所定時間が経過した後に前記送風部(3)の駆動を開始させる、
    請求項1に記載の空気調和機の室内機(1a,1b,1c)。
  7. 前記送風部(3)は送風ファン(31)を有し、
    前記制御部(8)は、前記吸込口開動作が完了し且つ前記送風ファン(31)の回転数が第1回転数に到達したときに前記吹出口開動作を開始させる、
    請求項1から6のいずれかに記載の空気調和機の室内機(1a,1b,1c)。
  8. 前記制御部(8)は、前記吹出口開動作の開始後に前記送風ファン(31)の回転数を第1回転数から第2回転数へと増大させる、
    請求項7に記載の空気調和機の室内機(1a,1b,1c)。
  9. 前記吹出口開動作において前記吹出口開閉部材(5)は第4開度まで開き、
    前記制御部(8)は、前記吹出口開動作において前記吹出口開閉部材(5)が前記第4開度より小さい第3開度まで開いたときに前記送風ファン(31)の回転数を第1回転数から第2回転数へと増大させる、
    請求項8に記載の空気調和機の室内機(1a,1b,1c)。
  10. 前記第4開度は前記吹出口開閉部材(5)が全開に開いた開度である、
    請求項9に記載の空気調和機の室内機(1a,1b,1c)。
  11. 前記吹出口開閉部材(5)は、前記吹出口(20)から吹き出る空気を案内するフラップである、
    請求項1から10のいずれかに記載の空気調和機の室内機(1a,1b,1c)。
  12. 前記吹出口開閉部材(5)が前記吹出口(20)を閉じた状態で前記吹出口(20)との間に隙間(G)が形成される、
    請求項1から11のいずれかに記載の空気調和機の室内機(1a,1b,1c)。
  13. 吸込口(21)と吹出口(20)とが設けられたケーシング部(2)と、前記吸込口(21)から吸い込まれ前記吹出口(20)から吹き出される空気の流れを生成する送風部(3)と、前記吸込口(21)を開閉する吸込口開閉部材(62a,62b,62c)と、前記吹出口(20)を開閉する吹出口開閉部材(5)とを備える空気調和機の室内機(1a,1b,1c)の制御方法であって、
    前記送風部(3)が停止し且つ前記吸込口(21)と前記吹出口(20)とが閉じられた運転停止状態から、前記吸込口開閉部材(62a,62b,62c)が前記吸込口(21)を開くように移動する吸込口開動作を開始させる吸込口開動作開始ステップ(S2)と、
    前記送風部(3)の駆動を前記吸込口開動作の開始後に開始させる送風部駆動開始ステップ(S4)と、
    前記吹出口開閉部が前記吹出口(20)を開くように移動する吹出口開動作を前記送風部(3)の駆動開始後に開始させる吹出口開動作開始ステップ(S9)と、
    を備える空気調和機の室内機(1a,1b,1c)の制御方法。
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