JP2006225707A - 貴金属合金 - Google Patents
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Abstract
【課題】
指輪、ブローチ等の装飾品や、スプーン、皿等の食器に用いられ、汗や硫化物等と長期に接触してもその色調を変化させることがなく、万一変色したとしても、その変色が目立つことがなく、しかも、加工性も良好な貴金属合金を提供する。
【解決手段】
この貴金属合金は、Pd:10〜75質量%、Au:20.8〜75質量%、残部:Agからなる。これによれば、AgにPdとAuを添加することにより黒みを帯びた銀色の色調となり、Pdの添加により優れた耐腐食性が得られるので、Agの変色を効果的に抑えることができ、黒く変色した場合でも、その変色が目立ってしまうことがなく、Auの添加によって優れた加工性を備えた貴金属合金が得られる。
【選択図】 なし
指輪、ブローチ等の装飾品や、スプーン、皿等の食器に用いられ、汗や硫化物等と長期に接触してもその色調を変化させることがなく、万一変色したとしても、その変色が目立つことがなく、しかも、加工性も良好な貴金属合金を提供する。
【解決手段】
この貴金属合金は、Pd:10〜75質量%、Au:20.8〜75質量%、残部:Agからなる。これによれば、AgにPdとAuを添加することにより黒みを帯びた銀色の色調となり、Pdの添加により優れた耐腐食性が得られるので、Agの変色を効果的に抑えることができ、黒く変色した場合でも、その変色が目立ってしまうことがなく、Auの添加によって優れた加工性を備えた貴金属合金が得られる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、例えば、指輪、ブローチ、ネックレス等の装飾品や、スプーン、皿等の食器等に用いられる貴金属合金に関する。
従来から、装飾品用や食器用等に用いられる貴金属合金として、銀を主体とする組成からなる銀合金が広く知られている。しかしながら、銀合金は、その使用中に汗等と接触すると黒く変色してしまったり、空気中の微量の硫化物と反応して硫化銀を生成して黒く変色するなど、変色しやすいという問題点があった。
下記特許文献1には、酸化や硫化を防止する銀合金として、70〜85重量%の銀、5〜20重量%の金、5〜20重量%のパラジウム、2〜8%の銅を含む合金からなることを特徴とする銀合金が開示されている。
また、下記特許文献2には、Pd20〜70重量%、Au0.1〜20重量%及び残部Agからなる装身具用のAg−Pd−Au貴金属合金材が開示されている。
特開2001−20024号公報
特開昭60−9844号公報
ところで銀合金は、本来の銀色のみならず、含有させる成分によって、その色調を変化させることができ、例えば、淡黄色や、ピンク色等の色調とすることも可能である。しかしながら、上記のような比較的明るい色調を呈する銀合金は、酸化又は硫化して黒く変色した場合、その変色が目立ちやすいという問題があった。
また、上記特許文献1の銀合金は、耐酸化性及び耐硫化性が付与されているが十分とは言えず、変色を完全に防止することは難しい。更に、該銀合金は、銀生地に銅を含んでいるので、例えば、指輪等を鋳造すると、銅が銀の表面に析出しやすく、赤みや黄みを帯びた色調となりやすい。この点からも上記特許文献1の銀合金では、変色を完全に防止できるとは言い難い。
更に、上記特許文献2の貴金属合金材は、Pdが比較的多く含まれているのに対して、Auの含有量が少ないので、加工性の点で問題があった。
したがって、本発明の目的は、汗や硫化物等と長期に接触してもその色調を変化させることがなく、万一変色したとしても、その変色が目立つことがなく、しかも、加工性も良好な貴金属合金を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の貴金属合金は、Pd:10〜75質量%、Au:20.8〜75質量%、残部:Agからなることを特徴とする。
本発明の貴金属合金によれば、AgにPdとAuを添加することにより、Ptを少し黒くしたような色合いの、黒みを帯びた銀色の色調とすることができ、しかも、Pdの添加により優れた耐腐食性が得られるので、指輪やネックレス等、汗に長期間接触するような使用状況下においても、Agの変色を効果的に抑えることができる。万一、黒く変色したとしても、該貴金属合金は黒みを帯びた銀色の色調であるので、その変色が目立ってしまうことがなく、美感を損なわせず装飾品や食器としての商品価値の低下を防止する。なお、Auを添加しないと、黄みが強い色調となるので好ましくない。しかも、本発明の貴金属合金は、展延性が良いAuが20.8〜75質量%添加されているので、上記特許文献2の貴金属合金材に比べて、優れた加工性が得られるようになる。
また、本発明の貴金属合金を用いて、例えば、装飾品用の部材等を、ろう付けする必要がある場合には、Auろうを使用することができるので、ろう付けした部分からの変色を防止可能となる。なお、Agろうを使用した場合には、その部分から変色してしまって問題となる。
更に、本発明の貴金属合金は、金属アレルギーの一因ともなる、Ni等を一切使用しないので、人体に悪影響を及ぼす虞れがない。
また、本発明の貴金属合金は、装飾品又は食器に用いられることが好ましい。すなわち、本発明の貴金属合金は、上述したように、変色を効果的に抑え、変色しても目立たないので、指輪、ネックレス等の直接肌に身に付ける装飾品に好適に用いることができ、同様に食品成分による変色が問題となるような銀食器にも好適に用いることができる。
本発明の貴金属合金によれば、AgにPdとAuを特定の組成範囲で添加することにより黒みを帯びた銀色の色調となり、Pdの添加により優れた耐腐食性が得られるので、Agの変色を効果的に抑えることができ、黒く変色した場合でも、その変色が目立ってしまうことがなく、しかも、Auの添加によって優れた加工性が得られる。
本発明の貴金属合金は、AgにPd及びAuを添加させたものであり、例えば、指輪、ネックレス、ピアス、イアリング、ブレスレット、ブローチ、ネクタイピン、カフスボタン、ベルトのバックル等の装飾品の他、スプーン、皿等の食器等に用いられるものである。
上記貴金属合金の組成としては、Pdが10〜75質量%、好ましくは20〜54質量%であり、Auが20.8〜75質量%、好ましくは20.8〜41.7質量%であって、残部がAgからなっている。但し、残部には、不可避不純物が含まれていることを妨げない。このような組成とすることによって、本発明の貴金属合金は、Ptを少し黒くしたような色合いの、黒みを帯びた銀色の色調とすることができる。
なお、上記貴金属合金の組成のうち、Pdが、10質量%未満だと耐腐食性が乏しくなるので変色しやすくなり、70質量%を超えると加工性及び鋳造性が乏しくなるので好ましくない。同様にAuが、20.8質量%未満だと加工性が悪くなってしまい、75質量%を超えると黄みを帯びた色調となり、黒みを帯びた銀色の色調にならないので、変色が目立ってしまい、製造コストも高くなるので好ましくない。
本発明の貴金属合金は、上記組成のように、AgにPdとAuを上記組成範囲で添加することにより、黒みを帯びた銀色の色調とすることができ、しかも、Pdの添加により優れた耐腐食性が得られるので、Agの変色を効果的に抑えることができ、仮に腐食等によって黒く変色したとしても、該貴金属合金は黒みを帯びた銀色の色調であるので、その変色が目立ってしまうことがなく、美感を損なわせず装飾品や食器としての商品価値の低下を防止する。更に、Auを20.8〜75質量%添加したので、上記特許文献2の貴金属合金材に比べて、優れた加工性が得られる。
なお、本発明の貴金属合金の鋳造には、例えばロストワックス法で作られた石膏系、リン酸系等の破砕型の鋳型を用いて、ルツボ中で溶解させた金属の溶湯を鋳型に注入して鋳込むといった、一般的な方法を採用することができる。こうして鋳造され使用目的に応じて所定形状に成形された貴金属合金は、研磨されて上述したような装飾品や食器として製品化される。
実施例1〜3
表1に示す割合でAg、Au、Pdを配合した後、常法に従って鋳造、研磨して、実施例1〜3の指輪を作製した。
表1に示す割合でAg、Au、Pdを配合した後、常法に従って鋳造、研磨して、実施例1〜3の指輪を作製した。
比較例1
表1に示す割合でAu、Pd、Ptを配合した以外は、実施例と同様の条件で、比較例1の指輪を作製した。
表1に示す割合でAu、Pd、Ptを配合した以外は、実施例と同様の条件で、比較例1の指輪を作製した。
比較例2
表1に示す割合でAu、Pd、Ptを配合した以外は、実施例と同様の条件で、比較例2の指輪を作製した。
表1に示す割合でAu、Pd、Ptを配合した以外は、実施例と同様の条件で、比較例2の指輪を作製した。
比較例3
表1に示す割合でAu、Ptを配合した以外は、実施例と同様の条件で、比較例3の指輪を作製した。
表1に示す割合でAu、Ptを配合した以外は、実施例と同様の条件で、比較例3の指輪を作製した。
比較例4
表1に示す割合でAg、Pdを配合した以外は、実施例と同様の条件で、比較例4の指輪を作製した。
表1に示す割合でAg、Pdを配合した以外は、実施例と同様の条件で、比較例4の指輪を作製した。
比較例5
表1に示す割合でAg、Au、Pd、Cuを配合した以外は、実施例と同様の条件で、比較例5の指輪を作製した。
表1に示す割合でAg、Au、Pd、Cuを配合した以外は、実施例と同様の条件で、比較例5の指輪を作製した。
試験例
実施例1〜3、及び、比較例1〜5の指輪について、目視による色調の確認試験と、人工汗による変色試験を行った。その結果をまとめて表1に示す。
実施例1〜3、及び、比較例1〜5の指輪について、目視による色調の確認試験と、人工汗による変色試験を行った。その結果をまとめて表1に示す。
なお、人工汗による変色試験は、時計や貴金属業界で、試験用に用いられている人工的に合成した汗に10時間浸漬して腐食があるかないかを確認することによって行った。
表1の結果から、実施例1〜3においては、黒みを帯びた銀色の色調を呈し、変色も全く認めらないことが分かり、装飾品や食器等に用いられる貴金属合金として好適であることが理解できる。
比較例1、2の場合は、黒みを帯びた銀色の色調を呈するものの、Ptを含むので、製造コストが増加してしまう。なお、比較例3は、変色はしないものの、主成分がPtであるので、この場合も製造コストが増加する。また、比較例4の場合は、やや変色してしまって、しかも、銀色の色調であるので、その変色が目立ってしまっていた。更に、比較例5の場合は、その色調が黄みを帯びた銀色となるので、質感が劣ってしまって、やや変色してしまっていた。
本発明は、汗や硫化物等と長期に接触してもその色調を変化させることがなく、万一変色したとしても、その変色が目立つことがなく、加工性も良い貴金属合金として利用することができる。
Claims (2)
- Pd:10〜75質量%、Au:20.8〜75質量%、残部:Agからなることを特徴とする貴金属合金。
- 装飾品又は食器に用いられる請求項1記載の貴金属合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005039928A JP2006225707A (ja) | 2005-02-17 | 2005-02-17 | 貴金属合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005039928A JP2006225707A (ja) | 2005-02-17 | 2005-02-17 | 貴金属合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006225707A true JP2006225707A (ja) | 2006-08-31 |
Family
ID=36987330
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005039928A Pending JP2006225707A (ja) | 2005-02-17 | 2005-02-17 | 貴金属合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006225707A (ja) |
-
2005
- 2005-02-17 JP JP2005039928A patent/JP2006225707A/ja active Pending
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