JP2006225666A - 冷媒、冷媒圧縮機および冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】飽和炭化水素からなる冷媒を主とする冷媒を用いた冷媒圧縮機および冷凍装置の摺動性、信頼性および安全性を向上させる。
【解決手段】飽和炭化水素に不飽和炭化水素を含ませた冷媒を主とし、この冷媒と相溶性を有する冷凍機油を封入してなる冷媒圧縮機および冷凍装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、たとえば空気調和機や冷蔵庫等に組み込まれる冷凍装置に関し、特に炭化水素系冷媒を用いた冷媒、冷媒圧縮機および冷凍装置に関する。
空気調和機や冷蔵庫等は、冷風や温風等を作り出して周囲を一定温度雰囲気にする機能を有している。このために密閉型冷媒圧縮機やカーエアコン用半密閉型冷媒圧縮機等の冷媒圧縮機が用いられている。
従来、これらの圧縮機の冷媒として、ジクロロジフロロメタン(以下、CFC‐12と略称)やモノクロロジフロロメタン(以下、HCFC‐22と略称)およびR−502等が主に用いられてきた。また、これら冷媒と共に使用される冷凍機油には、高い潤滑性を有するとともに、CFC‐12、HCFC‐22、R‐502に対して溶解性を有するナフテン系鉱油やパラフィン系鉱油の冷凍機油が用いられてきた。しかしながら、CFC‐12、HCFC‐22、R‐502等のフロン放出がオゾン層の破壊に繋がり、人体や生態系に深刻な影響を与えるため、オゾン破壊係数(ODP)の高いCFC‐12(ODP値:1.0)の使用禁止やODP値が0以上であるHCFC‐22(ODP値:0.05)の段階的な使用削減が提案され、将来的には不使用の方向にある。
このため、代替フロンとして、ジフロロメタン(以下、HFC‐32と略称)、ペンタフルオロエタン(以下、HFC‐125と略称)、1,1,1,2‐テトラフルオロエタン(以下、HFC‐134aと略称)、1,1,1‐トリフルオロエタン(以下、HFC‐143aと略称)、1,1‐ジフルオロエタン(以下、HFC‐152aと略称)等の単体あるいは混合物の使用が検討されている。それと共に、これらの代替冷媒に適合する冷凍機油として、エステル系油、ポリアルキレングリコール系油、エーテル系油やフッ素系油等が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。たとえば、HFC‐134aやHFC‐125を単体あるいは混合した冷媒を使用して、冷蔵庫や空調調和機等の冷凍サイクルにはポリエステル系油が、カーエアコンにはポリアルキレングリコール系油が主に使用されている。
特開平4−183788号公報
しかしながら、HFC系の代替フロンは、オゾンの分解性は低いが、地球を温暖化する作用があるとの問題がある。
また、ポリエステル系油やポリアルキレングリコール系油は、吸湿性が高いため冷凍サイクル材料の劣化が促進されやすいとの問題がある。
このため、オゾン分解係数(ODP)と地球温暖化係数(GWP)が共に低い冷媒およびこれに適応した冷凍機油ならびに冷凍サイクル材料の開発が望まれている。そのような冷媒として、HFC‐134aやHFC‐125以外のHFC系冷媒や炭化水素系物質の使用が検討されている。しかし、炭化水素系物質は本質的に潤滑性を示さないため摺動特性が十分でないとの問題がある。さらに炭化水素系物質を冷媒に用いた場合においても冷凍サイクル自身に吸着水分があり、冷凍装置の長期信頼性を維持する上で問題がある。
本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、炭化水素系物質からなる冷媒およびこの炭化水素系物質とHFC系冷媒との混合冷媒を用いた冷凍サイクルに適した基本材料構成を検討して、摺動特性、信頼性および安全性を向上させることのできる冷媒、冷媒圧縮機および冷凍装置を提供することを目的とする。
請求項1の冷媒は、沸点が−50〜0℃の範囲にある飽和炭化水素を主成分とし、不飽和炭化水素を0.001〜1.0質量%の範囲で含み、混入硫黄量が0.02質量%以下であることを特徴とする。本発明の冷媒は、冷媒圧縮機、凝縮器、乾燥器、膨脹機構および蒸発器等から構成される冷凍サイクルにおいて使用される冷媒である。この冷凍サイクルの冷媒圧縮機には、往復式、ロータリー式、スクロール式等があるが、いずれにも本発明の冷媒を使用することができる。本発明の冷媒は、飽和炭化水素を主成分とし、不飽和炭化水素を含むものである。本発明において、飽和炭化水素とは炭化水素を構成する炭素骨格の原子価がすべて水素原子で飽和されているものをいい、不飽和炭化水素とは炭化水素のうちエチレン結合(または二重結合)あるいはアセチレン結合(または三重結合)を有するものをいう。不飽和炭化水素を含むことにより、冷媒圧縮機の摺動材表面における摺動特性が向上する。これは不飽和炭化水素に含まれる二重結合あるいは三重結合を構成するπ電子が関与して冷媒圧縮機の摺動材表面の金属と吸着あるいは結合することにより摺動性を向上させ、摺動材の摩耗性が減少するためと考えられる。このような作用の模式図をプロピレン(C)や2−ブチン(C)を例にとり図1に示す。飽和炭化水素の冷媒としての特性を維持しつつ摺動特性を向上させるために、不飽和炭化水素の含有量は0.001〜1.0質量%の範囲が好ましく、より好ましい範囲は0.01〜0.1質量%である。
本発明の冷媒の一態様では、飽和炭化水素は沸点が−50〜0℃の範囲にあるものから選ばれた単独の炭化水素である。飽和炭化水素の沸点がこの範囲にあると、本発明における冷媒としての特性を維持することができる。具体的にはプロパン(C)やブタン(C10)を挙げることができ、これらは単独でも混合物でも使用することができる。また、不飽和炭化水素は、上述の飽和炭化水素と混合して使用できるものであればよい。具体的にはプロピレン(C)やブテン(C)、ブチン(C)等を単独あるいは混合物で使用することができる。また、HC系冷媒の硫黄分を0.02質量%以下に抑えることにより、硫黄分が内部で硫酸等の酸成分等に変性して冷凍サイクル内の有機材料を劣化させることを防止することができる。特に混入硫黄分を0.02質量%以下にすれば、冷凍サイクル材料への影響も少なく製品の寿命が低下することはない。
請求項2の冷媒圧縮機は、冷媒を圧縮、凝縮、膨脹、蒸発させる冷凍サイクルに用いられ、冷媒として前記冷媒を用いることを特徴とする。請求項3の冷媒圧縮機は、請求項2の冷媒圧縮機において、冷凍機油として前記冷媒と相溶性を有する冷凍機油を用いることを特徴とする。
HC系冷媒に対して、ナフテン系、パラフィン系等の鉱油やアルキルベンゼン系油等の合成油は相溶性がある。HFC系冷媒に対して、エステル系油、ポリアルキレングリコール系油、エーテル系油やフッ素系油は相溶性がある。また、HC系とHFC系との混合冷媒に対して、鉱油と合成油の混合油は一定量の相溶性がある。したがって、上述の冷凍機油を使用すれば冷媒圧縮機の摺動部への油戻りが維持されて摺動部材の特性低下が起こりにくくなる。また混合冷媒系冷凍サイクルには鉱油または合成油のどちらでも使用可能であり、あるいは鉱油と合成油の混合油も使用することができる。よって、数ある候補油の中から信頼性が高く安価な冷凍機油を選択することができる。
本発明の冷媒圧縮機の一態様では、モータに配設される絶縁紙は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)およびポリイミド(PI)から選ばれた少なくとも1つからなる単独材または複合材からなる。また、他の態様では、モータ電線を固定するしばり糸が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミドおよびポリイミドから選ばれた少なくとも1つの材質からなる。HC系冷媒は吸湿性も少ないため、冷媒圧縮機のステータから電線コアを保護し両者を絶縁する目的で使用される絶縁紙や、電線コイルを縛る目的で使用されるしばり糸は、種々の材料を使用することができる。ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等は、絶縁性、引張り強度・伸び率等の点から特に好ましい。
また、他の態様では、モータ電線が、ポリエステルイミド、ポリアミドイミドエステル、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリイミドから選ばれた少なくとも1つの絶縁被膜層を有するシングルコートエナメル線、少なくとも2つ以上の絶縁被膜層を有する多層コートエナメル線、およびエナメル線と繊維またはフィルムとを組み合わせた複合電線から選ばれた少なくとも1つからなる。
HC系冷媒を用いた冷媒圧縮機においても、特に耐熱性を要求される冷凍サイクルにおいては絶縁性と耐熱性に優れた電線が必要となる。耐熱性電線として特に上述の電線が好ましい。また、しばり糸をなくし、コイルの振動を防ぐために絶縁被膜層表面に自己接着層を設けることもできる。さらに、コイル巻作業の製造性を高め、電線被覆材同士の摩耗を防止するために絶縁被膜層表面に自己潤滑層を設けることもできる。具体的な自己潤滑層を形成する方法としては、被覆材に弗素系やポリエチレン系樹脂粉を含有させる、フッ素系樹脂を表面にコーティングする、被覆の表面に均一な凹凸をつけて表面摩擦係数を低減する等がある。
また、他の態様では、圧縮機の構成部品であるクラスターやマフラーは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレートおよびポリサルホンから選ばれた少なくとも1つからなる。マフラーとしては、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートが、クラスターとしては、特にポリブチレンテレフタレートが、HC系冷媒を用いた冷媒圧縮機の長期信頼性を保証できるため好ましい。
また、他の態様では、圧縮機構部の鉄系摺動部品は、摺動表面にリン酸塩被膜処理およびイオン窒化処理から選ばれた少なくとも1つの処理が施される。あるいは、圧縮機構部の鉄系摺動部品は、鉄と硫黄とを主成分とする化合物層を1×10−3〜50μmの厚さで形成してなる表面層、またはビッカース硬度が400以上で、かつ厚さが2μm以上の表面硬化層を少なくとも一方の摺動表面に有する。本発明のHC系冷媒を使用することにより、飽和炭化水素だけの冷媒より摺動部の潤滑性は向上するが、より長期の安定した摺動特性を維持するために摺動部表面に上述の処理を施すことが好ましい。このような処理を施すことにより耐久性に優れた冷媒圧縮機が得られる。
本発明のHC系冷媒は、従来のHCFC系冷媒等と異なり冷媒圧縮機内の有機材料を劣化させることが少ない。したがって、従来使用することが困難であったホルマール、ポリエステル線等も使用することができ、より安価な工業材料を選択することができる。
請求項4の冷凍装置は、冷媒を圧縮、凝縮、膨脹、蒸発させる冷凍サイクルにおいて、冷媒として前記冷媒を用いることを特徴とする。本発明の冷凍装置の一態様では、冷凍機油として前記冷媒と相溶性を有する油を用いる。他の態様では、冷凍機油は、ナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油および合成油から選ばれた少なくとも1つである。本発明の冷凍装置は、冷媒としてHC系冷媒を用いるので、ナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油、合成油等を冷凍機油として使用することにより、HC系冷媒と冷凍機油との相溶性が向上して冷媒圧縮機の摺動部への油戻りが維持されて、摺動部材の信頼性を確保することができる。具体的に、ナフテン系鉱油としてはスニソ3G、スニソ4G(サンオイル社製、商品名)等を、パラフィン系鉱油としてはフレオールS15、フレオールS32、フレオールS56(ジャパンエナジー社製、商品名)等を、合成油としてはアルキルベンゼン系油等を挙げることができる。
また、他の態様では、冷凍機油は弗素系油をさらに添加してなる冷凍機油である。弗素系油の添加により本発明のHC系冷媒の摺動性がさらに向上する。特に好ましくは鉱油とエステル混合油に0.05〜5質量%添加すると冷媒圧縮機の摺動部材の摩耗量の減少に寄与する。
請求項5の冷凍装置は、請求項4記載の冷凍装置において、冷凍サイクル内に配置する乾燥剤は、細孔径が4.0オングストローム以下で、ナトリウム・カリウム型アルミノケイ酸塩からなるA型の合成ゼオライトであり、破壊強度が5.0kg以上で、摩耗強度が0.1質量%以下であること特徴とする。従来のHCFC系冷媒やCFC系冷媒においては冷媒が分解するとHClやClガス等が発生して乾燥剤を破壊する場合があったが、本発明のHC系冷媒にあってはHClやClガス等が発生しないので、水の吸着を目的に乾燥剤を選択することができる。HC系冷媒やHFC系冷媒等の分子径はほとんどが4.0オングストローム以上であるために、水を吸着する細孔径が4.0オングストローム以下のA型の合成ゼオライトには吸着されにくい。そのために、炭化水素や水素化弗化炭素の分解は起こりにくい。ただしHC系冷媒は分解してもHClやClガス等の発生がないため、細孔径が5.0オングストローム以下のA型の合成ゼオライトの乾燥剤を使用することもできる。したがって、HC系冷媒やHFC系冷媒等の冷凍サイクルに、吸湿性が高く、冷媒に適合した4.0オングストローム以下のナトリウム・カリウム型アルミノケイ酸塩からなるA型の合成ゼオライトを装着すると、内部の水分を十分吸着し、サイクルの性能低下を起こさない。また、摩耗強度が0.1質量%以下であればゼオライト粉の発生による悪影響はない。
請求項1の冷媒は、飽和炭化水素のみからなる冷媒に比較して、不飽和炭化水素を含むことにより冷媒圧縮機の摺動材表面における摺動特性が向上する。また、混入硫黄分が0.02質量%以下なので冷凍サイクル材料への影響も少なく冷凍装置の寿命が向上する。
請求項2、3の冷媒圧縮機は、HC系冷媒と冷凍機油との相溶性が良好となるので、冷媒圧縮機の摺動部への油戻りが維持され、摺動部材の特性低下が起こりにくくなる。また、数ある候補油の中から信頼性が高く安価な油を選択することができるので工業上有用である。
吸湿性が少ないHC系冷媒に適した有機材料を使用すると、冷媒圧縮機の長期信頼性を保証できる。
摺動部表面にリン酸塩被膜処理等の処理を施すと、耐久性に優れた冷媒圧縮機が得られる。
請求項4の冷凍装置は、HC系冷媒と冷凍機油との相溶性が良好となるので、冷媒圧縮機の摺動部への油戻りが維持され、摺動部材の信頼性が向上する。また、数ある候補油の中から信頼性が高く安価な油を選択することができるので工業上有用である。
冷凍機油に弗素系油が添加されると、冷媒圧縮機の摺動部材の摺動特性が向上する。
請求項5の冷凍装置は、冷凍サイクル内への水の吸着を防ぐことができるので、冷凍装置の寿命が向上する。
本発明の冷媒および冷媒圧縮機を用いた冷凍装置について図面により詳細に説明する。
実施例1
冷媒圧縮機を図2をもとに説明する。図2は密閉型回転式圧縮機の例を示す。密閉されたケーシング1内にステータ2とロータ3とで構成されるモータ機構4が設置されている。またモータ機構4の下部に圧縮機構5を設け、シャフト8を介してモータ機構4により圧縮機構5を駆動する。圧縮機構5によって、図示しないアキュームレータを介して供給管6から導入された冷媒を圧縮し、ケーシング1内に一旦吐出させた後、ケーシング1の上部に設けられた吐出管7から冷凍機側に冷媒を供給する。なお、圧縮機構5を潤滑するために冷凍機油20が収容されている。なお、図2において、9は軸受、10はシリンダ、11はサブベアリング、12はクランク、13はローラ、14はブレード、15はスプリングを表す。図3は密閉型往復運動式冷媒圧縮機であり、密閉型回転式圧縮機とともに冷凍装置に多用されている。圧縮機構5はピストン16と往復運動式用シリンダ17によって構成され、冷凍機油20によって潤滑されている。
冷媒圧縮機のステータ2に用いられる電線は、ポリエステルイミドを下層にポリアミドを上層にしたダブルコートエナメル線を用いた。なお、電線としてはこの他にポリエステルイミド、ポリアミドイミドエステル、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリイミド線を、HC系冷媒のみの場合にあっては、ホルマール、アクリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド線を使用することができる。また、これら表面に自己接着層を持たせた電線、自己潤滑性を持たせた電線等を使用することができる。さらにステータのコイル部分を樹脂モールドすることもできる。
層間および対地間絶縁材として使用される絶縁紙およびしばり糸の材料としては、ポリエチレンテレフタレートを用いた。なお、この他にポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミドおよびポリイミドを使用することができる。
クラスターはポリブチレンテレフタレートを、マフラーはポリエチレンテレフタレートを成型して用いた。なお、この他にポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルホンを使用することができる。
圧縮機構5における摺動表面は、リン酸塩被膜処理を施しビッカース硬度が400以上で、かつ厚さが2μm以上の表面硬化層を形成した。なお、摺動表面はこの他にイオン窒化処理、鉄と硫黄とを主成分とする化合物層を形成することによる処理を行うこともできる。また、特に図2に示す密閉型回転式圧縮機のブレード14はセラミックスを使用することができる。
冷媒圧縮機で圧縮された冷媒は冷凍サイクル内を循環する。冷蔵庫を例にとり、冷凍サイクルを図4により説明する。冷媒は圧縮機構である圧縮機23により圧縮され、凝縮機構である受台パイプ24、放熱パイプ25、クリーンパイプ26を通り冷却され、膨脹機構であるキャピラリーチューブ21を通り膨脹し、蒸発機構である蒸発器22において蒸発し、冷蔵庫27内を冷却する。その後再び圧縮機23で圧縮される。なお、図4において、28は乾燥剤を入れる容器を示す。乾燥剤として細孔径が4.0オングストローム以下で、ナトリウム・カリウム型アルミノケイ酸塩からなるA型の合成ゼオライトを用いた。
このような密閉型冷凍サイクル内にプロパン99質量%およびプロピレン1質量%からなる冷媒を封入した。冷媒圧縮機は図3に示す圧縮機を用い、その潤滑性を保つためにスニソ4Gを封入した。なお、冷媒に極少量の付臭剤を添加することもできる。また冷媒として使用したプロパンに含まれる硫黄量は0.O01質量%であった。
上述の冷凍サイクルを有する冷蔵庫は、冷蔵庫内を−30℃程度に冷却することができた。また、プロピレン1質量%を含まない冷媒を使用した場合に比較して摺動部材表面の摩耗量は60%減少した。
実施例2
実施例1の冷凍サイクル内に、プロピレン1質量%を含むブタン60質量%およびHFC‐134a40質量%からなる冷媒と、スニソ4Gを封入した。なお、HFC‐134aの他にHFC‐32、HFC‐125、HFC‐143a、HFC‐152a、弗化炭素系冷媒のFC‐116、FC‐218、FC‐C318を使用することができる。
上述の冷凍サイクルを有する冷蔵庫は、冷蔵庫内を−30℃程度に冷却することができた。また、プロピレン1質量%を含まない冷媒を使用した場合に比較して摺動部材表面の摩耗量は50%減少した。
実施例3
実施例1の冷凍サイクル内に、プロピレン1質量%を含むプロパン30質量%、HFC‐134a40質量%、ブタン30質量%からなる冷媒と、フレオールS15およびエステル系油の混合冷凍機油とを封入した。なお、エステル系油の他にポリアルキレングリコール系油またはポリエーテル系油を使用することができ、さらに冷凍機油中に極圧添加剤、酸捕捉剤、酸化防止剤、金属不活性剤、油性剤または消泡剤等の添加剤を、0.05〜5質量%の範囲で弗素系油を、シリコン含有エポキシ系添加剤を添加することができる。
上述の冷凍サイクルを有する冷蔵庫は、冷蔵庫内を−30℃程度に冷却することができた。また、プロピレン1質量%を含まない冷媒を使用した場合に比較して摺動部材表面の摩耗量は50%減少した。
不飽和炭化水素と摺動材表面との相互作用を示す図である。 密閉型回転式冷媒圧縮機を破断して示す図である。 密閉型往復動式冷媒圧縮機を破断して示す図である。 冷蔵庫用の冷凍サイクルを示す図である。
符号の説明
1…ケーシング、2…ステータ、3…ロータ、4…モータ機構、5…圧縮機構、6…供給管、7…吐出管、8…シャフト、9…軸受、10…シリンダ、11…サブベアリング、12…クランク、13…ローラ、14…ブレード、15…スプリング、16…ピストン、17…往復運動式用シリンダ、20…冷凍機油、21…キャピラリーチューブ、22…蒸発器、23…コンプレッサ、24…受台パイプ、25…放熱パイプ、26…クリーンパイプ、27…冷蔵庫、28…乾燥剤容器。

Claims (5)

  1. 沸点が−50〜0℃の範囲にある飽和炭化水素を主成分とし、不飽和炭化水素を0.001〜1.0質量%の範囲で含み、混入硫黄量が0.02質量%以下であることを特徴とする冷媒。
  2. 冷媒を圧縮、凝縮、膨脹、蒸発させる冷凍サイクルに用いられる冷媒圧縮機において、
    冷媒として請求項1に記載の冷媒を用いることを特徴とする冷媒圧縮機。
  3. 請求項2記載の冷媒圧縮機において、
    冷凍機油として前記冷媒と相溶性を有する油を用いることを特徴とする冷媒圧縮機。
  4. 冷媒を圧縮、凝縮、膨脹、蒸発させる冷凍サイクルを有する冷凍装置において、
    冷媒として請求項1に記載の冷媒を用いることを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項4記載の冷凍装置において、
    前記冷凍サイクル内に配置する乾燥剤は、細孔径が4.0オングストローム以下で、ナトリウム・カリウム型アルミノケイ酸塩からなるA型の合成ゼオライトであり、破壊強度が5.0kg以上で、摩耗強度が0.1質量%以下であることを特徴とする冷凍装置。
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