JP2006215987A - 電圧降下量計算方法及び電圧降下量計算装置、回路検証方法及び回路検証装置、並びに回路設計方法及び回路設計装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 セルが動作した場合の瞬間的に発生するスイッチング電流による電源電圧降下量を簡単かつ高速に算出することができる電圧降下量計算方法及び電圧降下量計算装置など提供する。
【解決手段】 本発明に係る電圧降下量計算装置1は、集積回路を構成する一又は複数のセルの信号がスイッチングする遷移時刻とスイッチングに要する遷移時間とを算出する静的タイミング解析部13と、所定クロック周期内での平均消費電流を算出する静的消費電力解析部14と、遷移時間及び平均消費電流に基づいてセルのピーク電流を算出するピーク電流算出部15と、集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する電源配線抵抗網抽出部16と、抽出された電源配線の抵抗に、ピーク電流算出部15によって算出されたピーク電流の電流源を付加して、1クロック周期内での電圧降下量を算出する瞬時電圧降下量算出部17とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明に係る電圧降下量計算装置1は、集積回路を構成する一又は複数のセルの信号がスイッチングする遷移時刻とスイッチングに要する遷移時間とを算出する静的タイミング解析部13と、所定クロック周期内での平均消費電流を算出する静的消費電力解析部14と、遷移時間及び平均消費電流に基づいてセルのピーク電流を算出するピーク電流算出部15と、集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する電源配線抵抗網抽出部16と、抽出された電源配線の抵抗に、ピーク電流算出部15によって算出されたピーク電流の電流源を付加して、1クロック周期内での電圧降下量を算出する瞬時電圧降下量算出部17とを備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、一又は複数のセルがレイアウトされた集積回路(LSI)を構成するセルの電圧降下量を計算する電圧降下量計算方法及び電圧降下量計算装置、電源配線の瞬時的な電圧降下によって回路が誤動作するか否かを検証(判定)する回路検証方法及び回路検証装置、並びに、検証時に集積回路が誤動作すると判定された場合に、集積回路のレイアウトを変更する回路設計方法及び回路設計装置に関する。
近年の集積回路の高集積化、高速化、低電圧化とともに、電源配線及び信号配線に関する問題が深刻になっている。特に、電源配線に関しては、回路の動作時に発生する電源配線の抵抗網(抵抗成分)による電源電圧の降下(IR-Drop)によって、集積回路の動作速度に影響を及ぼし、誤動作が生じてしまう虞がある。また、過渡電流によって金属原子が配線中を移動することにより、配線が断線したり、他の導体と短絡したりするエレクトロマイグレーションが発生する虞がある。
上述したような不具合の発生を防止すべく、電源配線の電圧降下を考慮した設計が重要視されている。電圧降下の解析手法として、本来、回路シミュレーションによる解析手法が最も正確であることは公知であるが、チップサイズ(チップレベル)のような大規模な回路を検証するには、シミュレーションに要する時間が膨大となるとともに、回路シミュレータに搭載されるメモリの制約上、現実的には不可能である。
そこで、電圧降下を高速に解析する方法として、まず、電流源に与える消費電流を平均的な信号変化の回数(活性化率又はトグル率)に基づいて算出し(静的な平均消費電流の算出)、集積回路のレイアウト情報から電源配線の抵抗を抽出し(電源配線抵抗の抽出)、抽出された抵抗に電流源を付加してDC解析を行うことにより、電源配線の電圧降下を算出する静的(スタティック)な解析手法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
静的な解析手法では、算出した静的な平均消費電流Iavgと、抽出した電源配線の抵抗Rとを式(1)に代入して電圧降下量ΔVを算出する。このような静的な解析手法は、従来、回路シミュレータなどを用いて解析した場合にパフォーマンスの制約上、扱うことができなかった大規模集積回路の解析を可能にし、チップレベルの電源電圧降下解析が現実的な時間で実行できることから、現在の電源配線の電圧降下解析ツールが採用している解析手法の主流となっている。
ΔV=Iavg×R …式(1)
アール.サーレ(R.Saleh)、他2名著,「UDSM設計におけるフルチップ検証(Full-Chip Verification of UDSM Designs)」,カスタムIC及びASIC設計における信号整合性の効果(Signal Integrity Effects in Custom IC and ASIC Designs),ウィリー−IEEE プレス(Wiley-IEEE Press),2002年,p245-252
アール.サーレ(R.Saleh)、他2名著,「UDSM設計におけるフルチップ検証(Full-Chip Verification of UDSM Designs)」,カスタムIC及びASIC設計における信号整合性の効果(Signal Integrity Effects in Custom IC and ASIC Designs),ウィリー−IEEE プレス(Wiley-IEEE Press),2002年,p245-252
ところで、上述したような静的な解析手法では、電流源に与える平均消費電流を算出するために、テストパターンを使って論理シミュレーションを行った結果のトグル情報が必要になる。トグル情報は、例えばVCD(Value Change Dump)ファイルに書き込まれ、さらに、このトグル情報を用いて平均消費電流が算出される。
しかしながら、VCDファイルはチップ内の全信号のシミュレーション結果を含むため、回路規模及びシミュレーション区間の大きさに応じてファイルサイズが膨大となり、回路シミュレータの性能によっては、VCDファイルを生成することが困難な場合がある。その場合には、全信号に一律の活性化率を与えて平均消費電流を概算する方法、チップの総消費電力を各セルの面積比に応じて割り振る方法などが提案されているが、このような方法を用いた場合には、電圧降下の解析精度が悪化するという問題があった。
また、タイミング解析を行う場合、電源配線の電圧降下による影響を考慮するため、上述したような平均消費電流を用いた電源電圧降下解析による結果を使用する。しかしながら、電源電圧降下解析の結果として得られた固定の電圧降下値を電源端子に与えることになることから、回路が動作した場合の瞬間的に発生するスイッチング電流による瞬時電源電圧降下が考慮されていないため、実際の動作が反映された解析とは言えない。このように、平均化された電流を用いることによって、回路の概略について把握し、大まかな回路の動作を確認することができるが、製造プロセスの変動によって回路各部の電気特性がバラツクことになるので、回路動作を正確に検証することは困難である。つまり、プロセスマージンを見積もって設計したにもかかわらず、回路が誤動作する虞があった。
また、静的な解析手法は、回路のスイッチング時に発生するピーク値がセルごとに異なる場合があり、遅延への影響として大幅な相違が生じる虞があることが経験的に知られており、回路の出力信号がスイッチングした場合の信号変化の遷移時間における電源電流の波形を考慮しないため、回路シミュレーションによる動的な解析手法に比べて解析精度が劣るという問題があった。したがって、正確な電源電圧降下解析を行う場合には、回路が動作した場合のスイッチング電流の波形を考慮する必要がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、集積回路を構成するセルの信号がスイッチングした場合の波形のピーク電流を算出するとともに、集積回路のレイアウト情報から電源配線の抵抗を抽出し、抽出した抵抗にピーク電流が流れると仮定することにより、セルが動作した場合の瞬間的に発生するスイッチング電流による電源電圧降下量を簡単かつ高速に算出して、実動作が反映した電圧降下量を算出することができる電圧降下量計算方法及び電圧降下量計算装置の提供を目的とする。
また本発明は、集積回路を構成するセルの信号がスイッチングした場合の波形のピーク電流を算出するとともに、集積回路のレイアウト情報から電源配線の抵抗を抽出し、抽出した抵抗にピーク電流が流れると仮定することにより、セルが動作した場合の瞬間的に発生するスイッチング電流による電源電圧降下量を簡単かつ高速に算出して実動作が反映した電圧降下量を算出し、さらに、算出した電圧降下量に基づいて集積回路が誤動作するか否かを判定して、回路動作の検証精度を向上することができる回路検証方法及び回路検証装置の提供を目的とする。
また本発明は、セルの信号がスイッチングする際の波形を三角形近似してピーク電流を算出することにより、簡単かつ高速であっても精度の高い電圧降下量を算出することができる電圧降下量計算方法及び回路検証方法の提供を目的とする。
また本発明は、電圧降下量と予め設定した電圧降下制約量とを比較し、電圧降下量が電圧降下制約量より大きい場合に集積回路が誤動作すると判定することにより、極めて簡単に電圧降下による集積回路の動作状況を掌握することができる回路検証方法及び回路検証装置の提供を目的とする。
また本発明は、集積回路が誤動作すると判定された場合に集積回路のレイアウトを変更して新たなレイアウト情報を生成することにより、集積回路が正常に動作すると判定されるまで、自動的に新たなレイアウト情報を生成して確実に誤動作の生じることのない集積回路をレイアウトすることができる回路設計方法及び回路設計装置の提供を目的とする。
また本発明は、電圧降下制約量を満足する抵抗の上限値を算出し、上限値を越えない配線幅によって集積回路を新たにレイアウトすることにより、レイアウト変更の回数を抑制、すなわち判定ステップの回数を抑制して、短時間で確実に誤動作の生じることのない集積回路をレイアウトすることができる回路設計方法の提供を目的とする。
本発明に係る電圧降下量計算方法は、一又は複数のセルがレイアウトされた集積回路の前記セルの電圧降下量を計算する電圧降下量計算方法において、静的タイミング解析によって前記セルにおける信号がスイッチングする遷移時間を算出する第1算出ステップと、静的消費電力解析によって平均消費電流を算出する第2算出ステップと、前記第1算出ステップにて算出した遷移時間及び前記第2算出ステップにて算出した平均消費電流に基づいて前記セルのピーク電流を算出する第3算出ステップと、前記集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する抽出ステップと、該抽出ステップにて抽出した抵抗に前記ピーク電流が流れることによる電圧降下量を算出する第4算出ステップとを含むことを特徴とする。
本発明にあっては、まず、集積回路を構成するセルにおける信号がスイッチングするのに要する遷移時間を静的タイミング解析によって算出するとともに、例えば1クロック周期内での平均消費電流を静的消費電力解析によって算出する。次に、算出した遷移時間及び平均消費電流に基づいてセルのピーク電流を算出する。そして、集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出し、抽出した抵抗に電流源(電流値:ピーク電流)を仮想的に付加して電圧降下量を算出する。これにより、セルが動作した場合の瞬間的に発生するスイッチング電流による電圧降下量を簡単かつ高速に算出して、実動作が反映した電圧降下量を算出することができる。
本発明に係る電圧降下量計算方法は、上述した発明において、前記第3算出ステップは、前記信号がスイッチングする際の波形を三角形近似してピーク電流を算出することを特徴とする。
本発明にあっては、セルにおける信号がスイッチングする際の波形を三角形近似してピーク電流を算出する。つまり、底辺長が遷移時間、かつ頂点がピーク電流とする三角形を仮定し、この三角形の面積に基づいてピーク電流を算出する。このように、スイッチングする際の波形を三角形近似することによって、簡単かつ高速に電圧降下量を算出することができる。
本発明に係る回路検証方法は、一又は複数のセルを備えた集積回路の回路検証方法において、静的タイミング解析によって前記セルにおける信号がスイッチングする遷移時刻及び遷移時間を算出する第1算出ステップと、静的消費電力解析によって平均消費電流を算出する第2算出ステップと、前記算出ステップにて算出した遷移時間及び前記第2算出ステップにて算出した平均消費電流に基づいて前記セルのピーク電流を算出する第3算出ステップと、前記集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する抽出ステップと、該抽出ステップにて抽出した抵抗に前記ピーク電流が流れることによる電圧降下量を算出する第4算出ステップと、前記算出ステップにて算出した前記遷移時刻及び前記第4算出ステップにて算出した電圧降下量に基づいて前記集積回路が誤動作するか否かを判定する判定ステップとを含むことを特徴とする。
本発明にあっては、まず、集積回路を構成するセルにおける信号がスイッチングする遷移時刻とスイッチングに要する遷移時間とを静的タイミング解析によって算出するとともに、例えば1クロック周期内での平均消費電流を静的消費電力解析によって算出する。次に、算出した遷移時間及び平均消費電流に基づいてセルのピーク電流を算出する。そして、集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出し、抽出した抵抗に電流源(電流値:ピーク電流)を仮想的に付加して電圧降下量を算出する。さらに、遷移時刻及び電圧降下量に基づいて、集積回路が誤動作するか否かを判定する。これにより、実動作が反映した電圧降下量を簡単かつ高速に算出して、集積回路が誤動作するか否かの判定精度を向上することができる。
本発明に係る回路検証方法は、上述した発明において、前記第3算出ステップは、前記信号がスイッチングする際の波形を三角形近似してピーク電流を算出することを特徴とする。
本発明にあっては、セルにおける信号がスイッチングする際の波形を三角形近似してピーク電流を算出する。つまり、底辺長が遷移時間、かつ頂点がピーク電流とする三角形を仮定し、この三角形の面積に基づいてピーク電流を算出する。このように、スイッチングする際の波形を三角形近似することによって、簡単かつ高速に電圧降下量を算出して、回路検証に要する時間を短縮することができる。
本発明に係る回路検証方法は、上述した各発明において、前記判定ステップは、前記電圧降下量と予め設定した電圧降下制約量とを比較し、前記電圧降下量が前記電圧降下制約量より大きい場合に前記集積回路が誤動作すると判定することを特徴とする。
本発明にあっては、電圧降下量と予め設定した電圧降下制約量とを比較し、電圧降下量が電圧降下制約量より大きい場合に集積回路が誤動作すると判定することにより、極めて簡単に電圧降下による集積回路の動作状況を掌握することができる。
本発明に係る回路設計方法は、一又は複数のセルを備えた集積回路の回路設計方法において、静的タイミング解析によって前記セルにおける信号がスイッチングする遷移時刻及び遷移時間を算出する第1算出ステップと、静的消費電力解析によって平均消費電流を算出する第2算出ステップと、前記算出ステップにて算出した遷移時間及び前記第2算出ステップにて算出した平均消費電流に基づいて前記セルのピーク電流を算出する第3算出ステップと、前記集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する抽出ステップと、該抽出ステップにて抽出した抵抗に前記ピーク電流が流れることによる電圧降下量を算出する第4算出ステップと、前記算出ステップにて算出した前記遷移時刻及び前記第4算出ステップにて算出した電圧降下量に基づいて前記集積回路が誤動作するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにて前記集積回路が誤動作すると判定された場合に、前記集積回路のレイアウトを変更して新たなレイアウト情報を生成するレイアウト生成ステップとを含むことを特徴とする。
本発明にあっては、まず、集積回路を構成するセルにおける信号がスイッチングする遷移時刻とスイッチングに要する遷移時間とを静的タイミング解析によって算出するとともに、例えば1クロック周期内での平均消費電流を静的消費電力解析によって算出する。次に、算出した遷移時間及び平均消費電流に基づいてセルのピーク電流を算出する。そして、集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出し、抽出した抵抗に電流源(電流値:ピーク電流)を仮想的に付加して電圧降下量を算出する。さらに、遷移時刻及び電圧降下量に基づいて、集積回路が誤動作するか否かを判定する。そして、集積回路が誤動作すると判定された場合、集積回路のレイアウトを変更して新たなレイアウト情報を生成することにより、集積回路が正常に動作すると判定されるまで、自動的に新たなレイアウト情報を生成して、確実に誤動作の生じることのない集積回路をレイアウトすることができる。
本発明に係る回路設計方法は、上述した発明において、前記判定ステップは、前記電圧降下量と予め設定した電圧降下制約量とを比較し、前記電圧降下量が前記電圧降下制約量より大きい場合に前記集積回路が誤動作すると判定し、前記レイアウト生成ステップは、前記電圧降下制約量を満足する抵抗の上限値を算出し、該上限値を越えない配線幅を決定して前記集積回路のレイアウトを変更することを特徴とする。
本発明にあっては、電圧降下制約量を満足する抵抗の上限値を算出し、上限値を越えない配線幅によって集積回路を新たにレイアウトすることにより、レイアウト変更の回数を抑制、すなわち判定ステップの回数を抑制して、短時間で確実に誤動作の生じることのない集積回路をレイアウトすることができる。
本発明に係る電圧降下量計算装置は、一又は複数のセルがレイアウトされた集積回路の前記セルの電圧降下量を計算する電圧降下量計算装置において、静的タイミング解析によって前記セルにおける信号がスイッチングする遷移時間を算出する第1算出手段と、静的消費電力解析によって平均消費電流を算出する第2算出手段と、前記遷移時間及び前記平均消費電流に基づいて前記セルのピーク電流を算出する第3算出手段と、前記集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する抽出手段と、前記抵抗及び前記ピーク電流に基づいて電圧降下量を算出する第4算出手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、第1算出手段が集積回路を構成するセルにおける信号がスイッチングするのに要する遷移時間を静的タイミング解析によって算出するとともに、第2算出手段が例えば1クロック周期内での平均消費電流を静的消費電力解析によって算出する。また、第3算出手段が、第1算出手段が算出した遷移時間及び第2算出手段が算出した平均消費電流に基づいてセルのピーク電流を算出する。さらに、抽出手段が、集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する。さらにまた、第4算出手段が、抽出手段が抽出した抵抗に電流源(電流値:ピーク電流)を仮想的に付加して電圧降下量を算出する。これにより、セルが動作した場合の瞬間的に発生するスイッチング電流による電圧降下量を簡単かつ高速に算出して、実動作が反映した電圧降下量を算出することができる。
本発明に係る回路検証装置は、一又は複数のセルを備えた集積回路の回路検証装置において、静的タイミング解析によって前記セルにおける信号がスイッチングする遷移時刻及び遷移時間を算出する第1算出手段と、静的消費電力解析によって平均消費電流を算出する第2算出手段と、前記遷移時間及び前記平均消費電流に基づいて前記セルのピーク電流を算出する第3算出手段と、前記集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する抽出手段と、前記抵抗及び前記ピーク電流に基づいて電圧降下量を算出する第4算出手段と、前記遷移時刻及び前記電圧降下量に基づいて前記集積回路が誤動作するか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、第1算出手段が集積回路を構成するセルにおける信号がスイッチングする遷移時刻とスイッチングに要する遷移時間とを静的タイミング解析によって算出するとともに、第2算出手段が例えば1クロック周期内での平均消費電流を静的消費電力解析によって算出する。また、第3算出手段は、第1算出手段が算出した遷移時間及び第2算出手段が算出した平均消費電流に基づいてセルのピーク電流を算出する。さらに、抽出手段が、集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する。さらに、第4算出手段が、抽出手段が抽出した抵抗に電流源(電流値:ピーク電流)を仮想的に付加して電圧降下量を算出する。そして、判定手段が、第1算出手段が算出した遷移時刻及び第4算出手段が算出した電圧降下量に基づいて、集積回路が誤動作するか否かを判定する。これにより、実動作が反映した電圧降下量を簡単かつ高速に算出して、集積回路が誤動作するか否かの判定精度を向上することができる。
本発明に係る回路検証装置は、上述した発明において、前記集積回路が誤動作するか否かのしきい量である電圧降下制約量を記憶する記憶部を備えており、前記判定手段は、前記電圧降下量と前記電圧降下制約量とを比較して、前記電圧降下量が前記電圧降下制約量より大きい場合に前記集積回路が誤動作すると判定するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、集積回路が誤動作するか否かのしきい量である電圧降下制約量を記憶する記憶部を備えることにより、第4算出手段が算出した電圧降下量と記憶部に記憶された電圧降下制約量とを比較し、電圧降下量が電圧降下制約量より大きい場合に集積回路が誤動作すると判定することができ、極めて簡単に電圧降下による集積回路の動作状況を掌握することができる。
本発明に係る回路設計装置は、一又は複数のセルを備えた集積回路の回路設計装置において、静的タイミング解析によって前記セルにおける信号がスイッチングする遷移時刻及び遷移時間を算出する第1算出手段と、静的消費電力解析によって平均消費電流を算出する第2算出手段と、前記遷移時間及び前記平均消費電流に基づいて前記セルのピーク電流を算出する第3算出手段と、前記集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する抽出手段と、前記抵抗及び前記ピーク電流に基づいて電圧降下量を算出する第4算出手段と、前記遷移時刻及び前記電圧降下量に基づいて前記集積回路が誤動作するか否かを判定する判定手段と、前記集積回路のレイアウトを変更して新たなレイアウト情報を生成するレイアウト生成手段とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、第1算出手段が集積回路を構成するセルにおける信号がスイッチングする遷移時刻とスイッチングに要する遷移時間とを静的タイミング解析によって算出するとともに、第2算出手段が例えば1クロック周期内での平均消費電流を静的消費電力解析によって算出する。また、第3算出手段が、第1算出手段が算出した遷移時間及び第2算出手段が算出した平均消費電流に基づいてセルのピーク電流を算出する。さらに、抽出手段が、集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する。さらに、第4算出手段が、抽出手段が抽出した抵抗に電流源(電流値:ピーク電流)を仮想的に付加して電圧降下量を算出する。そして、判定手段が、第1算出手段が算出した遷移時刻及び第4算出手段が算出した電圧降下量に基づいて、集積回路が誤動作するか否かを判定する。さらに、レイアウト生成手段は集積回路のレイアウトを変更して新たなレイアウト情報を生成する。
本発明に係る回路設計装置は、上述した発明において、前記レイアウト生成手段は、前記判定手段にて前記集積回路が誤動作すると判定された場合に、前記集積回路のレイアウトを変更して新たなレイアウト情報を生成するようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、集積回路が誤動作すると判定された場合、レイアウト生成手段は集積回路のレイアウトを変更して新たなレイアウト情報を生成する。これにより、集積回路が正常に動作すると判定されるまで、自動的に新たなレイアウト情報を生成して、確実に誤動作の生じることのない集積回路をレイアウトすることができる。
本発明によれば、集積回路を構成するセルにおける信号がスイッチングした場合の波形のピーク電流を算出するとともに、集積回路のレイアウト情報から電源配線の抵抗を抽出し、抽出した抵抗にピーク電流の電流源を仮想的に付加することとしたので、セルが動作した場合の瞬間的に発生するスイッチング電流による電源電圧降下量を簡単かつ高速に算出して、実動作が反映した電圧降下量を算出することができる。
本発明によれば、さらに、算出した電圧降下量に基づいて集積回路が誤動作するか否かを判定することとしたので、回路動作の検証精度を向上することができる。
本発明によれば、セルにおける信号がスイッチングする際の波形を三角形近似してピーク電流を算出することとしたので、簡単かつ高速であっても精度の高い電圧降下量を算出することができる。
本発明によれば、電圧降下量と予め設定した電圧降下制約量とを比較し、電圧降下量が電圧降下制約量より大きい場合に集積回路が誤動作すると判定することとしたので、極めて簡単に電圧降下による集積回路の動作状況を掌握することができる。
本発明によれば、集積回路が誤動作すると判定された場合に集積回路のレイアウトを変更して新たなレイアウト情報を生成することとしたので、集積回路が正常に動作すると判定されるまで、自動的に新たなレイアウト情報を生成して確実に誤動作の生じることのない集積回路をレイアウトすることができる。
本発明によれば、電圧降下制約量を満足する抵抗の上限値を算出し、上限値を越えない配線幅によって集積回路を新たにレイアウトすることとしたので、レイアウト変更の回数を抑制、すなわち判定ステップの回数を抑制して、短時間で確実に誤動作の生じることのない集積回路をレイアウトすることができる等、優れた効果を奏する。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る電圧降下量計算装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態1に係る電圧降下量計算装置1は、MPUで構成された制御部10を備えている。制御部10はROM11、RAM12、静的タイミング解析部13、静的消費電力解析部14、ピーク電流算出部15、電源配線抵抗網抽出部16、瞬時電圧降下量算出部17、ハードディスク(以下、HD)20、操作部21、表示部22と接続され、これら各部を制御し、ROM11に予め格納されているコンピュータプログラムに従って種々の機能を実行する。RAM12は、制御部10によるコンピュータプログラムの実行時に発生する一時的なデータを記憶するもので、例えばDRAMのような半導体メモリにより構成される。
図1は本発明の実施の形態1に係る電圧降下量計算装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態1に係る電圧降下量計算装置1は、MPUで構成された制御部10を備えている。制御部10はROM11、RAM12、静的タイミング解析部13、静的消費電力解析部14、ピーク電流算出部15、電源配線抵抗網抽出部16、瞬時電圧降下量算出部17、ハードディスク(以下、HD)20、操作部21、表示部22と接続され、これら各部を制御し、ROM11に予め格納されているコンピュータプログラムに従って種々の機能を実行する。RAM12は、制御部10によるコンピュータプログラムの実行時に発生する一時的なデータを記憶するもので、例えばDRAMのような半導体メモリにより構成される。
静的タイミング解析部13は、集積回路を構成する一又は複数のセル(例えばロジックゲート)の信号がスイッチングする遷移時刻とスイッチングに要する遷移時間とを算出し、算出した遷移時刻及び遷移時間をHD20に記憶する。静的消費電力解析部14は、所定クロック周期(以下、1クロック周期とする)内での平均消費電流を算出し、算出した平均消費電流をHD20に記憶する。ピーク電流算出部15は、HD20に記憶されている遷移時間及び平均消費電流を読み出し、遷移時間及び平均消費電流に基づいてセルのピーク電流を算出し、算出したピーク電流をHD20に記憶する。
電源配線抵抗網抽出部16は、集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する。瞬時電圧降下量算出部17は、電源配線抵抗網抽出部16によって抽出された電源配線の抵抗に、ピーク電流算出部15によって算出されたピーク電流の電流源を仮想的に付加して1クロック周期内での瞬時電圧降下量を算出し、算出した瞬時電圧降下量をHD20に記憶する。
HD20は、大容量の記憶部であり、上述したように電圧降下量計算に必要な各種データ、電圧降下量計算によって算出された各種データの記憶を適宜行う。HD20には、静的タイミング解析部13によって得られたセルの信号波形の遷移時刻に関する遷移時刻データベース(以下、遷移時刻DB)20aと、各信号の遷移時間に関する遷移時間データベース(以下、遷移時間DB)20bとが記憶されている。
また、HD20には、静的消費電力解析部14によって得られた1クロック周期の平均消費電流に関する平均消費電流データベース(以下、平均消費電流DB)20cと、ピーク電流算出部15によって得られたピーク電流に関するピーク電流データベース(以下、ピーク電流DB)20dと、瞬時電圧降下量算出部17によって得られた1クロック周期内での瞬時電圧降下量に関する瞬時電圧降下量データベース(以下、瞬時電圧降下量DB)20eとが記憶されている。
操作部21は、電圧降下量計算装置1を操作するために必要な文字キー、テンキー、各種のファンクションキーなどを備え、瞬時電圧降下量を計算する際のパラメータなどを適宜設定できるようになっている。表示部22は、CRTディスプレイ及び液晶ディスプレイなどの表示デバイスであり、電圧降下量計算装置1の動作状態、電圧降下量計算結果などを表示して利用者に報知する。
図2は本発明の実施の形態1に係る電圧降下量計算方法の概略を示すフローチャート、図3はデータフロー図である。
本発明の実施の形態1に係る電圧降下量計算方法は、静的タイミング解析によってセルにおける信号がスイッチングする遷移時刻及び遷移時間を算出する算出ステップと、静的消費電力解析によって1クロック周期内での平均消費電流を算出する算出ステップと、遷移時間及び平均消費電流に基づいてセルのピーク電流を算出する算出ステップと、集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する抽出ステップと、抽出した抵抗にピーク電流の電流源を付加して1クロック周期内での瞬時電圧降下量を算出する算出ステップとを含む。
本発明の実施の形態1に係る電圧降下量計算方法は、静的タイミング解析によってセルにおける信号がスイッチングする遷移時刻及び遷移時間を算出する算出ステップと、静的消費電力解析によって1クロック周期内での平均消費電流を算出する算出ステップと、遷移時間及び平均消費電流に基づいてセルのピーク電流を算出する算出ステップと、集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する抽出ステップと、抽出した抵抗にピーク電流の電流源を付加して1クロック周期内での瞬時電圧降下量を算出する算出ステップとを含む。
一般に、完全クロック同期型で動作する集積回路では、クロック信号の状態遷移において、多くのロジックゲートがスイッチングする。これは、D型フリップフロップ回路がクロックの立ち上がりで動作するように設計されていることに起因する。また、近年の集積回路の高速化に伴い、クロックスキューの削減に設計技術の重点がおかれている。このような状況のもと、完全クロック同期型の標準的な設計手法として、CTS(Clock Tree Synthesis)手法が確立されている。CTS手法は、すべてのD型フリップフロップ回路の動作の位相が等しくなるようにタイミング調整する方法である。
まず、完全クロック同期型の設計手法を用いて設計された集積回路に対し、静的タイミング解析ツールを用いて静的タイミング解析を行って、セル(例えばロジックゲート)の信号がスイッチングする遷移時刻とスイッチングに要する遷移時間とを算出する(ステップS1)。なお、なお、本実施形態のように瞬時電圧降下量を算出する場合、遷移時刻については必ずしも算出する必要はないが、後述するように、回路検証及び回路設計まで行う場合には必要である。
静的タイミング解析を行うと、図4に示すように、各ロジックゲートの波形が次段のロジックゲートに伝搬していく際の遷移時刻が、外部から与えたクロックの立ち上がりに対する遅延時間としてレポートされる。すなわち、クロック信号源50にて生じたクロック信号は、反転(インバータ)回路(以下、ロジックゲートという)51a,51b、抵抗52a、ロジックゲート51c,51d、及び抵抗52bを介して、D型フリップフロック回路53aに入力される。
D型フリップフロック回路53aは、入力されたクロック信号に同期して、データ端子(D)に入力された信号を処理して出力端子(Q)から出力する。出力された信号は、ロジックゲート51−1,51−2,…,51−nを通じて、後段のD型フリップフロック回路53bのデータ端子(D)へ入力される。静的タイミング解析によって、1クロック周期内でのロジックゲート51−1の遷移時刻t1,ロジックゲート51−2の遷移時刻t2,…,ロジックゲート51−nの遷移時刻tnがわかるとともに、各ロジックゲートの出力波形の遷移時間Trf1,Trf2,…,Trfnがレポートされるので、各ロジックゲートの遷移時刻t1,t2,…,tnと、遷移時間Trf1,Trf2,…,Trfnとを、HD20(遷移時刻DB20a、遷移時間DB20b)に記憶する(ステップS2)。
次に、静的消費電力解析ツールを用いて静的消費電力解析を行って、1クロック周期内での各ロジックゲートの平均消費電流Iavg1,Iavg2,…,Iavgnを算出する(ステップS3)。静的消費電力解析を行うと、平均消費電流がレポートされるので、1クロック周期内での各ロジックゲートの平均消費電流Iavg1,Iavg2,…,IavgnをHD20(平均消費電流DB20c)に記憶する(ステップS4)。
そして、HD20から遷移時間Trf1,Trf2,…,Trfn及び平均消費電流Iavg1,Iavg2,…,Iavgnを読み出して、各ロジックゲートのスイッチング時刻における電源電流波形のピーク電流Ipeak1,Ipeak2,…,Ipeaknを算出し(ステップS5)、算出したピーク電流Ipeak1,Ipeak2,…,IpeaknをHD20(ピーク電流DB20d)に記憶する(ステップS6)。ピーク電流を求める方法としては、例えば電源電流波形の三角形近似によるモデル化を行う(詳細は後述する)。
そして、瞬時電圧降下解析を行うために、レイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する(ステップS7)。電源配線は、図5に示すような複数のメッシュ70,70,…,70からなるメッシュ構造(又はストラップ構造)をしており、電源配線構造の抵抗抽出は、市販の寄生回路成分抽出ツール(LPE(Layout Parameter Extraction)ツール)を用いて行うことができる。
そして、HD20から各ロジックゲートのピーク電流Ipeak1,Ipeak2,…,Ipeaknを読み出し(ステップS8)、S7で抽出した電源配線の抵抗に、電流源(電流値:ピーク電流)を仮想的に付加して、DC解析(直流解析)を行うことにより1クロック周期内での瞬時電圧降下量V1,V2,…,Vnを算出する(ステップS9)。各メッシュ70は、図6の左図に示すように、S7で抽出した電源配線の抵抗52を用いてモデル化することができ、本発明では、図6の右図に示すように、各抵抗52の交点に電流源80を仮想的に付加することで、ロジックゲートのピーク電流による瞬時電圧降下量を算出する。そして、算出した瞬時電圧降下量V1,V2,…,VnをHD20(瞬時電圧降下量DB20e)に記憶する(ステップS10)。
このように、セル(ここでは、ロジックゲート51−1,51−2,…,51−n)が動作した場合の瞬間的に発生するスイッチング電流による瞬時電圧降下量(瞬時電圧降下量V1,V2,…,Vn)を簡単かつ高速に算出して、実動作が反映した瞬時電圧降下量を算出することができる。
次に、電源電流波形の三角形近似によるモデル化について説明する。電源電流波形の三角形近似とは、回路が動作した場合、遷移時間を底辺、電流のピーク値(ピーク電流)を高さとする三角形で電流波形を近似する方法である。ここで、一例として、図7に示すCMOSインバータ回路の場合について、電源電流波形のピーク電流を求める方法について説明する。
CMOSインバータ回路51は、Nチャンネル型トランジスタ61とPチャンネル型トランジスタ62とが直列接続されたもので、各トランジスタのゲートに入力された信号の極性を反転して出力する論理回路である。つまり、Vinにハイレベルの信号が入力されると、Nチャンネル型トランジスタ61がオンするとともに、Pチャンネル型トランジスタ62がオフして、電源63のローレベル側の電位がVoutとして出力される。一方、Vinにローレベルの信号が入力されると、Nチャンネル型トランジスタ61がオフするとともに、Pチャンネル型トランジスタ62がオンして、電源63のハイレベル側の電位がVoutとして出力される。
図8は電源電流波形のピーク電流を算出する方法を説明するための説明図である。
横軸は時刻tの経過を示し、図8(a)は図7に示すCMOSインバータ回路の出力ノードにおける電圧波形(Vout)を、図8(b)はCMOSインバータ回路に流れる電流波形(Iout)の三角形近似波形を、それぞれ示す。なお、図7に示した抵抗52e及び抵抗52fは、それぞれ電源線(ハイレベル)及びグランド線(ローレベル)の抵抗を示している。図8において、Tcycleはクロック周期を、Trfは出力ノードの遷移時間(立ち下がり時間)を、Tは電源電流がピーク電流Ipeakになるまでの時間を、Iavgは電源電流の平均値を示す。
横軸は時刻tの経過を示し、図8(a)は図7に示すCMOSインバータ回路の出力ノードにおける電圧波形(Vout)を、図8(b)はCMOSインバータ回路に流れる電流波形(Iout)の三角形近似波形を、それぞれ示す。なお、図7に示した抵抗52e及び抵抗52fは、それぞれ電源線(ハイレベル)及びグランド線(ローレベル)の抵抗を示している。図8において、Tcycleはクロック周期を、Trfは出力ノードの遷移時間(立ち下がり時間)を、Tは電源電流がピーク電流Ipeakになるまでの時間を、Iavgは電源電流の平均値を示す。
図8に示すように、電源電流を三角形近似すれば、ロジックゲートのピーク電流Ipeakは、平均電流Iavg、遷移時間Trf、及びクロック周期Tcycleを用いて次のように表すことができる。つまり、式(2)を変形することによって、ロジックゲートのピーク電流Ipeakを算出することができる(式(3))。なお、三角形近似では、式(3)から明らかなように、時間Tによらずピーク電流Ipeakを算出することができるという利点を有する。また、クロック周期Tcycleは集積回路の仕様によって決定されるものであることは言うまでもない。
Ipeak×Trf/2=Iavg×Tcycle …式(2)
Ipeak=Iavg×Tcycle×2/Trf …式(3)
Ipeak=Iavg×Tcycle×2/Trf …式(3)
このように、ピーク電流Ipeakは、極めて簡単な数式から算出されることから、簡単かつ高速に算出することができる。なお、静的タイミング解析及び静的消費電力解析は標準セルの自動配線を用いた集積回路を設計する場合に通常用いられているものであり、式(3)を用いて、ロジックゲートのピーク電流Ipeakを算出することができる。このような処理を全セル(ロジックゲート51−1,51−2,…,51−n)について行えば、全セルの1クロック周期内のピーク電流Ipeak1,Ipeak2,…,Ipeaknを算出することができる。このように、スイッチングする際の波形を三角形近似することによって、簡単かつ高速にピーク電流を算出できるので、このピーク電流を用いて算出する瞬時電圧降下量も簡単かつ高速に算出することができる。
(実施の形態2)
図9は本発明の実施の形態2に係る回路検証装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態2に係る回路検証装置2は、MPUで構成された制御部10を備えている。制御部10はROM11、RAM12、静的タイミング解析部13、静的消費電力解析部14、ピーク電流算出部15、電源配線抵抗網抽出部16、瞬時電圧降下量算出部17、電圧降下検証部18、ハードディスク(以下、HD)20、操作部21、表示部22と接続され、これら各部を制御し、ROM11に予め格納されているコンピュータプログラムに従って種々の機能を実行する。
図9は本発明の実施の形態2に係る回路検証装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態2に係る回路検証装置2は、MPUで構成された制御部10を備えている。制御部10はROM11、RAM12、静的タイミング解析部13、静的消費電力解析部14、ピーク電流算出部15、電源配線抵抗網抽出部16、瞬時電圧降下量算出部17、電圧降下検証部18、ハードディスク(以下、HD)20、操作部21、表示部22と接続され、これら各部を制御し、ROM11に予め格納されているコンピュータプログラムに従って種々の機能を実行する。
電圧降下検証部18は、静的タイミング解析部13によって算出された遷移時刻及び瞬時電圧降下量算出部17によって算出された瞬時電圧降下量に基づいて、集積回路が誤動作するか否かを判定する。具体的には、算出された瞬時電圧降下量とロジック回路が誤動作するか否かの基準を示す電圧降下の制約量とを比較して、瞬時電圧降下量が制約量以下の場合には違反なしと判断する。一方、瞬時電圧降下量が制約量より大きい場合には違反ありと判断する。この場合、ロジックゲート毎に違反の判断を行い、違反ありと判断された箇所についてはフラグ情報20fとしてHD20に記憶しておく。フラグ情報は、後述する電源配線の変更対象を識別するために利用される。
操作部21は、回路検証装置2を操作するために必要な文字キー、テンキー、各種のファンクションキーなどを備え、瞬時電圧降下量を計算する際のパラメータなどを適宜設定できるようになっている。表示部22は、CRTディスプレイ及び液晶ディスプレイなどの表示デバイスであり、回路検証装置2の動作状態、電圧降下量計算結果、回路検証結果などを表示して利用者に報知する。その他の構成は図1と同様であるので、対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図10は本発明の実施の形態2に係る回路検証方法の概略を示すフローチャート、図11はデータフロー図である。
本発明の実施の形態2に係る回路検証方法は、静的タイミング解析によってセルにおける信号がスイッチングする遷移時刻及び遷移時間を算出する算出ステップと、静的消費電力解析によって1クロック周期内での平均消費電流を算出する算出ステップと、遷移時間及び平均消費電流に基づいてセルのピーク電流を算出する算出ステップと、集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する抽出ステップと、抽出した抵抗にピーク電流の電流源を付加して1クロック周期内での瞬時電圧降下量を算出する算出ステップと、遷移時刻及び瞬時電圧降下量に基づいて集積回路が誤動作するか否かを判定する判定ステップとを含む。
本発明の実施の形態2に係る回路検証方法は、静的タイミング解析によってセルにおける信号がスイッチングする遷移時刻及び遷移時間を算出する算出ステップと、静的消費電力解析によって1クロック周期内での平均消費電流を算出する算出ステップと、遷移時間及び平均消費電流に基づいてセルのピーク電流を算出する算出ステップと、集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する抽出ステップと、抽出した抵抗にピーク電流の電流源を付加して1クロック周期内での瞬時電圧降下量を算出する算出ステップと、遷移時刻及び瞬時電圧降下量に基づいて集積回路が誤動作するか否かを判定する判定ステップとを含む。
S1乃至S10までのステップは実施の形態1と同様であり、本実施形態では、さらにHD20から遷移時刻t1,t2,…,tn及び瞬時電圧降下量V1,V2,…,Vnを読み出し、読み出した瞬時電圧降下量V1,V2,…,Vnと、別途設定しておいた回路が誤動作するか否かの基準を示す電圧降下の制約量Vthとを比較し、回路が誤動作するか否かを検証(判定)する(ステップS11)。より詳細には、瞬時電圧降下量V1,V2,…,Vnが制約量Vthより大きい場合(V1,V2,…,Vn>Vth)には違反箇所として検出し、瞬時電圧降下量V1,V2,…,Vnが制約量Vth以下である場合(V1,V2,…,Vn≦Vth)には違反なしと判定する。
このような判定を、すべての遷移時刻t1,t2,…,tnに対して行って、回路が誤動作するか否かの判定を行う。なお、制約量Vthは、プロセス、ライブラリ又はデザイン毎にあらかじめ設定されている値であって、例えば電源電圧降下による論理的誤動作や遅延への影響を考慮して定められた制約量のことである。そして、S11の判定に基づいて、違反として判定された箇所に関するフラグ情報をHD20(フラグ情報20f)に記憶する(ステップS12)。
このように、実動作が反映した瞬時電圧降下量を簡単かつ高速に算出して、集積回路が誤動作するか否かの判定精度を向上することができる。また、スイッチングする際の波形を三角形近似した場合には、簡単かつ高速に瞬時電圧降下量を算出して、回路検証に要する時間を短縮することができる。さらに、瞬時電圧降下量と予め設定した制約量とを比較し、瞬時電圧降下量が電圧降下制約量より大きい場合に集積回路が誤動作すると判定することにより、極めて簡単に電圧降下による集積回路の動作状況を掌握することができる。
(実施の形態3)
図12は本発明の実施の形態3に係る回路設計装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態3に係る回路設計装置3は、MPUで構成された制御部10を備えている。制御部10はROM11、RAM12、静的タイミング解析部13、静的消費電力解析部14、ピーク電流算出部15、電源配線抵抗網抽出部16、瞬時電圧降下量算出部17、電圧降下検証部18、電源配線変更部19、ハードディスク(以下、HD)20、操作部21、表示部22と接続され、これら各部を制御し、ROM11に予め格納されているコンピュータプログラムに従って種々の機能を実行する。
図12は本発明の実施の形態3に係る回路設計装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態3に係る回路設計装置3は、MPUで構成された制御部10を備えている。制御部10はROM11、RAM12、静的タイミング解析部13、静的消費電力解析部14、ピーク電流算出部15、電源配線抵抗網抽出部16、瞬時電圧降下量算出部17、電圧降下検証部18、電源配線変更部19、ハードディスク(以下、HD)20、操作部21、表示部22と接続され、これら各部を制御し、ROM11に予め格納されているコンピュータプログラムに従って種々の機能を実行する。
電源配線変更部19は、集積回路が誤動作すると判定された場合に集積回路のレイアウトを変更して新たなレイアウト情報を生成するものであり、HD20に記憶されたフラグ情報に基づいて、違反ありと判断された箇所のレイアウトを修正する。なお、制約量を満足する抵抗の上限値を算出し、その上限値を越えない配線幅を決定して集積回路のレイアウトを変更するようにすれば、レイアウト変更の回数を抑制して、短時間で確実に誤動作の生じることのない集積回路をレイアウトすることができるため好ましい。
操作部21は、回路設計装置3を操作するために必要な文字キー、テンキー、各種のファンクションキーなどを備え、瞬時電圧降下量を計算する際のパラメータなどを適宜設定できるようになっている。表示部22は、CRTディスプレイ及び液晶ディスプレイなどの表示デバイスであり、回路設計装置3の動作状態、電圧降下量計算結果、回路検証結果、回路設計結果などを表示して利用者に報知する。その他の構成は図1、図9と同様であるので、対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図13及び14は本発明の実施の形態3に係る回路設計方法の概略を示すフローチャート、図15はデータフロー図である。
本発明の実施の形態3に係る回路設計方法は、静的タイミング解析によってセルにおける信号がスイッチングする遷移時刻及び遷移時間を算出する算出ステップと、静的消費電力解析によって1クロック周期内での平均消費電流を算出する算出ステップと、遷移時間及び平均消費電流に基づいてセルのピーク電流を算出する算出ステップと、集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する抽出ステップと、抽出した抵抗に、ピーク電流の電流源を付加して1クロック周期内での瞬時電圧降下量を算出する算出ステップと、遷移時刻及び瞬時電圧降下量に基づいて集積回路が誤動作するか否かを判定する判定ステップと、集積回路が誤動作すると判定された場合に集積回路のレイアウトを変更して新たなレイアウト情報を生成するステップとを含む。
本発明の実施の形態3に係る回路設計方法は、静的タイミング解析によってセルにおける信号がスイッチングする遷移時刻及び遷移時間を算出する算出ステップと、静的消費電力解析によって1クロック周期内での平均消費電流を算出する算出ステップと、遷移時間及び平均消費電流に基づいてセルのピーク電流を算出する算出ステップと、集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する抽出ステップと、抽出した抵抗に、ピーク電流の電流源を付加して1クロック周期内での瞬時電圧降下量を算出する算出ステップと、遷移時刻及び瞬時電圧降下量に基づいて集積回路が誤動作するか否かを判定する判定ステップと、集積回路が誤動作すると判定された場合に集積回路のレイアウトを変更して新たなレイアウト情報を生成するステップとを含む。
S1乃至S12までのステップは実施の形態2と同様であり、本実施形態では、さらにHD20からフラグ情報20fを読み出し、フラグ情報20fから違反があるか否かを判定する(ステップS13)。S13において、違反があると判定された場合(S13:YES)、電源配線幅を変更し(ステップS14)、フラグ情報fに基づいて、違反ありと判断された箇所のレイアウトを変更して、新たなレイアウト情報を生成する(ステップS15)。そして、S7へ移行して、新たなレイアウト情報に基づいて、電源配線の抵抗の抽出を再度行って処理を繰り返す。一方、S13において、違反がないと判定された場合(S13:NO)、回路が正常に動作すると判断されたことになるので、処理を終了する。
このように、集積回路が誤動作すると判定された場合、集積回路のレイアウトを変更して新たなレイアウト情報を生成することにより、集積回路が正常に動作すると判定されるまで、自動的に新たなレイアウト情報を生成して、確実に誤動作の生じることのない集積回路をレイアウトすることができる。また、電圧降下制約量を満足する抵抗の上限値を算出し、上限値を越えない配線幅によって集積回路を新たにレイアウトするようにすれば、レイアウト変更の回数を抑制、すなわち判定ステップの回数を抑制して、短時間で確実に誤動作の生じることのない集積回路をレイアウトすることができる。
なお、各実施の形態では、電圧降下量計算装置1、回路検証装置2、回路設計装置3に設けられた各部が本発明に特徴的な処理を実行することによって瞬時電圧降下量を算出、回路動作の検証、回路レイアウトの変更などを行う形態について示したが、上述したような処理内容をコンピュータプログラムとして収めたCD−ROMまたはフレキシブルディスク(FD)などの記録媒体をCD−ROMドライブまたはFDドライブにて読み取り、読み取ったコンピュータプログラムをメモリにロードして、必要な処理を実行するようにしてもよい。
また、電圧降下量計算装置1、回路検証装置2、回路設計装置各装置が、LANなどの通信網に接続したサーバ装置を用いてなる記録媒体から、通信網を介してコンピュータプログラムをダウンロードして処理を実行する形態であっても良い。
以上、本発明に係る電圧降下量計算方法及び電圧降下量計算装置、回路検証方法及び回路検証装置、並びに回路設計方法及び回路設計装置について、具体的な実施の形態を示して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上述した実施の形態に係る発明の構成及び機能に様々な変更又は改良を加えることが可能である。
1 電圧降下量計算装置
2 回路検証装置
3 回路設計装置
10 制御部
11 ROM
13 静的タイミング解析部
14 静的消費電力解析部
15 ピーク電流算出部
16 電源配線抵抗網抽出部
17 瞬時電圧降下量算出部
18 電圧降下検証部
19 電源配線変更部
20 ハードディスク(HD)
21 操作部
22 表示部
2 回路検証装置
3 回路設計装置
10 制御部
11 ROM
13 静的タイミング解析部
14 静的消費電力解析部
15 ピーク電流算出部
16 電源配線抵抗網抽出部
17 瞬時電圧降下量算出部
18 電圧降下検証部
19 電源配線変更部
20 ハードディスク(HD)
21 操作部
22 表示部
Claims (12)
- 一又は複数のセルがレイアウトされた集積回路の前記セルの電圧降下量を計算する電圧降下量計算方法において、
静的タイミング解析によって前記セルにおける信号がスイッチングする遷移時間を算出する第1算出ステップと、
静的消費電力解析によって平均消費電流を算出する第2算出ステップと、
前記第1算出ステップにて算出した遷移時間及び前記第2算出ステップにて算出した平均消費電流に基づいて前記セルのピーク電流を算出する第3算出ステップと、
前記集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する抽出ステップと、
該抽出ステップにて抽出した抵抗に前記ピーク電流が流れることによる電圧降下量を算出する第4算出ステップと
を含むことを特徴とする電圧降下量計算方法。 - 前記第3算出ステップは、
前記信号がスイッチングする際の波形を三角形近似してピーク電流を算出すること
を特徴とする請求項1に記載の電圧降下量計算方法。 - 一又は複数のセルを備えた集積回路の回路検証方法において、
静的タイミング解析によって前記セルにおける信号がスイッチングする遷移時刻及び遷移時間を算出する第1算出ステップと、
静的消費電力解析によって平均消費電流を算出する第2算出ステップと、
前記算出ステップにて算出した遷移時間及び前記第2算出ステップにて算出した平均消費電流に基づいて前記セルのピーク電流を算出する第3算出ステップと、
前記集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する抽出ステップと、
該抽出ステップにて抽出した抵抗に前記ピーク電流が流れることによる電圧降下量を算出する第4算出ステップと、
前記算出ステップにて算出した前記遷移時刻及び前記第4算出ステップにて算出した電圧降下量に基づいて前記集積回路が誤動作するか否かを判定する判定ステップと
を含むことを特徴とする回路検証方法。 - 前記第3算出ステップは、
前記信号がスイッチングする際の波形を三角形近似してピーク電流を算出すること
を特徴とする請求項3に記載の回路検証方法。 - 前記判定ステップは、
前記電圧降下量と予め設定した電圧降下制約量とを比較し、
前記電圧降下量が前記電圧降下制約量より大きい場合に前記集積回路が誤動作すると判定すること
を特徴とする請求項3又は請求項4に記載の回路検証方法。 - 一又は複数のセルを備えた集積回路の回路設計方法において、
静的タイミング解析によって前記セルにおける信号がスイッチングする遷移時刻及び遷移時間を算出する第1算出ステップと、
静的消費電力解析によって平均消費電流を算出する第2算出ステップと、
前記算出ステップにて算出した遷移時間及び前記第2算出ステップにて算出した平均消費電流に基づいて前記セルのピーク電流を算出する第3算出ステップと、
前記集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する抽出ステップと、
該抽出ステップにて抽出した抵抗に前記ピーク電流が流れることによる電圧降下量を算出する第4算出ステップと、
前記算出ステップにて算出した前記遷移時刻及び前記第4算出ステップにて算出した電圧降下量に基づいて前記集積回路が誤動作するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにて前記集積回路が誤動作すると判定された場合に、前記集積回路のレイアウトを変更して新たなレイアウト情報を生成するレイアウト生成ステップと
を含むことを特徴とする回路設計方法。 - 前記判定ステップは、
前記電圧降下量と予め設定した電圧降下制約量とを比較し、
前記電圧降下量が前記電圧降下制約量より大きい場合に前記集積回路が誤動作すると判定し、
前記レイアウト生成ステップは、
前記電圧降下制約量を満足する抵抗の上限値を算出し、該上限値を越えない配線幅を決定して前記集積回路のレイアウトを変更すること
を特徴とする請求項6に記載の回路設計方法。 - 一又は複数のセルがレイアウトされた集積回路の前記セルの電圧降下量を計算する電圧降下量計算装置において、
静的タイミング解析によって前記セルにおける信号がスイッチングする遷移時間を算出する第1算出手段と、
静的消費電力解析によって平均消費電流を算出する第2算出手段と、
前記遷移時間及び前記平均消費電流に基づいて前記セルのピーク電流を算出する第3算出手段と、
前記集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する抽出手段と、
前記抵抗及び前記ピーク電流に基づいて電圧降下量を算出する第4算出手段と
を備えることを特徴とする電圧降下量計算装置。 - 一又は複数のセルを備えた集積回路の回路検証装置において、
静的タイミング解析によって前記セルにおける信号がスイッチングする遷移時刻及び遷移時間を算出する第1算出手段と、
静的消費電力解析によって平均消費電流を算出する第2算出手段と、
前記遷移時間及び前記平均消費電流に基づいて前記セルのピーク電流を算出する第3算出手段と、
前記集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する抽出手段と、
前記抵抗及び前記ピーク電流に基づいて電圧降下量を算出する第4算出手段と、
前記遷移時刻及び前記電圧降下量に基づいて前記集積回路が誤動作するか否かを判定する判定手段と
を備えることを特徴とする回路検証装置。 - 前記集積回路が誤動作するか否かのしきい量である電圧降下制約量を記憶する記憶部を備えており、
前記判定手段は、
前記電圧降下量と前記電圧降下制約量とを比較して、前記電圧降下量が前記電圧降下制約量より大きい場合に前記集積回路が誤動作すると判定するようにしてあること
を特徴とする請求項9に記載の回路検証装置。 - 一又は複数のセルを備えた集積回路の回路設計装置において、
静的タイミング解析によって前記セルにおける信号がスイッチングする遷移時刻及び遷移時間を算出する第1算出手段と、
静的消費電力解析によって平均消費電流を算出する第2算出手段と、
前記遷移時間及び前記平均消費電流に基づいて前記セルのピーク電流を算出する第3算出手段と、
前記集積回路のレイアウト情報に基づいて電源配線の抵抗を抽出する抽出手段と、
前記抵抗及び前記ピーク電流に基づいて電圧降下量を算出する第4算出手段と、
前記遷移時刻及び前記電圧降下量に基づいて前記集積回路が誤動作するか否かを判定する判定手段と、
前記集積回路のレイアウトを変更して新たなレイアウト情報を生成するレイアウト生成手段と
を備えることを特徴とする回路設計装置。 - 前記レイアウト生成手段は、前記判定手段にて前記集積回路が誤動作すると判定された場合に、前記集積回路のレイアウトを変更して新たなレイアウト情報を生成するようにしてあること
を特徴とする請求項11に記載の回路設計装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005031035A JP2006215987A (ja) | 2005-02-07 | 2005-02-07 | 電圧降下量計算方法及び電圧降下量計算装置、回路検証方法及び回路検証装置、並びに回路設計方法及び回路設計装置 |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008152711A (ja) * | 2006-12-20 | 2008-07-03 | Nec Corp | 電源電圧変動解析システム、電源電圧変動解析方法及びプログラム |
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US8458633B2 (en) | 2009-05-20 | 2013-06-04 | Nec Corporation | Semiconductor integrated circuit design apparatus and method for analyzing a delay in a semiconductor integrated circuit |
JP2014063231A (ja) * | 2012-09-19 | 2014-04-10 | Fujitsu Ltd | 設計支援装置、設計支援方法及びプログラム |
CN111965523A (zh) * | 2020-08-14 | 2020-11-20 | 上海兆芯集成电路有限公司 | 芯片测试方法 |
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-
2005
- 2005-02-07 JP JP2005031035A patent/JP2006215987A/ja active Pending
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