JP2006215396A - 異方性色素膜用二色性アゾ色素並びにこれを含有する異方性色素膜用色素組成物、異方性色素膜および偏光素子 - Google Patents

異方性色素膜用二色性アゾ色素並びにこれを含有する異方性色素膜用色素組成物、異方性色素膜および偏光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】
分解しにくく、色調、溶剤に対する溶解性に優れる安定性の高い異方性膜用二色性色素
及びこれを用いた異方性色素膜用組成物及び色素膜を提供する。
【解決手段】
遊離酸の形で下記式(1)で湿式成膜法により形成される異方性色素膜用色素組成物であって、遊離酸の形が下記一般式(I0)で表される、異方性色素膜用の二色性アゾ色素。、湿式成膜法により形成される異方性色素膜用
Figure 2006215396

(式中、A1,B1およびC1はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の芳香族
炭化水素基を表し、
1およびY1はそれぞれ独立に、ハロゲン原子以外の任意の置換基を表し、Ar1は水
素原子または任意の置換基を表し、
1は、置換基を有していてもよいアミノ基または水酸基を表し、Z1は、水素原子、置換基を有していてもよいアミノ基または水酸基を表し、m1は、1〜3の整数を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、調光素子や液晶素子(LCD)、有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)等の表示素子に有用な新規な二色性アゾ色素と、この二色性アゾ色素を含む異方性色素膜形成用組成物、この二色性アゾ色素を用いた新規な異方性色素膜及び偏光素子に関するものである。
LCD(液晶表示ディスプレイ)では、表示における旋光性や複屈折性を制御するために直線偏光板や円偏光板が用いられている。OLED(有機EL素子)においても、外光の反射防止のために円偏光板が使用されている。
従来、これらの偏光板に代表される偏光素子の偏光膜にはヨウ素が二色性物質として広く使用されてきた。しかしながら、ヨウ素は昇華性が大きいために、偏光膜に使用した場合、その耐熱性や耐光性が十分ではなかった。そのため、有機系の色素を二色性物質として使用する偏光膜が検討されている。
そのような偏光素子の製造方法の一つとして、二色性色素を、ポリビニルアルコール等の高分子材料に溶解または吸着させ、その膜を一方向にフィルム状に延伸して、二色性色素を配向させることにより異方性色素膜(偏光膜)を得る方法(例えば、特許文献1参照)が挙げられる。
また、別の方法として、ガラスや透明フィルムなどの基板上に、湿式成膜法にて二色性色素を含む膜を形成し、分子間相互作用などを利用して二色性色素を配向させることにより異方性色素膜を形成し、素子を形成する方法(例えば、特許文献2参照)が挙げられる。
前者の手法において使用される二色性色素には、分子の長軸方向に大きな吸光度と短軸方向に極めて小さい吸光度を持つこと、すなわち大きな二色性が要求される。さらに、ポリビニルアルコールなどの基材に対する高い親和性が、染色性の観点から要求される。
一方、後者の手法においては、上記と同様に大きな二色性の他に、二色性色素を基板上に堆積、配向させる方法や二色性色素分子の配向を制御させるための基板表面の処理など、二色性色素を含む異方性色素膜形成のためのプロセス選択と、そのプロセスに適した二色性色素、および該色素を含む膜形成用組成物が要求される。
特許文献1には、前者の手法にて製造される偏光膜に、下記構造式で表される二色性色素を使用することが記載されている。
Figure 2006215396
また、特許文献2には、後者の手法にて製造される偏光素子を作製する旨、記載されており、使用できる二色性色素の一例として、下記構造式で表されるものが記載されている。
Figure 2006215396
特開平1−252904号公報 WO02/099480号公報
しかしながら、特許文献1に記載の上記化合物を後者の手法にて製造される偏光素子の材料として適用しようとした場合には、二色性や溶剤への溶解性が不十分であるという問題があった。
又、特許文献2に記載の上記化合物は、二色性が低く、またトリアジン環上にハロゲン原子が結合しているため分解しやすいという問題があった。
このように、従来提案されている有機系の色素を用いた偏光素子は、ヨウ素を用いたものに比べて、二色性がかなり劣る、溶剤への溶解性が低い等の問題点があった。特に、光の旋光性や複屈折性を表示原理に用いているLCDにおいて、偏光膜は重要な構成要素であり、近年表示性能などの向上を目的に、新たな偏光素子の開発が進められている。
本発明は、従来のヨウ素を用いた偏光板に比べて充分な耐熱性や耐光性を有する吸収異方性色素膜として機能する異方性色素膜を実現し得る、新規な異方性色素膜用二色性アゾ色素を提供することを課題とする。また、本発明は、該二色性アゾ色素を用いた異方性色素膜形成用組成物、異方性色素膜及び偏光素子を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、トリアジニル基を有し、1分子中にアゾ結合を3個有することを前提とする色素であって、分子の末端に有するナフタレン環が遊離酸の形でスルホ基を有し、該ナフタレン環中、アゾ基が結合する環にアミノ基または水酸基を有することを特徴とする色素が、分解しにくく、溶剤への溶解性に優れ、高分子基材との高い親和性を有することを見出し、本発明に到達した。
また、このような色素を含有する異方性色素膜は、二色性色素分子が高次の分子配向状
態を示すこと、すなわち、高い異方性を有する色素膜を形成することが可能であるということを見出した。本発明はこれらの知見を基に完成されたものである。
すなわち、本発明の要旨は、遊離酸の形で下記式(1)で表される、異方性色素膜用の二色性アゾ色素、に存する。
Figure 2006215396
(式中、A1,B1およびC1はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の芳香族
炭化水素環基を表し、
1およびY1はそれぞれ独立に、ハロゲン原子以外の任意の置換基を表し、
Ar1は水素原子または任意の置換基を表し、
1は、置換基を有していてもよいアミノ基または水酸基を表し、
1は、水素原子、置換基を有していてもよいアミノ基または水酸基を表し、
1は、1〜3の整数を表す。)
他の要旨は、上記二色性アゾ色素及び溶剤を含有する異方性色素膜形成用組成物、上記二色性アゾ色素を含有する異方性色素膜、および、この異方性色素膜を用いた偏光素子、に存する。
本発明の二色性アゾ色素は、分解しにくく、色調、溶剤に対する溶解性に優れる安定性の高い色素であり、この色素を用いた本発明の異方性色素膜よりなる偏光膜は高い二色性を示すと同時に、従来のヨウ素系偏光膜に比べて高い耐熱性、耐光性を有する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定はされない。
本発明の異方性色素膜用の二色性色素は後述の一般式(1)で表されるが、本発明における異方性色素膜とは、色素膜の厚み方向及び任意の直交する面内2方向の立体座標系における合計3方向から選ばれる任意の2方向における電磁気学的性質に異方性を有する色素膜である。電磁気学的性質としては、吸収、屈折などの光学的性質、抵抗、容量などの電気的性質などが挙げられる。吸収、屈折などの光学的異方性を有する膜としては、例えば、直線偏光膜、円偏光膜、位相差膜、導電異方性膜などがある。本発明の二色性色素は、偏光膜、位相差膜、導電異方性膜に用いられることが好ましく、中でも偏光膜に特に有効に用いられる。
以下、本発明の二色性アゾ色素について説明する。
本発明の異方性色素膜用の二色性アゾ色素は、遊離酸の形で下記式(1)で表される。
Figure 2006215396
(式中、A1,B1およびC1はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素環基を表し、
1およびY1はそれぞれ独立に、ハロゲン原子以外の任意の置換基を表し、
Ar1は水素原子または任意の置換基を表し、
1は、置換基を有していてもよいアミノ基または水酸基を表し、
1は、水素原子、置換基を有していてもよいアミノ基または水酸基を表し、
1は、1〜3の整数を表す。)
上記式(1)で表される色素は、トリアジニル基を有し、1分子中にアゾ結合を3個有することを前提とし、これに、分子末端に有するナフタレン環が遊離酸の形でスルホ基を有し、該ナフタレン環のアゾ基と結合する環に、アミノ基または水酸基(D1)を有する
ことを特徴とする。この特徴により、溶剤への溶解性が高く、基材への親和性が高く、偏光膜とした時に二色性の高い偏光膜を得ることができるものと推測される。
尚、本発明において、置換基を有していてもよいとは、置換基を1以上有していてもよいという意味である。
上記一般式(1)において、A1,B1およびC1はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素環基を表す。2価の芳香族炭化水素環基としては、炭素数6〜20程度の2価の芳香族炭化水素環基が好ましい。特に好ましくは、フェニレン基またはナフチレン基である。フェニレン基の中では1,4−フェニレン基が好ましく、ナフチレン基の中では1,4−ナフチレン基が好ましい。
1,B1およびC1の置換基としては、色調を調節するために導入される電子吸引性基や電子供与性基から適宜選択された基や、溶剤への溶解性を高めるために導入される親水性基などが挙げられる。
2価の芳香族炭化水素環基がフェニレン基の場合の置換基としては、スルホ基、カルボキシル基、水酸基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基及び置換基を有していてもよいアミノ基などが挙げられる。
ハロゲン原子、アミノ基、アルキル基およびアルコキシ基として、具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であるハロゲン原子;アミノ基;N−メチルアミノ基、N、N−ジメチルアミノ基、N、N−ジエチルアミノ基などの、炭素数1〜18(好ましくは1〜8)のアルキルアミノ基;N−フェニルアミノ基、N−ナフチルアミノ基などの、炭素数6〜18(好ましくは6〜10)のアリールアミノ基;アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などの、炭素数2〜18(好ましくは2〜11)のアシルアミノ基;メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ドデシル基などの、炭素数1〜18(好ましくは1〜12)のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ドデシルオキシ基などの、炭素数1〜18(好ましくは1〜12)のアルコキシ基、などが挙げられる。
上記した各種アミノ基、アルキル基およびアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、水酸基、スルホ基、カルボキシル基またはアルコキシ基などが挙げられる。
中でも、溶剤に対する溶解性および色調の観点から、スルホ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいアルキル基、および置換基を有していてもよいアルコキシ基がより好ましく、スルホ基、カルボキシル基、アシルアミノ基、水酸基で置換されていても良いアルコキシ基およびアルキル基が特に好ましい。A1,B1およびC1のフェニレン基は、それぞれ、これらの置換基から選ばれる1〜2個の置換基を有していることが好ましい。
2価の芳香族炭化水素環基がナフチレン基の場合、ナフチレン基の置換基として好ましくはスルホ基、カルボキシル基、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシ基等が挙げられる。アルコキシ基の具体例としては、フェニレン基の場合と同様である。A1,B1およびC1は、それぞれ、これらの置換基から選ばれる1〜3個の置換基を有していることが好ましい。特に好ましい置換基としてはスルホ基が挙げられる。
1およびY1は、ハロゲン原子以外の任意の置換基である。ハロゲン原子を有すると、分解しやすくなる恐れがあるため、本発明においてX1およびY1はハロゲン原子でないことが重要である。具体的には、溶剤への溶解性を調節するために導入される親水性基や疎水性基などが挙げられる。
1およびY1は、それぞれ独立に、−NR12基、−OR3基、または−SR4基を表されることが好ましい。ここでR1,R2,R3及びR4はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよい炭化水素環基(アリール基またはアリサイクリック基)、または置換基を有していてもよい複素環基を表すか、あるいはR1とR2とが互いに結合し、窒素原子を含む5または6員環を形成する。R1及びR2が結合してなる環は置換基を有していてもよい。
具体的には、水素原子;メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、n−ドデシル基等の、炭素数1〜18(好ましくは1〜12)のアルキル基;ビニル基、アリル基、などの、炭素数2〜18(好ましくは2〜8)のアルケニル基;フェニル基、ナフチル基などの、炭素数6〜18(好ましくは6〜12)のアリール基;シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基等の、炭素数6〜18(好ましくは6〜10)のアリサイクリック基;ピリジル基、チアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、モルホリノ基、ピペリジニル基、ピペラジニル基等の、5または6員環の、単環または2〜3縮合環からなる、芳香族または非芳香族の複素環基;などを表す。
上記アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリサイクリック基、およびヘテロサイクリック基が有しうる置換基としては、水酸基、カルボキシル基、スルホ基、アリール基などが挙げられ、より好ましくは、水酸基、カルボキシル基、またはスルホ基である。
1およびR2としては、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよいアリール基がより好ましく、少なくとも何れか一方が置換基を有していてもよいアリール基であるのが特に好ましい。
また、R1およびR2のうち、一方が水素原子であり、他方が水素原子以外である場合が好ましい。
3およびR4としては、水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基が好ましく、置換基としてはカルボキシル基が挙げられる。
1およびY1は、同一であっても異なっていてもよく、いずれも−NR12(但し、R1およびR2は同一であっても異なっていてもよい)基である場合か、あるいは一方が−NR12(但し、R1およびR2は同一であっても異なっていてもよい)基であり、他方が−OR3基である場合が、より好ましい。
なお、X1およびY1は互いに結合し、置換基を有していてもよい含窒素環を形成していても良く、R1とR2とが互いに結合して窒素原子を含む5または6員環を形成する場合、この環としては、モルホリン環、ピペラジン環、ピペリジン環が好ましい。
Ar1は、水素原子または任意の置換基を表すが、任意の置換基としては、色調を調節するために導入される電子吸引性基や電子供与性基から適宜選択された基や、溶剤への溶解性を高めるために導入される親水性基などが挙げられる。Ar1は水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、更に好ましくは、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、エチル基等、或いはこれらが更に置換されてなる基など)である。特に好ましくは、水素原子である。なお、該アルキル基が有しうる置換基としては、水酸基、スルホ基、カルボキシル基などが挙げられる。
1は、置換基を有していてもよいアミノ基または水酸基を表すが、水酸基であることが好ましい。
置換基を有していてもよいアミノ基としては、N−メチルアミノ基、N、N−ジメチルアミノ基、N、N−ジエチルアミノ基などの、炭素数1〜18(好ましくは1〜8)のアルキルアミノ基;N−フェニルアミノ基、N−ナフチルアミノ基などの、炭素数6〜18(好ましくは6〜10)のアリールアミノ基;アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などの、炭素数2〜18(好ましくは2〜11)のアシルアミノ基;が挙げられる。
また、D1が結合するナフタレン環が、7位でアゾ基と結合することが好ましく、その際、D1はナフタレン環の8位に結合することが更に好ましい。
1は、水素原子、置換されていてもよいアミノ基または水酸基を表すが、置換されていてもよいアミノ基であることが好ましい。
置換基を有していてもよいアミノ基としては、上記D1の置換基を有していてもよいアミノ基として例示したものが挙げられる。中でも無置換のアミノ基が好ましい。
また、Z1が結合するナフタレン環が、7位でアゾ基と結合することが好ましく、その際、Z1はナフタレン環の2位に結合することが更に好ましい。
特に好ましくは、該ナフタレン環が、7位でアゾ基、8位でD1、2位でZ1と結合することである。
また、一般式(1)において、m1は該ナフタレン環に結合するスルホ基の数を表すが、m1は1〜3の整数であることが好ましく、1または2であることがより好ましい。
本発明の異方性色素膜用の二色性アゾ色素は、遊離酸の形で上記式(1)で表されるものであれば、遊離酸型、塩型、それらの混合物等いずれの形態であっても良い。本発明の前記式(1)で示される色素は、遊離酸型のまま使用してもよく、酸基の一部が塩型を取っているものであってもよい。また、塩型の色素と遊離酸型の色素が混在していてもよい。また、製造時に塩型で得られた場合はそのまま使用してもよいし、所望の塩型に変換してもよい。塩型の交換方法としては、公知の方法を任意に用いることができ、例えば以下の方法が挙げられる。
1) 塩型で得られた色素の水溶液に塩酸等の強酸を添加し、色素を遊離酸の形で酸析せしめたのち、所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で色素酸性基を中和し塩交換する方法。
2) 塩型で得られた色素の水溶液に、所望の対イオンを有する大過剰の中性塩(例えば、塩化リチウム)を添加し、塩析ケーキの形で塩交換を行う方法。
3) 塩型で得られた色素の水溶液を、強酸性イオン交換樹脂で処理し、色素を遊離酸の形で酸析せしめたのち、所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で色素酸性基を中和し塩交換する方法。
4) 予め所望の対イオンを有するアルカリ溶液(例えば水酸化リチウム水溶液)で処理した強酸性イオン交換樹脂に、塩型で得られた色素の水溶液を作用させ、塩交換を行う方法。
また、本発明で使用される色素は、ここで、酸性基が遊離酸型をとるか、塩型を取るかは、色素のpKaと色素水溶液のpHに依存する。
上記の塩型の例としては、Na、Li、K等のアルカリ金属の塩、アルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウムの塩、又は有機アミンの塩が挙げられる。有機アミンの例として、炭素数1〜6の低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換された炭素数1〜6の低級アルキルアミン、カルボキシ置換された炭素数1〜6の低級アルキルアミン等が挙げられる。これらの塩型の場合、その種類は1種類に限られず複数種混在していてもよい。
これらの色素の具体例としては、例えば以下の(1)から(16)に示す構造の色素が挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2006215396
Figure 2006215396
Figure 2006215396
Figure 2006215396
Figure 2006215396
Figure 2006215396
Figure 2006215396
Figure 2006215396
上記式(1)で表されるジスアゾ色素は、それ自体周知の方法に従って製造することができる。例えばNo.1で示される色素は、下記(A)〜(E)の工程で製造できる。
(A)2−アミノ−5−アセチルアミノベンゼンスルホン酸を水にpH6として溶解し、0〜5℃に冷却する。このものに塩化シアヌルを加え、温度0〜5℃を保持して、2時間反応を行い、反応を完結させる。次いで室温にて、3−アミノベンゼンスルホン酸(メタニル酸)水溶液を加えて、pH6〜7で数時間縮合反応を行う。反応終了後、60℃に昇温し、25%水酸化ナトリウム水溶液を加え、強アルカリ性として加水分解反応を行い、反応を完結させる。
(B)工程(A)で得られた化合物と2−メトキシー5−メチルアニリンとから常法[例えば、細田豊著「新染料化学」(昭和48年12月21日、技報堂発行)第396頁第409頁参照]に従って、ジアゾ化、カップリング工程を経てモノアゾ化合物を製造する。(C)工程(B)で得られたモノアゾ化合物を同様に、常法によりジアゾ化し、2,5−ジメチルアニリンとカップリング反応を行って、ジスアゾ化合物を製造する。
(D)工程(C)で得られたジスアゾ化合物を同様に、常法によりジアゾ化し、7−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(RR酸)とカップリング反応を行ってトリスアゾ化合物を製造する。
(E)反応終了後、塩化ナトリウムで塩析することにより目的の色素No.2が得られる。
上記本発明の色素は、二色性が高い膜を得られることから異方性色素膜用に適した色素であるが、特に溶解性が高いことから湿式製膜法で形成される異方性色素膜用に使用されることが好ましい。
本発明の色素を含む異方性色素膜用組成物は、少なくとも前記式(1)で表される色素及び溶剤を含むものである。なお、以下において、前記式(1)で表される色素を包括して本発明の色素と称する。
本発明の異方性色素膜用組成物は、該組成物中に、本発明の色素をを単独で含むことが使用できるが、これら同士、あるいは配向を低下させない程度に他の色素を更に含有することができる。これにより、各種の色相を有する異方性色素膜を製造することができる。また、本発明の異方性色素膜用組成物は、後述する界面活性剤等の添加剤が配合されていてもよい。
配合用として好ましい色素の例としては、例えばC.I.Direct Yellow
12、C.I.Direct Yellow 34、C.I.Direct Yellow 86、C.I.Direct Yellow 142、C.I.Direct Yellow 132、C.I.Acid Yellow 25、C.I.Direct Orange 39、C.I.Direct Orange 72、C.I.Direct Orange 79,、C.I.Acid Orange 28、C.I.Direct Red 39、C.I.Direct Red 79、C.I.Direct Red 81、C.I.Direct Red 83、C.I.Direct Red 89、C.I.Acid Red 37、C.I.Direct Violet 9、C.I.Direct Violet 35、C.I.Direct Violet 48、C.I.Direct Violet 57、C.I.Direct Blue 1、C.I.Direct Blue 67、C.I.Direct Blue 83、C.I.Direct Blue 90、C.I.Direct Green 42、C.I.Direct Green 51、C.I.Direct Green 59等が挙げられる。
本発明組成物に含まれる溶剤としては、水、水混和性のある有機溶剤、或いはこれらの混合物が適している。有機溶剤の具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類等の単独又は二種以上の混合溶剤が挙げられる。
本発明の異方性色素膜用組成物における色素の濃度としては、色素の溶解性やリオトロピック液晶状態などの会合状態の形成濃度にも依存するが、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。
又、色素溶液等として異方性色素膜用色素組成物を基材へ塗布する場合は、基材への濡れ性、塗布性を向上させるため、必要に応じて界面活性剤等の添加剤を加えることができる。界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系のいずれも使用可能である。その含有量は、通常、組成物中の濃度が0.05重量%以上、0.5重量%以下となる量が好ましい。
また、本発明は上記異方性色素膜用組成物を用いて形成された異方性色素膜或いは本発明の色素を含有する異方性色素膜に関する。上記説明した様に、上記式(1)で表される色素は、特定の色素構造を有するため高いリオトロピック液晶状態を形成し、高次の分子配向状態を示すことができ、高い二色性を示すことができる。従って、本発明の異方性色素膜は、高い二色性を示す有用な色素膜である。
本発明においては、湿式成膜法により異方性色素膜を作製することが好ましい。二色性色素溶液などの二色性色素を含有する組成物を調製後、ガラス板などの各種基材に塗布し、色素を配向、積層して得る方法など公知の方法が挙げられる。
湿式成膜法としては、原崎勇次著 「コーティング方式」 槇書店、1979年10月30日発行、3ページ(表1−2)および6ページから154ページに記載の各コータ方式や市村國宏監修 「分子協調材料の創製と応用」 株式会社シーエムシー出版、1998年3月3日発行、118ページから149ページなどに記載の公知の方法や、例えば、あらかじめ配向処理を施した基材上に、スピンコート法、スプレーコート法、バーコート法、ロールコート法、ブレードコート法などで塗布することが挙げられる。
塗布時の温度は好ましくは0℃以上、80℃以下、湿度は好ましくは10%RH以上、80%RH以下程度である。乾燥時の温度は好ましくは0℃以上、120℃以下、湿度は好ましくは10%RH以上、80%RH以下程度である。
本発明に使用される基材として、ガラスやトリアセテート、アクリル、ポリエステル、トリアセチルセルロース又はウレタン系のフィルム等が挙げられる。また、この基材表面には、二色性色素の配向方向を制御するために、「液晶便覧」 丸善株式会社、平成12年10月30日発行、226ページから239ページなどに記載の公知の方法により、配向処理層を施していても良い。
このような方法で、塗布された二色性色素の異方性色素膜は通常機械的強度が低いので、必要に応じ、保護層を設けて使用する。この保護層は、例えば、トリアセテート、アクリル、ポリエステル、ポリイミド、トリアセチルセルロース又はウレタン系のフィルム等の透明な高分子膜によりラミネーションして形成され、実用に供する。
また、本発明をLCDやOLEDなどの各種の表示素子に偏光フィルター等として用いる場合には、これらの表示素子を構成する電極基板などに直接色素膜を形成したり、色素膜を形成した基材をこれら表示素子の構成部材に用いることができる。
前記の方法等で基材上に異方性色素膜を形成する場合、通常乾燥後の膜厚で、好ましくは50nm以上、更に好ましくは100nm以上、好ましくは50μm以下、更に好ましくは1μm以下である。
本発明の異方性色素膜は、光吸収の異方性を利用し直線偏光、円偏光、楕円偏光等を得る偏光膜として機能する他、膜形成プロセスと基材や色素を含有する組成物の選択により、屈折異方性や伝導異方性などの各種異方性膜として機能化が可能となり、様々な種類の、多様な用途に使用可能な偏光素子とすることができる。
本発明の異方性色素膜を基材上に形成し偏光素子として使用する場合、形成された異方性色素膜そのものを使用しても良く、また上記の様な保護層のほか、粘着層、反射防止層など、様々な機能をもつ層を積層形成し、積層体として使用しても良い。
次に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
水90部に前記の色素No.1のナトリウム塩10部を加え、撹拌溶解後濾過して色素水溶液(異方性色素膜用色素組成物)を得た。ろ紙上には、未溶解の色素残は確認されず、溶解性の点で優れていることが確認された。一方、ガラス板上にシルク印刷法によりポリイミドの配向膜が形成された基板(ポリイミド膜厚 約800Å)を、予め布でラビング処理を施したものを用意しておき、これに前記色素水溶液を4面アプリケーター(井元製作所社製、ギャップ10μm)で塗布した後、室温下で自然乾燥することにより異方性色素膜を得た。得られた異方性色素膜の吸収軸方向に振動面を有する偏光に対する透過率(Tz)および色素膜面内の偏光軸方向に振動面を有する偏光に対する透過率(Ty)を図1に示す。本発明の色素膜は、約400nmから約700nmの広帯域でブロードな吸収及び二色比(光吸収異方性)を有しており、偏光膜用途に必要とされる無彩色の色調を有する色素として適していた。更に得られた色素膜をオーブンで180℃、1時間加熱したが、色素分解等による色調変化はなかった。
実施例1にて得られた異方性色素膜の、吸収軸および偏光軸方向の光透過率を表すグラフである。

Claims (7)

  1. 遊離酸の形で下記式(1)で表わされる異方性色素膜用の二色性アゾ色素。
    Figure 2006215396
    (式中、A1,B1およびC1はそれぞれ独立に、置換基を有していてもよい2価の芳香族
    炭化水素環基を表し、
    1およびY1はそれぞれ独立に、ハロゲン原子以外の任意の置換基を表し、
    Ar1は水素原子または任意の置換基を表し、
    1は、置換基を有していてもよいアミノ基または水酸基を表し、
    1は、水素原子、置換基を有していてもよいアミノ基または水酸基を表し、
    1は、1〜3の整数を表す。)
  2. 上記式(1)において、
    1,B1およびC1が、それぞれ独立に置換基を有していてもよいフェニレン基または
    ナフチレン基を表し、
    Ar1が、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基を表し

    1およびY1は、それぞれ独立に、−NR12基、−OR3基または−SR4基を表す(但し、R1,R2,R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数6〜18のアリサイクリック基または置換基を有していてもよい5または6員環の、単環または2〜3縮合環からなる複素環基を表すか、あるいはR1とR2とが互いに結合し、窒素原子を含む5または6員環を形成する。R1及びR2が結合してなる環は置換基を有していてもよい。)、請求項1に記載の二色性アゾ色素。
  3. 上記式(1)において、D1が水酸基である請求項1または2に記載の二色性アゾ色素。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の二色性アゾ色素及び溶剤を含有する異方性色素膜用色素組成物。
  5. 請求項4に記載の異方性色素膜用色素組成物を用い、基板上に湿式製膜法にて形成された異方性色素膜。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の二色性アゾ色素を含有する異方性色素膜。
  7. 請求項5または6に記載の異方性色素膜を用いた偏光素子。
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