JP2006212002A - 農作物生産管理システム及び農作物生産管理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】農作物の生産性,安全性,及び品質安定性を大幅に向上させる。
【解決手段】農家の作業者側に設けられた農家側コンピュータ2と、農作物を育成する農地に設けられ、農地及び農地における農作物の情報を検出し、検出した情報を電気通信回線6を介して送信する検出装置3と、電気通信回線6を介して検出装置3が検出した情報を受信し、受信した情報を解析することにより農作物を育成する上で必要な農作業の実施タイミングを判定し、判定された実施タイミングの情報を農家側コンピュータ2にする解析サーバ5とを備える。これにより、農家の作業者は、農作物を育成する上で必要な農作業を行う適切なタイミングを知ることができるので、適切なタイミングで農作業を行い、農作物の生産性,安全性,及び品質安定性を大幅に向上させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】農家の作業者側に設けられた農家側コンピュータ2と、農作物を育成する農地に設けられ、農地及び農地における農作物の情報を検出し、検出した情報を電気通信回線6を介して送信する検出装置3と、電気通信回線6を介して検出装置3が検出した情報を受信し、受信した情報を解析することにより農作物を育成する上で必要な農作業の実施タイミングを判定し、判定された実施タイミングの情報を農家側コンピュータ2にする解析サーバ5とを備える。これにより、農家の作業者は、農作物を育成する上で必要な農作業を行う適切なタイミングを知ることができるので、適切なタイミングで農作業を行い、農作物の生産性,安全性,及び品質安定性を大幅に向上させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、施肥,播種,灌水,移植,農薬散布,摘花,収穫等の農作業を実施する適切なタイミングを判断,通知することにより、農作物の生産プロセスを管理する農作物生産管理システム及び農作物生産管理プログラムに関する。
気温,湿度,日射量等の環境情報、農作物の生育情報、灌水・農薬散布等の作業情報といった、農場における現場情報を収集することは、農場において農作物を育成する上で大変重要な作業である。このような背景から、農家の作業者は、自身で作業日誌を作成したり、AMeDASデータ等の気象情報を入手したりすることにより現場情報を入手し、入手した情報を利用して農場において農作物を育成している(例えば、特許文献1を参照)。
特開2002−215717号公報
しかしながら、従来までの農作物の育成作業では、農家の作業者は、暦や自らの経験,勘に基づいて施肥,播種,灌水,移植,農薬散布,摘花,収穫等、農作物を育成する上で必要な農作業を実施するタイミングを判断していたために、農地や農作物にとって最適な育成作業が行われず、農作物の生産性や品質が安定しないことがあった。また、このような背景から、熟練度の低い農家と熟練度の高い農家等、農作物を育成する作業者の違いによって農作物の品質がばらつくことがあった。また、農薬の見込み散布等の無駄な作業を行うことにより、農作物の安全性や経済性が低下することがあった。
すなわち、従来まで農作物の育成作業によれば、農家の作業者は、暦や自らの経験,勘に基づいて農作物を育成する上で必要な農作業を実施するタイミングを判断していたために、農地及び農作物にとって最適な育成作業が行われず、農作物の生産性,安全性,及び品質安定性が低下することあった。
本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、その目的は、農作物を育成する上で必要な農作業を行う適切なタイミングを判断,通知することにより、農作物の生産性,安全性,及び品質安定性を大幅に向上する農作物生産管理システム及び農作物生産管理プログラムを提供することにある。
本発明に係る農作物生産管理システム及び農作物生産管理プログラムは、農地及び農地における農作物の情報を検出し、検出した情報を電気通信回線を介して送信し、電気通信回線を介して検出された情報を受信し、受信した情報を解析することにより農作物を育成する上で必要な農作業の実施タイミングに関する情報を抽出、通知する。
本発明に係る農作物生産管理システム及び農作物生産管理プログラムによれば、農家の作業者は、農作物を育成する上で必要な農作業を行う適切なタイミングを知ることができるので、適切なタイミングで農作業を行い、農作物の生産性,安全性,及び品質安定性を大幅に向上させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態となる農作物生産管理システムの構成及びその動作について説明する。
[農作物生産管理システムの構成]
本発明の実施形態となる農作物生産管理システム1は、図1に示すように、農家の作業者側に設けられた農家側コンピュータ(農家側PC)2と、農作物を育成する農地に設けられた検出装置3と、検出装置3により検出されたデータを集計する集計サーバ4と、集計サーバ4により集計されたデータに基づいて施肥,播種,灌水,移植,農薬散布,摘花,収穫等の農作物を育成する上で必要な農作業(イベント)を行う適切なタイミングを判断,通知する解析サーバ5とを主な構成要素として備え、これらの構成要素はインターネット等の電気通信回線6を介して相互に情報通信可能なように構成されている。
本発明の実施形態となる農作物生産管理システム1は、図1に示すように、農家の作業者側に設けられた農家側コンピュータ(農家側PC)2と、農作物を育成する農地に設けられた検出装置3と、検出装置3により検出されたデータを集計する集計サーバ4と、集計サーバ4により集計されたデータに基づいて施肥,播種,灌水,移植,農薬散布,摘花,収穫等の農作物を育成する上で必要な農作業(イベント)を行う適切なタイミングを判断,通知する解析サーバ5とを主な構成要素として備え、これらの構成要素はインターネット等の電気通信回線6を介して相互に情報通信可能なように構成されている。
上記農家側PC2は、パーソナルコンピュータ,携帯電話機,PDA(Personal Digital Assistant)等の汎用の情報処理装置により構成され、電気通信回線6を介して各種情報を閲覧,送受信する機能、電気通信回線6を介して検出装置3を遠隔操作する機能を実現するためのコンピュータプログラムがインストールされている。
上記検出装置3は、農作物を育成する農地に設けられ、図2に示すように、電源回路11を介してソーラーパネル,100V電源,12Vバッテリ等の電源から電力の供給を受けることにより駆動される。また、検出装置3の内部には、無線通信により電気通信回線6を介して情報を送受信するための無線通信部3と、温度,湿度,日射量,風向,風速,雨量,二酸化炭素量,土壌EC(土壌電気伝導度),土中温度,土壌水分,農作物の糖度,葉面濡れ,水田水位,水路流量等の農地の環境情報を検出する検出部13と、制御信号を出力することにより灌水弁や暖房機等の外部装置を制御するための出力部14と、検出装置3の動作を制御するための制御部16とを備える。
なお、無線通信部3は、農家の作業者が検出装置3を介して電気通信回線6に接続可能なように、ホットスポット機能を有する。また、制御部16は、検出部13により検出された情報を保持するための記録装置を有すると共に、図2に示すように、接続部16を介して、農地や農作物の画像を撮影するカメラ17や外部コンピュータ18が接続されている。
また、この検出装置3は、電気通信回線6を介して制御部16に制御信号を入力することにより、遠隔操作可能なように構成されている。また、検出部13は、複数のセンサを備えるモジュールにより構成され、農家の作業者が検出を希望する情報に応じて、モジュールに備えられるセンサは着脱可能なように構成されている。
上記集計サーバ4は、ワークステーション等の汎用の情報処理装置により構成され、検出装置3が検出した情報を受信する機能、受信した情報を農家及び農作物毎に所定の形式で集計データとして集計する機能、集計データを解析サーバ5に送信するための機能を実現するためのコンピュータプログラムがインストールされている。
上記解析サーバ5は、ワークステーション等の汎用の情報処理装置により構成され、図3に示すように、農家側PC2や集計サーバ4との間の情報通信処理を制御する通信制御部21と、集計サーバ4から送信された集計データを農家及び農作物毎に格納する計測データデータベース(計測データDB)22と、各種農作業を行うタイミングを判断するための判定ルール(詳しくは後述)を格納する判定ルールデータベース(判定ルールDB)23と、内部に記憶されているタイミング判定プログラム24に従って判定ルールDB23を参照することにより各種農作業を行うタイミングを判断する制御部25とを備える。
そして、このような構成を有する農作物生産管理システム1では、解析サーバ5が、以下に示すタイミング判定処理を実行することにより、農作物を育成する上で必要な各種農作業を行う適切なタイミングを判断,農家側PC2に通知することにより、農作物の生産性,安全性,及び品質安定性を大幅に向上させる。以下、図4に示すフローチャートを参照して、タイミング判定処理を実行する際の解析サーバ5の動作について説明する。
[タイミング判定処理]
図4に示すフローチャートは、計測データベースDB22に集計サーバ4から送信された集計データが格納されるのに応じて開始となり、タイミング判定処理はステップS1の処理に進む。
図4に示すフローチャートは、計測データベースDB22に集計サーバ4から送信された集計データが格納されるのに応じて開始となり、タイミング判定処理はステップS1の処理に進む。
ステップS1の処理では、制御部25が、計測データベース22内に格納された集計データを参照して、全有効積算温度を特徴パラメータとして農作物毎に算出する。なお、本明細書中において、有効積算温度とは、農作物の周辺温度が農作物毎の発育零点温度以上である時に、農作物毎の発育零点温度と周辺温度の差分値を時間積算した値を示す。また、この実施形態では、制御部25は、特徴パラメータとして全有効積算温度を算出したが、例えば、日平均気温,最高気温,最低気温,週平均気温,積算日射量,葉面濡れ時間,二酸化炭素濃度等の要素を算出し、算出された要素に従って補正した全有効積算温度を特徴パラメータとして算出してもよい。これにより、このステップS1の処理は完了し、タイミング判定処理はステップS2の処理に進む。
ステップS2の処理では、制御部25が、判定ルールDB23に格納されている判定ルールに従って、ステップS1の処理により算出された特徴パラメータに対応する農作物のプロセス状態を判別する。具体的には、制御部25は、図5(a)に示すように、全有効積算温度が所定値以上になれば農作物は開花プロセス(ステージ)状態にあると判断する等、全有効積算温度の値と種蒔,育苗,一次開花,成熟,二次開花,撤収等のプロセス状態(ステージ)毎の温度範囲とを比較することにより、農作物のプロセス状態がいずれのプロセス状態にあるかを判別する。なお、プロセス状態の種類及びプロセス状態毎の温度範囲は、農作物毎に予め決められ、判定ルールとして判定ルールDB23に格納されているものとする。これにより、このステップS2の処理は完了し、タイミング判定処理はステップS3の処理に進む。
ステップS3の処理では、制御部25が、ステップS2の処理により判別されたプロセス状態において実施すべき農作業(イベント)を判定する。具体的には、制御部25は、図6に示すようなプロセス状態と実施すべき農作業が対応付けされたプロセス状態−イベントマトリクス表を予め用意し、このマトリクス表を参照して、例えばプロセス状態が「育苗」であれば実施すべき農作業は「接ぎ木」等、ステップS2の処理により判別されたプロセス状態において実施すべき農作業を判定する。なお、この処理の際、制御部25は、集計データから有効土壌水分,土壌EC,害虫有効積算温度等の付加パラメータを算出し、図5(c)〜(e)に示すように算出されたパラメータが所定条件を満たす場合において、灌水,施肥,農薬散布等の付加的に実施すべき農作業を判定してもよい。また、この処理の際、制御部25は、マトリクス表の対応するエリア内に集計データや関連する情報を記録するようにしてもよい。これにより、このステップS3の処理は完了し、タイミング判定処理はステップS4の処理に進む。
ステップS4の処理では、制御部25が、ステップS3の処理により判定された農作業の内容及び実施タイミングに関する情報を電気通信回線6を介して農家側PC2に送信する。これにより、このステップS4の処理は完了し、一連のタイミング判定処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態となる農作物生産管理システム1によれば、農家の作業者側に設けられた農家側コンピュータ2と、農作物を育成する農地に設けられ、農地及び農地における農作物の情報を検出し、検出した情報を電気通信回線6を介して送信する検出装置3と、電気通信回線6を介して検出装置3が検出した情報を受信し、受信した情報を解析することにより農作物を育成する上で必要な農作業の実施タイミングを判定し、判定された実施タイミングの情報を農家側コンピュータ2にする解析サーバ5とを備える。そして、このような構成によれば、農家の作業者は、農作物を育成する上で必要な農作業を行う適切なタイミングを知ることができるので、適切なタイミングで農作業を行い、農作物の生産性,安全性,及び品質安定性を大幅に向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1:農作物育成支援システム
2:農家側コンピュータ
3:検出装置
4:集計サーバ
5:解析サーバ
11:電源回路
12:無線通信部
13:検知部
14:出力部
15:制御部
16:接続部
17:カメラ
18:コンピュータ
21:通信制御部
22:計測データデータベース(計測データDB)
23:判定ルールデータベース(判定ルールDB)
24:タイミング判定プログラム
25:制御部
2:農家側コンピュータ
3:検出装置
4:集計サーバ
5:解析サーバ
11:電源回路
12:無線通信部
13:検知部
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15:制御部
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17:カメラ
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23:判定ルールデータベース(判定ルールDB)
24:タイミング判定プログラム
25:制御部
Claims (3)
- 農家の作業者側に設けられた農家側コンピュータと、
農作物を育成する農地に設けられ、農地及び当該農地における農作物の情報を検出し、検出した情報を電気通信回線を介して送信する検出装置と、
電気通信回線を介して前記検出装置が送信した情報を受信し、受信した情報を解析することにより農作物を育成する上で必要な農作業の実施タイミングに関する情報を抽出し、抽出した情報を前記農家側コンピュータに送信する解析サーバと
を備えることを特徴とする農作物生産管理システム。 - 請求項1に記載の農作物生産管理システムであって、
前記解析サーバは、前記検出装置が送信した情報から農作物に対する全有効積算温度を算出し、算出された全有効積算温度に従って農作物を育成する上で必要な農作業の実施タイミングを決定することを特徴とする農作物生産管理システム。 - 農地における農作物の生産プロセスを管理する農作物生産管理システムのための農作物生産管理プログラムであって、
前記農作物生産管理システムに、
農地及び当該農地における農作物の情報を検出し、検出した情報を電気通信回線を介して送信する処理と、
電気通信回線を介して前記情報を受信する処理と、
受信した情報を解析することにより農作物を育成する上で必要な農作業の実施タイミングに関する情報を抽出、通知する処理と
を実行させることを特徴とする農作物生産管理プログラム。
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