JP2006211669A - 画像処理方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 不均衡なカラーレスポンスや品質情報フィードバックの欠落などの問題を解決する、優れたエッジ処理メカニズムおよび異なる相互作用メカニズムを提供する。
【解決手段】 入力画像のデジタルアレイ表現(Ci)に基づいてプリントする際に使用する画像処理方法であって、前記デジタルアレイ内にある特定のピクセルのそれぞれについて、該特定のピクセルとの近傍ピクセル相互作用のオフセット加重平均を計算する平均計算ステップと、前記オフセット加重平均を使用して、前記画像の最終処理済みデータを作成する平均使用ステップとを含んでなる画像処理方法および装置を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一般に、用紙、透明用紙、又は他の光沢のある媒体等のプリント媒体上にテキスト又はグラフィックスをプリントする機械及び手順に関し、より詳細には、インクリメンタル(又は「デジタル」)(すなわち、コンピュータが複数の小さなプリント要素を直接制御しながら、1度に画像を、そして1度に画像の各小部分を生成することにより)プリントするための準備として、レンダリング(又は「中間調処理」)及びプリントマスキングを提供するようなシステム及び方法に関する。このようにインクリメンタルプリントは、プレスの回転又は押圧毎に画像全体を作成するより従来的なリソグラフプリント又は活版プリントとは一線を画している。
[関連出願の相互参照]
共有される米国特許明細書が本願に密接に関連している。これらの明細書は以下のものを含んでおり、これらを引用することより本明細書の一部をなすものとする。その1つは、Dillinger及びBestの名でなされた米国特許第5,333,243号公報(以下、「’243号特許」とよぶ)であり、これは、誤差拡散の導入に効果的であり、また特定のピクセルにおいて実際にプリントされる色を入力色成分の1つに制限するという原理についてのものである。
別の特許は、Joan-Manel Garciaらの米国特許第6,542,258号公報であり、これは、特にランダム性と決定論とをバランスして、プリント画像での過度の粒状性及び過度のパターニングを回避することを含む、新規のプリントマスキング法を教示する。BestとDillingerの文献及びGarcia文献において特定されるその他の特許及び出願も、引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
同様に、引用することにより本明細書の一部をなすものとするさらなる特許は、EPO(欧州特許庁)特許第571,010号公報(Balser)、第778,696号公報(Shingu(Canon))、第570,722号公報(von Kienlin)、第779,555号公報(Van Rompuy)、及び第264,302号公報(Nakazato)、並びにEPO特許出願第595,504号(Pappas)である。
デジタルプリント並びに従来のプリントでは、実際には別個の階調レベルを2つ又は少数しか表現することができないディスプレイ及びプリンタで、連続階調画像を表現する必要がある。元の連続階調画像を錯覚させるものが閲覧者に提示されるように、ドットを配置しプリントしなければならない。デジタル中間調処理は、このような装置を使用して連続階調画像をレンダリングするメカニズムを提供する。
1.演色(rendition)
過去数十年間でいくつかのデジタル中間調処理方法が登場した。これらの確立されている手法の中で最も知られているものは、行列ベースの組織的ディザ(matrix-based ordered dither)及び誤差拡散である。
前者は、ドットをクラスタ化したり、分散させるように設計することができ、これは有用な属性であるものの、周期的に繰り返されるが通常は非常に小さいセルパターンを規則的に生み出す。そして、このパターンは、プリントマスク等の他の周期的な構造又は画像データ自体の周期性とぶつかって、非常に目立ち望ましくないモアレ(moire)又はモアレ状のパターンを作り出すおそれがある。
一方、誤差拡散は、有利なことに、非周期性で非常に限られた低周波成分を含むパターンしか生成しない。これら2つは有用な属性である。しかし、誤差拡散もまた分散したドットを生成することによって動作し、スタートアップ遅延、時折「虫食い(wormy)」又は「虫が這っている(crawling)」ように見えると言われる過度に方向性を持った構造、又過度の線のぼやけ(にじみ)を生じる。この後者の欠点は、高解像度装置及び線画においては特に好ましくない。
方向性パターニングは、中間調領域において特に目立ち、好ましくない。時折、方向性パターニングが、入力画像にはまったく不適当なかなり顕著な幻影をプリント画像上に重ねてしまうほど強く表れることが発生し得る。
標準誤差拡散のさらに別の問題は色の再現性である。従来の誤差拡散によれば、対象ピクセルのための入力されたコントーン(contone:continuous-tone、連続調)色に、先に処理されたピクセルから累積された色誤差分散を加えたものを含む最も高い合計信号を有しているいずれかの色(一般にシアン、マゼンタ、又はイエロー又はブラック)を各ピクセルにプリントする。
上記の’243号特許(Best及びDillinger)において指摘したように、このような先に分散された誤差の流れは、実際にプリントされた色にそのような誤差が反映されるピクセルに最終的に到達する前に、長い距離にわたって「拡散」し得る。したがって、この選択プロトコルは、指定されたコントーン入力に関係のない色のピクセルが散在したもの、例えば、レモンに緑色のドット、芝生に青色のドット等を生み出しやすかった。
Dillinger及びBestは、単にプリントされる色(複数可)を指定されたコントーン入力を構成する原色から選択するように求めることによって、この好ましくない振る舞いを軽減し得ることを示した。実際に、この戦術は非常に上手く働いて、上で特定した特定種類の誤差をなくす。
しかし、これは、使用してもプリントアウトにおいて軽減されない、先に分散した誤差のさらに高いレベルの残余がデータアレイを流れることも意味する。これら解消されない残余は、Dillinger及びBestの制約がなかったとするならば、プリントアウトにおいて緩和されるのに十分な測色量がすでに累積されているはずのエリアの初めから終わりまで止まることなく伝搬してしまう。
したがって、特定の色の濃縮が、入力コントーン値がエクスキューズ又は「正当化(justification)」と呼ぶことができるものしか提供しないエリアに現れることがある。このような濃縮は、「エクスキューズ(excuse)」の大きさと不均衡であることがあり、多量の残余誤差フローの一因となった元の入力色成分からさらに離れたものであることがある。
BestとDillingerの方法は、標準誤差拡散処理の方向性の問題や、その結果生じる時に奇妙な形状若しくはパターンを回避しようとするものではない。しかし、この問題は、Balser、Pappas及びJohnston、並びにNakazato、またVan Rompuy及びVan Hunselの上記特許文献により対処されている(しかし、インクリメンタルプリント用ではない)。
これらの文献は、データアレイを行と列の順に規則正しく進むのではなくランダムウォーク(random-walk)を辿ることで標準誤差拡散の変形、すなわち、Dillinger及びBestの有益な色制約付き改良ではないもの、を提案しているようにみえることがある。この無方向性処理経路(nondirectional processing path)は、これに対応して無方向性の出力特徴をもたらし、これにより虫が這ったようなパターン又は虫食いパターンは実質上無くなるはずである。
このような変形例では、処理済みの各ピクセルからの誤差の分散は、少なくとも原理上、標準誤差拡散において採用される方向に限定される必要がない。むしろ、分散は、所望であれば全方向性であることができ、そして、このような仮定は、画像の最終的にレンダリングされる形を、画像全体に対する一連の連続した近似の最終結果として求めることに繋がる。
このような変形例は、標準的な(方向性のある)誤差拡散よりもはるかに計算量が大きく(computation-intensive)なりがちであるが、この欠点は、特に最高の画像品質が求められる撮像場合でなければ、致命的ではなかろう。ハイエンドプリンタ及び非常に要求の厳しいその用途では、出力品質の著しい向上の代償として或る程度の処理時間の延長を許容することができる。
デスクトッププリンタ、デジタルコピー機、及び他のタイプの再現機器への市場の関心は高まり続けている。より高速でより効率的な中間調処理方法に対する需要により、アルゴリズム設計者は、現行のインプリメンテーションを限界まで推し進めることを余儀なくされる。
将来の需要に見合うようにデジタルプリントをさらに進化させるためには、中間調処理プロセス自体に根本的な変更を行なわなければならない。問題は、従来の両方のカテゴリの利点を組み合わせ、簡易なカスタマイゼーションが可能な直観的な方法でそれぞれの限界を押し広げることができる中間調処理アルゴリズムを設計することである。
この方向でのいくらかの努力は、賞賛すべきではあるがまだ完全には目標を達成していない。具体的には、DillingerとBestの制約は、完全に異質又は関係のない特定の色のドットをプリントしないことにより色の再現性を大幅に向上させたが、非常に不均衡な濃度ではあるが色としては完全には無関係ではないようなドットのプリントを回避することはできない。Dillinger及びBestは、方向性問題の軽減を提供していない。
Balser他のランダムウォーク案は、逆に、無方向性において、そしてその結果得られるパターンにおける大幅な向上を示すことができるが、ここでも、無関係又は不均衡なカラードットの発現に対処するものではない。これらの参照文献の教示をBest及びDillingerの文献と組み合わせることはまだ提案されていないが、組み合わせられたとしてもおそらく、離れた誤差源により生じる不均衡なレスポンスは解消されないままであろう。
既知のレンダリング方法の(おそらく、あまり認識されていない)さらに別の欠点は、レンダリングされた最終的な出力画像の属性、特に、プリントされることになる画像の品質及び忠実度を、レンダリングを行う際に評価することができない、又は適宜に評価することができないことである。その結果、プロセスにより、過度の時間がプロセスに費やされるため、又は画像が不良であるため、又はこれら両方のために、レンダリングでの投資に十分に応えない画質が生成され得る。
さらに別の欠点は、従来のレンダリングプログラムは、比較的大きな記憶容量を必要とし、通常、プリントむら取り(makeready)に続く下流段階、すなわちプリントマスキングに対して何の貢献もしないことである。ハードウェアで実施されるか、ファームウェアで実施されるか、それともソフトウェアで実施されるかに関わらず、これら2種の計算量が大きなプログラムは全体的に独立しており、プログラムの記憶に必要なメモリ量は実質的に2倍になる。換言すれば、記憶装置が非効率に使用される。
さらに、記憶装置から離れて、データアレイを進んでいく実際のプロセスもまた、2回、すなわちレンダリングに1回、マスキングにもう1回行われる。これは、各ピクセルでの操作の多くが、2つのプロセスで密に関連する、すなわち「近傍」であると見なされるピクセルの或る近接度測度を確立し、近傍ピクセルの影響を考慮し、その影響の或る結果を対象ピクセルについての判断に適用し、最後にその判断を実施する場合であっても当てはまる。
また、いくつか又はすべての従来技術によるレンダリングにおける別の欠点は、プロセスステップにおいて、入力画像の局所属性、たとえば局所的なグレーエリアや勾配を考慮するようにすることは容易ではないことである。したがって、結果得られる画像は局所属性に関して微調整されず、又はここでも、本来必要な計算能力又は時間よりも高い計算能力又は多くの時間が処理に必要になり得る。同様のことが、画像データとレンダリングの間での反復、特にクラスタ化(画像の粒状性)及び他の望ましくない影響を発生させる恐れがあるいくつかの反復の取り扱いについて見られる。
さらに、単一ビットバイナリプリントには有用である従来のレンダリングプロセスは、マルチレベルプリント(たとえば、2ビット又は3ビットの測色データ深度を使用するマーキングシステム)に適用される場合にかなり扱いにくくなることがある。したがって、単一のプリンタに2ビット深度以上のマーキング能力を設けるべき場合には、プログラムの記憶に必要なメモリ容量のさらなる重複が発生する。しかし厳密には、この種の多用途動作は、ラフドラフト、又は商業的グラフィックスプロジェクト、又は4レベル又は8レベルではなく2レベル又は4レベルしか元々必要としない他の画像を素早く効率的に出力できるため、ハイエンドプリンタにおいて特に有利である。
デジタルレンダリング(又は「中間調処理」あるいは「ハーフトーニング」)方法についての上記考察は、有利な代替の演色方法を提供する本発明に関連する。しかし、本発明は、「プリントマスキング」として知られるデジタル又は「インクリメンタル(incremental)」なプリントむら取り方法にも用途を有する。以下は、プリントマスキングする理由と、このようなマスキングを最適化するためのいくつかの既知の考慮事項とについての考察である。
2.プリントマスキング
インクジェットプリントでは、水性インクを使用して鮮明な色を実現するため、そしてアドレス指定可能なピクセルロケーション間の白色スペースを実質的に充填するため、十分な量のインクを用いなければならない。しかし、そのようにするためには、蒸発(また、プリント媒体によっては吸収)により基剤である水を後に除去する必要があり、この乾燥ステップに過度に時間がかかることがある。
さらに、多量のインクが、画像の各セクション内にすべてほぼ同時に使用されると、関連して大量色材使用の悪影響が発生する。すなわち、いわゆる或る色が別の色に「滲む」(特に、鮮鋭であるべき色の境界において目立つ)、或るプリント画像の色材が隣接シートの裏面に「ブロッキング」あるいは転写されて、結果として2枚のシートが(又は1枚のシートが、装置の各部に、若しくは画像形成されたシートを保護するために使用されるスリップカバーに)くっつく、そして、プリント媒体の「しわ」又はパッカーリング(puckering)が発生する。併用して、これら不都合な乾燥時間の影響及び多量の色材又は色材量の影響を緩和する種々の方法が知られている。
(a)従来の加熱法 − これらの方法の中には、インクの付いた媒体を加熱して基剤である水又は担体の蒸発を加速させるものがある。しかし、加熱にはそれ自体に制限があり、プリント媒体の熱変形に起因する他の問題が生じる。
光沢のある用紙は熱を受けてかなり反り、透明シートもまた、熱に対する耐性は通常紙よりもいくらか劣ることがある。したがって、加熱は、このようなプラスチック媒体の乾燥特徴の限られた改良しか提供してこなかった。
用紙に関しては、熱及びインクの付与により寸法が変化し、これは画像又はグラフィックの品質に影響する。具体的には、インクに接する前に加熱により用紙に事前準備を施すことが好ましいことが分かっており、事前加熱が提供されない場合には、ページの末尾が解放されるときに各ページの末尾にわたって形成される直線の画像不連続帯の形態をとるいわゆる「ページエンドハンドオフ(end-of-page handoff)」品質欠陥が発生する。
しかし、事前加熱は水分含有量を低下させ、結果として紙繊維が縮む。このような状況下で用紙の寸法を保つために、用紙は張力がかかった状態に保たれるが、これはさらに他の寸法に関する面倒な事態及び問題に繋がる。
(b)従来のプリントモード法 − 別の有用な方法は、各パスで白いままに残される何らかのエリアが1つ又は複数の後続パスでプリントされるように、ペンの各パス毎に、画像の各セクションに必要な総インクの一部のみを塗布する方法である。これは、いかなる時点においても、ページ上にある液体の総量を低減することによって、滲み、粘着、及びしわを制御するとともに、乾燥時間の短縮を促進することができる。
各パスにおいて採用される特定の部分インク付与パターン及びこのような異なるパターンを合わせて単一の完全にインク付与された画像にする方法は、「プリントモード」として知られている。当業者はこれまでに、プリントモードの多くの異なる変形及び改良を開発し、一般に、このような方法の多くでは、改良があればそれぞれ固有の改悪点が生じることが分かっている。
たとえば、正方形又は矩形の碁盤目様パターン等のプリントモードは、得てして、さきほどディザマスクについて上述したように、パターン内で生成される周波数又は高調波が、相互作用しているサブシステムの周波数又は高調波に近い場合に好ましくないモアレ作用を生み出す。このような干渉周波数は、たとえば、用紙の進行又はペンの速度を制御するのを助けるために使用される場合があるサブシステムにおいて発生することがある。
(c)方向性の影響 − プリントモード法に関連する別の問題は、このような方法が誤差拡散のように、特にプリントマスクがそれ自体方向性を持って進むアルゴリズムにより生成される場合に望ましくない方向性パターニングを発生させ得ることである。これから分かるように、この問題は本質的に、本発明を適用してプリントマスクを生成することを通して回避される。
(d)プリントモードの既知の技術:概略紹介
所望量のインクをペンの2つ以上のパスに分ける1つの特に単純な方法は、上述した碁盤目パターンであり、互い違いのピクセルロケーションが1パスでプリントされ、その後、空白が次のパスで充填される。
上述した水平の「横縞」問題を回避する(そして、時にはモアレパターンを最小に抑える)ために、用紙がペンの各プリント帯初期走査と対応するプリント帯充填走査(複数可)との間で進行するようなプリントモードを構築することができる。実際には、各ペン走査の一部が(プリント媒体の一部に対する)プリント帯初期走査として、各ペン走査の一部がプリント帯充填走査として機能するような仕方によって、このことを行うことができる。
ここでも、この方法は、低減することが不可能又は高価であるプリント機構の誤差を累積するのではなく拡散させる傾向がある。その結果として、誤差の顕著さが最小コストで最小に抑制される、単純にいえば隠れることになる。
(e)空間回転プリントモードマスク及び掃引回転プリントモードマスク−各ノズルセクションをプリントする際に使用されるパターンは、「プリントモードマスク」として知られている。「プリントモード」という用語は、より一般的であり、通常、マスクの記述、完全な濃度に達するまでに必要なパス数、及び「完全な濃度」を定義する1ピクセル当たりの滴数を包含する。
ペンパターンがペンアレイ全体にわたって一貫しており、パス間で決して変更されない場合であっても回転が行われるマスクの「自動回転」を含む、いわゆるマスクの「回転」について比較的十分な考察が、Lance Clevelandに発行されHewlett-Packard社に譲渡されたいくつかの特許において見られる。
3.従来の演色及びプリントマスキングのスループット及び他のマイナス要因
プリントモードの恩恵に伴うさらに別の欠点は、スループット又は全体的なプリント速度が遅くなることである。スループット(プリント速度)は、インクジェットプリンタにとって極めて重要なセールスポイントの1つである。
主要なスループットの制限要因の1つは、大方、単一パスで媒体が受容可能なインク量に制限があるので所与のエリアをいくつかの走査又はパスに分ける必要があることであるが、レジストレーション誤差により生じる好ましくないアーチファクトを制限したいことにもよる。
このようなことは既知であるが、プリントモードの一般に認識されない側面は、全体画像でのスループット低下の多くが、画像の一部だけのマスキングする必要があるために全体的なスループットの低下が生じることである。残りの低下は本質的に無駄なものである。
インクリメンタルプリンタはこれまで、最も一般的にはユーザのモード選択に従ってプリント方式又はプリントモードを最初に選択し、その後、各プロット全体を通してそのプリントモード選択を使用するようにプログラムされてきている。しかし、プリントモードは、パスの数及びプリント速度が選択されている状態での品質とスループットとのトレードオフを表す。
したがって、始めにパスの数を選択し、上述したようにプロット全体を通してこれを使用することは、スループットを大きく低下させてしまう単純化であるといえる。
インクジェットプリントの「パイプライン」は、画像プリントのためにデータを準備するために画像データが通過する一連の変換のことである。パイプラインを簡単に図示すると3つの主要ステップを有する。
・色空間変換 − 画像が元の色空間から、プリンタの色能力に合うように変換される。たとえば4ペンのプリンタでは、1ピクセル当たり8ビットのRGB画像が、1ピクセル当たり8ビットのCMYK画像に変換される。
・ビット深度低減又は中間調処理 − プリンタは、1ピクセル当たり少量、通常は1滴、2滴、又は3滴のインクしか使用することができないであろう。1ピクセル当たり8ビット、全範囲で256色が可能な入力画像内のピクセルは、最も一般的に、単一ビット、すなわち1又は0(噴射するかしないか)に変換する必要がある。
中間調処理プロセスは、平均滴密度が原画像のレベルに合った視覚的印象を与えるように、プリントすべきピクセルを選択することによってこれを実現する。ビット深度低減は本質的には、どこにプリントするかを選択することによって実現される。
・パス分離又はマスキング−大半の場合において、プリンタは、上述した理由により、ページを横切る1走査ではすべての滴をプリントすることができない。そのような理由としては、プリント媒体が許容できるインク量の制限、ノズルが噴射できる頻度、及びプリント結果に好ましくないアーチファクトがないようにレジストレーション誤差を拡散させたいという望みが挙げられる。
この問題に対する従来のマスキングソリューションは、媒体を横切って数回走査することであり、走査の都度、滴の一部を噴射して媒体を進行させる。したがって、言葉「マスキング」は、本質的に、各滴をいつプリントするかの選択を意味する。
プリントパイプラインのこれら最後の2つの部分の間には強い相互作用がある。おそらく最も基本的なものは、両方ともピクセルに対して選択ステップ、すなわち中間調処理によりいずれをプリントするかが判断されること、及びマスキングによりこれらの中からいずれを所与のパスでプリントするか、又は換言すればいずれのピクセルがいずれのパスでプリントされるかが判断されることを適用することである。
中間調処理アルゴリズム及びマスキングアルゴリズムは両方とも、2つの選択の結果として識別可能なアーチファクトなしで満足のいくパターンが生成されるように入念に設計される。個々に満足のいく2パターンを組み合わせても、その組み合わせが必ずしも満足のいくものであるわけではないため、2つの選択が組み合わせられる場合に問題が生じる。
これはおそらく、マスク設計において最も基本的な問題である。マスク設計者は、各パスで塗布されるできるだけ最良のパターンを選択するが、結局、実際にプリントされるパターンは、マスクパターンと中間調処理により選択されるパターンとの組み合わせ(「AND」ステップ)になる。
したがって、マスク設計者は決して、マスクが実際に用紙上でどのような見た目になるかを本当に知ることはない。関連する周波数での中間調処理とマスキングの間の対抗(干渉)が、マスキングと中間調処理の間の唯一の相互作用ではない。
4.背景についての結論
まとめると、一律に優れたインクジェットプリントの実現は依然として、方向性、不均衡なカラーレスポンス、品質情報フィードバックの欠落、記憶空間及び処理ステップの共有の欠如、レンダリング中の画像の局所属性を考慮することの欠如、並びにレンダリングプロセス自体とのこのような属性の相互作用についての上記問題により妨げられたままである。したがって、本発明の分野において用いられる技術の重要な諸局面には、有用な改良を行う余地が残されている。
本発明はこのような改良を紹介する。好ましい実施形態では、本発明は、独立して使用することができるいくつかの態様又は側面を有するが、これら態様又は側面を一緒に採用してそれぞれの恩恵を最適化することが好ましい。
第1の側面又は態様である好ましい実施形態により、本発明は、入力画像のデジタルアレイ表現に基づくプリントに使用される画像処理方法を提供する。「画像処理」という語句は、特に画像レンダリング又はプリントマスキングのいずれか一方又は両方を包含する。
本方法は、本明細書では特定のピクセルとの近傍ピクセルの相互作用の「オフセット加重平均」と呼ぶものを計算するステップを含む。(「オフセット加重平均」という語句の意味については間もなく明らかになろう)。
「近傍ピクセル」という語句は、計算に最近傍のピクセル(複数可)のみが関わることを必ずしも要求しないが、アレイ内の最遠隔のピクセルの関与を要求するように拡張もされない。本質的にこの語句は、当業者に明らかな程度等、本質的にいずれの妥当な程度の局所性を包含する。所望であれば、種々の距離にあるピクセルの影響を距離で重み付けすることができる。
この計算するステップは、デジタルアレイ内の実質的に特定のピクセルのそれぞれに対して行われる。「実質的に」という用語は、本発明のこの態様の定義が当業者に容易に理解されるように、「特定のピクセルのそれぞれに対して行われる」という文言に対する単なるうわべ又は表面的な例外により制限されないことを明らかにするようにここに包含されている。
たとえば、「実質的に」という用語は、添付の特許請求の範囲の中のいくつかに現れる。このような場合には、単にいくつかの比較的少数のピクセルに対して、又は時により、又は一時的に、計算ステップをスキップすることだけ等により、特許請求の範囲を逃れられるものではない。
また、オフセット加重平均(offset weighted averages)を使用するステップも含まれる。オフセット加重平均は、最終処理済みデータの画像を作成する際に使用される。
上記は、本発明の第1の態様又は一態様の説明又は定義を最も広義又は最も一般的な形態で表すことができる。しかし、これら広義の用語で表されても、本発明のこの一態様が当該技術分野を重要な点で進歩させることが分かる。
特に、レンダリング用途の場合には、理解されるように、オフセット加重平均の使用は、従来の誤差拡散の望ましくない方向性のある操作から逃れる1つの有効な手段となる。したがって、この方法によれば、従来の誤差拡散において一般的な結果として生じる方向性パターニングからも逃れることができる。
さらには、上述したBalser他により紹介されたランダムウォーク版の誤差拡散と比較して、本発明のこの第1の態様は、厳密な測色誤差計算が存在しないという利点を有する。想起されるように、DillingerとBestの方法であっても、画像内の離れた生成ポイントからの誤差が長距離にわたる拡散及び濃縮によって不均衡な(場違いな)色の発現を生じる。
同時に、本発明のこの態様によれば、ディザマスキングに特有の反復も回避することができる。ここでの恩恵は、モアレ等の干渉パターンに対する弱さが大幅に低減されることである。
さらに、プリントマスキング用途の場合には、本発明のこの第1の一態様のオフセット加重平均によって、全体動作の簡易化及び効率化が可能となる。単一の比較的簡易なコアプログラムモジュール(たとえば、高度に最適化されたハードウェアに実装される)に、レンダリング及びマスキングの両方に関連するタスクを実行するに当たって2役を行わせることができる。
本発明の第1の主要な態様は、このように当該技術分野を大幅に進歩させるが、それでもやはり恩恵の享受を最適化するために、好ましくは、本発明は、特定の追加機能又は特徴と併せて実施される。特に、好ましくは、画像の最終的な処理済みデータに至るまでの一連の連続した近似での実質的にすべての段階において平均の変更を求めるステップも含まれる。
ここでも、「実質的に」という用語は、競業者が表面的な戦術によりこの説明又は対応する請求項の言語の広がりから逃れることができないことを明白にするために含められている。たとえば、単に求めるステップを時々だけ、又は或る重要でない数の段階の間のみ省くことだけ等で逃れることはできない。
さらに別の基本的に好ましいことは、変更自体を用いて、特定の段階における特定のピクセルの値を、その特定の段階で次の段階における異なる値に変更すべきか否かを判断する。換言すれば、平均の求められた変更(又は予期される変更)に関連する数量が適用されて、特定の値を変更すべきか、それともそのまま残すべきかを確立する。
好ましくは、計算するステップが、
(Sjk+ij)/(Sk+1)
として各オフセット加重平均を見つける。式中、
jkは、近傍ピクセルkによる加重影響と特定のピクセルjの仮定値との積の和を表し、
jは、特定のピクセルjに可能な値を表し、
kは、近傍ピクセルkの影響の和を表す。
この基本的に好ましい例を採用する場合、好ましくは、各加重平均が、単純な加重平均から、分子及び分母のそれぞれにおいて項+ij及び+1の影響だけずれたものであることが明らかであろう。この場合、2進値系では、項+ijに選択される特定の2進値が値ijの算術符号に依存し、多数離散値系では、項+ijに選択される特定の離散値が、値ijの、利用可能な多数の値内で、デジタル解像度に依存することがさらに好ましい。
この後者の場合、手順の各ポイントにおいて考慮すべき多数の値がある。(本明細書では、「多数の」、「多数」という用語、及び「多」の接頭語は、「3以上」を意味する)。
いくつかの他の基本的に好ましいことがある。特に、好ましくは、本方法は、ピクセルの中間段階値の誤差を、その計算後に近傍ピクセルに明示的に分散することを含まない。好ましくは、使用するステップは、特定のピクセルの仮定値を変更すべきか否かを判断する際に用いるための確率的重みを計算することを含む。
好ましくは、使用するステップは、値の変更を実際に行うか否かを判断する際に、ランダムに選択された弁別子(discriminator)を適用して、計算された確率的重みを摂動させることをさらに含む。2値レベルシステムでの実際問題として、このような値の変更は、理想的には、レベル反転の形態をとる。好ましくは、本方法は、多数の(すなわち、少なくとも3つの)連続近似の収束を通して画像の最終的な処理済みデータを求めるステップも含む。
好ましくは、デジタルアレイ内の特定のピクセルはそれぞれ、アレイを通してのランダムウォークにより選択される。好ましくは、計算するステップ、判断するステップ、及び使用するステップは、離散レベル、及び各ピクセルでの各離散レベルと真のコントーンレベルとの誤差(もしあれば)を確定することを含むが、各ピクセルを計算した後、各ピクセルからの誤差の近傍ピクセルへの明示的な分散は含まない。
この最後に言及した基本的に好ましいことが観察されると、2つの代替の次なる好ましいことが関与してくる。すなわち、好ましくは、離散レベルは2つの2値レベル又は多値レベルである。
また、他に2つの基本的に好ましいことがある。画像処理は、好ましくは、インクリメンタルプリントに対する準備として画像レンダリングを含み、又はインクリメンタルプリントに対する準備としてプリントマスキングを含む。
第2の主な又は主要な独立した一態様又は態様の好ましい実施形態では、本発明は、入力画像のデジタルアレイ表現に基づくプリントに使用するための画像レンダリング方法である。本方法は、画像の最終的なレンダリング済みデータで使用するための特定の離散値を仮定するステップを含む。このステップは、デジタルアレイ内の実質的に特定のピクセルのそれぞれに対して行われる。
別のステップは、各離散値を異なる離散値に変更するか否かを判断することである。このステップは、画像の最終的なレンダリング済みデータへの一連の連続した近似における実質的にすべての段階において行われる。
加えて、実質的にすべての各段階において行われるさらなるステップは、実質的にすべてのピクセルに、判断するステップにおいて用いる確率的重みを計算する。「確率的重み」とは、特定の値の変更が行われる相対尤度(又は場合によっては頻度)を制御するように働く数又は等価物か、又はこのためにホストシステムが適用する数又は等価物を意味する。
本発明の第2の主要な一態様のこの説明中に4回出現する「実質的に」という用語を含んでおり、ここでも、「仮定する」ステップが或る少数のピクセルに対して省かれる場合、判断するステップが或る取るに足らない数の段階で省かれる場合、又は計算するステップが或る重要ではない数の段階又はピクセルで省かれる場合であっても、ある方法が本発明の態様に含まれないことを明らかにしている。
上記は、本発明の第2の態様又は一態様の説明又は定義を最も広義又は最も一般的な形態で表すことができる。しかし、これらの広義の用語で表されたとしても、本発明のこの一態様が当該技術分野を重要な点で進歩させることが分かる。
特に、確率的手法を用いることにより、上述した連続近似を用いることとの一貫性をもって、画像全体を所望の状態に向けて漸進的に導くことが容易になる。この方法は、従来の誤差拡散のように個々のピクセルを決定論的に1度だけで最終状態にするのではなく、またディザリングのように反復パターンを用いることなく、データアレイを全体として所望のレンダリング状態に進める。
したがって、本発明は、その結果ここでも、方向性のあるパターニングもなければ周期的なパターニングもないレンダリングを可能にするのに役立つ。ランダムウォーク版の誤差拡散と比較して、本発明の第2の主要な一態様には、上述したような従来の誤差拡散法に対して誤差を不適切な画像領域に強制的に伝搬させるような、同じ柔軟性のない誤差断片の演算を回避するとともに、演色だけ又はプリントマスキングだけにメモリ記憶容量及び処理時間を用いることの非効率性を回避するという利点がある。
本発明の第2の主要な態様は、このように当該技術分野を大幅に進歩させるが、それでもやはり恩恵の享受を最適化するために、好ましくは、本発明は、特定の追加機能又は特徴と併せて実施される。特に、本方法が、特に、実質的に連続階調の入力画像を数値的に近似するデジタル表現からインクリメンタルプリントで使用するためのものである場合、好ましくは、計算される確率的重みは、全体として考えて、値のアレイ全体を、連続階調入力画像を視覚的に近似した最終形態に向けて進めるように動作する。
また、デジタル入力アレイよりも粒度が少なくとも8倍のスケールに離散値を配列することも好ましいが、このことは本発明の動作の文脈又は環境の問題としてである。実際には、このことは、システムが実際に、空間平均化のためにビット深度を犠牲にすることによって中間調処理を行っている、すなわちビット深度を低減しているという概念の数学的表現にすぎない。たとえば、データがすべて2進系であるが種々のビット数を用いて表現される場合、好ましくは、レンダリング後の画像の離散値のビットは、入力データのビットよりも少なくとも3ビット少ない。
換言すれば、256個の測色レベルがデジタル入力データで認識される場合(すなわち、8ビットの2進数)、好ましくは、レンダリング後の画像の離散値の数は、256/8=32値(8−3=5ビットの2進数)以下になる。別法として、レンダリング後の画像が単純な1ビットの2進数である場合、好ましくは、入力データの測色レベルの数は少なくとも2×8=16レベル(1+3=4ビットの2進数)である。
別の基本的に好ましいことは、一連の中に多数の連続した近似を含み、多数の連続した近似を収束させることを通して画像の最終的なレンダリング済みデータを求めるステップをさらに含むことである。この場合、次なる好ましいことは、ある多数が3〜6個の連続した近似であることである。
この好ましいことから離れたいくつかの特別な場合としては、たとえば特定のオールブラック画像でのソリッドカラーのいわゆる「画像」が挙げられる。このような画像は、通常、ただ1つのステップに収束させることができる。
より一般には、収束は、単に、連続値のアレイ全体が変化していない、又は前よりもはるかに低感度で変化していることを観察することによって見極められる。手順の異なる部分に各種のランダム化処理を用いることは、たとえば、システムが真に最適な状態ではなく局所極大のみ又は局所極小のみに引き寄せられるのを回避するように、秩序立った収束を保つのに役立つ。
したがって、好ましくは、本方法は、特定の値の変更を実際に行うか否かを判断するにあたって、ランダムに選択された弁別子を適用して、計算された確率的重みを摂動させるステップも含むことが理解されよう。弁別子は、一般に、値を変更すべきか否かについて継続/中止判断を行うために重みと比較される数である。
いわゆる「確率的」重みを適用した結果を拡張又は拡散するために、弁別子でのいくらかの時間のばらつきが通常必要である。仮に重みが摂動せずに動作することが許されれば、(代替の対策をとらない場合には)1/2を超える重みは常に値の変更を発生させ、1/2未満の重みは決して値の変更を発生させないであろう。
したがって、この厳密なパターンを緩和する、又はこの厳密なパターンに影響を及ぼすために、系統的に(たとえば、予め確立されるスケジュールに従って段階的に)選択される弁別子でさえも、判断結果のパターンをいくらか拡散させる役割を果たすことができる。しかし、望ましくない種類のパターニング、たとえば、ディザリングシステムに見られるパターニング等が再び持ち込まれるおそれがある。
したがって、ランダム又は疑似ランダムに選ばれる弁別子は、確率的重みを使用するにあたって暗黙的である確率的分散を表現するというより良い仕事を行う。ランダム化されたこのような弁別子は、最終結果出力レベルをより平滑に分散させる。
別の好ましいことは、デジタルアレイ内の特定の各ピクセルが、アレイを通してのランダムウォークによって選択されることである。別の好ましいことは、本方法が、ピクセルのレンダリングされた値の誤差を、計算後に近傍ピクセルに明示的に分散することを含まないことである。
第3の独立した主要な一態様又は態様の好ましい実施形態では、本発明は、入力画像のデジタルアレイ表現に基づいて所望の入力画像を形成する装置である。本装置は、レンダリング済み形態の画像において、デジタルアレイ内の特定の各ピクセルにて使用するための特定の離散値を仮定又は確立する或る手段を備える。本発明の考察の一般性及び幅のために、これら手段を単に「仮定手段」と呼ぶことにする。
また、最終レンダリング済み形態の画像に対する一連の連続した近似での実質的に各段階において、各値の特定の候補の、別の値への変更を行うか否かを判断する或る手段も備えられる。これら手段も、ここでも幅及び一般性のために「判断手段」と呼ぶことにする。「最終的なレンダリング済みデータ」の概念は、通常、人間の観察者が見るために実際に提示される、複数のピクセルの視覚的平均化により少なくとも或る程度まで見掛けの色が形成された画像のデータまたは態様に関連する。
本発明の第3の一態様は、実質的に各段階において実質的に各値を変更すべきか否かを判断する際に判断手段が適用する、ランダム又は疑似ランダムに選択される弁別子を取得する或る手段も備える。これら手段をここでも「取得手段」と呼ぶことにする。
上記は、本発明の第3の態様又は一態様の説明又は定義を最も広義又は最も一般的な形態で表すことができる。しかし、これら広義の用語で表されても、本発明のこの一態様が当該技術分野を重要な点で進歩させることが分かる。
特に、理解されるように、「ランダム化された」と呼ぶことができる弁別子を使用することには、使用しない場合に判断するステップの各種形態で発生し得る比較的量子化される測色レベルを拡散又は分散させるという有利な効果がある。より具体的には、本発明のこのような形態では、これにより本発明の一態様は、好ましくない色の疑似輪郭を抑制する傾向にある。
本発明の第3の主要な態様はこのように当該技術分野を大幅に進歩させるが、それでもやはり恩恵の享受を最適化するために、好ましくは、本発明は、特定の追加機能又は特徴と併せて実施される。特に、好ましくは、判断手段は、弁別子を値の各候補変更の属性と比較する。
また好ましくは、属性は、値の候補変更を行うことの望ましさを記述する確率的重みである。この好ましいことが観察される場合、一連の中に、多数の連続した近似が含まれること、またさらに、本装置が、多数の連続した近似の収束を通して、最終版である画像のレンダリング済み形態を見つける手段も備えることがさらに好ましい。
確率的重みを用いる装置、特に多数の連続した近似の収束により動作する装置の場合、ランダム化弁別子の意義が特に容易に見られる。推定確率的環境では、ランダム要素がなければ、システムは確実には、又は少なくとも、入力データアレイを理想的に近似する最適なアレイには収束しない可能性がある。
これは、たとえばコントーン=200の場合での、ダイナミックレンジのいずれかの端付近、すなわち、暗い影又は強烈なハイライトでの測色値の場合に特に厄介であり得る。別の不都合な結果はおそらく、反復性パターニング及び色の疑似輪郭である。弁別子のランダム属性が収束率を制御することが分かろう。
本発明の最初の2つの一態様について上述した他の種々の好ましいことは、たとえば、デジタルアレイ内の特定の各ピクセルの好ましい選択はアレイを通してのランダムウォークによること、及びピクセルのレンダリングされた値の誤差を、計算後に近傍ピクセルに明示的に分散する手段がないことを含め、ここでも同様に当てはまる。
第4の主な一態様又は態様の好ましい実施形態では、本発明は、入力画像のデジタルアレイ表現に基づいてプリントするに当たって使用される画像処理方法である。本方法は、デジタルアレイ内の特定のピクセルの実質的にそれぞれに対して、その特定のピクセルとの近傍ピクセル相互作用の数値表現を計算するステップを含む。
本方法は、計算するステップにおいて使用する近傍ピクセルを何が構成するかを定義するに当たって使用する距離カットオフ(distance cutoff)を確立するステップも含む。(このステップは、いずれのカットオフも、任意であれ或る基準に基づくものであれデータを破棄する影響を有するため、いくらか反直観的なものであろう。)
さらに別のステップは、数値表現を用いて、特定のピクセルの色値を異なる色値に変更すべきか否かを判断することである。本発明のこの第4の態様の主な利点は、特定のピクセルから或る指定距離を超えるすべての相互作用の計算をなくすことによって計算負荷を大幅に低減することができることである。
第5の主な独立した一態様又は態様の好ましい実施形態では、本発明は、入力画像のデジタルアレイ表現に基づいてプリントするに当たって使用される画像処理方法である。本方法は、入力画像の複数の領域のそれぞれに対して、望ましい、又は理想的なプリントパス数をそれぞれ確定するステップを含む。
本方法は、画像の少なくともいくつかの複数の領域に実際に使用するプリントパス数を所定数に合わせるステップも含む。上記は、本発明の第5の態様又は一態様の説明又は定義を最も広義又は最も一般的な形態で表すことができる。しかし、これら広義の用語で表されても、本発明のこの一態様が当該技術分野を重要な点で進歩させることが分かる。
特に、この方法は、始めにプリントパス数をプロット全体に対して最も厳しい値に設定することによって有価値のスループット能力を低下させる先に述べた問題を全体的に回避する。それでもやはり恩恵の享受を最適化するために、好ましくは、本発明は、特定の追加機能又は特徴と併せて実施される。特に、好ましくは、本発明の第5の態様又は一態様は、上述した最初の4つと共に実施され、また、以下紹介する第6の態様又は一態様と共にも実施される。
第6の主要な独立した一態様又は態様の好ましい実施形態では、本発明は、入力画像のデジタルアレイ表現に基づいてプリントするに当たって使用される画像処理方法である。本方法は、行列ベースの中間調処理及びプリントマスキングの組み合わせを統合された手順にするステップを含む。
本方法は、統合された手順により中間調処理されてプリントマスキングされた画像をプリントするステップも含む。上記は、本発明の第6の態様又は一態様の説明又は定義を最も広義又は最も一般的な形態で表すことができる。しかし、これら広義の用語で表されても、本発明のこの一態様が当該技術分野を重要な点で進歩させることが分かる。
特に、本発明のこの第6の一態様は、上述した別個の調整のとられていないプリントマスキング及びレンダリングの欠点及びマイナス面を本質的にすべて無くす。本発明の第6の主要な態様はこのように当該技術分野を大幅に進歩させるが、それでもやはり恩恵の享受を最適化するために、好ましくは、本発明は、特定の追加機能又は特徴と併せて実施される。
特に、好ましくは、統合された手順は、中間調処理及びプリントマスキングの両方に作用する単一のステップを含む。別の好ましいことは、中間調処理マスクを所要又は所望の最大パス数と同数の容器に量子化されることである。この基本的に好ましいことが観察される場合、さらに好ましいことは、容器がすべて同じサイズであるとは限らないことである。
別の基本的に好ましいことは、画像中の複数の領域の少なくともいくつかにおいて使用されるパス数が、領域で所要又は所望の最大パス数のそれぞれに合わせられることである。この場合、2つの次なる好ましいことは、複数の領域の少なくともいくつかにおいて不要なパスをスキップすること、及び、少なくとも1つの特定の領域において、付近の領域でパスが所要又は所望されることにより利用可能なパスを、その特定の領域で必要ない場合であっても使用することである。さらに別の基本的に好ましいことは、統合された手順が、アレイの各要素毎に、各パスでプリントすべきか否かを判断することである。
第7の主要な独立した一態様又は態様の好ましい実施形態では、本発明は、入力画像のデジタルアレイ表現に基づいてプリントするに当たって使用される画像処理方法である。本方法は、中間調処理及び美的な視覚効果を得るための画像フィルタリングを組み合わせて単一の統合された手順にするステップを含む。
本方法は、統合された手順により中間調処理されてフィルタリングされた画像をプリントするステップも含む。上記は、本発明の第7の態様又は一態様の説明又は定義を最も広義又は最も一般的な形態で表すことができる。しかし、これら広義の用語で表されても、本発明のこの一態様が当該技術分野を重要な点で進歩させることが分かる。
特に、本発明のこの態様は、上述した同時に行われる中間調処理及びプリントマスキングの驚くべき効率性をさらにまた拡張する。
本発明の第7の主要な態様は、このように当該技術分野を大幅に進歩させるが、それでもやはり恩恵の享受を最適化するために、好ましくは、本発明は、特定の追加機能又は特徴と併せて実施される。特に、好ましくは、統合された手順は実質的に、中間調処理及びフィルタリングの両方をほぼ同時に行うために畳み込み重み(convolution weight)が割り当てられるイジングモデルプロセス(Ising-model process)により行われる。
本発明の上記動作原理及び利点はすべて、添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を考慮することでより十分に理解されよう。
1.序論
デジタル又はいわゆる「インクリメンタル」プリントでは最も一般的に、連続階調画像を2値レベル動作、すなわち完全飽和インクで印を付けるか、それとも全く印をつけないかのいずれかしかできないプリンタ及びいくつかのディスプレイで表現する必要がある。このような動作は、単一のバイナリビットで表すことができる。
プリンタ及びディスプレイによってはこれに代えて、通常、2つ又は3つのバイナリビットを有し、それ故に、最大で23=8個の離散レベルを提供する多値レベルベースで動作するものもある。このような動作によっては、複数のインクドット(時に、種々の濃度又は飽和度のインク又は異なる滴サイズのインク)を重ねることに対応するものもあれば、これに代えて最終出力段階での2値レベル動作により実施されるものもある。
このようなシステムのいずれでも、元の連続階調画像を錯覚させるものが閲覧者に提示されるようにドットを配置してプリントしなければならない。デジタル中間調処理は、このような装置を使用して連続階調画像をレンダリングするメカニズムを提供する。
過去30年間、いくつかのデジタル中間調処理方法が進化したが、最も普及し知られている方法は、行列ベースの組織的ディザ及び誤差拡散である。後者は、低周波成分が限られた非周期性のパターンを生成し、これは有用な属性であるが、分散したドットはスタートアップ遅延、虫食い構造、及び過度の線のぼやけを受け、過度の線のぼやけは高解像度装置及び線画において特に望ましくない。
一方、組織的ディザは、適宜設計されたディザ行列を使用することにより、生成されたドットをクラスタ化又は分散させることが可能である。しかし、規則的なディザパターンが出力ピクチャにはっきりと見えてしまう。
デスクトッププリンタ、デジタルコピー機、及び業界プレスへの市場の関心が高まるにつれ、より高速でより効率的な中間調処理方法に対する需要により、アルゴリズム設計者は現行のインプリメンテーションを限界まで推し進めることを余儀なくされる。将来の需要に見合うようにデジタルプリントをさらに進化させるためには、中間調処理プロセス自体に根本的な変更を行なわなければならない。
問題は、従来の両方のカテゴリの利点を組み合わせ、簡易なカスタマイゼーションが可能な直観的な方法でそれぞれの限界を押し広げることができる中間調処理アルゴリズムを設計することである。
本発明は新規の方法を提供する。メトロポリス・モンテカルロ・アルゴリズム(Metropolis Monte Carlo Algorithm)を通して物理の問題の類のソリューション、特に二次元イジングスピンモデルに数学的に類似する。
本発明は、デジタル中間調処理目的及びマスキング目的の両方のために単純、堅牢で柔軟性の高いディザ行列の設計メカニズムを可能にする。デジタル中間調処理方法はいくつかの有望な特徴を呈する。
低い実施複雑性で画像の鮮鋭さ、並びに代替の誤差拡散及び行列ベースのディザリングアルゴリズムからの確率的ドット配置を保つことの他に、本発明は、出力依存フィードバックにより中間調画像をレンダリングする能力を提供する。
さらに、本発明は、中間調処理アルゴリズムのスペクトル属性を入力画像の局所属性、たとえば入力画像の局所グレースケール値又は勾配に容易に適合させる能力を提供する。また、クラスタ化及び他の効果に繋がる相互作用が可能なようにも適合可能である。
さらに、本発明のアルゴリズムは、並列処理によく適し(このため、この方法の比較的高い計算負荷を克服する)、また、異なる滴サイズ又は1ピクセル当たりに多数の滴を考慮する多値レベルインプリメンテーションに拡張可能でもある。さらに、この手法は、所与の画像位置での近傍の影響を制御する重み行列を、マスキングプロセス中のパス選択を条件付ける制約として解釈し直すことができるため、マスク生成の分野でのさらなる適用潜在性を提供する。
以下は、中間調処理のために開発されたいわゆる「平均場(mean field)」法の概観及びアルゴリズム的手法を構成するいくつかの基本構成要素についての概要である。この情報の後には、この概念に基づき、実施例により示されるいくつかの結果が続く。本発明のさらなる拡張についての特定の推奨も含まれる。
2.平均場理論を採用した行列設計アルゴリズム
平均場理論は、統計物理学、量子力学(断熱近似)、力学、流体力学において多体粒子系内の相互作用を取り扱うための近似法である。平均場理論を中間調処理に採用するために、本明細書では、中間調処理済みの画像の特定の各ピクセルを、近傍の構成及びそのピクセルに作用しているコントーン値に応じて異なる状態をとることができる単一の粒子として解釈する。
「状態」という用語が物理学及び力学においてはより適当であると思われ得るが、色を指すに際しては「値」という言葉がより適しているであろう。本明細書では、これら2つの用語を区別なく使用することにし、これらを同義語とみなすことにする。
簡単のために、本明細書では、状態の数が2に制限され(2値中間調処理アルゴリズムに対応する)、コントーン値は−1〜1の範囲に正規化されるものと仮定する。中間調行列に沿って等間隔のスピン(磁気モーメントと等価)siの二次元集合を考える。
スピンは2つの方向しか指すことができない(上又は下)。本願では、「上」方向は1のコントーン寄与に対応し、「下」方向はコントーン値−1に対応する。
さらに、全体格子の特定の構成又は微視的な状態は単純に、全格子サイトの変数s1、s2、…、sνの集合により指定されるスピンの特定の配置である。但し、添え字は一次元に保たれ、サイトの総数νは、画像アレイを構成する行数と列数の積ν=nrowscolsとして定義される。
最も単純なイジングモデルでは、スピンは、重み行列wにわたって定義される最近傍Nのみと相互作用する。所与の位置iでの平均コントーン値は、
を通して表現することができる。但し、si=±1である。
したがって、平均値は、近くの近傍N内の状態すべての関数として表される。2つの和はスピンの最近傍対にわたるものである。但し、wjがそれぞれの寄与の重みを決める。
上に商として示す最初の表現を、本明細書では「オフセット加重平均」と呼ぶ。これは、分子及び分母のそれぞれの中の2つの追加項si及び1の影響による、単純な加重平均
からの「オフセット」である。
このため、「オフセット」加重平均という用語は、単に標記のためのものである。この用語はこれに従って、添付の特許請求の範囲の中のいくつかの請求項において使用される。
重みwjは、近傍であるが累進的に遠く離れるピクセルの有意な相互作用を保持しながら、各ピクセルに対する最も近い近傍ピクセルの影響を強調する役割を果たす。最も純粋な原理では、画像(又はデータアレイ)内のすべてのピクセルが他のすべてのピクセルに対していくらかの影響を及ぼすが、実際問題として、相対的な効果は多くとも数行又は数列を超えると減衰するため、レスポンスを数行又は数列よりも遠くに伝搬させることが果たす有用な目的は通常ほとんどない。これは、少なくとも部分的に従来の誤差拡散算術に基づくハイブリッドシステムの場合に特に当てはまるが、これに対して従来のイジング物理学/力学応用は数を全く破棄しない。
それにもかかわらず、上に提示したイジングスタイルの算術がインクリメンタルプリント演色又はマスキングに使用される場合には、いくらかの相対遠隔カットオフが推奨される。カットオフは本質的に任意で、用いなくてもよいが、このようなカットオフの距離及び輪郭に対する測色誤差又は視覚的に知覚可能な色の誤差の敏感さを判断するために実験的研究を行うことが強く推奨される。これは、これら変数が展開される個々の実施態様の詳細に非常に強く依存しがちであるためである。
変数Cmean,iは、siの符号に応じて2つの異なる値(Cdown mean,i又はCup mean,i)を呈することができる。これらは、iにおける所望のコントーン値Ciから、量:
だけ異なる。Cmean,Nは、観察している特定のピクセルを考慮することなく近傍ピクセルにより生成される平均値であるが、Cup/down meanは、研究しているピクセルの、平均値に対する影響をさらに含む。
システムは、独立したスピンの反転の数を通して進化する。個々のスピン反転はそれぞれ、
の全体密度歪み(エネルギー)Eの関連する変化ΔEを有する。
全体密度歪み項Eを最小化するという最終目標により、遷移が発生する尤度Pup/down iが得られる。各確率は、範囲0〜1の値の場合、
と定義することができる。
これは、確率関数及び平均密度にわたる近傍との相互作用メカニズムの唯一可能な記述である。他の依存性も導入して、色線形化等の非線形効果及びクラスタ化又は分散を生成する誘因性相互作用又は反発性相互作用を考慮することができる。
次に、格子内の個々のサイトをランダムに選択することによって性質をエミュレートしようと試み、次に選択された各サイト毎に、現行のスピンを反転させるか否かを判断するコンピュータアルゴリズムを考える。判断は、特定の確率関数により与えられるスピン反転確率に基づいて行われる。
上の「性質をエミュレートする」という語句は、画像を表現又はレンダリングする自然な方法があるという命題について暗に言及している。その自然な方法では、相互に隣接する領域が互いに摂動して平衡状態を生み出し、この状態では、すべての領域が同等によく原画像に対応する。格子を或る回数分通過して、初期スピン割り当てを薄めた後、この手順は、仮定される現実の確率関数に自然に従うスピン構成を生成する。
このモデルをシミュレートするために、本明細書では、メトロポリスアルゴリズムを変形したものを用いる。このアルゴリズムは、構成に対してどのような変更が行われるべきであるかを指定せず、システムに対して提案される任意の変更を、エネルギー変化に依存する特定の確率で許容すべきであることのみ言及する。
変更がどのように行われるかは、エルゴード的であり、詳細釣り合いを破らないようにバイアスされない場合は常に、研究中の変数及びモデルに依存する。別の問題は効率であり、手順はできる限り効率的に構成空間をサンプリングすべきである。多くの場合、効率及びパフォーマンスを向上させるようにアルゴリズムを調整するに当たっていくらかの自由がある。
したがって、スピン系のシミュレーションの文脈の中では、このアルゴリズムのステップは以下のようにまとめることができる。
1)初期微視的状態(ランダム初期構成のスピン)を確立する。
2)微視的状態に無作為試行の変更を行う(スピンを無作為に選択して反転させる:si→−si)。
3)特定の状態の系が見つかる確率Pup/down i、試行変更による系の平均コントーン差(又は「エネルギー」)の変化を計算する。
4)0〜1で一様分布する乱数rを生成する。
5)r≦Pup/down iの場合、この新しい微視的状態を受け入れ、その他の場合、前の微視的状態を存続させる。
6)ステップ2〜5を繰り返して、十分な数の微視的状態を得る。
ステップ2〜5により、系が微視的状態siであったことから、系が微視的状態sjである条件付き確率が与えられる。ν個のスピンをテストした後、格子の単一のモンテカルロ「スイープ」が行われたと言える。スイープは、シミュレーションの長さを記述するための自然単位である。
格子をランダムシーケンスで通過するのではなく、格子を独自の自然なラスタ様シーケンスで通過する(すなわち、対応する格子要素又はピクセルが連続した行に沿って現れる順番にスピンをテストする)ことも可能である。この手順は乱数の生成を省くが、従来の誤差拡散の望ましくない方向性を再び導入するという欠点を有する。
スピンモデル用のメトロポリスアルゴリズムは、規則的で局所的であるため、並列処理によく適する。その規則性は、異なるプロセッサへの格子の標準データ分解を用いて良好な負荷平衡を獲得し、それにより、上述したように、本発明の手順全体の比較的高い計算負荷を克服することにより高いスループットを実現することが可能であることを暗に示す。
局所性は、サイトの更新を最近傍Nのみに依存させ、このため、系の通信要件を制限する。しかし、制約として、すべてのサイトを同時に更新することはできない。仮にすべてのサイトを同時に更新すると、サイト及びサイトの最近傍が相互に依存するため、「詳細釣り合い」と呼び得るものを破るおそれがある。
3.実験的イジング理論結果及び推奨
メトロポリス中間調処理アルゴリズムの予備的な特定のインプリメンテーションが、パイソン(Python)プログラミング言語で作成された。結果(図2)はすでに、優れたエッジ処理メカニズム及び異なる相互作用メカニズムにより提供される前途有望な可能性を示している。
この能力の開発に関心を持っている他の研究者は、行列ベース及び誤差拡散ベースの演色の出力との完全比較を含め、プリントされた画像サンプルの詳細品質解析を行うことが強く勧められる。採用されるアルゴリズムの任意の計算インプリメンテーションが非常に効率的であることを確保することにも十分注意するようにも勧める。
成功するアルゴリズムの設計の鍵は、相互作用メカニズムの適切な定義である。異なる相互作用パターン、特に中間調出力の特徴に対するそれぞれの関わり合いを系統的に検査することが強く推奨される。
最近傍行列にわたるクラスタのサイズ、形状、及び周期性を制御できること、及び遷移確率関数による階調変更の補償を制御できることが強調されるべきである。これに加えて、面依存性の導入を探ることが勧められる。
これら推奨される最適化はすべて、十分に最新技術の範囲内にある。
4.利点
本発明の好ましい実施形態は、画像の鮮鋭さ、並びに代替の誤差拡散及び行列ベースのディザリングアルゴリズムからの確率的ドット配置を保つ。これは、低いインプリメンテーション複雑性により実現される。
非常に広い意味では、本発明のイジングモデルレンダリング手順を、行列ベースのディザリングの特殊な場合とみなすことがある。本発明によれば、行列は、従来の行列ベースの中間調処理での方法とはかなり異なった方法により生成され、特に行列自体がレンダリング中の画像についての情報を含むことを利用して多数の変形が可能である。
さらに、行列が生成されると、その行列は、ディザリングにおいて行列を従来通りに使用する方法と同様にして使用される。後述するように、行列の個々のセルが対応する画像ピクセルデータと比較されて、対象ピクセルにプリントすべきか否かが判断される。
イジングモデル方法のこの行列 − ディザリングの態様は、プリントマスキングへのリンクも提供する。理解されるように、この結び付きは、レンダリング及びプリントマスキングが統合される注目に値する形態の動作に役立つ。
したがって、本発明の好ましい実施形態は、出力依存フィードバックにより中間調画像をレンダリングする能力を提供する。本発明の好ましい実施形態はまた、中間調処理アルゴリズムのスペクトル属性を入力画像の局所属性、たとえばその局所グレー値又は勾配に容易に合わせるとともに、クラスタ化及び他の効果を発生させる相互作用を考慮する能力も提供する。
さらに、提案されるアルゴリズムは、並列処理によく適し、異なる滴サイズ又は1ピクセル当たり多数の滴を考慮する多値レベルのインプリメンテーションに拡張可能である。さらに、所与の画像位置での近傍の影響を制御する重み行列を再び導入し、その影響を驚くべき多様性をもって、かなり著しく広げることができるため、この手法は、いくつかの、関連するがこれまで結び付けられていなかった機能でのさらなる適用潜在性を提供する。
特に、当業者はここで、プリントマスク生成の分野において、加重パターンが、マスキングプロセス中のパス選択を条件付ける制約に容易になることを理解しよう。同様に中間調処理でも、重みは自由に選ぶことができるため、画像の高度に特化されたフィルタリングを同時に行い、たとえば、エッジ強調を提供することができる。
5.中間調処理とマスキングの統合、及び適応的プリント
本明細書の先の「背景技術」において示唆したように、演色及びプリントマスキングが別個のプロセスであり、特にパスの数が手始めに選ばれ、プロット全体を通してその数のパスが使用される従来の処理からはスループットの大幅な低下が生じる。
プロットの異なるエリアでは、通常、高品質の出力を完成させるために異なる数のパスが必要である。たとえば、ピクチャ中の明るい空の領域は、最も多くの場合、2つのパスでプリントすることができるが、緑が飽和したパッチでは6回又は8回のパスが必要になり得る。この問題はまだ対処されず又は少なくとも解決されていない。
よりポジティブな観点としては、マスキングがプリントするデータの濃度についての事前情報から恩恵を受けることである。特定のエリアの濃度が非常に低い場合、おそらく少数のパスで十分であるが、高濃度エリアをプリントするには、機械が集められる限りのパスが必要である。
パスの数をプロットの各エリアで必要な最小の数に合わせることができることには、スループットに対して大きく有益な影響がある。このような特徴はこれまで知られていなかった。
プリントモードを画像の異なるセクションに合わせることにより、実際、スループットが大きく改良される。本発明は、現在のプリントパイプラインをかなり大幅に簡易化しながら、このような適応性のあるプリント動作を可能にする行列及びアルゴリズムを提供する。
行列ベースの中間調処理とマスキングを組み合わせて単一のステップにすることにより、パイプラインのインプリメンテーション及び設計が大幅に簡易化されるとともに、適応性を通して高品質出力及びより高いプリント速度が実現する。この組み合わせには、行列ベースの中間調処理(常に許容可能なわけではない)が必要である等のいくつかの制限があり、中間調処理済みデータの操作に対して課されるいくつかの制約がある。
本発明は、行列ベースの中間調処理をマスキングと組み合わせて、うまくマスキングされた高品質な適応出力を単一のステップで実現する。これは、従来の手法に対する大きな簡易化であり、設計プロセスの高速化を可能にするとともに、プリントモードの設計者が、これまでは決して可能ではなかった微調整制御を行えるようにする。
行列ベースの中間調処理は、滴を噴射すべきか否かを判断するためのしきい値として固定された数の行列を使用することによって機能する。この行列は、正しいスペクトル特徴(低周波において非常に低いエネルギー)を有し、画像内のゼロから可能な限り最大まで(通常255)値が制御して分散されるように入念に設計される。
行列は、画像にわたって並べられ、画像の階調値と比較される。特定のピクセルの画像値が重ねられた行列値よりも高いか等しい場合には、そのピクセルはプリントされる。したがって、パッチ内の階調値255のピクセルはすべて実際にプリントされることになるが、パッチ内の階調値128のドットは(平坦分布を仮定すると)約半分しかプリントされないであろう。
この量は、演色目的のためのディザマスキングに知られているものといくぶん馴染みがある。しかし、マスキングと行列中間調処理を組み合わせたプリントプロセスでは、中間調処理マスキングは必要な最大数のパス、例示するケースでは4と同数の容器又は「バケツ」に量子化される(図3)。
プリントするプロットは連続線で表すことができ、中間調処理行列内の値を縦のスパイクで表すことができる。(図3の左から)ペンが画像に入ると、画像解析モジュールは、画像が最も高いバケツに達するため、プリントする最初のゾーンに4回のパスが必要であることを「認識」する。これは、パス番号1で発生するため、ペンは、中間調処理行列値が最初のバケツ内にあるピクセル(ピクセルa)をプリントするように制御される。
ペンは、進むにつれて、画像が3個のみのバケツをカバーするゾーンに達し、したがって必要なパスは3回のみになる。パス2に入り、ペンは、中間調処理値がバケツ2内にあるピクセル(ピクセルb)をプリントする。
パス3では、ペンは、必要なパスが2回のみのエリアに達する。ペンは最初のゾーンで、3番目のバケツ内に中間調処理値を有したピクセルcをプリントする。パス4は、最終的に、プリントに必要なパスが1回のみであるエリアに達し、ピクセルdをプリントする。
次の2回のパスの後、ペンが訪れたすべてのエリアが必要な回数のパスを受けており、ペンは完全な1印字帯分進み、ピクセルeをプリントすることができる。これはすでに、行われ得る総計10回の中から3回の進行、及び対応する3つの部分印字帯のプリントを省いている。
このアルゴリズムに対して可能な一般化が2つある。第1に、バケツが同サイズのものである必要はない。これは明らかに、中間調処理行列を様々な方法で量子化し、画質とスループットとのトレードオフを微調整することを有意味にする。
第2に、所与のエリアで利用可能なすべてのパスを、そのエリア自体が必要なパス数に関わりなく使用することも可能であり、許容され得る。たとえば、3番目の進行(図3)に必要なパス数は2つのみであるが、隣接するゾーンでの制約により、ペンが対応する2パスエリアをいずれにせよ4回掃引しなければならないものと想定する。
このような場合では、2つのバケツを4つのバケツに逆量子化し、このゾーンで4回のパスを行うに際してスループットのペナルティはない。このような改良は、自動的に呼び出すことができ、プリントマスキングのいくつかの基本機能、特に各パスでのインク補充の最小化等に役立つ、又はこれを最適化するという利点を有する。
上述した手順から距離を置いてみると、従来のディザ演色は各ピクセル毎に単にプリントすべきか否かを判断するだけであるが、本発明は、これに代えて、各パスでプリントすべきか否かをそれぞれ判断することを理解することができる。それにもかかわらず、複合又は「量子化」されたディザマスクはこれらすべての判断を同時に行う。
この中間調処理とマスキングを統合した手法の大きな利点は、中間調処理及びマスキングが本質的に調整される、すなわち、この手法は、マスキングと中間調処理の間で同期がとられず、それ故に生じる可能性のある不利な相互作用の発生を無くすことがある。各パスがプリントするパターンは中間調処理行列自体によって決定されるため、予測、解析、及び改良を行うことができる。
試験的な実施では、本発明は、20%のオーダでスループットの平均増加を示す第1の概算をユーザの画像とともにもたらした。このような向上は競争において重要である。
この説明に基づいて、ディザ行列及びプリントマスクの設計、並びに関連するプログラミングの当業者は、関連するアルゴリズムと共にこのような行列をどのように設計して本発明を実施するかを容易に理解するであろう。本発明の実施を望む熟練者は、特にハイエンドプリンタに適用する場合にはいくつかの改良を組み込むことが勧められる。
1つの非常に重要な改良は、誤差隠蔽を実施する(すなわち、誤作動しているノズルの影響を、他のパスで同じ画像行を走査するノズルを噴射させることによって隠す)能力である。いくつかの考えられる戦略をこのような改良に利用することが可能である。
また、たとえば、ブラック強化として時に中間調処理段階とマスキング段階の間に挿入されるデータ操作の取り入れも勧められる。このアルゴリズムは、マルチビット中間調処理にも容易に一般化される。また、プリントマスキングを従来の(イジングモデルよりもむしろ)中間調処理に統合することもできる。
6.重み行列の同時特殊効果用途
画像フィルタリングは、ノイズ除去、コントラスト鮮鋭化、及びハイライト疑似輪郭の緩和等の種々の画像効果を適用できるようにする。このような多くの画像効果は、各ピクセルですべてのチャネルにおいて連続階調値を再計算する「畳み込み」と呼ばれる数学関数を通して生み出される。
従来の既知の画像調整、たとえば市販のイメージグラフィックスソフトウェアに見られるもの等では、これらの再計算は、周囲のピクセルでの階調値からの影響を組み込むように行われる。したがって、これらの計算は、元来、非常に大まかに類似するプランに従う、本明細書において先に提示したイジングモデル作成と共存することができる。
畳み込みフィルタは、一般的な線形代数、特に単純な行列乗算を用いて表すことが可能であるため時に「線形フィルタ」と呼ばれる。本明細書の文脈の中で用いる場合には、畳み込みは、画像内のあらゆるピクセルを近傍ピクセルの加重和で置き換える数学的な関数である。
このプロセスのために、第1の行列は、「近傍」とみなすべきピクセル群を定義するとともに、各近傍に割り当てられる重みを指定する。この第1の行列は、通常、縦横両方のピクセル数がむしろ少なく、一般に「畳み込みカーネル(convolution kernel)」と呼ばれる。
各ピクセルでの連続階調値の再計算の規則は、別の数値行列、いわゆる「畳み込み行列(convolution matrix)」によって与えられる。このパターンでは、中央位置に、処理中のピクセルの階調値(複数可)を表す数が収容され、そのほかの位置の数が、近傍からの値を畳み込みの中にどのように折り重ねるかを厳密に規定する。
次いで、この第2の行列は画像の各ピクセル内のデータに適用される。撮像分野において完全に既知であるように、単にこの畳み込み行列に異なる数値を選ぶだけで、非常に広い範囲の視覚効果を生成するようにプロセスが制御される。しかし、本明細書に提示するイジングモデル作成の文脈内での、中間調処理の間(またプリントマスキングの間)に行うことができる同時処理としてのこれらの方法の適用は、独自であり、さらには驚くべきものであると信じられる。
このように行うことができる視覚効果としては、エングローブ加工/エンボス加工、ぼかし加工、エッジの検出又は強調、及び鮮鋭化が挙げられる。最も古典的な画像操作効果は一般に、3×3行列を使用して実現されるが、本発明の実施はこのようなモデルに決して限定されない。
本明細書において先に述べたイジングモデル中間調処理プロセスは、近傍ピクセルの影響を用いてスピン反転確率、すなわち可能な各反転を行う望ましさを計算する。最も単純な場合では、当業者に理解されるように、最近傍のこの影響は人間の視覚系モデルを通して容易に導入することができる。
このようなモデルは、最も一般的に、ガウス曲線処理窓又は同様の関数形により表される。しかし、最近傍の影響は、上述した種類の線形フィルタリング効果をさらに含むことによって摂動させることができる。
このような摂動に必要なのは、視覚系モデル(又は他の定義された最近傍重み付け)と所望のフィルタリングカーネルの間の畳み込みの結果である複合行列を予め定義することだけである。定義されると、複合行列は、近傍ピクセルの重みを単一のステップで提供する。
7.本発明を実施するためのハードウェア
本発明を実施する装置の好ましい概略的なレイアウトは広く可変である。本発明は、プリントポスター又は航空機工学製図等、非常に大きな床置き型のインクジェットプリンタプロッタに使用することが可能であり、また、小さなデスクモデルインクジェットプリンタに、また本質的にこれらの間の任意のサイズのユニットに使用することが可能である。
本発明は、サーマルインクジェット機械に好ましいであろう。しかし、本発明は、圧電インクジェットシステム、及びホットワックスプリンタ等の非常に広く関連する他の装置にも適用することが可能である。
したがって、単一の装置の画若しくは図、又は説明を、本発明に特に関連するものとみなすべきではない。代表的な装置を、単なる例として先に触れた米国特許第5,333、243号公報(関連するテキストと併せて図26〜図32)及び同第6,542,258号公報(図44)、並びに米国特許第5,276,970号公報(図1〜図7)及び同第6,441,922号公報(図12〜図18)及びこれら特許において言及されている特許等、Hewlett-Packard Companyの多くのインクジェットシステムパターンで図示し説明している。
上記開示は単なる例示を意図する。本発明の範囲を制限する意図はなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲を参照することによって判断されるべきである。
本発明に採用される演色及びマスキングモデルでのいわゆる「エネルギー」レベルの図であり、特に、入力コントーン色レベル、プリント可能状態、及び「平均」値又は状態と呼ばれる構造の間の関係を示す。 パッチランプ(patch ramp)(入力階調ランプ)、及び本発明を使用して実験的にシミュレートしたランプ(ramp)の中間調版の画像である。 組み合わせられた中間調処理及びマスキングを使用するプリントプロセスを示す概念図であり、連続線がプリントプロットを表し、垂直のスパイクが中間調処理行列内の値を表す。

Claims (10)

  1. 入力画像のデジタルアレイ表現(Ci)に基づいてプリントする際に使用する画像処理方法であって、
    前記デジタルアレイ内にある特定のピクセルのそれぞれについて、該特定のピクセルとの近傍ピクセル相互作用のオフセット加重平均を計算する平均計算ステップと、
    前記オフセット加重平均を使用して、前記画像の最終処理済みデータを作成する平均使用ステップと
    を含んでなる画像処理方法。
  2. 前記平均使用ステップは、前記画像の前記最終処理済みデータに至るまでの一連の連続した近似における各段階における、前記平均の変化を求めることを含み、
    前記平均使用ステップは、特定の段階において前記特定のピクセルの値を該特定の段階の次の段階のために異なる値に変更すべきであるか否かを判断するために、前記変化を適用することをさらに含む請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記平均使用ステップは、
    前記特定のピクセルの仮定値の変更を行うべきか否かを判断する際に使用する確率的重み(Cup/down mean,i)を計算することと、
    前記仮定値を実際に変更すべきか否かを判断するにあたり、前記計算された確率的重みを変更するために、ランダムに選択された弁別子を使用することと
    を含む請求項1または2に記載の画像処理方法。
  4. 入力画像のデジタルアレイ表現(Ci)に基づいて所望の入力画像を形成する装置であって、
    前記デジタルアレイ内の特定の各ピクセルにおいて、前記画像のレンダリングされた形態に使用するための特定の離散値を仮定する手段と、
    前記画像の前記最終処理済みデータに至るまでの画像までの一連の連続した近似における各段階において、各値を異なる値にする特定の候補変更を行うべきか否かを判断する手段と、
    各段階において各値を変更すべきか否かを判断する際に、前記判断する手段が使用するランダムまたは疑似ランダムに選択される弁別子を得る手段と
    を備えてなる装置。
  5. 前記判断する手段は、前記値の候補変更を行う望ましさを表現する確率的重み(Cup/down mean,i)と前記弁別子とを比較する手段を備える請求項4に記載の装置。
  6. 前記デジタルアレイ内の特定の各ピクセルを、前記アレイ内のランダムウォークにより順に選択する手段をさらに備える請求項4または5に記載の装置。
  7. ピクセルのレンダリングされる値を計算した後に、該ピクセルのレンダリングされる値の誤差を近傍ピクセルに明示的に分散させる手段をもたない請求項4から6のいずれか1項に記載の装置。
  8. 前記デジタルアレイ内にある実質的に特定のピクセルのそれぞれについて、該特定のピクセルとの近傍ピクセルの相互作用の数値表現を計算する計算手段と、
    該計算する手段が使用する近傍ピクセルを何が構成するかを定義するために使用する距離カットオフを確立する手段と、
    前記数値表現を使用して、前記特定のピクセルの色値を異なる色値に変更すべきか否かを判断する手段と
    をさらに備える請求項4から7のいずれか1項に記載の装置。
  9. 行列ベースの中間調処理機能とプリントマスキング機能と美的な視覚効果を得るための画像フィルタリング機能との3つの機能のうちの少なくとも2つの機能を統合処理ステップに結合する手段と、
    前記統合処理ステップにより処理された画像をプリントする手段と
    をさらに備える請求項4から8のいずれか1項に記載の装置。
  10. 前記結合する手段は、畳み込み重みが割り当てられ、2つ以上の機能が実質的に同時に行われる実質的なイジングモデルプロセスを行う手段を備えている、請求項9に記載の装置。
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