JP2006209081A - ホログラム記録再生装置及び光学ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】信号光及び参照光の両方に位相変調素子を用いた場合であっても、光学系を簡略化でき、かつ、ノイズの発生と光量の低下を抑えることができるホログラム記録再生装置を提供すること。
【解決手段】空間光変調器により光路を共通にする信号光及び参照光を生成し、例えば位相変調素子をこれらの信号光及び参照光の両方に対して用いるようにすることで、位相変調素子を一つで構成することができる。これにより、信号光及び参照光の両方に位相変調素子を用いた場合であっても、光学系を簡略化できるようになる。ナイキストサイズのピンホールが設けられた第1の遮蔽板を焦点位置に有する第1のリレイレンズ系を用いると共に、位相変調素子をこの第1のリレイレンズ系の後段で、かつ、信号光及び参照光の共役面に配置したので、信号光及び参照光の両方に位相変調素子を用いた場合であっても、ノイズの発生と光量の低下を抑えることができる。
【選択図】図1
【解決手段】空間光変調器により光路を共通にする信号光及び参照光を生成し、例えば位相変調素子をこれらの信号光及び参照光の両方に対して用いるようにすることで、位相変調素子を一つで構成することができる。これにより、信号光及び参照光の両方に位相変調素子を用いた場合であっても、光学系を簡略化できるようになる。ナイキストサイズのピンホールが設けられた第1の遮蔽板を焦点位置に有する第1のリレイレンズ系を用いると共に、位相変調素子をこの第1のリレイレンズ系の後段で、かつ、信号光及び参照光の共役面に配置したので、信号光及び参照光の両方に位相変調素子を用いた場合であっても、ノイズの発生と光量の低下を抑えることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ホログラム記録再生装置及び光学ユニットに関する。
ホログラフィを使ってデータを記録するホログラム記録装置の開発が進められている。
ホログラム記録装置では、変調された(データが重畳された)信号光、変調されない参照光の2つをレーザ光から生成し、これらをホログラム記録媒体の同一場所に照射する。その結果、ホログラム記録媒体上で信号光と参照光が干渉して照射点に回折格子(ホログラム)が形成され、ホログラム記録媒体にデータが記録される。
記録済みのホログラム記録媒体に参照光を照射することで、記録時に形成された回折格子から回折光(再生光)が発生する。この再生光は記録時の信号光に重畳されたデータを含んでいるので、これを受光素子で受光して記録した信号を再生できる。
ホログラム記録媒体に多くの情報を記録するために、ホログラム記録媒体に多数のホログラムを形成する場合がある。この場合、ホログラム記録媒体上の異なる箇所にホログラムを形成するとは限らず、ホログラム記録媒体の同一箇所(あるいは、互いに重なり合う領域)に複数のホログラムを形成するいわゆる多重記録が可能である。
ここで、多重記録の一種である位相相関多重を用いて記憶容量の増大を図ったホログラム記録装置の開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−242424号公報
特許文献1では、参照光に対して位相マスクを用いることで、位相相関多重を実現していたが、信号光にも位相マスクを用いて記録されるホログラム信号のDC成分の抑圧を実現することが考えられる。
しかしながら、信号光及び参照光の両方に位相マスクを用いる場合には、信号光に対する位相マスクと参照光に対する位相マスクの両方が必要となるばかりか、これらに対する部品も必要になり、光学系が複雑になる、という課題がある。
また、これらの位相マスクを用いた場合には、ノイズが発生しやすくなり、その一方でこのようなノイズを除去するためのフィルタを用いるとホログラム記録媒体に照射される光量が低下する、という課題がある。
本発明は、このような課題を解決するために、信号光及び参照光の両方に位相変調素子を用いた場合であっても、光学系を簡略化でき、かつ、ノイズの発生と光量の低下を抑えることができるホログラム記録再生装置及び光学ユニットを提供することを目的としている。
かかる課題を解決するため、本発明に係るホログラム記録再生装置及び光学ユニットは、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射されたレーザ光から光路を共通にする信号光及び参照光を生成する空間光変調器と、ナイキストサイズの1から2倍の大きさのピンホールが設けられた第1の遮蔽板を焦点位置に有し、前記空間光変調器により生成された信号光及び参照光が通過する第1のリレイレンズ系と、前記第1のリレイレンズ系を通過した信号光及び参照光の共役面に配置された位相変調素子と、前記位相変調素子を通過した前記信号光及び前記参照光をホログラム記録媒体に集光する対物レンズと、前記位相変調素子と前記対物レンズとの間に配置され、前記ホログラム記録媒体から戻り光を受光するための受光系とを具備するものである。
本発明では、空間光変調器により光路を共通にする信号光及び参照光を生成し、例えば位相変調素子をこれらの信号光及び参照光の両方に対して用いるようにすることで、位相変調素子を一つで構成することができる。これにより、信号光及び参照光の両方に位相変調素子を用いた場合であっても、光学系を簡略化できるようになる。
また、ナイキストサイズの1から2倍の大きさのピンホールが設けられた第1の遮蔽板を焦点位置に有する第1のリレイレンズ系を用いると共に、位相変調素子をこの第1のリレイレンズ系の後段で、かつ、信号光及び参照光の共役面に配置したので、信号光及び参照光の両方に位相変調素子を用いた場合であっても、ノイズの発生と光量の低下を抑えることができる。ピンホールがナイキストサイズの1倍よりも小さいと、光量が低下するし、2倍を超えるとノイズが増加する。
(1)ナイキストサイズの1から2倍の大きさのピンホールが設けられた第2の遮蔽板を焦点位置に有し、前記位相変調素子を通過した信号光及び参照光が通過する第2のリレイレンズ系を更に具備してもよい。
(1)ナイキストサイズの1から2倍の大きさのピンホールが設けられた第2の遮蔽板を焦点位置に有し、前記位相変調素子を通過した信号光及び参照光が通過する第2のリレイレンズ系を更に具備してもよい。
これにより、位相変調素子で発生するノイズを除去することができる。ピンホールがナイキストサイズの1から2倍の大きさであることから、光量の低下を抑えることができる。
(2)前記位相変調素子は、前記信号光に対する位相パターンと前記参照光に対する位相パターンとが異なるようにしてもよい。
(2)前記位相変調素子は、前記信号光に対する位相パターンと前記参照光に対する位相パターンとが異なるようにしてもよい。
これにより、参照光に対する位相パターンの変化で、ホログラム間の相互干渉を独立に制御することができ、より多重度を高めることができる。
(3)前記受光系は、前記位相変調素子と前記対物レンズとの間の光路上に配置された偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタを反射したレーザ光を受光する受光素子とを具備するようにしてもよい。
反射型の光学系とすることで、透過型と比べて光学ユニットを小型化することが可能となる。
(3)前記受光系は、前記位相変調素子と前記対物レンズとの間の光路上に配置された偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタを反射したレーザ光を受光する受光素子とを具備するようにしてもよい。
反射型の光学系とすることで、透過型と比べて光学ユニットを小型化することが可能となる。
(4)前記対物レンズと前記第2のリレイレンズ系の対物レンズに近い方のレンズとの間隔を常に一定に制御する手段を更に具備するようにしてもよい。
以上のように、本発明によれば、位相変調素子を一つで構成することで、信号光及び参照光の両方に位相変調素子を用いた場合であっても、光学系を簡略化できるようになる。また、ナイキストサイズの1から2倍の大きさのピンホールが設けられた第1の遮蔽板を焦点位置に有する第1のリレイレンズ系を用いると共に、位相変調素子をこの第1のリレイレンズ系の後段で、かつ、信号光及び参照光の共役面に配置したので、信号光及び参照光の両方に位相変調素子を用いた場合であっても、ノイズの発生と光量の低下を抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(ホログラム記録再生装置の構成)
(ホログラム記録再生装置の構成)
図1は本発明の実施形態に係る光学ユニットを中心とするホログラム記録再生装置の模式図である。以下の説明において記録再生装置の用語を使用する場合には、特に断る場合を除き、記録装置(ホログラム記録媒体に記録を行う装置)又は再生装置(ホログラム記録媒体の再生を行う装置)、並びに、記録装置及び再生装置(記録及び再生を行う装置)のすべてを含むものである。
図1に示すように、ホログラム記録再生装置は、ホログラム記録媒体101への情報の記録、再生を行うものであり、光学ユニット100及び制御部150を備える。
光学ユニット100は、記録再生用光源111、ビームエキスパンダー112、ミラー113、1/2波長板114、偏光ビームスプリッタ115、空間光変調器116、第1のリレイレンズ系117、位相変調素子118、偏光ビームスプリッタ119、第2のリレイレンズ系120、1/4波長板121、ミラー122、対物レンズ123、撮像素子124、ダイクロイックミラー125、サーボ用光源126、コリメートレンズ127、グレーティング128、ビームスプリッタ129、ミラー130、集光用レンズ131、シリンドリカルレンズ132、受光素子133を有する。
ホログラム記録媒体101は、平面から見て円盤状(ディスク状)であり、保護層102、記録層103、グルーブ104、反射層105を有し、信号光と参照光による干渉縞を記録する記録媒体である。
保護層102は、記録層103を外界から保護するための層である。
記録層103は、この干渉縞を屈折率(あるいは、透過率)の変化として記録するものであり、光の強度に応じて屈折率(あるいは、透過率)の変化が行われる材料であれば、有機材料、無機材料の別を問うことなく利用可能である。
無機材料として、例えば、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)のような電気光学効果によって露光量に応じ屈折率が変化するフォトリフラクティブ材料を用いることができる。
有機材料として、例えば、光重合型フォトポリマを用いることができる。光重合型フォトポリマは、その初期状態では、モノマがマトリクスポリマに均一に分散している。これに光が照射されると、露光部でモノマが重合する。なお、ポリマ化するにつれて周囲からモノマが移動してモノマの濃度が場所によって変化する。
以上のように、記録層103の屈折率(あるいは透過率)が露光量に応じて変化することで、参照光と信号光との干渉によって生じる干渉縞を屈折率(あるいは透過率)の変化としてホログラム記録媒体101に記録できる。
ホログラム記録媒体101は、スピンドルモータ500などの駆動手段で回転され、空間光変調器116の像を多数のホログラムとして記録することができる。なお、光学ユニット100は図示しない駆動手段によりホログラム記録媒体101の半径方向に移動されるようになっている。
ホログラム記録媒体101が移動することから、ホログラム記録媒体101上への記録・再生は移動方向に形成されたトラックに沿って行われる。
グルーブ104は、ホログラム記録媒体101へのトラッキング、フォーカス等のサーボ制御を行うために設けられる。即ち、ホログラム記録媒体101のトラックに沿ってグルーブ104が形成され、サーボ用の光の集光位置、集光深さをグルーブ104と対応するように制御することで、トラッキングサーボ、及びフォーカスサーボが行われる。さらには、アドレス信号が変調されたグルーブ104が設けられているときには、アドレス信号の読み取りが行われる。
記録再生用光源111は、レーザ光源であり、例えば波長405[nm]のレーザダイオード(LD)を備え、例えばコリメートレンズによりレーザ光を平行光に変換する。
ビームエキスパンダー112は、記録再生用光源111から出射されたレーザ光のビーム径を所定の大きさに拡張する光学素子である。
ミラー113は、ビームエキスパンダー112を通過したレーザ光を偏光ビームスプリッタ115に向けて反射するための光学素子である。
偏光ビームスプリッタ115は、ミラー113から1/2波長板114を介して入射したレーザ光を空間光変調器116に向けて反射し、空間光変調器116を反射した光を透過する。
空間光変調器116は、信号光を空間的に(ここでは、2次元的に)変調して、データを重畳する光学素子である。空間光変調器に反射型の素子であるDMD(Digital micro mirror)や反射型液晶、GLV(Grating Light Value)素子を用いることが可能である。なお、透過型の素子である透過型液晶素子を用いた構成とすることもできる。本実施形態では、空間光変調器116により例えば円形の信号光の外周を囲むように参照光が形成されるようになっている。つまり、空間光変調器116上には円形の変調領域(信号光のための領域)を囲むように単に信号を反射するだけの反射領域(参照光のための領域)が設けられている。これにより、記録再生用光源111から出射されたレーザ光から光路を共通にする信号光及び参照光を生成することができる。
この空間光変調器116により生成され、偏光ビームスプリッタ115を通過した信号光及び参照光のパターン例を図2に示す。
第1のリレイレンズ系117は、一対のレンズ141、142及び遮蔽板143を備える。
レンズ141及び遮蔽板143は、信号が載ったレーザ光をガウス分布に正規化する空間フィルタである。
レンズ141は、偏光ビームスプリッタ115を通過したレーザ光を遮蔽板143上に集光する光学素子である。このレンズ141により、偏光ビームスプリッタ115を通過したレーザ光がレンズ141の焦点位置にフラウンホーファー(Fraunhofer)回折像(フーリエ(Fourier)変換像)に変換されて結像する。
遮蔽板143は、レンズ141の焦点位置に配置され、ナイキストサイズの1から2倍の大きさのピンホール144が設けられ、0次光及び±1次光がピンホール144を通過する。
レンズ142は遮蔽板143のピンホール144を通過した光を平行光にするものである。
位相変調素子118は、参照光にランダム位相またはある一定の位相パターンを持たせるための光学素子であり、位相マスクといってもよい。位相変調素子118には、すりガラスやデフューザ、空間位相変調器を用いても良い。また、位相パターンを記録したホログラム素子を用いることも可能である。ホログラム素子からの再生によって位相パターンを有する光が発生する。
図3(A)〜(D)は位相変調素子118のパターンの例を示した平面図である。
図3(A)は円形の信号光用の位相変調領域301とこれを囲むように設けられたリング状の参照光用の位相変調領域302とを有する位相変調素子118を示している。
図3(B)は円形の信号光用の位相変調領域303だけを有する位相変調素子118を示している。
図3(C)はリング状の参照光用の位相変調領域304だけを有する位相変調素子118を示している。
図3(D)は信号光及び参照光で共用する円形の位相変調領域305を有する位相変調素子118を示している。
偏光ビームスプリッタ119は、位相変調素子118から入射した平行光を通過し、第2のリレイレンズ系120を通過したホログラム記録媒体101からの反射光を撮像素子124に向けて反射する光学素子である。
第2のリレイレンズ系120は、一対のレンズ145、146及びピンホール148が設けられた遮蔽板147を備える。これらの構成は第1のリレイレンズ系117と同様である。この第2のリレイレンズ系120によって位相変調素子118で発生したノイズをカットすることができる。ただし、遮蔽板147については、特に設けなくてもよい。
対物レンズ123は、1/4波長板121及びミラー122を介して、信号光及び参照光の双方、更にサーボ用光源126からのレーザ光をホログラム記録媒体101に集光し、かつホログラム記録媒体101からの反射光を平行光にするための光学素子である。
撮像素子124は、再生光の画像を入力するための素子であり、例えば2次元のCCDにより構成される。
ダイクロイックミラー125は、記録再生に用いる光(記録再生用光源111からのレーザ光)とサーボに用いる光(サーボ用光源126からのレーザ光)とを同一の光路にするための光学素子である。ダイクロイックミラー125は、記録再生用光源111とサーボ用光源126とでレーザ光の波長が異なることに対応して、記録再生用光源111からの記録再生光を透過し、サーボ用光源126からのサーボ光を反射する。ダイクロイックミラー125は記録再生用の光は全透過し、サーボ用に用いる光は全反射するような薄膜処理がその表面に施されている。
サーボ用光源126は、トラッキングサーボ、フォーカスサーボ等のサーボ制御やアドレス信号の読み取りを行うための光源であり、記録再生用光源111とは波長の異なるレーザ光を出射する。サーボ用光源126は、例えば、レーザダイオードであり、発振波長としてホログラム記録媒体101に対して感度が小さい、例えば650nmを使用する。
サーボ用光源126は、トラッキングサーボ、フォーカスサーボ等のサーボ制御やアドレス信号の読み取りを行うための光源であり、記録再生用光源111とは波長の異なるレーザ光を出射する。サーボ用光源126は、例えば、レーザダイオードであり、発振波長としてホログラム記録媒体101に対して感度が小さい、例えば650nmを使用する。
コリメートレンズ127は、サーボ用光源126から照射されたレーザ光を平行光に変換する光学素子である。
グレーティング128は、コリメートレンズ127から出射されたレーザ光を3つのビームに分割するための光学素子であり、2枚の素子から構成される。サーボ制御及びアドレス信号読み取りのためにレーザ光の分割が行われる。
ビームスプリッタ129は、グレーティング128から出射されたレーザ光を透過し、ホログラム記録媒体101から反射されて戻ってきた戻り光を反射するための光学素子である。
ミラー130は、ビームスプリッタ129からの戻り光を受光素子133に向けて反射する光学素子である。
ここでは、ビームスプリッタ129とミラー130とがプリズムにより一体化されているが、別々の光学素子としても構わない。
集光用レンズ131は、ミラー130からの戻り光を受光素子133に集光するための光学素子である。
シリンドリカルレンズ132は、集光用レンズ131から集光されたレーザ光のビーム形状を円形から楕円形に変換するための光学素子である。
受光素子133は、戻り光を受光し、トラッキングサーボ制御のためのトラッキングエラー信号とフォーカスサーボ制御のためのフォーカスエラー信号、更にアドレス信号を出力するための素子、例えば、フォトダイオードである。
(アクチュエータ部の詳細)
(アクチュエータ部の詳細)
図4は上記のミラー122及び対物レンズ123を駆動してトラッキングサーボ及びフォーカスサーボを実行するためのアクチュエータ部400の一例を示す模式的断面図である。
図4に示すように、アクチュエータ部400は、アクチュエータ部本体401と、アクチュエータ部本体401に取り付けられ、ホログラム記録媒体101に対して平行或いは平行に近い状態で入射するレーザ光(信号光、参照光、サーボ用光源126から照射されたレーザ光)がホログラム記録媒体101に垂直或いは垂直に近い方向に入射する方向に光路を変え、ホログラム記録媒体101からの戻り光をホログラム記録媒体101に対して平行或いは平行に近い方向に変えるミラー122と、アクチュエータ部本体401に保持された対物レンズ123と、この対物レンズ123のフォーカスサーボを行うために、対物レンズ123をホログラム記録媒体101の表面に対して垂直或いは垂直に近い方向に駆動するフォーカスアクチュエータ402と、トラッキングサーボを行うために、アクチュエータ部本体401をホログラム記録媒体101の半径方向に対して駆動するトラッキングアクチュエータ403とを備える。
フォーカスアクチュエータ402及びトラッキングアクチュエータ403は、受光素子133からのトラッキングエラー信号及びフォーカスエラー信号を入力した制御部150からの制御に基づきフォーカスサーボ及びトラッキングサーボを実行する。すなわち、フォーカス指令電圧803及びトラッキング指令電圧804(図1を参照)によってフォーカスアクチュエータ402及びトラッキングアクチュエータ403(図8、図10を参照)の各々を変位させて、光スポットを所望の位置に集光し、その位置を制御する。
このようなアクチュエータ部400の構成では、トラッキング動作時にトラッキングアクチュエータ403が、アクチュエータ部本体401をホログラム記録媒体101の半径方向に対して駆動させるのでトラッキング方向の所定位置に光りビームを位置決めできる。このようなトラッキング方式を採用すれば、光りビームの位置決めに際して、レーザ光を常に対物レンズの中心に導くことができるため、収差を抑えることができる。ホログラム記録再生を行う場合には、このような収差の発生により書き込み或いは読み込みエラーが発生する可能性が高いので、収差の発生の抑制は意義がある。また、フォーカスアクチュエータ402が、対物レンズ123をホログラム記録媒体101の表面に対して垂直或いは垂直に近い方向に駆動して、ホログラム記録媒体中の所望位置に光りビームを集光する。フォーカスサーボ及びトラッキングサーボを行うサーボ系の作用の詳細については後述する。
(ホログラム記録再生装置の動作)
以下、ホログラム記録再生装置の動作の概要を説明する。
A.記録時
A.記録時
記録時におけるホログラム記録再生装置の動作の概要を説明する。
記録再生用光源111から出射されたレーザ光がビームエキスパンダー112により所望のビーム径にされる。そのレーザ光は、ミラー113、1/2波長板114を通り、偏光ビームスプリッタ115を反射して空間光変調器116に入射する。
空間光変調器116により生成された信号光及び参照光は、偏光ビームスプリッタ115、第1のリレイレンズ系117、位相変調素子118、偏光ビームスプリッタ119、第2のリレイレンズ系120、ダイクロイックミラー125、1/4波長板121を通り、ミラー122を反射し、対物レンズ123を通過し、ホログラム記録媒体101の略同一の箇所に集光する。
これにより、ホログラム記録媒体101上に干渉縞が形成される。この結果、空間光変調器116によって空間変調された情報がホログラム記録媒体101上にホログラムとして記録される。
B.再生時
B.再生時
再生時におけるホログラム記録再生装置の動作の概要を説明する。
再生時には参照光のみをホログラム記録媒体101に入射させる。
記録再生用光源111から出射されたレーザ光がビームエキスパンダー112により所望のビーム径にされる。そのレーザ光は、ミラー113、1/2波長板114を通り、偏光ビームスプリッタ115を反射して空間光変調器116に入射する。
空間光変調器116における信号光の領域を全て「暗」とすることで参照光だけが、偏光ビームスプリッタ115、第1のリレイレンズ系117、位相変調素子118、偏光ビームスプリッタ119、第2のリレイレンズ系120、ダイクロイックミラー125、1/4波長板121を通り、ミラー122を反射し、対物レンズ123を通過し、ホログラム記録媒体101に入射する。
参照光がホログラム記録媒体101に入射することにより、ホログラム記録媒体101に記録されたホログラムから回折光(再生光)が発生する。
発生した再生光は入射光と逆の光路をたどり、対物レンズ123、ミラー122、1/4波長板121、ダイクロイックミラー125、第2のリレイレンズ系120を通り、偏光ビームスプリッタ119で反射され、撮像素子124に入射し、撮像素子124によって空間光変調器116での空間的な2次元データに対応する電気信号に変換される。撮像素子124からの出力は、図示しない信号処理部によって2値化され、時系列2値化データに変換される。
(ホログラム記録再生装置の効果の確認)
(ホログラム記録再生装置の効果の確認)
次に、この実施形態に係るホログラム記録再生装置の効果を確認するために行った実験結果を示す。
図5(A)は図1に示した光学ユニットにおける空間光変調器116、位相変調素子118、撮像素子124の関係を概略的に示した図である。但し、ここでは第2のリレイレンズ系120における遮蔽板147はなくしている。
図5(B)及び図5(C)は位相変調素子118を空間光変調器116の前段に配置した例である。図5(B)では第1及び第2のリレイレンズ系に遮蔽板を設けているのに対して、図5(C)では位相変調素子118と空間光変調器116との間のリレイレンズ系に遮蔽板を設けていない点が異なる。
図6はこれらの光学系に対してSNR(信号−ノイズ比)を測定した結果を示すグラフである。
図6において、Case1は図5(A)の光学系に対する測定結果、Case2は図5(B)の光学系に対する測定結果、Case3は図5(C)の光学系に対する測定結果を示している。
これらの結果から次のことが判明した。
(1)空間光変調器116の後段に位相変調素子118を設けた方が、空間光変調器116の前段に位相変調素子118を設けるよりもSNRが向上する。(Case1VSCase2、Case3)
(2)位相変調素子118の後段のリレイレンズ系に遮蔽板を設けた方が、遮蔽板を設けない場合に比べてSNRが向上する。(Case2VSCase3)
(他の実施形態)
(1)空間光変調器116の後段に位相変調素子118を設けた方が、空間光変調器116の前段に位相変調素子118を設けるよりもSNRが向上する。(Case1VSCase2、Case3)
(2)位相変調素子118の後段のリレイレンズ系に遮蔽板を設けた方が、遮蔽板を設けない場合に比べてSNRが向上する。(Case2VSCase3)
(他の実施形態)
この実施形態は、対物レンズ123とこの対物レンズ123の近くにある第2のリレイレンズ系120のレンズ146との距離を一定に制御するものである。
図4に示したように、アクチュエータ部400においては、回転するホログラム記録媒体101に対して、フォーカスサーボ及びトラッキングサーボを施すので、必然的に対物レンズ123の位置が移動してしまう。このときに記録再生されるホログラムに対物レンズ123の移動に伴う波面収差が発生する。この実施形態は、このような波面収差の発生を防止するものである。
図7は対物レンズ123の位置に対する撮像素子124上の像の波面収差の例を示している。
図7に示すように、波面収差のそのほとんどがデフォーカス(所定の合焦点からのずれ)によって生じるものである。0.07λを、記録再生を行う上での許容される波面収差の規格とすると、高々±60μmの範囲のデフォーカスにしか使用できない。またその範囲内でも対物レンズ123の位置に対して敏感に波面収差が増加することがわかる。実際には、ホログラム記録媒体101のそりに応じた対物レンズ123のフォーカス方向の移動量に対応して、±100μm以上のトレランスは必要である。
そこで、対物レンズ123とこの対物レンズ123の近くにある第2のリレイレンズ系120のレンズ146との間隔Lolを一定となるように制御し、対物レンズ123が移動しても波面収差の悪化を抑えることができるようにしている。
図8は、これを実現するための模式的断面図である。
図8には、便宜上図1中に存在する1/4波長板121やダイクロイックミラー125は記載していない。1/4波長板121やダイクロイックミラー125等の光学部品が途中に存在しても、或いは存在しなくても本実施形態による効果は同様に奏する。
また、ここでいう間隔Lolとは、光軸に沿った物理長のことを指す。
図8に示すように、本実施形態では、第2のリレイレンズ系120のレンズ146を間隔制御アクチュエータ801に搭載して、対物レンズ123との間隔Lolを常に一定に制御する。
この間隔Lolが一定に制御されたときの対物レンズ123の移動に対する波面収差を図9に示す。同図から、±300μmの対物レンズ123の移動に対して、波面収差がほとんど変化していないことが分かる。また、このときにリレイレンズの1つ(片側)のみ移動するので、像倍率の変化が懸念される。そこで図9には像倍率の変化も載せた。像倍率の変化は±300μmで0.025%と非常に小さく、ホログラムの記録再生にほとんど影響を及ぼさない。
図10に対物レンズ123とこの対物レンズ123の近くにある第2のリレイレンズ系120のレンズ146との間隔を一定に制御するサーボの構成例を示す。
マイコン802が制御部150よりフォーカスアクチュエータ402とトラッキングアクチュエータ403に対するフォーカス指令電圧803及びトラッキング指令電圧804を取り込み、マイコン802内で対物レンズ123の移動量を算出する。
そして、その移動量と同じ量だけ第2のリレイレンズ系120のレンズ146を移動させる指令電圧を求め、間隔制御アクチュエータ801に供給する。これにより、対物レンズ123の動きに同期して第2のリレイレンズ系120のレンズ146と対物レンズ123との間隔Lolが常に一定となるように制御される。間隔Lolを制御する制御系の詳細については後述する。
なお、間隔制御アクチュエータ801としては、電磁コイル方式、ピエゾ方式などを用いることができる。
以上により、フォーカス、トラッキングサーボを施しながら、安定なホログラムの記録再生ができるようになる。
(制御系について)
本実施形態のホログラム記録再生装置においては、制御系が各部に用いられているので、ここで、まとめて説明をする。図1、図8に沿って、まず、サーボ系(フィードバック制御系を構成し、変数が位置である制御系)としてのフォーカスサーボ系、トラッキングサーボ系及びスピンドルサーボ系の動作について説明し、その後、図10、図11、図12に沿って、リレイレンズ系120のレンズ146と対物レンズ123との間隔Lolを常に一定とする制御系について詳述する。
本実施形態のホログラム記録再生装置においては、制御系が各部に用いられているので、ここで、まとめて説明をする。図1、図8に沿って、まず、サーボ系(フィードバック制御系を構成し、変数が位置である制御系)としてのフォーカスサーボ系、トラッキングサーボ系及びスピンドルサーボ系の動作について説明し、その後、図10、図11、図12に沿って、リレイレンズ系120のレンズ146と対物レンズ123との間隔Lolを常に一定とする制御系について詳述する。
ホログラム記録媒体101上の記録再生の領域を特定して記録再生の動作を行うことを上述したが、この記録再生の領域の特定はフォーカスサーボ系、トラッキングサーボ系及びスピンドルサーボ系の作用によって行われるので、この点を順に説明する。
フォーカスサーボ系、トラッキングサーボ系及びスピンドルサーボ系は、光学ユニット100の各々のサーボ誤差信号を検出するサーボ用光学部分と制御部150と光学ユニット100のアクチュエータ部400及びスピンドルモータ500とで構成されている。サーボ用光学部分は、サーボ専用の光学部分として、サーボ用光源126、コリメートレンズ127、グレーティング128、ビームスプリッタ129、ミラー130、集光用レンズ131、シリンドリカルレンズ132、受光素子133が用いられ、サーボ用と記録再生用との共通光学部として、ダイクロイックミラー125、ミラー122、対物レンズ123が用いられている。
まず、サーボ用光源126から出射される光ビーム(以下サーボ用ビームと省略する)は、コリメートレンズ127、グレーティング128、ビームスプリッタ129、ダイクロイックミラー125、を通り、ミラー122、対物レンズ123を通過し、ホログラム記録媒体101のグルーブ104が形成された反射層105で反射して、再び、対物レンズ123、ミラー122、ダイクロイックミラー125、ビームスプリッタ129を経て、ミラー130、集光用レンズ131、シリンドリカルレンズ132、受光素子133に至る。
そして、受光素子133は、分割された複数の分割光デテクタからなる光デテクタであり、各々の分割光デテクタで受光される光量に応じた電気信号を発生する。制御部150は、CPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)ないしはDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)等で構成される演算部を主要部としており、この電気信号を受け取り演算することによって、例えばアスティグマ法によってフォーカスサーボ制御のためのフォーカスエラー信号を生成するとともに、例えばプッシュプル法によってトラッキングサーボ制御のためのトラッキングエラー信号を発生する。さらには、制御部150は、例えば、グルーブ104に記録された位置に関する情報を受光素子133からの信号に基づいて検出ないしは撮像素子124からの信号に基づき検出してスピンドルエラー信号を発生する。
そして、制御部150は、位相補償等の演算を行い、フォーカスエラー信号に基づいたフォーカス指令電圧803をフォーカスアクチュエータ402に供給してサーボ用光りビームを反射層105に光スポットとして集光させる。また、制御部150は、位相補償等の演算を行い、トラッキングエラー信号に基づいたトラッキング指令電圧804をトラッキングアクチュエータ403に供給してこの光スポットをグルーブ104に直交する方向の所定の位置に配置して、ホログラム記録媒体101における半径方向の位置決めを行う。さらに、制御部150は、位相補償等の演算を行い、スピンドルエラー信号に基づいたスピンドル指令電圧805をスピンドルモータ500に供給してこの光スポットをグルーブ104に沿った方向の所定の位置に配置して、半径方向に垂直方向の位置決めを行う。
このようにサーボ用光ビームを用いて、光学ユニット100とホログラム記録媒体101との相対位置を定めることによって、上述したように、記録再生用光源111からの光ビームもホログラム記録媒体101の所望の位置に配置されることとなる。その理由は、サーボ用の光学部分と記録再生にかかわる光学部分とが光学ユニット100として一体構成されているので、サーボ用光源126からのビームの光路と記録再生用光源111からの光ビームの光路との相互の関係が、精密に規定されているからである。その結果、ホログラム記録媒体101の所定の領域に所望の記録データをホログラムとして書き込み、ホログラム記録媒体101の所定の領域のホログラムから再生信号を得ることができることとなる。
次に、リレイレンズ系120のレンズ146と対物レンズ123との間隔Lolを常に一定とする制御系について説明する。上述したように、マイコン802が制御部150よりフォーカス指令電圧803及びトラッキング指令電圧804を取り込み、マイコン802において、対物レンズ123の移動量を算出し、その移動量と同じ量だけ第2のリレイレンズ系120のレンズ146を移動させる指令電圧を求め、間隔制御アクチュエータ801に供給し、第2のリレイレンズ系120のレンズ146と対物レンズ123との間隔Lolが常に一定となるように制御されるものであるが、その具体例について、図10、図11、図12を引用して詳述する。
図1に示す光学ユニット100の全体は、ホログラム記録媒体101における記録再生の半径方向の領域の変化に応じて、内周と外周方向に移動するようになされている。しかしながら、光学ユニット100は、上述したように多くの光学部品を含むので、その重量は重く、トラッキング方向の位置決めの位置精度及び応答速度を高くすることに困難がある。そこで、本実施形態の一例としては、軽量なるミラー122を含むアクチュエータ部400が用いられ、トラッキング方向に大きな範囲で移動する光学ユニット100の全体の中で、さらに、独立してトラッキング方向により小さな範囲で移動可能となされ、トラッキング方向の位置精度と応答速度とを高めている。すなわち、トラッキングサーボ系は、帯域分割された、所謂、二段サーボ系となっている。
ここにおいて、ミラー122を含むアクチュエータ部400が、トラッキングアクチュエータ403の駆動力によって、例えば、図10の正面から見て左手方向に移動をする場合には、間隔Lolの大きさは、予め定めた所定の距離よりも大きくなってしまう。逆に、図10の正面から見て右手方向に移動をする場合には、間隔Lolの大きさは、予め定めた所定の距離よりも小さくなってしまう。この結果、いずれの場合にも波面収差の悪化が生じてしまう。
なお、ミラー122を含むアクチュエータ部400が、光学ユニット100の中で分離して移動すること無く、光学ユニット100の全体の一部として固着して組み込まれており、光学ユニット100の全体がホログラム記録媒体101における記録再生の半径方向の領域の変化に応じて、内周と外周方向に移動するようになされている場合には、間隔Lolは、トラッキング方向に関しては常に一定の距離に保たれるので、波面収差の悪化が生じることはない。
さらに、フォーカスサーボの作用が引き起こす間隔Lolに対する影響について説明する。ホログラム記録媒体101とミラー122との離間距離が変化する場合にはフォーカスサーボは、対物レンズ123とホログラム記録媒体101との間の距離を一定に保つように作用する。その結果、ミラー122と対物レンズ123との距離が変化し、間隔Lolも変化することとなる。例えば、図10において、光学ユニット100に対して相対的に、ホログラム記録媒体101が紙面を正面に見て下方に移動する場合には、フォーカスサーボの作用によって、それに応じて対物レンズ123も紙面の下方に移動し、間隔Lolの大きさは、予め定めた所定の距離よりも大きくなってしまう。また、ホログラム記録媒体101が紙面を正面に見て上方に移動する場合には、フォーカスサーボの作用によって、それに応じて対物レンズ123も紙面の上方に移動し、間隔Lolの大きさは、予め定めた所定の距離よりも小さくなってしまう。この結果、いずれの場合にも波面収差の悪化が生じてしまう。
図11は、制御部150及びマイコン802の内部における処理をブロック図の形式で表すものである。ここで、符号Vfは、フォーカス指令電圧803の電圧値、符号Vtは、トラッキング指令電圧804の電圧値、符号Vrは、間隔制御アクチュエータ801に供給される間隔制御指令電圧の電圧値であり、符号Gfは、フォーカス指令電圧803の電圧Vfと掛け合わされるゲインであり、符号Gtは、トラッキング指令電圧804の電圧Vtと掛け合わされるゲインである。フォーカスエラー信号生成は、例えば、アスティグマ法に基づく演算の処理であり、トラッキングエラー信号生成は、プッシュプル法に基づく演算の処理である。また、フォーカスサーボ処理、トラッキングサーボ処理は、例えば、位相補償、ゲインの調整の処理である。
また、フォーカスアクチュエータ402の感度はSf(μm/V)、トラッキングアクチュエータ403の感度はSt(μm/V)、間隔制御アクチュエータ801の感度はSr(μm/V)として各々、表せるものとする。(式1)は、電圧Vfが感度Sfのフォーカスアクチュエータ402に入力され、電圧Vtが感度Stのトラッキングアクチュエータ403に入力された場合に、間隔Lolの大きさを所定の大きさに維持するための電圧Vrを求める式である。
(式1)
Vr=(Vf×Sf/Sr)+(Vt×St/Sr)
Vr=(Vf×Sf/Sr)+(Vt×St/Sr)
すなわち、間隔Lolを常に一定とする制御系は、フィードフォワード制御系として構成され、(式1)の第1項目はフォーカスアクチュエータ402が移動する場合における間隔Lolの所定の大きさからの変化をキャンセルするための電圧を表し、第2項目はトラッキングアクチュエータ403が移動する場合における間隔Lolの所定の大きさからの変化をキャンセルするための電圧を表すものである。
(式1)においては、所謂、オフセットは存在しないとし、電圧Vf及び電圧Vtが零の場合に間隔Lolは所定の離間距離となるものとされている。オフセットが存在する場合には、電圧Vf及び電圧Vtからオフセット電圧を引き、(式1)を適用するものとすれば良い。また、電圧Vrに関しても同様にオフセットが存在する場合には、(式1)の演算結果からオフセット分を差し引いた電圧を間隔制御アクチュエータ801に印加することによって間隔Lolを所定の離間距離に保つものとできる。
なお、本実施形態では、マイコン802を用いたが、マイコン802における処理の内容を制御部150の処理として取り込み、マイコン802を省略するものとしても良い。また、フォーカスアクチュエータ402、トラッキングアクチュエータ403、間隔制御アクチュエータ801のいずれかまたはすべてがアクチュエータに印加される電圧に対する変位が非線形の特性を有する場合には、ROM(Read Only Memory)に各々の入力電圧に対する変位の補正値を記録しておき、これを参照することによって、正確なる間隔Lolの補正が可能となる。
以上のような制御系を採用することによって、フォーカスアクチュエータまたはトラッキングアクチュエータのいずれかまたは両方が移動した場合にも間隔Lolの大きさを所定値とできるので、波面収差の悪化が生じることがない記録再生装置を提供できる。
すなわち、記録再生装置が備える制御系の一例としては、以下の構成を有するものである。第2のリレイレンズ系120の対物レンズ123に近い方のレンズ146の位置を光軸方向に移動させる間隔制御アクチュエータ801を具備し、対物レンズ123をホログラム記録媒体101の面に対して略垂直に移動させるためのフォーカスアクチュエータ402に印加されるフォーカス指令電圧803に基づいて、対物レンズ123とレンズ146との間隔を一定するように間隔制御アクチュエータ801を制御するものである。この場合においては、(式1)に示す電圧Vrは第1項目のみが採用されるものとなる。
また、記録再生装置が備える制御系の他の一例としては、以下の構成を有するものである。第2のリレイレンズ系120の対物レンズ123に近い方のレンズ146の位置を光軸方向に移動させる間隔制御アクチュエータ801を具備し、対物レンズ123をホログラム記録媒体101の面に対して略垂直に移動させるためのフォーカスアクチュエータ402に印加されるフォーカス指令電圧803及び対物レンズ123をホログラム記録媒体101の面に対して略水平に移動させるためのトラッキングアクチュエータ403に印加されるトラッキング指令電圧804に基づいて、対物レンズ123とレンズ146との間隔を一定とするように間隔制御アクチュエータ801を制御するものである。この場合においては、(式1)に示す電圧Vrは、第1項目及び第2項目が採用されるものとなる。また、トラッキングサーボ系を二段サーボ系とすることなく、スピンドルモータ500と位置関係が変化するのは光学ユニット100の中でアクチュエータ部400だけである、所謂、一段サーボ系として構成とする場合にも、(式1)に示す電圧Vrは、第1項目及び第2項目が採用されるものとなる。
図12に、(式1)に基づいて行った実験の結果を示す。横軸は光路長(間隔Lol)の変化量を表し、光路長の変化には、ミラー122及び対物レンズ123の移動の両方を含むものである。縦軸は再生信号のS/N(信号対雑音比)を表すものであり、制御ONが示す曲線は、間隔Lolを一定に保つための上述の制御を採用する場合の特性を示すものであり、制御OFFが示す曲線は、間隔Lolを一定に保つための上述の制御を採用しない場合の特性を示すものであり、波面収差の影響は再生信号のS/Nに反映されるものとなっている。すなわち、制御ONとする場合には再生信号のS/Nが向上している。
(制御部が行う、その他の処理について)
制御部150が、制御系の一部としての機能有することを上述したが、制御部150は、この他、記録再生装置の他の各部を制御する機能を有する。制御部150は、記録時、再生時のいずれにおいても、光学ユニット100を制御する。すなわち書き込み時には、情報(記録データ)に応じて制御部150からの信号によって空間光変調器116に情報(記録データ)に基づいた2次元的のパターンを信号光の表示領域及び参照光の表示領域に表示する。一方、再生時には、空間光変調器116の参照光の表示領域に2次元的なパターンを書き込み、アレイ型光検出器124からの出力を制御部150において処理する。また、記録時においては、外部装置から記録すべき情報を取り込み、再生時においては、制御部において処理した再生情報を外部装置に出力する。
制御部150が、制御系の一部としての機能有することを上述したが、制御部150は、この他、記録再生装置の他の各部を制御する機能を有する。制御部150は、記録時、再生時のいずれにおいても、光学ユニット100を制御する。すなわち書き込み時には、情報(記録データ)に応じて制御部150からの信号によって空間光変調器116に情報(記録データ)に基づいた2次元的のパターンを信号光の表示領域及び参照光の表示領域に表示する。一方、再生時には、空間光変調器116の参照光の表示領域に2次元的なパターンを書き込み、アレイ型光検出器124からの出力を制御部150において処理する。また、記録時においては、外部装置から記録すべき情報を取り込み、再生時においては、制御部において処理した再生情報を外部装置に出力する。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その発明の技術的思想の範囲内で様々に変形して実施することが可能である。例えば、ホログラム記録媒体の例として、ディスク型記録媒体を用いて説明したが、記録媒体の形状はディスク型に限ることはなく例えばカード型であっても良い。
100 光学ユニット、101 ホログラム記録媒体、111 記録再生用光源、116 空間光変調器、117 第1のリレイレンズ系、118 位相変調素子、119 偏光ビームスプリッタ、120 第2のリレイレンズ系、123 対物レンズ、124 撮像素子、141 レンズ、142 レンズ、143 遮蔽板、144 ピンホール、145 レンズ、146 レンズ、147 遮蔽板、148 ピンホール、801 間隔制御アクチュエータ、803 フォーカス指令電圧、804 トラッキング指令電圧
Claims (8)
- レーザ光を出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されたレーザ光から光路を共通にする信号光及び参照光を生成する空間光変調器と、
ナイキストサイズの1から2倍の大きさのピンホールが設けられた第1の遮蔽板を焦点位置に有し、前記空間光変調器により生成された信号光及び参照光が通過する第1のリレイレンズ系と、
前記第1のリレイレンズ系を通過した信号光及び参照光の共役面に配置された位相変調素子と、
前記位相変調素子を通過した前記信号光及び前記参照光をホログラム記録媒体に集光する対物レンズと、
前記位相変調素子と前記対物レンズとの間に配置され、前記ホログラム記録媒体から戻り光を受光するための受光系と
を具備することを特徴とするホログラム記録再生装置。 - 請求項1に記載のホログラム記録再生装置であって、
ナイキストサイズの1から2倍の大きさのピンホールが設けられた第2の遮蔽板を焦点位置に有し、前記位相変調素子を通過した信号光及び参照光が通過する第2のリレイレンズ系を更に具備することを特徴とするホログラム記録再生装置。 - 請求項1に記載のホログラム記録再生装置であって、
前記位相変調素子は、前記信号光に対する位相パターンと前記参照光に対する位相パターンとが異なることを特徴とするホログラム記録再生装置。 - 請求項1に記載のホログラム記録再生装置であって、
前記受光系は、
前記位相変調素子と前記対物レンズとの間の光路上に配置された偏光ビームスプリッタと、
前記偏光ビームスプリッタを反射したレーザ光を受光する受光素子と
を具備することすることを特徴とするホログラム記録再生装置。 - 請求項2に記載のホログラム記録再生装置であって、
前記対物レンズと前記第2のリレイレンズ系の対物レンズに近い方のレンズとの間隔を常に一定に制御する手段を更に具備することを特徴とするホログラム記録再生装置。 - 請求項2に記載のホログラム記録再生装置であって、
前記第2のリレイレンズ系の対物レンズに近い方のレンズの位置を光軸方向に移動させる間隔制御アクチュエータを具備し、
前記対物レンズを前記ホログラム記録媒体の面に対して略垂直に移動させるためのフォーカスアクチュエータに印加されるフォーカス指令電圧に基づいて、前記対物レンズと前記第2のリレイレンズ系の対物レンズに近い方のレンズとの間隔を一定とするように前記間隔制御アクチュエータを制御することを特徴とするホログラム記録再生装置。 - 請求項2に記載のホログラム記録再生装置であって、
前記第2のリレイレンズ系の対物レンズに近い方のレンズの位置を光軸方向に移動させる間隔制御アクチュエータを具備し、
前記対物レンズを前記ホログラム記録媒体の面に対して略垂直に移動させるためのフォーカスアクチュエータに印加されるフォーカス指令電圧及び前記対物レンズを前記ホログラム記録媒体の面に対して略水平に移動させるためのトラッキングアクチュエータに印加されるトラッキング指令電圧に基づいて、前記対物レンズと前記第2のリレイレンズ系の対物レンズに近い方のレンズとの間隔を一定とするように前記間隔制御アクチュエータを制御することを特徴とするホログラム記録再生装置。 - レーザ光を出射するレーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されたレーザ光から光路を共通にする信号光及び参照光を生成する空間光変調器と、
ナイキストサイズの1から2倍の大きさのピンホールが設けられた第1の遮蔽板を焦点位置に有し、前記空間光変調器により生成された信号光及び参照光が通過する第1のリレイレンズ系と、
前記第1のリレイレンズ系を通過した信号光及び参照光の共役面に配置された位相変調素子と、
前記位相変調素子を通過した前記信号光及び前記参照光をホログラム記録媒体に集光する対物レンズと、
前記位相変調素子と前記対物レンズとの間に配置され、前記ホログラム記録媒体から戻り光を受光するための受光系と
を具備する光学ユニット。
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