JP2006208934A - 光学フィルム、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液晶表示装置(LCD)等の各種の表示装置に用いられる光学用フィルム、特にこれら表示装置に用いられる偏光板用保護フィルム、および位相差フィルムに有用な光学フィルムについて、高いフィルム強度を有し、しかも着色の少ない光学フィルム、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 溶融押出し製膜法による光学フィルムの製造方法において、熱可塑性樹脂がセルロースエステル系樹脂であり、溶融押出しダイに投入する前に、その純水浸漬液がpH4〜5のセルロースエステル系樹脂を、露点が−80℃〜0℃の中性〜アルカリ性ガスの雰囲気下に置いた後あるいは該ガスを流通させた乾燥機にて加熱して、含水率が50〜1000ppm、及びその純水浸漬液pHが5〜7であるセルロースエステル系樹脂を得、この乾燥後のセルロースエステル系樹脂を用いて溶融押出し製膜を行なう。この方法により製造された光学フィルムの膜面pHは、5〜7である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えば、液晶表示装置(LCD)あるいは有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレー等の各種の表示装置に用いられる光学用フィルム、特にこれら表示装置に用いられる偏光板用保護フィルム、および位相差フィルムに有用な光学フィルム、及びその製造方法に関するものである。
一般に、液晶表示装置の基本的な構成は、液晶セルの両側に偏光板を設けたものである。偏光板は、一定方向の偏波面の光だけを通すので、液晶表示装置においては、電界による液晶の配向の変化を可視化させる重要な役割を担っており、偏光板の性能によって液晶表示装置の性能が大きく左右される。
光学フィルムの製造方法には、大別して溶液流延製膜法と溶融押出し製膜法とがある。前者は、ポリマーを溶媒に溶かして、その溶液を支持体上に流延し、溶媒を蒸発させ、さらに必要により延伸してフィルムにする方法である。得られるフィルムの平滑性に優れるなどの点から広く採用されてきたが、溶媒を乾燥させるための乾燥設備が大型化するなどの問題点を抱えていた。後者は、ポリマーを加熱溶融して支持体上に流延し、冷却固化し、さらに必要により延伸して、フィルムにする方法であり、溶媒を乾燥する必要がないので、設備が比較的コンパクトにできるとの利点があるが、樹脂を高温で溶融するため、熱分解による分子量低下や、それに伴うフィルムの強度低下、また、熱分解物による着色といった問題点があった。
セルロースエステルを溶融する場合、樹脂に含まれる微量の酸性残留物および水分が樹脂の熱分解を引き起こし、分子量低下や、熱分解物質による着色が発生する。ここで、酸性残留物とは、セルロースエステルの合成で使用される酢酸やプロピオン酸などの試薬、また、触媒として使用される硫酸などであり、セルロースエステル樹脂に結合して通常の水洗では除去しきれない状態として残る。また水分は、同じくセルロースエステル合成後の水洗工程で、樹脂に吸水された水が、後乾燥で完全に除去し切れなかったもの、あるいは、保管時に大気から吸湿したものなどである。吸湿量は、通常、樹脂乾燥重量に対して1〜2重量%程度含まれている。この吸湿水は、熱風あるいは真空あるいはその両方を組合せた乾燥である程度除去できるが、微量の酸性物質は通常の方法で除去困難である。樹脂の合成工程では、最終反応後に樹脂を水洗する工程があるが、ここでは、塩基物を添加して酸性物質の中和操作が行なわれているが、充分除去しきれず残ってしまっていた。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、溶融押出し製膜法においてセルロースエステル系樹脂を溶融する際、セルロースエステル系樹脂の熱分解を引き起こし、分子量低下や、熱分解物質による着色の発生原因である樹脂に含まれる微量の酸性残留物および水分を除去し、高いフィルム強度を有し、しかも着色の少ない光学フィルム、及びその製造方法を提供しようとすることにある。
本発明者は、上記の従来技術の問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、溶融押出し機で混錬溶融する前の熱可塑性樹脂の乾燥処理に着目し、事前に樹脂中に残留する酸性成分を効率的な方法で中和しておくことで、高温溶融時の樹脂の分子量低下を防止して、フィルム強度の低下を抑制するとともに、着色の少ない光学フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記の目標を達成するために、請求項1記載の光学フィルムの製造方法の発明は、熱可塑性樹脂を溶融押出しダイから溶融押出しし、金属支持体上で冷却固化して製膜する光学フィルムの製造方法において、熱可塑性樹脂がセルロースエステル系樹脂であり、溶融押出しダイに投入する前に、その純水浸漬液がpH4〜5のセルロースエステル系樹脂を、露点が−80℃〜0℃の中性〜アルカリ性ガスの雰囲気下に置いた後あるいは該ガスを流通させた乾燥機にて樹脂温度を100〜180℃に加熱して乾燥させ、含水率が50〜1000ppm、及びその純水浸漬液pHが5〜7であるセルロースエステル系樹脂を得、この乾燥後のセルロースエステル系樹脂を用いて溶融押出し製膜を行なうことを特徴としている。
つぎに、請求項2記載の光学フィルムの発明は、上記請求項1記載の方法で製造された光学フィルムであって、フィルムの膜面pHが5〜7であることを特徴としている。
本発明の請求項1記載の光学フィルムの製造方法の発明は、溶融押出し製膜法による光学フィルムの製造方法において、熱可塑性樹脂がセルロースエステル系樹脂であり、溶融押出しダイに投入する前に、セルロースエステル系樹脂を特定の乾燥機にて加熱して、含水率が50〜1000ppm、及びその純水浸漬液pHが5〜7であるセルロースエステル系樹脂を得、この乾燥後のセルロースエステル系樹脂を用いて溶融押出し製膜を行なうもので、セルロースエステル系樹脂を溶融する際、セルロースエステル系樹脂の熱分解を引き起こし、分子量低下や、熱分解物質による着色の発生原因である樹脂に含まれる微量の酸性残留物および水分を除去しているから、高いフィルム強度を有し、しかも着色の少ない光学フィルムを製造し得るという効果を奏する。
つぎに、請求項2記載の光学フィルムの発明は、上記請求項1記載の方法で製造された光学フィルムであって、フィルムの膜面pHが5〜7であるから、光学フィルムは高い物理的強度を有し、しかも着色の少ないものであるという効果を奏する。
つぎに、本発明の実施の形態を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明による光学フィルムの製造方法は、熱可塑性樹脂を溶融押出しダイから溶融押出しし、金属支持体上で冷却固化して製膜する光学フィルムの製造方法において、熱可塑性樹脂がセルロースエステル系樹脂であり、溶融押出しダイに投入する前に、その純水浸漬液がpH4〜5のセルロースエステル系樹脂を、露点が−80℃〜0℃の中性〜アルカリ性ガスの雰囲気下に置いた後あるいは該ガスを流通させた乾燥機にて樹脂温度を100〜180℃に加熱して乾燥させ、含水率が50〜1000ppm、及びその純水浸漬液pHが5〜7であるセルロースエステル系樹脂を得、この乾燥後のセルロースエステル系樹脂を用いて溶融押出し製膜を行なうものである。
なお、本発明において、溶融押出し製膜法で、樹脂および添加剤を混錬して溶融し、最終的にフィルム成形することについて、各種のプロセスがあり、本発明は、とくに1つのプロセスに限定されるものではない。
本発明において、例えば、セルロースエステル系樹脂を混錬押出機にて溶融混錬し、一旦、ペレット化し、その後、単軸押出機でフィルム成形しても良い。あるいは、ペレット化せずに、樹脂を単軸押出機に投入してフィルム化しても良い。あるいはまた、混錬押出機から直接フィルム成形しても良い。混錬押出機は、2軸混錬押出機が一般的であるが、これに限定されない。
また本発明において、添加剤は、一旦、混錬押出機でセルロースエステル系樹脂と高濃度に混錬したものをペレット化し、該ペレットを添加剤などを混ぜていないフレッシュな樹脂と混合させて、単軸押出機でフィルム成形しても良い。
混錬押出機あるいは単軸押出機あるいはその両方の直後に、フィルターやギアポンプが連結される場合もある。フィルターやギアポンプは、単独で連結される場合もあるし、また、両方連結される場合もある。そして両方連結される場合、フィルターの後にギアポンプを設置する場合もあるし、ギアポンプの後にフィルターを設置する場合もある。また、ギアポンプの前後にフィルターを設置する場合もある。
本発明において、フィルム成形では、セルロースエステル系樹脂を溶融押出しダイから直接キャスティングして巻き取っても良いし、その途中で、レタデーション調整や、寸法変化率を小さくする目的で、フィルムを長手方向や幅手方向に延伸または収縮させてもよい。長手方向に収縮するには、例えば、幅延伸を一時クリップアウトさせて、長手方向に弛緩させる、または横延伸機の隣り合うクリップの間隔を徐々に狭くすることにより、フィルムを収縮させるという方法がある。
後者の方法は、一般の同時二軸延伸機を用いて、縦方向の隣り合うクリップの間隔を、例えばパンタグラフ方式やリニアドライブ方式で、クリップ部分を駆動して、滑らかに徐々に狭くする方法によって行なうことができる。必要により、任意の方向(斜め方向)の延伸と組み合わせてもよい。フィルムを長手方向及び幅手方向とも、0.5%から10%収縮させることで光学フィルムの寸法変化率を小さくすることができる。
本発明において、フィルムの延伸条件は、所望のレタデーション特性が得られるように、延伸温度、及び延伸倍率を選ぶことができる。通常、延伸倍率は、1.1〜2.0倍、好ましくは1.2〜1.5倍であり、延伸温度は、通常、フィルムを構成するセルロースエステル系樹脂のガラス転移温度(Tg)〜Tg+50℃、好ましくはTg〜Tg+40℃の温度範囲である。
ここで、フィルムの延伸倍率が小さすぎると、所望のレタデーション値が得られない場合があり、逆に、大きすぎると、破断してしまう場合があるので、好ましくない。また、フィルムの延伸温度が低すぎると、破断してしまう場合があり、高すぎると、所望のレタデーション値が得られない場合があるので、好ましくない。
フィルムの延伸は、制御された均一な温度分布下で行なうことが好ましい。好ましくは±2℃以内、さらに好ましくは±1℃以内、特に好ましくは±0.5℃以内である。
光学フィルムの膜厚は、使用目的によって異なるが、仕上がりのフィルムとして、本発明において使用される膜厚範囲は、30〜200μmで、最近の薄手傾向にとっては、40〜120μmの範囲が好ましく、特に40〜100μmの範囲が好ましい。フィルムの平均膜厚は、所望の厚さになるように、押出し流量、溶融押出しダイの流延口の間隙、冷却ドラムの速度等をコントロールすることで調整できる。
巻き取る前に、製品となる幅に端部をスリットして裁ち落とし、巻き中の貼り付きやすり傷防止のために、ナール加工(エンボッシング加工)を両端に施してもよい。また、スリットで裁ち落としたトリムは、粉砕し乾燥させた後、混錬押出機あるいは単軸押出機に投入しても良いし、混錬押出機に直接、トリムを投入し、混錬機のプロセスの中で水分除去しても良い。ナール加工の方法は凸凹のパターを側面に有する金属リングを加熱や加圧により加工することができる。なお、フィルム両端部のクリップの把持部分は通常、フィルムが変形しており、製品として使用できないので、切除されて、原料として再利用される。
セルロースエステル系樹脂を溶融押出しダイから溶融押出しし、冷却ドラム等の金属支持体上で冷却固化する方法は、溶融押出し製膜法と呼ばれている。溶融押出し製膜法としては、溶融押出しダイを用いた方法やインフレーション法などの溶融押出し法、カレンダー法、熱プレス法、射出成形法などがあるが、本発明では、膜厚ムラが小さく、50〜500μm程度の厚さに加工できる溶融押出しダイを用いた方法を採用している。
溶融押出しダイは、幅手方向に配置された厚さ調整手段を有しており、流延口から流延される溶融樹脂量を幅手方向に制御できる。厚さ調整手段としては、特に限定されないが、幅手方向に複数配置された調整ボルトやヒートボルトなどにより流延口の開口量を調整する方法、幅手方向に区分して配置されたヒーターなどにより、流延樹脂の温度を変化させて流量を調整する方式などが挙げられる。厚み調整を行なう幅手方向の分割数(厚み調整のための調整ボルトやヒートボルト、ヒーターの幅手方向の点数)は、多いほど細かな制御ができるので好ましい。好ましくは、幅手方向に50mmピッチ以内、さらに好ましくは25mm以内である。
本発明では、膜厚を均一にする手段として、膜厚検出手段を用いて延伸後のフィルムの厚みを測定し、この測定結果を反映し、この測定結果に基づいて、厚みが均一になるように、溶融押出しダイの幅手方向に配置された厚み調整手段を調節するのが、好ましい。すなわち、セルロースエステル系樹脂を溶融押出しして、未延伸フィルムを成形する工程で、一旦未延伸フィルムを巻き取ることなく、未延伸フィルムを延伸する工程までを連続して行なうことで、延伸後のフィルム厚みをモニターしながら、リアルタイムで未延伸フィルムの幅手厚み分布を制御することで、レタデーションの均一な光学フィルムが得られるものである。
本発明において、溶融押出しの条件は、他のポリエステルなどのセルロースエステル系樹脂に用いられる一般的な条件と同様にして行なうことができる。例えば、溶融、混錬前の樹脂の乾燥は、溶融押出し製膜法による製膜では、溶液流延製膜法と著しく異なっている。溶融押出し製膜法による製膜では、溶融流延する材料に揮発成分が存在すると、フィルムや位相差フィルムとしての機能を活用するためのフィルムの平面性及び透明性確保の点から好ましくない。これは製膜されたフィルムに揮発成分が混入すると、透明性が低下すること、及びダイ−スリットから押し出しされて製膜されたフィルムを得る場合、フィルム表面に筋が入る要因となり、平面性劣化を誘発することがある。従って、フィルム構成材料を製膜加工する場合、加熱溶融時に揮発成分の発生を回避する観点から、製膜するための溶融温度よりも低い領域に揮発する成分が存在することは好ましくない。
ここで、揮発成分とは、例えばフィルム構成材料中のいずれかが吸湿した水分、または材料の購入前または合成時に混入している溶媒などが挙げられ、加熱による蒸発、昇華あるいは分解による揮発が挙げられる。ここでいう溶媒とは、溶液流延として樹脂を溶液として調整するための溶媒と異なり、フィルム構成材料中に微量に含まれるものである。従って、フィルム構成材料を選択することは、揮発成分の発生を回避する上で重要である。
本発明の溶融流延に用いるフィルム構成材料は、水分や溶媒等に代表される揮発成分を、押出製膜機に投入する前に、除去することが好ましい。この除去する方法は、公知の乾燥方法が適用でき、加熱法、減圧法、加熱減圧法等の方法で行なうことができる。
例えば、回転するディスクで樹脂粉体あるいはペレットを混合しながら乾燥させる伝導伝熱タイプ、また、逆円錐型の容器内で自転するスパイラルあるいは自転しながら公転するスクリューで混合しながら乾燥させるナウタ−方式の伝導伝熱方式の乾燥機を用いることができる。ナウター方式では、乾燥機内部を0.1〜200torrまで減圧しても良い。また、熱風を当てて流動状態下で乾燥させる熱風受熱型の乾燥機を用いても良い。特に、溶融に用いるセルロースエステル系樹脂の乾燥では、イーストマンケミカル出版「TENITE」に、前記の乾燥方法の詳細が記載されている。
このときの乾燥温度は、製膜前に乾燥することにより、揮発成分の発生を削減することができ、樹脂単独、または樹脂とフィルム構成材料のうち、樹脂以外の少なくとも1種以上の混合物または相溶物に分割して乾燥することができる。セルロースエステル系樹脂の乾燥では、乾燥温度は、50℃以上180℃以下が好ましい。
本発明の方法において、乾燥時間は、10分〜10時間である。これより乾燥時間が短いと、充分な揮発成分の除去はできず、またこれより長くても、材料の熱分解や、セルロースエステル系樹脂が粉砕されて微粉化し、ハンドリングが非常困難となる。
乾燥工程は、2段階以上に分離してもよく、例えば予備乾燥工程による材料の保管と、製膜する直前〜1週間前の間に行なう直前乾燥工程を介して製膜してもよい。
セルロースエステル系樹脂は、非常に吸湿しやすく、例えば、含水率100ppm程度の樹脂粉体を30sec通常の外気にさらしただけで、含水率が1000ppmを超えてしまうため、乾燥後の保管状態が非常に重要であり、密閉構造で外気の湿気に接触することがないような保管をすることが望ましい。
本発明では、前述した乾燥機内に、以下のガスを流し、セルロースエステル系樹脂のpHをコントロールすることが望ましい。
中性ガスには、窒素、酸素、アルゴンなどがある。塩基性ガスには、アンモニアの他、セルロースエステル系樹脂を乾燥させる温度にて気化するトリメチルアミン、ピリジンなども使用できる。これらは、除湿されたものを使用することが望ましく、ガスの露点は−80℃〜0℃であり、−30℃以下が望ましい。さらに望ましくは、−50℃以下である。
塩基性ガスは、連続的に送っても良いし、断続的に送っても良い。塩基性ガスがセルロースエステル系樹脂粉体あるいはペレットの中に素早く拡散浸透して、中和することができ、その結果、高温での溶融混錬を行なっても、樹脂の分解を大幅に抑制できる。
セルロースエステル系樹脂を乾燥せずに、微少の水を含んだ状態で高温溶融させると、加水分解で酢酸が発生し、これが触媒となって、さらに熱分解が進んでセルロースエステル系樹脂の分子量が低下、得られるフィルムは物理的強度が著しく低いものになってしまう。さらに、熱分解物による着色が強いため、光学フィルムとして使用することはできない。そのため、溶融前に充分に樹脂を乾燥し、含水率を下げるが、このとき、含水率を下げただけでは、高温溶融時の熱分解を抑制することは難しい。熱分解には、水とセルロースエステル系樹脂の酸性度が関与しており、これを中性に近づけるように、前処理しておくことが、非常に重要である。
このため、本発明においては、セルロースエステル系樹脂を溶融押出しダイに投入する前に、その純水浸漬液がpH4〜5のセルロースエステル系樹脂を、露点が−80℃〜0℃の中性〜アルカリ性ガスの雰囲気下に置いた後あるいは該ガスを流通させた乾燥機にて、樹脂温度を100〜180℃に加熱して乾燥させ、含水率が50〜1000ppm、及びその純水浸漬液pHが5〜7であるセルロースエステル系樹脂を得、この乾燥後のセルロースエステル系樹脂を用いて溶融押出し製膜を行なうものである。
ここで、溶融押出し製膜法で用いられる原料は、ハンドリング性から、通常、粉体もしくはペレットが用いられる。この場合、添加剤等の投入で、添加量が微少な場合、高い添加比率精度を出すことが難しく、素材の粉体特性にもよるが、ロスインウェイト方式やマスターバッチ方式でも±1%程度であるため、アルカリ性添加剤を投入して弱酸性のセルロースエステル系樹脂を均一に中性にするのは、困難である。また、この方法では、高温溶融しながらセルロースエステル系樹脂が中和されるため、中和される前の分解を充分に食い止めることができない。そのため、本発明におけるように、事前の乾燥工程で中性〜アルカリ性ガスにより、中和する方法が最も望ましい。
さらに、本発明では、セルロースエステル系樹脂を、露点が−80℃〜0℃の中性〜アルカリ性ガスを流通させた乾燥機にて、樹脂温度を50〜180℃に加熱し、あるいは加熱しながら、0.1〜200torrまでの減圧雰囲気下にすることで乾燥させ、含水率をより低くすることが望ましい。
本発明の光学フィルムの製造方法により、フィルムの膜面pHが5〜7である、物理的強度が低下せず、着色の少ない光学フィルムを得ることができる。
このような乾燥機で事前に乾燥したセルロースエステル系樹脂を、1軸や2軸タイプの押出機を用いて、押出温度150〜300℃程度で溶融し、リーフディスクタイプのフィルターなどで濾過し、異物を除去した後、Tダイからフィルム状に流延し、冷却ドラム上で固化させる。
なお、供給ホッパーから押出し機へ導入する際は、真空下または減圧下や不活性ガス雰囲気下にして酸化分解等を防止することが好ましい。
押出流量は、ギヤポンプを導入するなどして安定に行なうことが好ましい。
また、異物の除去に用いるフィルターは、ステンレス繊維焼結フィルターが好ましく用いられる。ステンレス繊維焼結フィルターは、ステンレス繊維体を複雑に絡み合った状態を作り出した上で圧縮し、接触箇所を焼結し、一体化したもので、その繊維の太さと圧縮量により密度を変え、濾過精度を調整できる。濾過精度を粗、密と連続的に複数回繰り返した多層体としたものが好ましい。また、濾過精度を順次上げていく構成としたり、濾過精度の粗、密を繰り返す方法をとることで、フィルターの濾過寿命が延び、異物やゲルなどの補足精度も向上できるので、好ましい。
溶融押出しダイに傷や異物が付着すると、フィルムにスジ状の欠陥が発生する場合がある。このような欠陥のことをダイラインと呼ぶが、ダイライン等の表面の欠陥を小さくするためには、押出し機からダイまでの配管にはセルロースエステル系樹脂の滞留部が極力少なくなるような構造にすることが好ましい。溶融押出しダイの内部やリップに、キズ等が極力無いものを用いることが好ましい。また、溶融押出しダイ周辺にセルロースエステル系樹脂から揮発成分が析出し、ダイラインの原因となる場合があるので、揮発成分を含んだ雰囲気(周辺気体)は吸引することが好ましい。さらに、静電印加等の装置にもセルロースエステル系樹脂から揮発成分が析出する場合があるので、交流を印加したり、他の加熱手段で析出を防止することが好ましい。
本発明による光学フィルムの製造方法において、可塑剤などの添加剤は、あらかじめセルロースエステル系樹脂と混合しておいてもよいし、溶融押出し機の途中で練り込んでもよい。可塑剤等の添加剤を均一に添加するために、スタチックミキサーなどの混合装置を用いることが、好ましい。
セルロースエステル系樹脂を溶融押出しダイから溶融押出しし、冷却ドラム等の金属支持体上で冷却固化して製膜する際、金属支持体の温度は、セルロースエステル系樹脂の常温からガラス転移温度以下の範囲が好ましい。この範囲とすることにより、搬送張力などによる僅かなレタデーションむらの発生を抑制できる。冷却ドラム等の金属支持体へセルロースエステル系樹脂を密着させるために、静電印加により密着させる方法、風圧により密着させる方法、全幅あるいは端部をニップして密着させる方法、減圧で密着させる方法などを用いることが好ましい。
本発明において、膜面pHとは、フィルム1cmの塗布面上にイオン交換水0.05mlを滴下し、湿度90%RH以上の雰囲気下で、10分以上放置した後、平面用複合電極を用いて測定したpHのことを言う。ここで、平面用複合電極の具体例としては、堀場製作所株式会社製の電極6261−10Cなどが挙げられる。
つぎに、セルロースエステル系樹脂のpHの測定方法は、ASTMのD−817−96に準じて、測定することができる。
まず、セルロースエステル系樹脂5gを細かく砕いて500mlメスフラスコに入れ、そこへメスシリンダーで量った純水150mlを入れた後、メスフラスコをよく振って樹脂を純水になじませ、3時間放置する。この間、メスフラスコを時々振っておく。3時間経過したら、濾紙で樹脂を除去し、新たにメスシリンダーで図った純水150mlでメスフラスコおよび濾紙に濾過された状態の樹脂を洗浄、洗浄液は、先の濾液に加え、この濾液のpHを、セルロースエステル系樹脂の純水浸漬液pHとして測定する。
本発明の光学フィルムの製造方法において、用いられるセルロースエステルとしては、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート及びセルロースアセテートプロピオネートブチレートが好ましい。上記セルロースエステルのアセチル基の置換度は、少なくとも1.5以上であることが、得られるフィルムの寸法安定性に優れるので、好ましい。セルロースエステルのアシル基の置換度の測定方法としては、ASTMのD−817−91に準じて実施することができる。セルロースエステルの分子量は、数平均分子量として50,000〜300,000、とくに60,000〜200,000であることが、得られるフィルムの機械的強度が強くできるので、好ましい。
本発明の方法において、セルロースエステル系樹脂中には、種々の目的で可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、マット剤、帯電防止剤、難燃剤、染料及び油剤などの添加剤を含有させることができる。
可塑剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリナフチルホスフェート、トリキシリルホスフェート、アリーレンビス(ジアリールホスフェート)エステル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル系可塑剤、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート及びジ−2−エチルヘキシルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤、トリアセチン、トリブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート及びブチルフタリルブチルグリコレート等のグリコール酸エステル系可塑剤、アセチルクエン酸トリブチルなどのクエン酸系可塑剤、ジプロピレングリコールベンゾエート、トリプロピレングリコールジベンゾエート、1,3−ジブチレングリコールジベンゾエート、テトラエチレングリコールジベンゾエート、トリメチロールプロパントリアセテート、トリメチロールプロパントリベンゾエート等の多価アルコールエステル系可塑剤、その他にトリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)などを挙げることができる。必要に応じて上記のうち2種類以上の可塑剤を併用して用いてもよい。これらの添加量は、可塑剤の効果とブリードアウトの兼ね合いから、セルロースエステル系樹脂に対して1〜30重量%が好ましい。
また、ポリエステルエーテル、ポリエステル−ウレタン、ポリエステルなどもブレンドすることで可塑性を改良できるので、好ましく用いることができる。
ポリエステルエーテルとしては、炭素原子8〜12個の芳香族ジカルボン酸または脂環式ジカルボン酸(例えばテレフタール酸、イソフタール酸、ナフタレンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸)、炭素原子2〜10個の脂肪族グリコールまたは脂環式グリコール類(例えば、エチレンジオール、プロピレンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび1,5−ペンタンジオール)、エーテル単位の間に炭素原子2〜4個を有するポリエーテルグリコール類(例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、特に1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびポリテトラメチレンエーテルグリコールを構成要素とするコポリエステルエーテル)が好ましい。ポリエステルエーテルの配合量は、主たるセルロースエステル系樹脂に対して5〜30重量%が好ましい。配合量をこの範囲とすることで良好な可塑性を呈するフィルムが得られる。
ポリエステル−ウレタンとしては、ポリエステルとジイソシアナートとの反応により得られる
ポリエステル−ウレタンが挙げられる。下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する。
Figure 2006208934
一般式(1)中、lは、2、3または4を表わし、mは、2、3または4を表わし、nは、1〜100を表わす。Rは、下記式(2)〜(7)に示す構造単位を表わす。
一般式(2)中、pは2〜8を表わす。
ポリエステル−ウレタンを構成するポリエステルとしては、グリコール成分が、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、または1,4−ブタンジオールであり、二塩基性酸成分が、コハク酸、グルタル酸、またはアジピン酸からなる両末端ヒドロキシル基を有するポリエステルであり、その重合度nは、1〜100である。ポリエステルの分子量として、1,000〜4,500に当るものが特に望ましい。
ポリエステル−ウレタンを構成するジイソシアナート成分としては、エチレンジイソシアナート、トリメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート等のポリメチレンイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、p,p′−ジフェニルメタンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート等の芳香族ジイソシアナート、m−キシリレンジイソシアナート等が挙げられる。中でも、トリレンジイソシアナート、m−キシリレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナートがポリウレタン化した場合、セルロースエステルとの相溶性が秀れているので、好ましい。
ポリエステル−ウレタンの分子量は、2,000〜50,000が好ましく、さらに5,000〜15,000が好ましい。ポリエステル−ウレタンの合成は、上記のポリエステルとジイソシアナートとを混合し、攪拌下加熱させる常法の合成法により、容易に得ることができる。また、原料のポリエステルも常法により、相当する二塩基性酸、またはこれらのアルキルエステル類とグリコール類とのポリエステル化反応、またはエステル交換反応による熱溶融縮合法が、あるいはこれらの酸の酸クロリドとグリコール類との界面縮合法のいずれかの方法により、末端基がヒドロキシル基となるように適宜調整すれば、容易に合成することができる。
ポリエステル−ウレタンの配合量は、主たるセルロースエステル系樹脂に対して5〜30重量%が好ましい。配合量をこの範囲とすることで、良好な可塑性を呈するフィルムが得られる。
ポリエステルとしては、ポリエチレングリコールと脂肪族二塩基性酸とからなるポリエステルで、その平均分子量は700から10,000が好ましい。ポリエチレングリコールは、一般式
HO−(CHCH−O)n−H
(ここで、nは整数である)で表わされる。整数nは、4以下であるのが、好ましい。
脂肪族二塩基性酸とは、一般式
HOOC−R−COOH
(ここで、Rは、脂肪族二価炭化水素基である)で表わされるシュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸などであり、炭素数9以下が好ましい。
ポリエステルの合成は常法により、上記二塩基性酸またはこれらのアルキルエステル類とグリコール類とのポリエステル化反応、またはエステル交換反応による熱溶融縮合法か、あるいはこれら酸の酸クロライドとグリコール類との界面縮合法のいずれかの方法によっても容易に合成することができる。
ポリエステルの配合量は、主たるセルロースエステル系樹脂に対して5〜30重量%が好ましい。配合量をこの範囲とすることで、良好な可塑性を呈するフィルムが得られる。
本発明の光学フィルムの製造方法において、フィルム構成材料中に、安定剤の少なくとも一種をセルロースエステル系樹脂の加熱溶融前または加熱溶融時に添加することが、好ましい。製膜するための溶融温度においても、安定化剤自身が分解せずに機能することが求められる。
ここで、安定剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が適当であり、その具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン及びトリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等を挙げることができる。とくに2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕及びトリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量は、その効果を得るために、セルロースエステル系樹脂に対し、重量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmがとくに好ましい。
フィルム構成材料の酸化防止、分解して発生した酸の捕捉、光または熱によるラジカル種基因の分解反応を抑制または禁止する等、解明できていない分解反応を含めて、着色や分子量低下に代表される変質や材料の分解による揮発成分の生成を抑制するために、安定化剤を用いる。
一方、フィルム構成材料を加熱溶融すると、分解反応が著しくなり、この分解反応によって着色や分子量低下に由来した該構成材料の強度劣化を伴うことがある。またフィルム構成材料の分解反応によって、本発明の目的において、分解反応によって生じる好ましくない揮発成分の発生も併発することもある。
また、上述の安定化剤の存在は、加熱溶融時において可視光領域の着色物の生成を抑制すること、または揮発成分がフィルム中に混入することによって生じる透過率やヘイズ値といった位相差フィルムとして好ましくない性能を抑制または消滅できる点で、優れている。
上記可塑剤の中でも、熱溶融時に揮発成分を生成しないことが好ましい。具体的には特表平6−501040号公報に記載されている不揮発性燐酸エステルが挙げられ、例えばアリーレンビス(ジアリールホスフェート)エステルや上記例示化合物の中ではトリメチロールプロパントリベンゾエート等が好ましいが、これらに限定されるものではない。
揮発成分が上記可塑剤の熱分解によるとき、上記可塑剤の熱分解温度Td(1.0)は、1.0重量%減少したときの温度と定義すると、フィルム構成材料の溶融温度(Tm)よりも高いことが求められる。可塑剤は、上記目的のために、セルロースエステル系樹脂に対する添加量が他のフィルム構成材料よりも多く、揮発成分の存在は得られるフィルムの品質に与える劣位となる影響が大きいためである。なお、熱分解温度Td(1.0)は、市販の示差熱重量分析(TG−DTA)装置で測定することができる。
本発明において、使用し得る紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができるが、着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。
また、紫外線吸収剤としては、特開平10−182621号公報、特開平8−337574号公報記載の紫外線吸収剤、特開平6−148430号公報記載の高分子紫外線吸収剤も、好ましく用いられる。紫外線吸収剤としては、偏光子や液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、かつ、液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。
本発明において、有用な紫外線吸収剤の具体例として、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、市販品として、チヌビン(TINUVIN)109、チヌビン(TINUVIN)171、チヌビン(TINUVIN)326(何れもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)などを、好ましく使用できる。
上記のベンゾフェノン系化合物の具体例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
これらの紫外線吸収剤の配合量は、セルロースエステル系樹脂に対して、0.01〜10重量%の範囲が好ましく、さらに0.1〜5重量%が好ましい。ここで、紫外線吸収剤の使用量が少なすぎると、紫外線吸収効果が不充分の場合があり、逆に、多すぎると、フィルムの透明性が劣化する場合がある。紫外線吸収剤は熱安定性の高いものが好ましい。
本発明においては、セルロースエステル系樹脂フィルムの滑り性を付与するために、微粒子を添加することが好ましい。本発明で用いられる微粒子としては、溶融時の耐熱性があれば無機化合物または有機化合物どちらでもよい。
例えば、無機化合物としては、珪素を含む化合物、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、さらに好ましくは、ケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムである。中でも、ヘイズを小さく抑えることができることから、二酸化珪素が特に好ましく用いられる。二酸化珪素の具体例としては、アエロジル200V、アエロジルR972V、アエロジルR972、R974、R812、200、300、R202、OX50、TT600(以上、日本アエロジル株式会社製)等の商品名を有する市販品が好ましく使用できる。
フィルム構成物のセルロースエステル系樹脂以外の構成材料を該樹脂と均一に混合することは、加熱時の溶融性において均一な溶融性を与えることに寄与できる。
セルロースエステル系樹脂に、安定化剤、可塑剤、及び上記のその他添加剤を添加するときは、それらを含めた総量が、セルロースエステル系樹脂の重量に対して1重量%以上30重量%以下であることが好ましい。
本発明の方法により得られる光学フィルムは、偏光フィルムの少なくとも片面に貼り合わせることにより、楕円偏光板とすることができる。
偏光フィルムは、従来から使用されている、例えば、ポリビニルアルコールフィルムのような延伸配向可能なフィルムを、沃素のような二色性染料で処理して、縦延伸したものである。偏光フィルム自身では、充分な強度、耐久性がないので、一般的には、その両面に保護フィルムとしての異方性のないセルローストリアセテートフィルムを接着して、偏光板としている。
本発明の方法により得られる光学フィルムは、上記保護フィルム付きの偏光板に貼り合わせて作製してもよいし、また保護フィルムも兼ねて、直接偏光フィルムと貼り合わせて作製してもよい。
特に、本発明により得られる光学フィルムは、幅手方向に遅相軸を有しているため、偏光フィルムと、裁断することなく、長尺ロール同士で貼り合わすことができ、偏光板の生産性が飛躍的に向上する。
偏光板は、その片面または両面に感圧性接着剤層(例えば、アクリル系感圧性接着剤層など)を介して剥離性シートを積層した貼着型のもの(剥離性シートを剥すことにより、液晶セルなどに容易に貼着することができる)としてもよい。
このように、本発明の光学フィルムを用いて得られる偏光板は、種々の表示装置に使用できる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
実施例1〜4
まず、アセチル基の置換度1.95、プロピオニル基の置換度0.7、数平均分子量75,000のセルロースアセテートプロピオネートを、アンモニアガスを0.1容量%の割合で添加した露点が−70℃未満(G3グレード)の窒素ガスを流通させた回転ディスクタイプの伝動伝熱型乾燥機にて、平均滞留時間(ガス流通時間)が1時間となる条件で、乾燥させた。
このとき、乾燥前のセルロースアセテートプロピオネートの含水率、及びその純水浸漬液pHと、乾燥時の樹脂温度を、表1にまとめて記載した。
また、乾燥後のセルロースアセテートプロピオネートの含水率、及びその純水浸漬液pHを、表1にあわせて記載した。
なお、セルロースアセテートプロピオネートの樹脂中の含水率は、以下に示す測定器を用いて測定した。
測定機器:株式会社ダイアインスツルメンツ
水分測定装置CA−100(カールフィッシャー電量滴定法)と水分気化装置VA−100型
樹脂加熱温度:230℃
また、セルロースアセテートプロピオネートの純水浸漬液pHは、前述の測定方法により、測定した。
さらに、本発明の実施例1〜4において、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、乾燥前、及び乾燥後のセルロースアセテートプロピオネートの数平均分子量(Mn)を算出した。
数平均分子量(Mn)の測定条件は、以下の通りである。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
溶媒(溶離液):ジクロロメタン
カラム名:昭和電工製GPCk806、GPCk805、GPCk803の3本を使用
試料濃度:0.1(重量%)
流量:1.0(ml/分)
試料注入量:100(μl)
標準試料:ポリスチレン(Mw:500万〜670万)
温度:25℃
検出:RI(示唆屈折率計)
<分子量低下率の算出>
そして、乾燥前のセルロースアセテートプロピオネートに対する乾燥後のセルロースアセテートプロピオネートの分子量低下率を、下記式により算出した。
分子量低下率={乾燥後数平均分子量(Mn)/乾燥前数平均分子量(Mn)} ×100
本発明の実施例1〜4で用いたセルロースアセテートプロピオネートの分子量低下率の算出結果を、表1にあわせて示した。
ついで、乾燥後のセルロースエステル系樹脂を用いて、溶融押出し製膜をつぎのようにして実施した。
<樹脂組成>
乾燥後のセルロースアセテートプロピオネート 100重量部
トリフェニルフォスフェート 10重量部
チヌビン109 0.5重量部
チヌビン171 0.5重量部
チヌビン326 0.3重量部
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール 0.01重量部
ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕 0.01重量部
上記の樹脂組成物を2軸式押出機を用いて230℃で溶融混合し、ペレット化した。ついで、このペレットを用いて、溶融温度240℃で溶融押出しダイから溶融押出しし、金属支持体上で冷却固化して製膜することにより、膜厚300μmの未延伸セルロースアセテートプロピオネートフィルムを得た。
本発明の実施例1〜4で得られたセルロースアセテートプロピオネートフィルムについて、フィルム着色度を、目視により観察し、得られた結果を、下記のランク付けを行ない、表1にあわせて示した。
○:無色透明
△:わずかに着色あり
×:一目で茶色に着色している
比較例1〜7
比較のために、上記実施例1の場合と同様に、セルロースアセテートプロピオネートを、アンモニアガスを添加した窒素ガスを流通させた乾燥機にて乾燥させた。
このとき、乾燥前のセルロースアセテートプロピオネートの含水率、及びその純水浸漬液pHと、乾燥時の樹脂温度を、表1にまとめて示した。
また、乾燥後のセルロースアセテートプロピオネートの含水率、及びその純水浸漬液pHを、表1にあわせて示した。
なお、比較例1〜3では、乾燥前のセルロースアセテートプロピオネートの純水浸漬液pHが、本発明の範囲外である3.4、3.8、及び5.5のセルロースアセテートプロピオネートを使用した。比較例4では、アンモニアガスを0.1容量%の割合で添加した窒素ガスのガス露点を、本発明の範囲外である3℃とした。比較例5では、アンモニアガスを添加した窒素ガスを流通させた乾燥機での平均滞留時間(ガス流通時間)を10分とした。比較例6と7では、乾燥時の樹脂温度を、本発明の範囲外である95℃、及び190℃とした。
また、これらの比較例1〜7における乾燥後のセルロースアセテートプロピオネートの含水率、及びその純水浸漬液pHを、表1にあわせて示した。
また、乾燥前のセルロースアセテートプロピオネートに対する乾燥後のセルロースアセテートプロピオネートの分子量低下率を、上記実施例1の場合と同様に、算出し、得られた結果を、表1にあわせて示した。
ついで、乾燥後のセルロースアセテートプロピオネートを用いて、上記実施例1の場合と同様に、溶融押出し製膜を実施することにより、膜厚300μmの未延伸セルロースアセテートプロピオネートフィルムを得た。
Figure 2006208934
上記表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜4では、乾燥後のセルロースアセテートプロピオネートフィルムは、無色透明で、着色が全く無かった。しかも乾燥後のセルロースアセテートプロピオネートの分子量低下率は、いずれも99%または98%であり、フィルムとしての強度が大きく、光学フィルムとして充分に使用できるものであった。
これに対し、比較例1〜7では、乾燥後のセルロースアセテートプロピオネートフィルムについて、比較例1、2と7では、一目で茶色に着色していることが分かった。比較例3〜6では、わずかに着色あった。また比較例6では、乾燥後のセルロースアセテートプロピオネートの含水率が、本発明の範囲外である2600ppmと非常に高く、高温溶融時の樹脂の熱分解を抑制することが難しいものであった。
また、比較例1〜7では、乾燥後のセルロースアセテートプロピオネートの分子量低下率が、89%〜95%の範囲と低く、このように、分子量低下率が概ね86%を下回ると、フィルムの強度が著しく低下し、フィルムがパリパリ割れやすくなるなど、品質の劣化が著しく、光学用途のフィルムとして使用することができないものであった。
<フィルム評価試験>
上記の本発明による実施例1〜3のセルロースアセテートプロピオネートフィルム、及び比較例1と2のセルロースアセテートプロピオネートフィルムについて、それぞれフィルム膜面pHを測定するとともに、温度80℃、湿度90%RHの高温高湿の条件下に、500時間保持した後のフィルムの着色度を評価し、得られた結果を、下記の表2に示した。なお、セルロースアセテートプロピオネートフィルムの膜面pHは、前述の測定方法により、測定した。
Figure 2006208934
上記表2の結果から明らかなように、本発明の実施例1〜3の光学フィルムとしてのセルロースアセテートプロピオネートフィルムによれば、フィルムの膜面pHが5〜7であるから、光学フィルムとして高い物理的強度を有し、しかも耐久条件下においても着色がなく、ひいては液晶表示装置(LCD)の品質の改善が可能であるものであった。
これに対し、比較例1と2のセルロースアセテートプロピオネートフィルムでは、フィルムの膜面pHが、本発明の範囲外である4.6と7.4であるから、光学フィルムとしての物理的強度が低く、また耐久条件下において、フィルムにわずかに茶色味の着色があった。

Claims (2)

  1. 熱可塑性樹脂を溶融押出しダイから溶融押出しし、金属支持体上で冷却固化して製膜する光学フィルムの製造方法において、熱可塑性樹脂がセルロースエステル系樹脂であり、溶融押出しダイに投入する前に、その純水浸漬液がpH4〜5のセルロースエステル系樹脂を、露点が−80℃〜0℃の中性〜アルカリ性ガスの雰囲気下に置いた後あるいは該ガスを流通させた乾燥機にて樹脂温度を100〜180℃に加熱して乾燥させ、含水率が50〜1000ppm、及びその純水浸漬液pHが5〜7であるセルロースエステル系樹脂を得、この乾燥後のセルロースエステル系樹脂を用いて溶融押出し製膜を行なうことを特徴とする、光学フィルムの製造方法。
  2. 請求項1記載の方法で製造された光学フィルムであって、フィルムの膜面pHが5〜7であることを特徴とする、光学フィルム。
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