JP2006207705A - 防振ゴム - Google Patents
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Abstract
【課題】防振ゴムにおいて、懸架部材等の支持部材と外筒との衝突による金属異音を無くし、外筒の金属疲労が解消若しくは軽減される改善された防振ゴムを提供する。
【解決手段】内筒1と、内筒1の軸心方向に沿う軸心Pを有するボス部2A、及び内筒1の径方向に沿う外向きフランジ部2Bから成る外筒2と、ボス部2Aの内周面及びフランジ部2Bの外面と内筒1との間に介在されて両筒1,2を互いに加硫接着により一体化するゴム部3と、を有して構成される防振ゴムAにおいて、ゴム部3は、外向きフランジ部2Bの外端を回り込んで外向きフランジ部2Bの内面2bに及ぶ形状に設定される。
【選択図】図1
【解決手段】内筒1と、内筒1の軸心方向に沿う軸心Pを有するボス部2A、及び内筒1の径方向に沿う外向きフランジ部2Bから成る外筒2と、ボス部2Aの内周面及びフランジ部2Bの外面と内筒1との間に介在されて両筒1,2を互いに加硫接着により一体化するゴム部3と、を有して構成される防振ゴムAにおいて、ゴム部3は、外向きフランジ部2Bの外端を回り込んで外向きフランジ部2Bの内面2bに及ぶ形状に設定される。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車のエンジン等の振動発生体を防振懸架するのに用いられる防振ゴムに関するものである。
この種の防振ゴムにおいて、内筒と、この内筒の軸心方向に沿う軸心を有するボス部、及び内筒の径方向に沿う外向きフランジ部から成る外筒と、ボス部の内周面及びフランジ部の外面と内筒との間に介在されて両筒を互いに加硫接着により一体化するゴム部と、を有して構成される構造のものがある。このような防振ゴムの例としては、特許文献1(特に、図4を参照)において開示されたものが知られている。この防振ゴムの使用例として、これ単品で使用されたり、或いは、図16に示すように、一箇所に2個用いる構造のもの等がある。
図16において、31は車体フレーム側の懸架部材、32はエンジン側で板金材製のマウント部材、33は取付ボルト、34はワッシャ、35はナット、Aは防振ゴムであり、上下一対の防振ゴムA,Aは、各々の外筒37が懸架部材31の装着孔31aに挿入され、かつ、互いに向い合せ状態で配備されている。各内筒36,36は、互いに当接される状態でマウント部材32とワッシャとの間で取付ボルト33とナット35で締付け固定される。
防振ゴムAは、内筒36と、断面形状が略L字状の外筒37と、これら内外筒36,37の間のゴム部38とから構成されており、外筒37のボス部分37aを、装着孔31aに挿入して用いるように設定されている。このように、懸架部材31の上下それぞれに防振ゴムAを配置することにより、前後左右に加えて、エンジン(図示省略)のフレームに対する上下方向の動きに対しても有効な防振作用を得ることができている。
しかしながら、エンジンが大型で重量が非常に重いといった具合に荷重条件が厳しい状況では、設定される防振ゴムの初期撓み量の範囲内であっても、振動によって外筒37が懸架部材31から浮き上がることがあり、外筒37と懸架部材31とが再当接する際の衝撃によって金属異音の発生する場合があった。外筒37は、通常は金属材から形成されており、振動的な衝撃には十分耐える強度を有してはいるが、あまり頻繁に異音発生するような場合は金属疲労の面から芳しいものではない。
特開平8−281664号公報
そこで、本発明の目的は、内筒と、内筒の軸心方向に沿う軸心を有するボス部、及び内筒の径方向に沿う外向きフランジ部から成る外筒と、ボス部の内周面及びフランジ部の外面と内筒との間に介在されて両筒を互いに加硫接着により一体化するゴム部と、を有して構成される防振ゴムにおいて、懸架部材等の支持部材と外筒との衝突による金属異音を無くし、外筒の金属疲労が解消若しくは軽減される改善された防振ゴムを提供する点にある。
請求項1に係る発明は、内筒1と、前記内筒1の軸心方向に沿う軸心Pを有するボス部2A、及び前記内筒1の径方向に沿う外向きフランジ部2Bから成る外筒2と、前記ボス部2Aの内周面及び前記フランジ部2Bの外面と前記内筒1との間に介在されて前記両筒1,2を互いに加硫接着により一体化するゴム部3と、を有して構成される防振ゴムAにおいて、
前記ゴム部3は、前記外向きフランジ部2Bの外端を回り込んで前記外向きフランジ部2Bの内面2bに及ぶ形状に設定されていることを特徴とするものである。
前記ゴム部3は、前記外向きフランジ部2Bの外端を回り込んで前記外向きフランジ部2Bの内面2bに及ぶ形状に設定されていることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の防振ゴムAにおいて、前記ゴム部3における前記外向きフランジ部2Bの前記内面に及ぶフランジ回り込み部3Fは、前記内面2bの外周部の全周に亘る環状のものに形成されていることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の防振ゴムAにおいて、前記ゴム部3における前記外向きフランジ部2Bの前記内面2bに及ぶフランジ回り込み部3Fは、前記内面2bの外周部において周方向に間欠的に形成されていることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載の防振ゴムAにおいて、前記フランジ回り込み部3Fの前記外向きフランジ部2Bの内面2bに沿うフランジ部分19の厚みt、及び前記フランジ部分19の前記径方向の幅dが、前記ゴム部3の外径をr、その厚みをhとした場合に、次式(1),(2)によって規定されていることを特徴とするものである。
t≦0.1h…(1)
d≦0.15r…(2)
t≦0.1h…(1)
d≦0.15r…(2)
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の防振ゴムAにおいて、前記ゴム部3は、前記ボス部2Aの端面に回り込む形状に形成されていることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の防振ゴムAにおいて、前記ゴム部3は、前記ボス部2Aの外周面4にまで及んでいることを特徴とするものである。
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の防振ゴムAにおいて、前記ゴム部3における前記ボス部2Aの外周面4に及ぶボス回り込み部3Bは、前記ボス部2Aの周方向に間欠的に形成されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、防振ゴムが装備される金属製等の支持部材と外筒との間にはゴム部が介在されることになって、外筒と支持部材とが直接当接しない構造になるから、金属材で強度補償された防振ゴムとしながらも、金属材どうしの当接が生じないようになり、金属異音や騒音が起きず、従って、外筒の金属疲労が解消若しくは軽減される改善された好ましい防振ゴムを提供することができる。
この場合、請求項2のように、回り込み部を外向きフランジ部の内面に及ぶフランジ回り込み部が全周に亘る環状のものとすれば、支持部材に圧接される外向きフランジ部との間にゴム部が介装されることとなり、効果的に金属異音を防止することができる。また、請求項3のように、フランジ回り込み部を周方向で間欠的に設けるようにすれば、防振ゴムの締付け装着に伴うフランジ回り込み部の圧縮による周方向への横拡がり変形が可能となり、回り込み部が全周に亘る環状のものに比べて、外径方向への変形スペースを多く見込まなくても済む利点がある。
請求項4の発明によれば、フランジ回り込み部の径方向寸法dと厚みtとを式(1),(2)のようにゴム部の外径と厚みと関係付けて規定してあるので、防振ゴムの大きさや厚み等の構成寸法が種々に異なっても、外筒と支持部材との直接当接による異音(騒音)を防止しながら良好な防振性能を有する改善された防振ゴムを提供できる利点がある。
請求項5の発明によれば、ゴム部は、外筒におけるボス部の端面に回り込む形状とされているので、支持部材等のボス部の端面に当接する部材があるときには、その部材もゴムを介して当接することとなるから、金属材どうしの直接当接等による異音や騒音が回避される防振ゴムとすることができる。
この場合、請求項6のように、ゴム部がボス部の外周面にまで及ぶようにすれば、ボス部の外周面に当接するような部材がある場合において、その部材とボス部外周面とはゴムを介して当接して直接当接は回避され、やはり異音や騒音の解消が可能となる。また、請求項7のように、ボス回り込み部を周方向で間欠的に設けるようにすれば、防振ゴムの締付け装着に伴うボス回り込み部の圧縮による周方向への横拡がり変形が可能となり、回り込み部が全周に亘る環状のものに比べて、外径方向への変形スペースを多く見込まなくても済む利点がある。
以下に、本発明による防振ゴムの実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1〜図5は実施例1〜5による防振ゴムの構造を示す断面図、図6は実施例6による防振ゴムの底面図と全体斜視図、図7〜図10は防振ゴムの使用例1〜4を示す要部の断面図、図11〜図16は変形例1〜6を示す断面図である。
〔実施例1〕
実施例1による防振ゴムAは、図1に示すように、円筒状の内筒1と、内筒1の軸心Pを共有する(軸心P方向に沿う軸心を有する)ボス部2A、及び内筒1の径方向に沿う外向きフランジ部2Bから成る上下方向視で円形の外筒2と、ボス部2Aの内周面であり、かつ、外向きフランジ部2Bの外面でもある外筒2の上表面4と内筒1の外面5との間に介在されて両筒1,2を互いに加硫接着により一体化するゴム部3と、を有して構成された上下方向視で円形を呈している。内筒1と外筒2とは金属材から形成されている。
実施例1による防振ゴムAは、図1に示すように、円筒状の内筒1と、内筒1の軸心Pを共有する(軸心P方向に沿う軸心を有する)ボス部2A、及び内筒1の径方向に沿う外向きフランジ部2Bから成る上下方向視で円形の外筒2と、ボス部2Aの内周面であり、かつ、外向きフランジ部2Bの外面でもある外筒2の上表面4と内筒1の外面5との間に介在されて両筒1,2を互いに加硫接着により一体化するゴム部3と、を有して構成された上下方向視で円形を呈している。内筒1と外筒2とは金属材から形成されている。
内筒1は、ボルト挿通用の貫通孔6を有するとともに、上下の外周角部には面取り部8が形成されており、比較的厚肉の円筒部材に形成されている。外筒2には、ボス部2Aの上部、及び外向きフランジ部2Bの内径部とを屈曲形成することにより、上方に凹入した環状の角逃げ湾曲部9が形成されている。ゴム部3は、ボス部2Aの下端面2aに回り込む形状に形成されるとともに、ボス部2Aの下端面2aと内周面4との境目部分に形成される角部kが、二以上の鈍角部を有する多角形状又は曲面形状に形成されている。つまり、角部kには、ボス部1の面取り部8と同様な面取り(いわゆるC面取り)部10が形成されている。この面取り部10は、一般的な面取り加工によって形成されても良い。
ゴム部3は、図1に示すように、内筒1の上面1aと同一の高さレベルを有する上面3a、内筒1の底面1bと同一の高さレベルを有する内底面3b、外筒2のボス部2Aの下端面2aの下方に回り込み形成される中間底面3c、外筒2の外向きフランジ部2Bの水平部分2bの上面に密着する密着底面3d、内底面3bと中間底面3cとを結ぶ上方に大きく凹入した略逆U字状断面を有する凹入底面3e、この凹入底面3eに対応するように上面3aにおいて若干下方に凹入形成された溝面3f、及び上面3aと密着底面3dとを繋ぐ略テーパ面状の外周面3gとを有した形状に形成されている。
つまり、ゴム部3は、内筒1の外周側で、かつ、外筒2のほぼ上側となる位置において環状のものに形成されており、本体ゴム部3Hとフランジ回り込み部3Fとボス回り込み部3Bとから形成されている。ボス回り込み部3Bは、ゴム部3における中間底面3cを含む部分と、その中間底面3cからボス部2Aの外面に沿って立ち上がる筒状部分3tとを有して構成されている。
フランジ回り込み部3Fは、外周面3gの下端部における本体ゴム部3Hから張出し形成された部分であり、外向きフランジ部2Bにおける外周端部の外面(上表面4)に沿う環状の付根部分17と、外向きフランジ部2Bの外端2tに沿う環状の繋ぎ部分18と、外向きフランジ部2Bにおける外周端部の内面2bに沿う環状のフランジ部分19とから成り、断面形状は略コ字状を呈している。つまりゴム部3は、外向きフランジ部2Bの外端を回り込んで外向きフランジ部2Bの内面2bに及ぶ形状に設定されている。これら各部分17〜19の厚みは、外筒2の厚みのおよそ半分であり、外周面3gから径方向の突出量はほぼ外筒2の厚み程度に相当している。
環状のフランジ部分19の径方向寸法dと厚みtは、図1に示すように、ゴム部3の外径をr、ゴム部3の厚み(高さ)をhとした場合には、
d≦0.15r……(1)
t≦0.1h……(2)
という上式(1),(2)で規定される範囲の値に設定すると良い。より正確には、
0<d≦0.15r……(3)
0<t≦0.1h……(4)
である。尚、上式(1),(2)は、フランジ部分19が周方向に間欠的に存在するよう構成された後述構造の防振ゴム(図6参照)においても適用される。
d≦0.15r……(1)
t≦0.1h……(2)
という上式(1),(2)で規定される範囲の値に設定すると良い。より正確には、
0<d≦0.15r……(3)
0<t≦0.1h……(4)
である。尚、上式(1),(2)は、フランジ部分19が周方向に間欠的に存在するよう構成された後述構造の防振ゴム(図6参照)においても適用される。
そして、付根部分17と外周面3gとは隅R(フィレットR)面16で接続されており、それによって滑らかに繋がる形状とされている。つまり、本体ゴム部3Hとフランジ回り込み部3Fとの境目部分に形成される隅角部の表面が滑らかな凹曲面16に設定されているのである。これにより、本体ゴム部3Hとフランジ回り込み部3Fとの境目部分における断面形状の急変が緩和され、その境目部分に応力集中による亀裂等の不具合発生するおそれを未然に防止できるようになっている。
このようにゴム部3には、外筒2の外端及び内端のそれぞれに回り込むフランジ回り込み部3Fとボス回り込み部3Bとが形成されているので、防振ゴムAを支える図示しない支持部材(図7の符号21が付された部材を参照)は、金属材で成る外筒2にはフランジ部分19及び筒状部分3tを介して当接することになり、直接当接しない構造になる。その結果、金属材で強度補償された防振ゴムとしながらも、金属材どうしの当接が生ぜす、従って金属異音や騒音が起きない好ましいものとなっている。
〔実施例2〕
実施例2による防振ゴムAは、実施例1の防振ゴムA(図1参照)を基本としており、図2に示すように、ボス回り込み部3Bにおける筒状部分3tが省略されている以外は、図1に示す実施例1の防振ゴムAと同じである。
実施例2による防振ゴムAは、実施例1の防振ゴムA(図1参照)を基本としており、図2に示すように、ボス回り込み部3Bにおける筒状部分3tが省略されている以外は、図1に示す実施例1の防振ゴムAと同じである。
〔実施例3〕
実施例3による防振ゴムAは、実施例1の防振ゴムA(図1参照)を基本としており、図3に示すように、外筒2に施される面取り部10が、ボス部2Aの下端の内側角部から外向きフランジ部2Bの外周端の上側角部に変更されるとともに、外筒2の外向きフランジ部2Bの径が小型化されて付根部分17の無いフランジ回り込み部3Fを有する以外は、図1に示す実施例1の防振ゴムAと同じである。当然ながら隅R面16も存在しない。
実施例3による防振ゴムAは、実施例1の防振ゴムA(図1参照)を基本としており、図3に示すように、外筒2に施される面取り部10が、ボス部2Aの下端の内側角部から外向きフランジ部2Bの外周端の上側角部に変更されるとともに、外筒2の外向きフランジ部2Bの径が小型化されて付根部分17の無いフランジ回り込み部3Fを有する以外は、図1に示す実施例1の防振ゴムAと同じである。当然ながら隅R面16も存在しない。
〔実施例4〕
実施例4による防振ゴムAは、実施例3の防振ゴムA(図3参照)を基本としており、図4に示すように、ゴム部3におけるボス回り込み部3Bが省略されて、ボス部2Aの内周面4(外表面4)に沿う薄膜内周部3nだけが存在する形状に形成されている。それ以外は図3に示す実施例3の防振ゴムAと同じである。この場合、薄膜内周部3nの底面である中間底面3cは、ボス部2Aの下端面2aと同一面となる状態に仕上げられている。
実施例4による防振ゴムAは、実施例3の防振ゴムA(図3参照)を基本としており、図4に示すように、ゴム部3におけるボス回り込み部3Bが省略されて、ボス部2Aの内周面4(外表面4)に沿う薄膜内周部3nだけが存在する形状に形成されている。それ以外は図3に示す実施例3の防振ゴムAと同じである。この場合、薄膜内周部3nの底面である中間底面3cは、ボス部2Aの下端面2aと同一面となる状態に仕上げられている。
〔実施例5〕
実施例5による防振ゴムAは、実施例3の防振ゴムA(図3参照)を基本としており、図5に示すように、ゴム部3として、その底面が外向きフランジ部2Bの底面と同じ高さレベルとなる状態で角逃げ湾曲部9を埋め尽くす充填部3jが形成されている。それ以外は図3に示す実施例3の防振ゴムAと同じである。
実施例5による防振ゴムAは、実施例3の防振ゴムA(図3参照)を基本としており、図5に示すように、ゴム部3として、その底面が外向きフランジ部2Bの底面と同じ高さレベルとなる状態で角逃げ湾曲部9を埋め尽くす充填部3jが形成されている。それ以外は図3に示す実施例3の防振ゴムAと同じである。
〔実施例6〕
実施例6による防振ゴムAは、実施例1の防振ゴムA(図1参照)を基本としており、図6(a),(b)に示すように、フランジ回り込み部3Fにおけるフランジ部分19とボス回り込み部3Bにおける筒状部分3tとが周方向に間欠的に形成されている以外は、図1に示す実施例1による防振ゴムAと同じである。尚、実施例6による防振ゴムAの断面図は図1と同じに付き省略する。
実施例6による防振ゴムAは、実施例1の防振ゴムA(図1参照)を基本としており、図6(a),(b)に示すように、フランジ回り込み部3Fにおけるフランジ部分19とボス回り込み部3Bにおける筒状部分3tとが周方向に間欠的に形成されている以外は、図1に示す実施例1による防振ゴムAと同じである。尚、実施例6による防振ゴムAの断面図は図1と同じに付き省略する。
フランジ部分19が全周に形成されている場合では、実機に締付け装着されると、圧縮されたフランジ部分19は径方向に逃げ変形するしかないが、本実施例6による防振ゴムAでは、隣合うフランジ部分19,19どうしの間には空間部が存在するから、実機への圧接装着状態においてフランジ部分19が無理なく横拡がり変形(周方向に拡がり変形)することができる。
次に、上述の防振ゴムAを用いた防振構造の具体例を、使用例1〜4として説明する。尚、以下の使用例において用いられる防振ゴムAは、便宜上、実施例1による防振ゴムAとしてあるが、実施例2や3、或いはその他の実施例による防振ゴムAを用いても良いのは言うまでもない。
〔使用例1〕
使用例1は、図7に示すように、自動車の車体フレーム等の支持部材21と、エンジン等の振動源に固定される防振部材22と、に跨って1個の防振ゴムAが取付けられる構成である。具体的には、厚板状の支持部材21の装着孔21Aに外筒2のボス部2Aを挿入し、支持部材21の上面21aに外向きフランジ部2Bを載せ付け、内筒1の上面1aに防振部材22を、かつ、装着孔21Aの径よりも大きな外径を有する金属円板で成るワッシャ23を内筒1の下面1bにそれぞれあてがった状態で、防振部材22と内筒1とワッシャ23との三者を貫通する取付ボルト24とナット25とで締付け固定する。尚、この使用例1では、ボス部2Aの下側にまでゴム部3が回り込むタイプの防振ゴムAを用いているが、回り込まないタイプのものでも良い。
使用例1は、図7に示すように、自動車の車体フレーム等の支持部材21と、エンジン等の振動源に固定される防振部材22と、に跨って1個の防振ゴムAが取付けられる構成である。具体的には、厚板状の支持部材21の装着孔21Aに外筒2のボス部2Aを挿入し、支持部材21の上面21aに外向きフランジ部2Bを載せ付け、内筒1の上面1aに防振部材22を、かつ、装着孔21Aの径よりも大きな外径を有する金属円板で成るワッシャ23を内筒1の下面1bにそれぞれあてがった状態で、防振部材22と内筒1とワッシャ23との三者を貫通する取付ボルト24とナット25とで締付け固定する。尚、この使用例1では、ボス部2Aの下側にまでゴム部3が回り込むタイプの防振ゴムAを用いているが、回り込まないタイプのものでも良い。
この使用例1の構造では、前後左右及び下方にはゴム部3の弾性による防振作用が支持部材21に発揮され、ワッシャ23と支持部材21との当接により、防振部材22の上方の動きは牽制阻止されるように機能する。外筒2に形成された角逃げ湾曲部9により、支持部材21の装着孔21Aに臨む縁角部21bが、プレス加工等の穿孔加工後に面取り等の仕上げ加工が行われない粗仕上げ状態(バリが存在するような状態)であっても、乗り上がり等の不都合なく嵌合できるようにしてある。また、角逃げ湾曲部9は、外筒2の上下左右のバネ定数を変える機能もある。
尚、予め予備荷重(プリロード)をゴム部3に持たせて、エンジン等の振動源の重量が作用する使用状態でも、図7のようにワッシャ23が支持部材21に当接する構造が可能である。また、図示は省略するが、振動源の重量が作用した使用状態では、ワッシャ23と支持部材21との間に若干の間隙が生じるように設定することも可能である。さらに、図7の21が振動源側の防振部材に、かつ、図7の22が支持部材とする前述とは逆の構成を採ることも可能である。
〔使用例2〕
使用例2は、図8に示すように、支持部材21と、これの下側に配されるワッシャ23との間にゴム等の弾性部材24を介装させた点以外は、図7に示す使用例1のものと同じ構成である。弾性部材24は、ワッシャ23の外周に沿って全周に亘って形成されるリング状のもので良いし、周方向に間欠的に配備される複数個のものでも良い。このように、弾性部材24を介装したことにより、前後左右、及び下方に対する防振作用に加えて、上方に対しても防振作用を生じさせることができるので、構造上、上方にも防振が必要であるとか、より防振条件の厳しい箇所といった場合に好適な構成となっている。また、図8の21が振動源側の防振部材に、かつ、図8の22が支持部材とする逆の構成を採ることも可能である。
使用例2は、図8に示すように、支持部材21と、これの下側に配されるワッシャ23との間にゴム等の弾性部材24を介装させた点以外は、図7に示す使用例1のものと同じ構成である。弾性部材24は、ワッシャ23の外周に沿って全周に亘って形成されるリング状のもので良いし、周方向に間欠的に配備される複数個のものでも良い。このように、弾性部材24を介装したことにより、前後左右、及び下方に対する防振作用に加えて、上方に対しても防振作用を生じさせることができるので、構造上、上方にも防振が必要であるとか、より防振条件の厳しい箇所といった場合に好適な構成となっている。また、図8の21が振動源側の防振部材に、かつ、図8の22が支持部材とする逆の構成を採ることも可能である。
〔使用例3〕
使用例3は、図9に示すように、より厚肉の支持部材21の装着孔21Aに一対の防振ゴムA,Aを向い合せ状態で配備して用いる構成である。つまり、図7に示す使用例1における支持部材21とワッシャ23との上下間に、上下逆さま状態の防振ゴムAを介装したような構造である。この構造では、上下の内筒1,1どうしを密着させて取付ボルト24で締付けた状態では、各外筒2,2においてはそれらのボス部2A,2Aどうしの間に間隙が存在するように設定されており、支持部材21を確実に上下から挟み込めるようになっている。
使用例3は、図9に示すように、より厚肉の支持部材21の装着孔21Aに一対の防振ゴムA,Aを向い合せ状態で配備して用いる構成である。つまり、図7に示す使用例1における支持部材21とワッシャ23との上下間に、上下逆さま状態の防振ゴムAを介装したような構造である。この構造では、上下の内筒1,1どうしを密着させて取付ボルト24で締付けた状態では、各外筒2,2においてはそれらのボス部2A,2Aどうしの間に間隙が存在するように設定されており、支持部材21を確実に上下から挟み込めるようになっている。
この使用例3では、計2個の防振ゴムAを上下に配して用いるので、前後左右及び上下の三次元方向に十分な防振が行えるとともに、各防振ゴムAは互いに同じ部品で済む利点がある。また、図示は省略するが、図9の21が振動源側の防振部材に、かつ、図9の22が支持部材とする逆の構成を採ることも可能である。
〔使用例4〕
使用例4は、図10に示すように、一対の防振ゴムA,Aを、これらの間に防振部材22を介して背中合わせ状態で用いる構成である。即ち、外筒2のボス部2Aが嵌入される装着孔21Aが形成された支持部材21が上下一対設けられており、上側の防振ゴムAは逆さ向きで、かつ、下側の防振ゴムAは通常姿勢とされ、それぞれの内筒1,1間に防振部材22を差し込むとともに、上下一対のワッシャ23,23を用いて取付ボルト24及びナット25で締付け固定される。この使用例4においても、使用例3のものと同様に、前後左右及び上下の三次元方向に十分な防振が行える。また、図示は省略するが、図10の21が振動源側の防振部材に、かつ、図10の22が支持部材とする逆の構成を採ることも可能である。
使用例4は、図10に示すように、一対の防振ゴムA,Aを、これらの間に防振部材22を介して背中合わせ状態で用いる構成である。即ち、外筒2のボス部2Aが嵌入される装着孔21Aが形成された支持部材21が上下一対設けられており、上側の防振ゴムAは逆さ向きで、かつ、下側の防振ゴムAは通常姿勢とされ、それぞれの内筒1,1間に防振部材22を差し込むとともに、上下一対のワッシャ23,23を用いて取付ボルト24及びナット25で締付け固定される。この使用例4においても、使用例3のものと同様に、前後左右及び上下の三次元方向に十分な防振が行える。また、図示は省略するが、図10の21が振動源側の防振部材に、かつ、図10の22が支持部材とする逆の構成を採ることも可能である。
〔変形例1〜6〕
次に、実施例1〜6の防振ゴムの変形例1〜6について説明する。図11〜図15に示すように、ゴム部3の外周面(外周側面)3gの全周に亘って断面円弧の窪みFが形成されており、この窪みFの断面円弧の半径Lは、ゴム部3の厚みをHとしたときに、
H/5≦L≦5H……(A)
であるとともに、窪みの深さをWとしたときに、
1mm≦W≦H/2……(B)
であるように設定されている。
次に、実施例1〜6の防振ゴムの変形例1〜6について説明する。図11〜図15に示すように、ゴム部3の外周面(外周側面)3gの全周に亘って断面円弧の窪みFが形成されており、この窪みFの断面円弧の半径Lは、ゴム部3の厚みをHとしたときに、
H/5≦L≦5H……(A)
であるとともに、窪みの深さをWとしたときに、
1mm≦W≦H/2……(B)
であるように設定されている。
上記式(A)、(B)により、圧縮荷重が加えられる前の初期状態でゴム部3の外周面3gの自由表面積が大きくなって、大荷重が防振ゴムAに付加されるときでも、ゴム部3の外周面3gの引張り応力が分散されるので、しわやピンホールの発生を防止することができ、ゴム部3の許容歪みを超えることもなく、耐久性の向上に寄与できる利点が追加される。
図11に示す変形例1による防振ゴムAは、実施例1の防振ゴム(図1参照)を基本としたものであり、図12に示す変形例2による防振ゴムAは、実施例2の防振ゴム(図2参照)を基本としたものであり、図13に示す変形例3による防振ゴムAは、実施例3の防振ゴム(図3参照)を基本としたものであり、図14に示す変形例4による防振ゴムAは、実施例4の防振ゴム(図4参照)を基本としたものであり、図15に示す変形例5による防振ゴムAは、実施例5の防振ゴム(図5参照)を基本としたものである。尚、実施例6の防振ゴム(図6参照)を基本とした変形例6による防振ゴムAの断面形状は、変形例1の断面形状(図11参照)と同じに付き、図11で代用して専用の図は省略する。
1 内筒
2 外筒
2b 外向きフランジ部の内面
2A ボス部
2B 外向きフランジ部
3 ゴム部
3B ボス回り込み部
3F フランジ回り込み部
4 外周面
19 フランジ部分
d フランジ部分の径方向幅
t フランジ部分の厚み
r ゴム部の外径
h ゴム部の厚み
A 防振ゴム
P 軸心
2 外筒
2b 外向きフランジ部の内面
2A ボス部
2B 外向きフランジ部
3 ゴム部
3B ボス回り込み部
3F フランジ回り込み部
4 外周面
19 フランジ部分
d フランジ部分の径方向幅
t フランジ部分の厚み
r ゴム部の外径
h ゴム部の厚み
A 防振ゴム
P 軸心
Claims (7)
- 内筒と、前記内筒の軸心方向に沿う軸心を有するボス部、及び前記内筒の径方向に沿う外向きフランジ部から成る外筒と、前記ボス部の内周面及び前記フランジ部の外面と前記内筒との間に介在されて前記両筒を互いに加硫接着により一体化するゴム部と、を有して構成される防振ゴムであって、
前記ゴム部は、前記外向きフランジ部の外端を回り込んで前記外向きフランジ部の内面に及ぶ形状に設定されている防振ゴム。 - 前記ゴム部における前記外向きフランジ部の前記内面に及ぶフランジ回り込み部は、前記内面の外周部の全周に亘る環状のものに形成されている請求項1に記載の防振ゴム。
- 前記ゴム部における前記外向きフランジ部の前記内面に及ぶフランジ回り込み部は、前記内面の外周部において周方向に間欠的に形成されている請求項1に記載の防振ゴム。
- 前記フランジ回り込み部の前記外向きフランジ部の内面に沿うフランジ部分の厚みt、及び前記フランジ部分の前記径方向の幅dが、前記ゴム部の外径をr、その厚みをhとした場合に、次式(1),(2)によって規定されている請求項2又は3に記載の防振ゴム。
t≦0.1h…(1)
d≦0.15r…(2) - 前記ゴム部は、前記ボス部の端面に回り込む形状に形成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の防振ゴム。
- 前記ゴム部は、前記ボス部の外周面にまで及んでいる請求項5に記載の防振ゴム。
- 前記ゴム部における前記ボス部の外周面に及ぶボス回り込み部は、前記ボス部の周方向に間欠的に形成されている請求項6に記載の防振ゴム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005020796A JP2006207705A (ja) | 2005-01-28 | 2005-01-28 | 防振ゴム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005020796A JP2006207705A (ja) | 2005-01-28 | 2005-01-28 | 防振ゴム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006207705A true JP2006207705A (ja) | 2006-08-10 |
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ID=36964798
Family Applications (1)
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JP2005020796A Pending JP2006207705A (ja) | 2005-01-28 | 2005-01-28 | 防振ゴム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2006207705A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011096537A1 (ja) | 2010-02-04 | 2011-08-11 | 株式会社ブリヂストン | 防振装置 |
JP2011163366A (ja) * | 2010-02-04 | 2011-08-25 | Bridgestone Corp | 防振装置 |
JP2014025569A (ja) * | 2012-07-30 | 2014-02-06 | Bridgestone Corp | 防振装置 |
KR20190021565A (ko) * | 2017-08-23 | 2019-03-06 | 현대모비스 주식회사 | 차량용 부시장치 |
-
2005
- 2005-01-28 JP JP2005020796A patent/JP2006207705A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011096537A1 (ja) | 2010-02-04 | 2011-08-11 | 株式会社ブリヂストン | 防振装置 |
JP2011163366A (ja) * | 2010-02-04 | 2011-08-25 | Bridgestone Corp | 防振装置 |
US9010716B2 (en) | 2010-02-04 | 2015-04-21 | Bridgestone Corporation | Vibration-damping device |
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KR20190021565A (ko) * | 2017-08-23 | 2019-03-06 | 현대모비스 주식회사 | 차량용 부시장치 |
KR102372395B1 (ko) | 2017-08-23 | 2022-03-08 | 현대모비스 주식회사 | 차량용 부시장치 |
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