JP2006206774A - コーティング剤組成物 - Google Patents
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Abstract
優れた接着性、塗膜強度及び耐久性を実現するコーティング剤組成物を提供する。
【解決手段】
次の(A)と(B)とからなるコーティング剤組成物である。
(A):(A−1)トリオール類のアルキレンオキサイド付加重合体と(A−2)1,4−シクロヘキサンジメタノール/炭素数4〜20の直鎖又は分岐鎖グリコール=90/10〜50/50モル比からなるグリコール混合物と(A−3)ジアルキルカーボネート又はアルキレンカーボネートとを反応させて得られる高官能ポリカーボネートポリオール。
(B):ポリイソシアネート硬化剤。
【選択図】 なし
Description
すなわち本発明は、以下に示す(1)〜(4)である。
(A):(A−1)トリオール類のアルキレンオキサイド付加重合体と(A−2)1,4−シクロヘキサンジメタノール/炭素数4〜20の直鎖又は分岐鎖グリコール=90/10〜50/50モル比からなるグリコール混合物と(A−3)ジアルキルカーボネート又はアルキレンカーボネートとを反応させて得られる高官能ポリカーボネートポリオール。
(B):ポリイソシアネート硬化剤。
本発明において使用される(A)高官能ポリカーボネートポリオールは、(A−1)トリオール類のアルキレンオキサイド付加重合体と(A−2)グリコール混合物と(A−3)ジアルキルカーボネート又はアルキレンカーボネートとを反応させて得られるものである。
(A−2)グリコール混合物は、1,4−シクロヘキサンジメタノールと炭素数4〜20の直鎖又は分岐鎖グリコールとからなり、1,4−シクロヘキサンジメタノールと炭素数4〜20の直鎖又は分岐鎖グリコールとの配合モル比は90/10〜50/50であり、好ましくは70/30〜55/45である。
トリオール類と付加重合されるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等の環状エーテルモノマーが挙げられる。これらは単品又は混合物として、公知の方法により開始剤に付加重合される。これらのうち、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、又はこれら両者の混合物が好ましく、更にエチレンオキサイド単品が好ましい。
本発明において、(A−1)としてアルキレンオキサイドが付加されていないトリオール類を使用した場合、(A−2)、(A−3)とのエステル交換反応が進行しにくくなる。
本発明における(A)高官能ポリカーボネートポリオールの1分子中の平均水酸基数は、原料である(A−1)トリオール類のアルキレンオキサイド付加重合物と(A−2)グリコール類と(A−3)ジアルキルカーボネート又はアルキレンカーボネートとの反応モル比を変えることにより調節することができる。
この反応の際には、公知のエステル交換反応で用いられる触媒を用いることが好ましい。この触媒としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、セリウム等の金属、金属アルコキシド、金属塩、金属酸化物等が挙げられる。
触媒使用量は、出発原料の総質量の0.0001〜1質量%、更に0.001〜0.1質量%が好ましい。触媒量が少なすぎる場合は、反応時間が長くなるので製造効率が悪くなり、同時に、得られる高官能ポリカーボネートポリオールも着色しやすくなる。また、触媒量が多すぎる場合は、得られる高官能ポリカーボネートポリオールの耐水性が低下する可能性がある。
本発明における(A)高官能ポリカーボネートポリオールの製造においては、公知のエステル交換反応よりも穏和な条件で反応を進行させることができる。
具体的には、反応を進行させる過程において、70〜200℃、さらに80〜190℃で反応を進行させることが好ましい。反応温度が70℃未満の場合、所望される反応が進行しにくい。反応温度が200℃を超える場合、製造条件が厳しくなることによる製造コストの上昇を招き、また、得られる高官能ポリカーボネートポリオールにおいても、アリル末端化合物等の不純物が多くなりやすい。
反応初期は、ジアルキルカーボネート又はアルキレンカーボネート(以下、ジアルキルカーボネート等という。)の沸点近辺、具体的には90〜150℃で行い、反応が進行するにつれて、徐々に温度を上げて、更に反応を進行させる。
反応は常圧で行なうことができるが、反応後半に減圧下、例えば0.13kPa(1mmHg)〜26.6kPa(200mmHg)で行ない、反応の進行を速めることも可能である。また、エステル交換反応後の脱アルコール処理の際にも、同様に減圧してこれを促進させることも可能である。
生成した高官能ポリカーボネートポリオールとジアルキルカーボネート等との分離には蒸留塔付反応器を使用することができ、ジアルキルカーボネート等を還流させながら反応を行い、反応の進行とともに生成してくる低分子の水酸基含有化合物を溜出させる。この時、溜出される低分子の水酸基含有化合物とともに、ジアルキルカーボネート等が一部共沸して散逸する場合には、原料を計量して仕込む際にこの散逸量を見込むのが好ましい。実際には、ジアルキルカーボネート等は、理論モル比に対して1.1〜1.3倍とするのが好ましい。
本発明のコーティング剤組成物の硬化条件は、常温乾燥から40〜150℃で10〜180分程度の強制乾燥、また、(B)ポリイソシアネート硬化剤としてブロックポリイソシアネートを使用する場合には、100〜180℃程度で20〜120分程度の焼付乾燥を採用すれば良いが、これに限定されるものではない。
攪拌機、温度計、加熱装置及び蒸留塔を組んだ反応装置に、グリセリンのエチレンオキサイド付加重合物(ライオン社製レオコンGE230、水酸基価730mgKOH/g)を226g、1,4−シクロヘキサンジメタノール(以下、CHDMという。)を389g、1,6−ヘキサンジオール(以下、HGという。)を261g(CHDM/HG(モル比)=55/45)、ジエチルカーボネートを564g、反応触媒としてテトラブチルチタネートを0.05g仕込み、窒素気流下にて反応物を125〜135℃の温度範囲に保ちながら、生成するエチルアルコールを留出させた。エチルアルコールの留出が理論生成量の30〜40%の範囲に達したことを確認した時点で、4〜10℃/時間の割合で190℃まで昇温を開始した。昇温終了後、反応温度を190℃に保ちながらエチルアルコールの留出がなくなるまで反応を継続した。その後、低沸物を除去するために減圧を開始した。減圧は、反応温度を190℃に保ちながら真空度を6.6〜13.2kPa/hrの減圧速度で行い、最終的に1.3kPaの圧力で5時間、反応を継続した。NMRで末端エチル基濃度がウレタン化反応に影響しないであろう0.2モル%以下(以下の末端エチル基濃度は末端水酸基濃度と末端エチル基濃度との合計を100モル%としたときの値)となった時点で反応を終了させ、常温において液状のポリカーボネートポリオール(PCD−1)を得た。得られたポリカーボネートポリオールの性状を以下に示す。
1分子中の平均水酸基数:3.0
数平均分子量 :1012(目標:1000)
外観:常温透明液体
水酸基価:166(mgKOH/g)
水分:0.01(%)
色数:10(APHA No.)
末端エチル基濃度(モル%):0.08
これらの結果をまとめて表1に示す。
合成例1と同様な反応装置に、グリセリンのエチレンオキサイド付加重合物(ライオン社製レオコンGE230、水酸基価730mgKOH/g)を76g、CHDMを511g、HGを280g(CHDM/HG(モル比)=60/40)、ジエチルカーボネートを607g、反応触媒としてテトラブチルチタネートを0.05g仕込み、窒素気流下にて反応物を125〜135℃の温度範囲に保ちながら、生成するエチルアルコールを留出させた。エチルアルコールの留出が理論生成量の30〜40%の範囲に達したことを確認した時点で、4〜10℃/hr.の割合で190℃まで昇温した。昇温終了後、反応温度を190℃に保ちながらエチルアルコールの留出がなくなるまで反応を継続した。その後、低沸物を除去するために減圧を開始した。減圧は、反応温度を190℃に保ちながら真空度を6.6〜13.2kPa/hrの減圧速度で行い、最終的に1.3kPaの圧力で5時間、反応を継続した。NMRで末端エチル基濃度がウレタン化反応に影響しないであろう0.2モル%以下となった時点で反応を終了させ、常温において液状のポリカーボネートポリオール(PCD−2)を得た。得られたポリカーボネートポリオールの性状を以下に示す。
1分子中の平均水酸基数:3.5
数平均分子量:1510(目標:1500)
外観:常温透明液体
水酸基価:130(mgKOH/g)
水分:0.01(%)
色数:10(APHA No.)
末端エチル基濃度(モル%):0.10
これらの結果をまとめて表1に示す。
合成例1と同様な反応装置に、グリセリンのエチレンオキサイド付加重合物(ライオン社製レオコンGE230、水酸基価730mgKOH/g)を230g、CHDMを481g、HGを169g(CHDM/HG(モル比)=70/30)、ジエチルカーボネートを547g、反応触媒としてテトラブチルチタネートを0.05g仕込み、窒素気流下にて反応物を125〜135℃の温度範囲に保ちながら、生成するエチルアルコールを留出させた。エチルアルコールの留出が理論生成量の30〜40%の範囲に達したことを確認した時点で、4〜10℃/hr.の割合で190℃まで昇温した。昇温終了後、反応温度を190℃に保ちながらエチルアルコールの留出がなくなるまで反応を継続した。その後、低沸物を除去するために減圧を開始した。減圧は、反応温度を190℃に保ちながら真空度を6.6〜13.2kPa/hrの減圧速度で行い、最終的に1.3kPaの圧力で5時間、反応を継続した。NMRで末端エチル基濃度がウレタン化反応に影響しないであろう0.2モル%以下となった時点で反応を終了させ、常温において液状のポリカーボネートポリオール(PCD−3)を得た。得られたポリカーボネートポリオールの性状を以下に示す。
1分子中の平均水酸基数:3.0
数平均分子量:993(目標:1000)
外観:常温透明液体
水酸基価:169.5(mgKOH/g)
水分:0.01(%)
色数:20(APHA No.)
末端エチル基濃度(モル%):0.12
これらの結果をまとめて表1に示す。
合成例1と同様な反応装置に、グリセリンのエチレンオキサイド付加重合物(ライオン社製レオコンGE230、水酸基価730mgKOH/g)を224g、CHDMを576g、HGを83g(CHDM/HG(モル比)=85/15)、ジエチルカーボネートを532g、反応触媒としてテトラブチルチタネートを0.05g仕込み、窒素気流下にて反応物を125〜135℃の温度範囲に保ちながら、生成するエチルアルコールを留出させた。エチルアルコールの留出が理論生成量の30〜40%の範囲に達したことを確認した時点で、4〜10℃/hr.の割合で190℃まで昇温した。昇温終了後、反応温度を190℃に保ちながらエチルアルコールの留出がなくなるまで反応を継続した。その後、低沸物を除去するために減圧を開始した。減圧は、反応温度を190℃に保ちながら真空度を6.6〜13.2kPa/hrの減圧速度で行い、最終的に1.3kPaの圧力で5時間、反応を継続した。NMRで末端エチル基濃度がウレタン化反応に影響しないであろう0.2モル%以下となった時点で反応を終了させ、常温において液状のポリカーボネートポリオール(PCD−4)を得た。得られたポリカーボネートポリオールの性状を以下に示す。
1分子中の平均水酸基数 :3.0
数平均分子量:1003(目標:1000)
外観:常温透明液体
水酸基価:167.8(mgKOH/g)
水分:0.01(%)
色数:20(APHA No.)
末端エチル基濃度(モル%):0.10
これらの結果をまとめて表1に示す。
合成例1と同様な反応装置に、グリセリンのエチレンオキサイド付加重合物(ライオン社製レオコンGE230、水酸基価730mgKOH/g)を230g、CHDMを481g、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(以下、MPDという。)を169g(CHDM/MPD(モル比)=70/30)、ジエチルカーボネートを547g、反応触媒としてテトラブチルチタネートを0.05g仕込み、窒素気流下にて反応物を125〜135℃の温度範囲に保ちながら、生成するエチルアルコールを留出させた。エチルアルコールの留出が理論生成量の30〜40%の範囲に達したことを確認した時点で、4〜10℃/hr.の割合で190℃まで昇温した。昇温終了後、反応温度を190℃に保ちながらエチルアルコールの留出がなくなるまで反応を継続した。その後、低沸物を除去するために減圧を開始した。減圧は、反応温度を190℃に保ちながら真空度を6.6〜13.2kPa/hrの減圧速度で行い、最終的に1.3kPaの圧力で5時間、反応を継続した。NMRで末端エチル基濃度がウレタン化反応に影響しないであろう0.2モル%以下となった時点で反応を終了させ、常温において液状のポリカーボネートポリオール(PCD−5)を得た。得られたポリカーボネートポリオールの性状を以下に示す。
1分子中の平均水酸基数:3.0
数平均分子量:1022(目標:1000)
外観:常温透明液体
水酸基価:164.7(mgKOH/g)
水分:0.01(%)
色数:20(APHA No.)
末端エチル基濃度(モル%)0.12
これらの結果をまとめて表1に示す。
合成例1と同様な反応装置に、トリメチロールプロパンを270g、HGを297g、1,5−ペンタンジオール(以下、PDという。)を261g(HG/PD(モル比)=50/50)、ジエチルカーボネートを780g、反応触媒としてテトラブチルチタネートを0.05g仕込み、窒素気流下にて反応物を125〜135℃の温度範囲に保ちながら、生成するエチルアルコールを留出させた。エチルアルコールの留出が理論生成量の30〜40%の範囲に達したことを確認した時点で、4〜10℃/hr.の割合で190℃まで昇温した。昇温終了後、反応温度を190℃に保ちながらエチルアルコールの留出がなくなるまで反応を継続した。その後、低沸物を除去するために減圧を開始した。減圧は、反応温度を190℃に保ちながら真空度を6.6〜13.2kPa/hrの減圧速度で行い、最終的に1.3kPaの圧力で5時間、反応を継続した。NMRで末端エチル基濃度がウレタン化反応に影響しないであろう0.2モル%以下となった時点で反応を終了させ、常温において液状のポリカーボネートポリオール(PCD−6)を得た。得られたポリカーボネートポリオールの性状を以下に示す。
1分子中の平均水酸基数:6.0
数平均分子量:2016(目標:1000)
外観:常温透明液体
水酸基価:167(mgKOH/g)
水分:0.04(%)
色数:20(APHA No.)
末端エチル基濃度(モル%):0.19
これらの結果をまとめて表2に示す。
合成例1と同様な反応装置に、グリセリンを89g、CHDMを778g(CHDM/HG(モル比)=100/0)、ジエチルカーボネートを607g、反応触媒としてテトラブチルチタネートを0.05g仕込み、窒素気流下にて反応物を125〜135℃の温度範囲に保ちながら、生成するエチルアルコールを留出させた。エチルアルコールの留出が理論生成量の30〜40%の範囲に達したことを確認した時点で、4〜10℃/hr.の割合で190℃まで昇温した。昇温終了後、反応温度を190℃に保ちながらエチルアルコールの留出がなくなるまで反応を継続した。その後、低沸物を除去するために減圧を開始した。減圧は、反応温度を190℃に保ちながら真空度を6.6〜13.2kPa/hrの減圧速度で行い、最終的に1.3kPaの圧力で5時間、反応を継続した。NMRで末端エチル基濃度がウレタン化反応に影響しないであろう0.2モル%以下となった時点で反応を終了させ、常温において液状のポリカーボネートポリオール(PCD−7)を得た。得られたポリカーボネートポリオールの性状を以下に示す。
1分子中の平均水酸基数:3.0
数平均分子量:1023(目標:1000)
外観:常温透明液体
水酸基価:164.5(mgKOH/g)
水分:0.03(%)
色数:10 (APHA No.)
末端エチル基濃度(モル%):0.18
これらの結果をまとめて表2に示す。
合成例1と同様な反応装置に、グリセリンのエチレンオキサイド付加重合物(ライオン社製レオコンGE230、水酸基価730mgKOH/g)を241g、CHDMを216g、HGを413g(CHDM/HG(モル比)=30/70)、ジエチルカーボネートを590g、反応触媒としてテトラブチルチタネートを0.05g仕込み、窒素気流下にて反応物を125〜135℃の温度範囲に保ちながら、生成するエチルアルコールを留出させた。エチルアルコールの留出が理論生成量の30〜40%の範囲に達したことを確認した時点で、4〜10℃/hr.の割合で190℃まで昇温した。昇温終了後、反応温度を190℃に保ちながらエチルアルコールの留出がなくなるまで反応を継続した。その後、低沸物を除去するために減圧を開始した。減圧は、反応温度を190℃に保ちながら真空度を6.6〜13.2kPa/hrの減圧速度で行い、最終的に1.3kPaの圧力で5時間、反応を継続した。NMRで末端エチル基濃度がウレタン化反応に影響しないであろう0.2モル%以下となった時点で反応を終了させ、常温において液状のポリカーボネートポリオール(PCD−8)を得た。得られたポリカーボネートポリオールの性状を以下に示す。
1分子中の平均水酸基数:3.0
数平均分子量:976(目標:1000)
外観:常温透明液体
水酸基価:172.5(mgKOH/g)
水分:0.03(%)
色数:10 (APHA No.)
末端エチル基濃度(モル%):0.01
これらの結果をまとめて表2に示す。
合成例1と同様な反応装置に、グリセリンのエチレンオキサイド付加重合物(ライオン社製レオコンGE230、水酸基価730mgKOH/g)を230g、CHDMを289g、HGを356g(CHDM/HG(モル比)=40/60)、ジエチルカーボネートを581g、反応触媒としてテトラブチルチタネートを0.05g仕込み、窒素気流下にて反応物を125〜135℃の温度範囲に保ちながら、生成するエチルアルコールを留出させた。エチルアルコールの留出が理論生成量の30〜40%の範囲に達したことを確認した時点で、4〜10℃/hr.の割合で190℃まで昇温した。昇温終了後、反応温度を190℃に保ちながらエチルアルコールの留出がなくなるまで反応を継続した。その後、低沸物を除去するために減圧を開始した。減圧は、反応温度を190℃に保ちながら真空度を6.6〜13.2kPa/hrの減圧速度で行い、最終的に1.3kPaの圧力で5時間、反応を継続した。NMRで末端エチル基濃度がウレタン化反応に影響しないであろう0.2モル%以下となった時点で反応を終了させ、常温において液状のポリカーボネートポリオール(PCD−9)を得た。得られたポリカーボネートポリオールの性状を以下に示す。
1分子中の平均水酸基数:3.0
数平均分子量:988(目標:1000)
外観:常温透明液体
水酸基価:170.4(mgKOH/g)
水分:0.01(%)
色数:20(APHA No.)
末端エチル基濃度(モル%):0.12
これらの結果をまとめて表2に示す。
合成例1と同様な反応装置に、グリセリンのエチレンオキサイド付加重合物(ライオン社製レオコンGE230、水酸基価730mgKOH/g)を224g、CHDMを634g、HGを27g(CHDM/HG(モル比)=95/5)、ジエチルカーボネートを522g、反応触媒としてテトラブチルチタネートを0.05g仕込み、窒素気流下にて反応物を125〜135℃の温度範囲に保ちながら、生成するエチルアルコールを留出させた。エチルアルコールの留出が理論生成量の30〜40%の範囲に達したことを確認した時点で、4〜10℃/hr.の割合で190℃まで昇温した。昇温終了後、反応温度を190℃に保ちながらエチルアルコールの留出がなくなるまで反応を継続した。その後、低沸物を除去するために減圧を開始した。減圧は、反応温度を190℃に保ちながら真空度を6.6〜13.2kPa/hrの減圧速度で行い、最終的に1.3kPaの圧力で5時間、反応を継続した。NMRで末端エチル基濃度がウレタン化反応に影響しないであろう0.2モル%以下となった時点で反応を終了させ、常温において液状のポリカーボネートポリオール(PCD−10)を得た。得られたポリカーボネートポリオールの性状を以下に示す。
1分子中の平均水酸基数:3.0
数平均分子量:1013(目標:1000)
外観:常温透明液体
水酸基価:166.2(mgKOH/g)
水分:0.01(%)
色数:20(APHA No.)
末端エチル基濃度(モル%:0.10
これらの結果をまとめて表2に示す。
合成例1〜5で得られた高官能ポリカーボネートポリオールそれぞれと硬化剤としてコロネートHX(ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型硬化剤:NCO=21.5%)とをOH/HCO=1.05当量比になるように配合し、キシレンを減粘剤として、フォードカップ#4で20秒に調整し、これを用いて塗膜物性を測定した。
その結果を表3に示す。
(1)接着性
イ)コーティング剤を乾燥後の塗布厚が1μmになるように、厚さ1mmのコロナ放電処理延伸ポリプロピレン樹脂(以下、OPPという。)の放電処理面、厚さ1mmのコロナ放電処理ナイロン樹脂の放電処理面に塗布し、次いで80℃で15分間熱風乾燥し、更に40℃で7日間エージングした後、塗布面に粘着テープを貼り付け、これを急速に剥がした。
塗布量:ドライで3g/m2
評価 ◎:コーティング被膜が全く剥がれなかった。
○:コーティング被膜が80〜100(面積)%残存した。
△:コーティング被膜が50〜80(面積)%残存した。
×:コーティング被膜が50(面積)%未満しか残存しなかった。
ロ)また、ブリキ板に乾燥後の塗布厚が1μmになるよう塗布し、次いで80℃で15分間熱風乾燥し、更に40℃で7日間エージングした後、JIS K5400に基づき碁盤目試験評価を行った。
評価 ◎:コーティング被膜が全く剥がれなかった。
○:コーティング被膜が80〜100(面積)%残存した。
△:コーティング被膜が50〜80(面積)%残存した。
×:コーティング被膜が50(面積)%未満しか残存しなかった。
コーティング剤をOPPの放電処理面に上記と同様な方法で塗布し、次いで80℃で15分間熱風乾燥し、更に40℃で7日間エージングした後、コーティング面に先端が直径0.5mmの半球状である鉄棒に200gの荷重をかけ毎分100mmの速度で滑らせた後、東京精密社製の表面粗さ形状測定機サーフコム570Aにて、耐擦傷性を評価した。
評価 ○:0.1μm未満の傷。
△:0.1〜0.5μmの傷。
×:0.5μmを超える傷。
コーティング剤をOPPの放電処理面に上記と同様な方法で塗布し、次いで80℃で15分間熱風乾燥し、更に40℃で7日間エージングした後、室温にて1日静置してから、Q−PANEL社製のQUV試験機にセットし、以下のサイクルを10回繰り返した後、塗布面に粘着テープを貼り付け、これを急速に剥がした。
QUV試験機による1サイクルの条件:
70℃×8時間(Dry)+50℃×4時間(Wet)
コーティング量:ドライで3g/m2
評価 ○:コーティング被膜が90〜100(面積)%残存した。
△:コーティング被膜が80〜90(面積)%残存した。
×:コーティング被膜が80(面積)%未満しか残存しなかった。
コーティング剤をOPPフィルムの放電処理面に上記と同様な方法で塗布し、次いで80℃で15分間熱風乾燥し、更に40℃で7日間エージングした後、室温にて1日静置してから、フィルムを90°に折り曲げエッジ部分を顕微鏡にて評価した。
評価 ○:クラックが認められない。
×:クラックが認められる。
合成例3で得られた高官能ポリカーボネートポリオールと硬化剤としてコロネートHL(ヘキサメチレンジイソシアネートアダクト変性ポリイソシアネート型硬化剤:NCO=13.1%)を用いたこと以外は、実施例1〜5の方法と同様にして塗膜物性を測定した。
その結果を表3に示す。
合成例6〜10で得られた高官能ポリカーボネートポリオールをそれぞれ用いたこと以外は、実施例1〜5の方法と同様にして塗膜物性を測定した。
その結果を表3に示す。
Claims (4)
- 次の(A)と(B)とからなること、を特徴とするコーティング剤組成物。
(A):(A−1)トリオール類のアルキレンオキサイド付加重合体と(A−2)1,4−シクロヘキサンジメタノール/炭素数4〜20の直鎖又は分岐鎖グリコール=90/10〜50/50モル比からなるグリコール混合物と(A−3)ジアルキルカーボネート又はアルキレンカーボネートとを反応させて得られる高官能ポリカーボネートポリオール。
(B):ポリイソシアネート硬化剤。 - (A−3)が、ジエチルカーボネートである、請求項1に記載のコーティング剤組成物。
- (A)高官能ポリカーボネートポリオールの1分子中の平均水酸基数が2.1〜10である、請求項1又は2に記載のコーティング剤組成物。
- (B)が、脂肪族ポリイソシアネート及び/又は脂環族ポリイソシアネートである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコーティング剤組成物。
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