JP2006203522A - 無線通信用送受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 他システムからの未知の干渉波を受信した場合に、送信信号が当該システムに与える干渉をできるだけ低減することのできる無線通信用送受信装置を提供する。
【解決手段】 複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、前記アレーアンテナの受信波の相関行列を計算し当該相関行列の固有値および固有ベクトルを算出する固有値算出手段と、前記固有値に基づいて干渉波の波数を算出する波数検出手段と、前記固有ベクトルのうち前記波数検出手段において干渉波としてカウントされた固有値に対応する固有ベクトルのすべてに直交するベクトルを生成する直交ベクトル生成手段と、前記直交ベクトルに基づいて送信指向性を制御する送信指向性制御手段とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は無線通信用送受信装置に関するものであり、特に同じ周波数帯を他の通信システムまたは他の業務と共用することを考慮した無線通信システムに用いられる無線通信用送受信装置に関する。
無線周波数の有効利用を図るため、今後は複数のシステムが同じ周波数帯を共用することが重要になってくると考えられる。周波数を共用するシステムにおいては、通常、優先順位があり、既存のシステムがある場合にはこれが第1優先のシステムとなり、後発のシステムは既存のシステムに干渉を与えない若しくは許容値以下の干渉量に抑えることが必須条件となる。
複数のシステムが同じ周波数帯を共用している例としては、5GHz帯における気象レーダとFWA(Fixed Wireless Access)における周波数共用がある。この場合には既存のシステムである気象レーダ側にFWAが影響を与えないようにしながら、FWA側でもレーダからの影響を回避しながら通信を行っている。
気象レーダとFWAにおける周波数共用の技術を示すものとして特許文献1があり、これによると、FWAはレーダ検出回路を有し、レーダ波が検出された場合に通信を停止し、レーダ波が検出されない場合に通信を再開するという方法をとっている。この方法によれば、両システムの共用が図れるものの、レーダ波が受信される間はFWA側の通信を停止しなければならないという問題があった。
通信を停止させずにシステム間の干渉を低減する方法として期待されるのが、空間的な共用である。空間的に直交したビームを作って送信を行うことが可能になれば、お互いに干渉を与えずに通信が行える可能性がある。
空間的に直交したビームを用いて混信のない通信を行う従来の技術としては、E−SDM(Eigenbeam Space Division Multiplexing)方式がある(例えば、非特許文献1参照。)。E−SDM方式は複数の送受信アンテナを用いて通信を行うMIMO(Multi-Input Multi-Output)通信方法の一つであり、送信側でMIMOチャネル情報が既知の場合に適用することができる。E−SDMでは、各送受信アンテナ間のチャネル応答を要素とするチャネル応答行列を特異値分解して得られる固有ベクトルを用いて送信指向性制御を行い、空間的な固有チャネル(直交チャネル)を形成している。
特開2001−237846号公報 宮下他、「MIMOチャネルにおける固有ビーム空間分割多重(E−SDM)方式」、電子情報通信学会、信学技報RCS202−53
上述したE−SDM方式は混信のない通信を行う上で有効なものであるが、E−SDM方式は1つの送信局から送信されるサブストリーム間の空間直交化の技術であり、送信側でチャネル応答行列が既知であることが要求される。従って、チャネル応答が未知の干渉信号に適用することはできない。
本発明は上記の従来の問題点に鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、他システムからの未知の干渉波を受信した場合に、送信信号が当該システムに与える干渉をできるだけ低減することのできる無線通信用送受信装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明にあっては、請求項1に記載されるように、複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、前記アレーアンテナの受信波の相関行列を計算し当該相関行列の固有値および固有ベクトルを算出する固有値算出手段と、前記固有値に基づいて干渉波の波数を算出する波数検出手段と、前記固有ベクトルのうち前記波数検出手段において干渉波としてカウントされた固有値に対応する固有ベクトルのすべてに直交するベクトルを生成する直交ベクトル生成手段と、前記直交ベクトルに基づいて送信指向性を制御する送信指向性制御手段とを備えるようにしている。すなわち、未知の干渉信号を複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナで受信し、そのアンテナ素子間の相関行列の固有値と固有ベクトルを算出し、固有値の値から干渉波の波数を算出し、干渉波に対応するすべての固有ベクトルに直交するベクトルを生成し、当該直交ベクトルに基づいて送信指向性を制御するものである。これにより、受信されたすべての干渉波に対し空間直交した送信指向性パターンを作ることができる。これは、すべての干渉波の到来方向に指向性のヌル(零点)を向けたパターンを作って送信するのと等価であり、干渉局に対して与える干渉を有効に低減することができる。
また、請求項2に記載されるように、前記直交ベクトル生成手段は、雑音に相当する固有値の固有ベクトルのうちから1つを選択して直交ベクトルとして出力するようにすることができる。これにより、簡易な処理によって直交ベクトルを生成することができる。
また、請求項3に記載されるように、前記波数検出手段は、雑音電力に比べて十分に大きな固有値を抽出し、その数を波数として推定するようにすることができる。これにより、簡易な処理によって波数を算出することができる。
また、請求項4に記載されるように、所望波の到来方向を推定する到来方向推定手段を備え、前記直交ベクトル生成手段は、前記固有値算出手段で算出された雑音に相当する固有値の固有ベクトルのうち、所望波の到来方向の指向性利得が最大となるものを選択するようにすることができる。すなわち、所望波の到来方向を推定し、熱雑音に相当する固有値の固有ベクトルのうち、所望波の到来方向に最も指向性利得の高い固有ベクトルを選択するものである。これにより、干渉波の到来する方向にヌルを向けて干渉局に対して与える干渉を小さくしたまま、通信の相手である所望波の到来方向に利得の高い指向性を実現でき、他システムへの干渉を抑えながら、自システムの通信の信頼性を上げることができる。
また、請求項5に記載されるように、前記固有値算出手段によって算出された固有値および固有ベクトルのうち、所望波に相当する固有値および固有ベクトルを選択する所望波固有ベクトル選択手段と、選択された所望波の固有ベクトルに基づいて受信ウェイトベクトルを制御する受信指向性制御手段とを備え、前記直交ベクトル生成手段は、前記所望波固有ベクトル選択手段によって選択された固有ベクトルを直交ベクトルとして出力するようにすることができる。すなわち、固有値の中から所望波に相当する固有値を見つけ出し、当該固有値に相当する固有ベクトルによって受信ウェイトを制御することにより干渉波の中から所望波を分離・抽出するとともに、所望波の固有ベクトルを送信指向性制御に用いるものであり、送受信が同じ周波数で行われている場合に適用されるものである。これにより、所望波の到来方向に主ビームを向け、干渉波の到来方向にヌルを向けることによって、他システムに与える干渉を抑えながら、信頼性の高い通信を行うことが可能である。
また、請求項6に記載されるように、前記アレーアンテナは、直交する偏波を用いた2種類のアレーアンテナからなり、前記固有値算出手段は、それぞれのアレーアンテナの受信波の相関行列と固有値および固有ベクトルを算出し、前記直交ベクトル生成手段は、干渉波の固有値が小さい方の偏波のアレーアンテナの受信波に基づく固有ベクトルから直交ベクトルを生成し、当該干渉波の固有値が小さい方の偏波のアレーアンテナを用いて送信するようにすることができる。すなわち、直交する偏波を用いた2種類のアレーアンテナを用い、2つのアレーアンテナに関してそれぞれ固有値を求め、干渉波の固有値の小さい方のアレーアンテナを用いて送信を行うものである。固有値の大きさは干渉波の強さを表しているため、干渉波の固有値が小さい偏波を選択することで与干渉の少ない偏波のアンテナを選択して送信することが可能となる。
また、請求項7に記載されるように、前記固有値算出手段により算出した干渉波の固有ベクトルを用い、各干渉波成分を分離・抽出し、当該干渉波の時間−周波数解析を行う干渉波解析手段と、時間−周波数解析の結果に基づき、送信信号のスペクトルを整形するスペクトル整形手段を備えるようにすることができる。すなわち、固有値算出手段により算出した干渉波の固有ベクトルを用いて受信ウェイトを制御して各干渉波成分を分離・抽出し、当該干渉波の時間−周波数解析を行うことにより、干渉波の占有帯域幅や時間的変動について解析を行い、干渉波の周波数帯域幅に関する情報を元に送信信号のスペクトラム整形を行うものである。これにより、例えば干渉波が狭帯域の場合、干渉波が使用している帯域の電力を低減して送信することが可能となり、与干渉を低減し、他システムに与える影響を抑えながら通信が可能になる。
また、請求項8に記載されるように、前記固有値算出手段により算出した干渉波の固有ベクトルを用い、各干渉波成分を分離・抽出し、当該干渉波の時間−周波数解析を行う干渉波解析手段と、時間−周波数解析の結果に基づき、送信タイミングを調整する送信タイミング調整手段を備えるようにすることができる。すなわち、固有値算出手段により算出した干渉波の固有ベクトルを用いて受信ウェイトを制御して各干渉波成分を分離・抽出し、当該干渉波の時間−周波数解析を行うことにより、干渉波の占有帯域幅や時間的変動(時間領域における周期性)について解析を行い、送信信号の送信タイミングを調整(空いているタイミングでの送信)を行うものである。干渉波の送信パターンに周期性がある場合には、送信タイミング調整手段によって、干渉の少ないタイミングに合わせて信号を送信することが可能となり、他システムに与える影響を抑えることが可能となる。
本発明の無線通信用送受信装置にあっては、受信されたすべての干渉波に対し空間直交した送信指向性パターンを作ることで、他システムからの未知の干渉波を受信した場合であっても、送信信号が当該システムに与える干渉をできるだけ低減することができるという効果がある。
以下、本発明の好適な実施形態につき、図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1は本発明の第1の実施形態にかかる無線通信用送受信装置の構成図であり、送信にかかる構成を示している。この第1の実施形態の無線通信用送受信装置は、複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナ1と、アレーアンテナ1の受信波の相関行列を計算し、この相関行列の固有値および固有ベクトルを算出する固有値算出手段2と、算出された固有値に基づいて干渉波の波数を算出する波数検出手段3と、固有値算出手段2で算出された固有ベクトルのうち波数検出手段3において干渉波としてカウントされた固有値に対応する固有ベクトルのすべてに直交するベクトルを生成する直交ベクトル生成手段4と、直交ベクトル生成手段4で生成された直交ベクトルに基づいて送信指向性を制御する送信指向性制御手段5とを備えている。
アレーアンテナ1において素子数がKでM個の到来波(平面波)が受信される場合、アレーアンテナ1で受信される信号のベクトルX(t)は次式のように表される。
X(t)=AF(t)+N(t)
ここに、
F(t)=[F1(t),・・・,FM(t)]T
A=[a(θ1),・・・,a(θM)] (方向行列)
a(θm)=[exp{jΨ1m)},・・・,exp{jΨKm)}]T (方向ベクトル)
N(t)=[n1(t),・・・,nK(t)]T (内部熱雑音ベクトル)
ただし、Fm(t)、θmはそれぞれ第m波の複素振幅と到来方向、Ψim)はi番目のアンテナ素子における第m波の受信位相である。Tは転置行列を表す。
固有値算出手段2においては、受信信号ベクトルX(t)を用いて次式により相関行列を求める。
xx=E[X(t)XH(t)]
E[・]は期待値を表すが、実際には時間サンプルの平均で代用する。また、Hは複素共役転置を表す。このとき、相関行列は以下のように表すことができる。
xx=ASAH+σ2
ここで、S=E[F(t)FH(t)]であり、σ2は熱雑音電力、Iは単位行列である。
先ず、熱雑音を除いて考えてみる。Rxx=ASAHの固有値をμi(i=1,2,・・・,K)、固有ベクトルをei(i=1,2,・・・,K)とすると、
ASAHi=μii (i=1,2,・・・,K)
と表すことができ、その固有値は実数で
μ1≧μ2≧・・・μM>μM+1=・・・=μK=0
という関係を持つ。また、対応する固有ベクトルは
i Hk=δik (i,k=1,2,・・・,K)
である。ただし、δikはクロネッカーのデルタである。
熱雑音が存在する場合は、
xxi=(ASAH+σ2I)ei
=(μi+σ2)ei
と表され、熱雑音が無いときの相関行列の固有値に雑音電力が上乗せされたものになる。
そこで、
λi=μi+σ2 (i=1,2,・・・,K)
とおいて相関行列Rxxの固有値を表すと、
λ1≧λ2≧・・・≧λM>λM+1=・・・=λ=σ2
となる。
固有値算出手段2においては、これらの固有値λiと各固有値λiに対応する固有ベクトルeiを求める。
固有値は、互いに無相関な到来波の受信電力に相当している。そこで波数検出手段3においては、雑音電力σ2に比べて十分に大きな固有値を抽出し、その数Mを波数として推定する。
次に、直交ベクトル生成手段4では、雑音電力に比べて十分に大きなM個の固有値に対応する固有ベクトルのすべてに直交するベクトルの生成を行う。この直交ベクトルの生成方法として、最も簡単な方法としては、固有値が雑音電力に相当する(K−M)個の固有値の固有ベクトルのうちの1つを用いることである。
熱雑音電力に等しい固有値に対応する固有ベクトルに着目してみると、
xxi=(ASAH+σ2I)ei=λii=σ2i (i=M+1,・・・,K)
と表されるので、
ASAHi=0 (i=M+1,・・・,K)
となり、さらに、AとSがフルランクであることから、
Hi=0 (i=M+1,・・・,K)
すなわち、
Hm)ei=0 (m=1,2,・・・,M;i=M+1,・・・,K)
となる。これは熱雑音電力に等しい固有値に対応する固有ベクトルは全て到来波の方向ベクトルと直交することを意味している。そこで、ここでは直交ベクトル生成手段4においては、雑音電力に相当する固有値の固有ベクトルを直交ベクトルとして用いることとする。このようにすることによって、全ての干渉波の到来波の方向ベクトルと直交するベクトルが求められる。
送信指向性制御手段5においては、直交ベクトル生成手段4で生成したベクトルを送信信号のウェイトとして用いる。このようにすることによって、すべての干渉波の到来方向に対してヌルを持つ送信指向性制御が可能となり、周波数共用しているシステムに与える干渉を減らすことが可能となる。
<第2の実施形態>
図2は本発明の第2の実施形態にかかる無線通信用送受信装置の構成図である。第1の実施形態では通信の相手方からの信号の到来方向が未知の場合であったが、本実施形態では、通信の相手方からの受信信号の到来方向を検出する到来方向推定手段6を新たに設けている。
到来方向推定手段6は、MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法やESPRIT(Estimation of Signal Parameter via Rotational Invariance Techniques)法などの到来波推定法を用いて所望波の到来方向を推定する。
直交ベクトル生成手段4は、到来方向推定手段6によって推定された所望波の到来方向に基づき、複数ある雑音電力に相当する固有値に対応する固有ベクトルの中で、最も当該到来方向に対して指向性利得の高いものを直交ベクトルとして出力する。
このようにすることで、干渉波の到来方向にヌルを向けながら、所望波の方向に高い指向性利得を持つ指向性の制御が可能となる。これは、送信と受信の周波数が異なる場合でも良い。
<第3の実施形態>
図3は本発明の第3の実施形態にかかる無線通信用送受信装置の構成図である。第1の実施形態では、自システムの通信を開始する前に干渉波の到来状態を調べ、送信指向性をコントロールするというやり方であった。この第3の実施形態では、干渉波のみならず、通信の相手方からの所望波が干渉波と共に到来している場合を考える。これは、通信に際し送信と受信で同じ周波数を用いている場合に相当する。新たな機能部として、所望波固有ベクトル選択手段7と受信指向性制御手段8が設けられている。
第1の実施形態の場合と同様に、アレーアンテナ1で受信した受信信号に対して、固有値算出手段2では受信信号の相関行列を計算し、その固有値と固有ベクトルを求める。
λ1≧λ2≧・・・≧λM>λM+1=・・・=λ=σ2
干渉波と所望波を合わせて到来波数がM個であるとすると、第1の実施形態と同様にM個の、雑音電力より大きな固有値が観測される。このとき、これらのM個の固有値のうちの一つが所望波に相当する。
所望波固有ベクトル選択手段7においては、アレーアンテナ1の受信信号に対して受信指向性制御手段8によりM個の固有ベクトルをウェイトとして信号処理的に合成を行ってみて、所望波に含まれる特定の信号パターンの検出を試みる。所望波が検出できた場合、そのウェイトに相当するベクトルが所望波の固有ベクトルとなる。受信指向性制御手段8ではアレーアンテナ1の各アンテナ素子からの受信信号に当該所望波固有ベクトルをウェイトとして合成することにより、干渉波を抑圧しながら所望波を取り出すことができる。
一方、所望波固有ベクトルは他の固有ベクトルと直交していることから、このベクトルを直交ベクトル生成手段4の出力としている。すなわち、所望波固有ベクトルを用いて送信指向性制御手段5を制御することによって、干渉波の到来方向にヌル点を持つ送信指向性を作ることができ、通信の相手方に主ビーム方向を向けた指向性を形成することができる。
このようにすることで、被干渉を抑圧し、与干渉を低減しながら通信を行うことが可能となる。
<第4の実施形態>
図4は本発明の第4の実施形態にかかる無線通信用送受信装置の構成図である。本実施形態においては、直交する偏波のアンテナ素子で構成された2種類のアレーアンテナ1−1、1−2を用いる。例えば、一方のアレーアンテナ1−1が垂直偏波のアンテナ素子で構成されていれば、もう一方のアレーアンテナ1−2は水平偏波で構成されている。円偏波の右旋、左旋を用いることも原理的に可能である。
固有値算出手段2は、それぞれの偏波を持つ2つのアレーアンテナ1−1、1−2について、それぞれ相関行列を算出し固有値および固有ベクトルを算出する。波数検出手段3は固有値算出手段2によって算出された固有値の値に基づいてそれぞれのアレーアンテナ1−1、1−2で受信した到来波数を推定する。
直交ベクトル生成手段4では、二つのアレーアンテナ1−1、1−2の最大固有値を比較し、固有値が小さい方のアレーアンテナを選択し、直交ベクトルの生成を行う。直交ベクトルは、所望波が受信されていない状況では、最大固有値の小さい方のアレーアンテナの雑音固有ベクトルを用い、所望波が受信されている状態では、所望波の固有ベクトルを用いる。
送信指向性制御手段5では、直交ベクトル生成手段4で生成されたベクトルに基づいて送信指向性の制御を行い、干渉波の固有値が小さい方の偏波のアレーアンテナを用いて送信する。
このようにすることで、干渉の少ない偏波を用いて送信を行うことができ、与干渉も少なくすることができる。
<第5の実施形態>
図5は本発明の第5の実施形態にかかる無線通信用送受信装置の構成図であり、送信スペクトルを整形することで干渉を更に抑圧するようにしたものである。すなわち、時間−周波数解析手段9は、固有値算出手段2で算出された固有ベクトルを用いて、アレーアンテナ1の受信波から干渉波を分離・抽出する。この干渉波の分離・抽出は、アレーアンテナ1からの各入力信号に対し固有値算出手段2で算出した固有ベクトルの一つをウェイトとして合成することで行う。これは当該固有ベクトル以外の固有ベクトルに直交する受信指向性制御を行ったと等価であり、他の干渉波を抑圧し、一つの干渉波を抽出していることになる。
時間−周波数解析手段9は、抽出した干渉波に対し、更に時間−周波数解析を行うことにより干歩波の特性を解析する。干渉波は定常信号の場合も有り得るが、一般的には非定常信号である。時間的に変化する干渉波の性質を調べるためには、時間−周波数解析が適している。ウェーブレット変換などの時間−周波数解析によって周波数領域における占有帯域を検出する。
送信スペクトル整形手段10は、時間−周波数解析手段9による時間−周波数解析の結果に基づき、送信信号のスペクトルを整形する。例えば、送信信号に比べて干渉波が十分に狭帯域の信号の場合、送信スペクトル整形手段10は送信信号のスペクトラムのうち干渉波の占有する部分の電力を低減する。これはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号のようなマルチキャリア信号の場合には、干渉波と重なるサブキャリアを送信停止することにより、容易に実現できる。
このように、干渉波の周波数領域の解析を行い、スペクトラムの整形を行って送信することで、干渉を抑止できる。
<第6の実施形態>
図6は本発明の第6の実施形態にかかる無線通信用送受信装置の構成図であり、送信タイミングを調整することで干渉を更に抑圧するようにしたものである。すなわち、時間−周波数解析手段9は、第5の実施形態と同様に、アレーアンテナ1の固有ベクトルを用いて干渉波の分離・抽出を行い、当該干渉波の時間−周波数解析を行う。
送信タイミング調整手段11は、時間−周波数解析手段9による時間−周波数解析の結果に基づき、送信信号の送信タイミングを調整する。例えば、干渉波の送信パターンを時間領域で解析した結果、干渉波に周期性が認められた場合には、送信タイミング調整手段11は空いているタイミングを用いて送信を行う。
このようにすることによって、干渉波の送信タイミングを避け、信号を送信することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。
本発明の第1の実施形態にかかる無線通信用送受信装置の構成図である。 本発明の第2の実施形態にかかる無線通信用送受信装置の構成図である。 本発明の第3の実施形態にかかる無線通信用送受信装置の構成図である。 本発明の第4の実施形態にかかる無線通信用送受信装置の構成図である。 本発明の第5の実施形態にかかる無線通信用送受信装置の構成図である。 本発明の第6の実施形態にかかる無線通信用送受信装置の構成図である。
符号の説明
1、1−1、1−2 アレーアンテナ
2 固有値算出手段
3 波数検出手段
4 直交ベクトル生成手段
5 送信指向性制御手段
6 到来方向推定手段
7 所望波固有ベクトル選択手段
8 受信指向性制御手段
9 時間−周波数解析手段
10 送信スペクトル整形手段
11 送信タイミング調整手段

Claims (8)

  1. 複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナと、
    前記アレーアンテナの受信波の相関行列を計算し当該相関行列の固有値および固有ベクトルを算出する固有値算出手段と、
    前記固有値に基づいて干渉波の波数を算出する波数検出手段と、
    前記固有ベクトルのうち前記波数検出手段において干渉波としてカウントされた固有値に対応する固有ベクトルのすべてに直交するベクトルを生成する直交ベクトル生成手段と、
    前記直交ベクトルに基づいて送信指向性を制御する送信指向性制御手段とを備えたことを特徴とする無線通信用送受信装置。
  2. 前記直交ベクトル生成手段は、雑音に相当する固有値の固有ベクトルのうちから1つを選択して直交ベクトルとして出力することを特徴とする請求項1に記載の無線通信用送受信装置。
  3. 前記波数検出手段は、雑音電力に比べて十分に大きな固有値を抽出し、その数を波数として推定することを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の無線通信用送受信装置。
  4. 所望波の到来方向を推定する到来方向推定手段を備え、
    前記直交ベクトル生成手段は、前記固有値算出手段で算出された雑音に相当する固有値の固有ベクトルのうち、所望波の到来方向の指向性利得が最大となるものを選択することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の無線通信用送受信装置。
  5. 前記固有値算出手段によって算出された固有値および固有ベクトルのうち、所望波に相当する固有値および固有ベクトルを選択する所望波固有ベクトル選択手段と、
    選択された所望波の固有ベクトルに基づいて受信ウェイトベクトルを制御する受信指向性制御手段とを備え、
    前記直交ベクトル生成手段は、前記所望波固有ベクトル選択手段によって選択された固有ベクトルを直交ベクトルとして出力することを特徴とする請求項1に記載の無線通信用送受信装置。
  6. 前記アレーアンテナは、直交する偏波を用いた2種類のアレーアンテナからなり、
    前記固有値算出手段は、それぞれのアレーアンテナの受信波の相関行列と固有値および固有ベクトルを算出し、
    前記直交ベクトル生成手段は、干渉波の固有値が小さい方の偏波のアレーアンテナの受信波に基づく固有ベクトルから直交ベクトルを生成し、
    当該干渉波の固有値が小さい方の偏波のアレーアンテナを用いて送信することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の無線通信用送受信装置。
  7. 前記固有値算出手段により算出した干渉波の固有ベクトルを用い、各干渉波成分を分離・抽出し、当該干渉波の時間−周波数解析を行う干渉波解析手段と、
    時間−周波数解析の結果に基づき、送信信号のスペクトルを整形するスペクトル整形手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の無線通信用送受信装置。
  8. 前記固有値算出手段により算出した干渉波の固有ベクトルを用い、各干渉波成分を分離・抽出し、当該干渉波の時間−周波数解析を行う干渉波解析手段と、
    時間−周波数解析の結果に基づき、送信タイミングを調整する送信タイミング調整手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の無線通信用送受信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010166504A (ja) * 2009-01-19 2010-07-29 Ntt Docomo Inc 無線通信システムおよび方法
JP2010206788A (ja) * 2009-03-04 2010-09-16 Sick Ag 光電センサ
JP2010263414A (ja) * 2009-05-07 2010-11-18 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 無線通信システム、無線装置、および、無線通信方法
JP2013236127A (ja) * 2012-05-02 2013-11-21 Ntt Docomo Inc 無線基地局

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