JP2006201426A - 液晶光学素子および光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 透明電極と配向膜との間に中間層を設けることで、上述した層間反射作用と、内部光干渉作用を最小限にした液晶光学素子、および層間反射作用と内部光干渉作用の影響を極力抑えて装置信頼性を向上させた光学装置を提供することである。
【解決手段】透明電極とその表面に配向膜を有する第1の透明性基板と、透明電極とその表面に配向膜を有する第2の透明性基板とを、各透明電極が内側となるように対向配置し、各配向膜間に液晶層を挟持してなる液晶光学素子において、 一方の透明電極の表面に、透明電極の構成材料であり、かつ粒径がほぼ同じ結晶粒子からなる凸部がほぼ最密充填されて形成された凹凸部位を配し、この凹凸部位が、少なくとも凹凸部位における凹部底部から凸部までの範囲に渡って配向膜で被覆されて、透明電極の屈折率と配向膜の屈折率との間の屈折率層となるように構成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は液晶光学素子および光学装置に関し、特に、少なくとも一方の透明電極の表面に粒径がほぼ同じ結晶粒子からなる凸部がほぼ最密充填されて形成された凹凸部位を有し、その凹凸部位が透明電極の屈折率と配向膜の屈折率との中間の屈折率層となるように構成された液晶光学素子および光学装置に関する。
CDあるいはDVD等の光ディスクや、光磁気ディスク等のディスクの情報を読み取ったり、書きこんだりするのに光学装置が用いられている。この光学装置(光ピックアップ装置)は、半導体レーザー光源から出射されたレーザー光をディスクに照射して、ディスク表面のトラックに記録された情報を読み取ったり、またはトラックに情報を書きこんだりすることができる装置である。
上述した光学装置の構成について以下に詳細に説明する。
この従来の光学装置は、半導体レーザー光源と、カップリングレンズと、偏光ビームスプリッターと、液晶光学素子と、λ/4波長板と、対物レンズと、ディスクと、受光ダイオードとを有し、半導体レーザー光源から出射したレーザー光をディスクに照射し、このディスクからの反射光を受光ダイオードで受光できるように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
図7は、背景技術における光学装置の構成と、各部材の機能を合わせて説明するための模式図である。
まず、半導体レーザー光源101から出射した往路のレーザー光102は、カップリングレンズ103で平行光(直線偏光)となった後、偏光ビームスプリッター104を通過し、このレーザー光102のコマ収差や球面収差を含む波面収差を光学的に補正するために配置された液晶光学素子105を通り、レーザー光102の直線偏光を円偏光に変換するλ/4波長板106を通った後、対物レンズ107によりディスク108に集光され、そのディスク108に焦点を結ぶ。
さらに、ディスク108から反射された復路のレーザー光は、対物レンズ107を透過し、λ/4波長板106にて往路と直交する直線偏光に変更された後に、液晶光学素子105をそのまま通過し、偏光ビームスプリッター104にて光路を変えて集光レンズ109に向かい、受光ダイオード110にディスク108から反射された復路のレーザー光を集光する。
そして、受光ダイオード110により検出した信号を基にディスク108に記録された情報等を読み取り、または往路のレーザー光でディスク108面に情報等の書き込みをすることができるようになる。
前述した液晶光学素子105には、レーザー光102のビーム有効径の内側に、分割配置された透明電極パターンを有する収差補正領域が形成されており、これにより、この液晶光学素子105に入射する光ビームを局所的に位相変調させ、ディスク108により発生する波面収差を補正することができるようになっている。
図8に液晶光学素子105の構成を示す。
この液晶光学素子105は、第1及び第2透明性基板13,14の間に、収差補正用の透明電極15e,15f、配向膜16e,16fおよび液晶層18、液晶をセル内に封入
するシール剤17から構成される。そして、透明電極15は所望の収差補正に対応したパターンに分割して素子中央に配置される。
上記液晶光学素子105を備えたこの光学装置は、ディスク108により発生する波面収差(主にコマ収差や球面収差)を機械的に補正する光学装置に比べ、液晶光学素子105で局所的に位相差量を制御することによりこの波面収差の補正を行う構成を採用しているので、装置の小型化、波面収差の補正に要する省電化、および装置信頼性に優れるという利点を有している。
特開2001−101700号公報(第3−5頁、第1図、第8図)
しかしながら、従来の液晶光学素子105を備えた光学装置は、下記の問題点を有するものとなる。
この液晶光学素子105は、光学装置に用いられるレーザー光102が素子内部に侵入し、所望の収差補正を行うために前述した電極パターンに実効電圧が印加されて液晶層18の実効屈折率が変化させる構成となっている。その実効屈折率の変化に応じて、素子を透過するレーザー光102にノイズ光が重畳してしまったり、レーザー光量が変動してしまうという問題が生ずる。その現象について図面を用いて詳細に説明をする。
図9は、液晶光学素子105を駆動する際の実効電圧と、素子を通過するレーザー光102の透過率との関係を表したものである。なお、本図面に示した破線11は設計上の透過率変動曲線を示しており、実線12は実測上の透過率変動曲線を示している。
この従来の液晶光学素子105(図7参照)は、図9に示したように、第1及び第2の透明性基板13,14の内側に分割形成された屈折率がn=1.9の透明電極15e,15f、屈折率がn=1.5の配向膜16e,16fを含む積層膜構造を持ち、液晶層18の実効屈折率が実効電圧で例えばn=1.5〜1.7まで変化するため、これら積層された各層の界面の屈折率差に起因する層間反射作用、および透明電極15e、15fの表面形状に起因して発生する散乱光による内部光干渉を伴った透過率曲線(実測上の透過率変動曲線12)となってしまうことが発明者の実験により判明した。
この様に、実測上の透過率変動曲線12は、実効電圧に対して設計上の透過率変動曲線11から大きなずれを生じることとなり、実際の液晶光学素子105におけるレーザー光102の透過率変動は、設計通りの透過率曲線を得ることができなくなる。
そして、この従来の液晶光学素子を備えた光学装置は、下記の問題点も有する。
それは、従来の光学装置は、図7では図示していないが、受光ダイオード110で集光された光量を読み取り、半導体レーザー光源101の駆動回路系へフィードバックし、レーザー光102のレーザー光量の制御を行うシステムが一般に組込まれている。これによりレーザー光102は、ディスク108に対して常に書き込み読み込みに最適な光量を変化させてその光量を保つ事を可能とする。この場合、復路光を受光ダイオード110にて受光してから上述したレーザー光量を制御するシステムとなっているため、電源をONした初期段階においては一定光量以上のレーザー光量を必要とする。そのため、液晶光学素子105の特性として、駆動電圧に依存せず一定の透過率が必要となる。
しかしながら、液晶光学素子105内の上述した積層構造と液晶層18に掛かる実効屈折率変動に起因する内部光干渉作用を最小限に設計したとしても、透明電極15e,15f表面及び内部の様々なファクターにより、透過率変動値は実際には大きくなってしまう
。この現象が起こると、受光ダイオード110での信号処理エラーを引きおこし、装置の信頼性を低下させる虞がある。
この様に、従来の光学装置では、受光ダイオード110で受光するRF信号が一定の光量以上を必要とするため、光学装置を構成する各部材を通過する光路中に光損失があれば、その分だけ半導体レーザー光源101のレーザー光量を上げる(変化させる)必要があるのである。この半導体レーザー光源101のレーザー光量を状況に応じて常に変化させると、レーザー光源101への負荷が大きくなり、レーザー寿命の短命化につながるため、できるだけその光量を変化させないようにするのが望ましいとされていた。
そこで本発明の目的は、透明電極と配向膜との間に中間層を設けることで、上述した層間反射作用と、内部光干渉作用を最小限にした液晶光学素子、および層間反射作用と内部光干渉作用の影響を極力抑えて装置信頼性を向上させた光学装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の光学装置は、基本的に下記記載の構成を採用するものである。
本発明の液晶光学素子は、透明電極とその表面に配向膜を有する第1の透明性基板と、透明電極とその表面に配向膜を有する第2の透明性基板とを、各透明電極が内側となるように対向配置し、各配向膜間に液晶層を挟持してなる液晶光学素子において、少なくとも一方の透明電極の表面に、透明電極の構成材料であり、かつ粒径がほぼ同じ結晶粒子からなる凸部がほぼ最密充填されて形成された凹凸部位を有し、この凹凸部位が、凹凸部位における凹部底部から凸部までの範囲に渡って配向膜で被覆されて、透明電極の屈折率と配向膜の屈折率との間の屈折率層となるように構成されていることを特徴とするものである。
また本発明の液晶光学素子は、前述した透明電極の屈折率よりも、配向膜の屈折率を小さくしたことを特徴とするものである。
本発明の光学装置は、レーザー光源と、このレーザー光源から出射される往路のレーザー光をディスクに集光するための対物レンズと、ディスクからの反射光である復路のレーザー光を受光するための受光ダイオードと、レーザー光源と対物レンズとの間の光路中に配設された前述したいずれかの液晶光学素子とを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の光学装置は、前述した光学装置の仕様により決定される、液晶光学素子における透明電極間に印加される実効電圧に応じて変化する透過率変動幅の範囲内に入る様に、凸部のピッチが設定されていることを特徴とするものである。
本発明により、液晶光学素子の絶対透過率を保持しながら、液晶駆動時(液晶層の複屈折が変化した時)の層間反射作用と、内部光干渉作用の両方を極力抑えることで、液晶光学素子における透過率の変動を最小限にすることが可能となる。
また、本発明の液晶光学素子を光学装置(特に光ピックアップ装置)に搭載すれば、光量損失を最小限に出来、光学装置に要する省電化、及びレーザーの長寿命化、ディスクの読取精度、書き込み精度が向上させることが出来るようになる。
本発明の液晶光学素子は、種々の光学装置に利用可能なものであるが、以下の説明はDVDの光ピックアップ装置を例に取って行う。またこの種の装置に於いては、現在のとこ
ろレーザー光を用いるのが一般であるので、利用する光はレーザー光であるものとして説明する。
本発明の液晶光学素子は、主に対向する2枚の透明電極の内、少なくとも一方の透明電極の表面に、透明電極の構成材料であり、かつ粒径がほぼ同じ結晶粒子からなる凸部がほぼ最密充填されて形成された凹凸部位が形成されており、この凹凸部位が、凹凸部位における凹部底部から凸部までの範囲に渡って配向膜で被覆されて、透明電極の屈折率と、配向膜の屈折率との間の屈折率層となるように構成されている点に特徴を有するものである。
ここで、本発明の液晶光学素子5の構成について説明する。図1(a)は本発明の液晶光学素子5の断面構造を示しており、図1(b)はこの液晶光学素子5における透明電極15a,15bの表面状態を表す図である。
図1(a)に示すように本素子は、透明電極15aとその表面を被服する配向膜16aとを有する第1の透明性基板13と、同様に透明電極15bと配向膜16bとを有する第2の透明性基板14とを、各透明電極15a,15bが内側となるよう対向配置し、配向膜16a,16b間に液晶層18を有する構造を採用している。この第1、第2の透明性基板13及び14は、液晶層18内部に封入されるシール剤17により形状保持される。また、図1(a)に示すように、透明電極15a,15bの表面は凹凸部位24の凹部を少なくとも被覆した配向膜16a,16bを有し、また図1(b)に示すように、その凹凸部位24における凸部は最密充填して配置されているため、結果的にこの凸部ピッチとほぼ同等の粒子径となる。なお、この凹凸部位24を配した領域が、透明電極15a,15bと配向膜16a,16bの間の屈折率を有する領域となる。
ここで示した透明電極15,15bの屈折率、および配向膜16a,16bとの関係は、透明電極15a,15bの屈折率に対し、配向膜16a,16bの屈折率を小さい材料の配向膜とするのが好ましい。それは、一般的に用いられる液晶層18の実効電圧により変動する実行屈折率範囲のn=1.5〜1.7に対し、配向膜16a,16bの屈折率n=1.5、凹凸部位24の屈折率1.5<n<1.9、透明導電膜層の屈折率n=1.9の様に、屈折率を段階的に変化させることができるからである。この様に構成することにより、液晶光学素子5を構成する積層膜間に発生する層間反射作用を低減させることが出来るようになる。
そして、本発明の液晶光学素子5を搭載した光学装置は、従来の光学装置(図7参照)における液晶光学素子の内部構成のみが異なっており、他の構成は背景技術で説明をしたと同じであるので、ここでの光学装置の構成の説明は割愛する。
ここで、上述した光学装置に搭載された液晶光学素子5を構成する部材により光損失が生じた場合の作用について説明をする。図2は液晶光学素子5に入射したレーザー光が素子を透過した際の作用を表した図面である。そして、本図面における図2(a)は、透明電極15a,15b表面に形成された凹凸部位24の凸部ピッチを、使用するレーザー光の波長に比べ極端に大きくした構成例を示しており、図2(b)は、この凸部ピッチを使用するレーザー光の波長に比べて小さくした構成例を示している。
図2(a)に示すように、透明電極15c,15dの表面の凹凸部位24と配向膜16cの界面を入射光(レーザー光)21が通過する際、一般に凹凸部位24の凸部ピッチが波長よりも大きい場合は、本図面に示す様に、透過光に0次光23とともに高次光22が発生してしまう。この高次光22により、液晶層18に掛かる実効屈折率に応じて液晶光学素子内部で発生する内部光干渉作用を引き起こすこととなる。
一方、図2(b)に示すように、表面に形成された凹凸部位24における凸部が最密充填されている透明電極15a,15bを備えた液晶光学素子(図1で示したと同じ構成)では、透過光が図2(a)における高次光22を伴わない0次光23のみとなり、高次光22(回折光)に起因する内部光干渉作用を防ぐことが可能となる。
また更に、この凹凸部位24の存在する領域は、透明電極15a,15bと配向膜16a,16bとの混合層となるため、前述した様に、実質的な屈折率は透明電極15a,15bと配向膜16a,16bの中間屈折率となり、それにより各層の屈折率の違いにより生ずる層間反射作用を低減させることができるようになる。
なお、本図面に示す透明電極15a,15bの表面に設けた凹凸部位24の形状は、透明電極15a,15bの形成(成膜)条件によって表面形状を形成しても構わないし、この電極を成膜した後に、例えば、エッチング、プリンティング等の手段によりこの凹凸部位24の形状を形成しても良い。
この様に形成された液晶光学素子5における凹凸部位24の凸部ピッチを波長よりも小さくすれば、高次光22による内部光干渉作用を極力小さくすることが出来、図3に示すように設計値と同等の透過特性を得ることができる様になる。図3における破線11は設計上の透過率変動曲線を示し、また実線12は実測上の透過率変動曲線を示している。本図面から、実効電圧を変えて液晶層の実行屈折率が変わったとしても、設計値に近似した透過率変動曲線を得ることが出来ていることが判る。
ここで、凹凸部位24を構成する凸部の配置形態について更に詳細に説明をする。図4(1)は、凹凸部位24を構成する凸部が最密充填して配置されている形態を示しており、図4(2)は、この凸部が最密充填されておらず、所々抜けが生じている形態を示しており、図4(3)は、凸部の粒子ピッチが使用するレーザー光の波長に対して大きいものと小さいものが混在している形態を示している。なお、各図面の左側には透明電極15の断面図を、右側には上部平面図を示した。また以下の説明では、図4(1)に示す凸部配置形態をパターン(1)と示し、図4(2)の例をパターン(2)、図4(3)の例をパターン(3)として説明をする。
パターン(1)における透明導電膜層20表面に形成された凹凸部位24における凸部は、使用するレーザー光の波長に対して、粒径を小さくして最密充填している。なお、この形態は、図1、図2(b)に示したのと同じ形態を示している。そのため、凸部の粒子ピッチ25aは粒径とほぼ等しくなり、上部平面図に示すように、面内のどの箇所も凸部の粒子ピッチ25aは均一となる。
またパターン(2)では、隣接する凹凸部位24の間に隙間(凸部の抜け)が生じている。この場合、凸部の粒径よりも大きな粒子ピッチ25bが生じる箇所が存在することとなる。
さらにパターン(3)では、大きな凸部粒径が最密充填を阻むように所々に存在している。この場合も同様に、凸部の粒径以上の大きな粒子ピッチ25cが生じる箇所が存在することとなる。
この様に、パターン(2)及び(3)では上部平面図に示すように、場所により凹凸部位24における凸部配置に疎密ばらつきが生じる構成となっていることが判る。
レーザー光がこの液晶光学素子の凹凸部位24を通過する場合、パターン(1)では凹
凸部位24の凸部が最密充填されて配置されているので、素子のどの箇所をこのレーザー光が通過しても均一な狭ピッチ凹凸を通過することとなる。しかし、パターン(2)及び(3)では、レーザー光が通過する素子の箇所によって、凹凸ピッチに差が生じることとなる。これは図2(a)で示した高次光22に起因して、回折高次光の発生の要因となる。
ここで、図4(1)〜(3)に示した粒子ピッチ25a〜25cが形成された凹凸部位24を有する透明電極膜を有する液晶光学素子のサンプルをそれぞれ作成し、その透過率変動について検証を行った。
図5は、図4(1)〜(3)で示した各凹凸部位24の凸部配置形態を備えた液晶光学素子に印加される実行電圧に対する透過率変動の関係を示す図面である。本図面における横軸は液晶光学素子に印加する実効電圧であり、縦軸は電圧無印加時の透過率を基準とした透過率変動値を示している。そして、図5(A)は、図4(1)の凸部を最密充填に配置した形態における変動を示しており、図5(B)は、図4(2)の凸部を歯抜けに配置した形態における変動を示しており、図5(C)は、図4(3)の凸部の粒子径を使用する波長に対して大きい凸部と小さい凸部をそれぞれ有する形態における変動を示している。
まず、透明電極15の成膜条件を変えて、図4の(1)〜(3)に対応する凹凸部位24の配置形態を有した液晶光学素子サンプル(A〜C)を作成した。
そして、各サンプルにおいて図4上部平面図に示した3箇所(破線丸枠)にレーザー光を入射し、それぞれの変動曲線を描いた。なお、このとき用いたレーザー波長は650nmである。
凹凸部位24の凸部を最密充填した図5(A)では、測定をした3箇所(粒子ピッチ25aで規定された領域)とも図4(1)に示した最密充填された凹凸部位24をレーザー光が通過するため、液晶光学素子を透過する透過光は、高次光22を伴わない透過率変動の小さな曲線を得ることができていることが判る。
また一方、図5(B)及び図5(C)では、同一サンプル内で粒子ピッチにばらつきが有るため、レーザー光が透過する箇所によって透過率変動がばらつく結果となっていることが判る。
ここで、隙間のある粒子ピッチ25bと大きな粒径を伴った粒子ピッチ25cを比較すると、粒径の大きくした形態(粒子ピッチ25cとした場合)に、特に透過率変動が大きくなる傾向があることが判る。
そこで、各サンプルの凹凸部位24をAFM測定し、各々の粒子ピッチを求めた。図6は、凹凸部位24を有する粒子ピッチ(粒径)の実測値と、素子駆動時の透過率変動値の関係を表した図面である。なお、本図面の横軸下に、各サンプル(A)〜(C)で測定された凹凸部位24における凸部の粒子ピッチの範囲を矢印で示した。
まず、光学装置の仕様で、液晶光学素子5に印加する実効電圧値を変えた場合の透過率変動値は2.5%以内となるように要求されていると仮定する。このとき、図6のAFMにて実測された実際の粒径の結果から、粒子ピッチを100nm以下とすれば、その透過率変動値が要求仕様の2.5%以下とすることが出来ることが判る。仮に、1%以下に透過率変動を抑えたい場合、粒子ピッチを50nm以下とすれば良い。
また、使用するレーザー光の波長を青色レーザーの405nmとした場合、最適膜設計で計算される透過率変動値は4%であった。これに図4におけるパターン(1)に従って
図6に示す粒径に規定された透明電極15a,15bを有する液晶光学素子とすることで、設計値どおりの透過率変動とすることが出来る。
この様に、光学装置に要求される透過率変動値に応じて透明電極15a,15bの表面に形成される凹凸部位24の凸部の粒子ピッチを設定して形成すれば、所望の透過率変動値の範囲内に抑えて液晶光学素子5を駆動させることが出来るようになる。
そして、上述した本発明の液晶光学素子5を図7に示す光学装置として組み込むことにより、層間反射作用と内部光干渉作用とを最小限にすることを可能とすることができるので、光量損失を最小限にすることが出来るようになる。これによって光学装置の省電力化とレーザー長寿命化、およびディスクの読取精度、書き込み精度を向上した装置を実現することができるようになる。
なお、上記説明においては、凹凸部位24を透明電極15a,15bの双方に設けた構成例を示したが、ここでは図示しないが、一方の透明電極にこの凹凸部位24を形成した液晶光学素子としても、本発明の効果を得ることは可能である。
また、上記説明において、透明導電膜膜層20(図4参照)を構成する結晶粒子の粒径を制御することにより、凹凸部位24を形成した構成例を示したが、透明電極15a,15b、配向膜16a,16b、液晶層18を構成する各層の屈折率が段階的となるように材料を選定すれば、透明導電膜膜層20と凹凸部位24を構成する材料を別材料により形成しても本発明の効果を得ることが出来る。
本発明の液晶光学素子の構造と、透明電極表面に形成された凹凸部位の配置形態を示す図面である。 本発明の液晶光学素子にかかる凹凸部位の凸部配置形態に係る光回折現象を示す図面である。 本発明の液晶光学素子に印加する実効電圧とこの素子を透過する透過率との関係を示す図面である。 液晶光学素子にかかる透明電極における凹凸部位の凸部配置形態の形態を示す図面である。 図4における各凹凸部位の凸部配置形態に対する実効電圧と透過率変動の関係を示す図面である。 本発明の液晶光学素子にかかる凹凸部位における凸部粒径と透過率変動との関係を示す図面である。 従来の光学装置を説明するための図面である。 従来の液晶光学素子の構成を説明するための図面である。 従来の液晶光学素子における素子に印加する実効電圧と透過率曲線との関係を示す図面である。
符号の説明
5 液晶光学素子
11 設計上の透過率変動曲線
12 実測上の透過率変動曲線
13 第1の透明性基板
14 第2の透明性基板
15,15a〜15f 透明電極
16a〜16f 配向膜
17 シール剤
18 液晶層
20 透明導電膜層
21 入射光
22 高次光
23 0次光
24 凹凸部位
25a〜25c 粒子ピッチ
101 半導体レーザー光源
102 レーザー光
103 カップリングレンズ
104 偏光ビームスプリッター
105 液晶光学素子
106 λ/4波長板
107 対物レンズ
108 ディスク
109 集光レンズ
110 受光ダイオード

Claims (4)

  1. 透明電極とその表面に配向膜を有する2枚の透明性基板を、各透明電極が内側となるように対向配置し、前記各配向膜間に液晶層を挟持してなる液晶光学素子において、
    少なくとも一方の前記透明電極の表面に、前記透明電極の構成材料であり、かつ粒径がほぼ同じ結晶粒子からなる凸部がほぼ最密充填されて形成された凹凸部位を有し、
    前記凹凸部位は、前記凹凸部位における凹部底部から凸部までの範囲に渡って前記配向膜で被覆されて、前記透明電極の屈折率と前記配向膜の屈折率との間の屈折率層となるように構成されていることを特徴とする液晶光学素子。
  2. 前記透明電極の屈折率よりも、前記配向膜の屈折率を小さくしたことを特徴とする請求項1に記載の液晶光学素子。
  3. レーザー光源と、
    前記レーザー光源から出射される往路のレーザー光をディスクに集光するための対物レンズと、
    前記ディスクからの反射光である復路のレーザー光を受光するための受光ダイオードと、
    前記レーザー光源と前記対物レンズとの間の光路中に配設された請求項1または2に記載の液晶光学素子と、
    を備えたことを特徴とする光学装置。
  4. 前記光学装置の仕様により決定される、前記液晶光学素子における前記透明電極間に印加される実効電圧に応じて変化する透過率変動幅の範囲内に入る様に、前記凸部のピッチが設定されていることを特徴とする請求項3に記載の光学装置。
JP2005012423A 2005-01-20 2005-01-20 液晶光学素子および光学装置 Pending JP2006201426A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7491163B2 (ja) 2020-09-23 2024-05-28 株式会社Jvcケンウッド 反射型液晶表示素子及び液晶表示装置

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