JP2006198779A - 微小孔を貫通形成する装置及び方法並びにインクジェット記録ヘッド用ノズルプレートの製造装置及び製造方法 - Google Patents

微小孔を貫通形成する装置及び方法並びにインクジェット記録ヘッド用ノズルプレートの製造装置及び製造方法 Download PDF

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智子 宮浦
Miyuki Hosono
深幸 細野
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孝明 白井
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Abstract

【課題】 従来よりさらに小さいノズル孔の製造に使用する成形型のノズル形成部分は相応に細く脆くなるため、耐久性の低下や破損が生じないようにする。また、製造装置を従来の高価な射出成形機やエキシマレーザー装置に比較して安価にする。
【解決手段】 プラスチックフィルム基板に微小孔を貫通形成する装置において、平面形状の保持台上に保持した基板と、先端が平面形状を有し、高さが基板の厚みと同一又はほぼ同一高さとなる、突起が配置された成形面を有する型部材と、を加熱し、基板を保持台と型部材とでもって一定時間、一定圧力でプレスすることにより微小孔を貫通形成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、プラスチックフィルム基板の厚み方向に微小孔を貫通形成する装置及び微小孔を貫通形成する方法並びにインクジェット記録ヘッド用ノズルプレートの製造装置及びインクジェット記録ヘッド用ノズルプレートの製造方法に関する。
近年、あらゆる分野で微細加工に対する要請が高まっている。その中で、微小液滴を生成させることなどを目的として、フィルム状又は薄板状の樹脂に微細な孔を設ける技術が求められている。例えば、インクジェット記録ヘッドは、一般に微細なインク吐出口(オリフィス)、インク流路、及び、このインク流路の一部に設けられる吐出エネルギー発生素子を備えている。インク吐出口は、インク流路に連通するテーパ部とともにノズルを構成しており、フィルム状又は薄板状の部材にこのノズルを複数並べて形成したものをノズルプレートと呼んでいる。
このノズルの形成方法として、ノズルのテーパ形状に見合う形状を持つポンチと、ポンチ先端の細径部より僅かに大きい孔に面取り部を設けたダイとを組み合わせて、加工対象のプレートにポンチを貫通させることによってノズルの形成されたノズルプレートを作成する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
また、金型に樹脂を注入することにより、ノズルやインク室を有するチャンバプレートが作製されるインクジェット記録ヘッドにおいて、金型のノズル穴形成部分に弾性部材よりなる突き当て用金型を当接させたうえで射出成形する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
一方、従来の成形方法にて、薄い膜が残っている未貫通状態または、バリ等の残っている状態のノズル穴形成までを行い、エキシマレーザー加工装置により薄い膜、バリ等を取り去る等の追加工を行う方法も知られている。
特開平5−229127号公報(第3頁、第5−6図) 特開2000−71459号公報(第3頁、第5図)
しかしながら、より高品質な記録のため、一般的には50μm程度の径とされるインクジェット記録ヘッドのオリフィスにはさらなる微小化が求められている。加えて、各オリフィスの径が揃っていること、液の吐出方向を一定に保つためオリフィス出口にバリや切り欠きがあってはいけないことといった加工精度に対する厳しい要求がある。このため、前述したような従来の機械加工では要求に見合った精度での加工が困難であったり、加工用の機械や技術が高度になり過ぎてコストが高くなったりするという問題があった。
例えば、特許文献1における課題は、ポンチとダイとの位置の精度を厳密に制御しなければポンチ先端の細径部が折れてしまい生産には適しないことである。また、例えば、特許文献2における課題の一つは、弾性部材の金型と、相対する型のノズル孔形成部分とが接するとき、両者の金型間に隙間が生じないように弾性部材が弾性変形するような圧を与えなければならないので、金型の傷みが早いことである。金型が傷んだ場合はその都度金型を製造することが必要となり作業が繁雑となる。もう一つの課題は、オリフィスをさらに小さく(例えば、10μm程度に)する場合でも、弾性部材の押し当ては必要であり、今まで以上に細く脆くなるノズル形成部分が破損することが懸念されることである。さらに、一般に射出成形機は、大型で操作が複雑であり、ノズル孔が10μm程度まで小さくなると細部へ樹脂を流入させることが困難となり、高射出圧力にて流入させようとするとノズル形成部分の高圧力による破損が懸念されるという課題もある。
また、追加工に用いられるエキシマレーザー加工装置は高価であり、またエネルギー消費量が非常に多いなど生産コストが高くなる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、微小な貫通孔を精度よく形成することが可能であり、また、長期に亘って成形を繰り返し行っても金型の欠損が生じにくく、さらに、射出成形機やエキシマレーザー加工装置等の大型設備を用いることなく、例えばインクジェット記録ヘッド用ノズルプレートのような、微小孔を貫通形成する方法及び装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明においては、請求項1に記載のように、
プラスチックフィルム基板の厚み方向に微小孔を貫通形成する装置において、
プラスチックフィルム基板を保持する保持台と、
前記保持台を介して前記プラスチックフィルム基板を加熱する加熱手段と、
先端が平面形状を有し、高さが前記プラスチックフィルム基板の厚みと同一、又はほぼ同一高さとなる突起が配置された成形面を有する型部材と、
前記型部材を加熱する加熱手段と、
前記保持台に保持される前記プラスチックフィルム基板に対して、前記型部材の成形面を圧接するプレス手段と、
前記プラスチックフィルム基板の厚み方向に微小孔が貫通形成されるまで圧接する状態を維持するように前記プレス手段を制御する制御手段と、
を備えていることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明においては、請求項2に記載のように、
プラスチックフィルム基板の厚み方向に微小孔を貫通形成する方法において、
保持台の保持面にプラスチックフィルム基板を保持する工程と、
前記プラスチックフィルム基板を加熱する工程と、
先端が平面形状を有し、高さが前記プラスチックフィルム基板の厚みと同一、又はほぼ同一高さとなる突起が配置された成形面を有する型部材を加熱する工程と、
前記プラスチックフィルム基板と前記型部材を加熱した状態で、前記保持台に保持される
前記プラスチックフィルム基板に対して、前記型部材の成形面を圧接するプレス工程と、
圧接する状態を一定時間維持することにより、前記プラスチックフィルム基板の厚み方向に微小孔を貫通形成する工程と、
を有することを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明においては、請求項3に記載のように、
プラスチックフィルム基板の厚み方向に貫通形成されたインクを吐出するためのノズルを有するインクジェット記録ヘッド用ノズルプレートの製造装置において、
プラスチックフィルム基板を保持する保持台と、
前記保持台を介して前記プラスチックフィルム基板を加熱する加熱手段と、
先端が平面形状を有し、高さが前記プラスチックフィルム基板の厚みと同一、又はほぼ同一高さとなる突起が配置された成形面を有する型部材と、
前記型部材を加熱する加熱手段と、
前記保持台に保持される前記プラスチックフィルム基板に対して、前記型部材の成形面を圧接するプレス手段と、
前記プラスチックフィルム基板の厚み方向にインクを吐出するためのノズルが貫通形成されるまで圧接する状態を維持するように前記プレス手段を制御する制御手段と、
を備えていることを特徴としている。
上記課題を解決するために、本発明においては、請求項4に記載のように、
プラスチックフィルム基板の厚み方向に貫通形成されたインクを吐出するためのノズルを有するインクジェット記録ヘッド用ノズルプレートの製造方法において、
保持台にプラスチックフィルム基板を保持する工程と、
前記プラスチックフィルム基板を加熱する工程と、
先端が平面形状を有し、高さが前記プラスチックフィルム基板の厚みと同一、又はほぼ同一高さとなる突起が配置された成形面を有する型部材を加熱する工程と、
前記プラスチックフィルム基板と前記型部材を加熱した状態で、前記保持台に保持される
前記プラスチックフィルム基板に対して、前記型部材の成形面を圧接するプレス工程と、
圧接する状態を一定時間維持することにより、前記プラスチックフィルム基板の厚み方向にインクを吐出するためのノズルを貫通形成する工程と、
を有することを特徴としている。
請求項1又は2に記載の発明によれば、型部材に配置されている突起の先端は平面形状を有しており、その突起の高さは前記基板の厚みと同一又はほぼ同一高さとしている。このため、プレス手段による加圧力は型部材の成形面全体で負担されるため、加熱による基板の軟化も加わり型部材の成形面のごくわずかな面積を占めるノズル成形部分である突起にかかる加圧力はその面積比に従い、ごくわずかである。また、型部材と型部材の相手型となる保持台とは極めて近づくが、直接触れる状態ではない。これらの理由により、細く脆くなっている突起に過剰な負担をかけることがなく、基板の開口形状は突起の先端の平面形状通りに穿孔される。従って、長期に亘って成形を繰り返し行っても、型部材の微細な突起に欠損が発生することがなく良好な微小孔を貫通形成することができる。
請求項3又は4に記載の発明によれば、上述と同様に良好な微小孔を貫通成形させることができることから、ノズル径が小さくても各ノズルの径が揃っておりかつバリなどのないインクジェット記録ヘッド用ノズルプレートを製造することができる製造装置及び製造方法を提供できる。
また、請求項1乃至4の発明によれば、基板を保持する保持台の保持面に型部材を押し当てる必要がないため、成形装置として高圧力を必要としないインプリント(型押)成形機を使用することができる。インプリント成形機の用途は、一般に金型を使っての転写技術という意味から型転写になっており、本発明が対象とする微小孔を貫通形成する加工への使用は従来例が無い。インプリント成形機は、射出成形機やエキシマレーザー加工装置と比較して小型で操作性が良く安価であることから、製造コストの低減が望める。
本発明の実施形態を、図1に示すようなインクジェット記録ヘッド用ノズルプレート104の製造を例にして具体的に説明する。
インク吐出口であるオリフィス部106は、1つのインクジェット記録ヘッドに複数設けられている。そのうちの1つのオリフィス部周辺の構成例を図2の断面図に示す。図2において、インク流路102を形成しているヘッドベース101の端面に、各インク流路102の位置に対応してテーパ部105とオリフィス部106とからなるノズル103が設けられたノズルプレート104が接着されている。図2に示してない圧電素子などのインク吐出エネルギー発生素子により、インク流路102内部の容積を急激に変化させて、ノズルプレート104に設けてあるノズル103を通じてインクジェット記録ヘッドに対向する紙面上等にインク滴を噴射する。
ノズルプレート104を製造するための成形装置の概略図を図3に示す。プラスチックフィルムであるところの基板5は、ノズルプレートとなる成形前の部材である。基板5のプラスチックフィルムの素材としては、ノズルのテーパ部成形時に軟化させておくことが必要であることから加熱により軟化させることができる熱可塑性樹脂である。例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PC(ポリカーボネート),PE(ポリエチレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)などである。熱可塑性樹脂には、必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料等を添加することができる。また、基板5はフィルム状に予め加工されたものを使用している。この例では、厚みを概ね0.1mm〜0.5mmの範囲とする。基板5は、保持台6の保持面に、真空吸着にて装着する。保持台6の保持面は、型部材1の突起と相対するところは平面とし、またノズルプレート成形時に図2に示すオリフィス部106側の型となることから、それ以外の保持面も平面であることが好ましい。
上型となる型部材1の成形面は、図2で示すノズル形成を例とすると、平面にテーパ部105及びオリフィス部106を形成するための突起を設ける。型部材1の突起以外の平面部分は、図2のヘッドベース101の端面に接着するノズルプレート104のテーパ部105側の面を形成する型となることから鏡面状が好ましい。型部材1の突起形状において、ノズルプレート104のテーパ部の形状を成形する部分は、錐形状が好ましいが、離型しやすい形状であれば、錐形状に限らない。また、オリフィス部106の形状を形成する部分は、円筒状、或いは離型しやすい形状であれば良い。また、突起の先端は平面とし、その高さは基板5の厚みと同一又はほぼ同一高さとなるようにする。突起の高さは基板の厚みと同一の高さであることが好ましいが、本実施形態においては、基板の厚みと全く同一高さでなくてよく、基板の厚みに対して±2%は許容できる。
突起の一例として、φ0.3mm、長さ5mmの棒状のブランク材(ハイス鋼、JIS G 4403)を軸加工専用の微細ワイヤー放電加工機を用いて長さ約100μm、テーパの角度が約20度、先端が直径10μmの円を成す円錐台に直径10μmで長さ10μmの円筒を重ね合わせた形状の突起部材1aを作製する。これと、型部材ベース1bとを組み合わせて型部材1とする。組み立てられた型部材1の概略断面図を図4に示す。型部材ベース1bの平面を成す面に垂直なφ0.3mm、深さ5.5mmの穴を設け、これを突起部材1a取り付け穴とする。一方、この型部材ベース1bの側面から突起部材1a差し込み穴まで貫通するネジ穴を設け、突起部材固定ネジ1cをねじ込むことができるようにする。次に、例えば工具顕微鏡などを用いて型部材ベース1bの平面から突起の先端までの高さを測定し、この高さが基板5の厚みと同一又はほぼ同一高さとなる位置にする。そして、突起部材固定ネジ1cをねじ込み、このネジの先端が突起部材1aの型部材ベース1bに差し込まれている部分を締め付けることにより型部材ベース1bに固定され、型部材1と成す。
尚、型部材1及び保持台6は、この例では、その母材として、炭素工具鋼SK13を使用しているが、これに限らず、例えば、金属母材あるいは合金母材として、鉄、ニッケル等の金属、超硬、ステンレス、タングステンカーバイド等の合金などが使用できる。さらに、金型の耐久性を増すために保護膜、例えば、TiN(チタンナイトライド),AlN(窒化アルミ),SiC(シリコンカーバイド),Cr(クロム),DLC(ダイアモンドライクカーボン)を金型の成形面に施すことがより好ましい。
第1プレート7は、プレス架台4に固定され、第2プレート2は上下に動くプレス機構3に固定されている。プレス機構3は、一般的な機能である位置制御、速度制御、加圧時に一定の圧力を維持する保持圧力制御、これらに時間設定を含めてのプログラムが可能なシーケンス制御を備えている。第1熱源10により第1プレート7を加熱し、保持台6を介して基板5を高温にする。また、第1熱源10による加熱と同時に、第2熱源8により第2プレート2を加熱し、型部材1を高温にする。基板5及び型部材1を効率良く加熱できるように成形装置の適当な箇所にセラミック等の断熱材を設けるのが好ましい。
また、保持台6および型部材1のそれぞれに温度センサである熱電対を設け、先の第1熱源10、第2熱源8と別途設ける温度調整器とを組み合わせることにより型部材1と基板5とを独立して温度設定できる温度調整機能を本装置に持たせている。この温度調整機能は、必須のものではないが、型部材1及び基板5の温度設定を精度よく行うことにより、成形条件設定を容易にして、より安定に成形を行うことができることから、ある方が好ましい。
基板5の温度は、成形時に基板5の形状を維持しかつ突起が容易に入り込む状態が好ましいことから、基板5の樹脂組成物のガラス転移温度よりやや低く、例えば、5℃〜20℃程度低い温度に設定するのがよい。明確なガラス転移温度を持たない場合は実験により決定すればよい。また型部材1の温度は、型部材1が降下して基板5に触れたとき、特に熱容量の少ない突起部の先端部が冷却されてガラス転移温度以下にならない温度、かつ型部材1に基板5が融着しない温度の範囲に設定するのがよい。融着しない温度は、基板5が明確な溶融温度を持つ場合は、溶融温度より50℃〜100℃程度低くすることが好ましい。また、基板5が明確な溶融温度を持たない場合、型部材1の温度は、実験により決定してもよい。
次に基板5及び型部材1が上述のような所望の温度になっている状態で、プレス機構3により、成形を開始する。成形開始にあたって、一定速度にて型部材1を基板5に向けて降下させるプレス速度設定、圧力が一定となるようにする保持圧力設定、設定した保持圧に達した後、その圧力を保持する時間の設定を予め行っておく。
プレス速度は、型部材1の突起が基板5に進入するときに、その周辺形状を損なうことなく、また予め設定した保持圧力に達する時にその値を超えない値に設定するのが好ましい。プレス速度が速すぎると、保持圧力制御の応答が遅れることにより設定した保持圧力を一時的に超えることが予測される。この場合、突起先端に想定以上の負荷がかかり破損する恐れがある。本実施形態においては、プレス速度は、0.005〜0.5mm/s、好ましくは0.01〜0.1mm/sに設定する。
図5に示すように、型部材1の突起112全体が基板5に進入し、型部材1の突起112以外の平面111が基板5の上面全体と接触し、ついには予め定めるところの保持圧力値では降下できない高さで型部材1は停止する。ここで予め定めるところの保持圧力値は、加熱された基板5の圧縮応力を勘案して設定するが、実験により決めてもよい。この保持圧力値により、型部材1の平面111の停止高さは、保持台6の保持面から基板5の厚みと同一又はほぼ同一となり、この圧接状態を微小孔が貫通形成されるまで維持する。具体的には、微小孔が貫通形成されるのに必要十分な圧接状態の維持時間を実験にて決め、以後この時間を一定の圧接時間とする、若しくは、静電容量センサ等を用いて基板の静電容量をモニタすることで微小孔が貫通形成されたことを検出するような検出手段を設けることで上述の圧接時間に替えてもよい。
上述の条件下での基板5への微小孔の貫通形成の詳細なメカニズムは明らかではないが、以下のようにして施されるものと推測される。図5を用いて説明する。まず、プレス機構3により、図5(b)に示すごとく、型部材1の突起112が基板5に押し込まれ、元の基板5の部分は突起から周囲に向かって押し出されるようにして、基板5は型部材1の突起112を含めた成形面にて成形されていく。
型部材1の突起112が基板5に進入していく周辺は、突起112部分に相当する前記基板5が盛り上がることが予測されるが、これは、型部材1の突起112周辺の平面111の形状に倣うように成形される。
加熱された基板5の圧縮応力と同等となる保持圧力に達すると、プレス機構が停止する。この状態を図5(c)に示す。このとき、突起112の高さを基板5の厚みと同一又はほぼ同一としていることから、型部材1の突起112の先端113と保持台6の保持面との間に非常に薄い膜が形成されると推測される。
この圧接状態で加熱と加圧が継続されることにより、型部材1の突起112の先端113と保持台6の保持面との間に存在する基板5の非常に薄い膜の最も弱いと思われる所から穿孔が始まり、その範囲が外側に向かって広がり、ついには非常に薄い膜が形成されている範囲全体に広がる。このようにして、突起112の先端113の平面形状と同等の形状の微小孔の貫通形成がなされるものと考えられる。
加圧保持状態での一定時間の圧接が終了した後、基板5の温度をガラス転移温度より低く、かつ取り出すときに変形しない温度にし、また型部材1の温度も基板5のガラス転移温度より低くした状態で、プレス機構3により型部材1を上昇させて離型する。このときの温度を離型温度と呼ぶことにする。離型温度は、ガラス転移温度より低ければ良いが、取り扱いを考慮して、概ね30℃〜40℃が好ましい。
離型完了後、真空吸着を停止させて、成形した基板5を取り出す。離型時、第1熱源10、第2熱源8を停止して装置周辺温度による自然冷却しても良いが、第1プレート7と第2プレート2とにそれぞれに第1冷却源11,第2冷却源9を設けて型部材1と保持台6とを強制冷却するのが好ましい。こうすることにより、より速く型部材1及び基板5を離型温度に到達させることができ、より速く成形済み基板5を取り出すことができる。この例では、第1プレート7、第2プレート2を水冷による強制冷却を行っている。
以上によりプラスチックフィルム基板に所望の微小孔が貫通形成される。以下に具体例を示す。
(例1)
基板5として、ガラス転移温度が79℃、厚みが0.1mmであるPETを使用した。型部材1の突起112の先端形状は、先に説明した通り、テーパの角度が約20度、先端が直径10μmの円を成す円錐台に直径10μmで長さ10μmの円筒を重ね合わせた形状とした。突起112の高さは、0.101mmとした。また、基板5の温度を70℃とし、型部材1の温度を予め実験を行って定めた100℃に設定した。プレス速度は、0.01mm/sとして型部材1を降下させた。保持圧力を64kPaとし、保持圧力継続時間を30秒として圧接した。離型温度は、ガラス転移温度が79℃より低い40℃とした後離型した。
このPETに対して、100回の成形を行ったが、いずれの回もバリや切り欠きのない約10μmの穿孔を良好に行うことができた。また成形型である型部材1及び保持台6において何ら損傷が無かった。
以上で挙げた温度は、型部材1、基板5そのものの温度である。実際の装置において、温度センサである熱電対は、取り付けの都合上、本来測定したい部位に取り付けることが困難である場合が多く、この例でも同様である。従って、熱電対による温度測定と平行して、本来の位置での温度を別の手段、例えば放射温度計等で測定し、熱電対による測定温度と本来所望の温度との関係を求め、本来所望する温度となるように温度調整器への設定温度値を補正した。
以上の例は、基板5に対して、微小孔が1つである。微小孔の貫通形成を複数する場合、突起を必要数だけ並べればよい。また、突起を1つだけ設ける場合、保持台6を移動テーブルとして必要な穴間ピッチでもって移動させて、逐次、上述の成形を必要穴数だけ繰り返せばよい。
尚、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲での変形は可能である。
インクジェット記録ヘッドの外観の一例を示す斜視図である。 インクジェット記録ヘッドのオリフィス部周辺の断面の一例を示す図である。 本発明の微小な穿孔する装置の一例を説明する概念図である。 本発明の型部材の一例の模式的断面を示す図である。 製造工程を示す基板と型部材との状態遷移の一例を断面で示す図である。
符号の説明
101 ヘッドベース
102 インク流路
103 ノズル
104 ノズルプレート
105 テーパ部
106 オリフィス部
107 接着層
1 型部材
1a 突起部材
1b 型部材ベース
1c 突起部材固定ネジ
111 突起周辺の平面
112 突起
113 突起の先端
2 第2プレート
3 プレス機構
4 プレス架台
5 基板
6 保持台
7 第1プレート
8 第2熱源
9 第2冷却源
10 第1熱源
11 第1冷却源

Claims (4)

  1. プラスチックフィルム基板の厚み方向に微小孔を貫通形成する装置において、
    プラスチックフィルム基板を保持する保持台と、
    前記保持台を介して前記プラスチックフィルム基板を加熱する加熱手段と、
    先端が平面形状を有し、高さが前記プラスチックフィルム基板の厚みと同一、又はほぼ同一高さとなる突起が配置された成形面を有する型部材と、
    前記型部材を加熱する加熱手段と、
    前記保持台に保持される前記プラスチックフィルム基板に対して、前記型部材の成形面を圧接するプレス手段と、
    前記プラスチックフィルム基板の厚み方向に微小孔が貫通形成されるまで圧接する状態を維持するように前記プレス手段を制御する制御手段と、
    を備えていることを特徴とする微小孔を貫通形成する装置。
  2. プラスチックフィルム基板の厚み方向に微小孔を貫通形成する方法において、
    保持台の保持面にプラスチックフィルム基板を保持する工程と、
    前記プラスチックフィルム基板を加熱する工程と、
    先端が平面形状を有し、高さが前記プラスチックフィルム基板の厚みと同一、又はほぼ同一高さとなる突起が配置された成形面を有する型部材を加熱する工程と、
    前記プラスチックフィルム基板と前記型部材を加熱した状態で、前記保持台に保持される
    前記プラスチックフィルム基板に対して、前記型部材の成形面を圧接するプレス工程と、
    圧接する状態を一定時間維持することにより、前記プラスチックフィルム基板の厚み方向に微小孔を貫通形成する工程と、
    を有することを特徴とする微小孔を貫通形成する方法。
  3. プラスチックフィルム基板の厚み方向に貫通形成されたインクを吐出するためのノズルを有するインクジェット記録ヘッド用ノズルプレートの製造装置において、
    プラスチックフィルム基板を保持する保持台と、
    前記保持台を介して前記プラスチックフィルム基板を加熱する加熱手段と、
    先端が平面形状を有し、高さが前記プラスチックフィルム基板の厚みと同一、又はほぼ同一高さとなる突起が配置された成形面を有する型部材と、
    前記型部材を加熱する加熱手段と、
    前記保持台に保持される前記プラスチックフィルム基板に対して、前記型部材の成形面を圧接するプレス手段と、
    前記プラスチックフィルム基板の厚み方向にインクを吐出するためのノズルが貫通形成されるまで圧接する状態を維持するように前記プレス手段を制御する制御手段と、
    を備えていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド用ノズルプレートの製造装置。
  4. プラスチックフィルム基板の厚み方向に貫通形成されたインクを吐出するためのノズルを有するインクジェット記録ヘッド用ノズルプレートの製造方法において、
    保持台にプラスチックフィルム基板を保持する工程と、
    前記プラスチックフィルム基板を加熱する工程と、
    先端が平面形状を有し、高さが前記プラスチックフィルム基板の厚みと同一、又はほぼ同一高さとなる突起が配置された成形面を有する型部材を加熱する工程と、
    前記プラスチックフィルム基板と前記型部材を加熱した状態で、前記保持台に保持される
    前記プラスチックフィルム基板に対して、前記型部材の成形面を圧接するプレス工程と、
    圧接する状態を一定時間維持することにより、前記プラスチックフィルム基板の厚み方向にインクを吐出するためのノズルを貫通形成する工程と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッド用ノズルプレートの製造方法。
JP2005010110A 2005-01-18 2005-01-18 微小孔を貫通形成する装置及び方法並びにインクジェット記録ヘッド用ノズルプレートの製造装置及び製造方法 Pending JP2006198779A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009137098A (ja) * 2007-12-05 2009-06-25 Seiko Epson Corp 液滴吐出ヘッドの製造方法
JP2009223310A (ja) * 2008-02-20 2009-10-01 Tokyo Univ Of Science 無端状パターンの作製方法、樹脂パターン成形品の製造方法、無端状モールド、樹脂パターン成形品、及び光学素子
JP2011014875A (ja) * 2009-06-03 2011-01-20 Canon Inc 構造体の製造方法
US9168749B2 (en) 2008-12-16 2015-10-27 Canon Kabushiki Kaisha Manufacturing method of liquid discharge head

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