JP2006193998A - 積層屋根瓦 - Google Patents

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Abstract

【課題】 難燃性、耐久性、断熱性、及び防音性を備え、従来の陶器瓦からの軽量化を実現した積層屋根瓦を提供する。
【解決手段】 積層屋根瓦は、難燃性及び撥水性を備えた難燃樹脂層1の表側の面上に、例えばガラスシート、セラミックシート等からなる不燃物層2が形成され、さらにこの不燃物層2の表側の面上に、難燃樹脂層1と同様の材質の難燃樹脂層3が形成されている。この積層屋根瓦は、難燃樹脂層3側が表面となる。さらにこの難燃樹脂層3の表面には、意匠的デザインや撥水・耐久性強化等のために塗料が塗布され、トップコート層4が形成されることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、積層屋根瓦に関し、特に、複数層から形成される積層屋根瓦に関する。
従来から、住宅の屋根材として、粘土を材質とした陶器瓦が多く用いられてきた。
この陶器瓦は、他の屋根材と比べて不燃性、耐久性、断熱性、及び防音性に優れているという長所を持っており、古くから広く普及していた。
しかしながら、従来から屋根材として主に使用されていた陶器瓦には、以下のような問題点があった。その問題点とは、陶器瓦は、上記のような長所を持ち合わせている一方、その重量が大きいため、建築物への負荷も大きくなってしまう点である。このことにより、建築物の部材の形状に影響を与えたり、地震の際には建築物の倒壊を招いたりといった問題を生じさせていた。
このために例えば、特許文献1が開示するところの樹脂製屋根瓦及びその製造方法が提案されている。
この特許文献1で開示される樹脂製屋根瓦は、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の無機質充填材と不飽和ポリエステルのような熱硬化性樹脂とを配合してなるものであり、その表面及び裏面のうちのいずれか一方に不燃材としてのアクリル樹脂層を設けるようにしたものである。
この特許文献1の樹脂製屋根瓦によれば、屋根瓦を上記のような素材から形成したことにより、従来の陶器瓦の持つ不燃性の長所を保ちつつ、さらにその陶器瓦からの軽量化を実現することができる。
また、前述の樹脂製屋根瓦と同様に軽量化を図ったものとして、従来、例えばスレート瓦が用いられてきた。このスレート瓦に関する従来技術として、特許文献2が開示するところの軽量厚形スレートが提案されている。
この特許文献2の軽量厚型スレートによれば、セメント及び砂に、軽量化材料として無機発泡体を、強度向上材料として繊維状物質を、それぞれ加えたことにより、強度が従来の厚型スレートと同程度の強度を保ちつつ、さらなる軽量化を実現することができる。
また、同様に軽量化を図った屋根瓦として、従来、例えば、鉄板等の金属製の屋根瓦が用いられていた。この金属製の屋根瓦に関する従来技術として、特許文献3が開示するところの金属瓦屋根が提案されている。
この特許文献3の金属成形瓦によれば、金属板の一方の端部に少なくとも1個の突起を設け、かつ他方の端部には、金属板を複数個屋根に並べたときに、その突起が挿入される挿入部及び屋根への固定のための穴を設けていたので、軽量かつ強風に対して吹き飛ばされるおそれのない強固な屋根を得ることができる。
特開2002−167908 特開平9−48678 特開平9−235829
しかしながら、特許文献1に開示される樹脂製屋根瓦には、以下のような問題点があった。
前述したように、特許文献1に開示される樹脂製屋根瓦は、従来の陶器瓦よりも軽量であるという長所はあるものの、その陶器瓦が有している断熱性及び防音性を十分に備えているとは言えなかった。
また、特許文献2に開示される軽量厚型スレートにしても、陶器瓦よりも軽量ではあるが、特許文献1の樹脂製屋根瓦と同様に、断熱性及び防音性に問題があった。加えて、従来、スレート瓦の素材として中心的に使用されていたアスベストが、健康に対して悪影響を及ぼすという問題がある。
また、特許文献3に開示される金属成形瓦も、陶器瓦よりも非常に軽量であるものの、前述の特許文献1,2に開示される屋根瓦と同様に断熱性及び防音性に問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、難燃性、耐久性、断熱性、及び防音性を備え、従来の陶器瓦からの軽量化を実現した積層屋根瓦を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明における積層屋根瓦は、難燃性を備えた樹脂を含有する2以上の難燃樹脂層と、難燃樹脂層に挟入されて積層される、不燃性、断熱性及び防音性を備えた不燃物層と、から構成されることを特徴とする。
また、本発明によれば、上記の不燃物層は、難燃樹脂層同士の溶着により、難燃樹脂層間に密閉されることを特徴とする。
また、本発明によれば、上記の難燃樹脂層は、変性ポリフェニリンオキシド系樹脂を含有することを特徴とする。
また、本発明によれば、上記の不燃物層は、ガラス繊維、セラミック繊維又はカーボン繊維のいずれか1つ、あるいはこれらのいずれか2つ以上からなる層であることを特徴とする。
また、本発明によれば、上記の積層屋根瓦において、野地板に載置される側の層を最下層とし、風雨にさらされる側の層を最上層としたとき、最上層と最下層は、難燃樹脂層で構成されることを特徴とする。
また、本発明によれば、上記の積層屋根瓦における最上層の難燃樹脂層の風雨にさらされる側の表面には、耐候性を備えた樹脂を含有するトップコート層が形成されていることを特徴とする。
また、本発明によれば、耐候性を備えた樹脂は、ウレタン系、シリコン系、フッ素系又はアクリル系の少なくとも1つからなる樹脂であることを特徴とする。
また、本発明における積層屋根瓦の製造方法は、難燃性を備えた樹脂を含有する2以上の難燃樹脂層を形成する難燃樹脂層形成工程と、不燃性、断熱性及び防音性を備えた不燃物層を難燃樹脂層に挟入して積層する不燃物層挟入工程と、積層した難燃樹脂層同士を溶着する溶着工程と、有することを特徴とする。
また、本発明によれば、積層された難燃樹脂層は、DSI工法、振動溶着工法、超音波溶着工法、インパルス溶着工法、電磁誘導溶着工法、熱板溶着工法又は接着工法のいずれか1つにより互いに溶着することを特徴とする。
本発明における積層屋根瓦は、軽量で優れた難燃性及び一定以上の強度を備えた2以上の難燃樹脂層により、優れた不燃性、断熱性、及び防音性を備えた不燃物層を挟入して形成したので、難燃性、耐久性、断熱性、及び防音性を備え、従来の陶器瓦からの軽量化を実現した屋根瓦を提供することが可能となる。
<構造>
図1は、本発明の実施の形態における積層屋根瓦を示す斜視図であり、(a)はその外観を、(b)は、その積層構造を示す断面斜視図である。
なお、本発明の積層屋根瓦及び積層屋根瓦を形成する各層において、積層屋根瓦の日光や雨等が直接当る面側を表側(表面)とし、この表側の逆側、すなわち屋根(野地板)側を裏側(裏面)とする。
図に示すように、本実施の形態における積層屋根瓦は、難燃性及び撥水性を備えた難燃樹脂層1の表側の面上に、例えばガラスシート、セラミックシート等からなる不燃物層2を形成し、さらにこの不燃物層2の表側の面上に、難燃樹脂層1と同様の材質の難燃樹脂層3を形成したものである。
ここで、積層屋根瓦を屋根面上に施工するとき、野地板に載置される側の層(最下層)を難燃樹脂層1とし、風雨にさらされる側の層(最上層)を難燃樹脂層3とする。
なお、この難燃樹脂層3の風雨にさらされる側の表面には、意匠的デザインや撥水・耐久性強化等のための塗料が塗布されたトップコート層4が形成されることが好ましい。
難燃樹脂層1,3は、従来の陶器瓦よりも比重が軽く、優れた難燃性及び撥水性を有するとともに、積層屋根瓦の形状を保持するための補強層として、一定以上の強度を有する樹脂からなる層である。
この難燃樹脂層1,3は、例えばPPE(ポリフェニレンエーテル樹脂)やポリスチレン等からなる変性ポリフェニリンオキシド系樹脂を含有する。
また、この難燃樹脂層1,3は、着色材料を含有していてもよい。
その他、難燃樹脂層1,3に用いられる難燃性の樹脂として、
・ポリ塩化ビニル(PVC)
・ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)
・ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)
・ポリエーテルエーテル(PEEK)
・液晶ポリマー(LCP)
・ポリエーテルサルフォン(PES)
・ポリカーボネート樹脂(PC)
・ポリカーボネート/アクリルニトリルブタジェンスチレン樹脂(PC/ABS)
・ポリカーボネート/ポリブチレンテレフタレート樹脂(PC/PBT)
等を含有するようにしてもよい。
不燃物層2は、例えば、軽量で、不燃性、断熱性、及び防音性に優れたセラミック繊維、ガラス繊維、またはカーボン繊維等を主原料とした層である。
また、この不燃物層2として、鉄またはアルミ等の金属板を用いるようにしてもよい。
積層屋根瓦に不燃物層を複数層形成するときには、これらの複数の不燃物層は、これらのセラミック繊維、ガラス繊維またはカーボン繊維等からなる層、あるいは金属板のいずれか1つであってもよいし、これらのいずれか2以上であってもよい。
トップコート層4を形成する塗料には、例えば、フッ素系、ウレタン系、シリコン系またはアクリル系等の少なくとも1つの樹脂が含有されている。
このように、本実施の形態における積層屋根瓦は、不燃性、断熱性、及び防音性に優れた不燃物層2を、難燃性、撥水性、及び一定の強度を有し陶器に比べて軽量な難燃樹脂層1,3で、挟み込むように積層屋根瓦を形成するので、不燃物層2の特性である不燃性、断熱性、及び防音性に加え、撥水性及び一定の強度を備えた軽量な屋根瓦を提供することが可能となる。
<製造方法>
以下、この本実施形態における積層屋根瓦の製造方法について詳細に説明する。
図2は、本実施の形態における積層屋根瓦の製造方法を示すフローチャートである。以下、この図に沿って、その積層屋根瓦の製造工程について説明する。
まず、ガラス繊維またはセラミック繊維等を含有した不燃物層2を形成する(ステップS1)。なお、この不燃物層2の製造方法については、例えば一般的な有機物または無機物をシート状に成形したもの(セラミックシート等)と同様であり、その詳細な説明は省略する。
また、本実施の形態では、一例として、この不燃物層2をシート状に成形するが、形状はこれに限定されない。
また、不燃物層2の材質は、不燃性、断熱性、及び防音性に優れたものであればよく、例示したものに限定されないものとする。
次に、難燃性の樹脂をそれぞれ整形用の金型に流し込み、難燃樹脂層1,3を形成する(ステップS2)。
なお、前述したステップS1,S2の作業順序は、入れ替わってもよいし、並行して行われてもよい。
次に、例えばシート状の不燃物層2を、難燃樹脂層1,3間で挟み込む(ステップS3)。このとき、難燃樹脂層1,3が直接接触する接合箇所が形成されることが好ましい。
また、不燃物層2の表側及び裏側は、難燃樹脂層1,3により覆われるが、好ましくは、不燃物層2の側面をも含めて樹脂(難燃樹脂層1,3)により完全に被覆され、密閉される。
不燃物層2を難燃樹脂層1,3により挟装した後、その難燃樹脂層1,3の接合箇所を接合する(ステップS4)。
以上の工程をもって、積層屋根瓦の完成としてもよいが、好ましくは、さらに難燃樹脂層3の表側の面を、優れた撥水性を有する樹脂等で被覆してトップコート層4を形成することで(ステップS5)、積層屋根瓦の耐候性を強化することができる。
例えば、このステップS5の工程では、ステップS4までで形成された積層屋根瓦にウレタン系樹脂等を注入または塗装してトップコート層4を形成する。また、難燃樹脂層3上に前述のウレタン系樹脂等をフィルム上に成形したものを積層させ、真空成形するようにしてもよい。
このように、本実施の形態においては、難燃性を備えた樹脂を成形用の金型に充填し、難燃樹脂層1及び難燃樹脂層3を一次成形するとともに、セラミック繊維を例えばシート状に加工して不燃物層2を作成した後、この不燃物層2を密閉するようにそれら難燃樹脂層1,3で挟装して、難燃樹脂層1,3を互いに溶着するようにしたので、難燃性、耐久性、断熱性、及び防音性を備え、従来の陶器瓦からの軽量化を実現した積層屋根瓦を製造することができる。
なお、前述のステップS5のトップコート層4の形成工程は、ステップS2とステップS3との間で行われてもよい。
なお、前述のステップS3,S4の工程における難燃樹脂層1,3の挟装・接合は、例えば以下の(1)〜(7)の製造方法(工法)を用いることができる。
(1)DSI(ダイ スライド インジェクション)工法
(2)振動溶着工法
(3)超音波溶着工法
(4)インパルス溶着工法
(5)電磁誘導溶着工法
(6)熱板溶着工法
(7)接着工法
以下、これらの各工法について説明を進める。
(1)DSI工法
図3は、本実施の形態における積層屋根瓦の製造方法の1つであるDSI工法の流れを示すフローチャートである。
また、図4(a)〜(d)は、本実施の形態における積層屋根瓦の製造方法の1つであるDSI工法を示す図である。この図4には、DSI工法により積層屋根瓦を製造するときに使用される成形用の金型11,12及び積層屋根瓦(難燃樹脂層1,3、不燃物層2)の断面が示されている。
ここで、金型11は、本体と成形後の樹脂が載置されるプレートとからなり、このプレートは、その本体上を所定方向にスライド可能なように備えられている。
以下、これらの図を用いて、DSI工法により積層屋根瓦を製造する方法について説明する。
まず、金型11,12を閉じて、圧縮・型締めし(ステップS11)、その閉じた金型11,12のキャビティ内に、樹脂注入器13で難燃樹脂層1,3の原材料となる溶融した樹脂を注入する(ステップS12,図4の(a))。
その後、金型11,12を冷却して樹脂を凝固させた後、金型11,12を開いて、一体に射出成形された樹脂から不要な樹脂5を取り除くことで、難燃樹脂層1,3がそれぞれ成形される(ステップS13,図4の(b))。
これら金型11,12を開いたとき、難燃樹脂層3は、金型11(プレート)上に、難燃樹脂層1は金型12上にそれぞれ残置される。また、このとき、難燃樹脂層3の裏側の面と難燃樹脂層1の表側の面とは、互いに対向しているものとする。
次に、金型11のプレートをスライドさせる(ステップS14,図4の(c))。
このとき、そのまま金型11,12を閉じると、金型11上の難燃樹脂層3と、金型12上の難燃樹脂層1とが、積層屋根瓦完成時の相対位置となるように、プレートをスライドさせるものとする。
次に、既に形成済みの不燃物層2を難燃樹脂層1上または難燃樹脂層3上に載置して、難燃樹脂層1,3間に挿入した後(ステップS15)、金型11,12を再度閉じる(ステップS16)。
金型11,12を閉じた後、難燃樹脂層1,3の接触箇所または側面の外周に沿って、樹脂注入器13で樹脂を注入し、難燃樹脂層1,3を溶着し、不燃物層2を樹脂内に密閉する(ステップS17,図4の(d))。
ここで、樹脂注入器13により注入される樹脂は、難燃樹脂層1,3を形成する樹脂と同様であってもよいし、難燃樹脂層1,3と同様の特性を持つものであれば、他の樹脂であってもよい。
その後、金型11,12を冷却して樹脂を凝固させた後、金型11,12を開いて、成形した積層屋根瓦を取り出す(ステップS18)。
このようにして、DSI工法により積層屋根瓦が製造される。
このように、DSI工法を用いた積層屋根瓦の製造方法によれば、難燃樹脂層1,3が同時に形成され、難燃樹脂層1,3を合わせるときの位置決めも容易であるので、積層屋根瓦を容易に製造することができ、その製造時間も短縮することが可能となる。
(2)振動溶着工法
図5は、振動溶着工法を用いて積層屋根瓦を製造するときの積層屋根瓦の側面側の断面を示す図である。
以下、図を用いて、振動溶着工法により積層屋根瓦を製造する方法について説明する。
図に示すように、振動溶着工法では、不燃物層2を挟装した難燃樹脂層1,3の少なくとも一方を、難燃樹脂層1,3の接合面方向に振動させ、その接合面及びその周囲に摩擦熱を発生させ、溶融させる。難燃樹脂層1,3の接合面溶融後、溶融箇所を冷却させて難燃樹脂層1,3を溶着する。
このように、振動溶着工法を用いた積層屋根瓦の製造方法によれば、難燃樹脂層1,3の各接合箇所が複雑な形状であり、そのままでは互いに接合または嵌合が困難な場合であっても、その接合箇所を容易に変形及び溶融させるので、積層屋根瓦を容易に製造することが可能となる。
(3)超音波溶着工法
図6は、超音波溶着工法を用いて積層屋根瓦を製造するときの積層屋根瓦の側面側の断面を示す図である。このうち、(a)は、伝達溶着による超音波溶着工法を示す図であり、(b)は、カシメ溶着による超音波溶着工法を示す図である。
以下、図を用いて、超音波溶着工法により積層屋根瓦を製造する方法について説明する。
図6(a)に示すように、超音波溶着工法(伝達溶着)では、難燃樹脂層1,3で不燃物層2を挟装した後、難燃樹脂層1,3の少なくとも一方に、共振体であるホーンを接触させ、振動エネルギーを溶着部に伝達させ集中させる。この溶着部では、振動エネルギーが摩擦熱に変換され、樹脂を溶融する温度まで上昇する。難燃樹脂層1,3の接合面溶融後、溶融箇所を冷却させて難燃樹脂層1,3を溶着する。
図6(b)に示すように、カシメ溶着により難燃樹脂層1,3を溶着する場合には、難燃樹脂層1,3を合わせたときに、難燃樹脂層1,3のいずれか一方に、他方の難燃樹脂層側から突出する突起部分(以下、ボスという)を設ける。
難燃樹脂層1,3で不燃物層2を挟装した後、前述のボスに共振体であるホーンを接触させる。このボスに集中した振動エネルギーは摩擦熱に変換され、樹脂を溶融する温度まで上昇する。
ボスは、ホーンの接触部分の形状に合わせて溶融し、冷却後、その形状で凝固し、難燃樹脂層1,3を溶着する。
このように、超音波溶着工法を用いた積層屋根瓦の製造方法によれば、溶着による樹脂の白濁を生じさせず、接合箇所のみを短時間で溶融させるので、難燃樹脂層1,3の接合箇所の美観を損ねることなく、短時間で積層屋根瓦を容易に製造することが可能となる。
(4)インパルス溶着工法
図7は、インパルス溶着工法を用いて積層屋根瓦を製造するときの積層屋根瓦の側面側の断面を示す図である。
以下、図を用いて、インパルス溶着工法により積層屋根瓦を製造する方法について説明する。
図に示すように、インパルス溶着工法を用いた積層屋根瓦の製造方法によれば、低抵抗の導体(ヒーター線)に低電圧で高電流を短時間通電し、瞬間的に温度を高めて難燃樹脂層1,3の少なくとも一方の溶着部分に接触させて溶融し、難燃樹脂層1,3を溶着する。
このように、インパルス溶着工法を用いた積層屋根瓦の製造方法によれば、樹脂を加熱後、短時間で冷却できるので、積層屋根瓦を容易に短時間で製造することが可能となる。
(5)電磁誘導溶着工法
図8は、電磁誘導溶着工法を用いて積層屋根瓦を製造するときの積層屋根瓦の側面側の断面を示す図である。
以下、図を用いて、電磁誘導溶着工法により積層屋根瓦を製造する方法について説明する。
図に示すように、電磁誘導溶着工法では、例えば、難燃樹脂層1,3の接合部を互いに嵌め合わせ可能な形状に成形し、その嵌め合わせ形状の接合部内に金属体(針金など)を入れる。さらに、その金属体に沿って、難燃樹脂層1,3の外側にコイルを配置し、そのコイルに電流を流すと、磁界が発生し、金属体が発熱する。この金属体に接触する接合部が溶融し、難燃樹脂層1,3を溶着する。
このように、電磁誘導溶着工法を用いた積層屋根瓦の製造方法によれば、樹脂を溶融させる金属体の温度を短時間で上昇させるので、短時間で積層屋根瓦を容易に製造することが可能となる。
(6)熱板溶着工法
図9は、熱板溶着工法を用いて積層屋根瓦を製造するときの積層屋根瓦の側面側の断面を示す図である。
以下、図を用いて、熱板溶着工法により積層屋根瓦を製造する方法について説明する。
図に示すように、熱板溶着工法では、加熱した金属板等を不燃物層2を挟装した難燃樹脂層1,3で挟み込み、その加熱板に接触している難燃樹脂層1,3の接合部を加熱・溶融する(図9の(a))。
その後、加熱板を取り外し、不燃物層2を挟装したまま難燃樹脂層1,3を接合面に垂直な方向から加圧し、溶着する(図9の(b))。
このように、熱板溶着工法を用いた積層屋根瓦の製造方法によれば、難燃樹脂層1,3の各接合箇所が複雑な形状であり、そのままでは互いに接合または嵌合が困難な場合であっても、その接合箇所を容易に変形及び溶融させるので、積層屋根瓦を容易に製造することが可能となる。
また、ここでは、難燃樹脂層1,3の接合箇所を熱板に接触させたが、直接接触させずに、熱板からの輻射熱を利用してその接合箇所を溶融させるようにしてもよい。
(7)接着工法
また、前述の難燃樹脂層1,3および不燃物層2を、エポキシ系接着剤またはシリコーン系接着剤により互いに接着して、積層屋根瓦を形成するようにしてもよい。
このとき、特殊な機器を用いることなく、一般的な接着剤で積層屋根瓦の各層を接着するので、安価に積層屋根瓦を製造することが可能となる。
<実施の形態のまとめ>
以上説明したように、本実施の形態における積層屋根瓦は、軽量で優れた難燃性及び一定以上の強度を備えた難燃樹脂層1,3により、優れた不燃性、断熱性、及び防音性を備えた不燃物層2を挟み込んで形成したので、難燃性、耐久性、断熱性、及び防音性を備え、従来の陶器瓦からの軽量化を実現した屋根瓦を提供することが可能となる。
また、積層屋根瓦の使用が終了したとき、この積層屋根瓦を構成する各層を容易に分解することが可能であるので、各層を再加工し、容易にリサイクルすることができ、廃棄による環境問題への影響を軽減することが可能となる。
積層屋根瓦の外観を形成する難燃樹脂層1,3は、射出成形により成形されるので、その形状の高い自由度を実現することができ、これから、防水性、デザイン性、及び施工の容易性も実現することが可能となる。
また、難燃樹脂層1,3は、耐酸・耐アルカリ性に富んでおり、塩害を防ぐことができる。
さらに、難燃樹脂層1,3は撥水性に優れ、水分を吸収しないため、凍害を防ぐことができる。
また、積層屋根瓦の外観を形成する難燃樹脂層1,3は、外観塗装が容易であるので、希望する意匠的デザインを実現することが可能となる。
本実施の形態において、難燃樹脂層1,3及び不燃物層2は、一定の弾力性及び強度を備えているので、割れ等の積層屋根瓦の損傷を防ぐことができ、流通時及び施工時等の積層屋根瓦の不良率を低減させることが可能となる。
また、不燃物層2を難燃樹脂層1,3で挟み込んで形成した積層屋根瓦の側面に沿って全て樹脂で溶着して不燃物層2を完全密封することにより、更なる断熱効果を得ることが可能となる。このように密封し断熱効果を高めることにより、不燃物層2における露の付着及びカビの発生、ならびに野地板等の木材の腐食を抑制することが可能となる。
また、高熱時の積層屋根瓦内部の空気膨張が予想される場合には、難燃樹脂層1,3の少なくとも一方に微細な通気孔を設ければよい。
また、不燃物層2に密度の小さな材質を用いることにより、積層屋根瓦の内部(難燃樹脂層1,3に挟まれた部分)に空気層を形成することとなり、高い断熱効果を実現することが可能となる。
また、野地板側に難燃樹脂層1を設けたので、飛び火試験時または火災発生時に、積層屋根瓦上の火種の重さで不燃物層2が破れて野地板側に落ちてしまうことを防止することが可能となる。
さらに、難燃樹脂層3の表面に、例えばウレタン系樹脂からなるトップコート層4を形成することにより、積層屋根瓦の耐候性を向上させることができ、日光による変色及び風雨による損傷等を防ぐことが可能となる。
なお、以上説明した本実施の形態における積層屋根瓦は、難燃樹脂層1,3及び不燃物層2の3層構造に、樹脂を塗布する等してトップコート層4を形成していたが、積層屋根瓦を屋根面上に施工するとき、野地板に載置される側の層(最下層)と、風雨にさらされる側の層(最上層)とが難燃樹脂層で構成され、その最上層と最下層との間のいずれかの層が不燃物層で構成されていれば、その積層される層の数は3層に限定されないものとする。
例えば、野地板側から、難燃樹脂層、不燃物層、難燃樹脂層、不燃物層、難燃樹脂層の順に5層積層して積層屋根瓦を形成するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、難燃樹脂層1,3の材質(成分組成)は同様であるものとしたが、難燃樹脂層1,3が、前述したような機能を備えたものであれば、その材質(成分組成)は互いに異なるものであってもよい。
なお、上記の実施例は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施例は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能となる。
(a)は、本発明の実施の形態における積層屋根瓦の外観を示す斜視図であり、(b)は、その積層屋根瓦の積層構造を示す断面斜視図である。 本実施の形態における積層屋根瓦の製造方法を示すフローチャートである。 本実施の形態における積層屋根瓦の製造方法の1つであるDSI工法の流れを示すフローチャートである。 (a)〜(d)は、本実施の形態における積層屋根瓦の製造方法の1つであるDSI工法を示す図である。 本実施の形態において、振動溶着工法を用いて積層屋根瓦を製造するときの積層屋根瓦の側面側の断面を示す図である。 (a)は、伝達溶着による超音波溶着工法を示す図であり、(b)は、カシメ溶着による超音波溶着工法を示す図である。 本実施の形態において、インパルス溶着工法を用いて積層屋根瓦を製造するときの積層屋根瓦の側面側の断面を示す図である。 本実施の形態において、電磁誘導溶着工法を用いて積層屋根瓦を製造するときの積層屋根瓦の側面側の断面を示す図である。 本実施の形態において、熱板溶着工法を用いて積層屋根瓦を製造するときの積層屋根瓦の側面側の断面を示す図である。
符号の説明
1,3 難燃樹脂層
2 不燃物層
4 トップコート層
5 不要な樹脂
11,12 金型
13 樹脂注入器

Claims (9)

  1. 難燃性を備えた樹脂を含有する2以上の難燃樹脂層と、
    前記難燃樹脂層に挟入されて積層される、不燃性、断熱性及び防音性を備えた不燃物層と、
    から構成されることを特徴とする積層屋根瓦。
  2. 前記不燃物層は、前記難燃樹脂層同士の溶着により、前記難燃樹脂層間に密閉されることを特徴とする請求項1記載の積層屋根瓦。
  3. 前記難燃樹脂層は、変性ポリフェニリンオキシド系樹脂を含有することを特徴とする請求項1または2記載の積層屋根瓦。
  4. 前記不燃物層は、ガラス繊維、セラミック繊維又はカーボン繊維のいずれか1つ、あるいはこれらのいずれか2つ以上からなる層であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の積層屋根瓦。
  5. 野地板に載置される側の層を最下層とし、風雨にさらされる側の層を最上層としたとき、前記最上層と前記最下層は、前記難燃樹脂層で構成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の積層屋根瓦。
  6. 前記最上層の難燃樹脂層の前記風雨にさらされる側の表面には、耐候性を備えた樹脂を含有するトップコート層が形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の積層屋根瓦。
  7. 前記耐候性を備えた樹脂は、ウレタン系、シリコン系、フッ素系又はアクリル系の少なくとも1つからなる樹脂であることを特徴とする請求項6記載の積層屋根瓦。
  8. 難燃性を備えた樹脂を含有する2以上の難燃樹脂層を形成する難燃樹脂層形成工程と、
    不燃性、断熱性及び防音性を備えた不燃物層を前記難燃樹脂層に挟入して積層する不燃物層挟入工程と、
    前記積層した難燃樹脂層同士を溶着する溶着工程と、
    を有することを特徴とする積層屋根瓦の製造方法。
  9. 前記積層された難燃樹脂層は、DSI工法、振動溶着工法、超音波溶着工法、インパルス溶着工法、電磁誘導溶着工法、熱板溶着工法又は接着工法のいずれか1つにより互いに溶着することを特徴とする請求項8記載の積層屋根瓦の製造方法。
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