JP2006193046A - Rear body structure of vehicle - Google Patents
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Abstract
Description
この発明は、後部荷室においてスペアタイヤが格納されるように構成された車両の後部車体構造に関する。 The present invention relates to a rear body structure of a vehicle configured to store a spare tire in a rear luggage compartment.
従来、後部荷室においてスペアタイヤが格納されるように構成された車両の後部車体構造としては、後突荷重などの後方からの大きな荷重を受けた場合に、シートが設置されたエリアへのスペアタイヤの進入を回避すべく、スペアタイヤの離脱を防止し得るものが種々提案されている。例えば特開平11−11359号公報には、スペアタイヤパンの下面に沿って、車両の前後方向に延びる荷重伝達部材を設け、該荷重伝達部材の前方に取り付けられたフランジによりスペアタイヤを固定する後部車体構造が開示されている。 Conventionally, a rear body structure of a vehicle configured to store a spare tire in a rear luggage compartment is provided with a spare to an area where a seat is installed when a large rear load such as a rear impact load is applied. In order to avoid the entry of tires, various proposals have been made that can prevent the spare tire from coming off. For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-11359 discloses a rear portion in which a load transmission member extending in the front-rear direction of the vehicle is provided along the lower surface of the spare tire pan, and the spare tire is fixed by a flange attached in front of the load transmission member. A vehicle body structure is disclosed.
上記特許文献1に開示される後部車体構造では、フロアパネルの下面に沿って延びる荷重伝達部材の後端に取り付けられたけん引フックに入力された後突荷重が、荷重伝達部材によりスペアタイヤのホイール部に伝達されることにより、スペアタイヤが、その前端がタイヤパンの前端の側壁に接触するまで前方へ移動するに伴い発生する反力を利用し、スペアタイヤを立ち上げるようにして、スペアタイヤの離脱を回避しつつ、車両の前方に後突荷重を伝達しないようにする。しかしながら、その構造上、後方からの種々の方向における荷重に対応し得ず、後突する車両等の物の形状によっては、衝突時にスペアタイヤを立ち上げるモーメントが減少し、スペアタイヤを効果的に傾斜させることができなかった。
In the rear vehicle body structure disclosed in
この発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、後方から大きな荷重が加わった場合にスペアタイヤの離脱を防止することができ、更に、その上、後方からの種々の方向における荷重に対応して、スペアタイヤを効果的に傾斜させ得る後部車体構造を提供することを目的とする。 The present invention has been made in view of the above technical problem, and can prevent the spare tire from being detached when a large load is applied from the rear. Correspondingly, an object of the present invention is to provide a rear vehicle body structure that can effectively tilt a spare tire.
そこで、本願の請求項1に係る発明は、車両の後部荷室にてスペアタイヤをほぼ水平に収納するように構成された車両の後部車体構造において、該後部荷室の床面をなすフロアパネルに、スペアタイヤを固定して保持するためのタイヤ受け部が設けられ、該フロアパネルの下面側には、該タイヤ受け部に対応して、車両の前後方向に延びる補強部材が設けられており、該補強部材は、上記タイヤ受け部に対するスペアタイヤの固定部位に対応しつつ、その後端側で、上記フロアパネルより後方に位置する縦壁部材から所定間隔離間して対向するように延びることを特徴としたものである。
Accordingly, an invention according to
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記補強部材が、車両の前後方向において、水平に対して前方上向きに傾斜していることを特徴としたものである。
The invention according to
更に、本願の請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、上記補強部材が、その後端側で、水平に対して後方上向きに傾斜する傾斜部を有し、該傾斜部の後端部は、車両上下方向において、該補強部材の前端部より下方に位置していることを特徴としたものである。
Further, the invention according to
また、更に、本願の請求項4に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記補強部材が、車両の前後方向において、水平に対して前方下向きに傾斜していることを特徴としたものである。
Furthermore, the invention according to
また、更に、本願の請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、上記補強部材が、その後端側で、水平に対して後方下向きに傾斜する傾斜部を有し、該傾斜部の後端部は、車両上下方向において、該補強部材の前端部より上方に位置していることを特徴としたものである。
Furthermore, the invention according to
また、更に、本願の請求項6に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記補強部材が、その前端側で、略水平方向に延びる一方、その後端側で、水平に対して後方下向きに傾斜する傾斜部を有しており、該傾斜部の後端部は、車両上下方向において、該補強部材の前端部より下方に突出していることを特徴としたものである。
Furthermore, the invention according to
また、更に、本願の請求項7に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記補強部材が、その前端側で、略水平方向に延びる一方、その後端側で、水平に対して後方上向きに傾斜する傾斜部を有しており、該傾斜部の後端部は、車両上下方向において、該補強部材の前端部より上方に突出していることを特徴としたものである。
Still further, the invention according to
また、更に、本願の請求項8に係る発明は、請求項1〜5に係る発明のいずれか一において、上記補強部材が、その後端側で、該補強部材の本体より後方へ突出し、上記縦壁部材から所定間隔離間して対向する突出部を有していることを特徴としたものである。
Furthermore, the invention according to claim 8 of the present application is the invention according to any one of
また、更に、本願の請求項9に係る発明は、請求項1〜8に係る発明のいずれか一において、上記縦壁部材が、上記フロアパネルの後方にて、車両上下方向に幅を有し車幅方向に延設される延設部材からなることを特徴としたものである。
Furthermore, the invention according to
また、更に、本願の請求項10に係る発明は、請求項9に係る発明において、上記延設部材が、上記フロアパネルの後端に連続して設けられたリヤエンドパネルであることを特徴としたものである。
Furthermore, the invention according to
また、更に、本願の請求項11に係る発明は、請求項9に係る発明において、上記延設部材が、上記フロアパネルの後方に位置するバンパーレインフォースメントであることを特徴としたものである。
Furthermore, the invention according to
また、更に、本願の請求項12に係る発明は、請求項11に係る発明において、上記バンパーレインフォースメントと上記タイヤ受け部との間に所定の上下幅を有して車幅方向に延びるリヤエンドパネルが設けられ、該リヤエンドパネルには、上記補強部材をその後端側で挿通させる開口部が設けられていることを特徴としたものである。
The invention according to
また、更に、本願の請求項13に係る発明は、請求項8〜12に係る発明のいずれか一において、上記縦壁部材が、上記突出部と対向する部位に、後方へ窪むように形成された凹部を有していることを特徴としたものである。
Furthermore, in the invention according to
本願の請求項1に係る発明によれば、上記補強部材によりスペアタイヤの取付け剛性が高められるため、例えば後突荷重など車両後方から大きな荷重が加わった場合にも、タイヤの離脱を抑制し得ることに加え、補強部材と縦壁部材との間に所定間隔が設けられることで、後方からの様々な方向における荷重に対応して、その荷重により招来される縦壁部材の傾斜の方向に依らず、タイヤを傾斜させることができ、後部荷室側で衝撃吸収ストロークを確保することができる。
According to the invention according to
また、本願の請求項2に係る発明によれば、補強部材を水平に対して前方上向き(すなわち後方下向き)に予め傾斜させることで、車両後方から大きな荷重が加わった場合に、その前端部が持ち上がる方向へのスペアタイヤの回転及び傾斜を助長し、後部荷室側で衝撃吸収ストロークをより容易に確保することができる。
Further, according to the invention of
更に、本願の請求項3に係る発明によれば、水平に対して後方上向きに傾斜する傾斜部が設けられることで、補強部材の回転に伴う前端部の移動量は小さく、その結果、スペアタイヤは車両前後方向におけるほぼ中間位置を中心として回転することとなり、スペアタイヤの車両上下方向における移動量を抑制することができる。
Furthermore, according to the invention according to
また、更に、本願の請求項4に係る発明によれば、補強部材を水平に対して前方下向き(すなわち後方上向き)に予め傾斜させることで、車両後方から大きな荷重が加わった場合に、その前端部が下方に移動する方向へのスペアタイヤの回転及び傾斜を助長し、後部荷室側で衝撃吸収ストロークをより容易に確保することができる。
Further, according to the invention according to
また、更に、本願の請求項5に係る発明によれば、水平に対して後方下向きに傾斜する傾斜部が設けられることで、補強部材の回転に伴う前端部の移動量は小さく、その結果、スペアタイヤは車両前後方向におけるほぼ中間位置を中心として回転することとなり、スペアタイヤの車両上下方向における移動量を抑制することができる。
Furthermore, according to the invention according to
更に、本願の請求項6に係る発明によれば、補強部材の後端側に水平に対して後方下向きに傾斜する傾斜部を設けることで、車両後方から大きな荷重が加わった場合に、その前端部が持ち上がる方向へのスペアタイヤの回転及び傾斜を助長し、後部荷室側で衝撃吸収ストロークをより容易に確保することができる。
Furthermore, according to the invention which concerns on
また、更に、本願の請求項7に係る発明によれば、補強部材の後端側に水平に対して後方上向きに傾斜する傾斜部を設けることで、車両後方から大きな荷重が加わった場合に、その前端部が下方に移動する方向へのスペアタイヤの回転及び傾斜を助長し、後部荷室側で衝撃吸収ストロークをより容易に確保することができる。
Furthermore, according to the invention according to
また、更に、本願の請求項8に係る発明によれば、上記補強部材の後端側に該補強部材の本体より後方へ突出する突出部を設けることで、車両後方から大きな荷重が加わった場合に、縦壁部材が突出部を介して補強部材に先当たりすることを助長し、スペアタイヤを介して伝達された荷重の影響によりスペアタイヤが離脱することを防止することができる。 Further, according to the invention according to claim 8 of the present application, when a large load is applied from the rear of the vehicle by providing a protruding portion protruding rearward from the main body of the reinforcing member on the rear end side of the reinforcing member. In addition, it is possible to promote that the vertical wall member comes into contact with the reinforcing member through the protruding portion, and it is possible to prevent the spare tire from being detached due to the influence of the load transmitted through the spare tire.
また、更に、本願の請求項9に係る発明によれば、上記縦壁部材がフロアパネルの後方にて車両上下方向に幅を有し車幅方向に延設される延設部材からなるため、補強部材はその後端側で広範囲でカバーされ、後方からの様々な方向における荷重が補強部材に伝達され易く、スペアタイヤの回転及び傾斜を助長することができる。
Furthermore, according to the invention according to
また、更に、本願の請求項10に係る発明によれば、リヤエンドパネルを利用して、後方からの様々な方向における荷重に対応することができ、補強部材やスペアタイヤをスムーズに傾斜させることができる。
Furthermore, according to the invention of
また、更に、本願の請求項11に係る発明によれば、バンパーレインフォースメントを延設部材とすることで、上記突出部の幅よりも幅広の衝撃エリアからの荷重を補強部材に伝達することができる。
Further, according to the invention of
また、更に、本願の請求項12に係る発明によれば、補強部材がその後端側でリヤエンドパネルの開口部に挿通させられることが可能であるので、リヤエンドパネルの傾斜方向に依らず、補強部材やスペアタイヤをスムーズに傾斜させることができる。
Furthermore, according to the invention of
また、更に、本願の請求項13に係る発明によれば、上記縦壁部材の上記突出部と対向する部位に車両後方へ窪む凹部が、車両後方から大きな荷重が加わった場合に、突出部を受け入れることで、縦壁部材がスムーズに補強部材に対して付勢され、スペアタイヤをよりスムーズに回転させ傾斜させることが可能である。
Furthermore, according to the invention of
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
実施形態1.
図1は、スペアタイヤが収納されるように構成された後部車体構造を車両後方から見た図である。この車両1では、後部シート2の後側に、車両後方に向かって開口する後部荷室4が規定されている。後部荷室4の開口3は、伸縮可能なダンパー29を含む各種の部材を介して該開口3の縁部近傍に取り付けられたリフトゲート(不図示)により、開閉自在に覆われる。開口3の下方には、リヤバンパー14が、車両1の最も後方側に位置しつつ、車幅方向に延びるように設けられている。また、後部荷室4は、その下側で、取外し可能なフロアボード7により仕切られ、該フロアボード7の下方側には、スペアタイヤ5用の収納スペース6(図2及び3参照)が構成されている。
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the accompanying drawings.
FIG. 1 is a view of a rear vehicle body structure configured to accommodate a spare tire as viewed from the rear of the vehicle. In the
また、図2は、フロアボード7が取り外され、スペアタイヤ5が収納された状態にある収納スペース6、図3は、更に、スペアタイヤ5が取り外された状態にある収納スペース6を車両側方から見た図である。収納スペース6は、車両1の後方側において、後部荷室4の開口3の周縁部をなすリヤエンドパネル12(図5参照)の内壁部12Aにより規定され、車両1の前方側において、車幅方向に延びるクロスメンバ18により規定されている。フロアボード7が取り外された状態では、後部車室4を含む車室の床面をなすフロアパネル10がその後端側で露出する。このフロアパネル10には、スペアタイヤ5を受け入れる凹状のスペアタイヤパン(以下、タイヤパンという)9が形成され、該タイヤパン9の中央には、スペアタイヤ5を締結固定するためのブラケット11が溶接されて取り付けられている。このブラケット11には、ボルト(不図示)を挿通させる取付け孔11aが形成され、その取付け孔11に対応して、ブラケット11の下面側には、ナット(不図示)が溶接されている。スペアタイヤ5は、その収納に際し、タイヤパン9内に位置決めされた上で、ボルト(不図示)がホイール5Aを介しつつブラケット11にねじ込まれることで締結固定される。
2 shows the
本実施形態1では、フロアパネル10の下面側に、タイヤパン9に対応して、車両1の前後方向に延びる補強部材(以下、レインフォースメントという)20が取り付けられている。このレインフォースメント20は、その前端側で、タイヤパン9に対するスペアタイヤ5の固定部位、すなわちブラケット11が設けられる部位に対応して位置する一方、その後端側で、フロアパネル10の後方に構成されるリヤエンドパネル12(図5参照)から所定間隔離間して位置するように取り付けられている。レインフォースメント20がフロアパネル10に対して取り付けられる態様については、図5を参照して詳細に説明する。
In the first embodiment, a reinforcing member (hereinafter referred to as a reinforcement) 20 that extends in the front-rear direction of the
図4は、レインフォースメント20の斜視図である。このレインフォースメント20は、車両1の前後方向に沿って、図中左下の端部が前方に向く一方、図中右上の端部が後方に向くように取り付けられるもので、車幅方向における断面が略コ字状をなすように形成された本体21と、該本体21の上端部から車幅方向外方に延びるフランジ23と、を有している。また、本実施形態では、レインフォースメント20は、その後端側で、後方上向きへ延びるように本体21に対して傾斜させられた傾斜部22を有している。なお、本実施形態では、レインフォースメント20が金属プレート材から製作され、本体21の車幅方向及び上下方向における寸法は、それぞれ、90ミリメートル及び12ミリメートルに設定されている。また、本体21及びフランジ23の肉厚は、約1.0〜1.4ミリメートルである。
FIG. 4 is a perspective view of the
更に、本体21には、スペアタイヤ5を固定するためのボルト(不図示)を挿通させる挿通孔21aと、インシュレータ15(図5参照)をレインフォースメント20の下面側に固定するためのボルト(不図示)を挿通させる挿通孔21bと、が形成されている。フランジ23は、フロアパネル10の下面に対向する部分で、フロアパネル10に対して溶接され、これにより、レインフォースメント20がフロアパネル10に取り付けられる。
Further, the
図5は、レインフォースメント20がフロアパネル10に取り付けられた後部車体構造の車両前後方向における縦断面説明図である。図中の左側が車両前側に対応し、右側が車両後側に対応する。なお、図面の簡略化を図り、スペアタイヤ5を固定するためのボルト,インシュレータ15を固定するためのボルト,レインフォースメント20の詳細構造等については、その図示を省略する。
FIG. 5 is a longitudinal cross-sectional explanatory view in the vehicle front-rear direction of the rear vehicle body structure in which the
図5に示す状態では、後部荷室4の床面をなすフロアボード7の下側に形成された収納スペース6において、ホイール5Aとタイヤ5Bとからなるスペアタイヤ5が、タイヤパン9内に位置決めされ、該タイヤパン9の中央に取り付けられたブラケット11に対して締結固定されている。また、図5から分かるように、収納スペース6の後方には、後部荷室4の開口3の周縁部をなしつつ該収納スペース6を規定する内壁部12Aと、該内壁部12Aと一体的に成形され、該内壁部12Aの後方側に位置する縦壁部12Bとからなるリヤエンドパネル12が構成されている。リヤエンドパネル12の内壁部12Aは、タイヤパン9の上端部近傍まで下方に延び、他方、縦壁部12Bは、内壁部12Aより後方にて、内壁部12Aに対向し、更に、タイヤパン9やレインフォースメント20が存在する領域に対応するように下方へ延びている。また、リヤエンドパネル12の後方側には、車幅方向に延びるバンパーレインフォースメント13が取り付けられている。更に、車幅方向に延び、バンパーレインフォースメント13をその後方から取り囲むリヤバンパー14が車両1の最も後方側に位置するように取り付けられている。
In the state shown in FIG. 5, the
本実施形態では、フロアパネル10が全体として水平に形成され、該フロアパネル10の下面側に取り付けられたレインフォースメント20は、その本体21が水平になる一方、その傾斜部22が水平に対して後方上向きに傾斜し突出するように保持されている。そして、その傾斜部22の後端部は、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bから所定間隔離間して位置している。
In the present embodiment, the
なお、図5に示すように、収納スペース6を構成するフロアパネル10の下方には、エンジン排気系を構成する円筒状のサイレンサ16が車幅方向に延びるように配置されている。また、サイレンサ16から放たれる排気熱から、収納スペース6内に収納されるスペアタイヤ5等の収納物を保護するために、レインフォースメント20の下面側には、サイレンサ16をその上方側で囲うような形状をなすインシュレータ15が取り付けられている。
As shown in FIG. 5, a
図6は、レインフォースメント20が取り付けられた後部車体構造に対して後方から荷重が加わった場合における、スペアタイヤ5の移動をあらわす説明図である。かかる後部車体構造によれば、車両後方から荷重が加わり、バンパー14,バンパーレインフォースメント13及びリヤエンドパネル12が前方へ大きく変形する場合に、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bが、レインフォースメント20の傾斜部22に対して付勢されると、レインフォースメント20には、その傾斜部22の傾斜によって、その前端部が下方へ移動させられるような回転モーメントがもたらされる。また、レインフォースメント20が取り付けられたフロアパネル10(厳密にはタイヤパン9)にも同様の回転モーメントがもたらされる。かかる回転モーメントにより、レインフォースメント20及びタイヤパン9が回転させられ、更に、タイヤパン9内に固定されたスペアタイヤ5もその前端部が下方へ移動させられるように回転させられる。図6では、回転後のスペアタイヤ5とタイヤパン9が形成されたフロアパネル10とが仮想線(一点鎖線)で示される。この図からよく分かるように、スペアタイヤ5は、リヤシート2が配置されたエリアに進入することなく回転し傾斜する。この回転に伴い、フロアパネル10は、タイヤパン9の前方にて、スペアタイヤ5の前端部により下方へ押し付けられて変形する。
FIG. 6 is an explanatory diagram showing the movement of the
本実施形態1では、レインフォースメント20によりスペアタイヤ5の取付け剛性が確保されることから、上記のようにスペアタイヤ5が回転する間に、スペアタイヤ5の離脱を防止することができるのに加え、更に、レインフォースメント20が、その後端側で、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bから所定間隔離間して位置させられるため、水平方向のみならず、後方からの様々な方向における荷重に対応して、その荷重により招来される縦壁部12Bの傾斜の方向に依らず、スペアタイヤ5を効果的に傾斜させることができる。これにより、リヤシート2が配置されたエリアより後方のエリアおいて、衝撃吸収ストロークを稼ぐことができ、リヤシート2が配置されたエリアへのスペアタイヤ5の進入を防止することができる。特に、ここでは、レインフォースメント20が、その後端側で、車両1の上下方向に幅を有しかつ車幅方向に延びるリヤエンドパネル12の縦壁部12Bに対向させられ広範囲でカバーされるため、後方からの様々な方向における荷重がレインフォースメント20に伝達され易く、上記の効果がより確実に実現可能である。
また、本実施形態1では、レインフォースメント20の後端側で、水平に対して後方上向きに傾斜する傾斜部22が設けられることで、スペアタイヤ5をその前後方向におけるほぼ中間部を中心としてほぼその場で回転させることができ、スペアタイヤ5の上下移動量を抑制することができる。
In the first embodiment, since the attachment strength of the
Moreover, in this
以下では、上記実施形態1における場合と異なるレインフォースメントやフロアパネルから構成される実施形態2〜8について順に説明する。なお、以下、同一の構成については同じ符号を付し、それ以上の説明を省略する。
実施形態2.
図7は、本発明の実施形態2に係るレインフォースメントの斜視図である。このレインフォースメント30は、車両1の前後方向に沿って、図中左下の端部が前方に向く一方、図中右上の端部が後方に向くように取り付けられるもので、車幅方向における断面が略コ字状をなすように形成された本体31と、該本体31の上端部から車幅方向外方に延びるフランジ33と、を有している。また、本実施形態では、レインフォースメント30は、その後端側で、後方下向きへ延びるように本体31に対して傾斜させられた傾斜部32を有している。更に、本体31には、スペアタイヤ5を固定するためのボルト(不図示)を挿通させる挿通孔31aと、インシュレータ15をレインフォースメント30の下面側に固定するためのボルト(不図示)を挿通させる挿通孔31bと、が形成されている。フランジ33は、フロアパネル10の下面に対向する部分で、フロアパネル10に対して溶接され、これにより、レインフォースメント30がフロアパネル10に取り付けられる。
Below, Embodiment 2-8 comprised from the reinforcement and the floor panel different from the case in the said
FIG. 7 is a perspective view of a reinforcement according to
図8は、レインフォースメント30がフロアパネル10に取り付けられた後部車体構造の車両前後方向における縦断面説明図である。本実施形態2では、フロアパネル10が全体として水平に形成されており、レインフォースメント30は、フロアパネル10の下面側にて、その本体31が水平になる一方、該本体31の後部に取り付けられた傾斜部32が水平に対して後方下向きに傾斜し突出するように保持されている。そして、その傾斜部22の後端部は、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bから所定間隔離間して位置している。
FIG. 8 is a longitudinal cross-sectional explanatory view in the vehicle front-rear direction of the rear vehicle body structure in which the
図9は、レインフォースメント30が取り付けられた後部車体構造に対して後突荷重が加わった場合における、スペアタイヤ5の移動をあらわす説明図である。かかる後部車体構造によれば、車両後方から荷重が加わり、バンパー14,バンパーレインフォースメント13及びリヤエンドパネル12が前方へ大きく変形する場合、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bが、レインフォースメント30の傾斜部32に対して付勢されると、レインフォースメント30には、傾斜部32の傾斜によって、その前端部が上方へ移動させられるような回転モーメントがもたらされる。また、レインフォースメント30が取り付けられたフロアパネル10にも同様の回転モーメントがもたらされる。かかる回転モーメントにより、レインフォースメント30及びタイヤパン9が回転させられ、更に、タイヤパン9内に固定されたスペアタイヤ5もその前端部が上方へ移動させられるように回転させられる。図9では、回転後のスペアタイヤ5とタイヤパン9が形成されたフロアパネル10とが仮想線(一点鎖線)で示される。この図からよく分かるように、スペアタイヤ5は、リヤシート2が配置されたエリアに進入することなく回転し傾斜する。この回転に伴い、フロアパネル10は、タイヤパン9のレインフォースメント30が取り付けられた部分より前方にて変形する。
FIG. 9 is an explanatory diagram showing the movement of the
本実施形態2では、上記実施形態1と同様に、レインフォースメント30によりスペアタイヤ5の取付け剛性が確保されることから、上記のようにスペアタイヤ5が回転する間に、スペアタイヤ5の離脱を防止することができるのに加え、更に、レインフォースメント30が、その後端側で、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bから所定間隔離間して位置させられることにより、水平方向のみならず、後方からの様々な方向における荷重に対応して、その荷重により招来される縦壁部12Bの傾斜の方向に依らず、スペアタイヤ5が効果的に傾斜させられ得る。これにより、リヤシート2が配置されたエリアより後方のエリアおいて、衝撃吸収ストロークを稼ぐことができ、リヤシート2が配置されたエリアへのスペアタイヤ5の進入を防止することができる。更に、その上、本実施形態2では、レインフォースメント30の後端側で、水平に対して後方上向きに傾斜する傾斜部32が設けられることで、スペアタイヤ5は車両前後方向におけるほぼ中間位置を中心としてその場で回転することとなり、スペアタイヤ5の車両上下方向における移動量を抑制することができる。
In the second embodiment, as in the first embodiment, the attachment strength of the
実施形態3.
前述した実施形態1及び2では、レインフォースメントとして、その後端側で後方上向き又は後方下向きに傾斜する傾斜部22又は32を有するものを取り上げたが、これに限定されることなく、スペアタイヤ5をリヤシート2が配置されたエリアへのスペアタイヤ5の進入を防止すべく効率的に傾斜させるには、以下の実施形態3及び4について説明するようにしてもよい。
In the first and second embodiments described above, the reinforcement having the
図10は、本発明の実施形態3に係るレインフォースメント40が取り付けられた後部車体構造の車両前後方向における縦断面説明図である。このレインフォースメント40は、その後端側に傾斜部を有するものでなく、その前端部から後端部まで一直線状に延びるように構成されており、前述した実施形態と同様に、フロアパネル10Aの下面側に、その前端側で、タイヤパン9に対するスペアタイヤ5の固定部位、すなわちブラケット11が設けられる部位に対応して位置する一方、その後端側で、フロアパネル10の後方に構成されるリヤエンドパネル12の縦壁部12Bから所定間隔離間して位置するように取り付けられている。また、本実施形態3では、図10から分かるように、フロアパネル10Aが、水平に対して前方下向きに傾斜しており、これにより、フロアパネル10Aに取り付けられたレインフォースメント40も、その前端側で前方下向きになる一方、その後端側で後方上向きになるように傾斜している。図10中の符号Sを付した破線は、水平線をあらわす。
FIG. 10 is a longitudinal cross-sectional explanatory view in the vehicle front-rear direction of the rear vehicle body structure to which the
かかる後部車体構造によれば、車両後方から荷重が加わり、バンパー14,バンパーレインフォースメント13及びリヤエンドパネル12が前方へ大きく変形する場合、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bが、レインフォースメント40の後端側に付勢されると、レインフォースメント40には、その傾斜によって、該レインフォースメント40の前端部が下方へ移動させられるような回転モーメントがもたらされる。また、レインフォースメント40が取り付けられたフロアパネル10Aにも同様の回転モーメントがもたらされる。かかる回転モーメントにより、レインフォースメント40及びタイヤパン9が回転させられ、更に、タイヤパン9内に固定されたスペアタイヤ5もその前端部が下方へ移動させられるように回転させられる。これにより、スペアタイヤ5は、リヤシート2が配置されたエリアに進入することなく回転し傾斜する。このように、本実施形態3では、上記実施形態1における場合とほぼ同様の効果を奏することができる。
According to such a rear body structure, when a load is applied from the rear of the vehicle and the
実施形態4.
また、図11は、本発明の実施形態4に係る後部車体構造の車両前後方向における縦断面説明図である。この実施形態4では、レインフォースメントとして、上記実施形態3における場合と同じレインフォースメント40が採用されるが、フロアパネル10Bが、水平に対して前方上向きに傾斜している。これにより、フロアパネル10Bに取り付けられたレインフォースメント40は、その前端側で前方上向きになる一方、その後端側で後方下向きになるように傾斜している。図11中の符号Sを付した破線は、水平線をあらわす。レインフォースメント40は、前述した実施形態と同様に、フロアパネル10Bの下面側に、その前端側で、タイヤパン9に対するスペアタイヤ5の固定部位、すなわちブラケット11が設けられる部位に対応して位置する一方、その後端側で、フロアパネル10の後方に構成されるリヤエンドパネル12の縦壁部12Bから所定間隔離間して位置するように取り付けられている。
Moreover, FIG. 11 is a longitudinal cross-sectional explanatory drawing in the vehicle front-back direction of the rear vehicle body structure which concerns on
かかる後部車体構造によれば、車両後方から荷重が加わり、バンパー14,バンパーレインフォースメント13及びリヤエンドパネル12が前方へ大きく変形する場合、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bが、レインフォースメント40の後端側に付勢されると、レインフォースメント40には、その傾斜によって、該レインフォースメント40の前端部が上方へ移動させられるような回転モーメントがもたらされる。また、レインフォースメント40が取り付けられたフロアパネル10Aにも同様の回転モーメントがもたらされる。かかる回転モーメントにより、レインフォースメント40及びタイヤパン9が回転させられ、更に、タイヤパン9内に固定されたスペアタイヤ5もその前端部が上方へ移動させられるように回転させられる。これにより、スペアタイヤ5は、リヤシート2が配置されたエリアに進入することなく回転し傾斜する。このように、本実施形態4では、上記実施形態2における場合とほぼ同様の効果を奏することができる。
According to such a rear body structure, when a load is applied from the rear of the vehicle and the
実施形態5.
前述した実施形態3及び4では、それぞれ、水平に対して前方下向き及び前方上向きに傾斜しフロアパネル10A及び10Bに対して、その前端部から後端部まで一直線状に延びるように構成されたレインフォースメント40が用いられたが、これに限定されることなく、その後端側に傾斜部を有するレインフォースメントを用いてもよい。
In the above-described third and fourth embodiments, rain that is inclined forward and downward with respect to the horizontal and extends linearly from the front end to the rear end with respect to the
図12は、本発明の実施形態5に係る後部車体構造の車両前後方向における縦断面説明図である。この実施形態5では、水平に対して前方下向きに傾斜したフロアパネル10Aに対して、その後端側に後方下向きに傾斜する傾斜部32を備えたレインフォースメント30が取り付けられている。レインフォースメント30は、その前端側で前方下向きになる一方、その後端側で後方上向きになるように傾斜した上で、傾斜部32において後方下向きに傾斜している。図12中の符号Sを付した破線は、レインフォースメント30の前端部の高さに対応する水平線をあらわしており、これから分かるように、傾斜部32の後端部は、車両上下方向において、レインフォースメント20の前端部より上方に位置している。
FIG. 12 is a longitudinal cross-sectional explanatory view in the vehicle front-rear direction of a rear vehicle body structure relating to
かかる後部車体構造によれば、車両後方から荷重が加わり、バンパー14,バンパーレインフォースメント13及びリヤエンドパネル12が前方へ大きく変形する場合、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bが、レインフォースメント30の後端側に付勢されると、レインフォースメント30の傾斜部32には、該レインフォースメント30の前端部及び後端部の傾斜や位置関係によって前上がりの荷重が加えられることとなり、後端部が上方へ移動させられるような回転モーメントがもたらされる。図13には、レインフォースメント30が移動する様子を概念的に示す。かかる回転モーメントにより、レインフォースメント30とともに、タイヤパン9が回転させられ、更に、タイヤパン9内に固定されたスペアタイヤ5もその後端部が上方へ移動させられるように回転させられる。これにより、スペアタイヤ5は、リヤシート2が配置されたエリアに進入することなく回転し傾斜する。このように、本実施形態5では、上記実施形態1における場合とほぼ同様の効果を奏することができる。更に、その上、かかる後部車体構造によれば、図13からよく分かるように、レインフォースメント30の回転に伴う前端部の移動量は小さく、その結果、スペアタイヤ5は車両前後方向におけるほぼ中間位置を中心としてその場で回転することとなり、スペアタイヤ5の車両上下方向における移動量を抑制することができる。
According to such a rear body structure, when a load is applied from the rear of the vehicle and the
実施形態6.
図14は、本発明の実施形態6に係る後部車体構造の車両前後方向における縦断面説明図である。この実施形態6では、上記実施形態5とは逆に、水平に対して前方上向きに傾斜したフロアパネル10Bに対して、その後端側に後方上向きに傾斜する傾斜部22を備えたレインフォースメント20が取り付けられている。レインフォースメント20は、その前端側で前方上向きになる一方、その後端側で後方下向きになるように傾斜した上で、傾斜部22において後方上向きに傾斜している。図14中の符号Sを付した破線は、レインフォースメント20の前端部の高さに対応する水平線をあらわしており、これから分かるように、傾斜部22の後端部は、車両上下方向において、レインフォースメント20の前端部より下方に位置している。
FIG. 14 is a longitudinal cross-sectional explanatory view in the vehicle front-rear direction of a rear vehicle body structure relating to
かかる後部車体構造によれば、車両後方から荷重が加わり、バンパー14,バンパーレインフォースメント13及びリヤエンドパネル12が前方へ大きく変形する場合、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bが、レインフォースメント20の後端側に付勢されると、レインフォースメント20の傾斜部22には、該レインフォースメント20の前端部及び後端部の傾斜や位置関係によって前下がりの荷重が加えられることとなり、後端部が下方へ移動させられるような回転モーメントがもたらされる。図15には、レインフォースメント20が移動する様子を概念的に示す。かかる回転モーメントにより、レインフォースメント20とともに、タイヤパン9が回転させられ、更に、タイヤパン9内に固定されたスペアタイヤ5もその後端部が下方へ移動させられるように回転させられる。これにより、スペアタイヤ5は、リヤシート2が配置されたエリアに進入することなく回転し傾斜する。このように、本実施形態6では、上記実施形態2における場合とほぼ同様の効果を奏することができる。更に、その上、かかる後部車体構造によれば、図15からよく分かるように、レインフォースメント20の回転に伴う前端部の移動量は小さく、その結果、スペアタイヤ5は車両前後方向におけるほぼ中間位置を中心として回転することとなり、スペアタイヤ5の車両上下方向における移動量を抑制することができる。
According to such a rear body structure, when a load is applied from the rear of the vehicle and the
実施形態7.
図16は、本発明の実施形態5に係るレインフォースメントの斜視図である。このレインフォースメント50は、車両1の前後方向に沿って、図中左下の端部が前方に向く一方、図中右上の端部が後方に向くように取り付けられるもので、車幅方向における断面が略コ字状をなすように形成された本体51と、該本体51の上端部から車幅方向外方に延びるフランジ53と、を有している。また、レインフォースメント50は、その後端側で、後方上向きへ延びるように本体51に対して傾斜させられた傾斜部52を有している。
FIG. 16 is a perspective view of a reinforcement according to the fifth embodiment of the present invention. The
本体51には、スペアタイヤ5を固定するためのボルト(不図示)を挿通させる挿通孔51aと、インシュレータ15をレインフォースメント50の下面側に固定するためのボルト(不図示)を挿通させる挿通孔51bと、が形成されている。フランジ53は、フロアパネル10の下面に対向する部分で、フロアパネル10に対して溶接され、これにより、レインフォースメント50がフロアパネル10に取り付けられる。更に、本実施形態5では、レインフォースメント50が、その後端側で、傾斜部52よりも後方へ延びる突出部54を有している。
An insertion hole 51 a for inserting a bolt (not shown) for fixing the
図17は、レインフォースメント50がフロアパネル10に取り付けられた後部車体構造の車両前後方向における縦断面説明図である。この図に示す状態では、後部荷室4の床面をなすフロアボード7の下側に形成された収納スペース6において、スペアタイヤ5が、タイヤパン9内に位置決めされ、該スペアタイヤ9の中央に取り付けられたブラケット11に対して締結固定されている。本実施形態5では、フロアパネル10が全体として水平に形成されており、該フロアパネル10の下面側に取り付けられたレインフォースメント50は、その本体51が水平になる一方、その傾斜部52が水平に対して後方上向きに傾斜するように保持されている。また、傾斜部52の下側では、突出部54が後方に向かって水平に延び、傾斜部52よりも後方に位置している。また、かかるレインフォースメント50の傾斜部52に対応して、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bには、車両後方へ窪む凹部12aが形成されている。
FIG. 17 is a longitudinal cross-sectional explanatory diagram in the vehicle front-rear direction of the rear vehicle body structure in which the
かかる後部車体構造によれば、車両後方から荷重が加わり、バンパー14,バンパーレインフォースメント13及びリヤエンドパネル12が前方へ大きく変形する場合に、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bが、突出部54が凹部12a内に押し付けられるように、レインフォースメント50に先当たりし、その後、傾斜部52に対して付勢される。すなわち、本実施形態5では、突出部54を設けることにより、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bが、タイヤパン9内に固定されたスペアタイヤ5に対してまず付勢されることがなく、スペアタイヤ5を介して伝達された荷重によりブラケット11がタイヤパン9から剥がれスペアタイヤ5が離脱することを防止することができる。
また、本実施形態5では、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bに、突出部54を受け入れる凹部12aが設けられることで、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bがスムーズに傾斜部52に対して付勢されることとなり、レインフォースメント50及びスペアタイヤ9がスムーズに回転させられ傾斜させられ得る。
According to such a rear body structure, when a load is applied from the rear of the vehicle and the
In the fifth embodiment, the
実施形態8.
上記実施形態7では、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bに凹部12aが設けられたが、レインフォースメント50の傾斜部52に対して縦壁部12Bがスムーズに付勢されるためには、これに限定されることなく、次に説明するような実施形態であってもよい。図18は、本発明の実施形態6に係る後部車体構造の車両前後方向における縦断面説明図である。本実施形態6では、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bにおいて、レインフォースメント50側の突出部54に対応する部位に、開口部12bが形成されている。そして、突出部54は、開口部12bに挿通させられ、縦壁部12Bよりも後方に突出している。
Embodiment 8. FIG.
In the seventh embodiment, the recess 12a is provided in the
かかる後部車体構造によれば、車両後方から荷重が加わり、バンパー14,バンパーレインフォースメント13及びリヤエンドパネル12が前方へ大きく変形する場合に、突出部54が開口部12bに挿通させられつつ、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bが前方へ移動し、レインフォースメント50の傾斜部52に対して付勢される。これにより、リヤエンドパネル12の縦壁部12Bがスムーズに傾斜部52に対して付勢されることとなり、レインフォースメント50及びスペアタイヤ9がスムーズに回転させられ傾斜させられ得る。
According to such a rear vehicle body structure, when a load is applied from the rear of the vehicle and the
実施形態9.
上記実施形態8では、開口部12bが形成されたリヤエンドパネル12の縦壁部12Bに対して、その後端側で突出部54を有するレインフォースメント50が採用される例が取り上げられたが、これに限定されることなく、次に説明するような実施形態であってもよい。図19は、本発明の実施形態9に係るレインフォースメントが取り付けられた後部車体構造の車両前後方向における縦断面説明図である。本実施形態9では、レインフォースメントとして、上記実施形態3及び4における場合と同様に、その前端部から後端部まで一直線状に延びるように構成されるレインフォースメント60が用いられる。また、フロアパネル10Aが、水平に対して前方下向きに傾斜しており、これにより、フロアパネル10Aに取り付けられたレインフォースメント60も、その前端側で前方下向きになる一方、その後端側で後方上向きになるように傾斜している。図19中の符号Sを付した破線は、水平線をあらわす。そして、このレインフォースメント60は、その後端側で、開口部12bに挿通させられ、縦壁部12Bよりも後方に突出し、バンパーレインフォースメント13から所定距離離間して位置させられている。
In the eighth embodiment, an example in which the
かかる後部車体構造によれば、車両後方から荷重が加わり、バンパー14,バンパーレインフォースメント13及びリヤエンドパネル12が前方へ大きく変形する場合に、レインフォースメント60が、その後端側で、リヤエンドパネル12の開口部12bに挿通させられ、かつ、バンパーレインフォースメント13から所定距離離間しているので、仮想線で示すように前方へ変形してきたバンパーレインフォースメント13に対してレインフォースメント60の後端がスペアタイヤ5よりも先に衝突して前方へ押し出され、レインフォースメント60の前端部が下方へ移動するような回転モーメントがもたらされる。これにより、レインフォースメント60が、水平方向のみならず、後方からの様々な方向における荷重に対応して、その荷重により招来される縦壁部12Bやバンパーレインフォースメント13の傾斜の方向に依らず、レインフォースメント60及びスペアタイヤ5をスムーズに傾斜させることができる。
According to such a rear vehicle body structure, when a load is applied from the rear of the vehicle and the
なお、本発明は、例示された実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
前述した実施形態では、レインフォースメントをその前端部が上向き又は下向きになるように傾斜させるために、フロアパネルが予め傾斜するように設定されたが、これに限定されることなく、例えば、水平に設定されたフロアパネルに、車両の前後方向において厚さの異なる部材を介在させつつレインフォースメントを取り付けることにより、レインフォースメント本体を傾斜させるようにしてもよい。また、前述した実施形態では、レインフォースメントが、その前端側で、ブラケット11に対応する部位まで延びるように設けられたが、これに限定されることなく、例えば、車両1の前後方向において、ブラケット11に対応しつつタイヤパン9の直径にわたり延びるように設けられてもよい。
It should be noted that the present invention is not limited to the illustrated embodiments, and it goes without saying that various improvements and design changes can be made without departing from the scope of the present invention.
In the above-described embodiment, in order to incline the reinforcement so that the front end portion thereof is upward or downward, the floor panel is set to incline in advance. The reinforcement body may be tilted by attaching the reinforcement to the floor panel set in the above while interposing members having different thicknesses in the longitudinal direction of the vehicle. In the above-described embodiment, the reinforcement is provided so as to extend to the portion corresponding to the
1…車両,4…後部荷室,5…スペアタイヤ,6…収納スペース,9…スペアタイヤパン,10,10A,10B…フロアパネル,11…ブラケット,12…リヤエンドパネル,12B…縦壁部,12a…凹部,12b…開口部,13…バンパーレインフォースメント,20,30,40,50,60…レインフォースメント,21,31,51…本体,22,32,52…傾斜部,23,33,53…フランジ,54…突出部。
DESCRIPTION OF
Claims (13)
上記後部荷室の床面をなすフロアパネルに、スペアタイヤを固定して保持するためのタイヤ受け部が設けられ、該フロアパネルの下面側には、該タイヤ受け部に対応して、車両の前後方向に延びる補強部材が設けられており、
上記補強部材は、上記タイヤ受け部に対するスペアタイヤの固定部位に対応しつつ、その後端側で上記フロアパネルより後方に位置する縦壁部材から所定間隔離間して対向するように延びることを特徴とする車両の後部車体構造。 In the rear body structure of the vehicle configured to store the spare tire substantially horizontally in the rear luggage compartment of the vehicle,
A tire receiving part for fixing and holding a spare tire is provided on the floor panel that forms the floor surface of the rear cargo compartment, and a lower surface side of the floor panel corresponds to the tire receiving part and corresponds to the tire receiving part. A reinforcing member extending in the front-rear direction is provided,
The reinforcing member corresponds to a fixed portion of the spare tire with respect to the tire receiving portion, and extends on the rear end side so as to face the vertical wall member positioned rearward from the floor panel at a predetermined interval. The rear body structure of the vehicle.
The vehicle body structure for a rear part of a vehicle according to any one of claims 8 to 12, wherein the vertical wall member has a concave portion formed so as to be recessed rearward at a portion facing the protruding portion. .
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