(情報記録装置の実施形態)
先ず、本発明の実施形態に係る情報記録媒体について説明する。
本発明の情報記録媒体に係る実施形態は、情報を夫々記録するための複数の記録層を備える情報記録媒体であって、前記複数の記録層の少なくとも一つは、前記情報を記録する際における記録可能最高速度を規定する記録速度管理情報が記録される管理情報領域を有する。
本発明の情報記録媒体によれば、基板の一方の面上に積層された、即ち、例えば多層型若しくはデュアルレイヤ又はマルチプルレイヤ型の光ディスク等の多層型の情報記録媒体を構成する複数の記録層のうち、少なくとも一つは、例えばその内周寄りのリードインエリア内やその付近に管理情報領域を有する。この管理情報領域には、当該情報記録媒体に情報を記録する際における、記録可能最高速速度を、複数の記録層毎に規定する記録速度管理情報が記録される。この記録速度管理情報は、当該情報記録媒体の製造当初から記録されていてもよいし、その後の、プリフォーマット時或いはフォーマット時に記録されてもよい。更に、実際にユーザデータエリア等への情報の記録が行われた後に、その際のエラーレート等の状況に応じて、記録速度管理情報は、決定、変更又は更新されてもよいし、或いは、情報の記録が行なわれる前には、デフォールトの値が管理情報上法領域に記録されていてその後に非デフォールト値で更新されてもよい。
尚、記録速度管理情報は、記録可能最高速度を直接示す情報(例えば、後述の“記録速度情報”)であってもよいし、記録可能最高速度を間接的に示す情報(例えば、後述の“識別情報”)であってもよい。
このように記録速度管理情報が管理情報領域に記録されているので、例えば光ディスクレコーダ等の情報記録装置による、その記録時には、先ず、係る記録速度管理情報が読み込まれる。そして、この記録速度管理情報に基づけば、記録可能最高速度を、複数の記録層毎に、(例えば、後述の“記録速度情報”として)直接的に取得できるか又は間接的に(例えば、後述の“識別情報”を介して)取得できる。更に、これに紐付けられた情報として取得可能な、例えば記録用レーザの最適パワーやストラテジ等を規定する情報(例えば、後述の最適記録条件を示す“記録条件情報”)についても、複数の記録層毎に、取得してもよい。
そして、複数の記録層のうち一の記録層に対して記録を行なう際には、記録速度管理情報に基づいて取得された、当該一の記録層についての記録可能最高速度V1に従って記録速度を設定した上で、記録を行なうことが可能となる。しかも、複数の記録層のうち他の記録層に対して記録を行なう際には、記録速度管理情報に基づいて取得された、当該他の記録層についての記録可能最高速度V2(但し、一般にV2は、V1と異なるか又は等しい)に従って記録速度を設定した上で、記録を行なうことが可能となる。何れの場合にも、背景技術の如く各情報記録媒体に対して記録可能最高速度を定義する場合と比較して、他の記録可能最高速度が低い記録層における記録速度による制限を受けることなく、複数の記録層の各々について潜在的に可能である最も高い記録速度による記録が行える。
以上のように、複数の記録層間において設計要因などで物理的に記録可能な最高速度が、大なり小なり相異なっている場合にも、或いは、各記録層における記録可能最高速度を積極的に相異なるように設計した場合にも、他の記録層における記録速度による制限を受けることなく、複数の記録層の各々について潜在的に可能である最も高い記録速度による記録が行える。
本発明の情報記録媒体に係る実施形態の一態様では、前記記録速度管理情報は、前記複数の記録層毎に前記記録可能最高速度を示す記録速度情報を含む。
この態様によれば、その記録時には、先ず、記録速度管理情報に含まれる、複数の記録層毎に記録可能最高速度を示す記録速度情報が読み込まれる。すると、情報記録装置では、記録可能最高速度を、複数の記録層毎に直接的に取得できることとなる。従って、該記録可能最高速度と当該情報記録装置の機能とに応じて、複数の記録層の各々について、潜在的に可能である最も高い記録速度による記録が行える。
この態様では、前記記録速度管理情報は、前記記録速度情報に対応する形で、前記複数の記録層毎に最適記録条件を示す記録条件情報を更に含むように構成してもよい。
このように構成すれば、その記録時には、記録速度情報が読み込まれた際に、例えば記録用レーザの最適パワーやストラテジ等の最適記録条件を示す記録条件情報についても、取得可能となる。よって、情報記録装置では、複数の記録層の各々について、最適記録条件で記録が行える。
この場合更に、前記記録速度管理情報は、前記記録速度情報及び前記記録条件情報が前記複数の記録層別に登録され且つインデックスを夫々有するテーブルを有するように構成してもよい。
このように構成すれば、例えば、管理情報領域に、インデックスP2とされたテーブルには、記録速度情報と記録条件情報とが、×1(1倍速)用、×2(2倍速)用…として、登録されており、インデックスP3とされたテーブルには、×1(1倍速)用、×2(2倍速)用、×4(4倍速)用…として、登録されている。従って、情報記録装置においては、テーブルを参照することで、確実且つ迅速に、記録可能最高速度と最適レーザパワーやストラテジ等の最適記録条件とを取得できる。
或いは本発明の情報記録媒体に係る実施形態の他の態様では、当該情報記録媒体は、複数の記録可能最高速度毎の最適記録条件を示す記録条件情報が登録された情報記録装置によって記録されるものであり、前記記録速度管理情報は、前記複数の記録層毎に前記記録可能最高速度を示す記録速度情報を含む。
この態様によれば、その記録時には、先ず、複数の記録層毎に記録可能最高速度を示す記録速度情報が読み込まれる。すると、情報記録装置では、このように読み込まれた記録速度情報に対応するものとして、予め登録されている記録条件情報が取得される。従って、比較的容易にして、これらの情報記録媒体側から取得された記録速度情報と情報記録装置側から取得された記録条件情報とに基づいて、各記録層の各々について最適な記録速度且つ最適な記録条件で、情報の記録を行うことが可能となる。
或いは本発明の情報記録媒体に係る実施形態の他の態様では、当該情報記録媒体は、複数の情報記録媒体を夫々識別する識別情報別に、前記最高速度を示す記録速度情報と前記複数の記録可能最高速度毎の最適記録条件を示す記録条件情報とが登録された情報記録装置によって記録されるものであり、前記記録速度管理情報は、当該情報記録媒体を識別する識別情報を含む。
この態様によれば、その記録時には、先ず、当該情報記録媒体を識別する識別情報が読み込まれる。すると、情報記録装置では、このように読み込まれた識別情報に対応するものとして、予め登録されている記録速度情報と記録条件情報とが取得される。従って、比較的容易にして、これらの情報記録媒体側から取得された識別情報と情報記録装置側から取得された記録速度情報と記録条件情報とに基づいて、各記録層の各々について最適な記録速度且つ最適な記録条件で、情報の記録を行うことが可能となる。
本発明の情報記録媒体に係る実施形態の他の態様では、前記記録速度管理情報は少なくとも部分的に、当該情報記録媒体におけるプレ情報として当該情報記録媒体の製造当初から記録されている。
この態様によれば、複数の記録層の各々についての記録可能最高速度は、製造当初において、実験的、経験的に定められているので、これを規定する記録速度管理情報が、例えば、光ディスクにおけるランドプレピット等のプレピット、エンボスピットなどのプレ情報として予め記録されている。そして、記録時には、先ず、このプレ情報を読み出すことで、記録可能最高速度を、複数の記録層毎に直接的に取得できることとなる。このように記録速度管理情報をプレ情報として確実に読み出すことが可能となる。
本発明の情報記録媒体に係る実施形態の他の態様では、前記記録速度管理情報は少なくとも部分的に、当該情報記録媒体における追記又は書換え可能な情報として記録又は更新される。
この態様によれば、例えば、デフォールトの記録可能最高速度が、情報記録媒体に予め記録されているか又は情報記録装置に予め登録されている。その後、当該情報記録媒体を記録する例えば個別機種の光ディスクレコーダ等の情報記録装置における機能に応じて、或いは、情報記録装置により試験的や実際の記録を実行した際におけるエラーレートの高さ等の再生状況に応じて、新たな記録可能最高速度が設定される。そして、該新たな記録可能最高速度を規定する記録速度管理情報が当該情報記録媒体の管理情報領域に追記又は更新される。従って、実際の使用状況や環境に適合した記録可能最高速度を、該新たな記録速度管理情報の追記や更新の後には、容易に取得することが可能となる。
本発明の情報記録媒体に係る実施形態の他の態様では、前記管理情報領域は、前記複数の記録層のうち、最上層の内周寄りに配置されており且つ前記記録速度管理情報が前記複数の記録層についてまとめて記録された部分を含む。
この態様によれば、管理情報領域は、最上層の内周寄りに配置されており、この部分に、記録速度管理情報が複数の記録層についてまとめて記録されているので、情報記録装置においては、その記録時に、先ず、この部分を読込めば、全ての記録層についての記録速度管理情報をまとめて取得でき、これにより直接的に又は間接的に、全ての記録層についての記録可能最高速度や最適記録条件を取得できる。従って、記録を継続する際に、層間ジャンプを一度或いは繰り返して行なう際にも、層間ジャンプを行なう以前に、層間ジャンプした後に記録する記録層についての記録速度を予め又は迅速に設定できるので、大変有利である。
本発明の情報記録媒体に係る実施形態の他の態様では、前記管理情報領域は、前記複数の記録層毎に設けられている。
この態様によれば、管理情報領域は、複数の記録層毎に設けられているので、その記録時にまとめて全ての記録層についての記録速度管理情報を取得したり、複数の記録層についての記録速度管理情報を、別々に取得することも可能となる。
本発明の情報記録媒体に係る実施形態の他の態様では、前記複数の記録可能最高速度は、前記複数の記録層のうち上層側である程より高速であるように規定されている。
この態様によれば、複数の記録可能最高速度が複数の記録層のうち上層側である程、より高速であるように規定されているので、例えば、上層側の記録層の感度を下層側の記録層の感度と比べて相対的に高く設定すると好都合となる。即ち、上層側の記録層は、下層側の記録層存在による影響を殆ど又は実践上全く受けないので、上層側については、例えば記録用レーザに対する感度が良い構成を採用することで、このように上層側に位置する程、記録可能速度をより高速にできる。更に、積極的に、上層側の記録層における記録可能最高速度を高めつつ、上層側の記録層を記録時に多用する(例えば、記録は、上層側から開始し、上層側が記録済みになってから下層側への記録を開始する)場合にも、大変有利となる。
(情報記録装置の実施形態)
次に、本発明の実施形態に係る情報記録装置について説明する。
本発明の情報記録装置に係る実施形態は、情報を夫々記録するための複数の記録層を備える情報記録媒体であって、前記複数の記録層の少なくとも一つは、前記情報を記録する際における記録可能最高速度を規定する記録速度管理情報が記録される管理情報領域を有する情報記録媒体に情報を記録する情報記録装置であって、前記管理情報領域から前記記録速度管理情報を読み込む読込手段と、前記読み込まれた記録速度管理情報により規定される前記複数の記録層毎の前記記録可能最高速度のうち、前記情報を記録すべき記録対象層に対応する記録可能最高速度の範囲内で、前記記録対象層に対応する記録速度を設定する記録速度設定手段と、前記設定された記録速度で前記記録対象層に対して前記情報を記録する記録手段とを備える。
本発明の情報記録装置に係る実施形態によれば、その動作時には、先ず、読込手段によって、情報記録媒体の管理情報領域に記録された記録速度管理情報が予め複数層の全てについて読み込まれる。そして、この記録速度管理情報に基づけば、記録可能最高速度を、複数の記録層毎に、(例えば、前述の“記録速度情報”として)直接的に取得できるか又は間接的に(例えば、前述の“識別情報”を介して)取得できる。更に、これに紐付けられた情報として取得可能な、例えば記録用レーザの最適パワーやストラテジ等を規定する情報(例えば、前述の最適記録条件を示す“記録条件情報”)についても、複数の記録層毎に、直接的に又は間接的に取得してもよい。
次に、記録速度設定手段によって、記録対象層について取得された記録可能最高速度の範囲内で、該記録対象層に対応する記録速度が設定され、記録手段によって、このように設定された記録速度にて記録が行なわれる。更に、例えば、パラレル方式又はオポジット方式の下で層間ジャンプされ、異なる記録層間での記録が行なわれる。
以上のように、複数の記録層間において設計要因などで物理的に記録可能な最高速度が、大なり小なり相異なっている場合にも、或いは、各記録層における記録可能最高速度を積極的に相異なるように設計した場合にも、他の記録層における記録速度による制限を受けることなく、複数の記録層の各々について潜在的に可能である最も高い記録速度による記録が行える。
本発明の情報記録装置に係る実施形態の一態様では、前記記録速度管理情報は、前記複数の記録層毎に前記記録可能最高速度を示す記録速度情報を含み、更に、前記記録速度情報に対応する形で、前記複数の記録層毎に最適記録条件を示す記録条件情報を含み、前記記録速度設定手段は、前記記録速度管理情報の少なくとも一部として読み込まれた前記記録速度情報及び前記記録条件情報に基づいて、前記記録対象層に対応する前記記録速度及び記録条件を設定する。
この態様によれば、記録速度情報及び記録条件情報は、情報記録媒体側に記録されているので、記録時には先ず、これらの情報を読み込むことで、情報記録装置の側では容易に、記録速度及び記録条件を設定できる。また、情報記録装置の製造時に予め、例えば、メモリ等の記憶手段に記録しておく手間を省くことができる。
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様では、前記記録速度管理情報は、前記複数の記録層毎に前記記録可能最高速度を示す記録速度情報を含み、複数の記録可能最高速度毎の最適記録条件を示す記録条件情報が登録されている記憶手段を更に備え、前記読込手段は、前記記録速度管理情報の少なくとも一部として、前記記録速度情報を読み込み、前記記録速度設定手段は、前記読み込まれた記録速度情報と前記記憶手段に登録されている前記記録条件情報のうち前記読み込まれた記録速度情報に対応するものとに基づいて、前記記録速度及び記録条件を設定する。
この態様によれば、記録速度情報は、情報記録媒体側に記録されており、記録条件情報は、情報記録装置側に記録されているので、記録時には先ず、記録速度情報を読み込めば、これに対応する記録条件情報を取り出せる。従って、情報記録装置の側では容易に、記録速度及び記録条件を設定できる。
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様では、前記記録速度管理情報は、当該情報記録媒体を識別する識別情報を含み、複数の情報記録媒体を夫々識別する識別情報別に、前記最高速度を示す記録速度情報と前記複数の記録可能最高速度毎の最適記録条件を示す記録条件情報とが登録されている記憶手段を更に備え、前記読込手段は、前記記録速度管理情報の少なくとも一部として、前記識別情報を読み込み、前記記録速度設定手段は、前記記憶手段に登録されている前記記録速度情報及び前記記録条件情報のうち、前記読み込まれた識別情報に対応するものに基づいて、前記記録速度及び記録条件を設定する。
この態様によれば、記録速度情報及び記録条件情報は、情報記録装置側に記録されているので、記録時には先ず、識別情報を読み込めば、これに対応する記録速度及び記録条件を容易に設定できる。
(情報記録方法の実施形態)
次に、本発明の実施形態に係る情報記録方法について説明する。
本発明の情報記録方法に係る実施形態は、情報を夫々記録するための複数の記録層を備える情報記録媒体であって、前記複数の記録層の少なくとも一つは、前記情報を記録する際における記録可能最高速度を規定する記録速度管理情報が記録される管理情報領域を有する情報記録媒体に情報を記録する情報記録方法であって、前記管理情報領域から前記記録速度管理情報を読み込む読込工程と、前記読み込まれた記録速度管理情報により規定される前記複数の記録層毎の前記記録可能最高速度のうち、前記情報を記録すべき記録対象層に対応する記録可能最高速度の範囲内で、前記記録対象層に対応する記録速度を設定する記録速度設定工程と、前記設定された記録速度で前記記録対象層に対して前記情報を記録する記録工程とを備える。
本発明の情報記録方法に係る実施形態によれば、上述した本発明の情報記録装置の場合と同様に、複数の記録層の各々について潜在的に可能である最も高い記録速度による記録が行える。
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされる。
以上説明したように、本発明の情報記録媒体に係る実施形態によれば、基板と、記録速度管理情報が記録される管理情報領域を有する複数の記録層とを備える。従って複数の記録層の各々について潜在的に可能である最も高い記録速度による記録が可能となる。本発明の情報記録装置及び方法に係る実施形態によれば、読込手段及び工程、記録速度設定手段及び工程、並びに、記録手段及び工程とを備える。従って複数の記録層の各々について潜在的に可能である最も高い記録速度による記録が可能となる。
(情報記録媒体)
(第1実施例)
次に図1から図8を参照して、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る光ディスクについて詳細に説明する。
先ず図1を参照して、第1実施例に係る光ディスクの基本構造について説明する。ここに図1は、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る光ディスクの基本構造を示し、上側部分は複数の記録領域を有する光ディスクの概略平面図であり、これに対応付けられる下側部分は、その径方向における記録領域構造の図式的概念図である。
図1に示すように、光ディスク100は、例えば、DVDと同じく直径12cm程度のディスク本体上の記録面に、センターホール1を中心として内周側から外周側に向けて、本実施例に係るリードインエリア101、データゾーン102及びリードアウトエリア103が設けられている。そして、各記録領域には、例えば、センターホール1を中心にスパイラル状或いは同心円状に、例えば、グルーブトラック及びランドトラック等のトラック10が交互に設けられている。また、このトラック10上には、データがECCブロック11という単位で分割されて記録される。ECCブロック11は、記録情報がエラー訂正可能なプリフォーマットアドレスによるデータ管理単位である。
尚、本発明は、このような三つのエリアを有する光ディスクには特に限定されない。例えば、リードインエリア101やリードアウトエリア103が存在せずとも、以下に説明するデータ構造等の構築は可能である。また、後述するように、リードインエリア101やリードアウト103は更に細分化された構成であってもよい。
図2に示すように、第1実施例に係る光ディスク100では、複数のデータゾーン102等が例えば積層構造に形成される2層型の光ディスクとして構成されている。ここに、図2は、第1実施例の光ディスクの記録面における部分拡大斜視図である。
図2において、第1実施例では、光ディスク100は、ディスク状の透明基板106上に(図2では下側に)、情報記録面を構成する相変化型又は加熱などによる非可逆変化記録型の第1記録層107が積層され、更にその上に(図2では下側)に、半透過反射膜108が積層されている。第1記録層107の表面からなる情報記録面には、グルーブトラックGT及びランドトラックLTが交互に形成されている。尚、光ディスク100の記録時及び再生時には、例えば図2に示したように、透明基板106を介してグルーブトラックGT上に、レーザ光LBが照射される。例えば、記録時には、記録レーザパワーでレーザ光LBが照射されることで、記録データに応じて、第1記録層107への相変化による書き込み又は加熱などによる非可逆変化記録が実施される。他方、再生時には、記録レーザパワーよりも弱い再生レーザパワーでレーザ光LBが照射されることで、第1記録層107へ書き込みされた記録データの読出しが実施される。
本実施例では、グルーブトラックGTは、一定の振幅及び空間周波数で揺動されている。即ち、グルーブトラックGTは、ウォブリングされており、そのウォブル109の周期は所定値に設定されている。ランドトラックLT上にはプリフォーマットアドレス情報を示すランドプリピットLPと呼ばれるアドレスピットが形成されている。この2つのアドレッシング(即ち、ウォブル109及びランドプリピットLP)により記録中のディスク回転制御や記録クロックの生成、また記録アドレス等のデータ記録に必要な情報を得ることができる。尚、グルーブトラックGTのウォブル109を周波数変調や位相変調など所定の変調方式により変調することによりプリフォーマットアドレス情報を予め記録するようにしてもよい。
本実施形態では特に、半透過反射膜108上(図2では下側)に、第2記録層207が形成され、更にその上(図2では下側)に、反射膜208が形成されている。第2記録層207は、透明基板106、第1記録層107及び半透過反射膜108を介してレーザ光LBが照射されることで、第1記録層107と概ね同様に、相変化型又は加熱などによる非可逆変化記録型の記録及び再生が可能なように構成されている。このような第2記録層207及び反射膜208については、第1記録層107及び半透過反射膜108等が形成された透明基板106上に成膜形成してもよいし、別基板上に成膜形成した後に、これを透明基板106に貼り合わせるようにしてもよい。尚、半透過反射膜108と第2記録層207との間には、製造方法に応じて適宜、透明接着剤等からなる透明な中間層205が設けられる。
このような二層型の光ディスク100の記録再生時には、レーザ光LBの集光位置をいずれの記録層に合わせるかに応じて、第1記録層107における記録再生が行なわれるか又は第2記録層207における記録再生が行われる。
尚、第1実施例に係る光ディスク100は、図2に示した如き、2層片面、即ち、デュアルレイヤーに限定されるものではなく、1層両面、即ちダブルサイド、又は、2層両面、即ちデュアルレイヤーダブルサイドであってもよい。更に、上述の如く2層の記録層を有する光ディスクに限られることなく、3層以上の多層型の光ディスクであってもよい。
(パラレル方式)
次に、図3を参照して、第1実施例に係るパラレル方式の場合の光ディスクについてのデータ構造をより詳細に説明する。ここに、図3は、第1実施例に係るパラレル方式の場合の光ディスクのデータ構造の例を概念的に示すデータ構造図である。
図3に示すように、第1実施例に係る光ディスク100は、図2に示した第1及び第2記録層として、L0層とL1層を含んでなる。
L0層には、内周側から外周側にかけて、リードインエリア101−0、データゾーン102−0及びリードアウトエリア103−0が設けられている。このリードインエリア101−0には、図示しないOPC(Optimum Power Calibration)エリア等が設けられている。
また、L1層にも、内周側から外周側にかけて、リードインエリア101−1、データゾーン102−1及びリードアウトエリア103−1が設けられている。このリードインエリア101−1にも、図示しないOPCエリア等が設けられている。
そして、後述される情報記録再生装置の光ピックアップによって、レーザ光は、図示しない基板の側から、即ち、図3中の下側から上側に向けて照射され、その焦点距離等が制御されると共に、光ディスクの半径方向における移動距離及び方向が制御される。これにより、夫々の記録層にデータを記録し、また情報再生装置として機能する場合には記録されたデータを再生する。
データの記録又は再生方法には、光ピックアップによる光ディスクの半径方向における移動方向の観点から、パラレル方式とオポジット方式の2種類があり、第1実施例では、パラレル方式が採用されている。
ここに、パラレル方式とは、L0層において、情報記録再生装置の光ピックアップが内周側から外周側へ向かって、即ち、図3中の矢印の右方向へ移動されるのと同様にして、L1層においても、光ピックアップが内周側から外周側へ向かって、即ち、図3中の矢印の右方向へ移動される方式である。
このパラレル方式では、L0層における記録又は再生が終了されると、L1層における記録又は再生が開始される時に、光ディスクの最外周にある光ピックアップが再度、最内周へ向かって移動する必要があるためL0層からL1層への切り換え時間がその分だけ掛かる。
他方のオポジット方式については、後述される図9を参照して第2実施例において説明される。
次に、図4から図8を参照して、パラレル方式を採用した第1実施例に係る光ディスクのL0層及びL1層のリードインエリアに記録されるランドプリピットのデータの種類、ランドプリピットのリードインエリアにおける配置、並びに、ランドプリピットによって記録可能最高速度と最適記録条件とが識別される原理について説明する。尚、説明の便宜上、最初に、記録可能最高速度が低速な1倍速であるL1層について説明し、次に、記録可能最高速度が高速な4倍速であるL0層について説明する。
先ず、図4を参照して、第1実施例に係る光ディスクのL1層のリードインエリアに記録されるランドプリピットのデータの種類について説明する。ここに、図4は、第1実施例に係る光ディスクのL1層のリードインエリアに記録されるランドプリピットのデータの分類を示したテーブル図である。尚、このテーブル図は、左側の列からフィールド識別番号(Field ID)、記録される情報(Content)及び記録場所(Location)を示す。
図4に示されるように、L1層のリードインエリアに記録されるランドプリピットのデータは、フィールド識別番号によってID#0からID#5に分類される。
ID#0によって識別されるランドプリピットには、ECC(Error Correcting Code)ブロックアドレスの情報が記録される。このランドプリピットは、光ディスクの全記録領域において配置される。ここに、ECCブロックアドレスとは、誤り訂正が可能な記録単位、即ち、ECCブロックを基準とした位置情報である。
ID#1によって識別されるランドプリピットには、後述される本発明に係るインデックスの一例を構成する拡張情報等の情報が記録される。このランドプリピットは、光ディスクのリードインエリアにおいて配置される。
ID#2及びID#5によって識別されるランドプリピットには、本発明に係る記録速度情報及び記録条件情報の一例を構成する1倍速用ストラテジ情報が記録される。これらのランドプリピットは、光ディスクのリードインエリアにおいて配置される。
ID#3及びID#4によって識別されるランドプリピットには、本発明に係る識別情報の一例を構成する製造識別番号の情報が記録される。これらのランドプリピットは、光ディスクのリードインエリアにおいて配置される。
次に、図5を参照して、パラレル方式を採用した第1実施例に係る光ディスクのL1層におけるランドプリピットのリードインエリアにおける配置について説明する。ここに、図5は、パラレル方式を採用した第1実施例に係る光ディスクのL1層におけるランドプリピットのリードインエリアにおける配置及びECCブロックアドレスを示したテーブル図である。尚、このテーブル図は、左側の列からフィールド識別番号、記録場所及びECCブロックアドレスを示す。
図5に示されるように、ID#1からID#5若しくはID#0のフィールド識別番号によって識別されるランドプリピットが、L1層のリードインエリアにおいて、周期的に記録されている。これらのランドプリピットは、例えば「FFDD05」から「FFCFFF」までのECCブロックアドレスに配置されている。
次に、図6を参照して、第1実施例に係る光ディスクのL0層のリードインエリアに記録されるランドプリピットのデータの種類について説明する。ここに、図6は、第1実施例に係る光ディスクのL0層のリードインエリアに記録されるランドプリピットのデータの分類を示したテーブル図である。尚、このテーブル図の構造は、前述した図4と同様である。
図6に示されるように、L0層のリードインエリアに記録されるランドプリピットのデータは、フィールド識別番号(Field ID)によってID#0からID#13に分類される。
ID#0からID#5によって識別されるランドプリピットには、前述した図4で説明したL1層のリードインエリアに記録されるランドプリピットと同様のデータが記録される。
ID#6及びID#7によって識別されるランドプリピットには、本発明に係る記録速度情報及び記録条件情報の一例を構成する2倍速用ストラテジ情報が記録される。これらのランドプリピットは、光ディスクのリードインエリアにおいて配置される。
ID#8からID#13によって識別されるランドプリピットには、本発明に係る記録速度情報及び記録条件情報の一例を構成する4倍速用ストラテジ情報が記録される。これらのランドプリピットは、光ディスクのリードインエリアにおいて配置される。
次に、図7を参照して、パラレル方式を採用した第1実施例に係る光ディスクのL0層におけるランドプリピットのリードインエリアにおける配置について説明する。ここに、図7は、パラレル方式を採用した第1実施例に係る光ディスクのL0層におけるランドプリピットのリードインエリアにおける配置及びECCブロックアドレスを示したテーブル図である。尚、このテーブル図の構造は、前述した図5と同様である。
図7に示されるように、ID#1からID#13若しくはID#0のフィールド識別番号によって識別されるランドプリピットが、L0層のリードインエリアにおいて、周期的に記録されている。これらのランドプリピットは、例えば「FFDD05」から「FFCFFF」までのECCブロックアドレスに配置されている。
次に、図8を参照して、パラレル方式を採用した第1実施例に係る光ディスクのL0層及びL1層のリードインエリアに記録されるランドプリピットによって記録可能最高速度と最適記録条件が識別される原理について説明する。
ここに、図8は、第1実施例に係る光ディスクのL0層及びL1層のリードインエリアに記録されるフィールド識別番号がID#1であるランドプリピットのデータの詳細構造を示したテーブル図等である。
図8に示されるように、ID#1には、16行×13列のマトリックスの2進数のビット列で表現されるデータが記録される。1列目のビットはSYNCビット、即ち、同期をとるためのビットである。2から5列目のビットはデータ種類を記録したビット列である。6から13列目のビットは実際のデータが記録される。
具体的には、データ種類が「0000」から「0010」までのデータは、相対的なブロックアドレスを意味し、データ種類が「0011」から「0101」までのデータは、パリティを意味し、データ種類が「1100」のデータの後半部分、即ち、10列目から13列目のデータは本発明に係るインデックスの一例を構成する拡張情報を意味する。
このようなフィールド識別番号がID#1であるランドプリピットに記録された拡張情報が後述される情報記録再生装置によって読み込まれることにより、L0層及びL1層における記録可能最高速度と最適記録条件が選択されることが可能となる。
具体的には、図8の下部分に示された拡張情報は、コード及び最大フィールド識別番号から構成されている。より具体的には、拡張情報のコードが「0000」である場合には、最大フィールド識別番号は「ID#5」となり、拡張情報のコードが「0010」である場合には、最大フィールド識別番号は「ID#13」となり、拡張情報のコードが「0011」である場合には、最大フィールド識別番号は「ID#18」となる。
ここで、L1層のフィールド識別番号がID#1であるランドプリピットに記録された拡張情報が「0000」に設定された場合、この拡張情報が、情報記録再生装置によって読み込まれることにより、最大フィールド識別番号は「ID#5」となり、前述した図4及び図5で説明したように、1倍速用ストラテジ情報が選択されることが可能となる。
他方、L0層のフィールド識別番号がID#1であるランドプリピットに記録された拡張情報が「0010」に設定された場合、この拡張情報が、情報記録再生装置によって読み込まれることにより、最大フィールド識別番号は「ID#13」となり、前述した図6及び図7で説明したように、1倍速、2倍速又は4倍速用ストラテジ情報が選択されることが可能となる。
(第2実施例−オポジット方式−)
次に、図9から図11に加えて前述した図8を適宜参照して、オポジット方式を採用した第2実施例に係る光ディスクのデータ構造、L0層のリードインエリアに記録されるランドプリピットのデータの種類、ランドプリピットのリードインエリアにおける配置、並びに、ランドプリピットによって記録可能最高速度と最適記録条件の識別原理について説明する。
先ず、図9を参照して、第2実施例に係る光ディスクについてのデータ構造を詳細に説明する。ここに、図9は、第2実施例に係る光ディスクのデータ構造の例を概念的に示すデータ構造図である。
第2実施例に係る光ディスクの基本的な物理的特性及び構造は、第1実施例に係る光ディスクと同様である。
図9に示すように、第2実施例に係る光ディスク100は、図示しない基板と該基板に積層された2層の記録層、即ち、L0層とL1層を含んでなる。
L0層には、内周側から外周側にかけて、リードインエリア101−0、データゾーン102−0及びミドルエリア104−0が設けられている。
また、L1層には、内周側から外周側にかけて、リードインアウト103−1、データゾーン102−1及びミドルエリア104−1が設けられている。
特に、第2実施例に係る光ディスクでは、データの記録又は再生方法において、オポジット方式が採用されている。ここに、オポジット方式とは、情報記録再生装置によってL0層において、光ピックアップが内周側から外周側へ向かって、即ち、図9中の矢印の右方向へ移動されるのとは逆に、L1層においては、光ピックアップが外周側から内周側へ向かって、即ち、図9中の矢印の左方向へ移動される方式である。
このオポジット方式では、L0層における記録又は再生が終了されると、L1層における記録又は再生が開始される時に、光ディスクの最外周にある光ピックアップが再度、最内周へ向かって移動する必要はなく、L0層からL1層への焦点距離だけを切り換えればよいため、L0層からL1層への切り換え時間がパラレル方式と比較して短い。
次に、図10を参照して、第2実施例に係る光ディスクのL0層のリードインエリアに記録されるランドプリピットのデータの種類について説明する。ここに、図10は、第2実施例に係る光ディスクのL0層のリードインエリアに記録されるランドプリピットのデータの分類を示したテーブル図である。尚、このテーブル図の構造は、前述した図4と同様である。
図10に示されるように、L0層のリードインエリアに記録されるランドプリピットのデータは、フィールド識別番号(Field ID)によってID#0からID#18に分類される。
ID#0からID#5によって識別されるランドプリピットには、前述した第1実施例を、図5を参照して、説明したL1層のリードインエリアに記録されるランドプリピットのデータと同様である。
ID#6によって識別されるランドプリピットには、その他の情報が、光ディスクのL0層のリードインエリアにおいて記録される。
ID#7及びID#10によって識別されるランドプリピットには、本発明に係る記録速度情報及び記録条件情報の一例を構成するL0層用の1倍速用ストラテジ情報が、光ディスクのL0層のリードインエリアにおいて記録される。
ID#8及びID#9によって識別されるランドプリピットには、本発明に係る識別情報の一例を構成する製造識別番号の情報が、光ディスクのL0層のリードインエリアにおいて記録される。
ID#11及びID#12によって識別されるランドプリピットには、本発明に係る記録速度情報及び記録条件情報の一例を構成するL0層用の2倍速用ストラテジ情報が、光ディスクのL0層のリードインエリアにおいて記録される。
ID#13からID#18によって識別されるランドプリピットには、本発明に係る記録速度情報及び記録条件情報の一例を構成するL0層用の4倍速用ストラテジ情報が、光ディスクのL0層のリードインエリアにおいて記録される。
次に、図11を参照して、オポジット方式を採用した第2実施例に係る光ディスクのL0層におけるランドプリピットのリードインエリアにおける配置について説明する。ここに、図11は、オポジット方式を採用した第2実施例に係る光ディスクのL0層におけるランドプリピットのリードインエリアにおける配置及びECCブロックアドレスを示したテーブル図である。尚、このテーブル図の構造は、前述した第1実施例における図5と同様である。
図11に示されるように、ID#1からID#18若しくはID#0のフィールド識別番号によって識別されるランドプリピットがL0層のリードインエリアにおいて、周期的に記録されている。これらのランドプリピットは、例えば「FFDD05」から「FFCFFF」までのECCブロックアドレスに配置されている。
次に、前述した図8を参照して、オポジット方式を採用した第2実施例に係る光ディスクのL0層のリードインエリアに記録されるランドプリピットによって記録可能最高速度と最適記録条件が識別される原理について説明する。
図8で示されたフィールド識別番号がID#1であるランドプリピットに記録された拡張情報が後述される情報記録再生装置によって読み込まれることにより、L0層及びL1層における記録可能最高速度と最適記録条件が選択されることが可能となる。
具体的には、前述した図8の下部分に示されるように、L0層のフィールド識別番号がID#1であるランドプリピットに記録された拡張情報が「0011」に設定された場合、この拡張情報が、情報記録再生装置によって読み込まれることにより、最大フィールド識別番号は「ID#18」となり、前述した図10及び図11で説明したように、L1層に対しては、1倍速用ストラテジ情報が選択されると同時に、L0層に対しては、1倍速、2倍速又は4倍速用ストラテジ情報が選択されることが可能となる。
(情報記録再生装置)
次に図12を参照して、本発明に係る情報記録装置の構成及び動作について説明する。特に、本実施例は、本発明に係る情報記録装置を前述した光ディスク用の情報記録再生装置に適用した例である。
先ず、図12を参照して、本発明の実施例に係る情報記録再生装置300の構成について説明する。ここに、図12は、本発明の実施例に係る情報記録再生装置300のブロック図である。尚、情報記録再生装置300は、光ディスク100に記録データを記録する機能と、光ディスク100に記録された記録データを再生する機能とを備える。
図12を参照して情報記録再生装置300の内部構成を説明する。情報記録再生装置300は、プロセッサ354の制御下で、光ディスク100に情報を記録すると共に、光ディスク100に記録された情報を読み取る装置である。
情報記録再生装置300は、光ディスク100、スピンドルモータ351、光ピックアップ352、信号記録再生手段353、プロセッサ(ドライブ制御手段)354、メモリ355、データ入出力制御手段306、操作ボタン310、表示パネル311、及びバス357により構成されている。
スピンドルモータ351は光ディスク100を回転及び停止させるもので、光ディスクへのアクセス時に動作する。より詳細には、スピンドルモータ351は、図示しないサーボユニット等によりスピンドルサーボを受けつつ所定速度で光ディスク100を回転及び停止させるように構成されている。
光ピックアップ352は光ディスク100への記録再生を行うもので、レーザー装置とレンズから構成される。より詳細には、光ピックアップ352は、光ディスク100に対してレーザービーム等の光ビームを、再生時には読み取り光として第1のパワーで照射し、記録時には書き込み光として第2のパワーで且つ変調させながら照射する。
信号記録再生手段353は、スピンドルモータ351と光ピックアップ352を制御することで光ディスク100に対して記録再生を行う。
メモリ355は、記録再生データのバッファ領域や、信号記録再生手段353で使用出来るデータに変換する時の中間バッファとして使用される領域などディスクドライブ300におけるデータ処理全般において使用される。また、メモリ355はこれらレコーダ機器としての動作を行うためのプログラムが格納されるROM領域と、映像データの圧縮伸張で用いるバッファやプログラム動作に必要な変数が格納されるRAM領域などから構成される。
特に、本実施例では、メモリ355は、本発明に係る記憶手段の一例を構成し、このメモリ355において、L0層に加えて又は代えてL1層における記録可能最高速度と最適レーザパワーやストラテジ等の最適記録条件が取得される。
プロセッサ(ドライブ制御手段)354は、信号記録再生手段353、メモリ355と、バス357を介して接続され、各制御手段に指示を行うことで、情報記録再生装置300全体の制御を行う。通常、プロセッサ354が動作するためのソフトウェアは、メモリ355に格納されている。
データ入出力制御手段306は、情報記録再生装置300に対する外部からデータ入出力を制御し、メモリ355上のデータバッファへの格納及び取り出しを行う。データの入出力が映像信号である場合には、データ入力時には外部から受け取ったデータをMPEGフォーマットに圧縮(エンコード)してからメモリ355へ出力し、データ出力時には、メモリ355から受け取ったMPEGフォーマットのデータを伸張(デコード)してから外部へ出力する。
操作制御手段307は情報記録再生装置300に対する動作指示受付と表示を行うもので、記録又は再生といった操作ボタン310による指示をプロセッサ354に伝え、記録中や再生中といった情報記録再生装置300の動作状態を蛍光管などの表示パネル311に出力する。
このように、情報記録再生装置300の一例である、家庭用機器では映像を記録再生するレコーダ機器である。このレコーダ機器は放送受信チューナや外部接続端子からの映像信号をディスクに記録し、テレビなど外部表示機器にディスクから再生した映像信号を出力する機器である。メモリ355に格納されたプログラムをプロセッサ354で実行させることでレコーダ機器としての動作を行っている。
(情報記録装置による記録動作の流れ)
次に図13を参照して、本発明の実施例に係る光ディスクの情報記録装置による記録動作の流れについて詳細に説明する。ここに、図13は本発明の実施例に係る情報記録装置による光ディスクの記録動作を示したフローチャート図である。
先ず、図13に示されるように、パラレル方式の場合、情報記録装置の光ピックアップによって、前述したL0層及びL1層のリードインエリアにおける、本発明に係るインデックスの一例を構成する拡張情報が読み込まれ、取得される(ステップS101)。他方、オポジット方式の場合、前述したように、例えばL0層のリードインエリアにおける拡張情報が読み込まれ、取得される。
従って、L0層に加えて又は代えてL1層における記録可能最高速度と最適レーザパワーやストラテジ等の最適記録条件が情報記録装置のメモリ等に取得される。尚、ここでは、本発明の実施例に係る光ディスクが挿入されていると仮定する。
次に、情報記録装置の光ピックアップは、対象となる記録層へ移動される(ステップS102)。
次に、対象となる記録層がL0層であるか否かが判定される(ステップS103)。ここで、対象となる記録層がL0層である場合(ステップS103:Yes)、L0層における記録可能最高速度と最適レーザパワーやストラテジ等の最適記録条件が選択される(ステップS104)。
他方、ステップS103の判定の結果、対象となる記録層がL1層である場合(ステップS103:No)、L1層における記録可能最高速度と最適レーザパワーやストラテジ等の最適記録条件が選択される(ステップS105)。
続いて、対象となる記録層に対して、選択された最適記録条件の下で記録用レーザが照射され、実際の記録が行われる(ステップS106)。
尚、上述の実施例では、パラレル方式とオポジット方式とについて説明したが、例えば層間ジャンプを頻繁に行なうような他の方式に対しても、本発明は適用可能である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なう情報記録媒体、情報記録装置及び方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。