JP2006178393A - 画像読み取り装置、及び画像読み取り装置付き記録装置 - Google Patents

画像読み取り装置、及び画像読み取り装置付き記録装置 Download PDF

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Masahiro Yanai
將浩 谷内
Junichiro Natori
潤一郎 名取
Hiroshi Kusumoto
弘 楠本
Masafumi Kawachi
雅史 河内
Akira Hirose
明 広瀬
Hiroshi Kubo
宏 久保
Tatsuaki Nagano
竜明 長野
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Abstract

【課題】粘着系異物、及び浮遊系異物に対する防汚性に優れた画像読み取り装置を提供する。
【解決手段】読み取り部1と原稿Pとの間に透光性部材(コンタクトガラス)3を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行う画像読み取り装置100において、透光性部材3の原稿Pと相対する面に防汚層を設けることとし、この防汚層は、少なくともシリコーン系材料を含有した材料を成膜し、さらにこれに電離放射線により架橋して改質されたものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ファクシミリ、スキャナー複写機、複合機等に適用される画像読み取り装置及び画像読み取り装置付き記録装置(複写機)に関するものであり、特にコピー上の汚れ対策や紙詰り対策に関するものである。
従来技術では、画像読み取り装置を、シートスルー方式と称して、原稿を副走査方向に移送させ、原稿を固定し読み取り部を副走査させる方式の原稿を固定位置に置かれた読み取り部により読み取る方式のものがある。
しかしながら、この方式によると、原稿は読み取りの際、コンタクトガラスに接触しながら通過するので、原稿の画像面側に付いた粉塵、粘着剤、接着剤、油性インク、修正液等のコンタクトガラス上への付着が避けられないという問題があった。
そしてこの付着物がコンタクトガラスの読み取り位置に付着すると、読み取った画像信号にその影響が現れ、画像を劣化させる。
コンタクトガラス上への粉塵等の付着物は、原稿固定の画像読み取り装置では、黒点として発生するだけであるのに対し、シートスルー方式の読み取り装置の場合、副走査方向に繋がる、いわゆる黒スジの発生となってしまい、その影響は遥かに大きい。
このような付着を防止する方法としては、パーフルオロ・アルキルポリエーテルと側鎖がモノアミノアルキル基、またはジアミノアルキル基を含むアミノ基で変性されたポリジメチルシロキサンを板ガラスに塗布したり(例えば、特許文献1、2参照)、ガラス表面に光触媒のような汚れ分解機能を有する材料をコーティングしたり(例えば、特許文献3、4参照)する方法が知られている。これらの方法は、いずれも防汚性は良好であるが、防汚性の持続性が未だ充分ではないという課題を有しており、特に、汚染物質分解には効果は良好であるが、粘着剤付着等の防汚性に劣る等の問題があった。
特開2001−226145号公報 特開2001−238044号公報 特開2000−39680号公報 特開平9−179197号公報
ところで、汚染物質の種類を大別すると、浮遊系と粘着系のものがある。
浮遊系の異物はホコリ、紙粉、トナー等で、粘着系の異物は、原稿についた糊がコンタクトガラスに付着し、原稿を通紙することによって、コンタクトガラスに付着した糊に原稿に乗っているトナーが堆積してできると考えられる。
このようにコンタクトガラスに浮遊系の異物が溜まってしまい、画像劣化に繋がる可能性が高い。
上記従来文献に記載されている技術では、粘着系及び浮遊系の異物をコンタクトガラスに付着させないように、原稿とコンタクトガラスを接触させずに搬送し、画像読み取りを行うようにしているが、経時で考えると、防汚性付与層の摩滅等により、防汚性が低下してしまい、結局は粘着系及び浮遊系の異物がコンタクトガラスに付着し、画像を劣化させてしまう。
そこで本発明においては、上述したような従来の問題に鑑みて、粘着系と浮遊系異物の双方への防汚性付与に有効な画像読み取り装置を提供することとした。
具体的には、上記のような異物がコンタクトガラスに付着しないような構造あるいは低表面エネルギーの防汚層を設けること、更には仮に異物がコンタクトガラスの画像読み取り部に存在しても、簡単に除去できるような構造及び耐摩耗性あるいは潤滑性を付与する防汚層構造を提案するものである。
さらに、このような異物が付着しにくい画像読み取り装置を具備することにより、常時高画質記録が維持できる記録装置(複写機)を提案するものである。
本発明においては、上述したような従来における問題点の解決を図るべく、鋭意検討した結果、下記の提案を行った。
請求項1に係る発明においては、画像読み取り部と原稿との間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行う画像読み取り装置であって、透光性部材の前記原稿と相対する面に防汚層を設け、この防汚層は、少なくともシリコーン系材料を含有しており、シリコーン系材料は、電離放射線により架橋して改質されているものとした画像読み取り装置を提供する。
請求項2に係る発明においては、前記防汚層が、少なくとも放射線架橋性官能基を有するシリコーン系材料を含有しているものとする。
請求項3に係る発明においては、前記放射線架橋性官能基が、少なくともアクリロイルアルキル基、メタクリロイルアルキル基、及びメルカプトアルキル基のいずれかであるものとする。
請求項4に係る発明においては、前記防汚層が、少なくとも放射線架橋性官能基を有するフッ素基を持つシリコーン系材料を含有しているものとする。
請求項5に係る発明においては、前記防汚層が、少なくともフッ素基を持つシリコーン系材料と、パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物、又はケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物、又は加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造あるいはフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素構造を持つフッ素化合物とを含有しており、電離放射線により架橋して改質されているものとした画像読み取り装置を提供する。
請求項6に係る発明においては、前記透光性部材表面に、微細な凹凸が設けられているものとする。
請求項7に係る発明においては、前記防汚層は、前記透光性部材表面の前処理を行った後に設けられたものであり、前記透光性部材表面の前処理は、表面改質及び表面洗浄処理であり、当該前処理が、アルカリ処理、プラズマ処理、溶剤洗浄処理、エッチング処理の少なくともいずれかよりなるものとした画像読み取り装置を提供する。
請求項8に係る発明においては、前記電離放射線が、少なくとも電子線、ガンマ線、及び紫外線の、少なくともいずれか一種の放射線であるものとする。
請求項9に係る発明においては、前記電離放射線の照射が無酸素雰囲気下で行われ、かつ照射に要する線量範囲が1kGy〜10MGyであるものとした画像読み取り装置を提供する。
請求項10に係る発明においては、画像読み取り部と原稿との間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行う画像読み取り装置を具備する画像読み取り装置付き記録装置であって、前記透光性部材の前記原稿と相対する面に防汚層が設けることとし、この防汚層は、少なくともシリコーン系材料を含有しており、当該シリコーン系材料は、電離放射線により架橋して改質されているものであるものとした画像読み取り装置付き記録装置を提供する。
請求項11に係る発明においては、画像読み取り部と原稿との間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行う画像読み取り装置を具備する画像読み取り装置付き記録装置であって、前記透光性部材の前記原稿と相対する面に防汚層が設けられており、この防汚層が、少なくともフッ素基を持つシリコーン系材料と、パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物、又はケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物、又は加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造あるいはフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素構造を持つフッ素化合物とを含有しており、前記フッ素基を持つシリコーン系材料、及び前記フッ素化合物は、電離放射線により架橋して改質されているものとした画像読み取り装置付き記録装置を提供する。
請求項1、10に係る発明によれば、画像読み取り部と原稿の間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行う画像読み取り装置、及びこれを具備する画像読み取り装置付き記録装置において、透光性部材の原稿と相対する面に防汚層を設けることとし、この防汚層は、少なくともシリコーン系材料を含有しているものとし、かつ電離放射線により架橋して改質されているものとしたことによって、シリコーン系材料由来の低表面エネルギー等により防汚層に防汚性が付与され、更に電離放射線により架橋して改質するようにしたことによりシリコーン系材料構造が変化し、潤滑性の向上が図られ、経時での防汚層の摩滅を防止し、耐久性に優れ、従来問題となっていた画質劣化を防止することができた。
請求項2に係る発明によれば、防汚層に関して、少なくとも放射線架橋性官能基を有するシリコーン系材料を含有している材料を適用したことにより、シリコーン系材料由来の低表面エネルギー等によって防汚層に防汚性が付与され、更に放射線架橋官能基の機能により架橋が容易となり、潤滑性のさらなる向上が図られ、経時での防汚層の摩滅を防止し、耐久性に優れ、画質劣化を効果的に防止することができた。
請求項3に係る発明によれば、上記放射線架橋性官能基について、少なくともアクリロイルアルキル基、メタクリロイルアルキル基、及びメルカプトアルキル基であるものとしたことにより、シリコーン系材料由来の低表面エネルギー等により防汚層に防汚性を付与でき、特に、これら放射線架橋官能基は放射線による反応性が高く、より架橋が容易であるため、潤滑性のさらなる向上効果が得られ、経時での防汚層の摩滅を防止でき、優れた耐久性が得られ、画質劣化を効果的に防止できた。
請求項4に係る発明によれば、前記防汚層が、少なくとも放射線架橋性官能基を有するフッ素基を持つシリコーン系材料を含有しているものとしたことにより、シリコーン系材料及びフッ素基由来の低表面エネルギー等により防汚層に防汚性が付与され、更に電離放射線により架橋して改質するようにしたことによりシリコーン系材料及びフッ素基が構造が変化し、潤滑性の向上が図られ、経時での防汚層の摩滅を防止し、耐久性に優れ、従来問題となっていた画質劣化を防止することができた。
請求項5、11に係る発明によれば、シリコーン系材料及びフッ素基由来の低表面エネルギーと、フッ素化合物等の相乗効果により、防汚層に高い防汚性が付与され、更には電離放射線により架橋して改質するようにしたことにより、シリコーン系材料及びフッ素基及びフッ素化合物の構造が変化し、潤滑性の向上が図られ、経時での防汚層の摩滅を防止し、耐久性に優れ、従来問題となっていた画質劣化を防止することができた。また、フッ素化合物とフッ素基を持つシリコーン系材料は相溶性があり、より緻密な防汚層の形成やフッ素基を持つシリコーン系材料の保持が出来るようになり、電離放射線処理によって更に耐久性の向上が図られた。
請求項6に係る発明によれば、透光性部材表面に微細な凹凸を設けることにより、形状効果で原稿との接触面積を小さくすることができ、原稿の汚れ、特に粘着剤等の粘着性の汚れが付着し難くなり、防汚性付与効果が得られた。
また、凹部にシリコーン系材料(潤滑性及び防汚性材料)が塗布され、その上更に潤滑性及び防汚性材料を電離放射線により架橋して改質されることにより表面構造が変化し、特に潤滑性の向上が図られ、経時での防汚層の摩滅防止効果が得られ、優れた耐久性が実現でき、画質劣化の問題の解消が図られた。
請求項7に係る発明によれば、前記防汚層について、前記透光性部材表面の前処理を行った後に設けるものとし、前記透光性部材表面の前処理は、表面改質及び表面洗浄処理であり、当該前処理が、アルカリ処理、プラズマ処理、溶剤洗浄処理、エッチング処理の少なくともいずれかよりなるものとしたことにより、透光性部材表面の官能基改質、清浄化、表面粗さ制御等を行うことができ、透光性部材表面と防汚層との接着性が向上し、耐摩耗性、特に経時での防汚性付与層の摩滅が防止され、耐久性に優れ、画質劣化の問題の解消を実現することが可能となった。
さらに、電離放射線により架橋して改質する際に、電離放射線処理をすると該シリコーン系材料へ硬化収縮等の応力がかかり透光性部材との接合面に付加がかかるため、特にこれら表面改質及び表面洗浄処理を行うことは、接着性向上の寄与が大きく、効果的な耐摩耗性向上効果が得られた。
請求項8に係る発明によれば、前記電離放射線を、少なくとも電子線、ガンマ線、及び紫外線の、少なくともいずれか一種の放射線であるものに選定したことにより、設備面、生産性、経済的に優位なものとすることができた。
また、これらによる処理を行ったことにより、シリコーン系材料の構造が変化し、潤滑性の向上効果が得られ、経時での防汚層の摩滅を防止し、耐久性に優れ、画質劣化の問題の解消を実現することが可能となった。
請求項9に係る発明によれば、前記電離放射線の照射が無酸素雰囲気下で行われ、かつ照射に要する線量範囲が1kGy〜10MGyであることとしたことにより、酸素による酸化が抑制された雰囲気中でシリコーン系材料の架橋が行われ、シリコーン系材料で構成されている防汚層の防汚性を保持したまま、潤滑性を向上させることができ、経時での防汚層の摩滅が防止され、耐久性に優れ、従来における画質劣化の問題が解消された。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明するが、本発明は、以下の例に限定されるものではない。
図1に、本発明の画像読み取り装置(ADF)の概略構成図を示す。
この画像読み取り装置100は、給紙/分離部10、搬送部9、読み取り部1、及び排紙部40から構成されてなり、給紙、搬送、読み取り、排紙の一連の流れにより原稿Pの読み取りが行われる装置であるものとする。
先ず、給紙/分離部10で原稿テーブル2上に載置された原稿Pが、最上位から一枚ずつ順番に搬送される。このとき、底板4は原稿テーブル2上の原稿給紙側を支持するように配置されており、呼び出しコロ5に接する位置まで上昇するようになされている。
給紙部材6においては、給紙方向に回転することで呼び出しコロ5によって呼び出された原稿Pが取り込まれ、分離部材7が給紙方向と逆方向に回転することにより、給紙された原稿Pの最上位の一枚のみが分離される。
搬送部9においては、給紙/分離部10から搬送された原稿Pを、透光性部材、すなわちコンタクトガラス3上の読み取り位置まで搬送するようになされ、これを支持する搬送ローラ対8a、8b、及び中間搬送ローラ11a、11b等が所定の位置に配置されている。
搬送ローラ対8a、8bにより狭持され、送り出されてきた原稿Pは、コンタクトガラス3上を移動して、装置本体20の本体側ガイド20cに掬い取られる。
このとき、原稿Pが、搬送ローラ対8a、8b及び中間搬送ローラ11a、11bに狭持されている間は、原稿Pが張った状態で、コンタクトガラス3と非接触状態となっており、かつ読み取りガイド部材21との接触面が小さい状態が維持されている。
コンタクトガラス3の原稿通紙面よりも所定量高い位置には、所定のガイド面が、コンタクトガラス3の原稿搬送面の原稿読み取りライン位置より上流位置に設けられている。
また、本体側ガイド(突起状部材)20cがコンタクトガラス3の下流端に設けられており、これがコンタクトガラス3の原稿通紙面より原稿Pを掬い上げる傾斜面を有しているとともに、コンタクトガラス3の上面には、原稿の上方へのバタつきを抑える原稿押さえ部材21が配置されている。
また、原稿Pの画像の読み取りを行う読み取り部1が、コンタクトガラス3の下方の装置本体20に設けられており、読み取りの際には、コンタクトガラス3の下方で、図1中の左右方向に移動、または下方で停止可能となされている。
排紙部40においては、上記のようにして読み取りが行われた後の原稿Pを排紙トレイ15に排出するようになされている。
原稿Pの画像は、装置本体内部のミラー31〜33を介してレンズ34を通って、CCD35によってデータが取り込まれ、画像処理を施された後、プリンタ部へ送られ出力される。
なお、上述した構成の画像読み取り装置100は、装置本体20に連結された操作部(図示せず)によって、給紙、搬送、読み取り、排紙の一連の動作を行うことができるようになされているものとする。
上述したように、画像データの読み込み、及び出力を行う際には、コンタクトガラス3表面を原稿Pが繰り返し通過することになる。
従来、多数回原稿の走行、画像読み取り、データ出力を繰り返すことにより、コンタクトガラス3上に付加していた防汚層は次第に大きく削られていき、最終的にはコンタクトガラス3表面から摩耗してしまい、防汚効果が得られなくなってしまっていた。
そこで本発明においては、コンタクトガラス3表面の防汚層の潤滑性、耐摩耗性についての向上を図るべく、防汚層の形成材料について、検討を行った。
また、コンタクトガラス3の表面上に微細な凹凸形状を設けることにより、原稿Pとコンタクトガラス3との接触面積を小さくすることができ、原稿Pへの汚れ(粘着性汚れや紙粉等)の付着をより効果的に回避することができ、画像劣化を防止することができることを見出した。
上述したように、原稿はコンタクトガラス面に接触しながら搬送される。
その際原稿から紙の成分であるセルロース繊維やタルク、クレー、炭酸カルシウム、二酸化チタン等の粒子サイズが0.5〜10μmのてん料粒子、さらには紙表面に塗工したカオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、炭酸カルシウム(CaCO3)、サチンホワイト(3CaO・Al23・3CaSO4・31〜32H2O)等の粒子サイズが0.5〜10μmの表面改質粒子等が、紙粉として脱落し、このコンタクトガラス面に付着する。
あるいは原稿面に付着しているトナー微粉や糊等の粘着質の物質もこの面に付着する。
更には、空気中に浮遊する塵埃等の異物が付着したり、不用意に手を触れて、汗、脂等が指紋状に付着したりすることもある。
そして上記トナー微粉、糊、汗、脂等は、他の粘着性がない異物をコンタクトガラス面に付着させるというさらに悪い影響を及ぼす。
通常、複写機等で原稿を固定し、画像読み取り部を移動させて原稿読み取りを行う場合、コンタクトガラス面の汚染が最終画像品質に与える影響は、その汚染部分のみ黒いスポット状の画像劣化となる。しかしながら、上記のように、画像読み取り部を固定し、原稿を移動させて原稿読み取りを行う場合は、コンタクトガラス面に存在する1個のスポット状の汚染であっても、副走査方向に繋がる、いわゆる黒スジの発生となってしまい、単なる黒いスポット状の画像劣化ではなく、その影響ははるかに大きい。
これら不具合を解消するために、本発明においては、コンタクトガラスの原稿と相対する面に防汚層を形成することとした。
次に、透光性部材(コンタクトガラス)の原稿Pとの対向面に設ける防汚層について、詳細に説明する。
防汚層は、少なくとも、シリコーン系材料を含有しているものとする。
例えば、放射線架橋性官能基を有するシリコーン系材料が適用でき、特に放射線架橋性官能基が少なくともアクリロイルアルキル基、メタクリロイルアルキル基及びメルカプトアルキル基であるシリコーン系材料が好適である。
シリコーン系材料を電離放射線により架橋して改質することによって、防汚性、潤滑性、耐久性について、優れた効果が得られるようになる。
また、シリコーン系材料は、上記各材料を単独で用いてもよく、あるいは二種類以上を組み合わせた混合材料、すなわち分子量の異なる同一構造の混合材料、異種成分を添加した材料からなるものであっても良い。
本発明により適用されるシリコーン系材料について具体的に説明する。
例えば、シラン化合物やオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
さらに具体的に、シラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリクロルシラン、メチルトリブロムシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリt−ブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリクロルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロムシラン、n−プロピルトリイソプロポキシシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシシラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、n−デシルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−デシルトリt−ブトキシシラン、n−オクタトリメトキシシラン、n−オクタトリエトキシシラン、n−オクタトリクロルシラン、n−オクタトリブロムシラン、n−オクタトリイソプロポキシシラン、n−オクタトリt−ブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロルシラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルt−ブトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジクロルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシラン、トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−メチルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらの加水分解、脱水縮重合物等が電離放射線処理前の塗膜として形成される。
また、放射線架橋性官能基を持つシラン化合物としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリt−ブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキプロピルトリt−ブトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メチルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらの加水分解、脱水縮重合物等が電離放射線処理前の塗膜として形成される。
特に、メタクリロイルアルキル基を有するγ−メタアクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキプロピルトリt−ブトキシシラン等、アクリロイルアルキル基を有するγ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等、メルカプトアルキル基を有するγ−メチルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリt−ブトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が、電離放射線による反応性が高く、防汚層形成用として好適な材料である。
また、トリフルオロプロピルトリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシシラン、トリフルオロプロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピルトリt−ブトキシシラン等、フッ素含有シラン化合物は、フッ素の効果により防汚性を更に付与する効果があり、好適である。
また、オルガノポリシロキサンとしては、下記式(1)により示される化合物が好適である。
R1 a R2 b SiO(4-a-b)/2 ・・・(1)
但し、上記式(1)中、R1 は、非置換または置換の1価炭化水素基、R2 は、放射線架橋性官能基、a及びbは、a+b=1.98〜2.02を満たす正数とする。
上記式(1)のR1 で表される非置換または置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基、アルカリール基が挙げられる。さらには、これらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部がフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子、シアノ基などで置換されていてもよく、例えば、クロロメチル基、2−ブロモエチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシル基等が挙げられる。これらの基は、炭素原子数が1〜10のものが好適であり、更には、炭素原子数が1〜8が望ましく、特にメチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、最も好ましくはメチル基である。
上記式(1)のR2 で表される放射線架橋性官能基としては、例えば、アクリロイルメチル基、β−アクリロイルエチル基、γ−アクリロイルプロピル基等のアクリロイルアルキル基、メタクリロイルメチル基、β−メタクリロイルエチル基、γ−メタクリロイルプロピル基等のメタクリロイルアルキル基、メルカプトメチル基、β−メルカプトエチル基、γ−メルカプトプロピル基等のメルカプトアルキル基等が挙げられる。
シリコーン系材料の全置換基に対する放射線架橋性官能基の割合は、0.005〜15モル%程度が好ましく、さらに好ましくは0.05〜5モル%、最も好ましくは0.25〜2.5モル%である。0.005モル%未満であると、放射線から充分にエネルギーを吸収することができない場合があり、15モル%を超えるとオルガノポリシロキサンの良好な塗膜を形成することができない場合があるためである。
上記式(1)で表されるオルガノポリシロキサンは、直鎖状、環状、あるいは三次元網目状のいずれでもよく、また、これらの2種以上の混合物であってもよい。
また、本発明において適用可能なシリコーン系材料としては、上記において挙げた例に限定されることなく、例えばポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、高級脂肪酸エステル変性オルガノポリシロキサン、メチルスチリル変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、高級アルコキシ変性オルガノポリシロキサン、カルビノール変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、カルボキシル変性オルガノポリシロキサン、メルカプト変性オルガノポリシロキサン、エポキシ変性オルガノポリシロキサン、メタクリロキシ変性オルガノポリシロキサン、フェノール変性オルガノポリシロキサン等も適用できる。
オルガノポリシロキサンは、側鎖、両末端、片末端、側鎖両末端に反応性基を有するものであってもよい。
上記式(1)のR2に示される放射線架橋性官能基のうち、フッ素基を持つシリコーン材料や、フルオロオルガノシロキサン等としては、例えば、3,3,3−トリフロロプロピルメチルシロキサン、3,3,3−トリフロロプロピルメチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマー、ビス(トリデカフロロオクチル)テトラメチルシロキサンやフルオロシリコーングリース、ビニル末端トリフロロプロピルメチルシロキサンージメチルシロキサンコポリマー、シラノール末端ポリトリフロロトリフロロプロピルメチルシロキサン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、これらの材料は、フッ素により防汚層に防汚性を更に付与する効果があり、好適である。
また、上記フッ素基を持つシリコーン系材料と、パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物又はケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物又は加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造又はフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基を有する有機ケイ素構造を持つフッ素化合物をともに含有しても良い。
なお、これらの材料は、フッ素により防汚層に防汚性を更に付与する上に、防汚層に耐摩耗性、潤滑性等を付与する効果があり好適である。このフッ素化合物としては、例えば下記(2)〜(5)の化合物が例示される。
Figure 2006178393

上記式(2)中、Rf1は、炭素数1〜100の直鎖状のパーフルオロアルキル基、X1は、水素または炭素数1〜5の低級アルキル基、R2は加水分解可能な基であり、mは1〜100の整数であり、nは0〜2の整数であり、lは1〜10の整数である。
2で示される加水分解可能な基としては、アミノ基、アルコキシ基、塩素原子等が挙げられ、アルコキシ基の場合は、そのアルキル部分が炭素数1または2のものが好ましい。
Figure 2006178393
式中、Rf2は炭素数1〜100の直鎖状のパーフルオロアルキル基、X2は水素または炭素数1〜5の低級アルキル基、R3は加水分解可能な基、rは1〜100の整数、sは0〜2の整数、tは1〜10の整数である。
上記R3で示される加水分解可能な基としては、アミノ基、アルコキシ基、塩素原子等が挙げられ、アルコキシ基の場合は、そのアルキル部分が炭素数1または2のものが好ましい。
また、上記フッ素化合物は、通常の製造方法によれば混合物として得られるので、分子量の異なった同種または異種材料を混合して用いることが可能である。
特に、フッ素基を持つシリコーン系材料を併用すると、各々の特性を併せ持った防汚層を形成でき、電離放射線処理後に良好な防汚層を形成することができる。
なお、混合比率は限定されるものではないので、相溶性が高い材料を混合することが好ましい。
更に本発明で形成される防汚層に含有される化合物に関し、フッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素構造を持つ化合物で、少なくとも下記式(4)、(5)で表される構造の化合物が好適なものとして挙げられる。
Rf1−(OCF2CF2CF2)a−CH2CHX−Si−(R4)b(R5)c・・・(4)
上記式(4)中、Rf1は炭素数1〜100の直鎖状のパーフルオロアルキル基であり、Xは水素または炭素数1〜5の低級アルキル基またはハロゲンであり、R4は加水分解可能な基、R5は低級アルキル基、aは1〜100の整数、bは1〜3の整数、cは0〜2の整数であり、b+c=3であるとする。
R4で示される加水分解可能な基としては、例えばアミノ基、アルコキシ基、塩素原子等が挙げられ、アルコキシ基の場合は、そのアルキル部分が炭素数1または2のものが好ましい。
また、フッ素置換アルキル基:Rf1とパーフルオロポリエーテル基:(OCF2CF2CF2)のモル比、(Rf1/OCF2CF2CF2)は、0.1〜10が好適である。
このモル比が0.1未満であると、防汚層の撥水撥油性が低下し、離型性が低下する。
一方、このモル比が10を超えると、静電的に紙粉やゴミを付着し易くなり、また防汚層の可撓性の低下や潤滑性低下等が引き起こされ、耐久性が低下してしまう。
Rf2−(OCF2CF2)e−CH2CHX−Si−(R6)f(R7)g・・・(5)
上記式(5)中、Rf2は炭素数1〜100の直鎖状のパーフルオロアルキル基であり、Xは水素または炭素数1〜5の低級アルキル基またはハロゲンであり、R6は加水分解可能な基であり、R7は低級アルキル基であり、eは1〜100の整数であり、fは1〜3の整数であり、gは0〜2の整数であり、f+g=3であるものとする。
上記R6で示される加水分解可能な基としては、例えばアミノ基、アルコキシ基、塩素原子等が挙げられ、アルコキシ基の場合は、そのアルキル部分が炭素数1または2とすることが好ましい。
また、フッ素置換アルキル基Rf2とパーフルオロポリエーテル基(OCF2CF2)とのモル比(Rf2/OCF2CF2CF2)は、0.1〜10が好適である。
このモル比が0.1未満であると、防汚層の撥水撥油性が低下し、離型性が低下する。
一方、このモル比が10を超えると、静電的に紙粉やゴミを付着し易くなり、また防汚層の可撓性の低下や潤滑性低下等が引き起こされ、耐久性が低下してしまう。
また、上記フッ素化合物が、フッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素構造を持つ化合物としたことにより、フッ素基を持つシリコーン材料との相溶性が良好となり、フッ素基を持つシリコーン材料及びパーフルオロポリエーテル基の分子構造由来の低表面エネルギー及び分子鎖のフレキシビリティ・可撓性・潤滑性や透光部材等の基材と強固に接合する等の特性と、フッ素置換アルキル基の分子構造由来の撥水撥油性が高い、離型性が良好等の特性を併せ持ち、相分離を引き起こすことがなく、均一に透明な塗膜を形成でき、更には、有機ケイ素構造を持つことで透光部材等の基材との強固に接合する等の特性の相乗効果が発揮される。
特に、電離放射線処理後には良好な防汚層を形成することができ、耐摩耗性付与及び潤滑性付与の効果が高く、ゴミ等の異物付着を防止し、経時での防汚性付与層の摩滅を防止し、耐久性に優れ、画質劣化の問題の解消を実現することが可能となる。
なお、上記フッ素化合物は、分子中の全パーフルオロ基数が大きいほうが好ましい。これは、パーフルオロ基数が大きいほど電離放射線による架橋により、良好な改質防汚層が形成できるからである。
また、上記フッ素化合物のフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基のモル比が、0.1〜10であることにより、撥水撥油性(離型性)と可撓性(耐摩耗性、潤滑性)の両特性のバランスに優れ、この化合物により防汚層に防汚性が付与され、更には電離放射線により架橋することで耐摩耗性付与及び潤滑性が付与され、ゴミ等の異物付着を防止でき、経時での防汚性付与層の摩滅を防止でき、耐久性に優れ、画質劣化の問題の解消を実現することが可能となった。
なお、上記比が0.1未満であると、防汚層の撥水撥油性が低下し、離型性が低下し、電離放射線による架橋で良好な防汚層が形成できないことが確かめられた。
また、上記比が10を超えると、静電的に紙粉やゴミを付着し易くなり、また防汚層の可撓性の低下や潤滑性低下等が引き起こされ、耐久性が低下してしまい、更には電離放射線による架橋を行っても、良好な特性を有する防汚層が形成できなくなってしまう。
上記構造を有するフッ素化合物において、分子量を1000〜20000の範囲内とすることにより、電離放射線処理により良好な防汚性を示すことが確かめられた。
更に、分子量が2000〜10000の範囲内とすることにより、良好な薄膜を形成できることが確かめられた。
一方、分子量が1000未満の場合、防汚性、耐摩耗性が劣化し、分子量が20000を超えると、塗膜形成について不良が生じた。
上述した材料を用いることにより、フッ素基を持つシリコーン材料と、フッ素化合物の有する低表面エネルギー等による防汚性、潤滑性、及び耐摩耗性をコンタクトガラスに付与することができ、経時での防汚層の摩滅を抑制することが可能となる。
なお、これら材料は、従来公知の方法によって合成でき、混合物として得られる。
例えば、本発明とは分野や使用目的が異なるが眼鏡ガラスやレンズの曇り防止のため、あるいは水に対する濡れ防止のため用いることが提案され、また一部は市販品として入手可能な(例えばオプツールDSX(ダイキン工業(株)製)ものもあるが、本発明における化合物は、通常市販されているパーフルオロポリエーテルを原料として用い、末端に、例えば、ヨウ素を導入した後、これに、シラン化合物を反応させること等により合成できる。
すなわち、試薬としては、例えば
ヒドラス化学:12275-4(HFPOoligomer),12341-4(Hexafluropropene oxidetelomere,metylesters),15343-7(2H-Perfluoro-5,8,11,14-pentamethyl-3,6,9,12,15,18-hexaoxaheneicosane)、アズマックス:F05992NA(Perfluoro-3,6-dioxadecanoic acid methyl ester),F05992NH(Perfluoro-3,6-dioxaheptanoic acid methyl ester)等が適当でき、下記のような合成方法によって類似化合物を合成できる。
〔合成例1〕
攪拌機、滴下ロート、還流冷却器、及び温度計を具備する2.0Lの4つ口フラスコ中に、2617g(10.3モル)のヨウ素、213.2g(1.54モル)の炭酸カリウム、及び9000gのヘキサクロロ−1,3−ブタジエンを仕込み、系の温度を160℃に維持しながら、窒素気流下において、化学式F−(CF2CF2CF2O)n−CF2CF2COFで表されるω−フルオロポリパーフルオロオキセタンアシルフルオライド(平均分子量3900)4000g(1.03モル)を10mL/minの速度で滴下した。
滴下終了後、反応温度を185℃に上昇させ、20時間反応させた。
反応終了後、系を冷却した後、カリウム塩を濾別し、2層に分離した液相から分液ロートを用いて下層を分取した。これをアセトンを用いて数回洗浄した後、1Lのパーフルオロヘキサンに溶解し、ガラスフイルターによって微細な不溶物を濾別した。
得られた溶液から減圧下揮発分を完全に留去することによって、3890g(収率95%)の化学式F−(CF2CF2CF2O)n−CF2CF2Iで表わされるω−フルオロポリパーフルオロオキセタンヨウ素化物を得た。赤外吸収スペクトルより、1890cm-1の−C(=O)Fの吸収が完全に消失し、910cm-1に新たに−CF2Iの吸収が生じた。
〔合成例2〕
攪拌機、滴下ロート、還流冷却器及び温度計を備えた200mLの4つ口フラスコ中に、上記合成例1において合成したF−(CF2CF2CF2O)n−CF2CF2Iで表わされるω−フルオロポリパーフルオロオキセタンヨウ素化物40gを、ヘキサフルオロテトラクロロブタン〔ダイフロンソルベントS−316(ダイキン工業社製)〕80gに溶解したもの、及びジ−t−ブチルパーオキシド1.5g(1×10-2モル)を仕込み、充分に系内を窒素置換した後、窒素気流下滴下ロートよりビニルトリクロロシラン16.1g(0.10モル)を滴下した。
滴下終了後、系内の温度を120℃に昇温させ、4時間反応させた。
反応終了後減圧下揮発分を完全に留去することによって末端にヨウ素を有するケイ素含有有機含フッ素ポリマー(A)38.7g(収率90%)を得た。
〔合成例3〕
攪拌機、滴下ロート、還流冷却器、及び温度計を備えた200mLの4つ口フラスコ中に、上記合成例2において合成したケイ素含有有機含フッ素ポリマー(A)34.4g(8×10-3モル)をパーフルオロヘキサン50gに溶解したものを仕込み、亜鉛2.1g(3.2×10-2モル)を強攪拌分散させた。
氷水浴で系を冷却し、窒素気流下無水メタノール10gを滴下した。
滴下終了後、氷水浴を取り除き、加熱還流下2時間反応させた。
反応終了後、不溶物を濾別し、2層に分離した液相から分液ロートを用いて下層を分取した。
得られた溶液を、無水メタノールを用いて3回洗浄した後、減圧下揮発分を完全に留去することによって、末端が水素化されたケイ素含有有機含フッ素ポリマー(パーフルオロ基とパーフルオロエーテル基とを構造中に含有)(B)31.6g(収率92%)を得た。
上述したような、本発明に係る防汚層の構成材料は、通常のコーティング法で付加することができる。
具体的には、スピンコート、浸漬塗装、ロールコート、グラビアコート、カーテンフロー塗装法により塗布でき、室温あるいは加熱乾燥、室温あるいは加熱硬化等により塗膜を形成できる。また、蒸着法(加熱、真空)により塗膜を形成してもよい。
更に、上述したような、本発明に係る防汚層の構成材料を塗布する透光性部材の表面には、微細な凹凸を設けておくことが好ましい。
この形状効果により、原稿との接触面積が小さくなり、原稿の汚れ、特に粘着剤等の粘着性の汚れが付着し難くなり、防汚性付与効果が向上する。
また、この場合、凹部にシリコーン系材料(潤滑性及び防汚性材料)が塗布されることになり、更に電離放射線により架橋して改質することにより、表面構造が変化し、特に潤滑性が向上し、経時における防汚層の耐摩耗性が向上し、優れた耐久性が実現される。
また、透光性部材(例えばガラスやSiO2処理したコンタクトガラス)の表面に微細な凹凸を形成する方法としては、例えばサンドブラスト法や化学的薬液処理法(エッチング処理)が適用できる。
その他、表面にSiO2粉を吹き付けたり、焼き付けたりして凹凸を付与する方法も適用できる。
なお、薬液を用いて表面処理を行う方法とは、例えば、フッ化水素、フッ化アンモニウム、純水と処理剤(酢酸、燐酸、塩酸、硫酸又はギ酸)を混合した薬液を用いてガラス表面に凹凸を形成する方法(具体的には、ガラス基材等を薬液に浸漬し、静置で処理する方法)であるものとする。
透光性部材、すなわちコンタクトガラスの表面の微細凹凸を構成する凹部は、表面粗さを0.5S以下とすることが好ましい。
表面粗さが0.5Sを超えると、汚れが凹部に入り込むと、除去できなくなってしまうおそれがある。
汚れ物質としては、具体的には紙のてん料粒子や表面改質粒子等が挙げられるが、これらは、0.5〜10μmの大きさである。
従って、表面粗さが0.5Sより大である場合には、その凹凸の凹部にこれらの粒子(その大きさの下限値である0.5μm程度の粒子)が入り込み、容易には取れなくなる。
具体的に、表面粗さを変えたガラスを準備し、炭酸カルシウム(CaCO3)微粒子を散布し、それをブロワーで吹き飛ばした場合の炭酸カルシウム(CaCO3)微粒子の残留状況を測定したところ、表面粗さが0.5S〜0.1Sとすると、炭酸カルシウム(CaCO3)微粒子の残留は認められなかったが、一方、表面粗さが0.5Sを超える1Sのものでは、ブロワーで吹き飛ばしても充分に除去することができなかった。
更には、表面粗さが0.5Sを超えるものになると、目視で鏡面状態が確認できず、表面にくもりが見られ、透光性に支障をきたし、コンタクトガラスとして使用すると、画像読み取り性能に悪影響を及ぼすと考えられる。
一方、0.5Sあるいはそれ以下であれば、少なくとも目視においてはほぼ鏡面状態が得られ、光学素子として充分な光の透過率が得られる。
上記防汚層の形成前処理として、形成面を表面改質、表面洗浄処理しておくことが好ましい。
前処理としては、アルカリ処理、プラズマ処理、溶剤洗浄処理、エッチング処理が挙げられ、これらは単独で、あるいは二種以上を組み合わせて行ってもよい。
このように前処理を行うことにより、透光性部材表面の官能基改質、清浄化、表面粗さ制御でき、透光性部材表面と防汚層との接着性が向上し、耐摩耗性、特に経時での防汚性付与層の摩滅を防止でき、優れた耐久性が実現できる。
次に、上述したような防汚層の形成材料を塗布した後、電離放射線を照射することにより、化学構造的に架橋を行い改質させることができる。
電離放射線処理をすると、シリコーン系材料、フッ素基を持つシリコーン系材料、及びパーフルオロポリエーテル構造を有する化合物又はケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物又は加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造あるいはフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基と有する有機ケイ素構造を持つフッ素化合物を有する化合物へ応力がかかり、透光性部材との接合面に付加がかかるため、特に上記表面改質及び表面洗浄処理は、接着性向上効果、耐摩耗性向上効果を得るために効果的である。
上記形成面の前処理について具体的に説明する。
例えばアルカリ処理は、ガラス基板をアルカリ性溶液中に浸漬し、必要に応じて超音波を照射しながらアルカリ洗浄を行い、ガラス基板に固着している不純物、残留異物をエッチング除去する。
これにより、防汚層との接合強度の向上が図られる。
また、具体的には、水素イオン濃度pHが10以上のアルカリ性水溶液、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア、又はテトラメチル水酸化物等の溶液を含むアルカリ水溶液を使用してアルカリ洗浄を行うことができる。
なお、前述の薬液処理/エッチング処理(酸処理:酸性水溶液処理)を行った後、アルカリ処理を行うことが好ましい。
アルカリ性水溶液でアルカリ洗浄を行うことにより、酸洗浄処理で形成された変質層がエッチング除去され、表層面が改質される。
なお、酸洗浄処理を行わずにアルカリ洗浄処理のみを行った場合は、アルカリ性水溶液はエッチング力が弱いため、僅かなエッチング処理しか行うことができない。
このため、表面に変質層が生じるのを回避すると共に異物がガラス基板に付着するのを防止するためには、上述の如く酸洗浄処理を行った後、アルカリ洗浄処理を行うことがより好ましい。
また、プラズマ処理は、酸素、ヘリウム、アルゴン等によるプラズマ処理であり、特に酸素プラズマ処理は透光性部材の有機物除去に効果的であり、更に親水性を高めることができるため、防汚層の部材接合強度向上効果を得るためには好適である。
なお、ヘリウムは比較的低分子量であるため、透光性部材へのダメージが少なく、アルゴンは比較的高分子量であるため有機物以外も除去することができ、洗浄及び処理効率を高めることができる。
プラズマ処理においては、チャンバー内に透光性部材をセットして、O2ガスを導入した後、透光性部材を載置した下部電極とそれに対向して配置される上部電極との間に高周波電界を印加することによりO2ガスが励起され、透光性部材上の異物である有機物が除去されることとなる。
なお、プラズマ処理の条件は、表面処理、表面改質の効率や透光性部材の材質等の関係によって種々選択することが可能である。
更に溶剤洗浄処理は、溶剤の溶解力を利用するものであり、溶解力の大きい溶剤、例えばCFC等のフロン化合物、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン等のハロゲン化物等が適用できる。
但し、環境保全の観点から、フロン系 、芳香族炭化水素系、ハロゲン化炭化水素系の使用は禁止され、溶剤転換が迫られており、その他の溶剤使用についても、環境規制法令管理下にあるため、溶剤の使用については制限が発生する。
特に本発明の溶剤処理は多量に使用するため、浸透性、水和性、環境性が重要となってくる。具体的には浸透性、水和性のバランスのために炭素数6以下のアルコール、ケトン、エーテル、エステル、含窒素化合物が最適であり、環境性のために脂肪族および脂環族化合物が好適である。
溶剤の水和性は、極性が強いほど大きく、逆に浸透性は無極性となるほど大きい。
極性が強い多価アルコール、脂肪酸、アルデヒドは、水和性が大きいが浸透性が弱い。
一方、極性が弱い炭化水素、ハロゲン化炭化水素は、浸透性が強いが水和性が小さい。
これらの中からバランスの良好なものを選ぶと良い。水和性、浸透性がバランス良好であるのは、アルコール類、ケトン類、含窒素化合物類、エーテル類、エステル類である。
また、炭素数が小さい溶剤は無機性が大きいので水和性が大きい。
一方、炭素数が大きいほど無機性から有機性に向かい浸透性が増す傾向と、構造が大きくなることによる浸透性の減少の傾向がある。
この傾向の中で水和性と浸透性を両立させるものを選択するのが好ましい。
例えば、メタノール、エタノール、プロパルギルアルコール、アリルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジメチルエーテル、酸化プロピレン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ビニールメチルエーテル等のエーテル類、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル、ジメチルアミン、アセトアミド、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、アリルアミン、キノリン等の含窒素化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、溶剤洗浄処理においては、紫外線照射を併用してもよく、溶剤の分子浸透が光化学反応変化をさらに増大する効果を利用し、有機物質の光分解と有機物構造の変化を促進させ、透光性部材表面の処理をより効果的に実施することができる。
電離放射線処理前の防汚層構成材料の塗布方法および塗膜形成方法としては、上述したように、スピンコート、浸漬塗装、ロールコート、グラビアコート、カーテンフロー塗装等で塗布し、室温あるいは加熱乾燥、室温あるいは加熱硬化、焼き付けなどにより塗膜を形成、または、蒸着法(加熱、真空)により塗膜を形成できる。
続いて、この塗膜を電離放射線により架橋して改質するが、これは、無酸素の不活性ガス化雰囲気中で所定量の放射線を照射して架橋して改質を行うものである。これにより、耐摩耗性等の諸特性に優れた防汚層が形成できる。
放射線を照射すると、架橋反応が起きる機構は次の様なものである。
まず放射線の照射により分子鎖の切断、脱離が起きる。分子鎖の切断により生成した分子鎖末端反応活性点と、脱離により生成した反応活性点とが反応し、架橋が生じ、改質される。
例えば、まず前述のように防汚層を形成するシリコーン系材料、フッ素基を持つシリコーン系材料、及びパーフルオロポリエーテル構造を有する化合物又はケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物又は加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造又はフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基と有する有機ケイ素構造を持つフッ素化合物を塗膜形成し、そこに電離性放射線を照射する。
これにより、分子鎖が切断されれば真空中、あるいはヘリウム、アルゴン、窒素等の不活性ガス等のいずれのガス雰囲気であっても構わないが、特に無酸素雰囲気下が好ましい。
また、電離放射線とは、電子線、X線、中性子線、ガンマ線、紫外線、赤外線、可視光、陽子線、高エネルギーイオンの単独あるいはこれらの混合放射線のいずれであってもよく、所望の量の照射が実施されれば特に限定されるものではない。
特に設備、生産性、経済的観点から、電子線、ガンマ線、紫外線が好ましい。
放射線の照射量は1kGy〜10MGy程度が望ましい。
1kGy未満では、分子鎖の切断効果が最終的な該材料特性の変化として反映され難く、一方、10MGyを超えて照射を行っても該材料特性はほとんど変化しなくなる。
特に1kGy〜500kGy程度が望ましく、好適には10〜300kGyである。
この照射工程における雰囲気の温度は特に限定されず、あらゆる温度領域において分子鎖の切断は達成され得る。
また、照射する際の雰囲気の温度が高温であるほど分子鎖の切断は促進され、液体窒素温度付近の低温度では分子鎖の運動が制限され、切断が抑制されるので、分子鎖の運動が制限され難い温度領域が好ましい。
また、電離放射線を照射する際の温度制御は、通常の気体循環式の恒温槽、赤外線ヒーター、あるいはパネルヒーター等を用いて間接あるいは直接的な熱源を利用して加熱することができ、その他、電子加速器から得られる電子線のエネルギーを制御することによる発熱をそのまま熱源として利用することもできる。
なお、無酸素雰囲気中で電離放射線処理を実施する理由は、側鎖の有機基が酸化されるのを防止する、酸素が存在すると放射線の照射によって生成した反応活性点が酸素と優先的に反応して架橋反応を阻害するのを防止するためである。
また、分子鎖の切断に要する放射線の量と、架橋に要する放射線の量を変化させることにより、改質された防汚層の特性を変化させることが可能となる。
本発明によれば、電離放射線により架橋して改質されたシリコーン系材料、フッ素基を持つシリコーン系材料とパーフルオロポリエーテル構造を有する化合物又はケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物又は加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造又はフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基と有する有機ケイ素構造を持つフッ素化合物を、防汚層構成材料として適用することにより、該材料の架橋構造に起因する特性である、優れた潤滑性、低摩擦性が得られ、紙や紙成分のてん料等による表面摩耗が抑制でき、耐久性向上効果が実現できる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
防汚層を設けた画像読み取り装置の評価、コンタクトガラス3の防汚性、耐久性等の評価を下記に示したように実施した。
コンタクトガラス3の面について、以下に示すように表面改質を施したサンプルを作製した。
〔実施例1〕
コンタクトガラスにシリコーン材料(信越化学製商品名:KF96SP)を、スプレーコートし、アルゴンガス雰囲気の照射容器に移して電子加速器で2MVに加速された電子を10kGy照射して架橋させ、改質された防汚層を具備するコンタクトガラス3を得た。
〔実施例2〕
シラン化合物(信越化学製商品名:KBM−7803)を、15cm/分の速度で引き上げて塗布した。塗布後は室温条件下で一昼夜放置して溶剤を揮散させた後、アルゴンガス雰囲気の照射容器に移して電子加速器で2MVに加速された電子を10kGy照射して架橋させ、改質された防汚層を具備するコンタクトガラス3を得た。
〔実施例3〕
ジメチルシロキサン(96.975モル%)−アクリロイルプロピルメチルシロキサン(3.0モル%)−トリメチルシロキサン(0.025モル%)の共重合体を、コンタクトガラス上に塗布し、紫外線照射装置を用いて紫外線を照射し(照射条件:1000mJ/cm2 )、コンタクトガラス3上で硬化させた。更にこのコンタクトガラス3をアルゴンガス雰囲気の照射容器に移して電子加速器で2MVに加速された電子を50kGy照射して改質した防汚層を具備するコンタクトガラス3を得た。
〔実施例4〕
(メタクロキシプロピル)メチルシロキサン(7−9モル%)−ジメチルシロキサン共重合体(RMS−083:チッソ製)をコンタクトガラス上に塗布し、紫外線照射装置を用いて紫外線を照射し(照射条件:2J/cm2 )、コンタクトガラス3上で硬化させた。更にこのコンタクトガラス3をアルゴンガス雰囲気の照射容器に移して電子加速器で2MVに加速された電子を50kGy照射して改質した防汚層を具備するコンタクトガラス3を得た。
〔実施例5〕
(メルカプトプロピル)メチルシロキサン重合体(SMS−992:チッソ製)をコンタクトガラス3上に塗布し、更にこのコンタクトガラス3をアルゴンガス雰囲気の照射容器に移して電子加速器で2MVに加速された電子を10kGy照射して改質した防汚層を具備するコンタクトガラス3を得た。
〔実施例6〕
シラノール末端ポリトリフロロプロピルメチルシロキサン(FMS−9921:チッソ製)をコンタクトガラス3上に塗布し、更にこのコンタクトガラス3をアルゴンガス雰囲気の照射容器に移して電子加速器で2MVに加速された電子を10kGy照射して改質した防汚層を具備するコンタクトガラス3を得た。
〔実施例7〕
シラノール末端ポリトリフロロプロピルメチルシロキサン(FMS−9921:チッソ製)を50重量%、オプツールDSX(ダイキン工業(株)製)を50重量%とし、その混合物をパーフルオロヘキサンで希釈して0.3重量%の溶液とし、コンタクトガラス3をこの溶液に浸漬し、15cm/分の速度で引き上げて塗布した。
塗布後は室温条件下で一昼夜放置して溶剤を揮散させた後、アルゴンガス雰囲気の照射容器に移して電子加速器で2MVに加速された電子を10kGy照射して架橋させ、改質された防汚層を持つコンタクトガラス3を得た。
〔実施例8〕
シラノール末端ポリトリフロロプロピルメチルシロキサン(FMS−9921:チッソ製)を30重量%、下記式(6)のフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基と有する有機ケイ素構造を持つ化合物(分子量:約9600)70重量%を、パーフルオロヘキサンで希釈して0.1重量%の溶液とし、上記実施例7と同様に処理して改質された防汚層を持つコンタクトガラス3を得た。
61123−(OCF2CF255−CH2CHF(Si−(OCH33)・・・(6)
但し、(Rf(C61123)/(OCF2CF2)=1.1である。)
〔実施例9〕
フッ化水素、フッ化アンモニウム、純水、親水性カルボン酸を混合し、ガラス表面処理液とし、(組成は、フッ化水素:25重量%、フッ化アンモニウム:25重量%、純水:25重量%、親水性カルボン酸/プロピオン酸:25重量%)この処理液中にフロートガラス(日本板硝子株式会社製 化学強化ガラス FL3.2)を静置浸漬した。浸漬後、純水にて洗浄し、更にpHが10の水酸化カリウム水溶液で処理後、再度純水にて洗浄し、微細凹凸(表面粗さ:0.5S)のガラスを得、そのガラス表面に、上記実施例4と同様に処理して、改質された防汚層を具備するコンタクトガラス3を得た。
〔実施例10〕
(エポキシシクロへキシルエチルメチルシロキサン)(2−3モル%)−ジメチルシロキサン共重合体(EMS−234:チッソ製)をしみ込ませたステンレス製焼結フィルタ−(細孔径80〜100μm、直径18mmφ、厚さ3mm)を真空蒸着装置内にセットし、以下の条件で電子銃を用いて該焼結フィルタ−全体を加熱して、塗膜を形成したコンタクトガラス3を得、そのコンタクトガラス3を、上記実施例6と同様に処理して、改質された防汚層を具備するコンタクトガラス3を得た。
(条件)
真空度:3.1×10-4 〜8.0×10-4Pa
(2.3×10-6〜6.0×10-6Torr)
加速電圧:6kV
印加電流:40mA
照射面積:3.5×3.5cm2
蒸着時間:5秒
〔実施例11〕
実施例7の溶液をしみ込ませたステンレス製焼結フィルタ−(細孔径80〜100μm、直径18mmφ、厚さ3mm)を、真空蒸着装置内にセットし、以下の条件で電子銃を用いて該焼結フィルタ−全体を加熱して、塗膜を形成したコンタクトガラス3を得、そのコンタクトガラス3を、上記実施例7と同様に処理して、改質された防汚層を具備するコンタクトガラス3を得た。
(条件)
真空度:3.1×10-4 〜8.0×10-4Pa
(2.3×10-6〜6.0×10-6Torr)
加速電圧:6kV
印加電流:40mA
照射面積:3.5×3.5cm2
蒸着時間:5秒
〔比較例1〕
コンタクトガラスにシリコーン材料(信越化学製商品名:KF96SP)を、スプレーコートし、アルゴンガス雰囲気の照射容器に移した。
しかし電子加速器で2MVに加速された電子を照射しなかった。その他の条件は、実施例1と同様にしてコンタクトガラス3を得た。
〔比較例2〕
シラン化合物(信越化学製商品名:KBM−7803)を、15cm/分の速度で引き上げて塗布した。塗布後は室温条件下で一昼夜放置して溶剤を揮散させた後、アルゴンガス雰囲気の照射容器に移した。
しかし電子加速器で2MVに加速された電子を照射しなかった。その他の条件は、実施例2と同様にしてコンタクトガラス3を得た。
〔比較例3〕
ジメチルシロキサン(96.975モル%)−アクリロイルプロピルメチルシロキサン(3.0モル%)−トリメチルシロキサン(0.025モル%)の共重合体を、コンタクトガラス上に塗布し、紫外線照射装置を用いて紫外線を照射し(照射条件:1000mJ/cm2 )、コンタクトガラス3上で硬化させた。更にこのコンタクトガラス3をアルゴンガス雰囲気の照射容器に移した。
しかし、電子加速器で2MVに加速された電子を照射しなかった。その他の条件は、実施例3と同様にしてコンタクトガラス3を得た。
〔比較例4〕
(メタクロイルプロピル)メチルシロキサン(7−9モル%)−ジメチルシロキサン共重合体(RMS−083:チッソ製)をコンタクトガラス上に塗布し、紫外線照射装置を用いて紫外線を照射し(照射条件:2J/cm2 )、コンタクトガラス3上で硬化させた。更にこのコンタクトガラス3をアルゴンガス雰囲気の照射容器に移し、電子加速器で2MVに加速された電子を0.05kGy照射した。その他の条件は、実施例4と同様にしてコンタクトガラス3を得た。
〔比較例5〕
(メルカプトプロピル)メチルシロキサン重合体(SMS−992:チッソ製)をコンタクトガラス3上に塗布し、更にこのコンタクトガラス3をアルゴンガス雰囲気の照射容器に移した。
しかし、電子加速器で2MVに加速された電子を照射しなかった。その他の条件は、実施例5と同様にしてコンタクトガラス3を得た。
〔比較例6〕
シラノール末端ポリトリフロロプロピルメチルシロキサン(FMS−9921:チッソ製)をコンタクトガラス3上に塗布し、更にこのコンタクトガラス3をアルゴンガス雰囲気の照射容器に移した。
しかし、電子加速器で2MVに加速された電子を照射しなかった。その他の条件は、実施例6と同様にしてコンタクトガラス3を得た。
〔比較例7〕
フッ化水素、フッ化アンモニウム、純水、親水性カルボン酸を混合し、ガラス表面処理液とし、(組成は、フッ化水素:25重量%、フッ化アンモニウム:25重量%、純水:25重量%、親水性カルボン酸/プロピオン酸:25重量%)この処理液中にフロートガラス(日本板硝子株式会社製 化学強化ガラス FL3.2)を静置浸漬した。浸漬後、純水にて洗浄し、更にpHが10の水酸化カリウム水溶液で処理後、再度純水にて洗浄し、微細凹凸(表面粗さ:0.5S)のガラスを得た。その後アルゴンガス雰囲気の照射容器に移した。
しかし、電子加速器で電子を照射しなかった。その他の条件は、実施例7と同様にしてコンタクトガラス3を得た。
〔比較例8〕
(エポキシシクロへキシルエチルメチルシロキサン)(2−3モル%)−ジメチルシロキサン共重合体(EMS−234:チッソ製)をしみ込ませたステンレス製焼結フィルタ−(細孔径80〜100μm、直径18mmφ、厚さ3mm)を真空蒸着装置内にセットし、以下の条件で電子銃を用いて該焼結フィルター全体を加熱して、塗膜を形成したコンタクトガラス3を得た。
(条件)
真空度:3.1×10-4 〜8.0×10-4Pa
(2.3×10-6〜6.0×10-6Torr)
加速電圧:6kV
印加電流:40mA
照射面積:3.5×3.5cm2
蒸着時間:5秒
アルゴンガス雰囲気の照射容器に移したが、電子加速器で加速された電子を照射しなかった。その他の条件は、実施例8と同様にしてコンタクトガラスを得た。
〔比較例9〕
未処理コンタクトガラスをそのまま使用した。
(評価)
上記のようにして作製したコンタクトガラスのサンプルに対して、紙粉を散布し、その後それをブロワーで吹き飛ばした場合の紙粉の残留状況(防汚効果)、トナーを散布しその後それをブロワーで吹き飛ばした場合のトナーの残留状況(防汚効果)、指紋をつけた場合の汚れの付着状況(防汚効果)を評価した。
更に、各サンプルを、それぞれ実際の電子写真デジタル複写機読み取り部のコンタクトガラス3として使用し、アクリル系粘着両面テープ貼り付けた原稿を多数枚通紙後、ハーフトーン原稿を多数枚通紙し、黒スジ発生や紙詰まりの有無等の画像劣化を評価(防汚効果)、及び100K枚通紙後に同様の評価(防汚効果、経時防汚効果)を実施し、黒スジ発生の有無等の画像劣化を生じさせるかどうか(実用性評価)を評価した。
それぞれの評価基準を下記に示し、評価結果を表1に示す。
◎:防汚効果大、実用的
○:防汚効果が認められる、実用上問題なし
△:防汚効果は認められるが、実用的には問題が生じる場合もある
×:防汚効果ほとんどなし、実用性に難あり
なお、実用面における総合評価を、上記5項目の評価を踏まえて、下記の基準で行った。
◎:優秀、○:秀、△:良、×:不良。
Figure 2006178393
上記表1の結果から、コンタクトガラス面に、シリコーン系材料、フッ素基を持つシリコーン系材料とパーフルオロポリエーテル構造を有する化合物又はケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物又は加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造またはフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基と有する有機ケイ素構造を持つフッ素化合物を含有し、これを電離放射線により架橋して改質した防汚層を設けた実施例1〜9においては、防汚効果の持続性が良好で、実用上の特性が優れていることが分った。
特に、放射線架橋性官能基を有するシリコーン系材料を適用した実施例6〜8においては、極めて優れた防汚効果を持続的に発揮することができた。
本発明の画像読み取り装置においては、原稿がコンタクトガラスに接触するため、紙粉やトナー等が原稿表面から離脱するが、離脱した紙粉やトナー等、あるいは空気中に浮遊する異物等も、本発明により検討した防汚層形成の効果によって、コンタクトガラスに付着したり残留したりせず、原稿の移動とともに一緒に運ばれることとなる。
よって、これらの異物が、読み取り装置によって異物画像情報として読み取られることがなく、ファクシミリの記録品質、あるいは複写機、及び複合機等の画像形成品質を劣化させることがなく、高品質な画質が維持される。
また、このような異物付着によって発生する紙詰まりなども抑制される効果も発揮でき、コンタクトガラス部品の交換の回数を大幅に低減化でき、コストダウンにも寄与する。
本発明の画像読み取り装置の概略構成図を示す。
符号の説明
1 読み取り部
2 原稿テーブル
3 コンタクトガラス
4 底板
5 呼び出しコロ
6 給紙部材
7 分離部材
8a,8b 搬送ローラ対
9 搬送部
10 給紙/分離部
11a,11b 中間搬送ローラ
15 排紙トレイ
20 装置本体
20c 本体側ガイド
21 読み取りガイド部材
31〜33 ミラー
34 レンズ
35 CCD
40 排紙部
100 画像読み取り装置

Claims (11)

  1. 読み取り部と原稿との間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら、画像読み取りを行う画像読み取り装置であって、
    前記透光性部材の前記原稿と相対する面に防汚層が設けられており、
    当該防汚層が、少なくともシリコーン系材料を含有しており、当該シリコーン系材料は、電離放射線により架橋して改質されているものであることを特徴とする画像読み取り装置。
  2. 前記防汚層が、少なくとも放射線架橋性官能基を有するシリコーン系材料を含有していることを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置。
  3. 前記放射線架橋性官能基が、少なくともアクリロイルアルキル基、メタクリロイルアルキル基、メルカプトアルキル基のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の画像読み取り装置。
  4. 前記防汚層が、少なくとも放射線架橋性官能基を有するフッ素基を持つシリコーン系材料を含有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像読み取り装置。
  5. 前記防汚層が、
    少なくともフッ素基を持つシリコーン系材料と、
    パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物、又はケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物、又は加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造あるいはフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素構造を持つフッ素化合物とを含有しており、
    電離放射線により架橋して改質されているものであることを特徴とする請求項4に記載の画像読み取り装置。
  6. 前記透光性部材表面に、微細凹凸が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置。
  7. 前記防汚層は、前記透光性部材の表面に前処理を施した後に設けられたものであり、
    前記透光性部材の表面の前処理は、表面改質及び表面洗浄処理であり、当該前処理が、アルカリ処理、プラズマ処理、溶剤洗浄処理、エッチング処理の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置。
  8. 前記電離放射線が、少なくとも電子線、ガンマ線、及び紫外線の、少なくともいずれか一種の放射線であることを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置。
  9. 前記電離放射線の照射が無酸素雰囲気下で行われ、かつ照射に要する線量範囲が1kGy〜10MGyであることを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置。
  10. 読み取り部と原稿との間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行う画像読み取り装置を具備する画像読み取り装置付き記録装置であって、
    前記透光性部材の前記原稿と相対する面に防汚層が設けられており、
    当該防汚層が、少なくともシリコーン系材料を含有しており、
    当該シリコーン系材料は、電離放射線により架橋して改質されているものであることを特徴とする画像読み取り装置付き記録装置。
  11. 読み取り部と原稿との間に透光性部材を介し、原稿を搬送しながら画像読み取りを行う画像読み取り装置を具備する画像読み取り装置付き記録装置であって、
    前記透光性部材の前記原稿と相対する面に防汚層が設けられており、
    当該防汚層が、
    少なくともフッ素基を持つシリコーン系材料と、
    パーフルオロポリエーテル構造を有する化合物、又はケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造を持つ化合物、又は加水分解性ケイ素含有パーフルオロポリエーテル構造あるいはフッ素置換アルキル基とパーフルオロポリエーテル基とを有する有機ケイ素構造を持つフッ素化合物とを含有しており、
    前記フッ素基を持つシリコーン系材料、及び前記フッ素化合物は、電離放射線により架橋して改質されているものであることを特徴とする画像読み取り装置付き記録装置。
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