JP2006177183A - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Eiji Watanabe
英治 渡邊
Kiyoharu Ikeda
清春 池田
Fumiaki Sano
文昭 佐野
Takeshi Fushiki
毅 伏木
Teruhiko Nishiki
照彦 西木
Masao Tani
谷  真男
Takashi Sehata
崇史 瀬畑
Toshitsune Arai
聡経 新井
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Abstract

【課題】 インジェクションを行った場合でも、各部軸受負荷の増大、圧縮室の漏れ損失を極小に抑えることができるスクロール圧縮機緒を提供することを目的とする。
【解決手段】 固定スクロールの台板背面部に設けられ、密閉容器から繋がるインジェクション経路と、このインジェクション経路から固定スクロールの台板を通り圧縮室に連通するインジェクションポートと、揺動スクロールの台板に設けられ、圧縮室で加圧された冷媒ガスを導き出す抽気孔と、コンプライアントフレームのスラスト軸受部に設けられ、抽気孔と、主軸の1回転あたり限られた区間のみ連通可能となるように配設された連通路とを備え、コンプライアントフレームの外側面に密閉容器内と圧力的に遮断されたフレーム空間を形成し、圧縮室とフレーム空間が連通する区間は、常にインジェクションポートと圧縮室が連通する区間内となるように構成としたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、冷凍空調機器等に使用されるスクロール圧縮機に関するものである。
従来のスクロール圧縮機は、熱交換器により設定された吸入冷媒ガスを圧縮機に吸込み圧縮し、高温・高圧の冷媒ガスを外部サイクルへ供給するため、運転条件により吸入冷媒ガスの温度・圧力が低い場合には、外部サイクルへ供給される冷媒循環量が不足し、能力が不足してしまう。
特開平4−370383号公報
従来のスクロール圧縮機では、圧縮機構部の冷却を行う主目的で、圧縮途中の圧縮室内に冷媒に噴射(以下インジェクションと言う)を行い、性能・信頼性の向上を狙っている。しかし、圧縮途中の圧縮室に冷媒ガスを導くと言うことは、圧縮途中の圧力Pmとインジェクション圧力Pinjの関係は、Pm<Pinjとなり、圧縮によるガス負荷はラジアル方向、アキシャル方向ともに増大することになる。このため温度の低いインジェクションガスを圧縮室に導き圧縮機構部の温度を冷却することが可能でも、各部軸受負荷の増大、圧縮室の漏れ損失の増大となる。圧縮室の漏れ損失が増大した場合、圧縮途中の冷媒ガスは再圧縮されることになり、更なる損失増大へとつながるため、圧縮機の信頼性向上、効率向上には繋がらないことになる。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、インジェクションを行った場合でも、各部軸受負荷の増大、圧縮室の漏れ損失を極小に抑えることができるスクロール圧縮機緒を提供することを目的とする。
この発明に係るスクロール圧縮機は、固定スクロール及び揺動スクロールの板状渦巻歯が噛み合わされて圧縮室を形成し、揺動スクロールを駆動する主軸を支持する主軸受が形成されたコンプライアントフレームを有する圧縮機構部を密閉容器内に設けたスクロール圧縮機において、固定スクロールの台板背面部に設けられ、密閉容器から繋がるインジェクション経路と、このインジェクション経路から固定スクロールの台板を通り圧縮室に連通するインジェクションポートと、揺動スクロールの台板に設けられ、圧縮室で加圧された冷媒ガスを導き出す抽気孔と、コンプライアントフレームのスラスト軸受部に設けられ、抽気孔と、主軸の1回転あたり限られた区間のみ連通可能となるように配設された連通路とを備え、コンプライアントフレームの外側面に密閉容器内と圧力的に遮断されたフレーム空間を形成し、圧縮室とフレーム空間が連通する区間は、常にインジェクションポートと圧縮室が連通する区間内となるように構成としたことを特徴とする。
この発明に係るスクロール圧縮機は、上記構成により、インジェクションを行った場合でも、各部軸受負荷の増大、圧縮室の漏れ損失を極小に抑えることができる。
実施の形態1.
図1〜11は実施の形態1を示す図で、図1はスクロール圧縮機を備えた冷媒回路を示す図、図2はスクロール圧縮機の固定スクロール付近を説明するための部分縦断面図、図3はスクロール圧縮機の上面図、図4はスクロール圧縮機の揺動スクロール付近を説明するための部分縦断面図、図5は圧縮室とインジェクションポート、抽気孔の位置関係を示す断面図、図6はスクロール圧縮機のコンプライアントフレーム付近を説明するための部分縦断面図、図7はスクロール圧縮機のガイドフレーム付近を説明するための部分縦断面図、図8はスクロール圧縮機の縦断面図、図9はスクロール圧縮機の抽気孔端部の軌跡を示す拡大図、図10はスクロール圧縮機のインジェクションポート及び抽気孔の連通区間を示す模式図、図11はスクロール圧縮機の定常運転時、インジェクション運転時(定常運転時)及びインジェクション運転時(異常運転時)の力学的説明図である。
図1において、吸入管10a(図1において右側)から吸われた冷媒は圧縮機で圧縮され、吐出管10b(図1において左側の下)から冷凍サイクルへ吐き出され、凝縮器53を通り、液化した冷媒は減圧器54を介して減圧され、蒸発器55を通り再び吸入管10aに戻って来る。また液化した冷媒の一部は流量制御弁51、インジェクション冷媒供給管52を通り、インジェクション管10c(図1において左側の上)へと流入可能となっている。
図2において、固定スクロール1は、外周部はガイドフレーム15にボルト(図示せず)により締結されており、固定スクロール台板1aの下側には板状渦巻歯1bが形成され、外周部には2個一対のオルダムリング案内溝1cがほぼ一直線上に形成され、このオルダムリング案内溝1cにはオルダムリング9の2個一対の固定側爪9cが往復運動自在に係合されている。
また、固定スクロール1の側面方向には吸入管10a、インジェクション管10cが、密閉容器10を貫通して圧入され、インジェクション管10cから繋がり、固定スクロール台板1a上面にボルト(図示せず)により締結されたインジェクションプレート60に設けられたインジェクション経路60aが形成され、固定スクロール台板1aに設けられたインジェクションポート1hへとつながっている。インジェクションプレート60は固定スクロール1の固定スクロール台板1a背面に金属面同士を接合した形態で設置されている(図3も参照のこと)。
図4において、揺動スクロール2は、揺動スクロール台板2aの上側には固定スクロール1の板状渦巻歯1bと実質的に同一形状の板状渦巻歯2bが形成されており、板状渦巻歯1bとの組合せにより2個1対の圧縮室が連続的に形成されており、それぞれの圧縮室にはインジェクション経路60aから繋がるインジェクションポート1hが連通している。
ここで、図5にインジェクションポートの配置位置を示す。インジェクションポート1hは板状渦巻歯1b、2bの組合せにより形成される最外側の圧縮室70が形成された後に圧縮室70と連通する位置に配設されている。
また、図4において、揺動スクロール台板2aの板状渦巻歯2bと反対側の面(図4において下側)の中心部には中空円筒形状のボス部2fが形成されており、そのボス部2fの内周面には揺動軸受2cが形成されている。また、ボス部2fと同じ側の面の外周部にはコンプライアントフレーム3のスラスト軸受3aと圧接摺動可能なスラスト面2dが形成されている。
また、揺動スクロール2の揺動スクロール台板2aの外周部には、固定スクロール1のオルダムリング案内溝1cとほぼ90度の位相差を持つ2個一対のオルダムリング案内溝2eがほぼ一直線上に形成されており、このオルダムリング案内溝2eにはオルダムリング9の2個一対の揺動側爪9aが往復運動自在に係合されている。
さらに揺動スクロール台板2aには、その固定スクロール1側の面(図4において上側の面)と、コンプライアントフレーム3側の面(図4において下側の面)とを連通する穴である抽気孔2jが形成されている。この抽気孔2jのコンプライアントフレーム側の面の抽気孔開口部2kは、通常運転時にはその円軌跡がコンプライアントフレーム3のスラスト軸受3aの内部に常時収まるように配設されている。
図6において、コンプライアントフレーム3の中心部には、電動機により回転駆動される主軸4を半径方向に支持する主軸受3c及び補助軸受3hが形成されている。また、コンプライアントフレーム3には、スラスト軸受3aの面からフレーム空間15fに連通する連通路3sが形成されている。
また、コンプライアントフレーム3には、圧力調整弁収納空間3pも形成されており、この圧力調整弁収納空間3pの一端には揺動スクロール背圧室2hに連通すると共に他端は台板外周空間2iに連通している。
また、この圧力調整弁収納空間3pには、往復運動自在に中間圧力調整弁3lを収納すると共に、中間圧力調整スプリング押え3tがコンプライアントフレーム3に固着されて収納され、これら中間圧力調整弁3lと中間圧力調整スプリング押え3tとの間には中間圧力調整スプリング3mが自然長より縮められて収納されている。
図7において、ガイドフレーム15の外周面15gは焼きばめもしくは溶接などによって密閉容器10に固着されているものの、固定スクロール1の吐出ポート1fから吐出される高圧の冷媒ガスをガイドフレーム15より電動機側(図7において下側)に設けられた吐出管10bに導く流路は確保されている。
また、ガイドフレーム15の内側面の固定スクロール側(図7において上側)には、上部嵌合円筒面15aが形成されており、コンプライアントフレーム3の外周面に形成された上嵌合円筒面3dと係合されている。他方ガイドフレーム15の内側面の電動機側(図7において下側)には、下部嵌合円筒面15bが形成されており、コンプライアントフレーム3の外周面に形成された下嵌合円筒面3eと係合されている。
また、ガイドフレーム15の内側面には、シール材を収納するリング状のシール溝が2ヶ所に形成されており、それらのシール溝にリング状の上部シール材16aおよびリング状の下部シール材16bが嵌着されている。そしてこれら2つのシール材とコンプライアントフレーム3の外側面とによって形成された空間は、フレーム空間15fを形成している。
なお、上部シール材16aおよび下部シール材16bを収納するリング状の溝は、コンプライアントフレーム3の外周側でもよい。
また、上部シール材16aおよび下部シール材16bは必ずしも必要ではなく、係合箇所の微小隙間で(例えば、油膜形成等で)シールを行うことで省略できる部品である。
また、ガイドフレーム15には、圧力調整弁収納空間15pも形成されており、この圧力調整弁収納空間15pの一端はフレーム空間15fに連通すると共に、他端は密閉容器10内の吐出圧力空間に連通している。また、この圧力調整弁収納空間15pには、往復運動自在に中間圧力調整弁32を収納すると共に、中間圧力調整弁押え15tがガイドフレーム15に固着されて収納され、これら中間圧力調整弁32と中間圧力調整スプリング押え15tとの間には中間圧力調整スプリング15mが自然長より縮められて収納されている。
また、上下を揺動スクロール2の揺動スクロール台板2aとコンプライアントフレーム3で囲われたスラスト軸受3aの外周側の空間、すなわち台板外周空間2iは、板状渦巻歯の巻終わり近傍である吸入空間1gと連通しているので、吸入ガス雰囲気(吸入圧)の低圧空間となっている。
図8において、主軸4の揺動スクロール側(図8において上側)端部には、揺動スクロール2の揺動軸受2cと回転自在に係合する揺動軸部4bが形成されており、その下側には主軸バランサ4eが焼きばめられている。さらにその下側にはコンプライアントフレーム3の主軸受3cおよび補助軸受3hと回転自在に係合する主軸部4cが形成されている。
また、主軸4の他端部には、サブフレーム6の副軸受6aと回転自在に係合する副軸部4dが形成されている。そしてこの副軸部4dと前述した主軸部4cとの間に電動機回転子8が焼きばめられている。
さらに、主軸4の下端面は密閉容器10の底部に溜まった冷凍機油10eに没しており、主軸4に設けられた主軸貫通穴4gを通して冷凍機油10eを各摺動部へ供給する。
次に動作について説明する。
定常運転時において、吸入ガスを吸入管10aから吸い込み、固定スクロール1及び揺動スクロール2のそれぞれの板状渦巻歯1b、2bにより形成された圧縮室70により、冷媒ガスを順次圧縮していく。圧縮過程の途中で中間圧力となった冷媒ガスは、揺動スクロール2に形成された抽気孔2j、コンプライアントフレーム3に設けられた連通路3sを通りフレーム空間15fに導かれる。固定スクロール1、揺動スクロール2のそれぞれの板状渦巻歯1b、2bで形成された圧縮室70で冷媒ガスの圧縮が行われると、揺動スクロール2には冷媒ガス圧縮に伴い半径方向及び軸方向(図2において下側)にガス荷重を受け、揺動スクロール2は下方に移動しようとする。
一方、フレーム空間15fに導かれた中間圧力Pmによりコンプライアントフレーム3は揺動スクロール2と共に上方向に押し上げられ、固定スクロール1の台板底部と揺動スクロール2の板状渦巻歯2bの隙間、および固定スクロール1の板状渦巻歯1bと揺動スクロール2の台板底部の隙間を極小化させた最適な状態で運転される。
上述のようにフレーム空間15fの圧力は、圧縮途中の圧縮室から導かれる。この時、図9に示すように揺動スクロール2の抽気孔2jとコンプライアントフレーム3の連通路3sは、主軸4の1回転あたり限られた区間のみ連通可能となるように配設され、図9に示すようにフレーム空間15fの圧力変動が、圧縮室内圧力変動に比べて小さくなるように設定している。
次にインジェクション運転時について説明する。
インジェクション運転時には、密閉容器10を貫通して固定スクロール台板1aに圧入されたインジェクション管10c、及びインジェクションプレート60に設けられたインジェクション経路60aを通り中間圧力=Pinjである冷媒が、圧力Pmの圧縮室70に導かれる。このときの圧力関係は、Pm<Pinjとなっている。
また、インジェクション冷媒は、圧縮機から吐出された冷媒を冷凍回路の途中から導く構造とし、その時の温度関係は、Td>Tinjとなっている。
前述のように、インジェクション運転は圧縮途中の圧縮室70に冷媒をインジェクションすることにより吐出冷媒循環量が増加させるため、インジェクションポートは最外側の圧縮室が形成された直後に圧縮室70に連通することが望ましい。このようにインジェクション運転を行うことにより、冷媒循環量が増加するため冷凍サイクルの性能は向上し、また吐出ガス温度を低減することが可能となる。
一方、図11に示すようにインジェクション運転をしない場合(a)、圧縮室70の圧力を抽気孔2jを通しフレーム空間15fに導き適正な力Ffでコンプライアントフレーム3を軸方向上方に押し上げ、固定スクロール1の台板底部と揺動スクロール2の板状渦巻歯2bの隙間、及び固定スクロール1の板状渦巻歯1bと揺動スクロール2の台板底部の隙間を極小化させ圧縮室70の漏れ損失を極小化させた状態で運転される。
次にインジェクション時の定常運転時の場合(b)、圧縮途中の圧縮室70にPm<Pinjとなるインジェクション冷媒を供給することになるので、圧縮負荷が増大し、揺動スクロール2及びコンプライアントフレーム3は下方に押し下げられ、固定スクロール1と揺動スクロール2は離間することになる。しかしながら、図10に示すフレーム空間15fと圧縮室70の連通区間、インジェクション経路60aと圧縮室70の連通タイミングの関係で分かるように、圧縮室70とフレーム空間15fが連通する区間は常にインジェクション経路60aと圧縮室70が連通する区間内となるような構成としているため、このときのフレーム空間15fの圧力Pminjは、Pm<Pminj<Pinjとなる。従って、フレーム空間15fの圧力はPminjまで上昇することにより、揺動スクロール2及びコンプライアントフレーム3を押し上げる力はFf1に増大し、固定スクロール1の台板底部と揺動スクロール2の板状渦巻歯2bの隙間、および固定スクロール1の板状渦巻歯1bと揺動スクロール2の台板底部の隙間を極小化させ圧縮室70の漏れ損失を極小化させた状態で運転されることになる。つまりインジェクション無しでの定常運転時と同じ状態で運転することが可能となることになる。
また、急激に圧力の高い冷媒がインジェクション管を通り圧縮室70にインジェクションされた場合や、非圧縮性流体である液体(液冷媒または冷凍機油)がインジェクションされた場合(c)、圧縮室内の圧力は急激に上昇することにより各部軸・軸受部や板状渦巻歯1b、2b等に損傷を与える危険性がある。しかし上述のような形態をとった場合には、圧縮室70の圧力の異常上昇時には、揺動スクロール2、及びコンプライアントフレーム3を軸方向下側押し上げる力Ff2と押し下げる力Ff3が、Ff2<Ff3の関係で作用することになるため、固定スクロール1の台板底部と揺動スクロール2の板状渦巻歯2bの隙間、および固定スクロール1の板状渦巻歯1bと揺動スクロール2の台板底部の隙間を増大させ、圧縮室70の圧力を逃がすことにより軸受部ならびに板状渦巻歯1b、2bの損傷を回避することが可能となっている。
以上のように、圧縮途中の圧縮室70に中間圧力である冷媒をインジェクションすることにより冷凍回路内を循環する冷媒流量を増大させ、圧縮室70内の隙間を極小化させることにより圧縮機効率を増大させるため、冷凍サイクルとしての暖房能力を増大させることが可能となり、圧縮室70の圧力の異常上昇時には圧縮室70の隙間を増大させ圧力を低減することにより、圧縮機の損傷を回避することが可能となる。
また、インジェクション経路60aを固定スクロール1の固定スクロール台板1a内に設ける構成としても同様な構成・効果が得られることは明らかである。
また、本実施の形態において、インジェクションプレート60は固定スクロール1の固定スクロール台板1a背面に直接配置した形態で説明を行ったが、インジェクションプレート60と固定スクロール1の固定スクロール台板1a背面の間にゴム材等で形成されたパッキンを介在させ、インジェクションプレート60と固定スクロール台板1aの接合面のシール性を向上させても同等な効果が得られることになる。
実施の形態2.
図12は実施の形態2を示す図で、冷媒回路に接続されたスクロール圧縮機の縦断面図である。図12において、インジェクション管10cは固定スクロール台板1a背面に設置したインジェクションプレート60に設けられたインジェクション経路60aと連通している。
近年の冷凍サイクル装置は運転の多様化に合わせて、インジェクション流量も運転状態に合わせて最適に行われなければならないため、インジェクション冷媒供給管52には運転状況にあわせて流量を調整可能な流量制御弁51が配設されている。この制御は、例えば冷凍回路の動作制御と共にマイクロコンピュータによって制御可能であるが、この制御方式に限られることではない。
このような制御によりインジェクション流量を制御する場合、過渡的な状況、制御回路の異常などにより設定しているインジェクション流量、インジェクション圧力が異常上昇する場合が考えられる。この場合急激に圧力の高い冷媒が圧縮途中の圧縮室70に導かれる為、圧縮に要する負荷も急激に増大し、軸・軸受部及び板状渦巻歯1b、2bに損傷を与えてしまうことが想定される。
しかし、図12に示すように、固定スクロール1に設けられたインジェクション経路60aをインジェクション冷媒供給管52の内径よりも小さいサイズにすることにより、インジェクション経路60aでは圧力損失が生じ、圧縮室内に導かれるインジェクション圧力の急激な上昇を緩和可能となり、圧縮負荷の急激な増大を抑制することが可能となり、信頼性の高いインジェクションスクロール圧縮機が得られる。
また、インジェクション運転を行わない定常運転時には、インジェクションポート1h〜インジェクション経路60a〜インジェクション冷媒供給管52〜インジェクション流量制御弁51の区間はデッドボリュームとなり、圧縮機の単体性能を低下させることになる。しかし、インジェクション経路の流路面積を小さくしておくことにより、運転中のデッドボリュームの影響を極小に抑えることが可能となる。
本実施の形態では、流路面積が小さい箇所をインジェクション経路60aで説明したが、インジェクションポート1h〜インジェクション冷媒供給管52の間であれば同様な効果が得られる。
また、インジェクション経路60aを固定スクロール1の固定スクロール台板1a内に設ける構成としても同様な構成・効果が得られることは明らかである。
実施の形態3.
図13は実施の形態3を示す図で、冷媒回路に接続されたスクロール圧縮機の部分縦断面図である。図13において、インジェクション管10cと、インジェクション管10c先端に設けられたインジェクタ10fは溶接などにより接合されている。インジェクタ10fは剛性の高い部材で形成され、インジェクタ10fの内径はインジェクション管10cの内径よりも小径となるように構成されている。
また、インジェクタ10fは固定スクロール台板1aに設けられたインジェクション経路60bに圧入接続され、固定スクロール台板1a背面に設置したインジェクションプレート60に設けられたインジェクション経路60aと連通している。インジェクタ10fの内径を小径に構成しているため、デッドボリュームとして圧縮機単体の性能に悪影響を及ぼす領域はインジェクションポート1h〜インジェクタ10fの間の容積となる。
また、インジェクタ10fを剛性の高い部材で構成しているため、固定スクロール台板1aのインジェクション経路60bへの圧入接続時にインジェクタ10fをエアハンマ等で打ち付けることが可能となり、組立性が容易である。
実施の形態4.
図14は実施の形態4を示す図で、スクロール圧縮機を備えた冷媒回路を示す図である。図14において、インジェクション管10cは、固定スクロール台板1a背面に設置したインジェクションプレート60に設けられたインジェクション経路60aと連通している(図示しない)。インジェクション接続管80は、インジェクション管10cと冷凍サイクル中のインジェクション冷媒供給管52をつなぎ、インジェクション管10cとは溶接等により接続されている。
インジェクション管10cは密閉容器10の側面に配置されており、インジェクション管10cに接続されたインジェクション接続管80は冷凍サイクル中のインジェクション冷媒供給管52と接続されるまでの間に、一部湾曲させたインジェクション接続管湾曲部80aを設けインジェクション接続管80の振動、応力を吸収可能な形状となっている。
近年の冷凍サイクル装置は運転の多様化に合わせて、インジェクション流量、運転周波数も運転状態に合わせて最適に行われなければならないため、運転状況によっては冷凍サイクルと接続される各部配管の振動が大きくなることが想定されるが、上述のように振動・応力を吸収可能な部分(インジェクション接続管湾曲部80a)をインジェクション接続管80に設けることにより配管折損といった不具合を回避することが可能となる。
また、密閉容器10に設けられたインジェクション管ホルダ10hは、インジェクション接続管80とインジェクション管ホルダ10hを固定することによりインジェクション接続管80の振動・応力に対する耐力を向上させることが可能となる。
インジェクション接続管80とインジェクション管ホルダ10hの間にゴム材等で構成された衝撃吸収材10jを用いると更に振動・応力に対する耐力を向上させることが可能となる。
実施の形態1を示す図で、スクロール圧縮機を備えた冷媒回路を示す図である。 実施の形態1を示す図で、スクロール圧縮機の固定スクロール付近を説明するための部分縦断面図である。 実施の形態1を示す図で、スクロール圧縮機の上面図である。 実施の形態1を示す図で、スクロール圧縮機の揺動スクロール付近を説明するための部分縦断面図である。 実施の形態1を示す図で、圧縮室とインジェクションポート、抽気孔の位置関係を示す断面図である。 実施の形態1を示す図で、スクロール圧縮機のコンプライアントフレーム付近を説明するための部分縦断面図である。 実施の形態1を示す図で、スクロール圧縮機のガイドフレーム付近を説明するための部分縦断面図である。 実施の形態1を示す図で、スクロール圧縮機の縦断面図である。 実施の形態1を示す図で、スクロール圧縮機の抽気孔端部の軌跡を示す拡大図である。 実施の形態1を示す図で、スクロール圧縮機のインジェクションポート及び抽気孔の連通区間を示す模式図である。 実施の形態1を示す図で、スクロール圧縮機の定常運転時、インジェクション運転時(定常運転時)及びインジェクション運転時(異常運転時)の力学的説明図である。 実施の形態2を示す図で、冷媒回路に接続されたスクロール圧縮機の縦断面図である。 実施の形態3を示す図で、冷媒回路に接続されたスクロール圧縮機の部分縦断面図である。 実施の形態4を示す図で、スクロール圧縮機を備えた冷媒回路を示す図である。
符号の説明
1 固定スクロール、1a 固定スクロール台板、1b 板状渦巻歯、1c オルダムリング案内溝、1f 吐出ポート、1h インジェクションポート、2 揺動スクロール、2a 揺動スクロール台板、2b 板状渦巻歯、2c 揺動軸受、2d スラスト面、2e オルダムリング案内溝、2f ボス部、2h 揺動スクロール背圧室、2i 台板外周空間、2j 抽気孔、2k 抽気孔開口部、3 コンプライアントフレーム、3a スラスト軸受、3c 主軸受、3h 補助軸受、3l 中間圧力調整弁、3m 中間圧力調整スプリング、3p 圧力調整弁収納空間、3s 連通路、3t 中間圧力調整スプリング押え、4 主軸、4b 揺動軸部、4c 主軸部、4d 副軸部、4e 主軸バランサ、4g 主軸貫通穴、6 サブフレーム、6a 副軸受、8 電動機回転子、9 オルダムリング、9a 揺動側爪、9c 固定側爪、10 密閉容器、10a 吸入管、10b 吐出管、10c インジェクション管、10e 冷凍機油、10f インジェクタ、10h インジェクション管ホルダ、10j 衝撃吸収材、15 ガイドフレーム、15a 上部嵌合円筒面、15b 下部嵌合円筒面、15f フレーム空間、15g 外周面、15m 中間圧力調整スプリング、15p 圧力調整弁収納空間、15t 中間圧力調整スプリング押え、16a 上部シール材、16b 下部シール材、32 中間圧力調整弁、51 流量制御弁、52 インジェクション冷媒供給管、53 凝縮器、54 減圧器、55 蒸発器、60 インジェクションプレート、60a インジェクション経路、60b インジェクション経路、70 圧縮室、80 インジェクション接続管、80a インジェクション接続管湾曲部。

Claims (5)

  1. 固定スクロール及び揺動スクロールの板状渦巻歯が噛み合わされて圧縮室を形成し、前記揺動スクロールを駆動する主軸を支持する主軸受が形成されたコンプライアントフレームを有する圧縮機構部を密閉容器内に設けたスクロール圧縮機において、
    前記固定スクロールの台板背面部に設けられ、前記密閉容器から繋がるインジェクション経路と、
    このインジェクション経路から前記固定スクロールの台板を通り前記圧縮室に連通するインジェクションポートと、
    前記揺動スクロールの台板に設けられ、前記圧縮室で加圧された冷媒ガスを導き出す抽気孔と、
    前記コンプライアントフレームのスラスト軸受部に設けられ、前記抽気孔と、前記主軸の1回転あたり限られた区間のみ連通可能となるように配設された連通路とを備え、前記コンプライアントフレームの外側面に前記密閉容器内と圧力的に遮断されたフレーム空間を形成し、前記圧縮室と前記フレーム空間が連通する区間は、常に前記インジェクションポートと前記圧縮室が連通する区間内となるように構成としたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記固定スクロールに設けられた前記インジェクションポートを、前記板状渦巻歯により形成された最外側の圧縮室が形成された後に前記最外側の圧縮室に連通するように配設したことを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記密閉容器から圧縮室内に連通する前記インジェクション経路において、圧縮機外部に接続される装置側配管内径よりも小さい径の部分を有することを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  4. 前固定スクロールに設けられた前記インジェクション経路と冷凍サイクルを接合するインジェクション管の先端を剛性の高い部材で形成し、前記インジェクション管先端の内径を他のインジェクション経路よりも小径とし、前記インジェクション管先端を前記固定スクロールに設けられた前記インジェクション経路に圧入することによりインジェクション経路を形成したことを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記インジェクション経路と冷凍サイクルを接続するインジェクション管を前記密閉容器側面から取出し、前記インジェクション管に接続されたインジェクション配管は冷凍サイクル中のインジェクション冷媒供給管と接続されるまでの間に、一部湾曲させたインジェクション接続管湾曲部を設けたことを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
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