JP2006175348A - スプレー塗布方法、スプレー塗布装置及びインクジェット記録用紙 - Google Patents

スプレー塗布方法、スプレー塗布装置及びインクジェット記録用紙 Download PDF

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Abstract

【課題】 表面層をスプレー塗布装置にて形成し記録用紙を製造する際、スプレー状態の確認が容易で、支持体及び塗布液のロスが少なく、塗布故障を防止しした記録用紙の表面層のスプレー塗布方法、表面層塗布用のスプレー塗布装置、記録用紙の提供。
【解決手段】 バックアップロールに支持され連続搬送する支持体上のインク吸収層上に、スプレー塗布装置により、塗布液をスプレー塗布し表面層を形成する、インクジェット記録用紙の表面層のスプレー塗布方法において、該スプレー塗布装置は、スプレーコータと、監視手段と、塗布液飛散防止手段とを有し、該塗布液飛散防止手段の開口部を前記スプレーコータの幅方向の壁面に接触させ、前記開口部の面積が噴霧面積に対して100〜700%で、気体吸引量が前記スプレーコータの気体供給量に対して100〜300%であることを特徴とするスプレー塗布方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、支持体上に形成されたインク吸収層上に塗布液をスプレーすることでインク吸収層上に表面層を形成する、インクジェット記録用紙(以下、単に記録用紙とも言う)の表面層のスプレー塗布方法、表面層塗布用のスプレー塗布装置、記録用紙に関する。
インクジェット記録は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて記録用紙に付着させ、画像・文字などの記録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点を有している。特に、最近ではプリンタの高画質化が進み写真画質に到達していることから、記録用紙も写真画質を実現し、且つ銀塩写真の風合い(光沢性、平滑性、コシなど)を再現することが求められている。
銀塩写真の風合いを再現する方法の1つとして、支持体上にゼラチンやポリビニルアルコールなどの親水性バインダを塗設した、いわゆる膨潤型の記録用紙が知られている。しかしながら、この方法で作製された記録用紙は、インク吸収速度が遅い、プリント後に表面がべたつき易い、保存中に湿度の影響を受けて画像がにじみ易い等の欠点を有している。特に、インク吸収速度が遅いため、吸収される前にインクの液滴同士が混ざり合い、異色間のにじみ(ブリーディング)や同色内の色むら(ビーディング)を発生させやすく、銀塩写真と同程度の画質を得るのは非常に困難となっている。
上記膨潤型に代わり主流となりつつあるのがいわゆる空隙型であり、インク吸収層に多孔質の無機微粒子を有しており、この多孔質の無機微粒子にインクを吸収させるため、吸収速度が速いのが特徴である。この様な空隙型の記録用紙の例としては、特開平10−119423号、同10−119424号、同10−175364号、同10−193776号、同10−193776号、同10−217601号、同11−20300号、同11−106694号、同11−321079号、同11−348410号、同10−178126号、同11−348409号、特開2000−27093、同2000−94830、同2000−158807、同2000−211241等に記載されている。
一方、画質や風合いに加え、耐久性や画像保存性に対する要求もより高度になり、耐光性、耐湿性、耐水性なども銀塩写真レベルに到達させる試みが数多くなされている。耐光性向上の例としては、特開昭57−74192号、同57−87989号、同57−74193号、同58−152072号、同64−36479号、特開平1−95091号、同1−115677号、同3−13376号、同4−7189号、同7−195824号、同8−25796号、同11−321090号、同11−277893号、特開2000−37951等に記載されている多数の技術が開示されている。
空隙型の記録用紙の場合は、耐光性だけでなく、その空隙構造に起因してオゾン、オキシダント、SOx、NOxなど空気中の極微量の活性な有害ガスにより変褪色を起こし易い問題がある。特に、一般のカラーインクジェットプリンタに採用されているフタロシアニン系水性染料で変褪色が起こり易い。
この様にインク吸収層の空隙構造に起因する問題の対策の1つとしてインク吸収層上に表面層を設ける方法が検討がなされている。表面層を設けることで、空隙構造中にオゾン、オキシダント、SOx、NOxなど空気中の極微量の活性な有害ガスを入り込ませないことから効果的であり、特開平7−237348号公報に記載されている様に0.5〜30μmの厚さの透明高分子膜を設ける技術が知られている。
表面層を設ける方法としては、塗布液をブロック塗布、グラビアロール塗布、押し出し塗布等によりインク吸収層上に塗布しているが、これらの塗布方式の欠点としては次の事項が挙げられる。
1)塗布速度が50m/min以上にすることが困難であるため稼動率が低い。
2)塗布面に干渉ムラが発生し易く、商品価値が低くなる。
3)膜厚分布が不安定で均一な膜厚層が得られにくく、有害ガスの侵入を防止するためには不利である。
4)膜厚が5〜20μmの薄膜塗布が難しいため、記録用紙が膜厚の影響を受け着色してしまう。又、乾燥工程での負荷が大きくなる。
これらのことから、有害ガスの侵入を防止する表面層に対しては、薄く、且つ均一な塗設方法としてスプレーコータを使用したスプレー塗布による表面層の塗布が行われている。例えば、基体の搬送方向と交差する方向の塗布幅にわたってスプレー装置により塗布液をスプレーし、基体上に塗布液層(表面層)を形成する際、スプレーした塗布液の飛散を防止するためにスプレーコータを減圧に保持した筐体内に配設したスプレー装置を使用するスプレー塗布方法及びスプレー塗布装置が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
特許文献1に記載のスプレー塗布装置の場合、塗布工程全体にスプレーした塗布液の飛散防止には効果があるが、しかしながら、次の問題点を有している。
1)スプレー塗布装置が密閉筐体内に配設されているため、スプレーコータの塗布液のスプレー状態の調整を、実際に支持体上に塗布した状態を確認しながら行わなければならないため、支持体と塗布液のロスが大きい。
2)筐体内の減圧度によっては、スプレー状態の塗布液の液滴が支持体に到着する前に吸引されてしまい塗布収率の低下を発生させる危険が高い。
3)塗布中に筐体内の壁に付着した塗布液が液滴が塗膜上に落下し、故障の原因となる危険性がある。
4)スプレー塗布装置を収容する筐体と支持体との間隙から、塗布に使用されなかったスプレーされた塗布液の液滴が飛散し、飛散した液滴が支持体に再付着して塗布ムラを発生させる危険がある。又、飛散した液滴がスプレー塗布工程内を汚す場合もある。
5)スプレー塗布時のスプレー圧により、支持体がバタツキを起こし、支持体の搬送不良及び筐体との接触によるインク吸収層及び塗布直後の塗布液面を削り落とす危険性がある。
この様な状況から、支持体上に形成された少なくとも1層のインク吸収層上に、スプレー塗布装置にて塗布液をスプレーすることで塗設し、表面層を形成し記録用紙を製造する際、スプレーコータの条件設定が容易で支持体及び塗布液のロスが少なく、塗布収率が高く、塗布中に液滴の落下及び支持体のバタツキによる塗布故障を防止しした記録用紙の表面層のスプレー塗布方法、表面層塗布用のスプレー塗布装置、記録用紙を開発することが望まれている。
特開2004−90330号公報
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は、支持体上に形成された少なくとも1層のインク吸収層上に、スプレー塗布装置にて塗布液をスプレーすることで塗設し、表面層を形成し記録用紙を製造する際、スプレーコータの塗布液のスプレー状態の確認が容易で、支持体及び塗布液のロスが少なく、塗布収率が高く、塗布故障を防止しした記録用紙の表面層のスプレー塗布方法、表面層塗布用のスプレー塗布装置、記録用紙を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
(請求項1)
バックアップロールに支持され連続搬送する支持体上に形成された少なくとも1層のインク吸収層上に、該支持体の搬送方向と交差する位置に配設されたスプレー塗布装置により、該インク吸収層の幅方向の全幅に塗布液をスプレー塗布し表面層を形成する、インクジェット記録用紙の表面層のスプレー塗布方法において、
該スプレー塗布装置は、乾燥工程の外部に配設され、スプレーコータと、監視手段と、塗布液飛散防止手段とを有し、
該塗布液飛散防止手段は、該スプレーコータ側に開口部を有する箱体構造の本体と、該本体に繋がった吸引手段と、回収手段と、該バックアップロール上のインク吸収層を有する支持体と前記本体の下面との間隙に気体を供給する気体供給手段とを有し、該開口部を前記スプレーコータの幅方向の壁面に接触させ、前記バックアップロールの外周面に近接するように前記スプレーコータの下流側又は上流側の何れか一方に配設されており、
前記開口部の面積がスプレー面積に対して100〜700%で、
且つ、該吸引手段の気体吸引量が前記スプレーコータの気体供給量に対して100〜300%であることを特徴とするスプレー塗布方法。
(請求項2)
前記本体の内部に整流手段が配設されていることを特徴とする請求項1に記載のスプレー塗布方法。
(請求項3)
前記監視手段が塗布液飛散防止手段と対向する位置に配設され、前記スプレーコータのスプレー状態を常時監視し、異常塗布箇所を塗布記録にフィードバックすることを特徴とする請求項1又は2に記載のスプレー塗布方法。
(請求項4)
前記塗布液飛散防止手段は、スプレーコータの待機位置から塗布位置への移動に合わせて、待機位置から配設位置に移動することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のスプレー塗布方法。
(請求項5)
前記スプレーコータがカーテンスプレーコータであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の表面層のスプレー塗布方法。
(請求項6)
前記インク吸収層が少なくとも1層の無機微粒子と、バインダとを含有する多孔質層で構成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のスプレー塗布方法。
(請求項7)
バックアップロールに支持され連続搬送する支持体上に形成された少なくとも1層のインク吸収層上に、塗布液をスプレー塗布し表面層を形成する、インクジェット記録用紙の表面層塗布用のスプレー塗布装置において、
乾燥工程の外部に配設された、スプレーコータと、監視手段と、塗布液飛散防止手段とを有し、
該塗布液飛散防止手段は、該スプレーコータ側に開口部を有する箱体構造の本体と、該本体に繋がった吸引手段と、回収手段と、該バックアップロール上のインク吸収層を有する支持体と前記本体の下面との間隙に気体を供給する気体供給手段とを有し、該開口部を前記スプレーコータの幅方向の壁面に接触させ、前記バックアップロールの外周面に近接するように前記スプレーコータの下流側又は上流側の何れか一方に配設されており、
前記開口部の面積がスプレー面積に対して100〜700%で、
且つ、該吸引手段の気体吸引量が前記スプレーコータのエアー供給量に対して100〜300%であることを特徴とするスプレー塗布装置。
(請求項8)
前記本体の内部に整流手段が配設されていることを特徴とする請求項7に記載のスプレー塗布装置。
(請求項9)
前記監視手段が塗布液飛散防止手段と対向する位置に配設され、前記スプレーコータのスプレー状態を常時監視し、異常塗布箇所を塗布記録にフィードバックすることを特徴とする請求項7又は8に記載のスプレー塗布装置。
(請求項10)
前記塗布液飛散防止手段は、スプレーコータの待機位置から塗布位置への移動に合わせて、待機位置から配設位置に移動することを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載のスプレー塗布装置。
(請求項11)
前記スプレーコータがカーテンスプレーコータであることを特徴とする請求項7〜10の何れか1項に記載の表面層のスプレー塗布装置。
(請求項12)
前記インク吸収層が少なくとも1層の無機微粒子と、バインダとを含有する多孔質層で構成されていることを特徴とする請求項7〜11の何れか1項に記載のスプレー塗布装置。
(請求項13)
請求項1〜6の何れか1項に記載の表面層のスプレー塗布方法により製造されたことを特徴とするインクジェット記録用紙。
支持体上に形成された少なくとも1層のインク吸収層上に、スプレー塗布装置にて塗布液をスプレーすることで塗設し、表面層を形成し記録用紙を製造する際、スプレーコータの塗布液のスプレー状態の確認が容易で、支持体及び塗布液のロスが少なく、塗布収率が高く、塗布故障を防止しした記録用紙の表面層のスプレー塗布方法、表面層塗布用のスプレー塗布装置、記録用紙を提供することが可能な記録用紙の表面層のスプレー塗布方法、表面層塗布用のスプレー塗布装置、記録用紙を提供することが出来、コスト低減、生産効率の向上、品質向上が可能となった。
本発明の実施の形態を図1〜図7を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1はスプレー塗布装置を配置した記録用紙の塗布製造ラインの一例を示す模式図である。図中、1は塗布製造ラインを示す。塗布製造ライン1は、支持体の繰り出し部2と、インク吸収層を形成する塗布液を塗布する第1塗工部3と、冷却部4と、乾燥部5と、インク吸収層の上に表面層を形成する塗布液をスプレー塗布する第2塗工部6と、巻き取り部7とを有している。
202は支持体201の元巻きロールを示す。繰り出し部2から繰り出された支持体201は第1塗工部3でバックアップロール301に巻回された支持体201上にコータ302により少なくとも1層のインク吸収層を形成するための塗布が行われる。インク吸収層としては少なくとも1層の無機微粒子と、バインダとを含有する多孔質層で構成されていることが好ましい。コータ302としては同時に多層の塗布液が塗布出来ることから流量規制型のスライドビード塗布装置が好ましい。
支持体201上にインク吸収層を形成する塗布液層を有する支持体は、インク吸収層用の塗布液が親水性バインダを含有しているので冷却部4で冷却装置401により固定化された状態で乾燥部5に搬送され、溶媒が除去されてインク吸収層203が形成される。501は乾燥箱を示し、502は搬送用のロールを示し、503は塗布面の接触を避けるため支持体を浮かせて搬送するための気体を吹き出し塗布膜表面と非接触で反転搬送させるリバーサを示す。これにより、塗布面の接触を避け乾燥することが可能となっている。
乾燥部5で、塗布液層中の溶媒が除去されインク吸収層203が形成された段階で、乾燥部5の外側に配置されたバックアツプロール605と、スプレー塗布装置601とを有する第2塗工部6で、バックアツプロール605に巻回された支持体のインク吸収層203の上に表面層用の塗布液がスプレー塗布装置601によりスプレー塗布される。スプレー塗布装置601は、スプレーコータ602と、塗布液飛散防止手段603と、監視手段604とを有している。本発明の記録用紙の表面層塗布に好ましいスプレーコータ602としてはカーテンスプレーコータが挙げられ、以下、スプレーコータ602とはカーテンスプレーコータを言う。
塗布液飛散防止手段603はスプレーコータ602の下流側又は上流側の何れか一方に配設されていればよく、本図ではスプレーコータ602の下流側に配設された場合を示している。監視手段604は、スプレーコータ602を挟んで塗布液飛散防止手段603に対向した位置に配置されており、塗布時にスプレーコータ602からの塗布液のスプレー状態を常時監視することが可能になっている。スプレー塗布装置601に関しては図2で詳細に説明する。
表面層用の塗布液が塗布された支持体は再度乾燥箱に入り乾燥が行われ、表面層用の塗布液の溶媒の除去が行われ表面層204が形成され乾燥箱から出て、巻き取り部7で巻き芯701に巻き取られロール状の記録用紙702が製造される。尚、乾燥部における乾燥は、温風を吹き付け乾燥する方式が好ましい(温風吹き付け手段は不図示)。尚、本発明においてインク吸収層上に形成される表面層は、塗布液がインク吸収層上にスプレー塗布された時、一部はインク吸収層中に浸透している状態も含めるものとする。
第2塗工部6の配設する位置は乾燥工程の途中、好ましくは減率乾燥以降の位置で、且つ、乾燥部の外部で、塗工後に再度乾燥を行うことが可能であれば特に限定はない。例えば、本図に示す乾燥部を第1乾燥部と第2乾燥部との2つ分割し、第1乾燥部と第2乾燥部の間に配設してもよいし、本図に示す様に乾燥部の乾燥箱の上部に配設してもよいが、工程を大きくすることなく第2塗工部6構成する部材を納める関係から乾燥部の乾燥箱の上部に配設することが好ましい。第2塗工部6のスプレー塗布装置601のスプレーコータ602は搬送方向と直交する方向である支持体の塗布面に対向するように配置されている。第2塗工部6を乾燥部の外に出し、バックアップロールに支持された支持体上のインク吸収層上に表面層を塗布することにより次の効果が得られる。
1)スプレー塗布に伴う塗布液の飛沫により、搬送ロール、乾燥箱内壁の汚染が防止出来るため、搬送ロールに付着した異物の転写による異物付着、乾燥箱内壁からの異物落下による異物付着を防止することが可能となり製品性能が安定する。
2)乾燥部を大きくすることがないため、乾燥に必要とするエネルギーのロスを必要最低限に抑えることが可能となる。
3)スプレー塗布装置のメンティナンスが容易になる。
4)バックアップロールに支持された状態で塗布するため、支持体のバタツキが無くなり安定した塗布が可能になり、製品性能が安定する。
図2は図1のXで示される部分の拡大概略平面図である。
図中、602aはスプレーコータ602の塗布液供給管を示す。尚、本図ではエアー供給管602b、602c(図3を参照)は省略してある。603aは塗布液飛散防止手段603の本体を示し、603b(603c)は本体603aの内側を減圧にするための吸引手段である吸引管を示す。その他の符号は図1と同義である。監視手段604はスプレーコータ602を挟んで塗布液飛散防止手段603と対向する位置に配設されており、塗布液飛散防止手段603は本体603aの先端603a1がスプレーコータ602の幅方向の壁面602bに接触するように配設されている。
監視手段604としては、例えば、高速度ビデオカメラ(PHOTRON社製)、CCDカメラ(ELMO社製)等が挙げられる。監視手段604はスプレーコータ602の全幅のスプレー状態を監視する必要があるため、監視手段604の性能とスプレーコータ602の大きさに応じて適宜設置台数を変更することが可能である。本図は、スプレーコータ602のスプレー状態を中央から2分割して監視するため、2台の監視手段604を配置した場合を示している。
監視手段604は、スプレーコータ602のスプレー条件設定から塗布終了まで常時稼動するように設定するのが好ましい。監視手段604からの情報は塗布開始から塗布時間と連動するように設定されており、スプレー状態に異常が生じた場合、異常発生時間と位置が判るように制御装置(不図示)により管理されている。塗布終了後に、塗布開始から終了迄のスプレー状態を制御装置(不図示)から確認することで塗布異常の有無が確認可能となっている。
スプレーコータ602は塗布開始時は待機位置(点線で示されるスプレーコータの位置)から移動手段(不図示)により塗布位置まで移動が可能とすることが好ましい。塗布液飛散防止手段603もスプレーコータ602と同様に塗布開始時は待機位置(点線で示される塗布液飛散防止手段の位置)から移動手段(不図示)によりスプレーコータ602の塗布位置に合わせ移動が可能とすることが好ましい。監視手段604も塗布開始時は待機位置(点線で示される監視手段の位置)から移動手段(不図示)によりスプレーコータ602の塗布位置に合わせ移動が可能とすることが好ましい。スプレーコータ602と、塗布液飛散防止手段603と、監視手段604とはそれぞれが個別に移動してもよいし、例えばスプレーコータ602の移動に合わせて移動するようにしてもかまわない。
θ1はスプレーコータ602と支持体201(図1を参照)との交差する角度を示す。本発明において、交差するとは、スプレーコータ602のスプレー口P(図5を参照)を形成するラインが支持体と平行で、且つ支持体の進行方向に対して交差する角度を言う。即ち、スプレーコータ602は支持体の搬送方向(図1、図3に示す矢印方向)と交差する位置に配設されていることを意味する。角度θ1は、塗布液の塗布する範囲、塗布液のスプレー条件の設定の容易性を考慮し、70〜110°が好ましい。本図の場合は、スプレーコータ602と支持体との交差する角度が90°の場合を示している。
スプレーコータ602の塗布液のスプレー口P(図5を参照)は、少なくとも帯状の支持体上のインク吸収層203(図3を参照)の塗布幅(帯状の支持体の搬送方向と交差する方向における帯状の支持体の被塗布部の長さのことを指す)に対応する長さを有していることが好ましい。この様に配置することで、スプレーコータ602に対して帯状の支持体を搬送させ、帯状の支持体上のインク吸収層203(図3を参照)に塗布液を塗布幅にわたって噴霧することにより、乾燥負荷も少なく、膜厚均一性が高く、薄い塗布膜を塗布出来ることが可能となる。
図3は図1のXで示される部分の概略拡大図である。
図中、602b、602cはエアー供給管を示す。塗布液飛散防止手段603はスプレーコータ602側に開口部603aを有する箱体構造の本体603bと、本体603bの内側を減圧にするための吸引手段である吸引管603c、吸引管603dと、塗布に使用されず本体603b内に集められた塗布液の回収手段である塗布液回収管603eと、バックアップロール605上のインク吸収層203を有する支持体201(図1を参照)と本体603bの下面603b1との間隙606に気体を供給する気体供給手段607とを有している。608は吸引管603c、吸引管603dとにより吸引し、本体603bを減圧する時、開口部603aからの空気の流れを整えることで、スプレーされ塗布に使用されない塗布液の回収を効率よく行うため本体603bの上面603b2の内側に設けられた整流手段の整流板を示す。整流板608に関しては、図4にて詳しく説明する。
塗布液飛散防止手段603の材質は、塗布液に使用している溶媒に対して耐性を有していれば特に限定はなく、例えば、アクリル樹脂、ステンレス鋼、アルミニウム等が挙げられる。又、整流手段である整流板の材質も塗布液に使用している溶媒に対して耐性を有していれば特に限定はなく、例えば、塗布液飛散防止手段603の材質と同じであつてもかまわない。
開口部603aの面積は、塗布液を噴霧する噴霧面積に対し100〜700%である。開口部603aの面積が100%未満の場合は、気体吸引時の流速が必要以上に速くなることで、スプレーコータと支持体との間の空気の流れが乱流となり、噴霧が均一に行われず、塗布ムラが発生するため好ましくない。又、気体の流れが乱流となり、噴霧された塗布液の液滴の一部が支持体に到達擦る前に飛散してしまい、均一な噴霧が行えず、塗布ムラが発生すると共に、支持体への塗布量が減少し、塗布収率が低下するため好ましくない。開口部603aの面積が700%を越える場合は、塗布液の飛散防止をするための気体吸引圧力がバックアップロールに働く支持体の張力以上の圧力で吸引しなければならないため、支持体のバタツキが起こり、均一なスプレー塗布が出来なくなり塗布ムラが発生するため好ましくない。又、吸引圧力が高くなるため、噴霧された塗布液の液滴の一部が支持体に到達擦る前に吸引され、支持体への塗布量が減少し、塗布収率が低下するため好ましくない。
尚、塗布収率は、実測濃度/理論濃度×100から計算で求めた。実測濃度とは、試料の塗布開始から塗布終了までを10m間隔で幅方向に10箇所を測定し、全測定値から平均値を求めた。理論濃度とは、予め塗布膜厚と濃度の関係が判る検量線を作成し求めた。
本発明において開口部603aの面積とは、開口部603aの高さL(図4を参照)とスプレーコータの長辺側の長さとを掛け合わせた面積と、及びスプレーコータと支持体との間隔と、長手方向の長さの間隔とを加えた面積を言う。
スプレー面積とは、スプレー口P(図5を参照)から噴霧された塗布液が支持体に到着した面積を言う。
気体供給手段607からの気体の供給量としては、例えば、本体603bの内側の減圧度が−3.4KPaの時は、1.5m3/min〜4m3/minが好ましい。気体の供給量が3m3/min未満では、塗布液の供給量が多い場合、噴霧状の液滴をカバー内の吸引だけでは吸引出来ず、支持体とカバーの間隙から噴霧状の液滴が漏れてしまい、支持体に付着し塗布ムラを起こす場合がある。又、本体603bの内側に付着した液滴がコンデンスして、雫状になり支持体に垂れ落ちて濃度ムラとなる場合がある。気体の供給量が6m3/minを超えると、ノズルから噴霧された塗布液に過度の抵抗を与え、塗布液が一定の噴霧状態とならず濃度ムラとなる場合がある。
吸引管603c、吸引管603dは真空ポンプ(不図示)へ繋がっており、本体603bの内側を減圧にすることを可能にしている。塗布液回収管603eは回収容器(不図示)へ繋がっている。吸引管603c、吸引管603dの気体吸引量は、スプレーコータのエアー供給量に対して100〜300%である。エアー供給量に対して100%未満の場合は、塗布液飛散防止手段に吸引されない噴霧状の塗布液の液滴が支持体に付着して塗布ムラとなるため好ましくない。エアー供給量に対して300%を越える場合は、噴霧状の塗布液の液滴を必要以上に塗布液飛散防止手段に吸引してしまい、支持体への塗着率が落ちることで、塗布収率が下がるため好ましくない。
本体603bの内側の減圧度は、−2〜−6KPaが好ましい。減圧度が−2KPa未満の場合は、インク吸収層上へ塗着されなかった塗布液の噴霧状の液滴が回収されずに周囲に飛散し、インク吸収層上へ再付着し塗布ムラを発生させたり、周囲を汚したりする場合がある。減圧度が−6KPaを越える場合は、噴霧された塗布液の大半が回収されてしまい、インク吸収層上への塗着率が低下し、塗布不良となる場合がある。又、搬送中の支持体がバタツキを起こし、搬送不良及び塗布液飛散防止手段による接触が発生し故障を発生させる場合がある。
吸引管603c、吸引管603dにより吸引することでスプレーコータ602よりスプレーされ塗布に関与しなかった噴霧状態の塗布液は飛散することなく本体603bの内側に付着し液滴となり、塗布液回収管603eを介して回収容器(不図示)へ回収される。603fは本体603bの開口部603aの内側の近傍に張られた吸着部材を示す。
吸着部材としてては、高分子吸収材(Superabsorbent Polymer:SAP)例えば、デンプン系のグラフト重合体、カルボキシルメチル化体、セルロース系のグラフト重合体、カルボキシルメチル化体、合成ポリマとしてのポリアクリル酸系、ポリアクリル酸塩系、ポリビニルアルコール系、ポリアクリルアミド系、ポリオキシエチレン系、イソブチレンマレイン酸塩系等の単体もしくはこれら各々の合成体、又は、デンプン系、セルロース系、合成ポリマ系の各混合体等が挙げられる。一例としてポリアクリル酸ナトリウム系樹脂を用いる場合、水分を吸収するとナトリウムイオンがポリマの網目から排出され、ポリマ側鎖のカルボン酸イオン間の電子反発で大きくなったポリマ網目の間隙に水が流出して吸収効果が生じる。又、その他の吸水性担体として、例えば、雑誌「表面、Vol.33、No.4、52−59、(1995)」に記述されているような紙おむつや生理用品などの衛生用品、土壌保水材などの農業園芸用品等に使用される各種の高吸水性高分子がを使用することも可能である。
吸着部材603fにより開口部603aの内側に付着した塗布液の液滴がバックアップロール605上の支持体上のインク吸収層203上に落下することを防止することを可能にしている。
図4は図3のYで示される部分の拡大概略図である。
図中、Lは開口部603aの高さを示す。開口部の面積がスプレー面積に対して100〜700%になるように、適宜設定することが好ましい。Mは整流板608の長さを示す。長さMは、塗布液のスプレー速度と、塗布液飛散防止手段の減圧度と、整流板の強度とを考慮し、開口部603aの高さLに対して50〜80%とすることが好ましい。
Nは塗布液飛散防止手段の本体603bの上側603b2の先端からの整流板608の取り付け位置迄の距離を示す。距離Nは、塗布液の液滴が支持体上のインク吸収層に到達した後の跳ね返りによる整流板への付着、整流板へ付着した液滴のインク吸収層上への落下による塗布ムラ、スプレーコータと整流板との間での気体の流れを考慮し、本体603bの上側603b2の先端から5〜30mmとすることが好ましい。
Oは整流板608の厚さを示す。厚さOは、塗布液飛散防止手段の減圧度による整流板の撓み、整流板の撓みに伴う気体の流れの安定性、整流板と塗布液飛散防止手段の本体の下面との間隙の気体の流速、支持体上のインク吸収層に到達する前の塗布液の液滴の吸引、塗布収率等を考慮し、3〜20mmとすることが好ましい。
本図に示される如く整流板608を配設することで次の効果が得られる。
1)支持体に塗着される前のスプレーされた塗布液を吸引することが防止出来、支持体への塗布収率を落とすことなく塗布が出来るため、安定した塗布製品が得られることが可能となった。
2)塗布液飛散防止手段内を減圧にするための動的圧力を軽減することが出来、支持体の幅手方向にわたり均一な気体の流れが出来、幅手での塗布ムラが解消され、安定した塗布製品が得られることが可能となった。
3)整流板との流速を局所的に早めることが出来、スプレーコータと塗布液飛散防止手段との間に発生する乱流を抑制出来るため、エアーの乱れによる塗布ムラが解消され、安定した塗布製品が得られることが可能となった。
図5は図1に示すスプレーコータの塗布状態を示す拡大概略図である。本図ではスプレーコータの下流側に配設してある塗布液飛散防止手段は省略してある。
図中、602aはスプレーコータ602へ塗布液を供給する塗布液供給管を示し、602b、602cはスプレーコータ602に供給された表面層用塗布液を液滴状にスプレーし、連続搬送される(図中の矢印方向)帯状の支持体201上のインク吸収層203上にスプレー塗布するための一対の加圧空気供給管を示す。
204は、帯状の支持体201上のインク吸収層203上に形成された表面層を示す。帯状の支持体201は、スプレーコータ602の塗布液吐出部に対して相対的に移動させ(搬送させ)、連続的に塗布製造を行う。スプレーコータ602の塗布液のスプレー口Pは、少なくとも帯状の支持体201の塗布幅(帯状の支持体の搬送方向と交差する方向における帯状の支持体の被塗布部の長さのことを指す)に対応する長さを有し、帯状の支持体201の搬送方向と交差するように配置(図2を参照)させることが好ましい。この様に配置することで、スプレーコータ602に対して帯状の支持体を搬送させ、帯状の支持体上に塗布液を塗布幅にわたって液滴として噴霧することにより、乾燥負荷も少なく、膜厚均一性が高く、薄い塗布膜を塗布出来ることが可能となる。
602d〜602gはスプレーコータ602を構成している各ブロックを示す。602hは、ブロック602dとブロック602eとから構成される加圧空気ポケットを示し、602iはブロック602dとブロック602eとの間隙に形成される空気用ノズルを示す。602jはブロック602fとブロック602gとから構成される加圧空気ポケットを示し、602kはブロック602fとブロック602gとから構成される空気用ノズルを示す。
加圧空気供給源(不図示)より、各加圧空気供給管602b、602cを介して供給された加圧空気は、各加圧空気ポケット602h、602jに一旦溜められた後、各空気用ノズル602i、602kを介して各開口端602i1、602k1より噴出される。
602lは、ブロック602eとブロック602fとから構成され、塗布液供給管より供給される塗布液を一次的に溜める塗布液ポケットを示す。602mは、ブロック602eとブロック602fとの間隙に挟持された櫛型部材602nとにより形成される塗布液用ノズルを示す。塗布液ポケット602lに溜められた塗布液は塗布液用ノズル602mの開口端602m1より吐出されると同時に各空気用ノズル602i、602kの開口端602i1、602k1より噴出する加圧空気により噴霧状にスプレーされ帯状の支持体201上のインク吸収層203上に塗布される。又、スプレーコータ602の各空気用ノズル602i、602kの開口端602i1、602k1と、塗布液用ノズル602mの開口端602m1とから構成されるスプレー口Pとインク吸収層との距離は、概ね2〜50mmの範囲で、適宜選択することが出来る。8は噴霧状にスプレーされる液滴を示す。櫛型部材602nに関しては図6で説明する。
インク吸収層203上にスプレー塗布する塗布液の面積範囲は、常に均一であることが好ましいが、特に、液滴径分布が均一であること、搬送方向における長さLが塗布幅にわたって均一であることが好ましい。又、スプレー口Pを基点として帯状の支持体に対し、スプレーされる液滴群の広がり角度θは、塗布幅にわたって均一であることが好ましい。インク吸収層203上に落ちる衝突速度が均一であることが好ましい。これらによって、より塗布膜厚の均一性を確保することが可能となる。塗布幅方向において液滴径分布が均一であるとは、具体的には、塗布幅方向で、平均液滴径の変動が、±20%以下であることを言う。より好ましくは±10%以下である。
図6は図3のZで示される部分の拡大概略図である。
図中の符号は図3、図5と同義である。監視手段604として、本図の場合は、高速度ビデオカメラ(PHOTRON社製)を使用した場合の一例を示している。監視手段604によりスプレーコータ602の開口端602i1、602k1、602n1より構成されるスプレー口Pから噴霧状にスプレーされる塗布液の液滴8の大きさ、液滴8の大きさの分布、液滴8の密度等がスプレーコータ602の幅方向と、スプレーされる塗布液の高さ方向について監視される。監視手段604による情報は制御手段(不図示)のCPUに入力され、予めメモリーに入力されている設定条件(使用する塗布液毎の塗布速度、塗布時の塗布膜厚に応じて、塗布液の液滴8の大きさ、液滴8の大きさの分布、液滴8の密度)に関する情報と演算処理され、メモリーに入力されている情報から外れた場合に異常情報として記録される様になっている。
本発明に係わる監視手段604によりスプレーコータ602の塗布液のスプレー状態を監視することで次の効果が得られる。
1)塗布開始時にスプレーコータの塗布液のスプレー状態の調整を、監視手段により行うことが可能となるため、実際に支持体上に塗布した状態を確認しながら行なう必要がなくなり、支持体と塗布液のロスを減少することが可能となった。
2)塗布液のロットが変わった場合などに起こる塗布液物性の違いによるスプレー状態の変化が直ちに察知することが出来、塗布液のロス及び塗布した支持体のロスを極力減らすことが可能となった。
3)塗布液や供給するエアーなどに混入した微細なゴミ等により、スプレーコータに目詰まりが発生した場合でも、直ちにスプレー状態の異常が察知することが出来、塗布液のロス及び塗布した支持体のロスを極力減らすことが可能となった。
4)スプレー状態を常時監視することで、スプレー状態の異常が発生した箇所が明確となり、塗布不良箇所の削除が容易に行うことが出来、作業効率の向上が可能となった。
図7は、図1〜図6に示すスプレーコータ(カーテンスプレーコータ)の概略分解斜視図である。
図中、602e及び602fは、所定の距離を有する塗布液用ノズル602m(図5を参照)を形成し、この塗布液用ノズルに塗布液を流下させるためのブロックである。片方のブロック602eは、図示しない塗布液供給源から供給される塗布液を受け入れ、塗布液ポケット602lまで連通する塗布液供給管602aを有している。塗布液ポケット602lに滞留した塗布液は、ブロック602e及び602fの間に形成された塗布液用ノズル602mを流下することになる。602nは、ブロック602e及びブロック602fに挟まれた櫛型部材であり、2つのブロック602e及びブロック602fの間隙にスリットを垂直方向に分断して塗布幅方向に複数の塗布液用ノズルを形成する。601o1は櫛刃を示す。
又、ブロック602dはブロック602eとで塗布液用ノズル602m(図5を参照)の先端に空気を送る空気用ノズル602iを形成するブロックである。ブロック602gはブロック602fとで塗布液用ノズル602m(図5を参照)の先端に空気を送る空気用ノズル602k1(図5を参照)を形成するブロックである。空気用ノズル602i及び空気用ノズル602iとは塗布幅方向に形成されている。
空気供給源(不図示)から圧縮空気が加圧空気供給管602b(602c)に供給され、一旦、加圧空気ポケット602h(602j)に滞留した後、空気用ノズル602i(602k)を圧力をもって流下する。
櫛型部材602nを有する塗布液用ノズル602m(図5を参照)を流下してきた塗布液と、2つの空気用ノズル602i(602k)を流下してきた圧縮空気とは、噴出口P(図5を参照)において衝突し、液滴を形成して、被塗布対象物である基体上に飛翔する。
本発明に用いられるスプレーコータ(カーテンスプレーコータ)において、塗布液用ノズル602m(図5を参照)の間隙の幅としては50〜300μmの範囲で用いることが好ましい。塗布液用ノズル602m(図5を参照)の開口端の形状としては、塗布幅に延びるスリット状でもよく、本図に示す様に櫛形部材を入れて、円形でも矩形にしてもかまわない。開口端の形状は櫛形部材の形状により変えることが可能となっている。開口端の形状を円形又は矩形とした場合、塗布液用ノズル602mの間隙の幅内に収まる形状とし用いることが出来、それらのピッチ(間隔)は、100〜3000μm(櫛形部材602nの櫛刃602n1の間隔に相当する)とすることが好ましい。
一方、空気用ノズル602i(602k)(図5を参照)の間隙の幅としては50〜500μmの範囲で用いることが好ましい。空気用ノズル602i(602k)(図5を参照)の開口端の形状としては、塗布幅に延びるスリット状でもよく、本図に示す様な櫛形部材を入れて、円形でも矩形にしてもかまわない。開口端の形状は櫛形部材の形状により変えることが可能となっている。開口端の形状を円形又は矩形とした場合、空気用ノズル602i(602k)(図5を参照)の間隙の幅内に収まる形状とし用いることが出来、それらのピッチ(間隔)は、100〜3000μm(櫛形部材602nの櫛刃60n1の間隔に相当する)とすることが好ましい。
塗布液用ノズルに対する空気用ノズルの角度としては、5〜50degの範囲が好ましい。塗布液用ノズルからの塗布液の供給量は、所望の塗布膜厚、塗布液の濃度、塗布速度等により一概には規定出来ないが、概ね基体上の塗設量として、安定で均一な塗布膜を形成、乾燥負荷を考慮して1〜50g/m2の範囲が好ましい。塗布液の湿潤膜厚としては、1〜50μmが好ましく、特に好ましくは5〜30μmである。
一方、空気用ノズルから噴出される気体は、塗布に適して入れば特に限定はなく、一般には空気を用いるが、ガスの供給条件としては、概ね1〜50CMM/m(塗布幅当たりの流量)の範囲が好ましく、その時のガスノズルでの内圧としては、塗布の均一性の観点から、10kPa以上であることが好ましい。
空気の線速度vは、塗布乾燥性及び塗布収率の観点から126〜400m/sが好ましい。空気の線速度とは、空気用ノズルの出口直後における空気の線速度であり、レーザードップラ風速計、例えば、KANOMAX社製の1D FLV system8851により測定して求めることが出来る。塗布収率は、以下に示す二通りの方法で求めることが可能である。1)インク吸収層上に塗布された塗布液量/供給した全塗布液量×100(%)より算出する。即ち、インク吸収層上に塗布された塗布液量は、インク吸収層上への塗布前後の質量変化から算出し、供給した全塗布液量はスプレーコータへ送液、供給した質量、即ち、送液流量×塗布時間より求めることが出来る。2)塗布液が着色している場合は、予め塗布膜厚と濃度の関係から理論濃度を試験的に求めておき、実測した濃度から、実測濃度/理論濃度×100より算出する。
本発明に係る表面層を形成する塗布液には、特開2004−906号公報、同2004−122705号公報に記載の塗布液を使用することが好ましい。
本発明におけるインク吸収層に付き説明する。インク吸収層が多孔質であるとは、5〜200nm程度の孔径をもつ空隙を多数有することを指す。空隙同士は単独に孤立するのではなく、連続的にお互いに導通していることが好ましい。この場合の空隙径の定義としては、例えば、水銀圧入法による測定値を用いることが出来る。以下、好ましい多孔質層について説明する。
多孔質層は、主に親水性バインダと無機微粒子の軟凝集により形成されるものである。従来より、皮膜中に空隙を形成する方法は種々知られており、例えば、二種以上のポリマを含有する均一な塗布液を支持体上に塗布し、乾燥過程でこれらのポリマを互いに相分離させて空隙を形成する方法、固体微粒子及び親水性又は疎水性樹脂を含有する塗布液を支持体上に塗布し、乾燥後に、インクジェット記録用紙を水或いは適当な有機溶媒を含有する液に浸漬し、固体微粒子を溶解させて空隙を作製する方法、皮膜形成時に発泡する性質を有する化合物を含有する塗布液を塗布後、乾燥過程でこの化合物を発泡させて皮膜中に空隙を形成する方法、多孔質固体微粒子と親水性バインダを含有する塗布液を支持体上に塗布し、多孔質微粒子中や微粒子間に空隙を形成する方法、親水性バインダに対して、概ね等量以上の容積を有する固体微粒子及び又は微粒子油滴と親水性バインダを含有する塗布液を支持体上に塗布し、固体微粒子の間に空隙を形成する方法等が知られている。本発明においては、多孔質層に、平均液滴径が100nm以下の各種無機固体微粒子を含有させることによって形成されることが、特に好ましい。
上記の目的で使用される無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることが出来る。
無機微粒子の平均液滴径は、粒子そのもの或いは多孔質層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
無機微粒子としては、シリカ、及びアルミナ又はアルミナ水和物から選ばれた固体微粒子を用いることが好ましい。
本発明で用いることの出来るシリカとしては、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いられるが、本発明において特に好ましく用いられる微粒子シリカとしては、コロイダルシリカ又は気相法で合成された微粒子シリカが好ましく、中でも気相法により合成された微粒子シリカは、高い空隙率が得られるので好ましい。又、アルミナ又はアルミナ水和物は、結晶性であっても非晶質であってもよく、又不定形粒子、球状粒子、針状粒子など任意の形状のものを使用することが出来る。
無機微粒子は、その粒径が100nm以下であることが好ましい。例えば、上記気相法微粒子シリカの場合、一次粒子の状態で分散された無機微粒子の一次粒子の平均液滴径(塗設前の分散液状態での粒径)は、100nm以下のものが好ましく、より好ましくは4〜50nm、最も好ましくは4〜20nmである。
最も好ましく用いられる、一次粒子の平均液滴径が4〜20nmである気相法により合成されたシリカとしては、例えば、日本アエロジル社製のアエロジルが市販されている。この気相法微粒子シリカは、水中に、例えば、三田村理研工業株式会社製のジェットストリームインダクターミキサーなどにより、容易に吸引分散することで、比較的容易に一次粒子まで分散することが出来る。
本発明においては、インク吸収層に水溶性バインダを用いることが出来る。本発明で用いることの出来る水溶性バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、出来ストラン、出来ストリン、カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの水溶性バインダは、二種以上併用することも可能である。
本発明で好ましく用いられる水溶性バインダは、ポリビニルアルコールである。
本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜5,000のものが好ましく用いられる。又、ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されているような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号及び同63−307979号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
又、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど2種類以上を併用することも出来る。
本発明においては、染料定着剤として多価金属化合物を用いることが好ましく、本発明の目的効果を達成する範囲において、それらの化合物と共に、カチオン性ポリマを併用することを妨げるものではない。
カチオン性ポリマの例としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、エピクロルヒドリン・ジアルキルアミン付加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・SO2共重合物、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリドン・ビニルイミダゾール共重合物、ポリビニルピリジン、ポリアミジン、キトサン、カチオン化デンプン、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド重合物、(2−メタクロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウムクロライド重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレート重合物、等が挙げられる。
又、化学工業時報平成10年8月15,25日に述べられるカチオン性ポリマ、三洋化成工業株式会社発行「高分子薬剤入門」に述べられる高分子染料固着剤が例として挙げられる。
インク吸収層で用いられる無機微粒子の添加量は、要求されるインク吸収容量、多孔質層の空隙率、無機顔料の種類、水溶性バインダの種類に大きく依存するが、一般には、記録用紙1m2当たり、通常5〜30g、好ましくは10〜25gである。
又、インク吸収層に用いられる無機微粒子と水溶性バインダの比率は、質量比で通常2:1〜20:1であり、特に、3:1〜10:1であることが好ましい。
又、分子内に第四級アンモニウム塩基を有するカチオン性の水溶性ポリマを含有してもよく、インクジェット記録用紙1m2当たり通常0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gの範囲で用いられる。
多孔質層において、空隙の総量(空隙容量)は記録用紙1m2当たり20ml以上であることが好ましい。空隙容量が20ml/m2未満の場合、印字時のインク量が少ない場合には、インク吸収性は良好であるものの、インク量が多くなるとインクが完全に吸収されず、画質を低下させたり、乾燥性の遅れを生じるなどの問題が生じ易い。
インク保持能を有する多孔質層において、固形分容量に対する空隙容量を空隙率と言う。本発明において、空隙率を50%以上にすることが、不必要に膜厚を厚くさせないで空隙を効率的に形成出来るので好ましい。
空隙型の他のタイプとして、無機微粒子を用いてインク吸収層を形成させる以外に、ポリウレタン樹脂エマルジョン、これに水溶性エポキシ化合物及び/又はアセトアセチル化ポリビニルアルコールを併用し、更にエピクロルヒドリンポリアミド樹脂を併用させた塗工液を用いてインク吸収層を形成させてもよい。この場合のポリウレタン樹脂エマルジョンは、ポリカーボネート鎖、ポリカーボネート鎖及びポリエステル鎖を有する粒子径が3.0μmであるポリウレタン樹脂エマルジョンが好ましく、ポリウレタン樹脂エマルジョンのポリウレタン樹脂がポリカーボネートポリオール、ポリカーボネートポリオール及びポリエステルポリオールを有するポリオールと脂肪族系イソシアネート化合物とを反応させて得られたポリウレタン樹脂が、分子内にスルホン酸基を有し、更にエピクロルヒドリンポリアミド樹脂及び水溶性エポキシ化合物及び/又はアセトアセチル化ビニルアルコールを有することが更に好ましい。上記ポリウレタン樹脂を用いたインク吸収層は、カチオンとアニオンの弱い凝集が形成され、これに伴い、インク溶媒吸収能を有する空隙が形成されて、画像形成出来ると推定される。
本発明においては、硬化剤を使用することが好ましい。硬化剤は、インクジェット記録用紙作製の任意の時期に添加することが出来、例えば、インク吸収層形成用の塗布液中に添加してもよい。
本発明においては、インク吸収層形成後に、水溶性バインダの硬化剤を供給する方法を単独で用いてもよいが、好ましくは、上述の硬化剤をインク吸収層形成用の塗布液中に添加する方法と併用して用いることである。
本発明で用いることの出来る硬化剤としては、水溶性バインダと硬化反応を起こすものであれば特に制限はないが、ホウ酸及びその塩が好ましいが、その他にも公知のものが使用出来、一般的には水溶性バインダと反応し得る基を有する化合物或いは水溶性バインダが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、水溶性バインダの種類に応じて適宜選択して用いられる。硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
ホウ酸又はその塩とは、ホウ原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸及び八ホウ酸及びそれらの塩が挙げられる。
硬化剤としてのホウ素原子を有するホウ酸及びその塩は、単独の水溶液でも、又、二2種以上を混合して使用してもよい。特に好ましいのはホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。
ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者を混合することで濃厚な水溶液にすることが出来、塗布液を濃縮化することが出来る。又、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることが出来る利点がある。上記硬化剤の総使用量は、上記水溶性バインダ1g当たり1〜600mgが好ましい。
本発明に係る記録用紙のインク吸収層及び必要に応じて設けられるその他の層には、上述した以外の各種添加剤を使用することが出来る。例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、又はこれらの共重合体、尿素樹脂、又はメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、アニオン性、カチオン性、非イオン性、ベタイン型の各界面活性剤特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている褪色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることも出来る。
インク吸収層は、2層以上から構成されていてもよく、この場合、それらのインク吸収層の構成はお互いに同じであっても異なっていてもよい。
上記のような多孔質層は、特に、インクジェット記録方法に好ましく用いられる。インクジェット記録方法に好ましい多孔質層の空隙容量は10〜30ml/m2である。
本発明の記録用紙における塗工層は、従来公知の塗布方法で塗設することが出来、例えば、グラビアコーティング法、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアーナイフコーティング法、スプレーコーティング法、押し出し塗布方法、スライドビード塗布方法、カーテン塗布方法、スロットノズルスプレー塗布方法、或いは米国特許第2,681,294号公報に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法等が、好ましく用いられる。
本発明に係る記録用紙の各層には各種添加剤を使用することが出来る。例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、又はこれらの共重合体、尿素樹脂、又はメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、アニオン性、カチオン性、非イオン性、ベタイン型の各界面活性剤特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている褪色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることも出来る。
本発明で用いることの出来る支持体としては、従来インクジェット記録用紙用として公知のものを適宜使用出来、吸水性支持体であってもよいが、非吸水性支持体であることが好ましい。即ち、吸水性支持体の場合よりも非吸水性支持体の場合の方が、記録用紙中に顔料インク中の水溶性有機溶媒が多量に残留し、有機微粒子溶解等に対し効果的に作用するため、本発明の効果を顕著に奏することが出来ると推定している。尚、正確には、「インク中の水溶性有機溶媒を吸収しない支持体」を使用するのが好ましいのであるが、ここでは非吸水性支持体を用いても、本発明の効果を顕著に奏することが出来ると考えている。
本発明で用いることの出来る吸水性支持体としては、例えば、一般の紙、布、木材等を有するシートや板等を挙げることが出来るが、特に、紙は基材自身の吸水性に優れかつコスト的にも優れるために最も好ましい。紙支持体としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、CGP、RMP、TMP、CTMP、CMP、PGW等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプを主原料としたものが使用可能である。又、必要に応じて合成パルプ、合成繊維、無機繊維等の各種繊維状物質も原料として適宜使用することが出来る。
上記紙支持体中には必要に応じて、サイズ剤、顔料、紙力増強剤、定着剤等、蛍光増白剤、湿潤紙力剤、カチオン化剤等の従来公知の各種添加剤を添加することが出来る。
紙支持体は、前記の木材パルプなどの繊維状物質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造することが出来る。又、必要に応じて抄紙段階又は抄紙機にスターチ、ポリビニルアルコール等でサイズプレス処理したり、各種コート処理したり、カレンダー処理したりすることも出来る。
本発明で好ましく用いることの出来る非吸水性支持体には、透明支持体及び不透明支持体がある。透明支持体としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアテセート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料を有するフィルム等が挙げられ、中でもオーバーヘッドプロジェクター(OHP)用として使用された時の輻射熱に耐える性質のものが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。この様な透明な支持体の厚さとしては、50〜200μmが好ましい。
又、不透明支持体としては、例えば、基紙の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆる、RCペーパー)、ポリエチレンテレフタレートに硫酸バリウム等の白色顔料を添加してなるいわゆるホワイトペットが好ましい。
前記各種支持体とインク吸収層の接着強度を大きくする等の目的で、インク吸収層の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ましい。更に、本発明に係る記録用紙は必ずしも無色である必要はなく、着色された記録シートであってもよい。
本発明に係る記録用紙では、特開2004−122705号公報に記載の原紙支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支持体を用いることが、記録画像が写真画質に近く、しかも低コストで高品質の画像が得られるために特に好ましい。
塗布方式としては、例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアーナイフコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法、或いは米国特許第2,681,294号記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いられる。インク吸収層としては、特開2004−122705号公報に記載の多孔質層で構成されていることが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。尚、実施例中で「%」は特に断りのない限り質量%を示す。
実施例1
図1に示す塗布製造ラインを使用して記録用紙の作製を行った。
〈多孔質インク吸収層塗布済み帯状の支持体の作製〉
(分散液の調製)
カチオン性ポリマ(P1)の15%水溶液100gに、一次粒子の平均粒子径が12μmの微粒子シリカ(トクヤマ製、QS−20)の25%水分散液500g、次いでホウ酸3.0g、ホウ砂0.7gを添加し、高速ホモジナイザーで分散し、青白色澄明な分散液を得た。
Figure 2006175348
(塗布液の調製)
上記調製した分散液を45℃に昇温し、ポリビニルアルコール(クラレ製、PVA203)の10%水溶液及びポリビニルアルコール(クラレ製、PVA245)の6%水溶液をそれぞれ45℃に昇温した後に添加した。次いで、45℃の純水を加えて液量を調整して、半透明状の塗布液を得た。
(塗布)
両面をポリエチレンで被覆した紙支持体(幅1500mm、厚み230μm)上に、スライドビード方塗布機を用いて上記塗布液を塗布、乾燥して、多孔質インク吸収層塗布済み帯状の支持体を15,000m作製した。塗布スピードは200m/minで行った。多孔質インク吸収層塗布済み帯状の支持体の下層における各成分の付量は以下の通りで、乾燥膜厚は35μmである。
微粒子シリカ 15g/m2
カチオン性ポリマ(P1) 2.2g/m2
ポリビニルアルコール 2.3g/m2
インク吸収層用塗布液の塗布後は、10℃に保った冷却ゾーンを15秒間通過させて膜面の温度を10℃以下にまで低下させた後、以下の温度の風を順次インク吸収層表面に吹き付けながら乾燥工程の各ゾーンを通過させて乾燥した。
尚、第1乾燥部での全乾燥工程は360秒とし、この内、前半の270秒は、吹き付ける風の平均相対湿度を30%以下とした。270秒以降は、相対湿度が40〜60%の調湿ゾーンとした。
〈スプレー塗布装置の準備〉
次に示すスプレー塗布装置を構成しているスプレーコータ、塗布液飛散防止手段、監視手段を準備した。
(スプレーコータの準備)
図5〜図7に示すスプレーコータを準備した。準備したスプレーコータとしては、塗布幅1470mm、塗布液用ノズルの間隙の幅60μm、空気用ノズルの間隙の幅200μmとした。塗布液用ノズルに対する空気用ノズルの角度は、40degとした。塗布液用ノズルの間隙には、図7に示す櫛形部材を挟み、櫛刃ピッチ(間隔)は500μmとした。スプレーコータと支持体との交差する角度を90°とした。
(塗布液飛散防止手段の準備)
表1に示す様に開口部の面積を変えた図3、図4に示す塗布液飛散防止手段を準備し1−a〜1−fとした。整流板の長さ(開口部の高さに対する割合(%))を80%とし、整流板の取り付け位置(塗布液飛散防止手段の本体の上側先端からの整流板の取り付け位置迄の距離)を10mmとし、整流板の厚さを5mmとした。塗布液飛散防止手段の本体及び整流板はアクリル樹脂を使用した。塗布液飛散防止手段の本体の上側にはポリアクリルアミド系吸着部材を貼着した。尚、開口部の面積は、噴霧面積に対する割合(%)を示す。
Figure 2006175348
(監視手段の準備)
監視手段としては高速度ビデオカメラ(PHOTRON社製)を使用した。
〔表面層の塗布〕
図1に示す乾燥部での乾燥インク吸収層の減率乾燥が終了した時点で、図2〜図6に示すスプレー塗布装置を使用し、図2に示す様にスプレーコータのスプレー口を形成するラインが支持体と平行で、且つ支持体の進行方向に対して交差する角度90°になるように配設した。準備した塗布液飛散防止手段No.1−a〜1−fの吸引手段による気体吸引量を表2に示す様に変化し表面層用の塗布液を、湿潤膜厚として15μmになるように準備した多孔質インク吸収層塗布済み帯状の支持体を使用し、各100mスプレー塗布した後、乾燥し表面層を有する記録材料を作製し試料No.101〜130とした。尚、スプレー塗布した後の全乾燥工程は100秒とし、相対湿度が40〜60%の風を吹き付けた。塗布液は、塗布液用ノズルの間隙の幅60μmに対して1/20の口径のフィルターを使用して濾過したものを使用した。空気は、空気用ノズルの間隙の幅200μmに対して1/50の口径のフィルターを使用して濾過したものを使用した。
空気用ノズルから噴出されるエアー供給量としては、18CMM/m(塗布幅当たりの流量)とし、その時の空気用ノズルでの内圧としては10kPaとなるようにした。空気の線速度vは150m/sとした。スプレーコータのスプレー口とインク吸収層との間隙は20mm、塗布速度は200m/secで行った。気体吸引量は、スプレーコータのエアー供給量に対する割合(%)を示す。
〈表面層用の塗布液の調製〉
以下の組成からなる塗布液を調製した。
ポリ塩化アルミニウム 160ml
(多木化学(株)製PAC250A、固形分23.5%)
水 840ml
粘度は25℃で、B型粘度計で測定した結果、0.9mPaであった。尚、表面張力は40mN/mになるように界面活性剤で調整した。
(評価)
作製した各試料No.101〜130に付き、塗布収率、塗布ムラを塗布開始から塗布終了までについて目視判定を行い、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。塗布収率は、実測濃度/理論濃度×100で求め、以下に示す評価ランクに従って評価した。実測濃度とは、各試料の塗布開始から塗布終了までを10m間隔で幅方向に10箇所を測定し、全測定値から平均値を求めた。理論濃度とは、予め塗布膜厚と濃度の関係が判る検量線を作成し求めた。
塗布収率の評価ランク
○:塗布収率が98〜100%
△:塗布収率が95〜98%未満
×:塗布収率が95%未満
塗布ムラの評価ランク
○:塗布面に塗布ムラが全く認められない
△:塗布面に実用上許容の範囲である塗布ムラが認められる
×:塗布ムラが強く製品化は不可能である
Figure 2006175348
開口部の面積が100%未満のスプレー塗布装置を使用して作製した試料No.101〜105の場合は、気体吸引時の流速が必要以上に速くなることで、スプレーコータと支持体との間の空気の流れが乱流となり、噴霧が均一に行われず、塗布収率の低下及び塗布ムラの発生が確認された。
開口部の面積が700%を越えるスプレー塗布装置を使用して作製した試料No.126〜130の場合は、塗布液の飛散防止をするための気体吸引圧力がバックアップロールに働く支持体の張力以上の圧力で吸引しなければならないため、支持体のバタツキが起こり、均一なスプレー塗布が出来なくなり塗布ムラの発生が確認された。又、噴霧された塗布液の液滴の一部が支持体に到達擦る前に吸引され、支持体への塗布量が減少し、塗布収率が低下が確認された。
吸引手段の気体吸引量がスプレーコータの気体供給量に対して90%にして作製した試料No.101、106、111、116、121、126は塗布に使用されない噴霧状の塗布液が塗布液飛散防止手段の内部に付着し、液滴となり落下し塗布ムラが発生した。又、噴霧された塗布液の液滴の一部が支持体に到達擦る前に飛散してしまい、均一な噴霧が行えず、塗布ムラが発生すると共に、支持体への塗布量が減少し、塗布収率の低下が確認された。吸引手段の気体吸引量がスプレーコータの気体供給量に対して310%にして作製した試料No.105、110、115、120、125、130は、塗布液飛散防止手段の内部の気体の流れにより、噴霧状の塗布液が乱されて安定して支持体に塗着出来なくなるため塗布ムラが発生した。又、噴霧された塗布液の液滴の一部が支持体に到達擦る前に吸引され、支持体への塗布量が減少し、塗布収率が低下が確認された。
又、試料を目視観察する際、監視手段からの情報を基に予め故障発生箇所を読み取り、観察した結果、監視手段からの情報と目視による故障箇所の位置が一致することを確認した。塗布液飛散防止手段の開口部の面積を噴霧面積に対して100〜700%とし、吸引手段の気体吸引量をスプレーコータの気体供給量に対して100〜300%にすることで、塗布収率の低下、塗布ムラの発生が認められない安定した塗布が出来ること及び監視手段の信頼性を確認し、本発明の有効性が確認された。
実施例2
〈多孔質インク吸収層塗布済み帯状の支持体の作製〉
実施例1と同じ方法で作製した。
〈スプレー塗布装置の準備〉
次に示すスプレー塗布装置を構成しているスプレーコータ、塗布液飛散防止手段、監視手段を準備した。
(スプレーコータの準備)
実施例1と同じスプレーコータを準備した。
(塗布液飛散防止手段の準備)
表3に示す様に整流板の長さを変えた図3、図4に示す塗布液飛散防止手段を準備しNo.2−a〜2−eとした。尚、開口部の面積(噴霧面積に対する割合(%))を300%とし、整流板の取り付け位置(塗布液飛散防止手段の本体の上側先端からの整流板の取り付け位置迄の距離)を10mmとし、整流板の厚さを5mmとした。塗布液飛散防止手段の本体及び整流板はアクリル樹脂を使用した。塗布液飛散防止手段の本体の上側にはポリアクリルアミド系吸着部材を貼着した。
Figure 2006175348
(監視手段の準備)
実施例1と同じものを準備した。
〔表面層の塗布〕
図1に示す乾燥部での乾燥インク吸収層の減率乾燥が終了した時点で、図2〜図6に示すスプレー塗布装置を使用し、図2に示す様にスプレーコータのスプレー口を形成するラインが支持体と平行で、且つ支持体の進行方向に対して交差する角度90°になるように配設した。準備した塗布液飛散防止手段No.2−a〜2−fの吸引手段による気体吸引量を表4に示す様に変化した他は全て実施例1と同じ条件で表面層用の塗布液を塗布し、乾燥し表面層を有する記録材料を作製し試料No.201〜225とした。気体吸引量は、スプレーコータのエアー供給量に対する割合(%)を示す。塗布液飛散防止手段の気体供給手段からの気体の供給量は、3.5m3/minとした。尚、表面層用の塗布液は実施例1と同じ塗布液を染料を添加し着色して使用した。
(評価)
作製した各試料No.201〜230に付き、塗布ムラ、塗布収率に付き判定を行い、評価した結果を表4に示す。塗布ムラ及び塗布収率は塗布開始から塗布終了までについて目視判定を行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した。
Figure 2006175348
開口部の面積が噴霧面積に対して300%とし、吸引手段の気体吸引量がスプレーコータの気体供給量に対して90%にして作製した試料No.201、206、211、216、221、226は塗布に使用されない噴霧状の塗布液が塗布液飛散防止手段の内部に付着し、液滴となり落下し塗布ムラが発生した。
開口部の面積が噴霧面積に対して300%とし、吸引手段の気体吸引量がスプレーコータの気体供給量に対して310%にして作製した試料No.205、210、215、220、225、230は、塗布液飛散防止手段の内部の気体の流れにより、噴霧状の塗布液が乱されて安定して支持体に塗着出来なくなるため塗布ムラが発生した。又、噴霧状の塗布液の液滴を必要以上に塗布液飛散防止手段に吸引してしまい、支持体への塗着率が落ちることで、塗布収率が低下した。塗布液飛散防止手段の内部の整流板の長さが短くなると、噴霧状の塗布液の吸引が速くなり塗着率が低下する傾向が見られた。又、塗布液飛散防止手段の内部の整流板の長さが長くなると、整流板先端部での気体の流れが速くなり噴霧状の塗布液が乱される傾向にあり、塗布ムラが発生し易くなることが確認した。又、試料を目視観察する際、監視手段からの情報を基に予め故障発生箇所を読み取り、観察した結果、監視手段からの情報と目視による故障箇所の位置が一致することを確認した。
塗布液飛散防止手段の開口部の面積を本発明の範囲内とし、吸引手段の気体吸引量をスプレーコータの気体供給量に対して100〜300%にし、整流板の長さ、取り付け位置及び整流板の厚さを本発明の好ましい範囲内とし、監視手段を用いることですることで塗布収率の低下、塗布ムラの発生が認められない安定した塗布が出来ること及び監視手段の信頼性を確認し、本発明の有効性が確認された。
実施例3
〈多孔質インク吸収層塗布済み帯状の支持体の作製〉
実施例1と同じ方法で作製した。
〈スプレー塗布装置の準備〉
次に示すスプレー塗布装置を構成しているスプレーコータ、塗布液飛散防止手段、監視手段を準備した。
(スプレーコータの準備)
実施例1と同じスプレーコータを準備した。
(塗布液飛散防止手段の準備)
表5に示す様に整流板の取り付け位置(塗布液飛散防止手段の本体の上側先端からの整流板の取り付け位置迄の距離)を変えた図3、図4に示す塗布液飛散防止手段を準備しNo.3−a〜3−eとした。尚、開口部の面積(噴霧面積に対する割合(%))を300%とし、整流板の長さ(開口部の高さに対する割合(%))60%とし、整流板の厚さを5mmとした。塗布液飛散防止手段の本体及び整流板はアクリル樹脂を使用した。塗布液飛散防止手段の本体の上側にはポリアクリルアミド系吸着部材を貼着した。
Figure 2006175348
(監視手段の準備)
実施例1と同じものを準備した。
〔表面層の塗布〕
図1に示す乾燥部での乾燥インク吸収層の減率乾燥が終了した時点で、図2〜図6に示すスプレー塗布装置を使用し、図2に示す様にスプレーコータのスプレー口を形成するラインが支持体と平行で、且つ支持体の進行方向に対して交差する角度90°になるように配設した。準備した塗布液飛散防止手段No.3−a〜3−fの吸引手段による気体吸引量を表6に示す様に変化した他は全て実施例と同じ条件で表面層用の塗布液を塗布し、乾燥し表面層を有する記録材料を作製し試料No.301〜330とした。気体吸引量は、スプレーコータのエアー供給量に対する割合(%)を示す。
(評価)
作製した各試料No.301〜330に付き、塗布収率、液滴の落下に伴う塗布ムラに付き目視判定を行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表6に示す。
Figure 2006175348
開口部の面積が噴霧面積に対して300%とし、吸引手段の気体吸引量がスプレーコータの気体供給量に対して90%にして作製した試料No.301、306、311、316、321、326は塗布に使用されない噴霧状の塗布液が塗布液飛散防止手段の内部に付着し、液滴となり落下し塗布ムラが発生した。
開口部の面積が噴霧面積に対して300%とし、吸引手段の気体吸引量がスプレーコータの気体供給量に対して310%にして作製した試料No.305、310、315、320、325、330は、塗布液飛散防止手段の内部の気体の流れにより、噴霧状の塗布液が乱されて安定して支持体に塗着出来なくなるため塗布ムラが発生した。又、噴霧状の塗布液の液滴を必要以上に塗布液飛散防止手段に吸引してしまい、支持体への塗着率が落ちることで、塗布収率が下がることが確認された。又、試料を目視観察する際、監視手段からの情報を基に予め故障発生箇所を読み取り、観察した結果、監視手段からの情報と目視による故障箇所の位置が一致することを確認した。
塗布液飛散防止手段の開口部の面積を本発明の範囲内とし、吸引手段の気体吸引量をスプレーコータの気体供給量に対して100〜300%にし、整流板の長さ、取り付け位置及び整流板の厚さを本発明の好ましい範囲内とし、監視手段を用いることですることで塗布収率の低下、塗布ムラの発生が認められない安定した塗布が出来ること及び監視手段の信頼性を確認し、本発明の有効性が確認された。
実施例4
〈多孔質インク吸収層塗布済み帯状の支持体の作製〉
実施例1と同じ方法で作製した。
〈スプレー塗布装置の準備〉
次に示すスプレー塗布装置を構成しているスプレーコータ、塗布液飛散防止手段、監視手段を準備した。
(スプレーコータの準備)
実施例1と同じスプレーコータを準備した。
(塗布液飛散防止手段の準備)
表7に示す様に整流板の厚さを変えた図3、図4に示す塗布液飛散防止手段を準備しNo.4−a〜4−eとした。尚、開口部の面積(噴霧面積に対する割合(%))を300%とし、整流板の長さ(開口部の高さに対する割合(%))80%とし、整流板の取り付け位置(塗布液飛散防止手段の本体の上側先端からの整流板の取り付け位置迄の距離)を10mmとした。塗布液飛散防止手段の本体及び整流板はアクリル樹脂を使用した。塗布液飛散防止手段の本体の上側にはポリアクリルアミド系吸着部材を貼着した。
Figure 2006175348
(監視手段の準備)
実施例1と同じものを準備した。
〔表面層の塗布〕
図1に示す乾燥部での乾燥インク吸収層の減率乾燥が終了した時点で、図2〜図6に示すスプレー塗布装置を使用し、図2に示す様にスプレーコータのスプレー口を形成するラインが支持体と平行で、且つ支持体の進行方向に対して交差する角度90°になるように配設した。準備した塗布液飛散防止手段No.4−a〜4−feの吸引手段による気体吸引量を表8に示す様に変化した他は全て実施例と同じ条件で表面層用の塗布液を塗布し、乾燥し表面層を有する記録材料を作製し試料No.401〜430とした。気体吸引量は、スプレーコータのエアー供給量に対する割合(%)を示す。
(評価)
作製した各試料No.401〜430に付き、塗布収率、液滴の落下に伴う塗布ムラに付き目視判定を行い、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表8に示す。
Figure 2006175348
開口部の面積が噴霧面積に対して300%とし、吸引手段の気体吸引量がスプレーコータの気体供給量に対して90%にして作製した試料No.401、406、411、416、421、426は塗布に使用されない噴霧状の塗布液が塗布液飛散防止手段の内部に付着し、液滴となり落下し塗布ムラが発生した。
開口部の面積が噴霧面積に対して300%とし、吸引手段の気体吸引量がスプレーコータの気体供給量に対して310%にして作製した試料No.405、410、415、420、425、430は、塗布液飛散防止手段の内部の気体の流れにより、噴霧状の塗布液が乱されて安定して支持体に塗着出来なくなるため塗布ムラが発生した。又、噴霧状の塗布液の液滴を必要以上に塗布液飛散防止手段に吸引してしまい、支持体への塗着率が落ちることで、塗布収率が下がることが確認された。又、試料を目視観察する際、監視手段からの情報を基に予め故障発生箇所を読み取り、観察した結果、監視手段からの情報と目視による故障箇所の位置が一致することを確認した。
塗布液飛散防止手段の開口部の面積を本発明の範囲内とし、吸引手段の気体吸引量をスプレーコータの気体供給量に対して100〜300%にし、整流板の長さ、取り付け位置及び整流板の厚さを本発明の好ましい範囲内とし、監視手段を用いることですることで塗布収率の低下、塗布ムラの発生が認められない安定した塗布が出来ること及び監視手段の信頼性を確認し、本発明の有効性が確認された。
スプレー塗布装置を配置した記録用紙の塗布製造ラインの一例を示す模式図である。 図1のXで示される部分の拡大概略平面図である。 図1のXで示される部分の概略拡大図である。 図3のYで示される部分の拡大概略図である。 図1に示すスプレーコータの塗布状態を示す拡大概略図である。 図3のZで示される部分の拡大概略図である。 図1〜図6のに示すスプレーコータの概略分解斜視図である。
符号の説明
1 塗布製造ライン
2 繰り出し部
201 支持体
203 インク吸収層
204 表面層
3 第1塗工部
4 冷却部
5 乾燥部
6 第2塗工部
601 スプレー塗布装置
602 スプレーコータ
603 塗布液飛散防止手段
603a 開口部
603f 吸着部材
604 監視手段
605 バックアップロール
607 気体供給手段
608 整流板
7 巻き取り部
L 高さ
M 長さ
N 距離
O 厚さ

Claims (13)

  1. バックアップロールに支持され連続搬送する支持体上に形成された少なくとも1層のインク吸収層上に、該支持体の搬送方向と交差する位置に配設されたスプレー塗布装置により、該インク吸収層の幅方向の全幅に塗布液をスプレー塗布し表面層を形成する、インクジェット記録用紙の表面層のスプレー塗布方法において、
    該スプレー塗布装置は、乾燥工程の外部に配設され、スプレーコータと、監視手段と、塗布液飛散防止手段とを有し、
    該塗布液飛散防止手段は、該スプレーコータ側に開口部を有する箱体構造の本体と、該本体に繋がった吸引手段と、回収手段と、該バックアップロール上のインク吸収層を有する支持体と前記本体の下面との間隙に気体を供給する気体供給手段とを有し、該開口部を前記スプレーコータの幅方向の壁面に接触させ、前記バックアップロールの外周面に近接するように前記スプレーコータの下流側又は上流側の何れか一方に配設されており、
    前記開口部の面積がスプレー面積に対して100〜700%で、
    且つ、該吸引手段の気体吸引量が前記スプレーコータの気体供給量に対して100〜300%であることを特徴とするスプレー塗布方法。
  2. 前記本体の内部に整流手段が配設されていることを特徴とする請求項1に記載のスプレー塗布方法。
  3. 前記監視手段が塗布液飛散防止手段と対向する位置に配設され、前記スプレーコータのスプレー状態を常時監視し、異常塗布箇所を塗布記録にフィードバックすることを特徴とする請求項1又は2に記載のスプレー塗布方法。
  4. 前記塗布液飛散防止手段は、スプレーコータの待機位置から塗布位置への移動に合わせて、待機位置から配設位置に移動することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のスプレー塗布方法。
  5. 前記スプレーコータがカーテンスプレーコータであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の表面層のスプレー塗布方法。
  6. 前記インク吸収層が少なくとも1層の無機微粒子と、バインダとを含有する多孔質層で構成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のスプレー塗布方法。
  7. バックアップロールに支持され連続搬送する支持体上に形成された少なくとも1層のインク吸収層上に、塗布液をスプレー塗布し表面層を形成する、インクジェット記録用紙の表面層塗布用のスプレー塗布装置において、
    乾燥工程の外部に配設された、スプレーコータと、監視手段と、塗布液飛散防止手段とを有し、
    該塗布液飛散防止手段は、該スプレーコータ側に開口部を有する箱体構造の本体と、該本体に繋がった吸引手段と、回収手段と、該バックアップロール上のインク吸収層を有する支持体と前記本体の下面との間隙に気体を供給する気体供給手段とを有し、該開口部を前記スプレーコータの幅方向の壁面に接触させ、前記バックアップロールの外周面に近接するように前記スプレーコータの下流側又は上流側の何れか一方に配設されており、
    前記開口部の面積がスプレー面積に対して100〜700%で、
    且つ、該吸引手段の気体吸引量が前記スプレーコータのエアー供給量に対して100〜300%であることを特徴とするスプレー塗布装置。
  8. 前記本体の内部に整流手段が配設されていることを特徴とする請求項7に記載のスプレー塗布装置。
  9. 前記監視手段が塗布液飛散防止手段と対向する位置に配設され、前記スプレーコータのスプレー状態を常時監視し、異常塗布箇所を塗布記録にフィードバックすることを特徴とする請求項7又は8に記載のスプレー塗布装置。
  10. 前記塗布液飛散防止手段は、スプレーコータの待機位置から塗布位置への移動に合わせて、待機位置から配設位置に移動することを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載のスプレー塗布装置。
  11. 前記スプレーコータがカーテンスプレーコータであることを特徴とする請求項7〜10の何れか1項に記載の表面層のスプレー塗布装置。
  12. 前記インク吸収層が少なくとも1層の無機微粒子と、バインダとを含有する多孔質層で構成されていることを特徴とする請求項7〜11の何れか1項に記載のスプレー塗布装置。
  13. 請求項1〜6の何れか1項に記載の表面層のスプレー塗布方法により製造されたことを特徴とするインクジェット記録用紙。
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