JP2006159104A - カーテンスプレー塗布方法及びインクジェット記録用紙 - Google Patents

カーテンスプレー塗布方法及びインクジェット記録用紙 Download PDF

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Abstract

【課題】 インク受容層の上に塗布する塗布量の均一性(膜厚、付き量)が優れたカーテンスプレー塗布方法及びこの方法を使用し製造した記録用紙の提供。
【解決手段】 インク受容層が塗設された基体を搬送し、該基体の搬送方向と交差する方向の塗布幅にわたって、塗布液を供給する塗布液ノズルと、該塗布液ノズルの開口端に近接して気体を噴出する気体ノズルとを有するカーテンスプレーコータを使用し、該気体を該気体ノズルの開口端から噴出させ、該塗布液に衝突させて液滴を形成して噴霧を行うことにより、該基体上に塗布液層を形成しインクジェット記録用紙を作製するカーテンスプレー塗布方法において、該インク受容層上に塗布される該塗布液の前記基体の搬送方向における塗布幅が0.2〜10cmであることを特徴とするカーテンスプレー塗布方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、本発明は、支持体上に形成されたインク受容層上に塗布液をスプレーすることでインク受容層上に表面層を形成し、インクジェット記録用紙(以下、単に記録用紙ともいう)を作製するカーテンスプレー塗布方法及び記録用紙に関する。
従来から、基体上に塗布液を塗布する方法は種々知られている。例えば、搬送される長尺の帯状基体(以下、単に基体ともいう)上に塗布液を高精度に塗布する方法としては、Edward Cohen,Edgar Gutoff著「MODERN COATING AND DRYING TECHNOLOGY」に述べられている如く、各種の方法が提案されており、例えば、ディップ塗布法、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、ワイヤーバー塗布法、グラビア塗布法、リバース塗布法、リバースロール塗布法、エクストルージョン塗布法、スライドビード塗布法、カーテン塗布法、スプレー塗布法等が知られている。これら、エクストルージョン塗布法、スライドビード塗布法は前計量型塗布方法と呼ばれ、高速、薄膜、多層同時塗布が可能であり、その特徴によりインクジェット用記録用紙、写真感光材料、磁気記録材料等のコータとして広く用いられている。エクストルージョン塗布法にはクストルージョン型コータ、スライドビード塗布法にはスライド型コータが使用されている。カーテン塗布法にはカーテンスプレーコータが使用されている。
その好ましい一例としては、Russell等により米国特許第2,761,791号に提案されたスライドビードコータ、あるいはエクストルージョンコータ等が広く用いられている。又カーテンスプレーコータもダイスを有する流量規制型コータであり、同様に広く用いられている。
しかし、これらダイスを有する塗布装置(コータ)による塗布は、その原理上、ビードやカーテン膜等、塗布装置(コータ)と基体との間を連続的に塗布液でつなぐことになる。基体上に均一な厚さの塗布膜を形成するためには、塗布装置(コータ)からの塗布液流量は、常に一定で、途切れがあってはならない。すなわち、塗布膜を連続的に形成するため、又、塗布膜厚を精度高く一定にするために、所定量以上の塗布液を要することになる。よって、これらの方式において、塗布装置(コータ)から吐出される塗布液量を極端に少なくすることは、均一な膜厚を得る目的からすると、困難を伴う。
そのため、塗布層あたりの溶質量が少ない、つまり、塗布液を塗布し乾燥する前の湿潤膜厚がごく薄い膜(例えば、1〜50μm程度)を形成する場合には、塗布液の溶媒量を増やし、塗布液全体を増量することが必要となる。特に塗布液の粘度が低い場合には、基体上で流れてしまうため、安定な塗布膜を形成することが難しく、塗布液量をますます増やさねばならない。
しかし、溶媒量を増やすと、塗布後、溶媒を飛ばして乾燥させる負荷(乾燥負荷)が大きくなり、生産効率上好ましくない。又、溶媒量が多かったり、乾燥に時間が掛かると、当該塗布層の下に別の構成層が存在する場合には、該構成層に当該塗布層の塗布液が過度に浸透、拡散し、悪影響を及ぼす場合がある。
よって、薄膜を、塗布膜厚の精度高く、乾燥負荷が少なく、生産性高く設ける塗布方法が望まれている。
このような高精度に均一な塗布膜厚の薄膜を、構成層上に設けることが必要となる塗布製造物としては色々あるが、例えばインクジェット記録方法に用いられる記録用紙が挙げられる。記録用紙としては、例えば、普通紙のように紙そのものであるものや、コート紙のように吸収体を兼ねる支持体の上にインク受容層を塗設したもの、あるいは樹脂被覆紙やポリエステルフィルムのような非吸収性の支持体の上にインク受容層を塗設したもの等がある。
これら記録用紙としては、光沢感、つや感、深み等銀塩写真のような高品位の質感に対応するため、支持体の上に、インク受容層としてポリビニルピロリドンやポリビニルアルコール等の水溶性バインダを塗設した膨潤型記録用紙や、インク受容層として顔料あるいは顔料とバインダで微細な空隙構造を形成し、この空隙にインクを吸収させる、いわゆる空隙型記録用紙が知られている。最近では、得られる画質、取り扱い性の面から空隙型記録用紙が主流となっている。この様な空隙型記録用紙の例としては、特開平10−119423号、同10−119424号、同10−175364号、同10−193776号、同10−193776号、同10−217601号、同11−20300号、同11−106694号、同11−321079号、同11−348410号、同10−178126号、同11−348409号、特開2000−27093、同2000−94830、同2000−158807、同2000−211241等に記載されているものが知られている。
又、記録用紙に求められる性能として、画像の耐久性や画像保存性に対する要求もより高度になり、オゾン、オキシダント、SOx、NOxなど空気中の極微量の活性な有害ガスによる変褪色に対する耐性を持たせるために数々の対応が取られている。例えば、オゾン、オキシダント、SOx、NOxなど空気中の極微量の活性な有害ガスから画像を保護するために、インクが吸着しているインク受容層にこれら有害ガスを入り込ませない用にするためカーテンスプレーコータを用いて、インク受容層上に表面層を形成する方法が知られている。例えば、特開2004−122705には、インク受容層上に、粘度が0.7〜2mPa・sの塗布液を、乾燥前の厚さが10〜50μmになるように、カーテンスプレーコータを用いて平均液滴径が5〜30μmの噴霧状態でインク受容層上に塗布液層を形成する技術が知られている。しかしながら、カーテンスプレーコータを用いてインク受容層上に塗布液層を形成することで、薄膜塗布が出来、乾燥負荷も少なく、画像保存性の面でも効果はあるが、カーテンスプレーコータを用いて塗布液層を形成する時に膜厚のバラツキが大きく、膜厚が一定にならない問題点を有していた。
この様に、カーテンスプレーコータを用いて安定した塗布液層を形成する方法が検討されており、例えば、塗布液の粘度、気体を噴出する時の線速度、平均流径、スプレーコータと被塗布体との距離、塗布速度等を規定することで、基体の幅方向の塗布幅の変動が±20%以下、搬送方向の塗布幅の変動が±10%以下にするカーテンスプレー塗布方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の方法で、カーテンスプレーコータを用いて、インク受容層の上に塗布液層を形成し、塗布液層から溶媒を除去し、表面層を設けることで画像保存性は改良されるのであるが、未だ塗布液層の安定性が不十分であるのが現状である。更に、インク受容層に浸透する物質をカーテンスプレーコータを用いて塗布する場合、塗布量の均一性(膜厚、付き量)が不十分である。
これらの状況から、インク受容層の上に塗布する表面層の膜厚が安定したカーテンスプレー塗布方法及びこの方法を使用し製造した記録用紙の開発が望まれている。
特開2004−906号公報
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、その目的としては、インク受容層の上に塗布する塗布量の均一性(膜厚、付き量)が優れたカーテンスプレー塗布方法及びこの方法を使用し製造した記録用紙を提供することである。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成された。
(請求項1)
インク受容層が塗設された基体を搬送し、該基体の搬送方向と交差する方向の塗布幅にわたって、塗布液を供給する塗布液ノズルと、該塗布液ノズルの開口端に近接して気体を噴出する気体ノズルとを有するカーテンスプレーコータを使用し、該気体を該気体ノズルの開口端から噴出させ、該塗布液に衝突させて液滴を形成して噴霧を行うことにより、該基体上に塗布液層を形成しインクジェット記録用紙を作製するカーテンスプレー塗布方法において、
該インク受容層上に塗布される該塗布液の前記基体の搬送方向における塗布幅が0.2〜10cmであることを特徴とするカーテンスプレー塗布方法。
(請求項2)
前記気体ノズルと塗布液ノズルとのなす角度θ1が10〜60°で、該塗布液ノズルの開口端からの塗布液の噴霧角度θ2が10〜80°であり、且つθ1とθ2との間の関係が、下式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載のカーテンスプレー塗布方法。
式(1) θ2<2/3(2×θ1)
(請求項3)
前記気体ノズルの気体流量Aと、前記塗布液ノズルの塗布液流量Bとの比(A/B)が500〜10,000であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーテンスプレー塗布方法。
(請求項4)
前記塗布液ノズルの開口端とインク受容層表面との距離が0.5〜10cmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のカーテンスプレー塗布方法。
(請求項5)
前記カーテンスプレーコータが少なくとも2台配設され、各該カーテンスプレーコータより異なる塗布液を供給することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のカーテンスプレー塗布方法。
(請求項6)
インク受容層が塗設された基体を搬送し、該基体の搬送方向と交差する方向の塗布幅にわたって、塗布液を供給する塗布液ノズルと、該塗布液ノズルの開口端に近接して気体を噴出する気体ノズルとを有するカーテンスプレーコータを使用し、該気体を該気体ノズルの開口端から噴出させ、該塗布液に衝突させて液滴を形成して噴霧を行うことにより、該基体上に塗布液層を形成しインクジェット記録用紙を作製するカーテンスプレー塗布方法において、
前記基体の搬送方向と交差する方向に、上流側に配設した第1カーテンスプレーコータと下流側に配設した第2カーテンスプレーコータとから構成される少なくとも1組のカーテンスプレーコータ群を配設し、
該第1カーテンスプレーコータの該インク受容層上に塗布される該塗布液の前記基体の搬送方向の塗布幅L1と、該第2カーテンスプレーコータの該インク受容層上に塗布される該塗布液の前記基体の搬送方向の塗布幅L2とが、何れも0.2〜10cmであり、
且つ、該塗布幅L1と該塗布幅L2との関係が、L1≧L2であることを特徴とするカーテンスプレー塗布方法。
(請求項7)
インク受容層が塗設された基体を搬送し、該基体の搬送方向と交差する方向の塗布幅にわたって、塗布液を供給する塗布液ノズルと、該塗布液ノズルの開口端に近接して気体を噴出する気体ノズルとを有するカーテンスプレーコータを使用し、該気体を該気体ノズルの開口端から噴出させ、前記塗布液に衝突させて液滴を形成して噴霧を行うことにより、該基体上に塗布液層を形成しインクジェット記録用紙を作製するカーテンスプレー塗布方法において、
前記基体の搬送方向と交差する方向に、少なくとも第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータとから構成される少なくとも1組の該カーテンスプレーコータ群を配設し、
該第1カーテンスプレーコータの該インク受容層上に塗布される該塗布液の前記基体の搬送方向の塗布幅L1と、該第2カーテンスプレーコータの該インク受容層上に塗布される該塗布液の前記基体の搬送方向の塗布幅L2とが、何れも0.2〜10cmであり、
、且つ、該塗布幅L1と該塗布幅L2との間の関係が、L1≧L2であることを特徴とするカーテンスプレー塗布方法。
(請求項8)
前記塗布幅L1と該塗布幅L2との比(L1/L2)が1〜10であることを特徴とする請求項6又は7に記載のカーテンスプレー塗布方法。
(請求項9)
前記第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T1と、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T2とが、何れも0.5〜10cmであり、
且つ、該距離T1と距離T2との間の関係が、T1≧T2であることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載のカーテンスプレー塗布方法。
(請求項10)
前記距離T1と距離T2との比(T1/T2)が1.0〜5.0であることを特徴とする請求項9に記載のカーテンスプレー塗布方法。
(請求項11)
前記第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とが、何れも10〜45°であり、
且つ、該角度θ3と、該角度θ4との間の関係が、θ3≧θ4であることを特徴とする請求項6〜10の何れか1項に記載のカーテンスプレー塗布方法。
(請求項12)
前記第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A1と、塗布液ノズルの塗布液流量B1との比(A1/B1)P1と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A2と、塗布液ノズルの塗布液流量B2との比(A2/B2)P2とが、何れも500〜10,000であり、
且つ、該比P1と、該比P2との比が1:1〜1:5であることを特徴とする請求項6〜11の何れか1項に記載のカーテンスプレー塗布方法。
(請求項13)
前記塗布幅L1と該塗布幅L2との比(L1/L2)が1〜10で、第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T1と、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T2とが、何れも0.5〜10cmであり、
且つ、該距離T1と距離T2との間の関係が、T1≧T2であることを特徴とする請求項6に記載のカーテンスプレー塗布方法。
(請求項14)
前記塗布幅L1と該塗布幅L2との比(L1/L2)が1〜10で、第1のカーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第2のカーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とが、何れも10〜45°であり、
且つ、該角度θ3と、該角度θ4との間の関係が、θ3≧θ4であることを特徴とする請求項6に記載のカーテンスプレー塗布方法。
(請求項15)
前記塗布幅L1と該塗布幅L2との比(L1/L2)が1〜10で、第1のカーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A1と、塗布液ノズルの塗布液流量B1との比(A1/B1)P1と、第2のカーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A2と、塗布液ノズルの塗布液流量B2との比(A2/B2)P2とが、何れも500〜10,000であり、
且つ、該比P1と、該比P2との比が1:1〜1:5であることを特徴とする請求項6に記載のカーテンスプレー塗布方法。
(請求項16)
前記第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T1と、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T2とが、何れも0.5〜10cmであり、
且つ、該距離T1と距離T2との間の関係が、T1≧T2であり、
第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とが、何れも10〜45°であり、
且つ、該角度θ3と、該角度θ4との間の関係が、θ3≧θ4であることを特徴とする請求項6に記載のカーテンスプレー塗布方法。
(請求項17)
前記第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T1と、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T2とが、何れも0.5〜10cmであり、
且つ、該距離T1と距離T2との間の関係が、T1≧T2であり、
第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A1と、塗布液ノズルの塗布液流量B1との比(A1/B1)P1と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A2と、塗布液ノズルの塗布液流量B2との比(A2/B2)P2とが、何れも500〜10,000であり、
且つ、該比P1と、該比P2との比が1:1〜1:5であることを特徴とする請求項6に記載のカーテンスプレー塗布方法。
(請求項18)
前記第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とが、何れも10〜45°であり、
且つ、該角度θ3と、該角度θ4との間の関係が、θ3≧θ4であり、
第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A1と、塗布液ノズルの塗布液流量B1との比(A1/B1)P1と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A2と、塗布液ノズルの塗布液流量B2との比(A2/B2)P2とがそれぞれ500〜10,000であり、
且つ、該比P1と、該比P2との比が1:1〜1:5であることを特徴とする請求項6に記載のカーテンスプレー塗布方法。
(請求項19)
前記1組のカーテンスプレーコータ群は、同一塗布液層を形成する塗布液を使用することを特徴とする請求項6〜18の何れか1項に記載のカーテンスプレー塗布方法。
(請求項20)
請求項1〜19の何れか1項に記載のカーテンスプレー塗布方法により作製されたことを特徴とするインクジェット記録用紙。
発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を加えた結果、カーテンスプレーコータを使用して、バックアップロールに保持搬送されるインク受容層が塗設された基体を搬送し、基体の搬送方向と交差する方向の塗布幅にわたって、塗布液を供給する塗布液ノズルと、塗布液ノズルの開口端に近接して気体を噴出する気体ノズルとを有し、気体を塗布液に衝突させて液滴を形成して噴霧を行うことにより、基体上のインク受容層上に塗布液を塗布する場合、塗布膜厚が安定になり難い原因として、次のことが生じていることによるものであることが判明した。
カーテンスプレーコータで塗布液を液滴とし噴霧状態で塗布を行う場合、塗布液ノズルを介して供給された塗布液が、塗布液ノズルの開口端に近接して設けられた気体ノズルの開口端から、気体を噴出することで塗布液が液滴化する。この液滴化した塗布液が、カーテンスプレーコータのスプレー口から気体ノズルの角度と、気体の線速度に従って、一定の速度で角度を持って噴霧状態で速度を持って断面形状が三角形状を有して広がりながらインク受容層の表面に、基体上のインク受容層の幅方向と、搬送方向に一定の面積を有して到着することで塗布が行われるのであれば塗布膜厚が安定するのであるが、塗布膜厚が安定しないのは、被塗布体の表面に到達する塗布液の面積が変動していることが判明した。面積が変動することは、液滴数にムラが生ずることになり、これにより塗布膜の均一性が得られないと推定した。
これらに対して、発明者らは鋭意検討を加えた結果、塗布幅、噴霧角度、ノズル開口部からの受容層までの距離を制御し、更に、複数のカーテンスプレーコータで塗布幅、噴霧角度、ノズル開口部からの受容層までの距離を制御しながら塗布することが有効であることが判明し本発明に至った次第である。
インク受容層の上に塗布する塗布量の均一性(膜厚、付き量)が優れたカーテンスプレー塗布方法及びこの方法を使用し製造した記録用紙を提供することが出来、生産効率の向上が可能となった。
本発明の実施の形態を図1〜図7を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は1台のカーテンスプレーコータを使用し、インク受容層上に表面層を形成した記録媒体の塗布製造ラインの一例を示す模式図である。尚、本図では第1塗工部への塗布液の供給系、第2塗工部への塗布液及び空気の供給系、乾燥工程への乾燥用空気の供給系は省略してある。
図中、1aは塗布製造ラインを示す。塗布製造ライン1aは、基体の繰り出し部2と、インク受容層を形成する塗布液の第1塗工部3と、冷却部4と、第1乾燥部5と、インク受容層の上に表面層を形成する塗布液層を塗布する第2塗工部6aと、第2乾燥部7と、巻き取り部8とを有している。
202は基体201の元巻きロールを示す。繰り出し部2から繰り出された基体201は第1塗工部3でバックアップロール301に巻回された基体201上にコータ302により少なくとも1層のインク受容層を形成するための塗布が行われる。コータ302としては同時に多層の塗布液が塗布出来ることから流量規制型のスライドビード塗布装置が好ましい。
基体201上に多孔質インク受容層を形成する塗布液層を有する基体は、多孔質インク受容層用の塗布液が親水性バインダを含有しているので冷却部4で冷却装置401により固定化された状態で第1乾燥部5に搬送され、溶媒が除去されインク受容層203が形成される。501は乾燥箱を示し、502は搬送用のロールを示し、503は塗布面の接触を避けるため基体を浮かせて搬送するための気体を吹き出し塗布膜表面と非接触で反転搬送させるリバーサを示す。これにより、塗布面の接触を避け乾燥することが可能となっている。
第1乾燥部5で、塗布液層中の溶媒が除去されインク受容層203が形成された段階(第1乾燥部5で減率乾燥以降が好ましい)で、第1乾燥部5の外側に配置された第2塗工部6で、バックアップロール602に巻回された基体上のインク受容層203の上にカーテンスプレー用塗布液がカーテンスプレーコータ601によりカーテンスプレー塗布される。
第2塗工部6aで、カーテンスプレー用塗布液がインク受容層203上に塗布された支持体は第2乾燥部7に入り、表面層用に形成された塗布液層204aの溶媒の除去が行われ表面層204が形成される。701は乾燥箱を示し、702は搬送用のロールを示し、703は塗布面の接触を避けるため基体を浮かせて搬送するための気体を吹き出し塗布膜表面と非接触で反転搬送させるリバーサを示す。これにより、塗布面の接触を避け乾燥することが可能となっている。
第2乾燥部7でインクカーテンスプレー用塗布液の溶媒の除去が行われ表面層204が形成され、記録用紙が出来上がる。乾燥箱から出た帯状の記録用紙は、巻き取り部8で巻き芯801に巻き取られロール状の記録用紙802が製造される。
尚、第1乾燥部5及び第2乾燥部7における乾燥は、温風を吹き付け乾燥する方式が好ましい(温風吹き付け手段は不図示)。
第2塗工部6を配設する位置は、第1乾燥部5でインク受容層203の減率乾燥以降が好ましく、塗工後に再度乾燥を行うことが可能であれば特に限定はない。例えば、本図に示す第1乾燥部5と、第2乾燥部7とを合わせ、インク受容層203の減率乾燥以降に乾燥部から出して乾燥箱の上部に設け、塗工後に乾燥箱に入れても良いし、本図に示す様に第1乾燥部5と第2乾燥部7との間に配設してもかまわない。塗布製造ライン1の配設する環境に合わせ適宜選択することが可能である。
第2塗工部6のカーテンスプレーコータ601は搬送方向と直交する方向である基体の塗布面に対向するように配置されている。カーテンスプレーコータ601の詳細については、図3で説明する。
尚、本図は1台のカーテンスプレーコータを配設した場合を示しているが、少なくとも2台のカーテンスプレーコータを配設してもかまわない。但し、配設した各カーテンスプレーコータより異なる塗布液(組成、物性等)を供給することが好ましい。
図2は少なくとも2台のカーテンスプレーコータを使用し、インク受容層上に表面層を形成した記録媒体の塗布製造ラインの一例を示す模式図である。尚、本図では第1塗工部への塗布液の供給系、第2塗工部への塗布液及び空気の供給系、乾燥工程への乾燥用空気の供給系は省略してある。
図中、1bは塗布製造ラインを示す。塗布製造ライン1bは、基体の繰り出し部2と、インク受容層を形成する塗布液の第1塗工部3と、冷却部4と、第1乾燥部5と、インク受容層の上に表面層を形成する塗布液層を塗布する第2塗工部6bと、第2乾燥部7と、巻き取り部8とを有している。第2塗工部6bには、少なくとも第1カーテンスプレーコータ6b1と第2カーテンスプレーコータ6b2ととから構成される少なくとも1組のカーテンスプレーコータ群を有している。第1カーテンスプレーコータ6b1と第2カーテンスプレーコータ6b2は図1に示すカーテンスプレーコータ601と同じカーテンスプレーコータを示し、基体の搬送方向と交差する方向に配設されている。本図では、第2塗工部6bを基準として塗布製造ラインを表した時、第1乾燥部5側を上流側とし、第2乾燥部7側を下流側とする。すなわち、第2塗工部6bではカーテンスプレーコータ6b1を上流側カーテンスプレーコータとし、カーテンスプレーコータ6b2を下流側カーテンスプレーコータとする。
第2塗工部6bでは、バックアップロール6b3に巻回された基体上のインク受容層203の上にカーテンスプレー用塗布液が上流側のカーテンスプレーコータ6b1と、下流側の第2カーテンスプレーコータ6b2とによりカーテンスプレー塗布される。上流側の第1カーテンスプレーコータ6b1と、下流側の第2カーテンスプレーコータ6b2とに使用される塗布液は同じ塗布液で合っても良いし、例えば添加剤が異なる組成の塗布液であってもかまわない。上流側の第1カーテンスプレーコータ6b1と、下流側の第2カーテンスプレーコータ6b2との使用方法に関しては図6に詳細に説明する。他の符号は図1と同じである。
図3はカーテンスプレーコータとインク受容層を有する基体との配置関係を示す図1のXで示される部分の拡大概略平面図である。尚、本図ではカーテンスプレーコータの塗布液供給管及び空気供給管等は省略してある。カーテンスプレーコータ601は基体の搬送方向(図中の矢印方向)と交差する位置に配設されている。本発明において、交差するとは、カーテンスプレーコータ601のスプレー口を形成するラインが基体と平行で、且つ基体の進行方向に対して交差する角度をいう。θ1はカーテンスプレーコータ601と基体との交差する角度を示し、角度θ1は塗布安定性、塗布する範囲を考慮し、75〜105°が好ましい。本図の場合は、カーテンスプレーコータ601と基体との交差する角度が90°の場合を示している。尚、図2に示す第1カーテンスプレーコータ6b1と第2カーテンスプレーコータ6b2と基体との配置関係は図1に示すカーテンスプレーコータ601の場合と同じである。
図4は図1のXで示される部分の拡大概略図である。
尚、図2に示す第1カーテンスプレーコータ6b1と第2カーテンスプレーコータ6b2も、本図示すカーテンスプレーコータ601と同じ構成であり、同じ塗布液供給系と、加圧空気供給系とを有しているので本図でカーテンスプレーコータ、塗布液供給系及び加圧空気供給系を代表して説明をし、第1カーテンスプレーコータ6b1と第2カーテンスプレーコータ6b2に関する詳細説明は省略する。
図中、9は供給系を示し、塗布液供給系9aと、加圧空気供給系9bとを有している。塗布液供給系9aでは、塗布液タンク9a1で調製された塗布液が送液ポンプ9a2により流量計9a3、フィルター9a4を介してカーテンスプレーコータ601の塗布液供給管601aに塗布液を供給するようになっている。供給された塗布液は、一旦塗布液ポケット601a1に溜められた後、カーテンスプレーコータ601の幅方向に設けられている塗布液ノズル601a2の開口端(塗布液噴出口)601a4より噴出される。
加圧空気供給系9bでは、空気が加圧ポンプ9b1により加圧され流量計9b2、フィルター9b3を介してカーテンスプレーコータ601の加圧空気供給管601c(601b)に加圧空気を供給するようになっている。供給された加圧空気は、一旦加圧空気ポケット601c1(601b1)に一旦溜められた後、気体ノズル601c2(601b2)を介して開口端(気体噴出口)601c3(601b3)より噴出される。
Pはスプレー口を示し、塗布液ノズル601a2の開口端(塗布液噴出口)601a4と、気体ノズル601c2(601b2)の開口端(気体噴出口)601c3(601b3)とを有している。スプレー口Pでは、開口端(塗布液噴出口)601a4より噴出した塗布液が、開口端(気体噴出口)601c3(601b3)より噴出した空気により液滴状となり、連続搬送される(図中の矢印方向)帯状の基体上のインク受容層203上にカーテンスプレー塗布される。10はスプレー口Pよりスプレーされた液滴状の塗布液を示す。
204aは、帯状の支持体201上のインク受容層203上に形成された表面層を形成する表面層用塗布液層を示す。インク受容層203を表面上に有する帯状の基体201は、カーテンスプレーコータ601のスプレー口Pに対して相対的にバックアップローラ602に抱かれて移動させ(搬送させ)、連続的に塗布を行うことが可能となっている。
601d〜601gはカーテンスプレーコータ601を構成している各ブロックを示す。加圧空気ポケット601b1は、ブロック601gとブロック601fとから構成され、 気体ノズル601b2はブロック601gとブロック601fとの間隙に形成される。加圧空気ポケット601c1は、ブロック601eとブロック601dとから構成され、 気体ノズル601c2はブロック601eとブロック601dとの間隙に形成される。塗布液ポケット601a1は、ブロック601fとブロック601eとから構成され、塗布液ノズル601a2は、ブロック601fとブロック601eとの間隙に形成される塗布液ノズルを示す。601a3は塗布液ノズル601a2に挟持された櫛型部材を示す。櫛型部材601a3は、なくてもよく、必要に応じて使用することが可能である。櫛型部材601a3に関しては図7で説明する。
塗布液ノズルの開口端(塗布液噴出口)601a4に送られてくる塗布液は、塗布液ノズルの開口端(塗布液噴出口)601a4の間隙の幅をd1(図5を参照)とした時、フィルター13a4の口径を、ポンプの圧損、塗布液噴出口での異物の詰まり、これに伴う塗布故障を考慮して1/1d1〜1/100d1を使用して濾過されていることが好ましい。
気体ノズルの開口端(気体噴出口)601b3(601c3)に送られてくる加圧空気は、気体ノズルの開口端(気体噴出口)601b3(601c3)の間隙の幅をd2(図5を参照)とした時、フィルター13b3の口径を、ポンプ圧損、空気の供給量の安定性、気体ノズルの開口端(気体噴出口)での異物の詰まり、スプレーの安定性を考慮して1/1d2〜1/100d2を使用して濾過されていることが好ましい。
図5は図4のSで示される部分の拡大概略図である。
図中、Lはインク受容層203上に塗布される、塗布液ノズル601a2の開口端(塗布液噴出口)601a4からの噴霧された塗布液の基体の搬送方向の塗布幅を示す。塗布幅Lは0.2〜10cmである。塗布幅Lが0.2cm未満の場合は、液滴径が不均一となり、更に、インク受容層に到達した液滴のハネが激しく、膜厚が不均一となるため好ましくない。塗布幅Lが10cmを越える場合は、液滴数の分布が悪くなり、塗布されていない場所が発生する可能性が大きくなるため好ましくない。
θ1は気体ノズル601c2(601b2)の塗布液ノズル601a2とのなす角度を示す。角度θ1は、液滴生成容易性、コータの加工性、コータの加工精度等を考慮し、10〜60°が好ましい。
θ2は塗布液ノズル601a2の開口端(塗布液噴出口)601a4からの塗布液の噴霧角度を示す。噴霧角度θ2は、噴霧した液滴のインク受容層に到達した時のハネ、液滴数の空間分布等を考慮し、10〜80°が好ましい。尚、噴霧角度θ2は、噴霧状態をカメラで1時間に60回撮影し、得られた画像を画像解析により測定した値である。角度θ1と噴霧角度θ2とは、均一な液滴径の生成、液滴の分布等を考慮して、式(1)で規定する条件を満たすことが好ましい。
式(1) θ2<2/3(2×θ1)
塗布液ノズル601a2からの塗布液流量Bは、所望の塗布膜厚、塗布液の濃度、塗布速度等により一概には規定出来ない。又、気体ノズル601c2(601b2)から噴出される気体は、塗布に適して入れば特に限定はなく、一般には空気を用いる。気体ノズル601c2(601b2)からの気体流量Aは、塗布液の供給量、所望の塗布膜厚、塗布液の濃度、塗布速度等により一概には規定出来ない。しかしながら、気体流量Aと塗布液流量Bとの比(A/B)は、噴霧される液滴径、液滴飛散性等を考慮して500〜10,000が好ましい。
Tは、塗布液ノズル601a2の開口端(塗布液噴出口)601a4とインク受容層の表面との距離を示す。距離Tは噴霧される液滴径、液滴数の空間分布、噴霧した液滴のインク受容層に到達した時のハネ等を考慮し、0.5〜10cmが好ましい。他の符号は図4と同義である。
尚、図1で少なくとも2台のカーテンスプレーコータを配設した場合、図3〜図5に示すカーテンスプレーコータと同じ条件で異なる塗布液(組成、物性等)を供給して塗布を行うことが好ましい。
図6は図2のYで示される部分の拡大概略図である。
図中、6b1a〜6b1dは第1カーテンスプレーコータ6b1を構成しているブロックを示す。6b1eはブロック6b1aとブロック6b1bとの間隙に形成される気体ノズルを示す。6b1fはブロック6b1bとブロック6b1cとの間隙に形成される塗布液ノズルを示す。6b1gはブロック6b1cとブロック6b1dとの間隙に形成される気体ノズルを示す。6b1e1は気体ノズル6b1eの開口端(気体噴出口)を示す。6b1f1は塗布液ノズル6b1fの開口端(塗布液噴出口)を示す。6b1g1は気体ノズル6b1gの開口端(気体噴出口)を示す。P1はスプレー口を示し、塗布液ノズル6b1fの開口端(塗布液噴出口)6b1f1と、気体ノズル6b1eの開口端(気体噴出口)6b1e1と、気体ノズル6b1gの開口端(気体噴出口)6b1g1とを有している。
θ3は気体ノズル6b1e(6b1g)の塗布液ノズル6b1fとのなす角度を示す
L1インク受容層203上に塗布される、第1カーテンスプレーコータ6b1の塗布液ノズル6b1fの開口端(塗布液噴出口)6b1f1からの噴霧された塗布液の基体の搬送方向の塗布幅を示す。T1は、塗布液ノズル6b1fの開口端(塗布液噴出口)6b1f1とインク受容層203の表面との距離を示す。
6b2a〜6b2dは第2カーテンスプレーコータ6b2を構成しているブロックを示す。6b2eはブロック6b2aとブロック6b2bとの間隙に形成される気体ノズルを示す。6b2fはブロック6b2bとブロック6b2cとの間隙に形成される塗布液ノズルを示す。6b2gはブロック6b2cとブロック6b2dとの間隙に形成される気体ノズルを示す。6b2e1は気体ノズル6b2eの開口端(気体噴出口)を示す。6b2f1は塗布液ノズル6b2fの開口端(塗布液噴出口)を示す。6b2g1は気体ノズル6b2gの開口端(気体噴出口)を示す。P2はスプレー口を示し、塗布液ノズル6b2fの開口端(塗布液噴出口)6b2f1と、気体ノズル6b2eの開口端(気体噴出口)6b2e1と、気体ノズル6b2gの開口端(気体噴出口)6b2g1とを有している。θ4は気体ノズル6b2e(6b2g)の塗布液ノズル6b2fとのなす角度を示す
T2は、塗布液ノズル6b2fの開口端(塗布液噴出口)6b2f1とインク受容層203の表面との距離を示す。L2はインク受容層203上に塗布される、第2カーテンスプレーコータ6b2の塗布液ノズル6b2fの開口端(塗布液噴出口)6b2f1からの噴霧された塗布液の基体の搬送方向の塗布幅を示す。
本図において、塗布幅L1と塗布幅L2とは、何れも0.2〜10cmである。塗布幅L1(L2)が0.2cm未満の場合は、液滴径が不均一となり、更にインク受容層に到達した時の液滴のハネが激しく、膜厚が不均一となるため好ましくない。塗布幅L1(L2)が10cmを越える場合は、液滴数の分布が悪くなり、塗布されていない場所が発生する可能性が大きくなるため好ましくない。
本図において、上流側の第1カーテンスプレーコータ6b1の塗布幅L1と、下流側の第2カーテンスプレーコータ6b2の塗布幅L2とは次の関係を有している。
1)上流側の第1カーテンスプレーコータ6b1の塗布幅L1と下流側の第2カーテンスプレーコータ6b2の塗布幅L2とは、何れも0.2〜10cmであり、且つ、上流側の第1カーテンスプレーコータ6b1の塗布幅L1と、下流側の第2カーテンスプレーコータ6b2の塗布幅L2とがL1≧L2の関係を有している。本図では2台のカーテンスプレーコータの場合を示しているが、例えば、3台のカーテンスプレーコータ(A、B、C)の塗布幅をAL、BL、CLとした時、各カーテンスプレーコータ(A、B、C)の塗布幅の関係は、AL≧CL、AL≧BL、BL≧CLの関係を有していることを意味する。L1≧L2の関係を有していない場合は、液滴数の分布が順次悪くなり、インク受容層の上に塗布する塗布量の均一性(膜厚、付き量)が劣化するため好ましくない。
2)塗布幅L1と塗布幅L2との比(L1/L2)は、インク受容層の上に塗布する塗布量の均一性(膜厚、付き量)、塗布設備のレイアウト等を考慮し、1〜10が好ましい。
本図において、距離T1と距離T2とは、液滴径、液滴数の分布、インク受容層に到達した時の液滴のハネ等を考慮し、何れも0.5〜10cmであり、且つ、距離T1と、距離T2とは、液滴径、液滴数の分布、インク受容層に到達した時の液滴のハネ等を考慮し、T1≧T2の関係を有していることが好ましい。又、距離T1と距離T2の比(T1/T2)は、インク受容層の上に塗布する塗布量の均一性(膜厚、付き量)、塗布設備のレイアウト等を考慮し、1.0〜5.0が好ましい。
本図において、角度θ3と角度θ4とは、液滴生成容易性、コータの加工性、コータの加工精度等を考慮し、何れも10〜45°であり、且つ、角度θ3と角度θ4とは、インク受容層の上に塗布する塗布量の均一性(膜厚、付き量)を考慮し、角度θ3≧角度θ4の関係を有していることが好ましい。
本図において、第1カーテンスプレーコータ6b1の塗布液ノズル6b1fからの塗布液流量B1は、所望の塗布膜厚、塗布液の濃度、塗布速度等により一概には規定出来ない。又、気体ノズル6b1e、6b1gから噴出される気体は、塗布に適して入れば特に限定はなく、一般には空気を用いる。気体ノズル6b1e、6b1gからの気体流量A1は、塗布液の供給量、所望の塗布膜厚、塗布液の濃度、塗布速度等により一概には規定出来ない。同様に、第2カーテンスプレーコータ6b2の塗布液ノズル6b2fからの塗布液流量B2は、所望の塗布膜厚、塗布液の濃度、塗布速度等により一概には規定出来ない。又、気体ノズル6b2e、6b2gから噴出される気体は、塗布に適して入れば特に限定はなく、一般には空気を用いる。気体ノズル6b2e、6b2gからの気体流量A2は、塗布液の供給量、所望の塗布膜厚、塗布液の濃度、塗布速度等により一概には規定出来ない。
しかしながら、第1カーテンスプレーコータ6b1の気体ノズルの気体流量A1と、塗布液ノズルの塗布液流量B1との比(A1/B1)P1と、第2カーテンスプレーコータ6b2の気体ノズルの気体流量A2と、塗布液ノズルの塗布液流量B2との比(A2/B2)P2とは噴霧される塗布液の液滴径、液滴飛散性等を考慮して500〜10,000が好ましい。又、比P1と比P2との比は、噴霧される塗布液の液滴径、インク受容層に到達した時の液滴のハネ等を考慮し、1:1〜1:5であることが好ましい。
本図において、第1カーテンスプレーコータ6b1のインク受容層上に塗布される塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータ6b2のインク受容層上に塗布される塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L2とが、何れも0.2〜10cmであり、且つ、塗布幅L1と塗布幅L2との関係が、L1≧L2であり、且つ、塗布幅L1と塗布幅L2との比(L1/L2)が1〜10で、距離T1と距離T2とが、何れも0.5〜10cmであり、且つ、距離T1と、距離T2とは、T1≧T2の関係であることが好ましい。
本図において、第1カーテンスプレーコータ6b1のインク受容層上に塗布される塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータ6b2の該インク受容層上に塗布される塗布液の前記基体の搬送方向の塗布幅L2とが、何れも0.2〜10cmであり、且つ、塗布幅L1と塗布幅L2との関係が、L1≧L2であり、塗布幅L1と塗布幅L2との比(L1/L2)が1〜10で、角度θ3と、角度θ4とが、何れも10〜45°であり、且つ、角度θ3と、角度θ4との間の関係が、θ3≧θ4の関係であることが好ましい。
本図において、第1カーテンスプレーコータ6b1のインク受容層上に塗布される塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータ6b2の該インク受容層上に塗布される塗布液の前記基体の搬送方向の塗布幅L2とが、何れも0.2〜10cmであり、且つ、塗布幅L1と塗布幅L2との関係が、L1≧L2であり、第1のカーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A1と、塗布液ノズルの塗布液流量B1との比(A1/B1)P1と、第2のカーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A2と、塗布液ノズルの塗布液流量B2との比(A2/B2)P2とが、何れも500〜10,000であり、且つ、比P1と、比P2との比が1:1〜1:5であることが好ましい。
本図において、第1カーテンスプレーコータ6b1のインク受容層上に塗布される塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータ6b2の該インク受容層上に塗布される塗布液の前記基体の搬送方向の塗布幅L2とが、何れも0.2〜10cmであり、且つ、塗布幅L1と塗布幅L2との関係が、L1≧L2であり、第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T1と、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T2とが、何れも0.5〜10cmであり、且つ、距離T1と距離T2との間の関係が、T1≧T2であり、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とが、何れも10〜45°であり、且つ、角度θ3と、角度θ4との間の関係が、θ3≧θ4であることが好ましい。
本図において、第1カーテンスプレーコータ6b1のインク受容層上に塗布される塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータ6b2の該インク受容層上に塗布される塗布液の前記基体の搬送方向の塗布幅L2とが、何れも0.2〜10cmであり、且つ、塗布幅L1と塗布幅L2との関係が、L1≧L2であり、第1前記カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T1と、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T2とが、何れも0.5〜10cmであり、且つ、距離T1と距離T2との間の関係が、T1≧T2であり、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A1と、塗布液ノズルの塗布液流量B1との比(A1/B1)P1と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A2と、塗布液ノズルの塗布液流量B2との比(A2/B2)P2とが、何れも500〜10,000であり、且つ、該比P1と、該比P2との比が1:1〜1:5であることが好ましい。
本図において、第1カーテンスプレーコータ6b1のインク受容層上に塗布される塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータ6b2の該インク受容層上に塗布される塗布液の前記基体の搬送方向の塗布幅L2とが、何れも0.2〜10cmであり、且つ、塗布幅L1と塗布幅L2との関係が、L1≧L2であり、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とが、何れも10〜45°であり、且つ、該角度θ3と、該角度θ4との間の関係が、θ3≧θ4であり、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A1と、塗布液ノズルの塗布液流量B1との比(A1/B1)P1と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A2と、塗布液ノズルの塗布液流量B2との比P2とがそれぞれ500〜10,000であり、且つ、比P1と、比P2との比が1:1〜1:5であることが好ましい。
図7は図1〜図6に示すカーテンスプレーコータの概略分解斜視図である。
図中、601i(601j)はブロック601d〜601gを組み付けるための側板を示す。601g及び601fは、加圧空気供給管601bと、加圧空気ポケット601b1(図4を参照)と、所定の距離を有する空気用ノズル601b2(図4を参照)とを形成するためのブロックである。形成された加圧空気ポケット601b1(図4を参照)と、空気用ノズル603b2(図3を参照)とはブロック601g、601fの幅方向に設けられている。
601f及び601eは、塗布液ポケット601a1と、塗布液ノズル601a2(図3を参照)を形成するブロックである。ブロック601fには塗布液タン901a(図5を参照)から供給される塗布液を受け入れ、塗布液ポケット601a1まで連通する塗布液供給管601aが配設されている。塗布液ノズル601a2(図4を参照)には、塗布液ノズル601a2(図4を参照)を垂直方向に分割して塗布幅方向に複数の塗布液ノズルを形成する櫛型部材601a3が挟持されている。塗布液ポケット603a1に滞留した塗布液は、櫛型部材601a3により分割された塗布液ノズル601a2(図4を参照)を流下することになる。601a31は櫛型部材601a3の櫛刃を示し、櫛刃601a31の間隔が塗布液ノズルとなる。本図の場合は11本のノズルが形成される様になっている。
ブロック601e及びブロック601dは、加圧空気供給管601cと、加圧空気ポケット601c1と、所定の距離を有する空気用ノズル601c2(図4を参照)とを形成するためのブロックである。形成された加圧空気ポケット601c1と、空気用ノズル601c2(図4を参照)とはブロック601g、601fの幅方向に設けられている。
空気供給源(不図示)から加圧空気供給管601b(601c)を介して供給された加圧空気は、一旦、加圧空気ポケット601b1(601c1)に滞留した後、空気用ノズル601b2(601c2)を圧力をもって流下する。
櫛型部材601a3により分断された塗布液ノズル601a2(図4を参照)を流下してきた塗布液と、2つの空気用ノズル601b2(601c2)を流下してきた加圧空気とは、スプレー口P(図4を参照)において衝突し、液滴を形成して、被塗布対象物である支持体上のインク吸収層上に飛翔する。
図1〜図7に示されるカーテンスプレーコータを使用して、塗布する際の塗布液の湿潤膜厚としては、安定で均一な塗布膜の形成、乾燥工程への乾燥負荷を考慮し、1〜50μmが好ましく、特に5〜30μmが好ましい。一方、気体ノズルから噴出される気体は、塗布に適して入れば特に限定はなく、一般には空気を用いるが、空気の供給条件としては、概ね1〜50CMM/m(塗布幅当たりの流量)の範囲が好ましく、その時の気体ノズルでの内圧としては、塗布の均一性の観点から、10kPa以上であることが好ましい。
空気の線速度vは、塗布乾燥性及び塗布収率の観点から126〜400m/sが好ましい。空気の線速度とは、気体ノズル601c2(601b2)の開口端の気体噴出口601c3(601b3)直後における空気の線速度であり、レーザードップラ風速計、例えば、KANOMAX社製の1D FLV system8851により測定して求めることが出来る。又、塗布収率とは、インク受容層上に塗布された塗布液量/供給した全塗布液量×100(%)であり、質量法により算出する。すなわち、インク受容層上に塗布された塗布液量は、インク受容層上への塗布前後の質量変化から算出し、供給した全塗布液量はカーテンスプレーコータへ送液、供給した質量、すなわち、送液流量×塗布時間より求めることが出来る。
本発明に係る表面層を形成する塗布液には、特開2004−906号公報、同2004−122705号公報に記載の塗布液を使用することが好ましい。
本発明で用いることの出来る基体としては特に限定はなく、例えば、従来インクジェット記録用紙用として公知のものを適宜使用出来、吸水性基体であっても、非吸水性基体であってもかまわない。本発明で用いることの出来る吸水性基体としては、例えば、一般の紙、布、木材等を有するシートや板等を挙げることが出来るが、特に、紙は基材自身の吸水性に優れかつコスト的にも優れるために最も好ましい。紙支持体としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、CGP、RMP、TMP、CTMP、CMP、PGW等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプを主原料としたものが使用可能である。又、必要に応じて合成パルプ、合成繊維、無機繊維等の各種繊維状物質も原料として適宜使用することが出来る。
上記紙基体中には必要に応じて、サイズ剤、顔料、紙力増強剤、定着剤等、蛍光増白剤、湿潤紙力剤、カチオン化剤等の従来公知の各種添加剤を添加することが出来る。
紙基体は、前記の木材パルプなどの繊維状物質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造することが出来る。又、必要に応じて抄紙段階又は抄紙機にスターチ、ポリビニルアルコール等でサイズプレス処理したり、各種コート処理したり、カレンダー処理したりすることも出来る。
本発明で好ましく用いることの出来る非吸水性基体には、透明基体及び不透明基体がある。透明基体としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアテセート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等の材料を有するフィルム等が挙げられ、中でもオーバーヘッドプロジェクター(OHP)用として使用された時の輻射熱に耐える性質のものが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。この様な透明な基体の厚さとしては、50〜200μmが好ましい。
又、不透明基体としては、例えば、基紙の少なくとも一方に白色顔料等を添加したポリオレフィン樹脂被覆層を有する樹脂被覆紙(いわゆる、RCペーパー)、特開2004−122705号公報に記載の原紙支持体の両面をポリエチレンでラミネートした樹脂被覆紙、ポリエチレンテレフタレートに硫酸バリウム等の白色顔料を添加してなるいわゆるホワイトペットが好ましい。
非吸水性基体を使用する場合は、基体上にインク受容層を設けることが好ましい。インク受容層は特開2004−122705に記載の多孔質層で構成されていることが好ましい。インク受容層が多孔質であるとは、5〜200nm程度の孔径をもつ空隙を多数有することを指す。空隙同士は単独に孤立するのではなく、連続的にお互いに導通していることが好ましい。この場合の空隙径の定義としては、例えば、水銀圧入法による測定値を用いることが出来る。以下、好ましい多孔質層について説明する。
多孔質層は、主に親水性バインダと無機微粒子の軟凝集により形成されるものである。従来より、皮膜中に空隙を形成する方法は種々知られており、例えば、二種以上のポリマを含有する均一な塗布液を基体上に塗布し、乾燥過程でこれらのポリマを互いに相分離させて空隙を形成する方法、固体微粒子及び親水性又は疎水性樹脂を含有する塗布液を基体上に塗布し、乾燥後に、インクジェット記録用紙を水、あるいは適当な有機溶媒を含有する液に浸漬し、固体微粒子を溶解させて空隙を作製する方法、皮膜形成時に発泡する性質を有する化合物を含有する塗布液を塗布後、乾燥過程でこの化合物を発泡させて皮膜中に空隙を形成する方法、多孔質固体微粒子と親水性バインダを含有する塗布液を基体上に塗布し、多孔質微粒子中や微粒子間に空隙を形成する方法、親水性バインダに対して、概ね等量以上の容積を有する固体微粒子及び又は微粒子油滴と親水性バインダを含有する塗布液を基体上に塗布し、固体微粒子の間に空隙を形成する方法等が知られている。本発明においては多孔質層に、平均液滴径が100nm以下の各種無機固体微粒子を含有させることによって形成されることが、特に好ましい。
上記の目的で使用される無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることが出来る。
無機微粒子の平均液滴径は、粒子そのものあるいは多孔質層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を測定し、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。無機微粒子としては、シリカ、及びアルミナ又はアルミナ水和物から選ばれた固体微粒子を用いることが好ましい。
本発明で用いることの出来るシリカとしては、通常の湿式法で合成されたシリカ、コロイダルシリカ、あるいは気相法で合成されたシリカ等が好ましく用いられるが、本発明において特に好ましく用いられる微粒子シリカとしては、コロイダルシリカ又は気相法で合成された微粒子シリカが好ましく、中でも気相法により合成された微粒子シリカは、高い空隙率が得られるので好ましい。又、アルミナ又はアルミナ水和物は、結晶性であっても非晶質であってもよく、又不定形粒子、球状粒子、針状粒子など任意の形状のものを使用することが出来る。
無機微粒子は、その粒径が100nm以下であることが好ましい。例えば、上記気相法微粒子シリカの場合、一次粒子の状態で分散された無機微粒子の一次粒子の平均液滴径(塗設前の分散液状態での粒径)は、100nm以下のものが好ましく、より好ましくは4〜50nm、最も好ましくは4〜20nmである。
最も好ましく用いられる、一次粒子の平均液滴径が4〜20nmである気相法により合成されたシリカとしては、例えば、日本アエロジル社製のアエロジルが市販されている。この気相法微粒子シリカは、水中に、例えば、三田村理研工業株式会社製のジェットストリームインダクターミキサーなどにより、容易に吸引分散することで、比較的容易に一次粒子まで分散することが出来る。
本発明においては、インク受容層に水溶性バインダを用いることが出来る。本発明で用いることの出来る水溶性バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの水溶性バインダは、二種以上併用することも可能である。
本発明で好ましく用いられる水溶性バインダは、ポリビニルアルコールである。
本発明で好ましく用いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜5,000のものが好ましく用いられる。又、ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されているような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号に記載されているようなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号及び同63−307979号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−285265号に記載されているような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
又、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号に記載されているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなど二種類以上を併用することも出来る。
本発明においては、染料定着剤として多価金属化合物を用いることが好ましく、本発明の目的効果を達成する範囲において、それらの化合物と共に、カチオン性ポリマを併用することを妨げるものではない。
カチオン性ポリマの例としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、エピクロルヒドリン・ジアルキルアミン付加重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・SO2共重合物、ポリビニルイミダゾール、ビニルピロリドン・ビニルイミダゾール共重合物、ポリビニルピリジン、ポリアミジン、キトサン、カチオン化澱粉、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド重合物、(2−メタクロイルオキシエチル)トリメチルアンモニウムクロライド重合物、ジメチルアミノエチルメタクリレート重合物、などが挙げられる。
又、化学工業時報平成10年8月15,25日に述べられるカチオン性ポリマ、三洋化成工業株式会社発行「高分子薬剤入門」に述べられる高分子染料固着剤が例として挙げられる。
インク受容層で用いられる無機微粒子の添加量は、要求されるインク吸収容量、多孔質層の空隙率、無機顔料の種類、水溶性バインダの種類に大きく依存するが、一般には、記録用紙1m2当たり、通常5〜30g、好ましくは10〜25gである。
又、インク受容層に用いられる無機微粒子と水溶性バインダの比率は、質量比で通常2:1〜20:1であり、特に、3:1〜10:1であることが好ましい。
又、分子内に第四級アンモニウム塩基を有するカチオン性の水溶性ポリマを含有しても良く、インクジェット記録用紙1m2当たり通常0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gの範囲で用いられる。
多孔質層において、空隙の総量(空隙容量)は記録用紙1m2当たり20ml以上であることが好ましい。空隙容量が20ml/m2未満の場合、印字時のインク量が少ない場合には、インク吸収性は良好であるものの、インク量が多くなるとインクが完全に吸収されず、画質を低下させたり、乾燥性の遅れを生じるなどの問題が生じやすい。
インク保持能を有する多孔質層において、固形分容量に対する空隙容量を空隙率という。本発明において、空隙率を50%以上にすることが、不必要に膜厚を厚くさせないで空隙を効率的に形成出来るので好ましい。
空隙型の他のタイプとして、無機微粒子を用いてインク受容層を形成させる以外に、ポリウレタン樹脂エマルジョン、これに水溶性エポキシ化合物及び/又はアセトアセチル化ポリビニルアルコールを併用し、更にエピクロルヒドリンポリアミド樹脂を併用させた塗工液を用いてインク受容層を形成させてもよい。この場合のポリウレタン樹脂エマルジョンは、ポリカーボネート鎖、ポリカーボネート鎖及びポリエステル鎖を有する粒子径が3.0μmであるポリウレタン樹脂エマルジョンが好ましく、ポリウレタン樹脂エマルジョンのポリウレタン樹脂がポリカーボネートポリオール、ポリカーボネートポリオール及びポリエステルポリオールを有するポリオールと脂肪族系イソシアネート化合物とを反応させて得られたポリウレタン樹脂が、分子内にスルホン酸基を有し、更にエピクロルヒドリンポリアミド樹脂及び水溶性エポキシ化合物及び/又はアセトアセチル化ビニルアルコールを有することが更に好ましい。上記ポリウレタン樹脂を用いたインク受容層は、カチオンとアニオンの弱い凝集が形成され、これに伴い、インク溶媒吸収能を有する空隙が形成されて、画像形成出来ると推定される。
本発明においては、硬化剤を使用することが好ましい。硬化剤は、インクジェット記録用紙作製の任意の時期に添加することが出来、例えば、インク受容層形成用の塗布液中に添加しても良い。
本発明においては、インク受容層形成後に、水溶性バインダの硬化剤を供給する方法を単独で用いても良いが、好ましくは、上述の硬化剤をインク受容層形成用の塗布液中に添加する方法と併用して用いることである。硬化剤としては、水溶性バインダと硬化反応を起こすものであれば特に制限はないが、ホウ酸及びその塩が好ましいが、その他にも公知のものが使用出来、一般的には水溶性バインダと反応し得る基を有する化合物あるいは水溶性バインダが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、水溶性バインダの種類に応じて適宜選択して用いられる。硬化剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬化剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬化剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬化剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、アルミニウム明礬等が挙げられる。
ホウ酸又はその塩とは、ホウ素原子を中心原子とする酸素酸及びその塩のことをいい、具体的には、オルトホウ酸、二ホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、五ホウ酸及び八ホウ酸及びそれらの塩が挙げられる。硬化剤としてのホウ素原子を有するホウ酸及びその塩は、単独の水溶液でも、又、二種以上を混合して使用しても良い。特に好ましいのはホウ酸とホウ砂の混合水溶液である。ホウ酸とホウ砂の水溶液は、それぞれ比較的希薄水溶液でしか添加することが出来ないが両者を混合することで濃厚な水溶液にすることが出来、塗布液を濃縮化することが出来る。又、添加する水溶液のpHを比較的自由にコントロールすることが出来る利点がある。上記硬化剤の総使用量は、上記水溶性バインダ1g当たり1〜600mgが好ましい。
本発明に係る基体上に設けたインク受容層及び必要に応じて設けられるその他の層には、上述した以外の各種添加剤を使用することが出来る。例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、又はこれらの共重合体、尿素樹脂、又はメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、アニオン性、カチオン性、非イオン性、ベタイン型の各界面活性剤特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている褪色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることも出来る。
インク受容層は、2層以上から構成されていてもよく、この場合、それらのインク受容層の構成はお互いに同じであっても異なっていても良い。
上記のような多孔質層は、特に、インクジェット記録方法に好ましく用いられる。インクジェット記録方法に好ましい多孔質層の空隙容量は10〜30ml/m2である。
本発明に係わるインク受容層は、従来公知の塗布方法で塗設することが出来、例えば、グラビアコーティング法、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング法、押し出し塗布方法、スライドビード塗布方法、カーテン塗布方法、スロットノズルスプレー塗布方法あるいは、米国特許第2,681,294号公報に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法等が、好ましく用いられる。
本発明に係るインク受容層の各層には各種添加剤を使用することが出来る。例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、又はこれらの共重合体、尿素樹脂、又はメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒子、アニオン性、カチオン性、非イオン性、ベタイン型の各界面活性剤特開昭57−74193号、同57−87988号及び同62−261476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号、同60−72785号、同61−146591号、特開平1−95091号及び同3−13376号等に記載されている褪色防止剤、特開昭59−42993号、同59−52689号、同62−280069号、同61−242871号及び特開平4−219266号等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることも出来る。
前記各種支持体とインク受容層の接着強度を大きくする等の目的で、インク受容層の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好ましい。更に、本発明に係る記録用紙は必ずしも無色である必要はなく、着色された記録シートであってもよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。尚、実施例中で「%」は特に断りのない限り質量%を示す。
実施例1
図1に示す塗布製造ラインを使用して記録用紙の作製を行った。
〈多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体の作製〉
(分散液の調製)
カチオン性ポリマ(P1)の15%水溶液100gに、一次粒子の平均粒子径が12μmの微粒子シリカ(トクヤマ製、QS−20)の25%水分散液500g、次いでホウ酸3.0g、ホウ砂0.7gを添加し、高速ホモジナイザーで分散し、青白色澄明な分散液を得た。
Figure 2006159104
(塗布液の調製)
上記調製した分散液を45℃に昇温し、ポリビニルアルコール(クラレ製、PVA203)の10%水溶液及びポリビニルアルコール(クラレ製、PVA245)の6%水溶液をそれぞれ45℃に昇温した後に添加した。次いで、45℃の純水を加えて液量を調整して、半透明状の塗布液を得た。
(塗布)
両面をポリエチレンで被覆した紙支持体(幅1500mm、厚み230μm)上に、スライドビード方塗布機を用いて上記塗布液を塗布、乾燥して、多孔質インク受容層塗布済み帯状の支持体を10000m作製した。塗布スピードは200m/minで行った。多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体の下層における各成分の付量は以下の通りで、乾燥膜厚は35μmである。
微粒子シリカ 15g/m2
カチオン性ポリマ(Q1) 2.2g/m2
ポリビニルアルコール 2.3g/m2
インク受容層用塗布液の塗布後は、10℃に保った冷却ゾーンを15秒間通過させて膜面の温度を10℃以下にまで低下させた後、以下の温度の風を順次インク受容層表面に吹き付けながら乾燥工程の各ゾーンを通過させて乾燥した。
尚、第1乾燥部での全乾燥工程は360秒とし、このうち前半の270秒は、吹き付ける風の平均相対湿度を30%以下とした。270秒以降は、相対湿度が40〜60%の調湿ゾーンとした。
〔カーテンスプレーコータの準備〕
図4に示すカーテンスプレーコータを準備した。カーテンスプレーコータとしては、塗布幅1550mm、塗布液用ノズルの間隙の幅60μm、空気用ノズルの間隙の幅200μmとした。
〔カーテンスプレー塗布〕
図1に示す第1乾燥部で乾燥し、インク受容層の減率乾燥が終了した時点で、準備したカーテンスプレーコータを使用し、図3に示す様にカーテンスプレーコータのスプレー口を形成するラインが支持体と平行で、且つ基体の進行方向に対して交差する角度が90°になるように配設した。図5に示すように、インク受容層上に塗布される塗布液の基体の搬送方向の塗布幅を表1に示す様に変化し、気体ノズルの気体流量と、塗布液ノズルの塗布液流量との比を2000とし、カーテンスプレー塗布用の塗布液を、湿潤膜厚として15μmになるように200mカーテンスプレー塗布し、第2乾燥部で乾燥し、表面層を有する記録材料を作製し試料No.101〜108とした。塗布幅の変化は塗布液用ノズルに対する空気用ノズルの角度を適宜変化して行った。尚、第2乾燥部での全乾燥工程は100秒とし、相対湿度が40〜60%の風を吹き付けた。
塗布液は、塗布液用ノズルの間隙の幅60μmに対して1/20の口径のフィルターを使用して濾過したものを使用した。空気は、空気用ノズルの間隙の幅200μmに対して1/50の口径のフィルターを使用して濾過したものを使用した。
空気用ノズルから噴出される空気の供給条件としては、18CMM/m(塗布幅当たりの流量)とし、その時の空気用ノズルでの内圧としては8kPaとなるようにした。空気の線速度vは150m/sとした。カーテンスプレーコータのスプレー口とインク受容層との間隙は20mm、塗布速度は200m/minで行った。
〈カーテンスプレー塗布用の塗布液の調製〉
以下の組成からなるカーテンスプレー塗布用の塗布液を調製した。
ポリ塩化アルミニウム 160ml
(多木化学(株)製PAC250A、固形分23.5%)
水 840ml
粘度は25℃で、B型粘度計で測定した結果、0.9mPaであった。尚、表面張力は40mN/mになるように界面活性剤で調整した。
(評価)
作製した各試料No.101〜108に付き、以下に示す方法で塗布液付き量安定性に付き測定し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表1に示す。
塗布液付き量安定性の測定方法
各試料をカーテンスプレー塗布終了端から、100mを取り出し、幅方向に10cm×10cmの測定用試料を5枚等間隔で、長さ方向に5m間隔で10cm×10cmの測定用試料を100枚取り、各試料中のアルミの付き量を吸光度法により測定し、次式により計算した。
(最大値−最小値)/平均値×100
評価ランク
○:アルミの付き量の変動が10%未満
△:アルミの付き量の変動が10〜20%未満
×:アルミの付き量の変動が20%以上
Figure 2006159104
塗布幅を0.2〜10cmの範囲にすることで安定した塗布液付き量が得られることを確認した。尚、試料No.101の場合、スジが生じ、塗布液付き量安定性が乱れる結果となった。試料No.108の場合、未塗布部分が生じ、塗布液付き量安定性が乱れる結果となった。本発明の有効性が確認された。
実施例2
図1に示す塗布製造ラインを使用して記録用紙の作製を行った。
(多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体の作製)
実施例1で調製した分散液を使用し、実施例1と同じ方法で多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体を作製した。
〔カーテンスプレーコータの準備〕
気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ1を表2に示す様に変えた図4に示すカーテンスプレーコータを準備し、No.2−a〜2−dとした。カーテンスプレーコータとしては、塗布幅1550mm、塗布液用ノズルの間隙の幅60μm、空気用ノズルの間隙の幅200μmとした。
Figure 2006159104
〔カーテンスプレー塗布〕
準備したカーテンスプレーコータNo.2−a〜2−dを使用し、基体の進行方向に対して交差する角度が90°になるように配設し、実施例1で準備したカーテンスプレー用塗布液を使用し、図5に示すように、多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の塗布液ノズルの開口端からの噴霧角度θ2を表3に示す様に変えた他は全て実施例1と同じ条件で塗布を行い試料を作製しNo.201〜213とした。尚、各カーテンスプレーコータNo.2−a〜2−dでの噴霧角度の変化は、各カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの塗布液流量は一定にし、気体ノズルの気体流量を変えることで行った。又、各カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層の表面との距離を調整し、塗布幅は全て2cmとした。
(評価)
作製した各試料No.201〜213に付き、塗布液付き量安定性を実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表3に示す。
Figure 2006159104
気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度をθ1とし、塗布液ノズルの開口端からのカーテンスプレー塗布用の塗布液の噴霧角度をθ2とした時、θ1とθ2との間の関係をθ2<2/3(2×θ1)を保つことで、基体の搬送方向の塗布幅が0.2〜10cmの範囲にする塗布条件の設定が容易になり、安定した塗布液付き量が得られることが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例3
図1に示す塗布製造ラインを使用して記録用紙の作製を行った。
(多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体の作製)
実施例1で調製した分散液を使用し、実施例1と同じ方法で多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体を作製した。
〔カーテンスプレーコータの準備〕
図4に示すカーテンスプレーコータを準備した。カーテンスプレーコータとしては、塗布幅1550mm、塗布液用ノズルの間隙の幅60μm、空気用ノズルの間隙の幅200μmとした。気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度を30°とした。
〔カーテンスプレー塗布〕
準備したカーテンスプレーコータを使用し、基体の進行方向に対して交差する角度が90°になるように配設し、実施例1で準備したカーテンスプレー塗布用の塗布液を使用し、表4に示す様に気体ノズルの気体流量と、塗布液ノズルの塗布液流量との比を変えた他は全て実施例1と同じ条件で塗布を行い試料を作製しNo.301〜307とした。尚、表4に示す示す塗布幅になるように、気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度、多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の塗布液ノズルの開口端からの噴霧角度、塗布液ノズルの開口端とインク受容層の表面との距離を調整した。
(評価)
作製した各試料No.301〜307に付き、塗布液付き量安定性を実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表4に示す。
Figure 2006159104
気体ノズルの気体流量と、塗布液ノズルの塗布液流量との比を500〜10,000にすることで、塗布液付き量が安定しすることが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例4
図1に示す塗布製造ラインを使用して記録用紙の作製を行った。
(多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体の作製)
実施例1で調製した分散液を使用し、実施例1と同じ方法で多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体を作製した。
〔カーテンスプレーコータの準備〕
図4に示すカーテンスプレーコータを準備した。カーテンスプレーコータとしては、塗布幅1550mm、塗布液用ノズルの間隙の幅60μm、空気用ノズルの間隙の幅200μmとした。気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度を30°とした。
〔カーテンスプレー塗布〕
準備したカーテンスプレーコータを使用し、基体の進行方向に対して交差する角度が90°になるように配設し、実施例1で準備したカーテンスプレー塗布用の塗布液を使用し、表5に示す様に塗布液ノズルの開口端とインク受容層の表面との距離を変えた他は全て実施例1と同じ条件で塗布を行い試料を作製しNo.401〜407とした。尚、気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ1を30°とし、多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の塗布液ノズルの開口端からの噴霧角度θ2を40°とした。
(評価)
作製した各試料No.401〜407に付き、塗布液付き量安定性を実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表5に示す。
Figure 2006159104
塗布液ノズルの開口端とインク受容層の表面との距離を0.5〜10cmすることで、塗布液付き量が安定しすることが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例5
図2に示す塗布製造ラインを使用して記録用紙の作製を行った。
〈多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体の作製〉
実施例1で調製した分散液を使用し、実施例1と同じ方法で多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体を作製した。
〔カーテンスプレーコータの準備〕
図4に示すカーテンスプレーコータを2台準備した。カーテンスプレーコータとしては、塗布幅1550mm、塗布液用ノズルの間隙の幅60μm、空気用ノズルの間隙の幅200μmとした。
〔カーテンスプレー塗布〕
図2に示す第1乾燥部で乾燥し、インク受容層の減率乾燥が終了した時点で、準備したカーテンスプレーコータ2台を使用し、図3に示す様にカーテンスプレーコータのスプレー口を形成するラインが基体と平行で、且つ基体の進行方向に対して交差する角度が90°になるように各カーテンスプレーコータを配設した。第1乾燥部側に近い上流側カーテンスプレーコータを第1カーテンスプレーコータとし、第2乾燥部側に近い下流側カーテンスプレーコータを第2カーテンスプレーコータとした。図6に示すように、第1カーテンスプレーコータのインク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1とし、第2カーテンスプレーコータのインク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L2とし、塗布幅L1と塗布幅L2とを表6に示す様に変化し、カーテンスプレー塗布用の塗布液を、湿潤膜厚として14μmになるように第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータでスプレー塗布し、第2乾燥部で乾燥し、表面層を有する記録材料を作製し試料No.501〜511とした。塗布幅の変化は第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3とし、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とし、θ3≧θ4の関係を保ちながらθ3、θ4及び第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータとの気体ノズルの気体流量を適宜変化して行った。
第1カーテンスプレーコータに使用したカーテンスプレー塗布用の塗布液は、実施例1で調製したカーテンスプレー塗布用の塗布液を使用し、第2カーテンスプレーコータに使用したカーテンスプレー用塗布液は、第1カーテンスプレーコータに使用したカーテンスプレー塗布用の塗布液と同じ物を使用した。
尚、他の塗布条件として、第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T1を5cmとし、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T2を4cmとした。
尚、第2乾燥部での全乾燥工程は100秒とし、相対湿度が40〜60%の風を吹き付けた。塗布液は、塗布液用ノズルの間隙の幅60μmに対して1/20の口径のフィルターを使用して濾過したものを使用した。空気は、空気用ノズルの間隙の幅200μmに対して1/50の口径のフィルターを使用して濾過したものを使用した。塗布速度は200m/secで行った。又、第1カーテンスプレーコータで膜厚が6μm、第2カーテンスプレーコータで膜厚が8μmになるように塗布液流量を調整した。
(評価)
作製した各試料No.501〜511に付き、塗布液付き量安定性を実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表6に示す。
Figure 2006159104
第1カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布される塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の前記基体の搬送方向の塗布幅L2を0.2〜10cmとし、且つ、塗布幅L1と塗布幅L2との間の関係を、塗布幅L1≧塗布幅L2に保つことで安定した塗布液付き量が得られることを確認し、本発明の有効性が確認された。
実施例6
図2に示す塗布製造ラインを使用して記録用紙の作製を行った。
〈多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体の作製〉
実施例1で調製した分散液を使用し、実施例1と同じ方法で多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体を作製した。
〔カーテンスプレーコータの準備〕
実施例6で準備した第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータの2台を使用した。
〔カーテンスプレー塗布〕
第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータに、実施例6で使用したカーテンスプレー塗布用の塗布液を使用し、図6に示すように、第1カーテンスプレーコータのインク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の幅を塗布幅L1とし、第2カーテンスプレーコータのインク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の幅を塗布幅L2とし、塗布幅L1と塗布幅L2との比を表7に示す様に変化し、カーテンスプレー塗布用の塗布液を、湿潤膜厚として14μmになるように第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータでスプレー塗布し、第2乾燥部で乾燥し、表面層を有する記録材料を作製し試料No.601〜608とした。塗布幅の変化は第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3とし、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とし、角度θ3>角度θ4の関係を保ちながら、第1カーテンスプレーコータ及び第2カーテンスプレーコータの気体ノズルと塗布液ノズルとのなす角度を適宜変化して行った。その他の条件は実施例5と同じ条件で塗布を行った。
(評価)
作製した各試料No.601〜608に付き、塗布液付き量安定性を実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表7に示す。
Figure 2006159104
第1カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布される塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布される塗布液の前記基体の搬送方向の塗布幅L2を0.2〜10cm、塗布幅L1と塗布幅L2との間の関係を、塗布幅L1≧塗布幅L2に保ち、塗布幅L1と塗布幅L2との比(L1/L2)を1〜10にすることで、更に塗布液付き量が安定しすることが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例7
図2に示す塗布製造ラインを使用して記録用紙の作製を行った。
〈多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体の作製〉
実施例1で調製した分散液を使用し、実施例1と同じ方法で多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体を作製した。
〔カーテンスプレーコータの準備〕
実施例6で準備した第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータの2台を使用した。
〔カーテンスプレー塗布〕
第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータに、実施例6で使用したカーテンスプレー塗布用の塗布液を使用し、図6に示すように第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離をT1とし、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離をT2とし、表8に示す様に距離T1と、距離T2との比を変化し、カーテンスプレー塗布用の塗布液を、湿潤膜厚として14μmになるように第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータでカーテンスプレー塗布し、第2乾燥部で乾燥し、表面層を有する記録材料を作製し試料No.701〜712とした。
第1カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1を3cmとし、第2カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L2を2cmとなる様に気体流量、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とが、角度θ3>角度θ4の関係を保ちながら、第1カーテンスプレーコータ及び第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度を調整した。その他の塗布条件は実施例5と同じにして行った。
(評価)
作製した各試料No.701〜712に付き、塗布液付き量安定性を実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表8に示す。
Figure 2006159104
第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T1を0.5〜10cmとし、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T2を0.5〜10cmとし、距離T1≧距離T2の関係を保ち、距離T1と距離T2との比を1.0〜5.0にすることで、更に塗布液付き量が安定しすることが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例8
図2に示す塗布製造ラインを使用して記録用紙の作製を行った。
〈多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体の作製〉
実施例1で調製した分散液を使用し、実施例1と同じ方法で多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体を作製した。
〔カーテンスプレーコータの準備〕
実施例6で準備した第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度をθ3とし、表9に示す様に角度θ3を変えた第1カーテンスプレーコータを準備しNo.A〜Fとした。又、実施例6で準備した第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度をθ4とし、表10に示す様に角度θ4を変えた第2カーテンスプレーコータを準備しNo.a〜fとした。各カーテンスプレーコータとしては、塗布幅1550mm、塗布液用ノズルの間隙の幅60μm、空気用ノズルの間隙の幅200μmとした。
Figure 2006159104
Figure 2006159104
〔カーテンスプレー塗布〕
実施例6で使用したカーテンスプレー塗布用の塗布液を使用し、準備した第1カーテンスプレーコータNo.A〜Fと、第2カーテンスプレーコータNo.a〜fを図6に示すように配設し、表8に示す様に組み合わせ、カーテンスプレー塗布用の塗布液を、湿潤膜厚として14μmになるように第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータでスプレー塗布し、第2乾燥部で乾燥し、表面層を有する記録材料を作製し試料No.801〜809とした。
第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T1を2cmとし、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T2を1.5cmとした。
第1カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1を3cmとし、第2カーテンスプレーコータのインク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L2を2cmとなる様に第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータの気体流量を調整した。その他の塗布条件は実施例5と同じにして行った。
(評価)
作製した各試料No.801〜809に付き、塗布液付き量安定性を実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表11に示す。
Figure 2006159104
第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とを10〜45°とし、角度θ3と角度θ4との関係を角度θ3≧角度θ4に保ち使用することで、更に塗布液付き量が安定しすることが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例9
図2に示す塗布製造ラインを使用して記録用紙の作製を行った。
〈多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体の作製〉
実施例1で調製した分散液を使用し、実施例1と同じ方法で多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体を作製した。
〔カーテンスプレーコータの準備〕
実施例6で準備した第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータの2台を使用した。
〔カーテンスプレー塗布〕
第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータに、実施例6で使用したカーテンスプレー塗布用の塗布液を使用し、図6に示すように第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータとを配設し、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量と、塗布液ノズルの塗布液流量との比P1、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量と、塗布液ノズルの塗布液流量との比P2及びP1とP2の比を表12に示す様に変えて、カーテンスプレー塗布用の塗布液を、湿潤膜厚として14μmになるように第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータでスプレー塗布し、第2乾燥部で乾燥し、表面層を有する記録材料を作製し試料No.901〜909とした。
第1カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1を2cmとし、第2カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L2を1cmになる様に、第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T1、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T2、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4を調整した。その他の塗布条件は実施例5と同じにして行った。
(評価)
作製した各試料No.901〜909に付き、塗布液付き量安定性を実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表12に示す。
Figure 2006159104
第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量と、塗布液ノズルの塗布液流量との比P1と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量と、塗布液ノズルの塗布液流量との比P2とを500〜10,000とし、且つ比P1と、比P2との比を1:1〜1:5にすることで、更に塗布液付き量が安定しすることが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例10
図2に示す塗布製造ラインを使用して記録用紙の作製を行った。
〈多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体の作製〉
実施例1で調製した分散液を使用し、実施例1と同じ方法で多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体を作製した。
〔カーテンスプレーコータの準備〕
実施例6で準備した第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータの2台を使用した。
〔カーテンスプレー塗布〕
第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータに、実施例6で使用したカーテンスプレー塗布用の塗布液を使用し、図6に示すように、第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータとを配設し、第1カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布される塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L2と比及び第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離をT1とし、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離をT2とし、距離T1と距離T2とを表13に示す様に変化し、カーテンスプレー塗布用の塗布液を、湿潤膜厚として10μmになるように第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータでスプレー塗布し、第2乾燥部で乾燥し、表面層を有する記録材料を作製し試料No.1001〜1014とした。尚、塗布幅は第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4、第1カーテンスプレーコータ及び第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量気体流量で調整した。
(評価)
作製した各試料No.1001〜1014に付き、塗布液付き量安定性に付き実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表13に示す。
Figure 2006159104
第1カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布される塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L2を0.2〜10cmとし、塗布幅L1と塗布幅L2との間の関係を、塗布幅L1≧塗布幅L2とし、塗布幅L1と塗布幅L2との比(L1/L2)を1〜10とし、第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T1と、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T2とを0.5〜10cmとし更に、距離T1と距離T2との関係を距離T1≧距離T2とすることで更に塗布液付き量が安定しすることが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例11
図2に示す塗布製造ラインを使用して記録用紙の作製を行った。
〈多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体の作製〉
実施例1で調製した分散液を使用し、実施例1と同じ方法で多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体を作製した。
〔カーテンスプレーコータの準備〕
実施例6で準備した第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータの2台を使用した。
〔カーテンスプレー塗布〕
第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータに、実施例6で使用したカーテンスプレー塗布用の塗布液を使用し、図6に示すように、第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータとを配設し、第1カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布される塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L2と及び第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4を表14に示す様に変化し、カーテンスプレー塗布用の塗布液を、湿潤膜厚として10μmになるように第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータでカーテンスプレー塗布し、第2乾燥部で乾燥し、表面層を有する記録材料を作製し試料No.1101〜1114とした。尚、第1カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー用塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L2は、第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T1と、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T2、第1カーテンスプレーコータ及び第2カーテンスプレーコータの気体流量で調整した。その他の塗布条件は実施例5と同じにして行った。
(評価)
作製した各試料No.1101〜1114に付き、塗布液付き量安定性を実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表14に示す。
Figure 2006159104
第1カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレーコータ用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータのインク受容層上に塗布されるカーテンスプレーコータ用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L2を0.2〜10cmとし、塗布幅L1と塗布幅L2との間の関係を、塗布幅L1≧塗布幅L2とし、塗布幅L1と塗布幅L2との比(L1/L2)を1〜10とし、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とを10〜45°とし、且つ、角度θ3と角度θ4との間の関係を角度θ3≧角度θ4とすることで更に塗布液付き量が安定しすることが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例12
図2に示す塗布製造ラインを使用して記録用紙の作製を行った。
〈多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体の作製〉
実施例1で調製した分散液を使用し、実施例1と同じ方法で多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体を作製した。
〔カーテンスプレーコータの準備〕
実施例6で準備した第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータの2台を使用した。
〔カーテンスプレー塗布〕
第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータに、実施例6で使用したカーテンスプレー塗布用の塗布液を使用し、図6に示すように、第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータとを配設し、第1カーテンスプレーコータのインク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L2と、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A1と、塗布液ノズルの塗布液流量B1との比(A1/B1)P1、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A2と、塗布液ノズルの塗布液流量B2との比(A2/B2)P2及びP1とP2の比を表15に示す様に変えて、カーテンスプレー塗布用の塗布液を、湿潤膜厚として10μmになるように第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータでスプレー塗布し、第2乾燥部で乾燥し、表面層を有する記録材料を作製し試料No.1201〜1207とした。
第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とを10〜45°とし、且つ、角度θ3と角度θ4との間の関係を角度θ3≧角度θ4とし、第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離をT1、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離をT2とし、T1とT2の関係をT1≧T2となるように維持し、T1、T2を0.5〜10cmの範囲で調整し、第1カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L2を変化させた。第1カーテンスプレーコータの塗布膜厚は4μm、第2カーテンスプレーコータの塗布膜厚は6μmになるようにカーテンスプレー塗布用の塗布液の流量も調整した。その他の塗布条件は実施例5と同じにして行った。
(評価)
作製した各試料No.1201〜1207に付き、塗布液付き量を実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表15に示す。
Figure 2006159104
第1カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布される塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L2を0.2〜10cmとし、塗布幅L1と塗布幅L2との間の関係を、塗布幅L1≧塗布幅L2とし、塗布幅L1と塗布幅L2との比を1〜10とし、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量と、塗布液ノズルの塗布液流量との比P1、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量と、塗布液ノズルの塗布液流量との比P2を500〜10,000とし、且つ、P1とP2の比を1:1.1〜1:5とすることで更に塗布液付き量が安定しすることが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例13
図2に示す塗布製造ラインを使用して記録用紙の作製を行った。
〈多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体の作製〉
実施例1で調製した分散液を使用し、実施例1と同じ方法で多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体を作製した。
〔カーテンスプレーコータの準備〕
実施例6で準備した第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータの2台を使用した。
〔表面層の塗布〕
第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータに、実施例6で使用したカーテンスプレー用塗布液を使用し、図6に示すように、第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータとを配設し、第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T1と、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T2及び第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とを表16に示す様に変えて、カーテンスプレー塗布用の塗布液を、湿潤膜厚として14μmになるように第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータでスプレー塗布し、第2乾燥部で乾燥し、表面層を有する記録材料を作製し試料No.1301〜1314とした。尚、第1カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布される塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布される塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L2を2〜5cmの範囲とし、塗布幅L1と塗布幅L2との関係をL1≧L2となるように維持し、第1カーテンスプレーコータ及び第2カーテンスプレーコータの気体流量で調整した。その他の塗布条件は実施例6と同じにして行った。
(評価)
作製した各試料No.1301〜1314に付き、塗布液付き量を実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表16に示す。
Figure 2006159104
第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T1と、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T2を0.5〜10cmとし、距離T1と距離T2との間の関係を距離T1≧距離T2とし、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とを10〜45°とし、角度θ3と角度θ4との関係を角度θ3≧角度θ4とすることで更に塗布液付き量が安定しすることが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例14
図2に示す塗布製造ラインを使用して記録用紙の作製を行った。
〈多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体の作製〉
実施例1で調製した分散液を使用し、実施例1と同じ方法で多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体を作製した。
〔カーテンスプレーコータの準備〕
実施例6で準備した第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータの2台を使用した。
〔カーテンスプレー塗布〕
第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータに、実施例6で使用したカーテンスプレー塗布用の塗布液を使用し、図6に示すように、第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータとを配設し、第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T1と、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T2及び第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A1と、塗布液ノズルの塗布液流量B1との比(A1/B1)P1、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A2と、塗布液ノズルの塗布液流量B2との比(A2/B2)P2及びP1とP2の比を表17に示す様に変えて、カーテンスプレー塗布用の塗布液を、湿潤膜厚として14μmになるように第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータでスプレー塗布し、第2乾燥部で乾燥し、表面層を有する記録材料を作製し試料No.1401〜1407とした。尚、第1カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L2を2〜5cmの範囲とし、L1とL2との関係を、L1≧L2を満たす様に第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とを調整した。
(評価)
作製した各試料No.1401〜1407に付き、塗布液付き量を実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表17に示す。
Figure 2006159104
第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T1と、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T2を0.5〜10cmとし、距離T1と距離T2との間の関係をT1≧T2とし、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A1と、塗布液ノズルの塗布液流量B1との比(A1/B1)P1、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A2と、塗布液ノズルの塗布液流量B2との比(A2/B2)P2を500〜10,000とし、且つ、P1とP2の比を1:1〜1:5とすることで更に塗布液付き量が安定しすることが確認され、本発明の有効性が確認された。
実施例15
図2に示す塗布製造ラインを使用して記録用紙の作製を行った。
〈多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体の作製〉
実施例1で調製した分散液を使用し、実施例1と同じ方法で多孔質インク受容層塗布済み帯状の基体を作製した。
〔カーテンスプレーコータの準備〕
実施例6で準備した第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータの2台を使用した。
〔表面層の塗布〕
第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータに、実施例6で使用したカーテンスプレー塗布用の塗布液を使用し、図6に示すように、第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータとを配設し、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4と、及び第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A1と、塗布液ノズルの塗布液流量B1との比(A1/B1)P1、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A2と、塗布液ノズルの塗布液流量B2との比(A2/B2)P2及びP1とP2の比を表18に示す様に変えて、カーテンスプレー用塗布液を、湿潤膜厚として14μmになるように第1カーテンスプレーコータ、第2カーテンスプレーコータでスプレー塗布し、第2乾燥部で乾燥し、表面層を有する記録材料を作製し試料No.1501〜1507とした。尚、第1カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L1と、第2カーテンスプレーコータの多孔質インク受容層上に塗布されるカーテンスプレー塗布用の塗布液の基体の搬送方向の塗布幅L2を2〜5cmの範囲とし、塗布幅L1と塗布幅L2との関係を、L1≧L2を満たす様に、第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T1と、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端と多孔質インク受容層との距離T2を調整した。その他の塗布条件は実施例5と同じにして行った。
(評価)
作製した各試料No.1501〜1507に付き、塗布液付き量を実施例1と同じ方法で測定し、実施例1と同じ評価ランクに従って評価した結果を表18に示す。
Figure 2006159104
第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とを10〜45°とし、且つ、角度θ3≧角度θ4とし、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A1と、塗布液ノズルの塗布液流量B1との比(A1/B1)P1、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A2と、塗布液ノズルの塗布液流量B2との比(A2/B2)P2を500〜10,000とし、且つ、P1とP2の比を1:1.1〜1:5とすることで更に塗布液付き量が安定しすることが確認され、本発明の有効性が確認された。
1台のカーテンスプレーコータを使用し、インク受容層上に表面層を形成した記録媒体の塗布製造ラインの一例を示す模式図である。 少なくとも2台のカーテンスプレーコータを使用し、インク受容層上に表面層を形成した記録媒体の塗布製造ラインの一例を示す模式図である。 カーテンスプレーコータとインク受容層を有する基体との配置関係を示す図1のXで示される部分の拡大概略平面図である。 図1のXで示される部分の拡大概略図である。 図4のSで示される部分の拡大概略図である。 図2のYで示される部分の拡大概略図である。 図1〜図6に示すカーテンスプレーコータの概略分解斜視図である。
符号の説明
1a、1b 塗布製造ライン
201 基体
203 インク受容層
3 第1塗工部
6a 第2塗工部
601 カーテンスプレーコータ
6b1 第1カーテンスプレーコータ
6b2 第2カーテンスプレーコータ
6b3 バックアップロール
601a2、6b1f 塗布液ノズル
601c2、601b2、6b1e 気体ノズル
601b3、601c3、6b1e1、6b1g1、6b2e1、6b2g1 気体ノズルの開口端(気体噴出口)
601a4、6b1f1、6b2f1 塗布液ノズルの開口端(塗布液噴出口)
802 記録用紙
9a 塗布液供給系
9b 加圧空気供給系
9 供給系
θ1、θ3、θ4 角度
θ2 噴霧角度
P、P1、P2 スプレー口
L1、L2 塗布幅
T1、T2 距離

Claims (20)

  1. インク受容層が塗設された基体を搬送し、該基体の搬送方向と交差する方向の塗布幅にわたって、塗布液を供給する塗布液ノズルと、該塗布液ノズルの開口端に近接して気体を噴出する気体ノズルとを有するカーテンスプレーコータを使用し、該気体を該気体ノズルの開口端から噴出させ、該塗布液に衝突させて液滴を形成して噴霧を行うことにより、該基体上に塗布液層を形成しインクジェット記録用紙を作製するカーテンスプレー塗布方法において、
    該インク受容層上に塗布される該塗布液の前記基体の搬送方向における塗布幅が0.2〜10cmであることを特徴とするカーテンスプレー塗布方法。
  2. 前記気体ノズルと塗布液ノズルとのなす角度θ1が10〜60°で、該塗布液ノズルの開口端からの塗布液の噴霧角度θ2が10〜80°であり、且つθ1とθ2との間の関係が、下式(1)で規定する条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載のカーテンスプレー塗布方法。
    式(1) θ2<2/3(2×θ1)
  3. 前記気体ノズルの気体流量Aと、前記塗布液ノズルの塗布液流量Bとの比(A/B)が500〜10,000であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーテンスプレー塗布方法。
  4. 前記塗布液ノズルの開口端とインク受容層表面との距離が0.5〜10cmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のカーテンスプレー塗布方法。
  5. 前記カーテンスプレーコータが少なくとも2台配設され、各該カーテンスプレーコータより異なる塗布液を供給することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のカーテンスプレー塗布方法。
  6. インク受容層が塗設された基体を搬送し、該基体の搬送方向と交差する方向の塗布幅にわたって、塗布液を供給する塗布液ノズルと、該塗布液ノズルの開口端に近接して気体を噴出する気体ノズルとを有するカーテンスプレーコータを使用し、該気体を該気体ノズルの開口端から噴出させ、該塗布液に衝突させて液滴を形成して噴霧を行うことにより、該基体上に塗布液層を形成しインクジェット記録用紙を作製するカーテンスプレー塗布方法において、
    前記基体の搬送方向と交差する方向に、上流側に配設した第1カーテンスプレーコータと下流側に配設した第2カーテンスプレーコータとから構成される少なくとも1組のカーテンスプレーコータ群を配設し、
    該第1カーテンスプレーコータの該インク受容層上に塗布される該塗布液の前記基体の搬送方向の塗布幅L1と、該第2カーテンスプレーコータの該インク受容層上に塗布される該塗布液の前記基体の搬送方向の塗布幅L2とが、何れも0.2〜10cmであり、
    且つ、該塗布幅L1と該塗布幅L2との関係が、L1≧L2であることを特徴とするカーテンスプレー塗布方法。
  7. インク受容層が塗設された基体を搬送し、該基体の搬送方向と交差する方向の塗布幅にわたって、塗布液を供給する塗布液ノズルと、該塗布液ノズルの開口端に近接して気体を噴出する気体ノズルとを有するカーテンスプレーコータを使用し、該気体を該気体ノズルの開口端から噴出させ、前記塗布液に衝突させて液滴を形成して噴霧を行うことにより、該基体上に塗布液層を形成しインクジェット記録用紙を作製するカーテンスプレー塗布方法において、
    前記基体の搬送方向と交差する方向に、少なくとも第1カーテンスプレーコータと第2カーテンスプレーコータとから構成される少なくとも1組の該カーテンスプレーコータ群を配設し、
    該第1カーテンスプレーコータの該インク受容層上に塗布される該塗布液の前記基体の搬送方向の塗布幅L1と、該第2カーテンスプレーコータの該インク受容層上に塗布される該塗布液の前記基体の搬送方向の塗布幅L2とが、何れも0.2〜10cmであり、
    、且つ、該塗布幅L1と該塗布幅L2との間の関係が、L1≧L2であることを特徴とするカーテンスプレー塗布方法。
  8. 前記塗布幅L1と該塗布幅L2との比(L1/L2)が1〜10であることを特徴とする請求項6又は7に記載のカーテンスプレー塗布方法。
  9. 前記第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T1と、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T2とが、何れも0.5〜10cmであり、
    且つ、該距離T1と距離T2との間の関係が、T1≧T2であることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載のカーテンスプレー塗布方法。
  10. 前記距離T1と距離T2との比(T1/T2)が1.0〜5.0であることを特徴とする請求項9に記載のカーテンスプレー塗布方法。
  11. 前記第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とが、何れも10〜45°であり、
    且つ、該角度θ3と、該角度θ4との間の関係が、θ3≧θ4であることを特徴とする請求項6〜10の何れか1項に記載のカーテンスプレー塗布方法。
  12. 前記第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A1と、塗布液ノズルの塗布液流量B1との比(A1/B1)P1と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A2と、塗布液ノズルの塗布液流量B2との比(A2/B2)P2とが、何れも500〜10,000であり、
    且つ、該比P1と、該比P2との比が1:1〜1:5であることを特徴とする請求項6〜11の何れか1項に記載のカーテンスプレー塗布方法。
  13. 前記塗布幅L1と該塗布幅L2との比(L1/L2)が1〜10で、第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T1と、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T2とが、何れも0.5〜10cmであり、
    且つ、該距離T1と距離T2との間の関係が、T1≧T2であることを特徴とする請求項6に記載のカーテンスプレー塗布方法。
  14. 前記塗布幅L1と該塗布幅L2との比(L1/L2)が1〜10で、第1のカーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第2のカーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とが、何れも10〜45°であり、
    且つ、該角度θ3と、該角度θ4との間の関係が、θ3≧θ4であることを特徴とする請求項6に記載のカーテンスプレー塗布方法。
  15. 前記塗布幅L1と該塗布幅L2との比(L1/L2)が1〜10で、第1のカーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A1と、塗布液ノズルの塗布液流量B1との比(A1/B1)P1と、第2のカーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A2と、塗布液ノズルの塗布液流量B2との比(A2/B2)P2とが、何れも500〜10,000であり、
    且つ、該比P1と、該比P2との比が1:1〜1:5であることを特徴とする請求項6に記載のカーテンスプレー塗布方法。
  16. 前記第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T1と、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T2とが、何れも0.5〜10cmであり、
    且つ、該距離T1と距離T2との間の関係が、T1≧T2であり、
    第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とが、何れも10〜45°であり、
    且つ、該角度θ3と、該角度θ4との間の関係が、θ3≧θ4であることを特徴とする請求項6に記載のカーテンスプレー塗布方法。
  17. 前記第1カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T1と、第2カーテンスプレーコータの塗布液ノズルの開口端とインク受容層との距離T2とが、何れも0.5〜10cmであり、
    且つ、該距離T1と距離T2との間の関係が、T1≧T2であり、
    第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A1と、塗布液ノズルの塗布液流量B1との比(A1/B1)P1と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A2と、塗布液ノズルの塗布液流量B2との比(A2/B2)P2とが、何れも500〜10,000であり、
    且つ、該比P1と、該比P2との比が1:1〜1:5であることを特徴とする請求項6に記載のカーテンスプレー塗布方法。
  18. 前記第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ3と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの塗布液ノズルとのなす角度θ4とが、何れも10〜45°であり、
    且つ、該角度θ3と、該角度θ4との間の関係が、θ3≧θ4であり、
    第1カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A1と、塗布液ノズルの塗布液流量B1との比(A1/B1)P1と、第2カーテンスプレーコータの気体ノズルの気体流量A2と、塗布液ノズルの塗布液流量B2との比(A2/B2)P2とがそれぞれ500〜10,000であり、
    且つ、該比P1と、該比P2との比が1:1〜1:5であることを特徴とする請求項6に記載のカーテンスプレー塗布方法。
  19. 前記1組のカーテンスプレーコータ群は、同一塗布液層を形成する塗布液を使用することを特徴とする請求項6〜18の何れか1項に記載のカーテンスプレー塗布方法。
  20. 請求項1〜19の何れか1項に記載のカーテンスプレー塗布方法により作製されたことを特徴とするインクジェット記録用紙。
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