JP2006175336A - 湿式ガス浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンパクトな構成で且つ塵埃や有害ガスの吸着効率を大きく高め、浄化性能や使用性の向上を図った湿式ガス浄化装置を提供する。
【解決手段】流体を取入れて円形流路に沿って流すヘッド部と、ヘッド部の下側に設けられ円形流路に連通する渦巻筒部とからなるサイクロン発生器を複数個並列に連結し、被処理ガスと浄化液を流して被処理ガスを浄化液に溶かし、浄化液をその下方の浄化液槽23に溜めるとともに被処理ガスを外部に放出する湿式ガス浄化装置13において、浄化液槽を構成する仕切り壁22の外側にミスト捕集室44を形成し、浄化液槽の浄化液24の上面に浮遊するミスト31が仕切り壁方向に向うように被処理ガスを浄化液槽上面に流し、仕切り壁を乗越えてミスト捕集室に入ったミストを捕集して処分可能とし、このミスト捕集室内にミストとともに流入してミスト捕集室内に溜まった浄化液を浄化液槽に戻すポンプ45を備えた。
【選択図】図10
【解決手段】流体を取入れて円形流路に沿って流すヘッド部と、ヘッド部の下側に設けられ円形流路に連通する渦巻筒部とからなるサイクロン発生器を複数個並列に連結し、被処理ガスと浄化液を流して被処理ガスを浄化液に溶かし、浄化液をその下方の浄化液槽23に溜めるとともに被処理ガスを外部に放出する湿式ガス浄化装置13において、浄化液槽を構成する仕切り壁22の外側にミスト捕集室44を形成し、浄化液槽の浄化液24の上面に浮遊するミスト31が仕切り壁方向に向うように被処理ガスを浄化液槽上面に流し、仕切り壁を乗越えてミスト捕集室に入ったミストを捕集して処分可能とし、このミスト捕集室内にミストとともに流入してミスト捕集室内に溜まった浄化液を浄化液槽に戻すポンプ45を備えた。
【選択図】図10
Description
本発明は、塗装作業等を行う室内空間の塗料ミストその他の有害物質を除去するための湿式ガス浄化装置に関する。
サイクロン集塵方式に水を付加して集塵効率の向上を図ったサイクロン式湿式掃除機が特許文献1に記載されている。この特許文献1の湿式掃除機は、掃除機本体内のサイクロン集塵室に塵埃を含む空気とともに霧化された水を螺旋状に供給して塵埃を水に吸着させるものである。
しかしながら、特許文献1の湿式掃除機では、掃除機本体のほぼ全体を1つの集塵室として構成し、その集塵室でサイクロンを発生させて塵埃を含む空気と水とを混合させるため、サイクロンを発生させる集塵室が大きくなって掃除機全体が大型化するとともに、十分大きな集塵効率の向上が図れない。
そこで本発明者は、複数の小型サイクロン発生器を並列に連結することにより、コンパクトな構成で且つ塵埃や有害ガスの吸着効率を大きく高めたガス浄化装置を提案した(特許文献2参照)。この特許文献2は、本出願の先願であり、流体を取入れて円形流路に沿って流すヘッド部と、該ヘッド部の下側に設けられ前記円形流路に連通する渦巻筒部とからなるサイクロン発生器を複数個並列に連結し、各サイクロン発生器を通して被処理ガスと浄化液を流して被処理ガス中の塵埃や塗料ミスト及び有害ガス等を浄化液に吸着させ、サイクロン発生器通過後の浄化液をその下方の浄化液槽に溜めるとともに被処理ガスを外部に放出する湿式ガス浄化装置を記載する。
この特許文献2によれば、コンパクトな構成で且つ塵埃や有害ガスの吸着効率を大きく高めるという課題が解決される。
本発明は、上記本発明者の提案による特許文献2と同様に、コンパクトな構成で且つ塵埃や有害ガスの吸着効率を大きく高めるという共通の課題を解決するとともに、上記特許文献2で提案されたガス浄化装置の構成を共通の主要部としてこれにさらに改良を加えて浄化性能や使用性の向上を図った湿式ガス浄化装置の提供を目的とする。
請求項1の発明は、流体を取入れて円形流路に沿って流すヘッド部と、該ヘッド部の下側に設けられ前記円形流路に連通する渦巻筒部とからなるサイクロン発生器を複数個並列に連結し、各サイクロン発生器を通して被処理ガスと浄化液を流して被処理ガス中の異物や有害物質等を浄化液に吸着させ、サイクロン発生器通過後の浄化液をその下方の浄化液槽に溜めるとともに被処理ガスを外部に放出する湿式ガス浄化装置において、前記サイクロン発生器通過後の浄化液及び被処理ガスの混合流体の流路に混合促進用の充填材を設けたことを特徴とする湿式ガス浄化装置を提供する。
請求項2の発明は、流体を取入れて円形流路に沿って流すヘッド部と、該ヘッド部の下側に設けられ前記円形流路に連通する渦巻筒部とからなるサイクロン発生器を複数個並列に連結し、各サイクロン発生器を通して被処理ガスと浄化液を流して被処理ガス中の異物や有害物質等を浄化液に吸着させ、サイクロン発生器通過後の浄化液をその下方の浄化液槽に溜めるとともに被処理ガスを外部に放出する湿式ガス浄化装置であって、前記浄化液槽と前記サイクロン発生器上方の散布器とをつなぐ浄化液配管を有し、該浄化液配管の途中に浄化液供給ポンプを備えた湿式ガス浄化装置において、前記浄化液配管の途中に切換え弁を介して洗浄水配管を接続し、前記浄化液槽の上面に開閉可能な又は着脱可能なカバーパネルを設け、該浄化装置の不使用時に、該カバーパネルで浄化液槽の上面を覆うとともに、前記切換え弁を切換えて前記洗浄水配管を通して洗浄水を前記サイクロン発生器に散布可能としたことを特徴とする湿式ガス浄化装置を提供する。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記サイクロン発生器の上方側に乾燥ファンを設け、前記洗浄水散布後に、前記乾燥ファンにより浄化装置内の空気をサイクロン発生器の下側から吸引してサイクロン発生器を通し上側から浄化装置外部に放出して浄化装置内部を乾燥させることを特徴とする。
請求項4の発明は、流体を取入れて円形流路に沿って流すヘッド部と、該ヘッド部の下側に設けられ前記円形流路に連通する渦巻筒部とからなるサイクロン発生器を複数個並列に連結し、各サイクロン発生器を通して被処理ガスと浄化液を流して被処理ガス中の異物や有害物質等を浄化液に吸着させ、サイクロン発生器通過後の浄化液をその下方の浄化液槽に溜めるとともに被処理ガスを外部に放出する湿式ガス浄化装置において、前記浄化液槽を構成する仕切り壁の外側にミスト捕集室を形成し、浄化液槽の浄化液の上面に浮遊するミストが前記仕切り壁方向に向うように前記サイクロン発生器通過後の被処理ガスを浄化液槽上面に流し、前記仕切り壁を越えて前記ミスト捕集室に入ったミストを捕集して処分可能とし、このミスト捕集室内にミストとともに流入してミスト捕集室内に溜まった浄化液を浄化液槽に戻すポンプを備えたことを特徴とする湿式ガス浄化装置を提供する。
請求項5の発明は、流体を取入れて円形流路に沿って流すヘッド部と、該ヘッド部の下側に設けられ前記円形流路に連通する渦巻筒部とからなるサイクロン発生器を複数個並列に連結し、各サイクロン発生器を通して被処理ガスと浄化液を流して被処理ガス中の異物や有害物質等を浄化液に吸着させ、サイクロン発生器通過後の浄化液をその下方の浄化液槽に溜めるとともに被処理ガスを外部に放出する湿式ガス浄化装置において、前記サイクロン発生器通過後の被処理ガスを吸湿材層及びこれに続く活性炭層を通過させた後に外部に放出することを特徴とする湿式ガス浄化装置を提供する。
請求項6の発明は、流体を取入れて円形流路に沿って流すヘッド部と、該ヘッド部の下側に設けられ前記円形流路に連通する渦巻筒部とからなるサイクロン発生器を複数個並列に連結し、各サイクロン発生器を通して被処理ガスと浄化液を流して被処理ガス中の異物や有害物質等を浄化液に吸着させ、サイクロン発生器通過後の浄化液をその下方の浄化液槽に溜めるとともに被処理ガスを外部に放出する湿式ガス浄化装置において、前記浄化液槽の浄化液を、微生物を捕集する生物濾材層及び有害物質を吸着する活性炭層からなるフィルタを通して循環させる浄化液清浄化手段を一体的に具備したことを特徴とする湿式ガス浄化装置を提供する。
請求項1の発明によれば、複数のサイクロン発生器を用いることにより、個々のサイクロン発生器の渦巻流の径を小さくして遠心力を大きくし、被処理ガス中の異物や有害物質等、すなわち塵埃やミスト及び有害ガス、特に細かいミストや有害ガスの吸着性を高めることができる。また、例えば各サイクロン発生器の流体取入れ口を上向きにしたり、ヘッド部を段重ね状態にして連結することにより、小型でコンパクトな構成が得られる。さらに、サイクロン発生器から落下する浄化液が複数のサイクロン発生器に分散されるため、浄化液槽の浄化液面に衝突するときの発泡及び水面の乱れや波立ちが少なくなる。この結果、ミストが攪拌されて浄化液中に沈むことなく液面に浮遊するため、浮遊しているミストを容易に分離して除去できる。特にミストを大量に含んだガスを処理する場合に、このガス浄化装置を複数段に連続して配置した構成のガス浄化装置において、最初の段階のガス浄化装置におけるミスト捕集効果が高まる。
さらに請求項1の発明によれば、上記複数のサイクロン発生器を用いた効果に加えて、サイクロン発生器の下側(下流側)に気液接触面積を増して混合作用を高めるための充填材を設けているため、サイクロンの作用で吸着しきれなかったミストや有害ガスを充填材を通過させることにより確実に吸着させて被処理ガスを清浄化できる。この場合、充填材はサイクロン発生器の下側に設けられるため、ガスと液体の両方が供給されるので、浄化液を充填材に供給するための専用の循環系システムを設ける必要がない。また、このような充填材をサイクロン発生器の下側に設けることにより、サイクロン発生器から落下する浄化液が、浄化液槽の浄化液面に衝突するときの発泡及び水面の乱れや波立ちが少なくなる。この結果、ミストが攪拌されて浄化液中に沈むことなく液面に浮遊するため、浮遊しているミストを容易に分離して除去できる。
請求項2の発明によれば、前記請求項1と同様に、複数のサイクロン発生器を用いたことによる効果が得られるとともに、これに加えて、ガス浄化装置の不使用時に切換え弁を切換えて例えば水道水をサイクロン発生器に散布することにより、容易にサイクロン発生器やその下方に配設した充填材などを洗浄できる。この場合、浄化液槽をカバーパネルで覆った状態で洗浄水を散布するため、洗浄後の水は浄化液槽内に流入することなく、カバーパネル上を流れてそのまま又は無害化等の処理をした後、外部に排水される。したがって、浄化液槽内の浄化液は次回のガス浄化装置運転時にそのまま使用できる。このように、ガス浄化装置の不使用時に浄化装置内部を洗浄することにより、サイクロン発生器や充填材あるいは浄化液供給配管内に残留する浄化液に微生物が発生することを防止し、悪臭の発生を防止できる。
請求項3の発明によれば、上記請求項2の効果が得られるとともに、これに加えて、洗浄水により装置内部を洗浄した後、乾燥ファンにより装置内部の空気を吸引して外部に放出し、内部を速やかに乾燥させることができる。この場合、乾燥ファンによる空気の流れが、サイクロン発生器に対し下側から上側に流れるように、すなわち通常のガス浄化処理時とは逆方向に流れるように、ファンをサイクロン発生器の上側に配置しているため、サイクロン発生器の下流側(通常のガス浄化処理時の下流側)に活性炭などのガス吸着剤が配設してあっても、洗浄時にサイクロン発生器を通過した湿った空気が活性炭を通過することはなく、活性炭への水分付着による吸着能力の低下を防止できる。
請求項4の発明によれば、前記請求項1と同様に、複数のサイクロン発生器を用いたことによる効果が得られるとともに、これに加えて、浄化液に吸着させたミストを容易に分離処理できるという効果が得られる。すなわち、浄化液槽の液面に浮遊するミストを被処理ガスの気流により仕切り壁を乗り越えさせて隣のミスト捕集室に押し流し、このミスト捕集室に入ったミストを例えばフィルタで捕集する。このフィルタを取外してミストを処理することができる。ミストとともにミスト捕集室に流入した浄化液は、ポンプにより浄化液槽に戻される。これにより、浄化液槽の液面位置を一定に保つことができる。
請求項5の発明によれば、前記請求項1と同様に、複数のサイクロン発生器を用いたことによる効果が得られるとともに、これに加えて、サイクロン発生器を通過後の被処理ガスが活性炭を通過することにより、サイクロン発生器で浄化液に吸着しきれなかったミストや有害ガスを活性炭で吸着でき外部への放出を防止できる。この場合、活性炭層の前段に吸湿材層があるため、活性炭層に流入する被処理ガスから水分を除去することができ、活性炭の吸着能力の低下を抑えることができる。吸湿材は熱処理又は自然乾燥により繰返し使用が可能である。
請求項6の発明によれば、前記請求項1と同様に、複数のサイクロン発生器を用いたことによる効果が得られるとともに、これに加えて、浄化液槽で発生する微生物を除去して悪臭の発生を抑えることができる。この場合、活性炭のみでも微生物を吸着できるが、生物濾材を併用することにより、さらに確実に微生物を吸着して除去できる。このような生物濾材及び活性炭からなるフィルタ及びこのフィルタを通して浄化液槽の浄化液を循環させるポンプは、このガス浄化装置に一体的に備えておくため、浄化液を抜き出して他の場所に運んで微生物除去処理を施すといった面倒な方法をとることなく、ガス浄化装置の使用中にあるいは不使用時に、常にあるいは定期的に浄化液を循環させて容易に微生物を除去し悪臭発生を防止できる。
図1は、本発明で用いるサイクロン発生器単体の斜視図である。
サイクロン発生器1は、流体を取入れるヘッド部2とその下側に結合された渦巻筒部3とにより構成される。ヘッド部2は、その側面(図では手前側)に設けた取入口4と、この取入口4に続く直進流路5と、この直進流路5に続く円形流路6とにより構成される。直進流路5及び円形流路6の上面はカバープレート(不図示)で覆われる。渦巻筒部3はヘッド部2の円形流路6に連通してその下側に形成される。
サイクロン発生器1は、流体を取入れるヘッド部2とその下側に結合された渦巻筒部3とにより構成される。ヘッド部2は、その側面(図では手前側)に設けた取入口4と、この取入口4に続く直進流路5と、この直進流路5に続く円形流路6とにより構成される。直進流路5及び円形流路6の上面はカバープレート(不図示)で覆われる。渦巻筒部3はヘッド部2の円形流路6に連通してその下側に形成される。
流体は矢印Aのように、ヘッド部2の側面の取入口4から流入し、矢印Bのように渦巻筒部3の下端の出口7から流出する。この場合、ヘッド部2の上面全体がカバープレートで覆われ、側面の取入口4が開口する。側面の取入口4に代えて上面から流体を直進流路5の端部に取入れてもよい。この場合には、側面の取入口4を塞ぐとともに、直進流路5の入口部上面のカバープレートを切欠いて取入口9(図2)を開口させる。
図2は、サイクロン発生器の作用説明図である。
ヘッド部2の側面の流体の取入口4から矢印Aのように(又は上面の取入口9から矢印A’のように)流入した流体は、直進流路5上を流れ、円形流路6で旋回流となり、これに続いて渦巻筒部3で下方に向けて渦巻き状のサイクロン流となって下端の出口7から矢印Bのように流出する。8は、直進流路5及び円形流路6の上面を覆うカバープレートである。
ヘッド部2の側面の流体の取入口4から矢印Aのように(又は上面の取入口9から矢印A’のように)流入した流体は、直進流路5上を流れ、円形流路6で旋回流となり、これに続いて渦巻筒部3で下方に向けて渦巻き状のサイクロン流となって下端の出口7から矢印Bのように流出する。8は、直進流路5及び円形流路6の上面を覆うカバープレートである。
図3は、複数のサイクロン発生器を並列に連結した浄化ユニットの構成図である。
複数(この例では5個)のサイクロン発生器1を並列に連結して浄化ユニット10を構成する。各サイクロン発生器1のヘッド部2を連結し、ヘッド部上面に開口する取入口9から流体を矢印A’のように取入れ、渦巻筒部3でサイクロンを発生させて矢印Bのように下方に流出させる。この浄化ユニット10の上方に、浄化液散布器11が備わり、浄化液(水あるいはガス吸収液)を散布する。散布された浄化液は、ミスト及び悪臭や有害ガスを含む被処理ガスとともに各サイクロン発生器1の流体取入口9から各サイクロン発生器内に流入し、渦巻筒部3内でサイクロンとなって流れる間にミストや有害ガス等が浄化液に吸着される。
複数(この例では5個)のサイクロン発生器1を並列に連結して浄化ユニット10を構成する。各サイクロン発生器1のヘッド部2を連結し、ヘッド部上面に開口する取入口9から流体を矢印A’のように取入れ、渦巻筒部3でサイクロンを発生させて矢印Bのように下方に流出させる。この浄化ユニット10の上方に、浄化液散布器11が備わり、浄化液(水あるいはガス吸収液)を散布する。散布された浄化液は、ミスト及び悪臭や有害ガスを含む被処理ガスとともに各サイクロン発生器1の流体取入口9から各サイクロン発生器内に流入し、渦巻筒部3内でサイクロンとなって流れる間にミストや有害ガス等が浄化液に吸着される。
図4は、浄化ユニットの上面図である。
各サイクロン発生器1のヘッド部2を連結して浄化ユニット10を形成する。ヘッド部2の直線流路5の端部に流体の取入口9が開口する。ヘッド部2の取入口9と反対側の対応する位置に切欠き溝12が形成される。ヘッド部2を連結することにより、一方のヘッド部の取入口9とこれと連結されるヘッド部の切欠き溝12が連続して実質上取入口9が大きくなるとともに直線流路5が長くなる。これにより、個々のサイクロン発生器1の形状をコンパクトにしたまま、直線流路5を長くして十分な流速を得て強い渦流を発生させサイクロン効果を高めることができる。言い換えれば、十分な直線流路の長さを確保した上で、各サイクロン発生器同士を極力近づけて連結方向の長さを短縮し、コンパクトな浄化ユニットを形成できる。
各サイクロン発生器1のヘッド部2を連結して浄化ユニット10を形成する。ヘッド部2の直線流路5の端部に流体の取入口9が開口する。ヘッド部2の取入口9と反対側の対応する位置に切欠き溝12が形成される。ヘッド部2を連結することにより、一方のヘッド部の取入口9とこれと連結されるヘッド部の切欠き溝12が連続して実質上取入口9が大きくなるとともに直線流路5が長くなる。これにより、個々のサイクロン発生器1の形状をコンパクトにしたまま、直線流路5を長くして十分な流速を得て強い渦流を発生させサイクロン効果を高めることができる。言い換えれば、十分な直線流路の長さを確保した上で、各サイクロン発生器同士を極力近づけて連結方向の長さを短縮し、コンパクトな浄化ユニットを形成できる。
なお、プレート8により円形流路6及びこれに連通する渦巻筒部3の上面を覆い、直線流路5の上面は円形流路6の一部を含み全体を開口させてもよい。
図5は、浄化ユニットを多段に組合せた多段浄化ユニットの斜視図である。
この例は、前述の図4の浄化ユニット10を4個用いたものである。浄化ユニット10のヘッド部2を段重ねして2段の浄化ユニットを形成し、2つの2段の浄化ユニット同士を対向させて中央が高い山形となるように結合する。このようにヘッド部2を段重ねした多段浄化ユニットを用いることにより、個々の浄化ユニット10においてその長手方向(図のX方向)についてコンパクトな構成が得られるとともに、これと直角な方向(図のY方向)についても渦巻筒部3同士を極力近づけてコンパクトな形状を得ることができる。
この例は、前述の図4の浄化ユニット10を4個用いたものである。浄化ユニット10のヘッド部2を段重ねして2段の浄化ユニットを形成し、2つの2段の浄化ユニット同士を対向させて中央が高い山形となるように結合する。このようにヘッド部2を段重ねした多段浄化ユニットを用いることにより、個々の浄化ユニット10においてその長手方向(図のX方向)についてコンパクトな構成が得られるとともに、これと直角な方向(図のY方向)についても渦巻筒部3同士を極力近づけてコンパクトな形状を得ることができる。
図6は、本発明に係る湿式ガス浄化装置の基本構成図である。
湿式ガス浄化装置13は、筐体を形成する装置本体14を有し、その内部が上部仕切り壁15によりサイクロン室16と排気室17に分割される。サイクロン室16には、端部に吸引口18を備えた吸引ダクト19が接続される。サイクロン室16内に、前述の図4の浄化ユニット10を4段に重ねた多段浄化ユニット20が設けられる。この複数(この例では20個)のサイクロン発生器からなる多段浄化ユニット20の上側にシャワーノズル等からなる散布器21が備わる。
湿式ガス浄化装置13は、筐体を形成する装置本体14を有し、その内部が上部仕切り壁15によりサイクロン室16と排気室17に分割される。サイクロン室16には、端部に吸引口18を備えた吸引ダクト19が接続される。サイクロン室16内に、前述の図4の浄化ユニット10を4段に重ねた多段浄化ユニット20が設けられる。この複数(この例では20個)のサイクロン発生器からなる多段浄化ユニット20の上側にシャワーノズル等からなる散布器21が備わる。
サイクロン室16の多段浄化ユニット20の下側には、下部仕切り壁22で仕切られた浄化液槽23が形成される。浄化液槽23内に浄化液24が溜められる。浄化液24は、水あるいは吸収液である。吸収液は塗装ミストや臭気あるいは有害ガスをよく吸着する薬液である。浄化液槽23内の浄化液24は、浄化液を循環させて供給する浄化液供給ポンプ26により吸引され、浄化液配管25を介して散布器21から多段浄化ユニット20に散布される。
排気室17の上部に、例えば防爆型の排気モータ27が備わる。排気モータ27に、端部に排出口28を備えた排気ダクト29が接続される。排気室17の中間部にほぼ水平な偏向プレート30が備わる。この偏向プレート30は、下部仕切り壁22の上方に配置され、浄化液槽23の液面上の風向が下部仕切り壁22に向うように気流をガイドする。これにより、浄化液24の液面上に浮遊するミスト31が浄化液槽23を構成する下部仕切り壁22に向かって流される。
偏向プレート30の上方に、気流の偏向方向を逆向きにする邪魔板55が設けられる。偏向プレート30及び邪魔板55に気流が当たることにより、気流に含まれる水分が付着して除去される。
偏向プレート30の上方に、気流の偏向方向を逆向きにする邪魔板55が設けられる。偏向プレート30及び邪魔板55に気流が当たることにより、気流に含まれる水分が付着して除去される。
上記構成の湿式ガス浄化装置13を用いた場合のガス浄化作用は以下の通りである。
排気モータ27を駆動することにより、塗装作業等を行っている室内から室内空気が矢印Pのように吸引され、ガス浄化装置13内に矢印Qのように取入れられる。この矢印P,Qで示される室内空気が請求項でいう被処理ガスであり、塵埃や塗料ミスト及び臭気や有害ガス等の異物や有害物質等を含んでいる。被処理ガスは、散布器11から散布される浄化液とともに混合流体となって多段浄化ユニット20の各サイクロン発生器に流入する。サイクロン発生器内でのサイクロン流の作用で被処理ガス中のミストや有害ガス等が浄化液に吸着され下方の浄化液槽23内に滴下する。ミストや有害ガスが吸着除去された被処理ガスは、矢印Rのように排気室17内を流れ、排気ダクト29及び排出口28を通して矢印Sのように外部に排出される。浄化液槽23の液面に浮遊するミスト31は、矢印Rの気流により押し流されて下部仕切り壁22に当たり集積される。集積されたミスト31は、この状態で掬い出して除去してもよいし、あるいは後述のように、風力で下部仕切り壁22を乗越えさせてから隣のスペースで捕集して処理してもよい。
排気モータ27を駆動することにより、塗装作業等を行っている室内から室内空気が矢印Pのように吸引され、ガス浄化装置13内に矢印Qのように取入れられる。この矢印P,Qで示される室内空気が請求項でいう被処理ガスであり、塵埃や塗料ミスト及び臭気や有害ガス等の異物や有害物質等を含んでいる。被処理ガスは、散布器11から散布される浄化液とともに混合流体となって多段浄化ユニット20の各サイクロン発生器に流入する。サイクロン発生器内でのサイクロン流の作用で被処理ガス中のミストや有害ガス等が浄化液に吸着され下方の浄化液槽23内に滴下する。ミストや有害ガスが吸着除去された被処理ガスは、矢印Rのように排気室17内を流れ、排気ダクト29及び排出口28を通して矢印Sのように外部に排出される。浄化液槽23の液面に浮遊するミスト31は、矢印Rの気流により押し流されて下部仕切り壁22に当たり集積される。集積されたミスト31は、この状態で掬い出して除去してもよいし、あるいは後述のように、風力で下部仕切り壁22を乗越えさせてから隣のスペースで捕集して処理してもよい。
図7は、本発明の実施形態の全体構成図である。
この例は、多段浄化ユニット20の下方に充填材ホルダ32を設け、その内部に充填材33を詰めたものである。充填材は、例えばプラスチックの成型体からなり、詰めたときに、過度な圧力損失を生じないように十分に空気を流通させるとともに、気液接触面積を大きくし、且つ接触時間を長くして気液混合作用を高め気体が十分に液体に吸着されるような形状の部材である。充填材33は、多孔板あるいは網目材等からなる支持板54上に収容される。多段浄化ユニット20を通過した被処理ガス及び浄化液は、充填材33及び支持板54を通過してその下方の浄化液槽23内に滴下する。多段浄化ユニット20のサイクロン発生器の下側にこのような充填材33を設けることにより、サイクロンの作用で吸着しきれなかったミストや有害ガスを充填材33を通過させて確実に浄化液に吸着させ被処理ガスを清浄化できる。この場合、充填材33はサイクロン発生器の下側に設けられるため、ガスと液体の両方が供給されるので、浄化液24を充填材33に供給するための専用の循環系システムを設ける必要がない。また、このような充填材33をサイクロン発生器の下側に設けることにより、サイクロン発生器から落下する浄化液が、浄化液槽23の浄化液面に衝突するときの発泡及び水面の乱れや波立ちが少なくなる。この結果、ミスト31が攪拌されて浄化液中に沈むことなく液面に浮遊するため、浮遊しているミストを容易に分離して除去できる。
その他の構成及び作用効果は、前記図6の例と同様である。
この例は、多段浄化ユニット20の下方に充填材ホルダ32を設け、その内部に充填材33を詰めたものである。充填材は、例えばプラスチックの成型体からなり、詰めたときに、過度な圧力損失を生じないように十分に空気を流通させるとともに、気液接触面積を大きくし、且つ接触時間を長くして気液混合作用を高め気体が十分に液体に吸着されるような形状の部材である。充填材33は、多孔板あるいは網目材等からなる支持板54上に収容される。多段浄化ユニット20を通過した被処理ガス及び浄化液は、充填材33及び支持板54を通過してその下方の浄化液槽23内に滴下する。多段浄化ユニット20のサイクロン発生器の下側にこのような充填材33を設けることにより、サイクロンの作用で吸着しきれなかったミストや有害ガスを充填材33を通過させて確実に浄化液に吸着させ被処理ガスを清浄化できる。この場合、充填材33はサイクロン発生器の下側に設けられるため、ガスと液体の両方が供給されるので、浄化液24を充填材33に供給するための専用の循環系システムを設ける必要がない。また、このような充填材33をサイクロン発生器の下側に設けることにより、サイクロン発生器から落下する浄化液が、浄化液槽23の浄化液面に衝突するときの発泡及び水面の乱れや波立ちが少なくなる。この結果、ミスト31が攪拌されて浄化液中に沈むことなく液面に浮遊するため、浮遊しているミストを容易に分離して除去できる。
その他の構成及び作用効果は、前記図6の例と同様である。
図8は、本発明の別の実施形態の全体構成図である。
浄化液配管25に三方切換え弁34が設けられ、水道配管35が接続される。浄化液槽23の上面にスライド式で着脱可能なカバープレート38が備わる。カバープレート38には、その上面に溜まった水を排出する排水管39が備わる。サイクロン室16の多段浄化ユニット20の上方の装置本体14に乾燥ファン36が設けられる。乾燥ファン36は、ガス浄化処理中は常時シャッター37で覆われ、装置本体14内が密閉される。排気室17に、活性炭層40及びその下段の除湿材層41からなるガス吸着フィルタ42が備わる。吸湿材層41は、例えばシリカゲル、ガラス繊維、小石、セラミックあるいはその他の多孔質部材である。
浄化液配管25に三方切換え弁34が設けられ、水道配管35が接続される。浄化液槽23の上面にスライド式で着脱可能なカバープレート38が備わる。カバープレート38には、その上面に溜まった水を排出する排水管39が備わる。サイクロン室16の多段浄化ユニット20の上方の装置本体14に乾燥ファン36が設けられる。乾燥ファン36は、ガス浄化処理中は常時シャッター37で覆われ、装置本体14内が密閉される。排気室17に、活性炭層40及びその下段の除湿材層41からなるガス吸着フィルタ42が備わる。吸湿材層41は、例えばシリカゲル、ガラス繊維、小石、セラミックあるいはその他の多孔質部材である。
上記構成において、通常のガス浄化処理時には、カバープレート38を外し、三方切換え弁34を浄化液槽側に切換えて、散布器11と浄化液槽23とを接続する。この状態で、前述の図6で説明した通り、浄化液を散布器11から散布しながら被処理ガスをサイクロン室16内に矢印Qのように導入し、排気室17を通して矢印Rのように排出する。この場合、排気室17にガス吸着フィルタ40が備わるため、サイクロン発生器からなる各ガス浄化装置10を通過後の被処理ガスが活性炭層40を通過することにより、サイクロン発生器で浄化液に吸着しきれなかったミストや有害ガスを活性炭層40で吸着でき外部への放出を防止できる。この場合、活性炭層40の前段に吸湿材層41があるため、活性炭層40に流入する被処理ガスから水分を除去することができ、活性炭の吸着能力の低下を抑えることができる。吸湿材は熱処理又は自然乾燥により繰返し使用が可能である。
上記図8の構成において、ガス浄化処理の停止中に装置本体内部を洗浄することができる。洗浄処理を行う場合、排気モータ27を停止して浄化液槽23の上面をカバープレート38で覆う。三方切換え弁34を水道配管35側に切換えて散布器11を水道配管35に接続する。この状態で、三方切換え弁34を介して矢印Wのように浄化液配管25内に水道水を導入し、散布器11からサイクロン室16内に散布する。これにより、散布器11及びこれに接続する浄化液配管25内部とともに多段浄化ユニット20の各サイクロン発生器の内部が洗浄される。洗浄後の水道水はカバープレート38上に滴下し配水管39を通して外部に排出される。
なお、三方切換え弁に水道配管を接続する代わりに、予め洗浄用の水を溜めたタンク等に接続してもよい。また、水に代えて洗浄液を用いてもよい。水道配管以外に接続する場合、循環ポンプ26の吸込み側の浄化液配管25に洗浄水配管を接続して洗浄水を循環ポンプ26で散布器11に送ることができる。
図9は、図8の浄化装置で洗浄処理を行った後の乾燥処理の説明図である。
前述のように、水道水などでサイクロン室を洗浄した後、室内に残った水分を速やかに除去するために乾燥処理が行われる。このとき循環ポンプ26及び排気モータ27は停止している。また、吸引ダクト19は閉塞され、吸引ダクト19側から装置本体14内への空気の流入はない。一方、排気ダクト29は開放状態であり、この排気ダクト29及び停止中の排気モータ27を通して外部から空気が装置本体14内に流入可能である。
前述のように、水道水などでサイクロン室を洗浄した後、室内に残った水分を速やかに除去するために乾燥処理が行われる。このとき循環ポンプ26及び排気モータ27は停止している。また、吸引ダクト19は閉塞され、吸引ダクト19側から装置本体14内への空気の流入はない。一方、排気ダクト29は開放状態であり、この排気ダクト29及び停止中の排気モータ27を通して外部から空気が装置本体14内に流入可能である。
この状態で、シャッター37を開いて乾燥ファン36を駆動する。これにより、排気室17に矢印V1のように外気が導入され、フィルタ42を通して矢印V2のようにサイクロン室16に流入する。ここで多段浄化ユニット20の各サイクロン発生器を通過して水分を吸収し、矢印V3のように乾燥ファン36に吸引され、外部に放出される(矢印V4)。このとき、乾燥用の気流は、通常のガス浄化時とは逆に排気室17からサイクロン室16に流れるため、サイクロン発生器を通って湿った空気が排気室17内の活性炭層40を通ることはない。したがって、活性炭に水分が付着して吸着能力が低下することはない。
図10(A)は、本発明の別の実施形態の全体構成図である。
この例では、浄化液槽23を構成する下部仕切り壁22の外側に隣接してミスト捕集室44を形成している。ミスト捕集室44の上部にミスト捕集用のフィルタ43が設けられる。偏向プレート30の作用により、上部仕切り壁15の下側を流れる気流R1は、浄化液24の上面に浮遊するミスト31を下部仕切り壁22に向けて押し流す方向に流れる。押し流されたミスト31は、矢印Gのように下部仕切り壁22を乗越えて隣のミスト捕集室44に入り、フィルタ43上に捕集される。フィルタ43上に溜まったミスト31は、フィルタ43を取外して廃棄処分される。
この例では、浄化液槽23を構成する下部仕切り壁22の外側に隣接してミスト捕集室44を形成している。ミスト捕集室44の上部にミスト捕集用のフィルタ43が設けられる。偏向プレート30の作用により、上部仕切り壁15の下側を流れる気流R1は、浄化液24の上面に浮遊するミスト31を下部仕切り壁22に向けて押し流す方向に流れる。押し流されたミスト31は、矢印Gのように下部仕切り壁22を乗越えて隣のミスト捕集室44に入り、フィルタ43上に捕集される。フィルタ43上に溜まったミスト31は、フィルタ43を取外して廃棄処分される。
ミスト31とともにミスト捕集室44内に流入した浄化液は、矢印Fのようにフィルタ43を通して下方に落下する。ミスト捕集室44の下部に溜まった浄化液は、戻り配管46を通して戻しポンプ45により、矢印Eのように、浄化液槽23に戻される。これにより、浄化液槽23の液面レベルが一定に保たれる。この場合、ミスト捕集室44内に液面センサ53を設け、液面が所定レベルまで上昇したらポンプ45を駆動して浄化液を浄化液槽23に戻してもよい。捕集室44の液面レベルが所定レベルまで下がったらポンプ45を停止する。あるいは、浄化液槽23に液面レベル計を設け、浄化液槽の液面が所定値以下に低下したら自動的にポンプ45を運転するようにしてもよい。
図10(B)は、(A)の変形例を示す。(B)の例は、ミスト捕集室44のフィルタ43を省いたものである。(A)と同様に、浄化液槽23のミスト31が下部仕切り壁22を矢印Gのように乗越えて浄化液とともにミスト捕集室44に流入する。流入したミストはミスト捕集室44内の浄化液面上に浮遊する。時間経過とともに浄化液槽23の液面は低下し、ミスト捕集室44の液面は上昇する。浄化液槽23の液面が低下すると、ミスト31が仕切り壁22を乗越えられなくなり、ミストが捕集室44に流入しなくなる。そこで、浄化液槽23の液面レベルがあるレベルまで低下し、これに対応して捕集室44の液面レベルが所定のレベルまで上昇したら、ポンプ45を駆動して捕集室44の浄化液を浄化液槽23に戻す。この場合、ミスト捕集室44の液面レベルを液面センサ53で検出し、所定の上限位置に達したら、自動的にポンプ45を駆動することができる。
ポンプ45の駆動により浄化液槽23の液面が上昇し、これに対応してミスト捕集室44の液面が所定のレベルまで下降したら、ポンプ45を停止する。この場合、ミスト捕集室44の液面レベルを液面センサ53で検出し、所定の下限位置に達したら、自動的にポンプ45を停止することができる。
このように、ポンプ45と液面センサ53を用いて、浄化液槽23とミスト捕集室44の液面を一定の範囲内で一方が下がり他方が上がるように交互に上昇下降を繰り返すようなフリップフロップ的動作を自動的に行わせることができる。
ミスト捕集室44に流入したミストは、ほとんどが液面に浮遊するが、一部は浄化液中に没して底面に沈殿する。このようにミスト捕集室44の底面に沈殿したミストをポンプ45が吸込んで浄化液槽23に戻さないようにするために、ポンプ45の吸込み側の配管46の吸込み口(開口端部)とミスト捕集室44の底面との間の間隔Hは、底面に沈殿したミストを吸込まない程度に離しておく。
液面上に浮遊したミストは、適当な用具を用いて手ですくい上げて処分してもよいし、あるいはミスト捕集室44自体を着脱可能な容器で構成し、ミストが溜まったら取外してミストを処分してもよい。
図10(B)は、(A)の変形例を示す。(B)の例は、ミスト捕集室44のフィルタ43を省いたものである。(A)と同様に、浄化液槽23のミスト31が下部仕切り壁22を矢印Gのように乗越えて浄化液とともにミスト捕集室44に流入する。流入したミストはミスト捕集室44内の浄化液面上に浮遊する。時間経過とともに浄化液槽23の液面は低下し、ミスト捕集室44の液面は上昇する。浄化液槽23の液面が低下すると、ミスト31が仕切り壁22を乗越えられなくなり、ミストが捕集室44に流入しなくなる。そこで、浄化液槽23の液面レベルがあるレベルまで低下し、これに対応して捕集室44の液面レベルが所定のレベルまで上昇したら、ポンプ45を駆動して捕集室44の浄化液を浄化液槽23に戻す。この場合、ミスト捕集室44の液面レベルを液面センサ53で検出し、所定の上限位置に達したら、自動的にポンプ45を駆動することができる。
ポンプ45の駆動により浄化液槽23の液面が上昇し、これに対応してミスト捕集室44の液面が所定のレベルまで下降したら、ポンプ45を停止する。この場合、ミスト捕集室44の液面レベルを液面センサ53で検出し、所定の下限位置に達したら、自動的にポンプ45を停止することができる。
このように、ポンプ45と液面センサ53を用いて、浄化液槽23とミスト捕集室44の液面を一定の範囲内で一方が下がり他方が上がるように交互に上昇下降を繰り返すようなフリップフロップ的動作を自動的に行わせることができる。
ミスト捕集室44に流入したミストは、ほとんどが液面に浮遊するが、一部は浄化液中に没して底面に沈殿する。このようにミスト捕集室44の底面に沈殿したミストをポンプ45が吸込んで浄化液槽23に戻さないようにするために、ポンプ45の吸込み側の配管46の吸込み口(開口端部)とミスト捕集室44の底面との間の間隔Hは、底面に沈殿したミストを吸込まない程度に離しておく。
液面上に浮遊したミストは、適当な用具を用いて手ですくい上げて処分してもよいし、あるいはミスト捕集室44自体を着脱可能な容器で構成し、ミストが溜まったら取外してミストを処分してもよい。
図11は、本発明のさらに別の実施形態の全体構成図である。
この例は、浄化液の悪臭の原因となる微生物を除去するものである。浄化液槽23に浄化液循環配管50を設ける。この浄化液循環配管50の途中に、濾過フィルタ49及び循環ポンプ51を設ける。濾過フィルタ49は、生物濾材48と活性炭47で構成される。生物濾材48は、微生物が育ちやすい多孔質な素材であり、例えばガラス繊維、小石、セラミックなどである。このような濾過フィルタ49を通してポンプ51を駆動して、矢印Kのように浄化液を循環させることにより、浄化液中に発生した微生物が生物濾材48及び活性炭49に吸着される。活性炭49は、微生物とともに有害物質を吸着する。これにより、浄化液中に発生した微生物が有害物質とともに除去され悪臭がなくなる。このような濾過フィルタ49、浄化液循環配管50、循環ポンプ51からなる浄化液清浄化手段52は、ガス浄化装置13に対し一体的に備えておく。
この例は、浄化液の悪臭の原因となる微生物を除去するものである。浄化液槽23に浄化液循環配管50を設ける。この浄化液循環配管50の途中に、濾過フィルタ49及び循環ポンプ51を設ける。濾過フィルタ49は、生物濾材48と活性炭47で構成される。生物濾材48は、微生物が育ちやすい多孔質な素材であり、例えばガラス繊維、小石、セラミックなどである。このような濾過フィルタ49を通してポンプ51を駆動して、矢印Kのように浄化液を循環させることにより、浄化液中に発生した微生物が生物濾材48及び活性炭49に吸着される。活性炭49は、微生物とともに有害物質を吸着する。これにより、浄化液中に発生した微生物が有害物質とともに除去され悪臭がなくなる。このような濾過フィルタ49、浄化液循環配管50、循環ポンプ51からなる浄化液清浄化手段52は、ガス浄化装置13に対し一体的に備えておく。
なお、このような濾過フィルタ49を通した浄化液循環による微生物除去処理は、ガス浄化装置稼動中常時行ってもよいし、あるいは定期的に行ってもよい。また、フィルタ49を通した浄化液は、浄化液槽23に戻さないで、所定の無害化処理を施して、あるいは廃液規制に適合する範囲内であればそのまま下水等に排出することができる。
以上、図6〜図11に基づいて、本発明の実施形態の例について説明したが、これらの例はそれぞれ単独で実施してもよいし、あるいは任意の複数の例を組合せて実施することもできる。
1:サイクロン発生器、2:ヘッド部、3:渦巻筒部、4:流体の取入口、5:直進流路、6:円形流路、7:出口、8:カバープレート、9:流体の取入口、10:浄化ユニット、11:散布器、12:切欠き溝、13:湿式ガス浄化装置、14:装置本体、15:上部仕切り壁、16:サイクロン室、17:排気室、18:吸引口、19:吸引ダクト、20:多段浄化ユニット、22:下部仕切り壁、23:浄化液槽、24:浄化液、25:浄化液配管、26:浄化液供給ポンプ、27:排気モータ、28:排出口、29:排気ダクト、30:偏向プレート、31:ミスト、32:充填材ホルダ、33:充填材、34:三方切換え弁、35:水道配管、36:乾燥ファン、37:シャッター、38:カバープレート、39:排水管、40:活性炭層、41:除湿材層、42:ガス吸着フィルタ、43:フィルタ、44:ミスト捕集室、45:戻しポンプ、46:戻り配管、47:活性炭、48:生物濾材、49:濾過フィルタ、50:浄化液循環配管、51:ポンプ、52:浄化液清浄化手段、53:液面センサ、54:支持板、55:邪魔板。
Claims (6)
- 流体を取入れて円形流路に沿って流すヘッド部と、該ヘッド部の下側に設けられ前記円形流路に連通する渦巻筒部とからなるサイクロン発生器を複数個並列に連結し、各サイクロン発生器を通して被処理ガスと浄化液を流して被処理ガス中の異物や有害物質等を浄化液に吸着させ、サイクロン発生器通過後の浄化液をその下方の浄化液槽に溜めるとともに被処理ガスを外部に放出する湿式ガス浄化装置において、
前記サイクロン発生器通過後の浄化液及び被処理ガスの混合流体の流路に混合促進用の充填材を設けたことを特徴とする湿式ガス浄化装置。 - 流体を取入れて円形流路に沿って流すヘッド部と、該ヘッド部の下側に設けられ前記円形流路に連通する渦巻筒部とからなるサイクロン発生器を複数個並列に連結し、各サイクロン発生器を通して被処理ガスと浄化液を流して被処理ガス中の異物や有害物質等を浄化液に吸着させ、サイクロン発生器通過後の浄化液をその下方の浄化液槽に溜めるとともに被処理ガスを外部に放出する湿式ガス浄化装置であって、前記浄化液槽と前記サイクロン発生器上方の散布器とをつなぐ浄化液配管を有し、該浄化液配管の途中に浄化液供給ポンプを備えた湿式ガス浄化装置において、
前記浄化液配管の途中に切換え弁を介して洗浄水配管を接続し、前記浄化液槽の上面に開閉可能な又は着脱可能なカバーパネルを設け、該浄化装置の不使用時に、該カバーパネルで浄化液槽の上面を覆うとともに、前記切換え弁を切換えて前記洗浄水配管を通して洗浄水を前記サイクロン発生器に散布可能としたことを特徴とする湿式ガス浄化装置。 - 前記サイクロン発生器の上方側に乾燥ファンを設け、前記洗浄水散布後に、前記乾燥ファンにより浄化装置内の空気をサイクロン発生器の下側から吸引してサイクロン発生器を通し上側から浄化装置外部に放出して浄化装置内部を乾燥させることを特徴とする請求項2に記載の湿式ガス浄化装置。
- 流体を取入れて円形流路に沿って流すヘッド部と、該ヘッド部の下側に設けられ前記円形流路に連通する渦巻筒部とからなるサイクロン発生器を複数個並列に連結し、各サイクロン発生器を通して被処理ガスと浄化液を流して被処理ガス中の異物や有害物質等を浄化液に吸着させ、サイクロン発生器通過後の浄化液をその下方の浄化液槽に溜めるとともに被処理ガスを外部に放出する湿式ガス浄化装置において、
前記浄化液槽を構成する仕切り壁の外側にミスト捕集室を形成し、浄化液槽の浄化液の上面に浮遊するミストが前記仕切り壁方向に向うように前記サイクロン発生器通過後の被処理ガスを浄化液槽上面に流し、前記仕切り壁を越えて前記ミスト捕集室に入ったミストを捕集して処分可能とし、このミスト捕集室内にミストとともに流入してミスト捕集室内に溜まった浄化液を浄化液槽に戻すポンプを備えたことを特徴とする湿式ガス浄化装置。 - 流体を取入れて円形流路に沿って流すヘッド部と、該ヘッド部の下側に設けられ前記円形流路に連通する渦巻筒部とからなるサイクロン発生器を複数個並列に連結し、各サイクロン発生器を通して被処理ガスと浄化液を流して被処理ガス中の異物や有害物質等を浄化液に吸着させ、サイクロン発生器通過後の浄化液をその下方の浄化液槽に溜めるとともに被処理ガスを外部に放出する湿式ガス浄化装置において、
前記サイクロン発生器通過後の被処理ガスを吸湿材層及びこれに続く活性炭層を通過させた後に外部に放出することを特徴とする湿式ガス浄化装置。 - 流体を取入れて円形流路に沿って流すヘッド部と、該ヘッド部の下側に設けられ前記円形流路に連通する渦巻筒部とからなるサイクロン発生器を複数個並列に連結し、各サイクロン発生器を通して被処理ガスと浄化液を流して被処理ガス中の異物や有害物質等を浄化液に吸着させ、サイクロン発生器通過後の浄化液をその下方の浄化液槽に溜めるとともに被処理ガスを外部に放出する湿式ガス浄化装置において、
前記浄化液槽の浄化液を、微生物を捕集する生物濾材層及び有害物質を吸着する活性炭層からなるフィルタを通して循環させる浄化液清浄化手段を一体的に具備したことを特徴とする湿式ガス浄化装置。
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