JP2006174853A - 足裏荷重の重心移動を利用した履物 - Google Patents

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Abstract

【課題】歩行をより容易且つ効率的にする履物を提供する。
【解決手段】履物の底部を歩行時の足裏の折れ曲がり部分に対応させて、少なくとも2つの部位に分け、折れ曲がり可能に接続する。かかと側の厚さをつま先側より厚くし、その段差角部分を支点としてテコの作用に折れ曲がり部分を歩行者の自重で折れ曲げることにより、瞬時に重心を履物底部を前方に移動させ、かかとを押し上げる状態にする。これにより、かかと蹴り上げ動作を不要とし、歩行に要する力を大幅に低減させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、歩行時の身体、特に筋肉の負担のかかる上下運動を、テコの原理をつなぎ合わせ履物に応用することにより、円運動に変換し、円滑且つ長時間拘束で歩くことできる履物に関する。
足の関節部による一連の歩行動作における円運動軌跡において、特に、踏み足の親指根元腹で踏みこもうとするとき、従来の履物では身体を持ち上げながら踏みこまないと支え足を蹴り出せず、早く歩けない。従って、高齢者など筋肉の衰えた人あるいは大股で連続歩行しようとしたとき、踏み足による身体を持ち上げる動作を維持することができない。また、高齢者など筋肉の衰えた人はすり足で歩くしかなかった。
歩行又は走る動作において、特に、大股で長時間歩くとき、大きな上下運動を必要とし筋肉疲労が顕著である。また、蹴り出し動作のできない筋肉が衰えた高齢者などはすり足となる故、大股歩行ができず、早く目的地につくことができない。
本発明は、歩行時、直立状態の重心位置から足先端まで移動していく足裏荷重の微分変化を足関節部の上下運動をシーソーによるテコの原理で吸収することにより、踏み出す時の円運動軌跡による上下運動を強力にサポートし、より円滑な回転運動に変えることができる歩行者の自重を利用した効率的な履物を提供するものである。
上記目的を達成するための本発明の履物の構成は、足裏のつま先部分を含む部位と接する第一の面を有する第一の底部と、前記第一の面と連続し且つ足裏のかかと部分を含む部位と接する第二の面を有し、前記第一の面と前記第二の面の境界線に設けられた所定軸により、前記第一の底部に対して折れ曲がり可能な第二の底部と、
前記第一の底部の接地面に取り付けられ、前記第一の底部に対して進行方向前後に移動可能な接地可動部材とを備え、前記第二の底部は、前記第一の底部の厚さより厚い厚み部分を有し、当該厚み部分により形成される段差の前方角部分が歩行者の直立状態における重心位置より前方にあり、前進動作において、前記第二の底部の当該厚み部分の接地面が接地している状態から、前記第一の底部の前記接地可動部材が接地し、前記第二の底部から前記第一の底部への重心の移動に伴い、前記第二の底部が前記第一の底部に対して折れ曲がることにより、前記第二の底部の接地面が前記第一の底部の接地面と分離して地面から上がり、前記第一の底部が前記接地可動部材に対して相対的に前進することを特徴とする。
また、本発明の履物の別の構成は、足裏のつま先部分を含む部位と接する第一の面を有する第一の底部と、前記第一の面と連続し且つ足裏のかかと部分を含む部位と接する第二の面を有し、前記第一の面と前記第二の面の境界線に設けられた所定軸により、前記第一の底部に対して折れ曲がり可能な第二の底部と、前記第一の底部の接地面に取り付けられ、前記第一の底部に対して進行方向前後に移動可能な接地可動部材とを備え、前記第二の底部は、前記第一の底部の厚さより厚い厚み部分を有し、当該厚み部分により形成される段差の前方角部分が歩行者の直立状態における重心位置より前方にあり、前進動作における歩行者の重心移動に伴い、前記第二の底部の当該厚み部分が接地している状態から、前記前方角部分を支点として、前記第一の底部及び前記第二の底部が前傾し、前記第一の底部の前記接地可動部材が接地し、さらに、前記第一の底部が前記接地可動部材に対して相対的に前進しながら前記第一の底部が前記第二の底部に対して折れ曲がって接地し、前記第二の底部の後方は前記前方角部分を支点として押し上げられることを特徴とする。
好ましくは、上記本発明の履物において、前記接地可動部材は、地面に接地していない場合は、前記第一の底部の接地面から突出しており、地面に接地し、前記第一の底部の前記接地可動部材に対する前進に伴い、前記第一の底部の接地面とほぼ同一平面に収まることを特徴とする。
本発明は歩くあるいは走る動作において、最も筋肉に負担のかかる踏み出し時の体重持ち上げ動作をほとんど行うことなく瞬時に立ち上げることによって円滑な歩きを実現したものであり、履物横断面には、二つに分割された底部(台座)を接続する折れ曲がり可能なジョイント部(第一の底部と第二の底部の折れ曲がり部分)と底部がテコの作用で可動するためのテコ支点とテコ支点の有効な距離を維持するための滑り機構(接地可動部材)を有している。
直立静止状態でのジョイント部の断面水平圧力は、かかとと先端の足裏荷重により、ジョイント部下部断面が圧縮され、強固に連結されたジョイント部は伸びようとする。
直立静止状態から踏み出し態勢に移行すると、足裏の重心位置も移っていき、それにつれて段差のついた支点から台座(底部)が前傾していき、滑り機構を有する接地可動部材が接地する先端部分と台座重心前支点(テコ支点)の間に鉛直荷重がかかり、均衡が崩れジョイント部下部は伸びようとする。伸び抵抗を極端に小さくしたジョイント部下部断面は前後両方に開き始める。その結果、踏み出そうとして体重を持ち上げる足裏が下がりはじめ、テコ支点から後方の底部(台座)が押し上げられる。その結果、重心位置は歩行者の自重によりさらに加速され、一瞬にして踏みこみ態勢の位置に移動し、支え足で大きくけり出すことができる。
これにより、通常の歩行動作により、より小さな力で歩行が可能となり、容易且つ効率的な歩行を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1は、本発明の実施の形態における履物の上面図(図1(a))及び側面図(図1(b))である。図1では、本実施の形態の履物の原理構成を説明するために、履物の底部分が示されているが、底部分の上には、足首部分を覆う部材など足首部分を履かせるための部材が取り付けられる。
本実施の形態の履物は、2つの底部、すなわち、第一の底部10及び第二の底部20を備える。第一の底部10は、足のつま先部分を含む足の前方側がのる部分であり、第二の底部20は、足のかかと部分を含む足の後方側がのる部分である。第一の底部10と第二の底部20は、折れ曲がり機構30により、互いに対して折れ曲がり可能に接続されている。折れ曲がり機構30は、具体的には、第一の底部10と第二の底部20において、足がのせられる面の横断面を支点として折れ曲がるように構成される(図1(b)参照)。例えば、両底部の足裏面に丁番を取り付ける構成であってもよいし、それ以外の構成であってもよい。
図2は、折れ曲がり機構30の別の構成例を示す図である。図2(a)に示すように、第一の底部10と第二の底部20の足裏面をピアノ線のような細線31で結んでもよいし、図2(b)に示すように、板バネのような可撓性のある板状物32で接続してもよい。
図2(b)に示したような板バネが用いられる場合は、板バネの初期状態がすでに湾曲している状態であることが好ましい。こうすることで、第二の底部20を第一の底部10に対して折り曲げるときに、板バネに抗する力を不要とし、反対に板バネの復元力を利用して、足首先の曲げ動作に追随して第二の底部20を折り曲げることができる。
折れ曲がり機構30の位置は、好ましくは、歩行動作において足首先の折れ曲がる部分、具体的には、足の親指の根元関節(つけ根)がのっている部分に対応する位置である。一般的な歩行動作において、かかとを上げる動作を行う際、この足の親指の根元関節部分が支点となって、かかと部分が蹴り上げられる。
さらに、第二の底部20は、その厚さが第一の底部10の厚さよりも厚くなるように構成され、図1では、第二の底部20に2つの突起体(厚み部分)21が取り付けられ、第一の底部10と第二の底部20との間に段差ができるように構成される。突起体21の数、形状や取り付け位置は、図1に示す場合に限られず、また、第二の底部20全体が第一の底部10より厚くなるように構成されてもよい。
そして、厚み部分21により形成される段差の地面と接触する前方側の角部分21Aが、シーソーの支点の機能を果たし、歩行者の直立状態の重心位置(点線M)より前にあるようにする必要がある。後に述べるように、歩行動作開始から重心が前方に移動する際に、第一の底部10が下がって接地し、その後、折れ曲がり機構30が折れ曲がるが、当該動作を行うための支点は、直立状態の重心位置より前の位置にある必要があるからである。
また、第一の底部10には、第一の底部10に対して進行方向前後に移動可能な接地可動部材11が取り付けられる。図1では、2つの接地可動部材11が取り付けられているが、その数、形状、取り付け位置は図1に示す場合に限られない。
接地可動部材11は、第一の底部10の所定部分をくりぬいて、第一の底部10に対して進行方向前後に相対的に移動可能に取り付けられる。接地可動部材11は、例えば、図1(a)、(b)に示すように、第一の底部の底面と同じ部材11aに弾性部材(バネ、スポンジなど)11bを接着し、第一の底部10に取り付ける構成であってもよいし、それ以外の構成であってもよい。
図3は、接地可動部材11の別の構成例を示す図である。図3(a)は、履物の上面図であり、第一の底部10の2カ所がくりぬかれ、接地可動部材11が取り付けられている。図3(b)、(c)は、その拡大断面図であり、図3(b)は、接地していない状態、図3(c)は接地し、第一の底部が接地可動部材11に対し移動し、接地可動部材11が撓んでいる状態を示す図である。図3(c)に示す符号x0は、接地可動部材11の撓みによる第一の底部10の移動距離である。このように、接地可動部材11自体が進行方向前後に撓む部材で構成されてもよい。接地可動部材11自体が比較的柔らかい弾性部材で形成され、接地可動部材11が撓むことで、第一の底部10を前方に移動させる。後述するように、撓んだ状態においては、第一の底部10とほぼ同一の平面上に収まることが好ましい。
接地可動部材11の動作については、後に詳述するが、その機能をここで簡単に説明すると、直立状態では、第二の底部20上に重心位置(図1点線G参照)があり、第二の底部20の方が第一の底部10より厚いので、第二の底部20が接地している。その状態から歩行動作を開始し、前進歩行において第二の底部20から第一の底部10に重心が移動する際、第二の底部20が接地している状態から、重心が前方に移動し、上記段差角部分21Aを支点として、シーソーのように、第一の底部10が下がり、第一の底部10の接地可動部材11が接地する。そして、第二の底部20が第一の底部10に対して折れ曲がり、その折れ曲がりによる第一の底部10と第二の底部10との間に隙間距離が生じる(後述する図4(c)参照))。接地可動部材11は、この隙間距離Δxを吸収するためのものである。結果的に、この隙間距離の生成は、第一の底部10に進行方向前方への駆動力と第二の底部20のかかと部分の押し上げ力となり、その駆動力を接地可動部材11が受け止めることで、第一の底部10を接地可動部材11に対して相対的に前進させることとなり、一歩の歩行距離を通常の歩幅よりも延ばすことができる。
図4は、本発明の実施の形態における履物を利用した歩行動作を説明するための図である。図4(a)は、歩行開始前の直立静止状態を示し、重心位置は第二の底部20上の位置(点線M)にあり、第一の底部10は地面から離れている。この状態において、折れ曲がり機構30で連結された第一の底部(第一の台座)10及び第二の底部(第二の台座)20の両方に分散された足裏荷重により、段差の角部分21A(点F)から、第一の底部10と第二の底部20が分割する点E)の間には圧縮しようとする力が加わり、折れ曲がり機構30の支点Dは前後方向に伸びようとする力が加わっている。D点は折れ曲がり機構30で強固に連結され、また、E点は圧縮荷重に耐える素材が使用され、履物の形状を形成している。
図4(a)の状態から歩行動作を開始し、わずかに蹴り出そうとすると、重心位置は前方に移動していく。そして、重心位置が点Fより前にくると、図4(b)に示すように、点Fを支点として、第一の底部10と第二の底部20が前傾し、第一の底部10の底面に取り付けられた接地可動部材11の先端部分(点G)が接地する。さらに、当該接地した先端部分(点G)より後方の第一の底部10にかかる鉛直方向下向きの荷重により、折れ曲がり機構30下部のE点が伸びようとする(第一の底部10と第二の底部20が開こうとする)。
さらに踏みこむと、図4(c)に示すように、第一の底部10と第二の底部20における荷重バランスが崩れ、鉛直方向下向き荷重により、折れ曲がり機構30が折れ曲がりはじめ、E点において、第一の底部10と第二の底部20が開いていく。その際、第二の底部20のF点付近より後方の第二の底部20を、歩行者の自重とF点を支点としたテコの作用で強力に押し上げる力が発生する。
また、鉛直方向荷重により、折れ曲がり機構30下部E点が開き、そこに隙間距離Δxが発生するが、その隙間距離Δxを接地可動部材11により吸収する。すなわち、第一の底部10は、第二の底部20のF点の強固な摩擦力により、F点の位置は固定されている。また、接地可動部材11は、上述したように、第一の底部10に対して進行方向前後に移動可能である。この場合、接地可動部材11は、その先端部分(点G)が地面に接地しており、接地可動部材自体11は地面に対して移動しないので、地面にまだ接地していない第一の底部10が、接地可動部材11の接地した先端部分(点G)を支点として、接地可動部材11に対して前方に移動することになる。従って、第一の底部10が接地可動部材11に対して相対的に前方に移動することで隙間距離Δxを吸収する。隙間距離Δxを吸収することにより、第一の底部10は前方にシフトし、底面ほぼ全域が地面に接する。
こうして、第一の底部10が地面に接し、第二の底部20にのっている足ごと押し上げられる。接地可動部材11が隙間距離Δxを吸収し、第一の底部10が前方にシフトすることにより、第二の底部20を、点Fを支点としてより高く押し上げることができる。
また、接地可動部材11は、隙間距離Δxを吸収した後は、第一の底部10の底面とほぼ同一平面に収納され、第一の底部10の底面全域が接地するので、次の歩行サイクルにおける蹴り出し動作において、蹴り出し時の滑らない摩擦抵抗を確保することができる。
本実施の形態例に特徴的な動作は、折れ曲がり機構30による折れ曲がりと接地可動部材11による隙間距離Δxの吸収により、鉛直下向きの力を横方向(前後方向)の力に変え、第一の底部10が前方に移動し終わるまで、鉛直下向きの力を発生させ続け、第二の底部20の後方をより高く強力に押し上げることにある。
この場合、接地可動部材11が最初に地面に接地する先端部分と支点Fとの距離は、テコの作用を強力に発生させるのに必要な距離であることが望ましい。つまり、本発明の特徴点は、テコの作用を有効に且つさらに強力に発生させるための距離を、第一の底部を横に移動させることによって獲得し、その横への移動は、重心前支点から折れ曲がり機構30までの間の落差に基づく下方に向かう力で補完されていることにある。さらに、足裏で行う運動軌跡において重心移動に伴う足裏荷重の微分変化をテコの作用で筋肉に負担のかからないように自重を利用したことで、負担の大きいかかと上げ動作を不要としてことにある。
ここで、下駄との相違を列挙すれば、下駄は高い落差で身体を転ばせながら快適に歩ける。結果、下駄後部は高く上がるが、これは持ち上げられるのではなく、体がのめりそうになる寸前の状態を利用しているだけである。従って、下駄が低ければ効果は半減するのである。また、全体が傾斜しているため、大まかな歩きしかできない欠点がある。
本発明は、鉛直下方向の力を前後方向の力に変えることにより、段差の小さい履物で、下駄の傾いたときの理想的な後部傾斜を生む大きな落差(より高い後方押し上げ)を実現したことであり、さらに、踏み足での理想的な足のフォームを、歩行者の自重によって押し下げされることで実現できたことを特徴としている。
図5は、かかと部分の押し上げ高さを説明する図である。図5(a)は、下駄のように底部が折れ曲がらない履物のかかとの押し上げ高さH1を示し、図5(b)は、段差が図5(a)と同じ場合において、折れ曲がり機構30を有する本実施の形態の履物におけるかかとの押し上げ高さH2を示す。図から明らかなように、本実施の形態例の履物により、高さH1よりもはるかに高い押し上げ高さH2を得ることができる。
このように、本発明は、自重による折れ曲がり機構の折れ曲がりとそれにより生じる距離の吸収により、折れ曲がりのない場合のテコの作用と比べて、履物後部(かかと部分)より高く押し上げることができ、さらに、歩行時の理想的な関節部の円運動軌跡に近づけることができる。従って、足裏運動における理想的な踏みだし時の回転運動はさらに連結帯を多用することにより、(折れ曲がり機構を足の指の関節の位置に合わせて複数設ける)ことにより、より滑らかな円運動が可能となり、また、押し上げ作用をより強力に補助することができる。
第一の底部10が歩行者の自重により下がり、接地可動部材11に対して移動し始めると、第一の底部10は円運動を開始し、移動が終わると、第一の底部10は地面に接し、傾斜から解放され、第一の底部10が平らになることで、安定的な台座に移行する。一方、第二の底部20は、第一の底部との連結相互作用により、かかと部分を押し上げる円運動を行い、これにより、瞬間的に重心位置が踏み出し重心位置に移動することができる。
歩行開始時に第一の底部10が前傾することで、踏み足の親指つけ根腹部が下がることによって、かかとを筋力を使って上げることなく、かかと側が自然に上方に押し上げられるので、足の筋肉疲労を軽減することができる。
なお、第一の底部10と第二の底部20は、テコの作用を有効にするために極力変形しない構造を有する。さらに、折れ曲がり機構30は、自重の圧縮荷重に耐えられる材料であることが必要である。また、折れ曲がり機構30は、履物の左右のねじれを許容するために、中央付近はねじれ方向に対して固定され、両側付近は、ねじれ方向に対してフレキシブルに構成されてもよい。これにより、スポーツ靴への適用が可能となる。また、自重を利用できるだけのテコの支点の距離は、できるだけ長い長さを確保できる距離が望ましい。
上述のように、歩行動作における前方への重心移動により、第一の底部10上に重心が移ると、図4(c)に示すように、接地可動部材11を含め、第一の底部10全体が地面に接地し、第二の底部20は、地面から離れる程度に折り曲げられる。また、図4(c)のように、第一の底部10が接地可動部材11に対して前方移動し、第一の底部10全体が接地した状態において、接地可動部材11は、第一の底部10に対して突出せず、第一の底部10とほぼ同じ平面に収まることが好ましい。第一の底部10と接地可動部材11が同平面となることで、地面に対する接地面積を大きくすることができ、地面に対する必要十分な摩擦抵抗を確保することができる。また、接地面積が広いことで、第一の底部10上に重心位置があるときの歩行の安定にも寄与する。
接地可動部材11を初期状態においては、第一の底部10に対して突出させ、第一の底部10に対する移動により第一の底部10の平面内に収まるようにするには、第一の底部10の底面をくりぬいて設けられる接地可動部材の取り付け面(凹部)を地面に対して傾斜させればよい。すなわち、接地可動部材の取り付け面は、足の先端側は接地可動部材11が突出する程度に浅くされ、後方にいくに従って、接地可動部材11が第一の底部10と同平面になる程度に深くなるように形成される。
上述の本実施の形態例の履物において、折れ曲がり機構30は、一カ所に限られない。例えば、歩行時の足裏の折れ曲がりにより精密に対応させて、例えば、図1に図示した位置よりさらにつま先側に別の折れ曲がり部分が設けられてもよい。
また、上述の本実施の形態例の履物は、通常の歩行用の履物(靴、サンダルなど)に適用可能であることはもちろんのこと、スポーツ用の運動靴(例えば、野球シューズ、短距離走用シューズなど)にも適用可能である。
また、折れ曲がり機構30は、歩行動作において生じる左右方向のねじれを吸収するように構成されることが好ましい。
また、第一の底部10と第二の底部20との折れ曲がりにより生じる隙間には、そこを埋める伸縮自在(抵抗ができるだけ小さい)で防水性の素材を埋めることが好ましい。これにより、底面からの水の進入を防止することができる。
なお、本明細書において、歩行は、歩く動作に加え、当然ながら走る動作、その他前進するすべての動作を含むものとする。
本発明の実施の形態例における履物の上面図及び側面図である。 折れ曲がり機構30の別の構成例を示す図である。 接地可動部材11の別の構成例を示す図である。 本発明の実施の形態例における履物による歩行動作を説明するための図である。 かかと部分の押し上げ高さを説明する図である。
符号の説明
10:第一の底部、11:接地可動部材、20:第二の底部、21:突起体、21A:段差の角部分、30:折れ曲がれ機構

Claims (3)

  1. 足裏のつま先部分を含む部位と接する第一の面を有する第一の底部と、
    前記第一の面と連続し且つ足裏のかかと部分を含む部位と接する第二の面を有し、前記第一の面と前記第二の面の境界線に設けられた所定軸により、前記第一の底部に対して折れ曲がり可能な第二の底部と、
    前記第一の底部の接地面に取り付けられ、前記第一の底部に対して進行方向前後に移動可能な接地可動部材とを備え、
    前記第二の底部は、前記第一の底部の厚さより厚い厚み部分を有し、当該厚み部分により形成される段差の前方角部分が歩行者の直立状態における重心位置より前方にあり、
    前進動作において、前記第二の底部の当該厚み部分の接地面が接地している状態から、前記第一の底部の前記接地可動部材が接地し、前記第二の底部から前記第一の底部への重心の移動に伴い、前記第二の底部が前記第一の底部に対して折れ曲がることにより、前記第二の底部の接地面が前記第一の底部の接地面と分離して地面から上がり、前記第一の底部が前記接地可動部材に対して相対的に前進することを特徴とする履物。
  2. 足裏のつま先部分を含む部位と接する第一の面を有する第一の底部と、
    前記第一の面と連続し且つ足裏のかかと部分を含む部位と接する第二の面を有し、前記第一の面と前記第二の面の境界線に設けられた所定軸により、前記第一の底部に対して折れ曲がり可能な第二の底部と、
    前記第一の底部の接地面に取り付けられ、前記第一の底部に対して進行方向前後に移動可能な接地可動部材とを備え、
    前記第二の底部は、前記第一の底部の厚さより厚い厚み部分を有し、当該厚み部分により形成される段差の前方角部分が歩行者の直立状態における重心位置より前方にあり、
    前進動作における歩行者の重心移動に伴い、前記第二の底部の当該厚み部分が接地している状態から、前記前方角部分を支点として、前記第一の底部及び前記第二の底部が前傾し、前記第一の底部の前記接地可動部材が接地し、さらに、前記第一の底部が前記接地可動部材に対して相対的に前進しながら前記第一の底部が前記第二の底部に対して折れ曲がって接地し、前記第二の底部の後方は前記前方角部分を支点として押し上げられることを特徴とする履物。
  3. 請求項1又は2において、
    前記接地可動部材は、地面に接地していない場合は、前記第一の底部の接地面から突出しており、地面に接地し、前記第一の底部の前記接地可動部材に対する前進に伴い、前記第一の底部の接地面とほぼ同一平面に収まることを特徴とする履物。
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