JP2006173885A - 画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 色再現領域が広いだけでなく拡張色空間に対応した出力画像を得ること。
【解決手段】 少なくともイエローの記録剤、マゼンタの記録剤、シアンの記録剤、第4の記録剤を用い、画素データに基づいて画像形成を行う画像形成方法であって、CIE−Lの色空間上において、前記第4の記録剤で記録媒体上に表現される色は、前記イエローの記録剤と前記シアンの記録剤との組み合わせにより前記記録媒体上に表現される色再現領域よりも明度及び彩度が高く、かつ前記色空間上の最大彩度の色相角が130〜160度であることを特徴とする画像形成方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、画像形成方法及び画像形成装置に関し、詳しくは、鮮やかで、コントラスト、透明感及び立体感が高く、かつ色の変化が滑らかに表現された画像を記録媒体上で得ることのできるようにするための画像形成方法及び画像形成装置に関するものである。
従来、フルカラーの画像を形成する方法として、オフセット印刷、グラビア印刷、電子写真印刷、インクジェット記録方法などが広く用いられている。これらの画像形成方法のうち、インクジェット記録方法は、低騒音であること、製造コストが低廉であること、装置を小型に構成できること、記録画像のカラー化が容易であること等の理由から、パーソナルユースやオフィスユースのプリンタ、ファクシミリ、複写機等に広く利用されている。
これらの画像形成方法の多くは、フルカラーの画像を形成する際、減法混色に基づき画像が形成されるため、印刷の三原色であるイエロー、マゼンタ及びシアンを用いた色再現が行われている。又、これら三原色のインクに加えブラックのインクを用いる一方、イエロー、マゼンタ及びシアン各色のデータY、M及びCから黒成分Kを抽出してブラックに置き換え、さらには置き換えた分のC,M,Yの色成分を除去するUCR処理を行うことにより、コントラスト性の向上ないし中性色の安定再現を図るものものある。これらにより、例えばイエローとマゼンタとの混色によりオレンジないしレッド領域、イエローとシアンとの混色によりグリーン領域、マゼンタとシアンとの混色によりブルーないしバイオレット領域の画像を形成することが可能となり、色相の全領域を表現することができる。
又、フルカラー印刷技術には、自然画の再現など、広い色再現領域をもつ印刷法が求められている。そのため、基本三原色であるイエロー、マゼンタ及びシアンの記録剤に用いる色材について、発色性の良好なものが広く提案されている。しかし、三原色で色相の全領域を表現しようとすると、発色性の良好な三原色を用いた場合であっても、三原色の混色によって表現される色領域において、彩度が十分でなく、表現できる色再現領域が不十分となる場合がある。そこで、上記イエロー、マゼンタ及びシアンに加え、色相空間においてそれぞれの中間の色相角を持つ色(以下、特色という)、例えばレッド、オレンジ、グリーン、バイオレット及びブルー等の記録剤などを用いて画像形成を行う方法が提案されている。
例えば、特定色相角の基本三原色のインクと、レッド及びブルーのインクとを含むインクセットが開示されている。そして、レッド及びブルーのインクとしてそれぞれマゼンタ及びシアンのインクより明度が低いものを用いることによって、色域拡大と粒状性や光沢性の改善を図る提案がある(例えば、特許文献1参照)。
又、特定の染料を含むマゼンタインクを用いた基本三原色のインクとオレンジ、グリーン及びバイオレットのインクのいずれかを含むインクセットが開示され、同様に特色の追加により色域拡大を図る提案がある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、イエロー、マゼンタ及びシアンの三原色のインクにレッド、グリーン及びブルーのインクを加えたインクジェット印刷方法が開示され、具体的にはこれら各色インクに建染染料を用いた印刷方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3も同様に色域拡大と共に中間色を色相の近い基本色と特色で表現することで、基本色だけで中間色を表現する場合に対して粒状性を低減しカラーの階調性の改善を図っている。
国際公開第02/100959号パンフレット 特開2003−34765号公報 特開2002−241661号公報
しかし記録装置、中でもインクジェット記録方法を用いる記録装置の、パーソナルユーザに至るまでの広範な普及は、一層の画質向上の要望を生み出している。特に近年は従来のモニターの色空間に相当するsRGBのみならずAdobeRGBやWideGamutRGB等の拡張色空間を対応するデジカメ等の入力機器の開発に伴い、出力機器であるプリンタ側でもそれらの拡張された色空間への対応が望まれてきている。しかしこれは、色相空間上、印刷の三原色の中間領域の角度を持つような特色(例えばレッド、オレンジ、グリーン、バイオレット及びブルー等)を単に追加することで足りるものではない。
例えば、特許文献1〜3において、色相空間上、イエローとシアンとの中間領域にある特色(グリーン)のインクを加えた画像形成方法では、CIE(国際照明委員会)−Lにおけるa平面上でグリーン領域の色再現領域を拡大する効果はあるものの、具体的な明度、彩度や色相角等の定義が無いため前記拡張色空間に対応するには不十分であった。
これらの課題を解決するため、本発明は少なくともイエローの記録剤、マゼンタの記録剤、シアンの記録剤、第4の記録剤を用い、画素データに基づいて画像形成を行う画像形成方法又は装置であって、CIE−Lの色空間上において、前記第4の記録剤で記録媒体上に表現される色が、前記イエローの記録剤と前記シアンの記録剤との組み合わせにより前記記録媒体上に表現される色再現領域よりも明度及び彩度が高く、かつ前記色空間上の最大彩度の色相角が130〜160度であることを特徴とする画像形成方法又は画像形成装置である。
又好ましくは前記画像形成方法又は装置においてさらに前記イエローの記録剤と前記シアンの記録剤との組み合わせにより前記記録媒体上に表現される色再現領域よりも明度及び彩度が高く、かつ前記色空間上の最大彩度の色相角が100〜130度である第5の記録剤を有し、画像の種類や印刷目的に応じて前記第4の記録剤と前記第5の記録剤を交換して使用することを特徴とする特許請求第1項記載の画像形成方法又は画像形成装置も考えられる。
本発明によれば色再現領域が広いだけでなく拡張色空間で入力された画像データに対してグリーン領域において本来の色に従来に比べて高彩度、高明度で忠実な色を再現できる。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
(画像形成の概要)
本実施形態の画像形成方法又は装置は、少なくともイエロー、マゼンタ、シアン、並びに、色相空間上イエローとシアンの中間領域の角度をもつ第4の記録剤を用いるものであるが、まずその前提として、下記条件を満たした各色記録剤等を選定した上で画像形成を行うことに特徴がある。すなわち、
条件1:CIE−L色空間において、第4の記録剤で記録媒体上に表現される色が、イエロー記録剤とシアン記録剤との組み合わせにより記録媒体上に表現される色再現領域よりも明度及び彩度が高いこと、
条件2:CIE−Lb*色空間において、第4の記録剤で記録媒体上に表現される色の最大彩度の色相角が130〜160度であること、
である。
本発明に用いられる画像形成方法又は装置としては、オフセット印刷方法、グラビア印刷、電子写真印刷、インクジェット記録など、従来から一般に用いられている方法又は装置を用いることができる。ここでは、上記本発明の構成要件ないし条件を詳しく説明するにあたり、本発明に好ましく適用できる画像形成方法又は装置としてインクジェット記録技術について例示する。インクジェット記録技術では、例えば記録媒体上で基本色であるイエロー及びマゼンタのインクと、第4のインクとを任意の割合で組み合わせることにより、イエロー〜グリーン〜シアンまで連続的な色相を持つ画像を記録媒体上に形成することができ、好ましい記録技術であるからである。
まず、条件1について述べる。
図1はCIE−Lのグリーン色相におけるLC平面(Cは彩度でa、bの自乗和のルート)においてイエロー、シアン及び第4のインクの色再現領域と、AdobeRGBの色再現領域との関係を模式的に示した図で横軸が彩度C、縦軸が明度Lである。ここで、点線で囲んだ範囲がイエロー、シアン及び第4のインクで表現される色再現領域、実線で囲んだ範囲がイエロー及びシアンのインクのみで表現される色再現領域、太線で示されたものがAdobeRGBの色再現領域である。
この図1から明らかなように、AdobeRGBのような拡張色空間で定義された色を再現するためには、グリーン領域の色相の色を出力することが強く好ましいが、イエローインク及びシアンインクのみでは十分にこれらの色を表現することは困難である。従って、条件1として挙げたように、イエローインク及びシアンインクの組み合わせで記録媒体上に表現される色再現領域よりも明度及び彩度が高い第4のインクを用いることが効果的である。
次に条件2について述べる。
図2はCIE−Lのグリーン色相付近(第2象限)のa平面の図で、横軸はa縦軸はbである。3と同じく点線で囲んだ範囲がイエロー、シアン及び第4のインクで表現される色再現領域、実線で囲んだ範囲がイエロー及びシアンのインクのみで表現される色再現領域、太線で示されたものがAdobeRGBの色再現領域である。
これから分かるようにAdobeRGBの色再現をより効果的に出力するためには、該AdobeRGBの色再現範囲が広がっている領域に合わせて当該第4のインクの最大彩度の色相角がa平面において130〜160度であると好ましい。これはWideGamutRGBにおいてもほぼ同じ色相角が好ましい。
以下においては、本発明の適用対象の一例として、基本色であるシアン、マゼンタ、イエローに、第4のグリーン、及びブラック、さらにハイライトの粒状感を向上させるために淡シアン、淡マゼンタの7色のインクを用いるプリントシステムについて例示する。
<プリントシステム概要>
図3は、本発明の適用対象の一例であるプリントシステムの構成を示すブロック図である。本実施形態の画像形成装置は、上記7色のインクによって印刷を行うものであり、そのためにこれら7色のインクを吐出する記録ヘッドが用いられる。図3に示すように、本実施形態のプリントシステムは、画像形成装置としての記録装置とホスト装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)を有して構成されるものである。
ホスト装置のオペレーティングシステムで動作するプログラムとしてアプリケーションやプリンタドライバがある。アプリケーションJ0001はプリンタで印刷する画像データを作成する処理を実行する。この画像データもしくはその編集等がなされる前のデータは種々の媒体を介してPCに取り込むことができる。本実施形態のPCは、先ずデジタルカメラで撮像した例えばJPEG形式の画像データをCFカードによって取り込むことができる。又、スキャナで読み取った例えばTIFF形式の画像データやCD−ROMに格納される画像データをも取り込むことができる。さらには、インターネットを介してウエブ上のデータを取り込むことができる。これらの取り込まれたデータは、PCのモニターに表示されてアプリケーションJ0001を介した編集、加工等がなされ、例えばsRGB規格の画像データR、G、Bが作成される。そして、印刷の指示に応じてこの画像データがプリンタドライバに渡される。
本実施形態のプリンタドライバはその処理として、前段処理J0002、後段処理J0003、γ補正J0004、ハーフトーニングJ0005、及び印刷データ作成J0006を有している。前段処理J0002は色域(Gamut)のマッピングを行う。本実施形態の前段処理J0002は、sRGB規格の画像データR、G、Bによって再現される色域を、本プリントシステムのプリンタによって再現される色域内に写像する関係を内容とする3次元LUTを用い、これに補間演算を併用して8ビットの画像データR、G、Bをプリンタの色域内のデータR、G、Bに変換するデータ変換を行う。後段処理J0003は、上記色域のマッピングがなされたデータR、G、Bに基づき、このデータが表す色を再現するインクの組み合わせ、すなわちイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、グリーン、淡シアン及び淡マゼンタに対応した色分解データY、M、C、K、G、LC及びLMを求める処理を行う。本実施形態では、この処理は前段処理と同様3次元LUTに補間演算を併用して行う。γ補正J0004は、後段処理J0003によって求められた色分解データの各色のデータごとにその階調値変換を行う。具体的には、本システムで用いるプリンタの各色インクの階調特性に応じた1次元LUTを用いることにより、上記色分解データがプリンタの階調特性に線形的に対応づけられるような変換を行う。ハーフトーニングJ0005は、8ビットの色分解データY、M、C、K、G、LC及びLMそれぞれについて4ビットのデータに変換する量子化を行う。本実施形態では、誤差拡散法を用いて8ビットデータを4ビットデータに変換する。この4ビットデータは、記録装置におけるドット配置のパターン化処理における配置パターンを示すためのインデックスとなるデータである。最後に、印刷データ作成処理J0006によって、上記4ビットのインデックスデータを内容とする印刷イメージデータに印刷制御情報を加えた印刷データを作成する。尚、上述したアプリケーション及びプリンタドライバの処理は、それらのプログラムに従ってCPUにより行われる。その際、プログラムはROMもしくはハードディスクから読み出されて用いられ、又、その処理実行に際してRAMがワークエリアとして用いられる。
記録装置は、データ処理に関してドット配置パターン化処理J0007及びマスクデータ変換処理J0008を行う。ドット配置パターン化処理J0007は、実際の印刷画像に対応する画素ごとに、印刷イメージデータである4ビットのインデックスデータ(階調値情報)に対応したドット配置パターンに従ってドット配置を行う。このように、4ビットデータで表現される各画素に対し、その画素の階調値に対応したドット配置パターンを割当てることで、画素内の複数のエリア各々にドットのオン・オフが定義され、そして1画素内の各エリアに「1」又は「0」の吐出データが配置される。このようにして得られる1ビットの吐出データはマスクデータ変換処理J0008によってマスク処理がなされる。すなわち、記録ヘッドによる所定幅の走査領域の記録を複数回の走査で完成するための各走査の吐出データを、それぞれの走査に対応したマスクを用いた処理によって生成する。走査ごとの吐出データY、M、C、K、G、LC及びLMは、適切なタイミングでヘッド駆動回路J0009に送られ、これにより、記録ヘッドJ0010が駆動されて吐出データに従ってそれぞれのインクが吐出される。尚、記録装置における上述のドット配置パターン化処理やマスクデータ変換処理は、それらに専用のハードウエア回路を用い記録装置の制御部を構成するCPUの制御の下に実行される。尚、これらの処理がプログラムに従ってCPUにより行われてもよく、又、上記処理がPCにおける例えばプリンタドライバによって実行されるものでもよく、本発明を適用する上でこれら処理の形態が問われないことは明らかである。
尚、本実施形態では、記録剤としてインクを用いる画像形成装置について説明するが、オフセット印刷方法、グラビア印刷方法、電子写真印刷方法などによる画像形成装置、例えばトナーなどの他の記録剤を用いるプリンタ、複写機などに対してもインクに固有の説明を除いて本発明を適用できること明らかである。
<画像形成装置の機構部の概略構成>
本実施形態で画像形成装置として用いるインクジェット記録装置の機構部の概略構成を説明する。本実施形態における記録装置本体は、各機構の役割から、給紙部、用紙搬送部、キャリッジ部、排紙部、クリーニング部及びこれらを保護し、意匠性を持たす外装部から構成されている。以下、これらの概略を説明していく。
図4は、本実施形態で適用する記録装置の斜視図である。又、図5及び図6は、記録装置本体の内部機構を説明するための図であり、図5は右上部からの斜視図、図6は記録装置本体の側断面図をそれぞれ示したものである。
本実施形態で適用する記録装置において給紙を行う際には、まず給紙トレイM2060を含む給紙部において記録媒体の所定枚数のみが給紙ローラM2080と分離ローラM2041から構成されるニップ部に送られる。送られた記録媒体はニップ部で分離され、最上位の記録媒体のみが搬送される。用紙搬送部に送られた記録媒体は、ピンチローラホルダM3000及びペーパーガイドフラッパーM3030に案内されて、搬送ローラM3060とピンチローラM3070とのローラ対に送られる。搬送ローラM3060とピンチローラM3070とからなるローラ対は、LFモータE0002の駆動により回転され、この回転により記録媒体がプラテンM3040上を搬送される。
キャリッジ部では記録媒体に画像形成する場合、記録ヘッドH1001(図7)を目的の画像形成位置に配置させ、電気基板E0014からの信号に従って、記録媒体に対しインクを吐出する。記録ヘッドH1001についての詳細な構成は後述するが、本実施形態の記録装置においては、記録ヘッドH1001により記録を行いながらキャリッジM4000が列方向に走査する記録主走査と、搬送ローラM3060により記録媒体が行方向に搬送される副走査とを交互に繰り返すことにより、記録媒体上に画像を形成していく構成となっている。
最後に画像形成された記録媒体は、排紙部で第1の排紙ローラM3110と拍車M3120とのニップに挟まれ、搬送されて排紙トレイM3160に排出される。
尚、クリーニング部において、画像記録前後の記録ヘッドH1001をクリーニングする目的のために、キャップM5010を記録ヘッドH1001のインク吐出口に密着させた状態で、ポンプM5000を作用させると、記録ヘッドH1001から不要なインク等が吸引されるようになっている。又、キャップM5010を開けた状態で、キャップM5010に残っているインクを吸引することにより、残インクによる固着及びその後の弊害が起こらないように配慮されている。
(記録ヘッド構成)
以下に本実施形態で適用するヘッドカートリッジH1000の構成について説明する。
本実施形態におけるヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッドH1001と、インクタンクH1900を搭載する手段、及びインクタンクH1900から記録ヘッドにインクを供給するための手段を有しており、キャリッジM4000に対して着脱可能に搭載される。
図7は、本実施形態で適用するヘッドカートリッジH1000に対し、インクタンクH1900を装着する様子を示した図である。本実施形態の記録装置は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、第4、淡シアン、及び淡マゼンタの7色のインクによって画像を形成し、従ってインクタンクH1900も7色分が独立に用意されている。そして、図に示すように、それぞれがヘッドカートリッジH1000に対して着脱自在となっている。尚、インクタンクH1900の着脱は、キャリッジM4000にヘッドカートリッジH1000が搭載された状態で行えるようになっている。
図8は、ヘッドカートリッジH1000の分解斜視図を示したものである。図において、ヘッドカートリッジH1000は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101、第1のプレートH1200、第2のプレートH1400、電気配線基板H1300、タンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルタH1700、シールゴムH1800などから構成されている。
第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101はSi基板であり、その片面にインクを吐出するための複数の記録素子(ノズル)がフォトリソ技術により形成されている。各記録素子に電力を供給するAl等の電気配線は、成膜技術により形成されており、個々の記録素子に対応した複数のインク流路も又、フォトリソグラフィ技術により形成されている。さらに、複数のインク流路にインクを供給するためのインク供給口が裏面に開口するように形成されている。
図9は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101の構成を説明するための正面拡大図である。H2000〜H2600は、それぞれ異なるインク色に対応する記録素子の列(以下ノズル列ともいう)であり、第1の記録素子基板H1100には、シアンインクの供給されるノズル列H2000、マゼンタインクの供給されるノズル列H2100、及びイエローインクの供給されるノズル列H2200の3色分のノズル列が構成されている。第2の記録素子基板H1101には、ブラックインクの供給されるノズル列H2300、第4のインクの供給されるノズル列H2400、淡シアンのインクの供給されるノズル列H2500、及び淡マゼンタのインクの供給されるノズル列H2600の4色分のノズル列が構成されている。
各ノズル列は、記録媒体の搬送方向に1200dpi(dot/inch;参考値)の間隔で並ぶ768個のノズルによって構成され、約2ピコリットルのインク滴を吐出させる。各ノズル吐出口における開口面積は、およそ100平方μm2に設定されている。又、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101は第1のプレートH1200に接着固定されており、ここには、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101にインクを供給するためのインク供給口H1201が形成されている。
さらに、第1のプレートH1200には、開口部を有する第2のプレートH1400が接着固定されており、この第2のプレートH1400は、電気配線基板H1300と第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101とが電気的に接続されるように、電気配線基板H1300を保持している。
電気配線基板H1300は、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101に形成されている各ノズルからインクを吐出するための電気信号を印加するものであり、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101に対応する電気配線と、この電気配線端部に位置し記録装置本体からの電気信号を受け取るための外部信号入力端子H1301とを有している。外部信号入力端子H1301は、タンクホルダーH1500の背面側に位置決め固定されている。
一方、インクタンクH1900を保持するタンクホルダーH1500には、流路形成部材H1600が例えば超音波溶着により固定され、インクタンクH1900から第1のプレートH1200に通じるインク流路H1501を形成している。
インクタンクH1900と係合するインク流路H1501のインクタンク側端部には、フィルタH1700が設けられており、外部からの塵埃の侵入を防止し得るようになっている。又、インクタンクH1900との係合部にはシールゴムH1800が装着され、係合部からのインクの蒸発を防止し得るようになっている。
さらに、前述のようにタンクホルダーH1500、流路形成部材H1600、フィルタH1700及びシールゴムH1800から構成されるタンクホルダー部と、第1の記録素子基板H1100及び第2の記録素子基板H1101、第1のプレートH1200、電気配線基板H1300及び第2のプレートH1400から構成される記録ヘッド部H1001とを、接着等で結合することにより、ヘッドカートリッジH1000が構成されている。
尚、記録ヘッドのインク吐出方式としては、例えば、インクを吐出するために利用されるエネルギーとして、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じさせるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体(記録素子)を用いたものを挙げることができる。この方式は、所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液流路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長・収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましいと言える。
又、他の吐出方式による記録ヘッドの形態としては、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出させるオンデマンドインクジェット記録ヘッドを挙げることができる。
又、インクジェット記録装置としては、上述のようにヘッドとインクタンクとが別体となったものに限らず、それらが分離不能に一体になったものを用いるものでもよい。又、インクタンクとしてはヘッドに対し分離可能又は分離不能に一体化されてキャリッジに搭載されるもののほか、装置の固定部位に設けられて、インク供給部材、例えばチューブを介して記録ヘッドにインクを供給する形態のものでもよい。さらに、記録ヘッドに対し好ましい負圧を作用させるための構成をインクタンクに設ける場合には、インクタンクのインク収納部に吸収体を配置した形態、あるいは可撓性のインク収容袋とこれに対しその内容積を拡張する方向の付勢力を作用するばね部とを有した形態などを採用することができる。
又、記録装置としては、上述のようにシリアル記録方式を採るもののほか、記録媒体の全幅に対応した範囲にわたって記録素子を整列させてなるラインプリンタの形態をとるものであってもよい。
<インク>
本発明に用いられるインクの色材としては、一般的に用いられている染料や顔料などの公知の色材であっても、新規に合成された色材であっても、本発明の範囲内で適宜選択して用いることができる。特に本発明の形態としては、色材として少なくとも染料を用いることが好ましい。染料はインク中に分子レベルで溶解しているために、近年フォト出力に多用される光沢紙や光沢フィルムなどの光沢媒体に対し本発明に従ってインクを付与した際に、色材がインク受容層内で定着し、媒体表面の記録部分と非記録部分の表面状態が維持されるために光沢感が失われず、銀塩写真のポジティブフィルムに匹敵する高い質感を有する画像を形成することができるために好ましい形態である。
インク中に含有させる色材の含有量としては、インク全質量に対して0.1〜15質量%とすることが好ましい。又、インク中に含有させる色材は単独でも、あるいは2種以上を混合して用いることも可能である。又、第4のインクに用いる色材についても、単独の色材、類似の色相を持つ2種以上の色材を混合したもの、あるいはイエロー及びシアンの色相を持つ色材を混合したもの等、本発明の範囲内で適宜選択して用いることができる。
ただし、イエロー、マゼンタ、シアン、第4のインクを、記録媒体に記録した際の色が上記した条件1〜条件2を満たすような、色材及びインク組成にすることが本発明の特徴である。
これら条件を満たす上で特に好ましい形態としては、本発明ではイエロー、マゼンタ及びシアン用色材として染料、とりわけ酸性染料や直接染料を用いることが好ましい。とりわけ酸性染料や直接染料は、普通紙、あるいは光沢紙、コート紙、光沢フィルムと呼ばれるような、表面にコート層あるいはインク受容層を有する特殊媒体等、各種の記録媒体で良好な発色を得ることができるため、本発明に好適に用いることができる。
(イエロー、マゼンタ及びシアンインク)
下記に、本発明に用いることのできるイエロー、マゼンタ及びシアン用色材の一例として酸性染料及び直接染料の具体例を色調別に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
・イエローインク用の色材
C.I.ダイレクトイエロー:8、11、12、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、89、98、100、110、132、173等 C.I.アシッドイエロー:1、3、7、11、17、23、25、29、36、38、40、42、44、76、98、99等
この他、国際公開第99/43754号パンフレット、国際公開第02/081580号パンフレットに記載されている構造の化合物等。
・マゼンタインク用の色材
C.I.ダイレクトレッド:2、4、9、11、20、23、24、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、228、229、230等
C.I.アシッドレッド:6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、42、51、52、80、83、87、89、92、106、114、115、133、134、145、158、198、249、265、289等
C.I.フードレッド:87、92、94等
C.I.ダイレクトバイオレット107等
この他、特開2003−49100号公報、特開2002−371214号公報、特開2002−309133号公報、特開2002−309116号公報、特開2002−309115号公報に記載されている構造の化合物等
・シアンインク用の色材
C.I.ダイレクトブルー:1、15、22、25、41、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226、307等
C.I.アシッドブルー:1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、100、102、104、112、117、127、138、158、161、203、204、221、244等
この他、特開2002−327132号公報、特開2002−302623号公報、特開2002−294097号公報、国際公開第02/088256号パンフレットに記載されている構造の化合物等。
又、上記した染料のうち、良好な色再現性が得られるだけでなく、インクジェット記録装置にかかる信頼性、例えば、記録ヘッドの難目詰り性、インク液媒体への溶解性、インクの保存安定性などを十分に得ることができるため、特に、イエロー用としてアシッドイエロー17、23、ダイレクトイエロー86、132、173、国際公開第99/43754号パンフレット、国際公開第02/081580号パンフレットに記載の化合物、又マゼンタ用としてアシッドレッド52、289、ダイレクトバイオレット107、特開2003−49100号公報、特開2002−371214号公報、特開2002−309133号公報、特開2002−309116号公報、特開2002−309115号公報に記載の化合物、一般式(I)、遊離酸の形で一般式(II)で表される染料、さらにシアン用としてダイレクトブルー199、アシッドブルー9、特開2002−327132号公報、特開2002−302623号公報、特開2002−294097号公報、国際公開第02/088256号パンフレットに記載の化合物を好適に用いることができる。
(第4のインク)
次に、本発明に用いることのできる、第4のインクに用いる色材の具体例を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。又、第4のインクに用いる色材としては、以下に例示する色材に、例えば調色等のために前記したイエロー、シアン用色材を混合して用いることもできる。あるいは、第4のインク用色材として、前記したイエロー、シアン色材の混合物を適切に混合して用いることもできる。
・第4のインク用の色材
C.I.アシッドグリーン1、3、5、6、9、12、15、16、19、21、25、28、81、84等
C.I.ダイレクトグリーン26、59、67等
C.I.フードグリーン3等
C.I.リアクティブグリーン5、6、12、19、21等
C.I.ディスパースグリーン6、9等
(淡インク)
淡インクすなわち淡シアンLC及び淡マゼンタLMの色材としては、一般的に用いられている染料や顔料などの公知の色材であっても新規に合成された色材であっても、適宜選択して用いることができる。
(ブラックインク)
以下に、ブラック用色材の具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
・ブラックインク用の色材
C.I.ダイレクトブラック:17、19、22、31、32、51、62、71、74、112、113、154、168、195等
C.I.アシッドブラック:2、48、51、52、110、115、156等
C.I.フードブラック1、2等
カーボンブラック等
この他、国際公開第00/43451号パンフレットに記載されている構造の化合物等。
カーボンブラックとしては例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料で、例えば、レイヴァン(Raven)7000、レイヴァン5750、レイヴァン5250、レイヴァン5000、レイヴァン3500、レイヴァン2000、レイヴァン1500、レイヴァン1250、レイヴァン1200、レイヴァン1190ULTRA−II、レイヴァン1170、レイヴァン1255(以上コロンビア製)、ブラックパールズ(Black Pearls)L、リーガル(Regal)400R、リーガル330R、リーガル660R、モウグル(Mogul)L、モナク(Monarch)700、モナク800、モナク880、モナク900、モナク1000、モナク1100、モナク1300、モナク1400、ヴァルカン(Valcan)XC−72R(以上キャボット製)、カラーブラック(Color Black)FW1、カラーブラックFW2、カラーブラックFW2V、カラーブラックFW18、カラーブラックFW200、カラーブラックS150、カラーブラックS160、カラーブラックS170、プリンテックス(Printex)35、プリンテックスU、プリンテックスV、プリンテックス140U、プリンテックス140V、スペシャルブラック(SpecialBlack)6、スペシャルブラック5、スペシャルブラック4A、スペシャルブラック4(以上デグッサ製)、No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上三菱化学製)等を使用することができる。又、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子やチタンブラック等を黒色顔料として用いても良い。
(分散剤)
上記した顔料を用いる場合には分散剤を併用することが好ましい。分散剤としては、アニオン性基の作用によって上記の顔料を水性媒体に安定に分散させることのできるものが好適に用いられる。分散剤の具体例は、例えばスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体あるいはこれらの塩等が含まれる。又これらの分散剤は、重量平均分子量が1000〜30000の範囲のものが好ましい。
(自己分散型顔料)
色材として、顔料表面にイオン性基(アニオン性基)を結合させることによって分散剤なしで水性媒体に分散させることのできる顔料、いわゆる自己分散型顔料を用いることもでき、このような顔料の一例として例えば、自己分散型カーボンブラックを挙げることができる。自己分散型カーボンブラックとしては、例えばアニオン性基がカーボンブラック表面に結合したものを挙げることができる。
本発明に用いられるインクは、上記した色材を、本発明に係る画像形成方法や画像形成装置で好適に用いられる形態、例えば粉体,水溶液等に、各種画像形成方法や画像形成装置で一般的に用いられる手法を用いて加工して用いることができる。一例として、本発明に係るインクジェット記録装置に用いるインクについて述べる。
(水性媒体)
本発明に係るインクジェット記録装置に用いられるインクは、水を主体とする水性媒体に本発明に用いられる色材を溶解あるいは分散させて用いるのが一般的である。この水性媒体としては、水単独、あるいは水と水溶性有機溶剤を含むものが利用できる。
この水溶性有機溶剤としては、水溶性を示すものであれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒、尿素類、糖類及びこれらの誘導体など、一般的にインクジェット用インクの溶剤として用いられているものであれば、問題なく使用することができる。これらの溶剤はインクの保湿性維持や色材の溶解性、分散性の向上、インクの記録紙への浸透剤などの用途として用いられる。又、これらの溶剤は単独でも複数を組み合わせて用いることもできる。
水溶性有機溶剤の含有量は、一般にはインク全体の1〜50質量%の範囲が好ましく、より好ましくは3〜40質量%の範囲である。又、インク中の水の含有量は、染料の溶解性やインクの吐出安定性を良好に保つために、30〜95質量%の範囲が好ましい。
(添加剤)
さらに本発明のインクには上記成分以外にも必要に応じて界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマー等、種々の添加剤を含有させてもよい。
例えば界面活性剤としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、アセチレンアルコール、アセチレングリコール等の非イオン性界面活性剤があり、これらの1種又は2種以上を適宜選択して使用できる。上記した中でも、特にアセチレンアルコール類や、アセチレングリコール類が普通紙への浸透性に優れた効果を発揮するために好適に用いることができる。その使用量は、界面活性剤の種類により異なるが、インク全量に対して、0.01〜5質量%が好ましい。この際、インクの25℃における表面張力は10mN/m(dyn/cm)以上が好ましく、より好ましくは20mN/m以上となるように、又表面張力が60mN/m以下となるように活性剤の添加する量を決定することが好ましい。なぜなら、本発明で使用するインクジェット記録方式においては、ノズル先端の濡れによるいわゆる印字ヨレ(インク滴の着弾点のズレ)等の発生を有効に抑えることができるからである。
又、インクはインクジェット記録装置で良好な吐出特性を得るために、所望の粘度やpHを有するように調整することが好ましい。
<記録媒体>
本発明に用いることのできる記録媒体としては、普通紙、あるいは光沢紙、コート紙、光沢フィルムと呼ばれるような、表面にコート層あるいはインク受容層を有する特殊媒体等、一般的に用いられている記録媒体を用いることができる。これらの中でも、より鮮やかさ、コントラスト、透明感の高い画像が得られる記録媒体の一例として、基材上に親水性の多孔質粒子層、多孔質高分子層等を有する特殊媒体を挙げることができる。
本発明で用いられる記録媒体としての特殊媒体の例をさらに詳述すると、染料や顔料などの色材をインク受容層内の親水性多孔質構造を形成する微粒子に吸着させて、少なくともこの吸着した色材によって画像が形成される記録媒体であり、インクジェット法を利用する場合には特に好適である。このような記録媒体としては支持体上のインク受容層に形成された空隙によりインクを吸収するいわゆる吸収タイプであることが好ましい。
吸収タイプのインク受容層は、微粒子を主体とし、必要に応じてバインダーやその他の添加剤を含有する親水性多孔質層として構成される。微粒子の例としては、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、カオリン、アルミナあるいはアルミナ水和物等の酸化アルミニウム、珪藻土、酸化チタン、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛等の無機顔料や尿素ホルマリン樹脂、エチレン樹脂、スチレン樹脂等の有機顔料が挙げられ、これらの1種以上が使用される。
バインダーとして好適に使用されているものには水溶性高分子やラテックスを挙げることができる。例えば、ポリビニルアルコール又はその変性体、澱粉又はその変性体、ゼラチン又はその変性体、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロオイルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテックス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸又はその共重合体、アクリル酸エステル共重合体などが使用され、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いることができる。その他、添加剤を使用することもでき、例えば、必要に応じて分散剤、増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性剤、消泡剤、離型剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが使用される。
上記実施例は、拡張色空間対応としてグリーンインクを追加したものであるが、グリーンインクを追加する目的としてポジフィルムの広い色空間を再現するという用途もある。
図10はインクジェット記録装置及びポジティブフィルムの色再現域をCIE−Lにおけるa平面上にプロットした図である。同図において、ソリッドで示されたものがインクジェットプリンタの色再現域であり、ポイントで示されたものがポジフィルムの色再現域を示している。同図から明らかなように、ポジフィルムの色再現をより効果的に出力するためには、上記実施例の第4のインクに代えて最大彩度の色相角がa平面において100〜130度である第5のインクを用いることが好ましい。このインクの最大彩度の色相角は前述した染料を適宜選択することや、シアンとイエローを適宜混合して実現することができる。
従って用途が拡張色空間対応かポジフィルムの再現の対応かに応じて、第4と第5のインクを交換して装着し、使用することによって、各用途に最適な色空間の再現が可能となる。
本発明において基本的に採用されるインク色の選択ないし設計条件を説明するための明度と彩度との関係を模式的に示した図である。 本発明において基本的に採用されるインク色の色再現領域とAdobeRGBの色再現領域との関係を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態にかかるプリントシステムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態における記録装置の斜視図である。 本発明の実施形態における記録装置の機構部の斜視図である。 本発明の実施形態における記録装置の断面図である。 本発明の実施形態で適用したヘッドカートリッジにインクタンクを装着した状態を示した斜視図である。 本発明の実施形態で適用したヘッドカートリッジの分解斜視図である。 本発明の実施形態で適用したヘッドカートリッジにおける記録素子基板を示す正面図である。 第2の実施例においてインクジェットプリンタの色再現域とポジフィルムの色再現域の関係を示した図である。
符号の説明
J0001 アプリケーション
J0002 前段処理
J0003 後段処理
J0004 γ補正
J0005 ハーフトーニング
J0006 印刷データの作成処理
J0007 ドット配置パターン化処理
J0008 マスクデータ変換処理
J0009 ヘッド駆動回路
J0010 記録へッド
M2041 分離ローラ
M2080 給紙ローラ
M3000 ピンチローラホルダ
M3040 プラテン
M3060 搬送ローラ
M3070 ピンチローラ
M3110 排紙ローラ
M3120 拍車
M3160 排紙トレイ
M4000 キャリッジ
M5000 ポンプ
M5010 キャップ
E0002 LFモータ
E0014 メイン基板
H1000 ヘッドカートリッジ
H1001 記録ヘッド
H1100 第1の記録素子基板
H1101 第2の記録素子基板
H1200 第1のプレート
H1201 インク供給口
H1300 電気配線基板
H1301 外部信号入力端子
H1400 第2のプレート
H1500 タンクホルダー
H1501 インク流路
H1600 流路形成部材
H1700 フィルタ
H1800 シールゴム
H1900 インクタンク
H2000 シアンノズル列
H2100 マゼンタノズル列
H2200 イエローノズル列
H2300 ブラックノズル列
H2400 第4のインクノズル列
H2500 淡シアンのインクノズル列
H2600 淡マゼンタのインクノズル列

Claims (4)

  1. 少なくともイエローの記録剤、マゼンタの記録剤、シアンの記録剤、第4の記録剤を用い、画素データに基づいて画像形成を行う画像形成方法であって、CIE−Lの色空間上において、前記第4の記録剤で記録媒体上に表現される色が、前記イエローの記録剤と前記シアンの記録剤との組み合わせにより前記記録媒体上に表現される色再現領域よりも明度及び彩度が高く、かつ前記色空間上の最大彩度の色相角が130〜160度であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記画像形成方法においてさらに前記イエローの記録剤と前記シアンの記録剤との組み合わせにより前記記録媒体上に表現される色再現領域よりも明度及び彩度が高く、かつ前記色空間上の最大彩度の色相角が100〜130度である第5の記録剤を有し、画像の種類や印刷目的に応じて前記第4の記録剤と前記第5の記録剤を交換して使用する請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 少なくともイエローの記録剤、マゼンタの記録剤、シアンの記録剤、第4の記録剤を用い、画素データに基づいて画像形成を行う画像形成装置であって、
    CIE−Lの色空間上において、前記第4の記録剤で記録媒体上に表現される色は、前記イエローの記録剤と前記シアンの記録剤との組み合わせにより前記記録媒体上に表現される色再現領域よりも明度及び彩度が高く、かつ前記色空間上の最大彩度の色相角が130〜160度であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記画像形成装置においてさらに前記イエローの記録剤と前記シアンの記録剤との組み合わせにより前記記録媒体上に表現される色再現領域よりも明度及び彩度が高く、かつ前記色空間上の最大彩度の色相角が100〜130度である第5の記録剤を有し、画像の種類や印刷目的に応じて前記第4の記録剤と前記第5の記録剤を交換して使用する請求項3に記載の画像形成装置。
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