JP2006173340A - 露光装置、及び露光方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性に優れるとともに高精度に露光を行うことが可能な、基板と光学系との間に液体を満たして露光を行う液浸露光方式の露光装置を提供する。
【解決手段】本実施の形態の露光装置1は、基板5を保持するための保持手段2、保持手段2に保持された基板5に所定のパターンを投影するための露光光を照射する光学系3、及び保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6に液体7を満たすための液体供給手段4、を備えた露光装置1であって、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6を満たす液体7に対して接地が行われている。
【選択図】図1

Description

本発明は、露光装置、及び露光方法に関する。さらに詳しくは、安全性に優れるとともに高精度に露光を行うことが可能な、基板と光学系との間に液体を満たして露光を行う液浸型露光方式の露光装置、及び露光方法に関する。
半導体素子等を製造するのに際し、フォトマスクとしてのレチクル(マスク)のパターンを、光学系を介して、フォトレジストが塗布された基板、例えば、基板上の各ショット領域に転写するステッパー型、又はステップ・アンド・スキャン方式の露光装置が用いられている。
このような露光装置に用いられる光学系を構成する投影光学系の解像度の理論限界値は、使用する露光波長が短く、投影光学系の開口数が大きいほど高くなる。そのため、集積回路パターンサイズの微細化に伴い露光装置で使用される放射線の波長である露光波長は年々短波長化しており、投影光学系の開口数も増大してきている。
また、露光を行う際には、解像度と同時に焦点深度も重要となる。解像度R及び焦点深度δの理論限界値はそれぞれ以下の式(i)及び(ii)で表される。
R=k1・λ/NA …(i)
δ=k2・λ/NA2 …(ii)
ここで、λは露光波長、k1,k2はプロセス係数であり、NAは投影光学系の開口数であり空気の屈折率を1とした場合、下記式(ii´)で定義される。すなわち同じ解像度Rを得る場合には短い波長を有する放射線を用いたほうが大きな焦点深度δを得ることができる。
NA=sinθ …(ii´)
(但し、θはレジスト表面への露光光の最大入射角)
上述したように、これまでは、露光光源の短波長化、開口数の増大により集積回路の微細化要求に応えてきており、現在では露光光源としてArFエキシマレーザ(波長193nm)を用いた90nm(ハーフピッチ)の量産化が最先端の集積回路では検討されている。
しかしながら、さらに微細化が進んだ次世代の65nm(ハーフピッチ)あるいは45nm(ハーフピッチ)についてはArFエキシマレーザの使用のみによる達成は困難であるといわれている。そこで、これらの次世代技術についてはF2エキシマレーザ(波長157nm)、EUV(波長13nm)等の短波長光源の使用が検討されているが、これらの光源に使用については技術的難易度が高く、現状では使用が困難な状況にある。
ところで、上記の露光技術においては、露光される基板表面にはフォトレジスト膜が形成されており、このフォトレジスト膜にパターンが転写される。従来の露光装置では、基板が配置される空間は、屈折率が1の空気で満たされている。このとき、基板と露光装置の光学系のレンズとの間の空間を屈折率nの媒体で満たした場合、焦点深度は屈折率倍以上に拡大されることが報告されている。また、液体を使うことにより空気の場合では実現できなかったNAの大きな光学系を実現できるために、解像力が向上することが知られている。
このように露光するための光学系のNAを1以上に大きくし、より微細なパターンを転写したり、焦点深度を大きくしたりできる投影露光する方式を液浸型露光方式といい、このような液浸型露光方式を用いた露光装置が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
このような液浸型露光方式の露光装置としては、例えば、特許文献2に記載されているような、露光ビームでマスクを照明し、投影光学系を介してその露光ビームで基板上に露光する投影露光装置において、その投影光学系とその基板との間を満たすように液体を流すとともに、その基板の移動方向に応じてその液体を流す方向を変化させる液体供給装置を備えた投影露光装置を挙げることができる。
特開平10−303114号公報 国際公開第99/49504号パンフレット 特開2004−207711号公報
しかしながら、このような液浸型露光方式の露光装置においては、実効波長を短波長化し、より微細なパターンを転写することは可能であるが、露光時において基板が常時液体と接触しているため、液体や基板上に静電気が帯電してしまう。このため、帯電した静電気が液体の中のイオン物質の分布に影響を与え露光に悪影響を与えたり、また、例えば、液体として可燃性の物質を用いた場合に、帯電した静電気によって火花が発生すると液体が引火する恐れがあるという問題があった。
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、安全性に優れるとともに高精度に露光を行うことが可能な、基板と光学系との間に液体を満たして露光を行う液浸型露光方式の露光装置、及び露光方法を提供する。
本発明によれば、以下の露光装置、及び露光方法が提供される。
[1]基板を保持するための保持手段、前記保持手段に保持された前記基板に所定のパターンを投影するための露光光を照射する光学系、及び前記保持手段に保持された前記基板と前記光学系との間の空間に液体を満たすための液体供給手段を備えた露光装置であって、前記保持手段に保持された前記基板と前記光学系との間の前記空間を満たす前記液体に対して電気的な接地が行われている露光装置(以下、「第一の発明」ということがある)。
[2]前記液体供給手段が、前記保持手段に保持された前記基板と前記光学系との間の前記空間に前記液体を供給する液体供給部と、前記空間に供給した前記液体を回収する液体回収部とを有し、前記液体供給部と前記液体回収部との少なくとも一方にアースが配設されて、前記液体に対して電気的な接地が行われている前記[1]に記載の露光装置。
[3]前記保持手段に保持された前記基板と前記光学系との間の前記空間にアースが配設されて、前記液体に対して電気的な接地が行われている前記[1]又は[2]に記載の露光装置。
[4]前記液体が有機溶媒である前記[1]〜[3]のいずれかに記載の露光装置。
[5]前記保持手段に保持された前記基板に対して、さらに電気的な接地が行われている前記[1]〜[4]のいずれかに記載の露光装置。
[6]前記保持手段及び/又は前記光学系に対して、さらに電気的な接地が行われている前記[1]〜[5]のいずれかに記載の露光装置。
[7]前記露光装置内において、少なくとも前記液体の揮発成分が存在する領域における可動部分において電気的な接地が行われている前記[1]〜[6]のいずれかに記載の露光装置。
[8]保持手段に保持された前記基板と、前記保持手段に保持された前記基板に所定のパターンを投影するための露光光を照射する光学系と、の間の空間に液体を満たし、前記液体を介して前記基板を露光する露光方法であって、前記保持手段に保持された前記基板と前記光学系との間の前記空間を満たす前記液体に対して電気的な接地を行う露光方法(以下、「第二の発明」ということがある)。
[9]前記保持手段に保持された前記基板と前記光学系との間の前記空間に前記液体を満たすための液体供給手段にアースを配設して、前記液体に対して電気的な接地を行う前記[8]に記載の露光方法。
[10]前記保持手段に保持された前記基板と前記光学系との間の前記空間にアースを配設して、前記液体に対して電気的な接地を行う前記[8]又は[9]に記載の露光方法。
[11]前記液体として有機溶媒を用いる前記[8]〜[10]のいずれかに記載の露光方法。
[12]前記保持手段に保持された前記基板に対して、さらに電気的な接地を行う前記[8]〜[11]のいずれかに記載の露光方法。
[13]前記保持手段及び/又は前記光学系に対して、さらに電気的な接地を行う前記[8]〜[12]のいずれかに記載の露光方法。
[14]前記基板と前記光学系との間の前記空間近傍の、少なくとも前記液体の揮発成分が存在する領域において電気的な接地を行う前記[8]〜[13]のいずれかに記載の露光方法。
本発明の露光装置、及び露光方法によれば、液体供給手段により保持手段に保持された基板と光学系との間の空間を満たす液体に対して電気的な接地が行われているため、安全かつ高精度に露光を行うことができる。
以下、本発明(第一及び第二の発明)の実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜、変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
図1は、本発明(第一の発明)の露光装置の一の実施の形態の構成を模式的に示す説明図である。図1に示すように、本実施の形態の露光装置1は、基板5を保持するための保持手段2、保持手段2に保持された基板5に所定のパターンを投影するための露光光を照射する光学系3、及び保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6に液体7を満たすための液体供給手段4、を備えた露光装置1であって、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6を満たす液体7に対して電気的な接地が行われている露光装置1である。本実施の形態の露光装置1においては、液体7にアース8(例えば、アース線)を接続して電気的な接地を行っている。なお、ここでいう基板5は、露光光が照射される側の表面にフォトレジスト膜や上層膜(トップコート膜)等が配設されたものを含む。
本実施の形態の露光装置1は、フォトレジスト膜や上層膜が表面に配設された基板5を保持手段2で保持し、所定のパターンを投影するための露光光を光学系3から照射して基板5を現像することにより、基板5上に所定のレジストパターンを形成するための露光装置1であり、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6に液体7を満たすための液体供給手段4を備えた、所謂、液浸型露光方式の露光装置1である。この液浸型露光方式の露光装置1は、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6に空気を満たして露光する場合と比較して、基板5表面における焦点深度をn倍にすることができる(但し、nは液体7の屈折率)。
図1に示すように、本実施の形態の露光装置1においては、例えば、液体7が流動することにより発生する静電気がアース8によって外部に放出されるため、静電気が液体7中に帯電するのを有効に防止することができる。このため、露光時における静電気の影響を除去することができ、高精度な露光を実現することができる。また、可動部分の接触などによる火花等の発生も防止されるため、例えば、液体7として有機溶媒等の引火点の低い、揮発性のある物質を用いたとしても安全に露光を行うことができる。例えば、従来の露光装置においては、ウェーハを受け渡しする際に絶縁された材料同士が触れた場合に、静電気の火花が発生することがある。本実施の形態の露光装置1は、装置内において大幅な静電気防止が実現されて、液体7近傍に配設された可動部分においても火花の発生を抑制することが可能であり、安全に露光を行うことができる。なお、本実施の形態の露光装置1においては、このような可動部分自体にもさらに電気的な接地を行うことにより、安全性をさらに向上させることができる。
本実施の形態の露光装置1においては、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6に液体7を満たす方法については特に制限はなく、例えば、mooving pool法、seimming stage法、Local Fill法(局所液浸方式)を用いることができるが(特別セミナー液浸露光技術(2004年5月27日開催)セミナーテキスト参照)、図1に示すような局所液浸方式を用いた露光装置1は、使用する液体7の量が少なくてすむため、特に好適に用いることができる。
また、本実施の形態の露光装置1は、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6を満たす液体7に対して間接的に電気的な接地が行われていてもよく、例えば、露光装置1において、液体7の一部と接触し、かつ導電性を有する部位に対して電気的な接地が行われていてもよい。本実施の形態の露光装置1において、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6とは、より具体的には、保持手段2に保持された基板5と、光学系3を構成する投影光学系13の先端部との間の空間6のことである。
上述したように本実施の形態の露光装置1は、液体7が流れることによる静電気の発生を抑えるとともに、露光装置1内部の可動部分などの存在による静電気による火花等の発生が有効に防止されることから、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6を満たす液体7が引火点の低い、又は揮発性のある有機溶媒である場合に好適に用いることができる。現在、空間6を満たす液体7としては、主に純水が検討されているが、露光するパターンの微細化がより進行することにより、露光光の露光波長において高い透過率を有し、かつ純水と比較して十分屈折率の高い液体を用いる必要がある。このような要求を満たす液体の一つとして有機溶媒を挙げることができるが、有機溶媒は引火点が低く、揮発性を有する物質もあることから、例えば、液体7が存在する、又は揮発した雰囲気の存在する領域に静電気による火花が発生すると、露光装置1内で液体7が引火して燃焼してしまうという問題があった。本実施の形態の露光装置1においては、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6を満たす液体7に対して電気的な接地が行われているため、例えば、上述したように液体7として有機溶媒を用いたとしても、安全に精度よく露光を行うことができる。
本実施の形態の露光装置1においては、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6を満たす液体7に対する電気的な接地の方法については特に制限ないが、例えば、図1に示すように、液体供給手段4が、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6に液体7を供給する液体供給部14と、空間6に供給した液体7を回収する液体回収部15とを有する場合には、この液体供給部14と液体回収部15との少なくとも一部にアース8が配設されて、液体7に対して電気的な接地が行われていることが好ましい。より具体的には、液体供給手段4を構成する液体供給部14や液体回収部15が、液体7を貯留するための供給タンク21や回収タンク22等を有している場合には、この供給タンク21や回収タンク22の内部にアースが配設されて、液体7に対して電気的な接地が行われていてもよいし、また、液体供給手段4を構成する液体供給部14や液体回収部15が、液体7が移動するための供給流路23や回収流路24を有する場合には、この供給流路23や回収流路24の内部にアースが配設されて、液体7に対して電気的な接地が行われていてもよい。また、例えば、空間6に液体7を供給する供給流路23の先端部が細くなりノズル状になっている場合や、空間6を通過した液体7を回収する回収流路24の先端部が広くなりノズル状になっている場合には、このようなノズル状になった供給流路23や回収流路24の先端部にアースが配設されていてもよい。また、光学系3を構成する投影光学系13の先端部分の開口した領域を囲むような領域において接地が行われるように構成されていてもよい。
また、上述したように、液体供給手段4の液体供給部14や液体回収部15にアース8が配設されるのではなく、例えば、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6にアース8が配設されて、液体7に対して電気的な接地が行われていてもよい。本実施の形態の露光装置1においては、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6に、液体供給手段4によって液体7を通過させるため、この空間6において液体7の電気的な接地を行うことも可能である。保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6に液体7を通過させる液浸型露光方式の露光装置1においては、より高精度に露光を行うことができるように、空間6に均一となるように液体7を通過させるため、この空間6の一部にアースが配設されることにより、液体7全体に対する電気的な接地が行われる。なお、このように空間6にアース8が配設される場合には、実際に露光を行う領域よりも広い領域に対して液体7を通過させて、実際の露光には影響のない部位にアース8が配設されることが好ましい。
また、図示は省略するが、本実施の形態の露光装置を、液体が満たされた液体供給手段に基板を浸漬させて露光を行う、上述したmooving pool法や、seimming stage法を用いた液浸型露光方式の露光装置である場合には、液体が満たされた液体供給手段の一部において電気的な接地を行うことにより、液体全体に対しての電気的な接地を行うことも可能である。
なお、本実施の形態の露光装置1における液体7に対する電気的な接地の方法については、上述したような、液体供給手段4の一部にアース8を接続する方法や、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6を通過中の液体7にアース8を接続する方法に限定されることはない。
また、本実施の形態の露光装置1に使用する液体7として有機系の液体(有機溶媒)を使用した際には、その液体7の揮発性が高い場合がある。そのような場合は、揮発した液体成分が露光装置1内に拡散していく可能性がある。そこで、液体7の流れる領域ばかりでなく、液体7が揮発した成分が拡散できる領域においても静電気の発生を防止することが好ましい。すなわち、例えば、図2に示す露光装置1のように、ウェーハの受け渡しの部分やロボットアームなどの可動部分25の電気的な接地を十分に行うことがこのような揮発性の液体を使用する上で重要である。ここで、図2は、本発明(第一の発明)の露光装置の他の実施の形態の構成を模式的に示す説明図である。なお、図1に示す露光装置を構成する各要素と同様のものについては、同一の符号を付して説明を省略する。
図1に示すような本実施の形態の露光装置1は、液体7が有機溶媒である場合において好適に用いることができると説明したが、特に好ましい液体7としては、例えば、露光装置1が作動する温度領域において液体であり、脂環式炭化水素化合物又は珪素原子を環構造中に含む環式炭化水素化合物であることが好ましい。さらに、このような脂環式炭化水素化合物又は珪素原子を環構造中に含む環式炭化水素化合物は、波長193nmの光路長1mmにおける光の透過率が90%以上、波長193nmにおける液体の屈折率が1.6以上であることが好ましい。このような液体は、純水と比較して屈折率が大きく、かつ純水並みの優れた透過性を有し、より解像度及び焦点深度の優れた露光を実現することができる。
このような脂環式炭化水素化合物又は珪素原子を環構造中に含む環式炭化水素化合物としては、例えば、候補としてデカリンなどを挙げることができる。デカリンは波長193nmで屈折率1.64(温度23℃の場合)で、液体の厚み1mmでの透過率は97%以上を実現できる液体である。
これまで、本実施の形態の露光装置1は、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6を満たす液体7に対して電気的な接地が行われたものであるということについて説明してきたが、本実施の形態の露光装置1においては、保持手段2に保持された基板5に対して、さらに電気的な接地が行われたものであってもよい。例えば、図1に示す露光装置1を用いて、実際に基板5に対して露光を行う際には、保持手段2に保持された基板5上に常時液体7を通過させる。このため、保持手段2に保持された基板5に対して、さらに電気的な接地を行うことにより、液体7に帯電する静電気を除去する効果を向上させることができるとともに、基板5自体に帯電する静電気も除去することができ、さらに安全かつ高精度に露光を行うことができる。例えば、基板5がシリコンウェーハの場合は、基板5を保持するステージ18を電気的に接地しておく。
さらに、本実施の形態の露光装置1においては、液体7の比較的近くに配設される保持手段2及び/又は光学系3に対して、さらに電気的な接地が行われたものであってもよい。例えば、保持手段2や光学系3は、位置決め等の駆動により静電気が発生したり、液体7で発生した静電気が流れ込むことにより帯電することがある。上述したように保持手段2や光学系3は、液体7の比較的近くに配設されるため、この保持手段2や光学系3に帯電した静電気が露光に悪影響を与えたり、保持手段2や光学系3の周辺で火花が発生した場合には液体7に飛び移る可能性もある。このため安全性の向上及び露光の高精度化の観点からは、保持手段2及び/又は光学系3に対して、さらに電気的な接地が行われたものであることが好ましい。なお、本実施の形態の露光装置1においては、露光装置1が保持手段2及び光学系3以外の構成要素をさらに備えている場合には、その構成要素に対しても、可能な限り電気的な接地が行われていることが好ましい。
本実施の形態の露光装置1を構成する光学系3は、従来公知の露光装置に用いられる光学系を好適に用いることができ、例えば、図1に示すような、光源となる照明光学系11と、所定のパターンが形成されたマスク12と、このマスク12のパターンを基板5に投影する投影光学系13とを有する光学系3を好適例として挙げることができる。
照明光学系11は、マスク12に露光光を照射するための光学系であり、本実施の形態の露光装置1に好適に用いられる照明光学系11としては、例えば、露光用光源、露光用光源の光の指向性を制御して集光するコンデンサレンズ、マスク12に照射する露光光の形状を調節する視野絞り等を有する照明光学系を好適例として挙げることができる。また、このような照明光学系11としては、図示は省略するが、リレーレンズ、フライアイレンズ、フィルタ、拡散板等をさらに有していてもよい。
照明光学系11に用いられる露光用光源から照射する露光光の種類については特に制限はなく、基板5に塗布したフォトレジスト膜、及びフォトレジスト膜とその上層膜との組合わせに応じて、例えば、可視光線、g線やi線等の紫外線、エキシマレーザ等の遠紫外線などでもよい。特に、本実施の形態の露光装置1においては、ArFエキシマレーザ(波長193nm)やKrFエキシマレーザ(波長248nm)を好適に使用することができる。
光学系3を構成するマスク12としては、従来公知の露光装置に用いられる露光用のマスクを好適に用いることができる。また、マスク12としては、レクチルとして照明光学系11等に配設されたものであってもよい。図1に示す露光装置1に用いられるマスク12は、その位置決めを行うため、所定の方向に移動、微動及び回転可能なマスクステージ16上に保持されている。
投影光学系13は、マスク12のパターンを所定の投影倍率で基板5に投影露光するものであり、例えば、鏡筒の内部に配設された複数の光学素子(例えば、レンズ)から構成された投影光学系を好適例として挙げることができる。さらに、本実施の形態の露光装置1においては、この投影光学系13を構成する光学素子のうち、少なくとも基板5側の光学素子が、フッ化カルシウム(CaF)や石英(fused silica)等のガラス製の平行平板レンズであり、鏡筒の内部に着脱可能に配設されたものであることが好ましい。このように構成することによって、基板5側の光学素子の耐食性を向上させるとともに、基板5側の光学素子の交換が可能となる。なお、本実施の形態の露光装置1に用いられる投影光学系13は、投影倍率が1未満の縮小系であってもよいし、投影倍率が1を超える拡大系や投影倍率が1の等倍系であってもよい。
基板5を保持する保持手段2は、基板5上の所定領域毎に順次露光を行うことができるように、保持した基板5を所定の方向に移動させることができるように構成されたものであることが好ましく、従来公知の露光装置に用いられる保持手段を好適に用いることができる。図1に示す露光装置1の保持手段2は、露光光の光軸と一致する方向(Z軸方向)の位置及び傾斜角を制御するZステージ18と、このZステージ18を支持し、Z軸方向に垂直な平面内におけて、マスク12と基板5とが同期移動する走査方向(X軸方向)と、この走査方向に直交する方向(Y軸方向)とに駆動可能なXYステージ19と、このXYステージ19を支持する基台20とを有している。なお、基板5は、その裏面を吸着等により固定する基板ホルダ(図示せず)に保持されて、Zステージ18上に保持される。なお、図示は省略するが、保持手段2は、Zステージ18の位置を計測するための移動鏡及びレーザ干渉計、Zステージ18及びXYステージ19を駆動するためのステージ駆動部、また、このステージ駆動部等を制御するための制御部等を有していてもよい。
このZステージ18は、Z軸方向におけるフォーカス位置、及び傾斜角を制御して基板5上の表面をオートフォーカス方式、及びオートレベリングで投影光学系13の像面に合わせ込み、XYステージ19は基板5のX軸方向及びY軸方向の位置決めを行う。Zステージ18の二次元的な位置及び回転角は、移動鏡(図示せず)の位置としてレーザ干渉計(図示せず)によって計測され、得られた計測結果に基づいて制御部(図示せず)からステージ駆動部(図示せず)に制御情報が送られ、ステージ駆動部(図示せず)がZステージ18及びXYステージ19を駆動する。露光時には、基板5上の各露光領域を順次ステップ移動し、マスク12に形成されたパターンを露光する動作をステップ・アンド・スキャン方式で繰り返し行う。
本実施の形態の露光装置1に用いられる基板5は、予め基板の一方の表面にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜が形成されたものを用いる。この基板としては、例えば、シリコンウェーハ、アルミニウムで被覆したウェーハ等を用いることができる。また、フォトレジスト膜の潜在能力を最大限に引き出すため、例えば、特公平6−12452号公報等に開示されているように、使用する基板の表面に有機系あるいは無機系の反射防止膜を形成しておいてもよい。なお、基板5に塗布するフォトレジストについては特に制限はなく、例えば、レジストの使用目的に応じて適宜選択することができる。
液体供給手段4は、例えば、上述したように、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6に基板5の走査方向と平行に液体7を供給する液体供給部14と、空間6に供給した液体7を回収する液体回収部15とを有するものを挙げることができる。例えば、液体供給部14は、液体7を貯留する供給タンク21と、供給する液体7の流路となる供給流路23とを有し、また、液体回収部15は、回収した液体7を貯留する回収タンク22と、回収する液体7の流路となる回収流路24とを有している。液体7は、液体供給部14から供給流路23を介して空間6に対して単位時間当たり所定量だけ供給され、回収流路24を介して液体回収部15へ、同じく単位時間当たり所定量が回収される。これにより、投影光学系13の先端面と基板5との間の空間6に液体7が満たされる。さらに、図示は省略するが、この液体供給部は、液体を供給するための供給ポンプや、液体の温度を制御する温度制御部、供給する液体に含まれる溶存気体を除去するための液体脱気部、また液体に含まれる微粒子等の不純物を除去するフィルタ等や、液体の残量を計測する機能を有していてもよく、また、液体回収部においても、液体を回収するための回収ポンプや、液体の温度を制御する温度制御部等や回収した液体の量を計測する機能を有していてもよい。
本実施の形態の露光装置1では、基板5の表面と光学系3(具体的には、投影光学系13の先端部(直径50〜70mm程度))との間に液体7が満たされる。上述したように、投影光学系13の先端部には鏡筒及びそれに支持された光学素子の一部が配置されており、液体7は光学素子の一部と鏡筒の一部に接触する。液体7には、透過性を保つために、予め脱酸素処理を施しておいてもよい。また、純水よりも屈折率の大きな液体が望ましい。なお、使用中に液体7中に気泡が現れて露光に悪影響を与えないように、液体7(例えば、有機系の液体など)には、その供給の直前に、脱酸素処理の他に脱気処理によって、液体7中に溶存する気体を除いておくことが、より好ましい。液体7の製造過程において、シール等のために、不活性ガス(窒素等)が過飽和に含まれている場合があるからである。
なお、本実施の形態の露光装置1においては、投影光学系13の先端部に液体7との親和性に応じた表面処理(コーティング)が施され、基板5の表面にも液体7との親和性に合わせて表面処理(例えば、トップコート膜)が施され、他方、それ以外の液体の周り(例えば、投影光学系13の先端部以外の鏡筒部分)には非親和性(疎水性)の表面処理(例えば、撥液化処理)が施されているので、空間6から液体7が逃げ難くなっていて、空間6内に安定して保持される。これら表面処理にかかる材料は、液体7に対して非溶解性の材料が用いられる。また、液体の供給流路23は液体7に対して溶出物のないような材料で構成されている。例えば、テフロン(登録商標)材質のものやステンレス等の金属材質のものが望ましい。
また、本実施の形態の露光装置1においては、液体7に接する領域に使用する部材に関しては、導電性を有し、かつ液体7に溶出しない材料を使用し、電気的に接地レベルになるように構成されている。例えば、液体7を供給する供給流路23や液体を回収する回収流路24、また、投影光学系13の先端部の周囲の液体7の所望領域以外への飛散を抑える領域や、基板5を保持しているZステージ18などは電気的に接地レベルに保たれるように構成されている。
本実施の形態の露光装置1を用いて行う露光時には、投影光学系13の先端部の直下の投影領域に、マスク12の一部のパターン像が投影される。固定されている投影光学系13に対して、マスク12が(例えば)−X方向に所定の速度で移動し、それに同期して、XYステージ19を介して基板5が(例えば)+X方向に投影倍率を考慮した所定の速度で移動し、露光が行われる。そして、一つの領域の露光が終了したら、基板5を所望の分だけ移動させて、次の領域の走査開始位置に移動し、同様に、走査露光が、順次、行われる(ステップ・アンド・スキャン方式)。なお、基板5の移動方向と、液体7の流れる方向は平行になっている方が望ましい。
また、本実施の形態の露光装置1において、投影光学系13の先端部の領域と、液体7をX軸方向に供給する供給流路23と、液体7を回収する回収流路24との位置関係については特に制限はないが、投影光学系13の先端部の形状は、有効露光領域、通常は33mm×26mm程度であるが、の形状を拡大したようなエリアY軸方向に細長い矩形状を呈しており、投影光学系13の先端部をX軸方向に挟むように、例えば、末端が三つに分岐した供給流路23と、末端が二つに分岐された回収流路24が配置されているものを挙げることができる。そして、分岐した供給流路23は集合した後に液体供給部14に接続され、分岐した回収流路24は集合した後に液体回収部15に接続されている。
また、供給流路と回収流路とを投影光学系13の先端部の中心に対して180°回転した配置には、図示はされていないが、図1における供給流路23と回収流路24とは反対の方向(図1における左から右への方向)に液体を供給するための、末端が三つに分岐した第二の供給流路と、末端が二つに分岐された第二の回収流路とが配置されている。図1における供給流路23と回収流路24とはY軸方向に交互に配列され、第二の供給流路と第二の回収流路とはY軸方向に交互に配列される。そして、第二の供給流路は供給流路23と同じく液体供給部14に接続され、第二の回収流路は液体回収部15に接続されている。
次に、本発明(第二の発明)の露光方法の一の実施の形態について説明する。本実施の形態の露光方法は、図1に示した第一の発明の一の実施の形態(露光装置1)を用いて実施することができる。以下、図1に示す露光装置1を参照しつつ、本実施の形態の露光方法について説明する。本実施の形態の露光方法は、フォトレジスト膜や上層膜が表面に配設された基板5を保持手段2で保持し、所定のパターンを投影するための露光光を光学系3から照射して基板5を現像することにより、基板5上に所定のレジストパターンを形成する露光方法であり、保持手段2に保持された基板5と、保持手段に保持された基板5に所定のパターンを投影するための露光光を照射する光学系3と、の間の空間6に液体7を満たし、この液体7を介して基板5を露光する露光方法であって、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6を満たす液体7に対して電気的に接地を行う露光方法である。液体7に対して電気的な接地を行う方法としては、図1に示すように、液体7や液体を供給するための液体供給手段4等にアース8を配設する。
このように本実施の形態の露光方法によれば、例えば、液体7が流動することにより発生する静電気がアース8によって放出されるため、静電気が液体7中に帯電するのを有効に防止することができる。このため、露光時における液体中での静電気の影響を除去することができ、高精度な露光を実現することができる。また、液体の供給時、又は液体の回収時に発生する可能性のある静電気による火花等の発生も防止されるため、例えば、液体7として有機溶媒等の引火点の低い、可燃性の物質を用いたとしても安全に露光を行うことができる。
本実施の形態の露光方法においては、上述した露光装置1により露光を行う前に、露光する基板5上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成する。この基板としては、例えば、シリコンウェーハ、絶縁物やアルミニウムなどの導電膜で被覆したウェーハ等を用いることができる。
なお、本実施の形態の露光方法は、図1に示すような局所液浸方式に限らず、例えば、mooving pool法、seimming stage法等の液浸型露光方式においても用いることができる。
また、本実施の形態の露光方法においては、液体7に対して間接的に電気的な接地が行われていてもよく、例えば、液体7の一部と接触し、かつ導電性を有する露光装置1の一部に対してアースを接続し、液体7の接地を行ってもよい。
以下、本実施の形態の露光方法について、さらに具体的に説明する。本実施の形態の露光方法においては、先ず、マスク12をマスクステージ16に送り保持する。一方、予め所望のレジストが基板の上に膜状に塗布され、必要に応じてレジストの上にレジストと液体7とを遮断する上層膜(トップコート膜)が形成された基板5を保持手段2に送り、アライメントマーク等を用いて位置関係や回転などを測定された後、所定の場所に位置決めする。
次に、液体供給部14により空間6へ液体7を供給させ、同時に、液体回収部15により液体7の回収を行わせる。この液体7の供給・回収は、基板5が−X方向(図1において左方向)に移動するときは、供給流路23を介して液体供給部14から液体7が投影光学系13と基板5との間に供給され、回収流路24を介して液体7が液体回収部15に回収され、この動作により、液体7は投影光学系13の先端部(レンズの下面)と基板5との間の空間6を満たすように−X方向に流れる。
他方、基板5が+X方向(図1において右方向)に移動するときは、図には示されていないが液体回収部15側に分岐された第二の供給流路を介して液体供給部14から液体7が投影光学系13と基板5との間に供給され、第二の回収流路(図示されていない)を介して液体7が液体回収部15に回収され、この動作により、液体7は投影光学系13の先端部(レンズの下面)と基板5との間を満たすように+X方向に流れる。
上記液体7の供給・回収にかかる動作が開始して所定時間が経過した後、露光を行う。露光は、照明光学系11から射出される露光光(例えば、ArFエキシマレーザ光(波長193nm))でマスク12を照明し、投影光学系13及び液体7を介して、基板5(レジスト(膜))にマスク12のパターンを転写する。既に記したように、液浸型露光方式の露光装置1では、露光時には、ステップ・アンド・スキャン方式により、順次、基板5の領域毎に走査露光が行われる。
全ての基板5上の所望の位置の露光が終了したら、先ず、液体供給部14を停止し液体7の供給を止め、所定時間経過後に(あるいは、液体7が投影光学系13の先端部と基板5との間に存在しなくなったことを確認して)、液体回収部15を停止する。次いで、基板5をカセットに回収する。必要であれば次の基板をステージに移動させて同じ工程を行う。このようにして必要な全ての基板の露光工程を終了する。最後に、マスク12を所定の収容場所へ戻す。
上述したように本実施の形態の露光方法においては、液体7に対する電気的な接地を行い、液体7に帯電する静電気をアース8を通じて外部に放出するため、保持手段2に保持された基板5と光学系3(具体的には、投影光学系13の先端部)との間の空間6を満たす液体7が有機溶媒である場合に好適に用いることができる。現在、空間6を満たす液体7としては、主に純水が検討されているが、露光するパターンの微細化がより進行することにより、露光光の露光波長において高い透過率を有し、かつ純水と比較して十分屈折率の高い液体を用いる必要がある。このような要求を満たす液体の一つとして有機溶媒を挙げることができるが、有機溶媒は可燃性を有する物質もあることから、例えば、露光装置内部の可動する部分において、液体7が存在する、又は揮発した雰囲気の存在する領域に静電気による火花が発生すると、露光装置1内で液体7に引火するという恐れがあった。本実施の形態の露光方法によれば、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6を満たす液体7に対して電気的な接地が行われているため、上述したように液体7として有機溶媒を用いたとしても、安全に露光を行うことができる。
本実施の形態の露光方法においては、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6を満たす液体7に対する電気的な接地の方法については特に制限なく、上述した第一の発明の一の実施の形態の露光装置1において説明した電気的な接地の方法と同様の方法により実現することができる。例えば、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6に液体7を満たすための液体供給手段4にアース8を配設して、液体7に対して電気的な接地を行う方法や、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6にアース8を配設して、液体7に対して電気的な接地を行う方法を好適例として挙げることができる。
また、本実施の形態の露光方法にて用いられる保持手段2や光学系3については、第一の発明の一の実施の形態の露光装置1において説明した保持手段2や光学系3を好適に用いることができる。
本実施の形態の露光方法は、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6を通過する液体7に対して電気的な接地を行う露光方法であるが、保持手段2に保持された基板5に対して、さらに電気的な接地を行ってもよい。例えば、図1に示すような露光装置1を用いた場合、実際に基板5に対して露光を行う際には、保持手段2に保持された基板5上を常時液体7が通過しているため、保持手段2に保持された基板5に対しても電気的な接地を行うことにより、液体7に帯電する静電気を除去する効果を向上させることができるとともに、基板5自体に帯電する静電気も除去することができるために、さらに安全かつ高精度に露光を行うことができる。
さらに、本実施の形態の露光方法においては、液体7の比較的近くに配設される保持手段2及び/又は光学系3に対して、さらに電気的な接地を行ってもよい。例えば、保持手段2や光学系3は、位置決め等の駆動により静電気が発生したり、液体7で発生した静電気が流れ込むことにより帯電することがある。上述したように露光装置1を構成する保持手段2や光学系3は、液体7の比較的近くに配設されたものであるため、この保持手段2や光学系3に帯電した静電気が露光に悪影響を与えたり、保持手段2や光学系3の周辺で火花が発生した場合には液体7に飛び移る可能性もある。このため安全性及び露光の高精度化の観点からは、保持手段2及び/又は光学系3に対して、さらに電気的な接地を行うことが好ましい。なお、本実施の形態の露光方法においては、実際に露光を行う露光装置1が保持手段2及び光学系3以外の構成要素をさらに備えている場合には、その構成要素に対しても、可能な限り電気的な接地を行うことが好ましい。
特に、有機溶媒の中には揮発性の高い液体も多い。このような揮発性の高い液体を用いた場合には、露光装置内に揮発した液体の成分が拡散することもあり、液体の流れている領域だけでなく、揮発した成分が拡散する領域においても、例えば、静電気が発生する部位や帯電する部位に対して電気的な接地を行い、拡散した揮発成分が引火することを有効に防止することが好ましい。そのためには、図2に示す露光装置1のように、露光装置内1の、ウェーハの受け渡しの部分やロボットアームなどの可動部分25の静電気が発生する可能性のある領域においては電気的な接地を行うことが好ましい。外部から露光装置1内に搬入されるウェーハはその膜構造が多種多様であり、ウェーハの受け渡し部関連で静電気が発生することが予想される。ロボットのアームなどウェーハと直接に接する部分においては静電気対策を行うことが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例の露光装置は、図1に示すように、予めレジストが塗布された基板5を支持する保持手段2(ステージとも呼ぶ)と、マスク12、マスク12を支持するマスクステージ16、マスク12を露光光で照明する照明光学系11、及び露光光で照明されたマスク12のパターン像を保持手段2に支持されている基板5に投影露光する投影光学系13とを有する光学系3と、保持手段2に保持された基板5と光学系3との間の空間6に液体7を満たすための液体供給手段4と、を備えた液浸露光装置であり、保持手段2に保持された基板5と光学系3(具体的には、投影光学系13の先端部)との間の空間6を満たす液体7に対して電気的な接地が行われている。
本実施例の露光装置1は、マスク12と基板5とを、走査方向における互いに異なる向き(逆方向)に同期移動しつつマスク12に形成されたパターンを基板5の感光膜(レジスト)表面に露光する走査型(スキャンタイプ)の液浸露光装置である。なお、本実施例においては、投影光学系13の光軸と一致する方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な平面においてマスク12と基板5との移動方向をX軸方向、Z軸方向及びY軸方向に垂直な方向をY軸方向とする。
照明光学系11から射出される露光光は、ArFエキシマレーザ光(真空中での波長193nm)を用いた。マスクステージ16は、マスク12を支持するものであり、マスクステージ16上のマスク12の位置はレーザ干渉計等によりリアルタイムで計測され、所定位置に精度よく位置決めされる。投影光学系13は、マスク12のパターンを所定の投影倍率(例えば、4:1の縮小系)で基板5に投影露光するものであり、ステンレスで形成された鏡筒で支持された複数の光学素子(レンズやミラーなど)で構成されている。投影光学系13の先端部は、光学素子と、これを保持する鏡筒の一部により構成されている。
保持手段2は、基板5を支持するものであって、基板5を保持するZステージ18と、Zステージを支持するXYステージ19と、XYステージを支持する基台20とを有する直動システムであり、図示しない駆動部によって駆動される。Zステージ18を駆動することにより、それに保持されている基板5のZ軸方向における位置が制御され、XYステージ19を駆動することにより、基板5のXY方向における位置、即ち、投影光学系13の像面と平行な面の位置、が制御される。
本実施例の露光装置1では、基板5の表面と投影光学系13の先端部(直径50〜70mm程度)との間に液体7が満たされている。本実施例の露光装置1においては、この液体7として有機溶媒(デカリン)を用いた。
液体供給手段4は、液体供給部14と液体回収部15とから構成され、液体供給部14は、液体7を収容する供給タンク21、及び加圧ポンプを有し、供給流路23を介して空間6に液体7を供給する。液体回収部15は、吸引ポンプ、及び回収した液体7を収容する回収タンク22を有し、回収流路24を介して空間6の液体7を回収する。
なお、本実施例の露光装置1は、液体7に接する領域の部材には導電性を有し、かつ液体7に溶出しないような材料が用いられ、電気的に接地レベルになるように構成されている。
このように構成された露光装置1を用いて基板5の露光を行ったところ、露光装置1内における静電気の発生が抑制され、安全かつ高精度に露光を行うことが可能であった。
本発明の露光装置、及び露光方法は、液体供給手段により保持手段に保持された基板と光学系との間の空間を満たす液体に対して接地が行われているため、露光装置内における静電気の発生が抑えられ、安全かつ高精度に露光を行うことが可能である。さらに、使用する液体が揮発してもその雰囲気が拡散する領域の静電気の発生を抑えるために露光装置内の可動部分をさらに接地することで、その効果をさらに向上させることができる。このため、半導体素子等を製造するのに際し、フォトマスクとしてのレチクルのパターンを光学系(投影光学系)を介して、フォトレジストが塗布された基板上に転写するステッパー型、又はステップ・アンド・スキャン方式の露光に際して好適に用いることができる。
本発明(第一の発明)の露光装置の一の実施の形態の構成を模式的に示す説明図である。 本発明(第一の発明)の露光装置の他の実施の形態の構成を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1…露光装置、2…保持手段、3…光学系、4…液体供給手段、5…基板、6…空間、7…液体、8…アース、11…照明光学系、12…マスク、13…投影光学系、14…液体供給部、15…液体回収部、16…マスクステージ、18…Zステージ、19…XYステージ、20…基台、21…供給タンク、22…回収タンク、23…供給流路、24…回収流路、25…可動部分。

Claims (14)

  1. 基板を保持するための保持手段、前記保持手段に保持された前記基板に所定のパターンを投影するための露光光を照射する光学系、及び前記保持手段に保持された前記基板と前記光学系との間の空間に液体を満たすための液体供給手段を備えた露光装置であって、
    前記保持手段に保持された前記基板と前記光学系との間の前記空間を満たす前記液体に対して電気的な接地が行われている露光装置。
  2. 前記液体供給手段が、前記保持手段に保持された前記基板と前記光学系との間の前記空間に前記液体を供給する液体供給部と、前記空間に供給した前記液体を回収する液体回収部とを有し、前記液体供給部と前記液体回収部との少なくとも一方にアースが配設されて、前記液体に対して電気的な接地が行われている請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記保持手段に保持された前記基板と前記光学系との間の前記空間にアースが配設されて、前記液体に対して電気的な接地が行われている請求項1又は2に記載の露光装置。
  4. 前記液体が有機溶媒である請求項1〜3のいずれかに記載の露光装置。
  5. 前記保持手段に保持された前記基板に対して、さらに電気的な接地が行われている請求項1〜4のいずれかに記載の露光装置。
  6. 前記保持手段及び/又は前記光学系に対して、さらに電気的な接地が行われている請求項1〜5のいずれかに記載の露光装置。
  7. 前記露光装置内において、少なくとも前記液体の揮発成分が存在する領域における可動部分において電気的な接地が行われている請求項1〜6のいずれかに記載の露光装置。
  8. 保持手段に保持された前記基板と、前記保持手段に保持された前記基板に所定のパターンを投影するための露光光を照射する光学系と、の間の空間に液体を満たし、前記液体を介して前記基板を露光する露光方法であって、
    前記保持手段に保持された前記基板と前記光学系との間の前記空間を満たす前記液体に対して電気的な接地を行う露光方法。
  9. 前記保持手段に保持された前記基板と前記光学系との間の前記空間に前記液体を満たすための液体供給手段にアースを配設して、前記液体に対して電気的な接地を行う請求項8に記載の露光方法。
  10. 前記保持手段に保持された前記基板と前記光学系との間の前記空間にアースを配設して、前記液体に対して電気的な接地を行う請求項8又は9に記載の露光方法。
  11. 前記液体として有機溶媒を用いる請求項8〜10のいずれかに記載の露光方法。
  12. 前記保持手段に保持された前記基板に対して、さらに電気的な接地を行う請求項8〜11のいずれかに記載の露光方法。
  13. 前記保持手段及び/又は前記光学系に対して、さらに電気的な接地を行う請求項8〜12のいずれかに記載の露光方法。
  14. 前記基板と前記光学系との間の前記空間近傍の、少なくとも前記液体の揮発成分が存在する領域において電気的な接地を行う請求項8〜13のいずれかに記載の露光方法。
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