JP2006172584A - 光記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ナノメータサイズの記録材料を分散させたミクロ相分離構造を有機ポリマーマトリックス中に構築した有機薄膜を応用することにより、従来の光記録媒体では実現不可能なピックアップレンズの回折限界を越えた高記録密度での記録再生を可能とした光記録媒体であって、案内溝を設けなくても安定にトラッキングでき、更には、見た目にカラフルな装飾を簡易に記録再生面上に施すことができる光記録媒体の提供。
【解決手段】 互いに非相溶の2種以上のポリマーブロックを有するブロック共重合体を主成分とし、そのミクロ相分離構造の一つの相にのみ光記録再生機能を有する記録材料を含有し、ミクロ相分離構造の他の相にのみ光記録再生機能を有しない機能性光学材料を含有する有機薄膜を記録層とする光記録媒体。
【選択図】 図1
【解決手段】 互いに非相溶の2種以上のポリマーブロックを有するブロック共重合体を主成分とし、そのミクロ相分離構造の一つの相にのみ光記録再生機能を有する記録材料を含有し、ミクロ相分離構造の他の相にのみ光記録再生機能を有しない機能性光学材料を含有する有機薄膜を記録層とする光記録媒体。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ピックアップレンズの回折限界を越えた高記録密度で記録再生可能な光記録媒体に関する。
ナノメータサイズの機能性材料を高分子内に導入して複合化することは、電子的性質、導電的性質、光学的性質、磁気的性質等の新たな機能を発揮する機能性複合材料を得るのに重要な技術である。
従来、機能性材料として金属超微粒子(金属ナノクラスター)を用いた金属−有機複合材料等の研究開発が進められている。しかしながら、光記録媒体としての研究開発は殆ど進められていないのが現状である。
光メモリ分野では、基板上に反射層を有する光記録媒体であって、CD規格、DVD規格に対応した記録が可能なCD−R、DVD−Rが商品化されているが、このような光記録媒体において、更なる大容量化と小型化が望まれており、記録密度の更なる向上が求められている。
現行システムでの記録容量の向上の要素技術は、記録ピットの微小化技術やMPEG2に代表される画像圧縮技術がある。記録ピットの微小化技術としては、記録再生光の短波長化や回折限界の向上を図るために光学系の開口数NAの増大化が検討されているが、その回折限界を越える記録再生は不可能である。
そこで、回折限界を越える記録再生が可能な超解像技術や近接場光を利用した光メモリシステムが有力な手段として注目されてきたが、技術的なハードルの高さから未だ実用化には至っていない。
従来、機能性材料として金属超微粒子(金属ナノクラスター)を用いた金属−有機複合材料等の研究開発が進められている。しかしながら、光記録媒体としての研究開発は殆ど進められていないのが現状である。
光メモリ分野では、基板上に反射層を有する光記録媒体であって、CD規格、DVD規格に対応した記録が可能なCD−R、DVD−Rが商品化されているが、このような光記録媒体において、更なる大容量化と小型化が望まれており、記録密度の更なる向上が求められている。
現行システムでの記録容量の向上の要素技術は、記録ピットの微小化技術やMPEG2に代表される画像圧縮技術がある。記録ピットの微小化技術としては、記録再生光の短波長化や回折限界の向上を図るために光学系の開口数NAの増大化が検討されているが、その回折限界を越える記録再生は不可能である。
そこで、回折限界を越える記録再生が可能な超解像技術や近接場光を利用した光メモリシステムが有力な手段として注目されてきたが、技術的なハードルの高さから未だ実用化には至っていない。
例えば、超解像マスクを用いる光メモリーの従来技術として、下記特許文献1〜8の発明が知られている。
即ち、特許文献1には、有機溶媒に非水溶性ポリマーと金属化合物と還元剤を溶解し加熱することにより得られる、非水溶性有機ポリマーに保護されている粒径10nm以下の金属クラスター複合体に関する発明が開示されている。
特許文献2には、溶媒キャスト又は温度低下で相分離構造を形成することにより得られる、非相溶なブロック共重合ポリマーのミクロ相分離構造で一つの相にのみ金属超微粒子(粒径10nm以下)が含有されている複合体又は多孔体に関する発明が開示されている。
特許文献3には、高温高圧流体溶媒(超臨界流体溶媒)で相溶し、急激に圧力を低下させて超微小相分離構造を形成することにより得られる、非相溶な2種以上のポリマーブレンドで100nm以下の超微小相分離構造を持つポリマーアロイに関する発明が開示されている。
特許文献4には、配向性界面を起点にミクロ相分離を開始させ、その相分離構造形成領域を移動させて配向方向の揃ったグレインを成長させ、次いで転移温度近傍に加熱することにより得られる、三次元(単一グレイン)異方性ブロック共重合ミクロ相分離構造体に関する発明が開示されている。
即ち、特許文献1には、有機溶媒に非水溶性ポリマーと金属化合物と還元剤を溶解し加熱することにより得られる、非水溶性有機ポリマーに保護されている粒径10nm以下の金属クラスター複合体に関する発明が開示されている。
特許文献2には、溶媒キャスト又は温度低下で相分離構造を形成することにより得られる、非相溶なブロック共重合ポリマーのミクロ相分離構造で一つの相にのみ金属超微粒子(粒径10nm以下)が含有されている複合体又は多孔体に関する発明が開示されている。
特許文献3には、高温高圧流体溶媒(超臨界流体溶媒)で相溶し、急激に圧力を低下させて超微小相分離構造を形成することにより得られる、非相溶な2種以上のポリマーブレンドで100nm以下の超微小相分離構造を持つポリマーアロイに関する発明が開示されている。
特許文献4には、配向性界面を起点にミクロ相分離を開始させ、その相分離構造形成領域を移動させて配向方向の揃ったグレインを成長させ、次いで転移温度近傍に加熱することにより得られる、三次元(単一グレイン)異方性ブロック共重合ミクロ相分離構造体に関する発明が開示されている。
特許文献5には、微細空孔はミクロ相分離構造の一つの相を分解又は溶出処理して形成し、金属超微粒子は無電界メッキ又はそれに続く電界メッキにより担持することにより得られる、非相溶なブロック共重合ポリマー又はポリマーブレンドのミクロ相分離構造で一つの相にのみ金属超微粒子が担持されている微細空孔を有する複合体に関する発明が開示されている。ここで、微細空孔径は10nm〜1μm、金属超微粒子の粒径は1〜10nmである。
特許文献6には、親和性のあるブロック共重合ポリマー鎖及び親和性のないブロック共重合ポリマー鎖と金属化合物と還元剤を溶解し、加熱、還元して、金属微粒子表面を被覆保護し、溶媒キャスト又は温度低下で相分離構造を形成し、空孔は一つの相を分解するか又はホモポリマ、オリゴマー、低分子を添加しミクロ相分離した後、溶出処理して形成することにより得られる、非相溶なブロック共重合ポリマーのミクロ相分離構造で一つの相内の骨格表面近傍に金属超微粒子(粒径10nm以下)が含有されている複合体、更には他方のポリマー相が空孔化されている複合体に関する発明が開示されている。
特許文献6には、親和性のあるブロック共重合ポリマー鎖及び親和性のないブロック共重合ポリマー鎖と金属化合物と還元剤を溶解し、加熱、還元して、金属微粒子表面を被覆保護し、溶媒キャスト又は温度低下で相分離構造を形成し、空孔は一つの相を分解するか又はホモポリマ、オリゴマー、低分子を添加しミクロ相分離した後、溶出処理して形成することにより得られる、非相溶なブロック共重合ポリマーのミクロ相分離構造で一つの相内の骨格表面近傍に金属超微粒子(粒径10nm以下)が含有されている複合体、更には他方のポリマー相が空孔化されている複合体に関する発明が開示されている。
特許文献7には、金属・有機ポリマー(Mn1)複合体とマトリックスポリマー(Mn2)の溶液を、溶媒キャスト又は温度低下で相分離構造を形成し(Mn1>Mn2)、金属微粒子が含まれていないポリマー相を除去することにより得られる、非相溶なブロック共重合ポリマーのミクロ相分離構造で一つの相内の中央近傍に金属超微粒子が含有されている複合体に関する発明が開示されている。
特許文献8には、親和性のあるブロック共重合ポリマー鎖及び親和性のないブロック共重合ポリマー鎖と金属イオンを、還元能のある高沸点溶媒と低沸点溶媒に溶解し、低沸点溶媒を除去し相分離構造を形成し、高沸点溶媒を除去しながら金属イオンを還元することにより得られる、非相溶なブロック共重合ポリマーのミクロ相分離構造で一つの相内に列状に金属超微粒子が含有されている複合体に関する発明が開示されている。
特許文献8には、親和性のあるブロック共重合ポリマー鎖及び親和性のないブロック共重合ポリマー鎖と金属イオンを、還元能のある高沸点溶媒と低沸点溶媒に溶解し、低沸点溶媒を除去し相分離構造を形成し、高沸点溶媒を除去しながら金属イオンを還元することにより得られる、非相溶なブロック共重合ポリマーのミクロ相分離構造で一つの相内に列状に金属超微粒子が含有されている複合体に関する発明が開示されている。
しかし、上記従来技術においては、ドットの微小化は光スポットの大きさに依存しており、ピックアップレンズの回折限界を超えた記録密度で記録再生可能な光記録媒体の実現は不可能であった。
そこで、本発明者等は、従来の光源サイドからのアプローチとは全く異なり、ナノメータサイズの機能性材料(金属超微粒子又は有機色素)を高分子ミクロ相分離構造内に導入して複合化する有機薄膜を光記録媒体に応用し、記録層に形成される記録用ドット列の各ドットの面積自体が照射光の回折限界よりも小さな光記録媒体とすることにより、従来では達成出来なかった超高密度光記録媒体を提案した(特許文献9〜11)。
更に、従来の光ディスクでは、記録層が連続層となっているため基板にトラッキング用の案内溝が設けられており、その位相差を利用してトラッキングしていたが、上記本発明者等の先願発明では、ミクロ相分離構造の一つの相のみに記録材料が存在し、ミクロ相分離構造の他の相はポリマーのみで構成されているため両者間に複素屈折率差が生じ、案内溝を形成しなくてもトラッキングが可能になるという特徴を有する。しかしながら、上記先願発明では、複素屈折率差があまり大きく取れないためトラッキング性能が不安定となる場合があった。
一方、光ディスクをカラフルに装飾したいというユーザーの希望に応えるため、従来の光ディスクでは、記録再生面と逆の面に様々な色素材料を塗布することにより装飾してきた。しかしながら、新たな塗布工程を必要とすること、記録再生面は記録材料及び反射層材料に応じた色彩以外の色彩を用いて装飾することができないこと等の問題があった。
そこで、本発明者等は、従来の光源サイドからのアプローチとは全く異なり、ナノメータサイズの機能性材料(金属超微粒子又は有機色素)を高分子ミクロ相分離構造内に導入して複合化する有機薄膜を光記録媒体に応用し、記録層に形成される記録用ドット列の各ドットの面積自体が照射光の回折限界よりも小さな光記録媒体とすることにより、従来では達成出来なかった超高密度光記録媒体を提案した(特許文献9〜11)。
更に、従来の光ディスクでは、記録層が連続層となっているため基板にトラッキング用の案内溝が設けられており、その位相差を利用してトラッキングしていたが、上記本発明者等の先願発明では、ミクロ相分離構造の一つの相のみに記録材料が存在し、ミクロ相分離構造の他の相はポリマーのみで構成されているため両者間に複素屈折率差が生じ、案内溝を形成しなくてもトラッキングが可能になるという特徴を有する。しかしながら、上記先願発明では、複素屈折率差があまり大きく取れないためトラッキング性能が不安定となる場合があった。
一方、光ディスクをカラフルに装飾したいというユーザーの希望に応えるため、従来の光ディスクでは、記録再生面と逆の面に様々な色素材料を塗布することにより装飾してきた。しかしながら、新たな塗布工程を必要とすること、記録再生面は記録材料及び反射層材料に応じた色彩以外の色彩を用いて装飾することができないこと等の問題があった。
本発明は、ナノメータサイズの記録材料を分散させたミクロ相分離構造を有機ポリマーマトリックス中に構築した有機薄膜を応用することにより、従来の光記録媒体では実現不可能なピックアップレンズの回折限界を越えた高記録密度での記録再生を可能とした光記録媒体であって、案内溝を設けなくても安定にトラッキングでき、更には、見た目にカラフルな装飾を簡易に記録再生面上に施すことができる光記録媒体の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜13)の発明によって解決される。
1) 互いに非相溶の2種以上のポリマーブロックを有するブロック共重合体を主成分とし、そのミクロ相分離構造の一つの相にのみ光記録再生機能を有する記録材料を含有し、ミクロ相分離構造の他の相にのみ光記録再生機能を有しない機能性光学材料を含有する有機薄膜を記録層とする光記録媒体。
2) 記録材料が、記録再生波長近傍の光に対して吸収能を持つ色素からなる1)記載の光記録媒体。
3) 色素が、ブロック共重合体に直接結合している2)記載の光記録媒体。
4) 記録材料が、記録再生波長近傍にプラズモン吸収を発現する金属超微粒子(金属ナノクラスター)からなる1)記載の光記録媒体。
5) 機能性光学材料を含有する相が、反射防止機能を持つ1)〜4)の何れかに記載の光記録媒体。
6) 記録再生波長近傍の光に対して反射防止効果を持たせた5)記載の光記録媒体。
7) 機能性光学材料として低屈折率材料を用いることにより、反射防止効果を持たせた6)記載の光記録媒体。
8) 有機薄膜の膜厚を調整して、多重干渉効果により反射防止効果を持たせた6)記載の光記録媒体。
9) 機能性光学材料を含有する相が、着色機能を持つ1)〜4)の何れかに記載の光記録媒体。
10) 機能性光学材料が、記録再生波長近傍の光に対して吸収能を持たない着色材料からなる9)記載の光記録媒体。
11) 着色材料が色素である10)記載の光記録媒体。
12) 色素が、ブロック共重合体に直接結合している11)記載の光記録媒体。
13) 着色材料が、記録再生波長近傍の光に対してプラズモン吸収を発現しない金属超微粒子(金属ナノクラスター)である10)記載の光記録媒体。
1) 互いに非相溶の2種以上のポリマーブロックを有するブロック共重合体を主成分とし、そのミクロ相分離構造の一つの相にのみ光記録再生機能を有する記録材料を含有し、ミクロ相分離構造の他の相にのみ光記録再生機能を有しない機能性光学材料を含有する有機薄膜を記録層とする光記録媒体。
2) 記録材料が、記録再生波長近傍の光に対して吸収能を持つ色素からなる1)記載の光記録媒体。
3) 色素が、ブロック共重合体に直接結合している2)記載の光記録媒体。
4) 記録材料が、記録再生波長近傍にプラズモン吸収を発現する金属超微粒子(金属ナノクラスター)からなる1)記載の光記録媒体。
5) 機能性光学材料を含有する相が、反射防止機能を持つ1)〜4)の何れかに記載の光記録媒体。
6) 記録再生波長近傍の光に対して反射防止効果を持たせた5)記載の光記録媒体。
7) 機能性光学材料として低屈折率材料を用いることにより、反射防止効果を持たせた6)記載の光記録媒体。
8) 有機薄膜の膜厚を調整して、多重干渉効果により反射防止効果を持たせた6)記載の光記録媒体。
9) 機能性光学材料を含有する相が、着色機能を持つ1)〜4)の何れかに記載の光記録媒体。
10) 機能性光学材料が、記録再生波長近傍の光に対して吸収能を持たない着色材料からなる9)記載の光記録媒体。
11) 着色材料が色素である10)記載の光記録媒体。
12) 色素が、ブロック共重合体に直接結合している11)記載の光記録媒体。
13) 着色材料が、記録再生波長近傍の光に対してプラズモン吸収を発現しない金属超微粒子(金属ナノクラスター)である10)記載の光記録媒体。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明の有機薄膜の特長は、記録材料がナノメータサイズでポリマーマトリックス内に高度に秩序化されて存在することである。そのような構造を実現するためブロック共重合体のミクロ相分離現象を利用する。ミクロ相分離構造としては、球状、柱状が利用できる。記録再生波長近傍(記録再生波長±50nm程度の範囲)に光吸収能を持つ記録材料は、光又は熱によりその光学特性及び位相差が変化する機能を有するので、その変化を利用して記録再生することにより光記録媒体として用いることができる。
また、光記録再生機能を有する記録材料を含有する相と光記録再生機能を有しない機能性光学材料を含有する相との反射率差を最大にすることが好ましい。
本発明の有機薄膜の特長は、記録材料がナノメータサイズでポリマーマトリックス内に高度に秩序化されて存在することである。そのような構造を実現するためブロック共重合体のミクロ相分離現象を利用する。ミクロ相分離構造としては、球状、柱状が利用できる。記録再生波長近傍(記録再生波長±50nm程度の範囲)に光吸収能を持つ記録材料は、光又は熱によりその光学特性及び位相差が変化する機能を有するので、その変化を利用して記録再生することにより光記録媒体として用いることができる。
また、光記録再生機能を有する記録材料を含有する相と光記録再生機能を有しない機能性光学材料を含有する相との反射率差を最大にすることが好ましい。
機能性光学材料を含有する相の第一の機能は反射防止機能である。反射防止機能を持たせることにより、記録材料を含有する相との反射率差を大きくすることができ、従来のように基板の案内溝による位相差を利用せずにその反射率差のみで安定したトラッキングが可能となる。トラッキングと記録再生を単一のレーザピックアップで行うために、使用するレーザの記録再生波長近傍において反射防止効果を持たせることがより好ましい。反射防止効果を持たせる方法としては、機能性光学材料として低屈折率材料を用いる方法、及び有機薄膜の膜厚を調整して多重干渉効果により低反射率化する方法が好ましい。有機薄膜に占める記録材料を含有する相の割合は通常、10〜40重量%程度であり、大部分が機能性光学材料を含有する相であるから、実質上、多重干渉効果に寄与するのは機能性光学材料を含有する相ということになる。低屈折率材料としては、有機材料としてフッ素化合物が、無機材料として、SiO2、MgF2、InPが、有機・無機複合材料として、シルセスキオキサン(RSiO1.5)が特に好ましい。
機能性光学材料を含有する相の第二の機能は着色機能である。着色機能を持たせることにより、光記録媒体を簡易にかつ任意の色彩で装飾でき、従来不可能であった記録再生面への着色も可能となる。先のトラッキング安定性の点及び記録再生信号品質の点から、着色材料としては、記録再生波長近傍の光に対して吸収能を持たないことが好ましい。このような着色材料としては、色素、又はプラズモン吸収を発現するナノメータサイズの金属超微粒子(金属ナノクラスター)が利用できる。色素としては、記録材料に用いる記録性色素(後述する)と同様の色素を用いることが出来る。但し、記録再生波長近傍に光吸収能が持たないように設計する。金属ナノクラスターとしては、後述する記録材料で例示するものと同じものを用いることができる。
また、機能性光学材料として着色材料を用いた場合に、該着色材料を含有する層の膜厚を無反射条件となる膜厚に設定することで反射防止機能を持たせることが出来る。但し、その膜厚で記録層の反射率が最大になるとは限らないため、現実的には両者の反射率差が最も大きくなる膜厚に設定する。
また、機能性光学材料として着色材料を用いた場合に、該着色材料を含有する層の膜厚を無反射条件となる膜厚に設定することで反射防止機能を持たせることが出来る。但し、その膜厚で記録層の反射率が最大になるとは限らないため、現実的には両者の反射率差が最も大きくなる膜厚に設定する。
次に、本発明に用いる有機薄膜の製造方法について説明する。
互いに非相溶の2種以上のポリマーブロックを有するブロック共重合体が、溶媒キャスト又は温度変化によりミクロ相分離構造を形成することは本出願前公知であるが、本発明は、この現象を光記録媒体に応用したものである。
即ち、記録層の第一の製造方法は、このミクロ相分離構造の一つの相にのみ相溶性のあるナノメータサイズの記録材料と、ミクロ相分離構造の他の相にのみ相溶性のある機能性光学材料と、上記ブロック共重合体とを含有する溶液を調合し、次いでスピンコート法やディッピング法等により薄膜化した後、アニール処理によりミクロ相分離構造を形成し、一つの相にのみ記録材料を含有し、他の相にのみ機能性光学材料を含有する構造を形成する。
第二の製造方法は、上記ブロック共重合体を含有する溶液を調合し、スピンコート法又はディピング法で塗布した後、アニール処理によりミクロ相分離構造を形成し、そのミクロ相分離構造の一つの相にのみ相溶性のある記録材料と他の相にのみ相溶性のある機能性光学材料とを含有する溶液と接触させ、一つの相にのみ記録材料を含有し、他の相にのみ機能性光学材料を含有する構造を形成する。
互いに非相溶の2種以上のポリマーブロックを有するブロック共重合体が、溶媒キャスト又は温度変化によりミクロ相分離構造を形成することは本出願前公知であるが、本発明は、この現象を光記録媒体に応用したものである。
即ち、記録層の第一の製造方法は、このミクロ相分離構造の一つの相にのみ相溶性のあるナノメータサイズの記録材料と、ミクロ相分離構造の他の相にのみ相溶性のある機能性光学材料と、上記ブロック共重合体とを含有する溶液を調合し、次いでスピンコート法やディッピング法等により薄膜化した後、アニール処理によりミクロ相分離構造を形成し、一つの相にのみ記録材料を含有し、他の相にのみ機能性光学材料を含有する構造を形成する。
第二の製造方法は、上記ブロック共重合体を含有する溶液を調合し、スピンコート法又はディピング法で塗布した後、アニール処理によりミクロ相分離構造を形成し、そのミクロ相分離構造の一つの相にのみ相溶性のある記録材料と他の相にのみ相溶性のある機能性光学材料とを含有する溶液と接触させ、一つの相にのみ記録材料を含有し、他の相にのみ機能性光学材料を含有する構造を形成する。
第三の製造方法は、上記ブロック共重合体を含有する溶液を調合し、スピンコート法又はディピング法で塗布した後、アニール処理によりミクロ相分離構造を形成し、そのミクロ相分離構造の一つの相にのみ相溶性のある記録材料と他の相にのみ相溶性のある機能性光学材料とを含有する層を積層させた後、加熱拡散させ、一つの相にのみ記録材料を含有し、他の相にのみ機能性光学材料を含有する構造を形成する。
なお、上記各製造方法において、ミクロ相分離を促進させるために、上記ブロック共重合体を構成するホモポリマーや他のポリマーを添加しても良いが、上記ブロック共重合体が主成分となるようにする必要がある。ここで主成分とは、通常の場合、80重量%以上である。また、光学材料又は機能性光学材料として色素を用いる場合には、該色素とブロック共重合体とを化学反応させて直接結合させてもよい。
なお、上記各製造方法において、ミクロ相分離を促進させるために、上記ブロック共重合体を構成するホモポリマーや他のポリマーを添加しても良いが、上記ブロック共重合体が主成分となるようにする必要がある。ここで主成分とは、通常の場合、80重量%以上である。また、光学材料又は機能性光学材料として色素を用いる場合には、該色素とブロック共重合体とを化学反応させて直接結合させてもよい。
次に、上記有機薄膜を記録層として応用した本発明の光記録媒体について述べる。
従来の光記録媒体の記録層(記録材料が存在する層)は、通常、連続したほぼ均質な層であり、そこにレーザビームを照射して、記録材料にレーザビームの形状に対応した何らかの変化を起させることにより記録する。従って、最小記録ピットのサイズは、発振波長とレンズのNAで決定されるレーザビーム径に依存するため、従来の記録再生システムでは、高密度化は基本的にレーザの発振波長やレンズのNAの実用化技術力に左右されてきた。また、ビーム形状がガウス分布した形状であること、及び熱又は光に対し明瞭な閾値で変化する記録材料は殆ど存在し得ないことから、形成されるピットの最外周の大きさや変化量が均一にならず、その再生信号品質にもバラツキ要因が必ず存在し、高品質の信号特性を得るにも限界があった。
従来の光記録媒体の記録層(記録材料が存在する層)は、通常、連続したほぼ均質な層であり、そこにレーザビームを照射して、記録材料にレーザビームの形状に対応した何らかの変化を起させることにより記録する。従って、最小記録ピットのサイズは、発振波長とレンズのNAで決定されるレーザビーム径に依存するため、従来の記録再生システムでは、高密度化は基本的にレーザの発振波長やレンズのNAの実用化技術力に左右されてきた。また、ビーム形状がガウス分布した形状であること、及び熱又は光に対し明瞭な閾値で変化する記録材料は殆ど存在し得ないことから、形成されるピットの最外周の大きさや変化量が均一にならず、その再生信号品質にもバラツキ要因が必ず存在し、高品質の信号特性を得るにも限界があった。
本発明の光記録媒体は、上記従来技術の問題点を克服した新しい構造の光記録媒体である。即ち、互いに非相溶の2種以上のポリマーブロックを有するブロック共重合体を主成分とし、そのミクロ相分離構造の一つの相にのみ記録材料が含有されている構造からなる有機薄膜を記録層に応用したので、記録層の連続した層中に、高度に秩序化された記録用ドットがマトリックスを介して非連続に存在し、かつその記録用ドットのサイズが均一なナノメータサイズ(10〜500nm)で形成されている。従って、最小記録ピットのサイズは、レーザ発振波長やレンズのNAで決定されることなく、形成される記録用ドットのサイズのみで決定されるので、任意の記録密度の光記録媒体が設計可能となる。更に、ピットの最外周のエッジも、記録用ドットの端部がエッジとなるようにすれば、有機薄膜の構造によりエッジが決定されることになるから、記録用ドット全体を変化させるように記録することで、ピットのバラツキの無い高品質の信号特性を得ることが可能となる。
一般にミクロ相分離構造はその構成材料及び組成により、球状、柱状、ラメラ状、共連続状等の構造を形成するが、本発明の光記録媒体に応用できる好ましい構造は、球状及び柱状である。本発明の光記録媒体では、上記の通り、記録用ドットがマトリックスを介して非連続に存在する必要があるからである。
ミクロ相分離構造が球状構造の場合、記録層の膜厚は、その球状構造の直径よりも薄くすることが好ましい。こうすることにより相分離球状構造が単層で形成され、記録媒体面上に均一な径の光記録機能を持つ記録用ドットがマトリックスを介して均一かつ非連続に存在する構造とすることができる。
しかし、記録層の膜厚が、その球状構造の直径より厚くても、上記構造(記録媒体面上に均一な径の光記録機能を持つ記録用ドットがマトリックスを介して非連続に存在する構造)となるように制御できれば当然使用可能である。
ミクロ相分離構造が柱状構造の場合、その柱状構造が有機薄膜面に対して垂直に形成された構造とすることが好ましい。これにより、球状構造の場合と同様に、記録媒体面上に均一に光記録機能を持つ記録用ドットがマトリックスを介して非連続に存在する構造とすることができる。
ミクロ相分離構造が球状構造の場合、記録層の膜厚は、その球状構造の直径よりも薄くすることが好ましい。こうすることにより相分離球状構造が単層で形成され、記録媒体面上に均一な径の光記録機能を持つ記録用ドットがマトリックスを介して均一かつ非連続に存在する構造とすることができる。
しかし、記録層の膜厚が、その球状構造の直径より厚くても、上記構造(記録媒体面上に均一な径の光記録機能を持つ記録用ドットがマトリックスを介して非連続に存在する構造)となるように制御できれば当然使用可能である。
ミクロ相分離構造が柱状構造の場合、その柱状構造が有機薄膜面に対して垂直に形成された構造とすることが好ましい。これにより、球状構造の場合と同様に、記録媒体面上に均一に光記録機能を持つ記録用ドットがマトリックスを介して非連続に存在する構造とすることができる。
以下、光記録媒体の構成及びその必要物性について述べる。
《光記録媒体構成》
本発明の光記録媒体の構成としては、追記型光ディスクの構造(基板上に記録層を設けたものを2枚貼り合わせたいわゆるエアーサンドイッチ構造)としても、CD−R構造(基板上に記録層、反射層、保護層)としても良く、CD−R構造を貼り合わせたDVD構造でも良い。層構造の基本は、図2(a)のような基板と記録層であり、図(b)(c)のように反射層を設けても良い。
《基板》
用いる基板としては、基板側より記録再生を行なう場合のみ使用レーザに対して透明でなければならず、記録層側から記録、再生を行なう場合には透明である必要はない。
基板材料としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などのプラスチック、又は、ガラス、セラミック、金属などを用いることができる。なお、基板の表面にトラッキング用の案内溝や、案内ピット、更にアドレス信号などのプリフォーマットなどが形成されていても良い。
《光記録媒体構成》
本発明の光記録媒体の構成としては、追記型光ディスクの構造(基板上に記録層を設けたものを2枚貼り合わせたいわゆるエアーサンドイッチ構造)としても、CD−R構造(基板上に記録層、反射層、保護層)としても良く、CD−R構造を貼り合わせたDVD構造でも良い。層構造の基本は、図2(a)のような基板と記録層であり、図(b)(c)のように反射層を設けても良い。
《基板》
用いる基板としては、基板側より記録再生を行なう場合のみ使用レーザに対して透明でなければならず、記録層側から記録、再生を行なう場合には透明である必要はない。
基板材料としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などのプラスチック、又は、ガラス、セラミック、金属などを用いることができる。なお、基板の表面にトラッキング用の案内溝や、案内ピット、更にアドレス信号などのプリフォーマットなどが形成されていても良い。
《記録層》
本発明の記録層は、互いに非相溶の2種以上のポリマーブロックを有するブロック共重合体を主成分とし、そのミクロ相分離構造の一つの相にのみ光記録再生機能を有する記録材料を含有し、ミクロ相分離構造の他の相にのみ光記録再生機能を有しない機能性光学材料を含有する有機薄膜からなる。
そして、記録光を記録用ドットに照射することにより生じる変化で記録し、記録光よりもパワーの小さい再生レーザ光でその変化を検知して再生する。その記録再生法としては、記録用ドットの光学特性(吸収率、反射率、屈折率等)変化で記録し、その光学特性変化の強弱で再生するもの、及び記録用ドットの形状(凹凸、平滑性等)変化で記録し、その形状変化に起因する散乱や位相差による光学特性変化の強弱で再生するものが挙げられる。
本発明の記録層は、互いに非相溶の2種以上のポリマーブロックを有するブロック共重合体を主成分とし、そのミクロ相分離構造の一つの相にのみ光記録再生機能を有する記録材料を含有し、ミクロ相分離構造の他の相にのみ光記録再生機能を有しない機能性光学材料を含有する有機薄膜からなる。
そして、記録光を記録用ドットに照射することにより生じる変化で記録し、記録光よりもパワーの小さい再生レーザ光でその変化を検知して再生する。その記録再生法としては、記録用ドットの光学特性(吸収率、反射率、屈折率等)変化で記録し、その光学特性変化の強弱で再生するもの、及び記録用ドットの形状(凹凸、平滑性等)変化で記録し、その形状変化に起因する散乱や位相差による光学特性変化の強弱で再生するものが挙げられる。
記録層の光学特性としては、記録再生用レーザ波長に対し、その吸収特性(吸光度、透過率)変化を利用して再生する場合には、レーザ波長近傍に最大光吸収波長を持つように制御することが好ましく、記録再生用レーザ波長に対し、その反射率変化を利用して再生する場合には、レーザ波長近傍に最大屈折率を持つよう制御することが好ましい。通常はこのような特性を持つ記録材料を選択することにより制御する。
本発明の光記録媒体のような記録ピットの大きさが始めから定められている場合には、特に従来法に比べて大幅な低エネルギーで記録が可能となる。従来法では、明瞭なピット形状を記録により形成しなければならず、レーザ照射よる記録材の反応率が高くなければ記録できなかったが、ピットが既に形成されている本記録媒体では、僅かな反応率(例えば表面のみの反応)でもその変化が検知できる。
本発明の光記録媒体のような記録ピットの大きさが始めから定められている場合には、特に従来法に比べて大幅な低エネルギーで記録が可能となる。従来法では、明瞭なピット形状を記録により形成しなければならず、レーザ照射よる記録材の反応率が高くなければ記録できなかったが、ピットが既に形成されている本記録媒体では、僅かな反応率(例えば表面のみの反応)でもその変化が検知できる。
ブロック共重合体は、互いに非相溶の2種以上のポリマーを組み合わせて合成する。
その合成法としては、スチレン、イソプレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、2ビニルピリジン、アミノスチレン、4−ビニルピリジン、メタクリレート類、ε−カプロラクトン、ブタジエン、ビニルメチルエーテル、1,3−シクロヘキサンジエン、エチレンオキシド等のモノマーを用い、鎖の末端から重合するリビング重合法(アニオン重合、リビングラジカル重合)、鎖の中央から合成するリビング重合(アニオン重合)、末端官能性ポリマーの末端を結合させる合成法(アニオン重合、リビングラジカル重合)がある。
本発明で用いるブロック共重合体は、通常の場合、2種のポリマーからなるものを用いるが、3種以上のポリマーを組み合わせてもよい。その場合、機能性光学材料を含有させる相としては、記録材料を含有させる相を除く全ての相でも一部の相でもよい。
その合成法としては、スチレン、イソプレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、2ビニルピリジン、アミノスチレン、4−ビニルピリジン、メタクリレート類、ε−カプロラクトン、ブタジエン、ビニルメチルエーテル、1,3−シクロヘキサンジエン、エチレンオキシド等のモノマーを用い、鎖の末端から重合するリビング重合法(アニオン重合、リビングラジカル重合)、鎖の中央から合成するリビング重合(アニオン重合)、末端官能性ポリマーの末端を結合させる合成法(アニオン重合、リビングラジカル重合)がある。
本発明で用いるブロック共重合体は、通常の場合、2種のポリマーからなるものを用いるが、3種以上のポリマーを組み合わせてもよい。その場合、機能性光学材料を含有させる相としては、記録材料を含有させる相を除く全ての相でも一部の相でもよい。
記録材料としては、記録再生波長近傍に光吸収能を持つ色素(記録性色素)、記録再生波長近傍にプラズモン吸収を発現する金属超微粒子(金属ナノクラスター)等が挙げられる。これらの記録材料は通常、ブロック共重合体中に分散させて含有させるが、色素の場合には、化学反応によりブロック共重合体に直接結合させてもよい。
記録性色素としては、例えばレーザの照射エネルギーによりヒートモード(熱分解等)でその光学定数を変化させるポリメチン色素、スクアリリウム系、ピリリウム系、ポルフィリン系、ポルフィラジン系、アゾ系、アゾメチン系染料等、及びその金属錯体化合物、レーザの照射エネルギーによりフォトンモードでその光学定数を変化させるフルギド類、ジアリールエテン類、アゾベンゼン類、スピロピラン類、スチルベン類、ジヒドロピレン類、チオインジゴ類、ビピリジン類、アジリジン類、芳香族多環類、アリチリデンアニリン類、キサンテン類等のフォトクロミック材料が挙げられ、記録の書き換えが可能なフォトクロミック材料は特に好ましい。上記の色素は単独で用いても2種以上組合わせて用いてもよい。
更に、記録性色素、又は記録性色素を直接結合させたブロック共重合体に対し、特性改良の目的で、安定剤(例えば遷移金属錯体)、紫外線吸収材、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤などを添加してもよい。
記録性色素としては、例えばレーザの照射エネルギーによりヒートモード(熱分解等)でその光学定数を変化させるポリメチン色素、スクアリリウム系、ピリリウム系、ポルフィリン系、ポルフィラジン系、アゾ系、アゾメチン系染料等、及びその金属錯体化合物、レーザの照射エネルギーによりフォトンモードでその光学定数を変化させるフルギド類、ジアリールエテン類、アゾベンゼン類、スピロピラン類、スチルベン類、ジヒドロピレン類、チオインジゴ類、ビピリジン類、アジリジン類、芳香族多環類、アリチリデンアニリン類、キサンテン類等のフォトクロミック材料が挙げられ、記録の書き換えが可能なフォトクロミック材料は特に好ましい。上記の色素は単独で用いても2種以上組合わせて用いてもよい。
更に、記録性色素、又は記録性色素を直接結合させたブロック共重合体に対し、特性改良の目的で、安定剤(例えば遷移金属錯体)、紫外線吸収材、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤などを添加してもよい。
金属ナノクラスターは、通常、有機溶媒中に金属化合物とその還元剤を溶解し加熱することで得られる。金属ナノクラスターの安定性を高めるために、有機低分子化合物や高分子化合物等を共存させた保護コロイドとしてもよい。金、銀、プラチナ、銅、錫、ロジウム、イリジウム等の種々の金属ナノクラスターが利用できるが、保存安定性及び光学特性の点から、金、銀、プラチナ及びその合金が特に好ましい。金属ナノクラスターの粒径は通常1〜20nm程度である。これらの金属ナノクラスターは単独で用いても2種以上組合わせて用いてもよい。
記録材料を含有する相のドット径は、5〜500nm、好ましくは10〜200nmが適当である。
記録材料を含有する相のドット径は、5〜500nm、好ましくは10〜200nmが適当である。
《下引き層》
下引き層は、(1)接着性の向上、(2)水又はガスなどのバリアー、(3)記録層の保存安定性の向上、(4)反射率の向上、(5)溶剤からの基板の保護、(6)案内溝、案内ピット、プレフォーマットの形成などを目的として使用される。
(1)の目的に対しては、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の高分子化合物、及び、シランカップリング剤などを用いることができる。
(2)及び(3)の目的に対しては、上記高分子材料以外に、SiO、MgF、SiO2、TiO、ZnO、TiN、SiNなどの無機化合物や、Zn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Al、などの金属又は半金属を用いることができる。
(4)の目的に対しては、Al、Au、Ag等の金属や、メチン染料、キサンテン系染料などの金属光沢を有する有機薄膜を用いることができる。
(5)及び(6)の目的に対しては、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。
下引き層の膜厚は、0.01〜30μm、好ましくは、0.05〜10μmとする。
下引き層は、(1)接着性の向上、(2)水又はガスなどのバリアー、(3)記録層の保存安定性の向上、(4)反射率の向上、(5)溶剤からの基板の保護、(6)案内溝、案内ピット、プレフォーマットの形成などを目的として使用される。
(1)の目的に対しては、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の高分子化合物、及び、シランカップリング剤などを用いることができる。
(2)及び(3)の目的に対しては、上記高分子材料以外に、SiO、MgF、SiO2、TiO、ZnO、TiN、SiNなどの無機化合物や、Zn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Al、などの金属又は半金属を用いることができる。
(4)の目的に対しては、Al、Au、Ag等の金属や、メチン染料、キサンテン系染料などの金属光沢を有する有機薄膜を用いることができる。
(5)及び(6)の目的に対しては、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。
下引き層の膜厚は、0.01〜30μm、好ましくは、0.05〜10μmとする。
《反射層》
反射層は求められる反射率に応じて必要な場合に用いられる。
反射層の材料としては単体で高反射率の得られる腐食され難い金属、半金属等が挙げられ、具体例としてはAu、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、Snなどが挙げられるが、反射率や生産性の点からAu、Ag、Alが最も好ましい。これらの金属、半金属は単独で使用しても2種以上の合金としても良い。
膜形成法としては蒸着、スッパタリングなどが挙げられ、膜厚は50〜5000Å、好ましくは100〜3000Åとする。
反射層は求められる反射率に応じて必要な場合に用いられる。
反射層の材料としては単体で高反射率の得られる腐食され難い金属、半金属等が挙げられ、具体例としてはAu、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、Snなどが挙げられるが、反射率や生産性の点からAu、Ag、Alが最も好ましい。これらの金属、半金属は単独で使用しても2種以上の合金としても良い。
膜形成法としては蒸着、スッパタリングなどが挙げられ、膜厚は50〜5000Å、好ましくは100〜3000Åとする。
《保護層、基板面ハードコート層》
保護層及び基板面ハードコート層は、(1)記録層(反射吸収層)の傷、ホコリ、汚れ等からの保護、(2)記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、(3)反射率の向上等を目的として使用される。これらの目的に対しては、前記下引き層において示した材料を用いることができる。また、無機材料として、SiO、SiO2なども用いることができ、有機材料としてポリメチルアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂も用いることができる。上記材料のうち最も好ましいのは下引き層において例示した生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。
保護層又は基板面ハードコート層の膜厚は、0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmとする。
本発明において、前記下引き層、保護層、及び基板面ハードコート層には、記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
保護層及び基板面ハードコート層は、(1)記録層(反射吸収層)の傷、ホコリ、汚れ等からの保護、(2)記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、(3)反射率の向上等を目的として使用される。これらの目的に対しては、前記下引き層において示した材料を用いることができる。また、無機材料として、SiO、SiO2なども用いることができ、有機材料としてポリメチルアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂も用いることができる。上記材料のうち最も好ましいのは下引き層において例示した生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。
保護層又は基板面ハードコート層の膜厚は、0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmとする。
本発明において、前記下引き層、保護層、及び基板面ハードコート層には、記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
本発明によれば、ナノメータサイズの記録材料を分散させたミクロ相分離構造を有機ポリマーマトリックス中に構築した有機薄膜を応用することにより、従来の光記録媒体では実現不可能なピックアップレンズの回折限界を越えた高記録密度での記録再生を可能とし、案内溝を設けなくても安定にトラッキングでき、更には、見た目にカラフルな装飾を簡易に記録再生面上に施すことができる光記録媒体を提供できる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
《実施例1》
ポリスチレン(PSt)とポリ−(2−ビニルピリジン)(P2VP)からなり、ポリ−(2−ビニルピリジン)の体積分率が18vol%である数平均分子量約182,000のブロック共重合体をリビングラジカル法で合成した。
一方、アセトン/純粋(90/10vol%)40ml中に、10mmolの塩化金酸と1.0gの高分子顔料分散剤(ソルスパース24000:ゼネカ社製)を溶解させた後、5.0mlのジメチルアミノアルコールを加えて加熱し金超微粒子を調整した。
次いで、2−ブタノン中に、上記のブロック共重合体と、上記金超微粒子調整液とビス(p−ジメチルアミノフェニル)フェニル−4−ヒドロキシメチルアイオダイド色素を、1/1/0.01(重量比)で溶解させ、この溶液を、アクリル系のフォトポリマーで表面硬化させたPMMA(ポリメチルメタクリレート)基板上にスピナー塗布して製膜し、120℃で12時間アニールした。
TEM(透過型電子顕微鏡)及びAFM(原子間力顕微鏡)測定を行った結果、膜の相分離構造としては、各ブロックを形成するポリマー部分と上記の金超微粒子及び色素との相溶性により、金超微粒子がPSt中に、色素がP2VP中に選択的に分散され、色素を含有する相が球状構造となっていることを確認した。
金超微粒子が分散されたPSt部分と、色素が分散されたP2VP部分の分光特性は全く異なることから、上記ブロック共重合体/金超微粒子/色素膜は、金超微粒子を含有するPSt中に、色素を含有するP2VPからなるナノメーターオーダーの記録部が点在した超高密度光記録媒体となっている。
レーザ光(記録条件1)の未照射部(記録前に相当)と照射部(記録後に相当)の顕微鏡/顕微分光法による観察から、未照射部は金超微粒子のプラズモン吸収及び色素の電子遷移に基づく色彩が見られ、照射部は色素の電子遷移に基づく色彩とプラズモン吸収が変色した色彩との混合色が観測された。
ポリスチレン(PSt)とポリ−(2−ビニルピリジン)(P2VP)からなり、ポリ−(2−ビニルピリジン)の体積分率が18vol%である数平均分子量約182,000のブロック共重合体をリビングラジカル法で合成した。
一方、アセトン/純粋(90/10vol%)40ml中に、10mmolの塩化金酸と1.0gの高分子顔料分散剤(ソルスパース24000:ゼネカ社製)を溶解させた後、5.0mlのジメチルアミノアルコールを加えて加熱し金超微粒子を調整した。
次いで、2−ブタノン中に、上記のブロック共重合体と、上記金超微粒子調整液とビス(p−ジメチルアミノフェニル)フェニル−4−ヒドロキシメチルアイオダイド色素を、1/1/0.01(重量比)で溶解させ、この溶液を、アクリル系のフォトポリマーで表面硬化させたPMMA(ポリメチルメタクリレート)基板上にスピナー塗布して製膜し、120℃で12時間アニールした。
TEM(透過型電子顕微鏡)及びAFM(原子間力顕微鏡)測定を行った結果、膜の相分離構造としては、各ブロックを形成するポリマー部分と上記の金超微粒子及び色素との相溶性により、金超微粒子がPSt中に、色素がP2VP中に選択的に分散され、色素を含有する相が球状構造となっていることを確認した。
金超微粒子が分散されたPSt部分と、色素が分散されたP2VP部分の分光特性は全く異なることから、上記ブロック共重合体/金超微粒子/色素膜は、金超微粒子を含有するPSt中に、色素を含有するP2VPからなるナノメーターオーダーの記録部が点在した超高密度光記録媒体となっている。
レーザ光(記録条件1)の未照射部(記録前に相当)と照射部(記録後に相当)の顕微鏡/顕微分光法による観察から、未照射部は金超微粒子のプラズモン吸収及び色素の電子遷移に基づく色彩が見られ、照射部は色素の電子遷移に基づく色彩とプラズモン吸収が変色した色彩との混合色が観測された。
《実施例2》
ポリエチレングリコール(PEG)とアゾベンゼンで修飾されたポリメチルメタクリレート(Poly1:6−[4−(4−エチルフェニル)ジアゼニルフェニルオキシ]ヘキシルメチルメタクリレート)からなり、PEGの体積分率が29vol%である数平均分子量約168,000のブロック共重合体をリビングラジカル法で合成した。
次いで、2−ブタノン中に、このブロック共重合体(1.5×10−2mol/l)、塩化金酸ナトリウム二水和物(6.5×10−4mol/l)、テレフタルアルデヒド(1.7×10−3mol/l)、アルミニウムアセチルアセトナート(3.8×10−4mol/l)、トリフェニルシラノール(1.0×10−2mol/l)を溶解し、70℃で10時間加熱した。冷却後、アクリル系のフォトポリマーで表面硬化させたPMMA基板上に、乾燥後の膜厚が約60nmとなるような条件でスピナー塗布して製膜し、120℃で12時間アニールした。
TEM及びAFM測定により、PMMA基板上には、金超微粒子がPEG中に選択的に分散された相の柱状構造が薄膜面に対し垂直に形成されていることを確認した。
即ち、上記ブロック共重合体/金超微粒子膜は、アゾベンゼンで修飾されたPoly1の中に金超微粒子を含有するPEGからなるナノメータオーダーの柱状記録部が点在した超高密度光記録媒体となっている。
ポリエチレングリコール(PEG)とアゾベンゼンで修飾されたポリメチルメタクリレート(Poly1:6−[4−(4−エチルフェニル)ジアゼニルフェニルオキシ]ヘキシルメチルメタクリレート)からなり、PEGの体積分率が29vol%である数平均分子量約168,000のブロック共重合体をリビングラジカル法で合成した。
次いで、2−ブタノン中に、このブロック共重合体(1.5×10−2mol/l)、塩化金酸ナトリウム二水和物(6.5×10−4mol/l)、テレフタルアルデヒド(1.7×10−3mol/l)、アルミニウムアセチルアセトナート(3.8×10−4mol/l)、トリフェニルシラノール(1.0×10−2mol/l)を溶解し、70℃で10時間加熱した。冷却後、アクリル系のフォトポリマーで表面硬化させたPMMA基板上に、乾燥後の膜厚が約60nmとなるような条件でスピナー塗布して製膜し、120℃で12時間アニールした。
TEM及びAFM測定により、PMMA基板上には、金超微粒子がPEG中に選択的に分散された相の柱状構造が薄膜面に対し垂直に形成されていることを確認した。
即ち、上記ブロック共重合体/金超微粒子膜は、アゾベンゼンで修飾されたPoly1の中に金超微粒子を含有するPEGからなるナノメータオーダーの柱状記録部が点在した超高密度光記録媒体となっている。
《実施例3》
実施例2と同じPEGとアゾベンゼンで修飾されたPoly1からなり、Poly1の体積分率が19vol%である数平均分子量約168,000のブロック共重合体をリビングラジカル法で合成した。
次いで、ベンゼン/n−プロピルアルコール(50/50vol%)混合溶媒に、このブロック共重合体(2.6×10−2mol/l)、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ストレプトメチンシアニンクロライド色素(1.5×10−3mol/l)を溶解し、アクリル系のフォトポリマーで表面硬化させたPMMA基板上にスピナー塗布して製膜し、120℃で12時間アニールした。
TEM及びAFM測定により、膜の相分離構造としては、ブロック共重合体の各ブロックと上記色素との相溶性から、色素が選択的に分散されたPEG中にPoly1からなる球状構造が形成されていることを確認した。
即ち、上記ブロック共重合体/色素膜は、色素により装飾されたPEG中にPoly1からなるナノメータオーダーの球状記録部が点在した超高密度光記録媒体となっている。
レーザ光(記録条件2)の未照射部(記録前に相当)と照射部(記録後に相当)の顕微鏡/顕微分光法による観察から、未照射部はPoly1及び色素の電子遷移に基づく色彩が見られ、照射部はPoly1の電子遷移に基づく色彩と色素が変色した色彩との混合色が観測された。
実施例2と同じPEGとアゾベンゼンで修飾されたPoly1からなり、Poly1の体積分率が19vol%である数平均分子量約168,000のブロック共重合体をリビングラジカル法で合成した。
次いで、ベンゼン/n−プロピルアルコール(50/50vol%)混合溶媒に、このブロック共重合体(2.6×10−2mol/l)、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ストレプトメチンシアニンクロライド色素(1.5×10−3mol/l)を溶解し、アクリル系のフォトポリマーで表面硬化させたPMMA基板上にスピナー塗布して製膜し、120℃で12時間アニールした。
TEM及びAFM測定により、膜の相分離構造としては、ブロック共重合体の各ブロックと上記色素との相溶性から、色素が選択的に分散されたPEG中にPoly1からなる球状構造が形成されていることを確認した。
即ち、上記ブロック共重合体/色素膜は、色素により装飾されたPEG中にPoly1からなるナノメータオーダーの球状記録部が点在した超高密度光記録媒体となっている。
レーザ光(記録条件2)の未照射部(記録前に相当)と照射部(記録後に相当)の顕微鏡/顕微分光法による観察から、未照射部はPoly1及び色素の電子遷移に基づく色彩が見られ、照射部はPoly1の電子遷移に基づく色彩と色素が変色した色彩との混合色が観測された。
《実施例4》
実施例2で合成したブロック共重合体とHAS−10(エチルシリケート加水分解液、コルコート社製)を1/0.01(重量比)で、ベンゼン/n−プロピルアルコール(50/50volume%)混合溶媒に溶解し、アクリル系のフォトポリマーで表面硬化させたPMMA基板上にスピナー塗布して製膜し、120℃で24時間アニールした。
TEM及びAFM測定により、膜の相分離構造としては、ブロック共重合体の各ブロックとHAS−10との相溶性から、HAS−10を含有するPEG中にPoly1からなるナノメーターオーダーの球状構造が形成されていることを確認した。
ポリエチレングリコール(PEG)/HAS−10分散膜とPoly1膜のそれぞれの反射率の膜厚依存性から、同一膜厚での両者の反射率差は最大9%であり、上記光記録媒体の膜厚を反射率差が9%になる条件とすることにより、非記録部が反射防止機能を持つ光記録媒体となる。
実施例2で合成したブロック共重合体とHAS−10(エチルシリケート加水分解液、コルコート社製)を1/0.01(重量比)で、ベンゼン/n−プロピルアルコール(50/50volume%)混合溶媒に溶解し、アクリル系のフォトポリマーで表面硬化させたPMMA基板上にスピナー塗布して製膜し、120℃で24時間アニールした。
TEM及びAFM測定により、膜の相分離構造としては、ブロック共重合体の各ブロックとHAS−10との相溶性から、HAS−10を含有するPEG中にPoly1からなるナノメーターオーダーの球状構造が形成されていることを確認した。
ポリエチレングリコール(PEG)/HAS−10分散膜とPoly1膜のそれぞれの反射率の膜厚依存性から、同一膜厚での両者の反射率差は最大9%であり、上記光記録媒体の膜厚を反射率差が9%になる条件とすることにより、非記録部が反射防止機能を持つ光記録媒体となる。
《実施例5》
ピリジン/クロロホルム/n−プロピルアルコール(30/30/40vol%)混合溶媒に、実施例1で合成したブロック共重合体、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フェニル−4−ヒドロキシメチリウムアイオダイド色素及びヘキサフルオロアセチルアセトンを1/0.01/0.1(重量比)で溶解し、アクリル系のフォトポリマーで表面硬化させたPMMA基板上にスピナー塗布して製膜し、120℃で12時間アニールした。
TEM及びAFM測定により、膜の相分離構造としては、ブロック共重合体の各ブロックと上記色素及びフッ素化合物との相溶性から、フッ素化合物を含有するPSt中に、色素を含有するP2VPからなるナノメーターオーダーの球状構造が形成されていることを確認した。
レーザ光(記録条件2)の未照射部(記録前に相当)と照射部(記録後に相当)の顕微鏡/顕微分光法による観察から、未照射部は色素の電子遷移に基づく色彩が見られ、照射部は色素の変色した色彩が観測された。
フッ素化合物が分散されたPSt部分と、色素が分散されたP2VP部分のそれぞれの反射率の膜厚依存性から、同一膜厚での両者の反射率差は最大13%であり、上記光記録媒体の膜厚を反射率差が13%になる条件とすることにより、非記録部が反射防止機能を持つ光記録媒体となる。
ピリジン/クロロホルム/n−プロピルアルコール(30/30/40vol%)混合溶媒に、実施例1で合成したブロック共重合体、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フェニル−4−ヒドロキシメチリウムアイオダイド色素及びヘキサフルオロアセチルアセトンを1/0.01/0.1(重量比)で溶解し、アクリル系のフォトポリマーで表面硬化させたPMMA基板上にスピナー塗布して製膜し、120℃で12時間アニールした。
TEM及びAFM測定により、膜の相分離構造としては、ブロック共重合体の各ブロックと上記色素及びフッ素化合物との相溶性から、フッ素化合物を含有するPSt中に、色素を含有するP2VPからなるナノメーターオーダーの球状構造が形成されていることを確認した。
レーザ光(記録条件2)の未照射部(記録前に相当)と照射部(記録後に相当)の顕微鏡/顕微分光法による観察から、未照射部は色素の電子遷移に基づく色彩が見られ、照射部は色素の変色した色彩が観測された。
フッ素化合物が分散されたPSt部分と、色素が分散されたP2VP部分のそれぞれの反射率の膜厚依存性から、同一膜厚での両者の反射率差は最大13%であり、上記光記録媒体の膜厚を反射率差が13%になる条件とすることにより、非記録部が反射防止機能を持つ光記録媒体となる。
《比較例1》
実施例1と同じブロック共重合体のみを2−ブタノン中に溶解させて塗布溶液を調整した。次いで、実施例1と同じアクリル系のフォトポリマーで表面硬化させたPMMA基板上にスピナー塗布して製膜し、120℃で12時間アニールした。
TEM及びAFM測定により、膜の相分離構造としては、PSt中にP2VPからなるナノメーターオーダーの球状構造が形成されていることを確認した。レーザ光(記録条件1)の未照射部(記録前に相当)と照射部(記録後に相当)の顕微鏡/顕微分光法による観察から、未照射部及び照射部との差は見られなかった。プラズモン吸収及び色素の電子遷移に基づく色彩が見られた。
実施例1と同じブロック共重合体のみを2−ブタノン中に溶解させて塗布溶液を調整した。次いで、実施例1と同じアクリル系のフォトポリマーで表面硬化させたPMMA基板上にスピナー塗布して製膜し、120℃で12時間アニールした。
TEM及びAFM測定により、膜の相分離構造としては、PSt中にP2VPからなるナノメーターオーダーの球状構造が形成されていることを確認した。レーザ光(記録条件1)の未照射部(記録前に相当)と照射部(記録後に相当)の顕微鏡/顕微分光法による観察から、未照射部及び照射部との差は見られなかった。プラズモン吸収及び色素の電子遷移に基づく色彩が見られた。
《比較例2》
実施例4と同じブロック共重合体のみを用い、実施例4と同じ溶媒を用いて塗布溶液を調整した。この溶液を、アクリル系のフォトポリマーで表面硬化させたPMMA基板上にスピナー塗布して製膜し、120℃で24時間アニールした。
TEM及びAFM測定により、膜の相分離構造としては、ポリエチレングリコール(PEG)中にPoly1からなるナノメーターオーダーの球状構造が形成されていることを確認した。
ポリエチレングリコール(PEG)膜とPoly1膜それぞれの反射率の膜厚依存性から、同一膜厚での両者の反射率差は最大6%であった。
実施例4と同じブロック共重合体のみを用い、実施例4と同じ溶媒を用いて塗布溶液を調整した。この溶液を、アクリル系のフォトポリマーで表面硬化させたPMMA基板上にスピナー塗布して製膜し、120℃で24時間アニールした。
TEM及びAFM測定により、膜の相分離構造としては、ポリエチレングリコール(PEG)中にPoly1からなるナノメーターオーダーの球状構造が形成されていることを確認した。
ポリエチレングリコール(PEG)膜とPoly1膜それぞれの反射率の膜厚依存性から、同一膜厚での両者の反射率差は最大6%であった。
《比較例3》
実施例5と同じ混合溶媒に、実施例1で用いたブロック共重合体とビス(p−ジメチルアミノフェニル)フェニル−4−ヒドロキシメチリウムアイオダイド色素を1/0.01(重量比)で溶解し、アクリル系のフォトポリマーで表面硬化させたPMMA基板上にスピナー塗布して製膜し、120℃で12時間アニールした。
TEM及びAFM測定により、膜の相分離構造としては、ブロック共重合体の各ブロックと上記色素との相溶性から、PSt中に、色素を含有するP2VPからなるナノメーターオーダーの球状構造が形成されていることを確認した。
レーザ光(記録条件2)の未照射部(記録前に相当)と照射部(記録後に相当)の顕微鏡/顕微分光法による観察から、未照射部は色素の電子遷移に基づく色彩が見られ、照射部は色素の変色した色彩が観測された。
PSt部分と、色素が分散されたP2VP部分のそれぞれの反射率の膜厚依存性から、同一膜厚での両者の反射率差は最大10%であった。
実施例5と同じ混合溶媒に、実施例1で用いたブロック共重合体とビス(p−ジメチルアミノフェニル)フェニル−4−ヒドロキシメチリウムアイオダイド色素を1/0.01(重量比)で溶解し、アクリル系のフォトポリマーで表面硬化させたPMMA基板上にスピナー塗布して製膜し、120℃で12時間アニールした。
TEM及びAFM測定により、膜の相分離構造としては、ブロック共重合体の各ブロックと上記色素との相溶性から、PSt中に、色素を含有するP2VPからなるナノメーターオーダーの球状構造が形成されていることを確認した。
レーザ光(記録条件2)の未照射部(記録前に相当)と照射部(記録後に相当)の顕微鏡/顕微分光法による観察から、未照射部は色素の電子遷移に基づく色彩が見られ、照射部は色素の変色した色彩が観測された。
PSt部分と、色素が分散されたP2VP部分のそれぞれの反射率の膜厚依存性から、同一膜厚での両者の反射率差は最大10%であった。
<記録再生条件>
上記各光記録媒体に、発振波長405nm、ビーム径0.7μm(記録条件1)、及び、発振波長654nm、ビーム径1.0μm(記録条件2)の半導体レーザを、水平方向に1.5μm間隔で1.0cm2スキャンさせた。この照射部及び未照射部を、顕微鏡/顕微分光法により観察した。
上記記録条件では、記録ドットが数十nmで記録ビーム径が1.0μmのため、一度のレーザスキャンで数多くの記録ドットが光照射される。また、再生評価(TEM、AFM、顕微分光法)もマクロの観察である。厳密には記録ドット単位で記録し、記録ドット単位で再生したものではないが、比較例との比較により記録ドットへの記録及び再生が検証できる。以下に比較結果を纏めた。
実施例1,3,5と比較例1,2の比較により、実施例の光記録媒体は、レーザにより記録が可能なことが明らかであり、球状又は柱状構造内に存在する色素、色素を直接結合したブロック共重合体、又は金属超微粒子に記録がなされたことが明らかである。
実施例1,2,3により、非記録材料部位を簡易にかつ任意な色彩で装飾でき、従来不可能であった記録再生面への着色も可能なことが明らかである。また、その方法として、色素、色素を直接結合したブロック共重合体、又は金属超微粒子が有効なことも明らかである。
実施例3,4と比較例2より、実施例の光記録媒体は、記録材料部位とその他の非記録材料部位との反射率差が大きく取れ、基板に案内溝を設けずそのままトラッキングする方法において、より安定したトラッキングが可能なことが明らかである。また、その方法として、低屈折率材料を用いる方法、及び膜厚を調整し多重干渉効果により低反射率化する方法が有効なことも明らかである。
本実験では、記録材料部位径(数十nm)に比較し、大きなビーム径(1.0μm)の光源で記録したため多数の記録材料部位を一度に記録したが、記録材料部位と同程度のビーム径で記録すれば、記録材料部位を個別に記録することが可能なことは明らかである。
上記各光記録媒体に、発振波長405nm、ビーム径0.7μm(記録条件1)、及び、発振波長654nm、ビーム径1.0μm(記録条件2)の半導体レーザを、水平方向に1.5μm間隔で1.0cm2スキャンさせた。この照射部及び未照射部を、顕微鏡/顕微分光法により観察した。
上記記録条件では、記録ドットが数十nmで記録ビーム径が1.0μmのため、一度のレーザスキャンで数多くの記録ドットが光照射される。また、再生評価(TEM、AFM、顕微分光法)もマクロの観察である。厳密には記録ドット単位で記録し、記録ドット単位で再生したものではないが、比較例との比較により記録ドットへの記録及び再生が検証できる。以下に比較結果を纏めた。
実施例1,3,5と比較例1,2の比較により、実施例の光記録媒体は、レーザにより記録が可能なことが明らかであり、球状又は柱状構造内に存在する色素、色素を直接結合したブロック共重合体、又は金属超微粒子に記録がなされたことが明らかである。
実施例1,2,3により、非記録材料部位を簡易にかつ任意な色彩で装飾でき、従来不可能であった記録再生面への着色も可能なことが明らかである。また、その方法として、色素、色素を直接結合したブロック共重合体、又は金属超微粒子が有効なことも明らかである。
実施例3,4と比較例2より、実施例の光記録媒体は、記録材料部位とその他の非記録材料部位との反射率差が大きく取れ、基板に案内溝を設けずそのままトラッキングする方法において、より安定したトラッキングが可能なことが明らかである。また、その方法として、低屈折率材料を用いる方法、及び膜厚を調整し多重干渉効果により低反射率化する方法が有効なことも明らかである。
本実験では、記録材料部位径(数十nm)に比較し、大きなビーム径(1.0μm)の光源で記録したため多数の記録材料部位を一度に記録したが、記録材料部位と同程度のビーム径で記録すれば、記録材料部位を個別に記録することが可能なことは明らかである。
1 基板
2 記録層
3 反射層
2 記録層
3 反射層
Claims (13)
- 互いに非相溶の2種以上のポリマーブロックを有するブロック共重合体を主成分とし、そのミクロ相分離構造の一つの相にのみ光記録再生機能を有する記録材料を含有し、ミクロ相分離構造の他の相にのみ光記録再生機能を有しない機能性光学材料を含有する有機薄膜を記録層とする光記録媒体。
- 記録材料が、記録再生波長近傍の光に対して吸収能を持つ色素からなる請求項1記載の光記録媒体。
- 色素が、ブロック共重合体に直接結合している請求項2記載の光記録媒体。
- 記録材料が、記録再生波長近傍にプラズモン吸収を発現する金属超微粒子(金属ナノクラスター)からなる請求項1記載の光記録媒体。
- 機能性光学材料を含有する相が、反射防止機能を持つ請求項1〜4の何れかに記載の光記録媒体。
- 記録再生波長近傍の光に対して反射防止効果を持たせた請求項5記載の光記録媒体。
- 機能性光学材料として低屈折率材料を用いることにより、反射防止効果を持たせた請求項6記載の光記録媒体。
- 有機薄膜の膜厚を調整して、多重干渉効果により反射防止効果を持たせた請求項6記載の光記録媒体。
- 機能性光学材料を含有する相が、着色機能を持つ請求項1〜4の何れかに記載の光記録媒体。
- 機能性光学材料が、記録再生波長近傍の光に対して吸収能を持たない着色材料からなる請求項9記載の光記録媒体。
- 着色材料が色素である請求項10記載の光記録媒体。
- 色素が、ブロック共重合体に直接結合している請求項11記載の光記録媒体。
- 着色材料が、記録再生波長近傍の光に対してプラズモン吸収を発現しない金属超微粒子(金属ナノクラスター)である請求項10記載の光記録媒体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008239854A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Nitto Denko Corp | ミクロ相分離構造を有する高分子体の製造方法ならびにミクロ相分離構造を有する高分子体 |
WO2011115165A1 (ja) * | 2010-03-18 | 2011-09-22 | 株式会社豊田中央研究所 | ナノヘテロ構造体およびその製造方法 |
-
2004
- 2004-12-15 JP JP2004362301A patent/JP2006172584A/ja active Pending
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WO2008123203A1 (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-16 | Nitto Denko Corporation | ミクロ相分離構造を有する高分子体の製造方法ならびにミクロ相分離構造を有する高分子体 |
WO2011115165A1 (ja) * | 2010-03-18 | 2011-09-22 | 株式会社豊田中央研究所 | ナノヘテロ構造体およびその製造方法 |
JP5472446B2 (ja) * | 2010-03-18 | 2014-04-16 | 株式会社豊田中央研究所 | ナノヘテロ構造体およびその製造方法 |
JP2014111305A (ja) * | 2010-03-18 | 2014-06-19 | Toyota Central R&D Labs Inc | ナノヘテロ構造体 |
US9914666B2 (en) | 2010-03-18 | 2018-03-13 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | Nanoheterostructure and method for producing the same |
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