JP2006170192A - 燃料噴射ノズル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シート面16またはシート部17の磨耗の方向性を統一し、経時変化に伴う噴射量の補正を一律的に行うことができるノズル1を提供することにある。
【解決手段】製造時に、ボディ3をエンジンによる被熱温度よりも高い温度で焼き戻す。これにより、ボディ3は、焼き戻し温度よりも高い被熱温度に達することなく使用されるため、使用においてボディ3の焼き戻し軟化は発生しない。このため、磨耗の方向性は、シート部17が磨耗する方向に統一され、磨耗後のシート部17´は、製造時のシート部17よりも径小の部分に移動し、噴射開始タイミングが早まり噴射量が増加する。したがって、噴射量の補正は、噴射開始タイミングが早まり噴射量が増加する方向にのみ対処できればよく、噴射開始タイミングが遅れ噴射量が減少する方向を考慮しなくてもよい。以上より、経時変化に伴う噴射量の補正を一律的に行うことができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関(エンジン)に燃料を噴射供給する燃料噴射ノズルに関する。
〔従来の技術〕
従来より、図7(a)、(b)に示すように、エンジンに燃料を噴射供給する燃料噴射ノズル100は、噴孔101が形成されたボディ102、および噴孔101を開閉する弁体としてのニードル103を備える。そして、ニードル103が駆動されてシート部104がシート面105から離座すると、噴孔101が開放され燃料が噴射供給される。また、シート部104がシート面105に着座すると、噴孔101が閉鎖され燃料の噴射供給が停止される。
〔従来技術の不具合〕
この燃料噴射ノズル100のボディ102は、一般に機械構造用肌焼き鋼を焼き戻すことにより製造される。しかし、燃料噴射ノズル100が、ディーゼルエンジンのような直噴型エンジンに搭載されて用いられる場合、燃料噴射ノズル100は、燃焼室における燃焼熱を直接的に伝達され、エンジンの運転状態に応じた被熱温度まで昇温してしまう。
このため、この被熱温度が、製造時の焼き戻し温度よりも高いと、ボディ102が軟化してしまい、図7(c)に示すように、シート面105がシート部104により磨耗させられる虞がある。そして、シート面105が磨耗すると、製造時のシート部104は、より径大のシート部104´に移動する。このため、噴孔101を開放する方向(開孔方向)に作用する燃料圧力の受圧面積が小さくなり、磨耗前よりも噴射開始タイミングが遅れ噴射量が減少する虞がある。
一方、被熱温度が、製造時の焼き戻し温度よりも低いと、ボディ102が軟化せず、図7(d)に示すように、シート部104の方がシート面105により磨耗させられる虞がある。そして、シート部104が磨耗すると、製造時のシート部104は、より径小のシート部104″に移動する。このため、開孔方向に作用する燃料圧力の受圧面積が大きくなり、磨耗前よりも噴射開始タイミングが早まり噴射量が増加する虞がある。
このように、機械構造用肌焼き鋼を素材としてボディ102を製造すると、図8に示すように、被熱温度および製造時の焼き戻し温度のいずれが高いかによって、噴射量の経時変化の方向性が正反対になってしまう。このため、経時変化に伴う噴射量の補正を、一律的に行うことができず煩雑な処理が必要になる。
また、近年の黒煙低減などの要望に伴う噴射圧力の上昇により、噴孔101を閉鎖するための付勢力、すなわち、シート部104をシート面105に押し付ける力が、ますます大きくなっている。このため、シート面105またはシート部104が磨耗する虞は、ますます高まっている。
なお、このような問題に対し、シート面105自体の硬度を向上させる技術が公知となっている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
特許文献1に記載の技術によれば、機械構造用肌焼き鋼を素材とするボディ102のシート面105に浸炭処理が施され、硬度の向上が図られている。また、特許文献2に記載の技術によれば、機械構造用肌焼き鋼を素材とするボディ102のシート面105に浸炭浸窒処理が施され、硬度の向上が図られている。
しかし、これらの技術によれば、製造時における硬度は保証されるものの、使用に伴う磨耗等の経時変化に関する問題では、なお、改善の余地がある。
また、機械構造用肌焼き鋼の替わりに、軟化抵抗の高い素材(例えば、高速度工具鋼)を用いてボディ102を製造する技術も考えられるが、材料コストが高くなってしまう。
米国特許第4801095号 特開2004−3435号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、シート面(ボディ)またはシート部(ニードル)の磨耗の方向性を統一することができるとともに、経時変化に伴う噴射量の補正を一律的に行うことができる燃料噴射ノズルを提供することにある。
〔請求項1の手段〕
請求項1に記載の手段は、燃料噴射ノズルの製造方法に関する。この製造方法により製造される燃料噴射ノズルは、噴孔が形成されたボディと、ボディに移動自在に収容され噴孔を開閉する弁体とを備え、内燃機関に燃料を噴射供給するとともに、ボディが内燃機関から熱伝達を受け所定の被熱温度に達する。そして、この燃料噴射ノズルの製造方法は、ボディを焼き戻す焼き戻し工程を備え、焼き戻し工程は、所定の被熱温度よりも高い温度でボディを焼き戻す。
これにより、ボディは、製造時の焼き戻し温度よりも高い被熱温度に達することなく使用されるため、使用において焼き戻されなくなる。このため、ボディは軟化しないので、磨耗の方向性は、ニードルのシート部が磨耗する方向に統一される。したがって、噴射量の補正は、噴射開始タイミングが早まり噴射量が増加する方向にのみ対処できればよく、噴射開始タイミングが遅れ噴射量が減少する方向を考慮しなくてもよい。
以上より、請求項1に記載の手段を採用すれば、ボディ(シート面)またはニードル(シート部)の磨耗の方向性を統一することができるとともに、経時変化に伴う噴射量の補正を一律的に行うことができる。
〔請求項2の手段〕
請求項2に記載の燃料噴射ノズルでは、燃料が150MPa以上の加圧状態で内燃機関に噴射供給される。
これにより、近年の噴射圧力の上昇によりシート面またはシート部が磨耗する虞が高まっている状況でも、ボディ(シート面)またはニードル(シート部)の磨耗の方向性を統一することができるとともに、経時変化に伴う噴射量の補正を一律的に行うことができる。
〔請求項3の手段〕
請求項3に記載の燃料噴射ノズルでは、ボディを焼き戻す温度が、270℃以上である。
近年のエンジンによれば、ボディの被熱温度は220℃〜270℃である。よって、270℃以上の温度でボディを焼き戻せば、この燃料噴射ノズルをいかなる品種のエンジンに搭載しても、ボディの焼き戻しによる軟化は発生しなくなる。
〔請求項4の手段〕
請求項4に記載の燃料噴射ノズルは、異なる品種のエンジンに搭載して作動させることができる互換性を有する。
ボディの被熱温度が最も高いエンジンに合わせて製造時の焼き戻し温度を設定すれば、いかなる品種のエンジンでこの燃料噴射ノズルを使用しても、ボディの軟化は生じない。よって、燃料噴射ノズルが互換性を有していても、磨耗の方向性を統一することができる。この結果、互換性を有する燃料噴射ノズルについて、エンジンの品種に応じて製造時の焼き戻し温度を変更する必要がなくなる。
〔請求項5の手段〕
請求項5に記載の燃料噴射ノズルでは、ボディが、機械構造用肌焼き鋼を素材として製造され、弁体が着座するシート面では、炭素および窒素の表面含有率が、内部含有率よりも大きい。
炭素および窒素の含有率を上げれば、「被熱温度よりも高い温度」のような高温度で焼き戻してもシート面の硬度の低下を抑えることができる。このため、炭素および窒素の表面含有率を上げれば、シート面が磨耗する虞をさらに低減することができる。この結果、補正の方向性確保に対する信頼性を高めることができる。
〔請求項6の手段〕
請求項6に記載の表面含有率とは、シート面の表面から0.05mmの深さまでの表層部における含有率であり、炭素の表面含有率は、0.6重量%以上1.0重量%以下であり、窒素の表面含有率は、0.4重量%以上0.9重量%以下である。
上記のように、炭素および窒素の表面含有率を規制することにより、製造時の焼き戻しにおけるシート面の硬度低下を抑えるとともに、シート面の靭性を確保することができる。
〔請求項7の手段〕
請求項7に記載の燃料噴射ノズルにおいて採用される機械構造用肌焼き鋼は、ケイ素が添加増量されたクロムモリブデン鋼である。
この結果、より強度の高い素材からボディが製造されるため、シート面が磨耗する虞をさらに低減することができる。この結果、補正の方向性確保に対する信頼性を、さらに高めることができる。
〔請求項8の手段〕
請求項8に記載の燃料噴射ノズルにおいて採用されるクロムモリブデン鋼のケイ素含有率は、0.5重量%以上1.0重量%以下である。
上記のようにケイ素含有率を規制することにより、製造時の焼き戻しによる硬度低下を抑えることができる。
最良の形態1の燃料噴射ノズルは、噴孔が形成されたボディと、ボディに移動自在に収容され噴孔を開閉する弁体とを備え、内燃機関に燃料を噴射供給するとともに、ボディが内燃機関から熱伝達を受け所定の被熱温度に達する。そして、この燃料噴射ノズルの製造方法は、ボディを焼き戻す焼き戻し工程を備え、焼き戻し工程は、所定の被熱温度よりも高い温度でボディを焼き戻す。
また、この燃料噴射ノズルによれば、燃料が150MPa以上の加圧状態で内燃機関に噴射供給される。
また、この燃料噴射ノズルのボディを焼き戻す温度は、270℃以上である。
また、この燃料噴射ノズルは、異なる品種の内燃機関に搭載して作動させることができる互換性を有する。
また、この燃料噴射ノズルのボディは、機械構造用肌焼き鋼を素材として製造され、弁体が着座するシート面では、炭素および窒素の表面含有率が、内部含有率よりも大きい。この表面含有率とは、シート面の表面から0.05mmの深さまでの表層部における含有率であり、炭素の表面含有率は、0.6重量%以上1.0重量%以下であり、窒素の表面含有率は、0.4重量%以上0.9重量%以下である。
最良の形態2の燃料噴射ノズルにおいて採用される機械構造用肌焼き鋼は、ケイ素が添加増量されたクロムモリブデン鋼である。
また、クロムモリブデン鋼のケイ素含有率は、0.5重量%以上1.0重量%以下である。
〔実施例1の構成〕
実施例1の燃料噴射ノズル1(以下、ノズル1と呼ぶ)の構成を、図1を用いて説明する。
ノズル1は、図1に示すように、噴孔2が形成されたボディ3と、ボディ3の内部に移動自在に収容され噴孔2を開閉する弁体としてのニードル4とを備え、ノズルホルダ(図示せず)に保持されて、ECUからの指令に応じて作動する電磁弁(図示せず)とともに燃料噴射弁を構成する。
この燃料噴射弁は、例えば、多気筒ディーゼルエンジンのような直噴型エンジン(図示せず:以下、単にエンジンと呼ぶ)の各気筒に搭載され、気筒およびピストンにより形成される燃焼室に燃料を噴射供給するために用いられる。このため、ボディ3は、燃焼室における燃焼熱を直接的に伝達され、エンジンの運転状態に応じた被熱温度まで昇温する。
なお、ノズル1から噴射される燃料は、周知の噴射ポンプ(図示せず)により高圧化して吐出されたものであり、周知のコモンレール(図示せず)を介してエンジンに噴射供給される。
ボディ3は、コモンレールから燃料を導く燃料供給路8、燃料供給路8を介して、常時、コモンレールから燃料の供給を受ける燃料溜り9、軸方向に設けられニードル4の本体部10を収容するとともに燃料溜り9から噴孔2までの燃料通路を形成するガイド孔11、本体部10を軸方向に摺動自在に収容する摺動孔13などを有する。
また、ガイド孔11の先端側(すなわち、反燃料溜り9側)には、先端に向かい縮径するように円錐状のシート面16が設けられ、このシート面16にニードル4のシート部17が着座および離座を繰り返す。さらに、シート面16の先端側にはサック室18が凹設され、このサック室18を形成する内周面19に、噴孔2が開口している。これにより、シート部17がシート面16から離座すると噴孔2が開放され、燃料の噴射が開始される。また、シート部17がシート面16に着座すると噴孔2が閉鎖され、燃料の噴射が停止される。
ニードル4は、略円柱状の本体部10と、本体部10の先端に形成された先端部24とからなる。本体部10の後端寄りの部分は、摺動孔13に収容される摺動軸部26をなす。先端部24は、先端に向かい円錐状に縮径する2つの円錐面27、28を有し、円錐面27、28が交わって形成される稜線が、シート部17をなす。
〔実施例1の特徴〕
実施例1のノズル1の特徴を用いて説明する。
実施例1のノズル1の製造方法は、ボディ3を焼き戻す焼き戻し工程を備える。ここで、このノズル1は、乗用車用ディーゼルエンジンやトラック用ディーゼルエンジンなどのように異なる品種のエンジンに搭載して作動させることができる互換性を有する。
そして、焼き戻し工程では、ボディ3の被熱温度が最も高いエンジンに合わせて焼き戻し温度が設定されている。すなわち、焼き戻し温度は、最も高い被熱温度よりも高い温度に設定されている。例えば、図2に示すように被熱温度が220〜270℃の場合、270℃以上の温度で焼き戻しが行われる。すなわち、この焼き戻し温度は、270℃としてもよく、280℃としてもよく、290℃または300℃としてもよい。
ノズル1に供給される燃料は、噴射ポンプにより高圧化されコモンレールを介して供給されたものであり、150MPa以上の加圧状態でエンジンに噴射供給される。
ボディ3は、機械構造用肌焼き鋼を素材として製造され、シート面16では、炭素および窒素の表面含有率が内部含有率よりも大きい。この表面含有率とは、シート面16の表面から0.05mmの深さまでの表層部における含有率であり、炭素の表面含有率は、0.6重量%以上1.0重量%以下であり、窒素の表面含有率は、0.4重量%以上0.9重量%以下である。
〔実施例1の作用〕
実施例1のノズル1の作用を、図1を用いて説明する。
ECUからの指令により電磁弁が作動すると、噴孔2を閉じる方向(閉孔方向)に作用する付勢力が減少し、燃料溜り9の燃料圧力、およびシート面16と円錐面27との隙間の燃料圧力(先端部24に作用する燃料圧力)により、ニードル4は噴孔2を開放する方向(開孔方向)に駆動される。この結果、シート部17がシート面16から離座して噴孔2とガイド孔とが連通状態となり、噴孔2から気筒内に高圧燃料が噴射供給される。
電磁弁が作動を停止すると、閉孔方向に作用する付勢力が増加する。そして、閉孔方向に作用する付勢力が、開孔方向に作用する付勢力(燃料溜まり9の燃料圧力および先端部24に作用する燃料圧力による付勢力)よりも大きくなると、ニードル4は閉孔方向に駆動される。この結果、シート部17がシート面16に着座して噴孔2とガイド孔11との間が遮断され、噴孔2から気筒内への高圧燃料の噴射供給が停止される。
〔実施例1の効果〕
実施例1のノズル1のボディ3は、製造時の焼き戻し工程で、エンジンによる被熱温度よりも高い温度で焼き戻される。
これにより、ボディ3は、製造時の焼き戻し温度よりも高い被熱温度に達することなく使用されるため、使用において焼き戻されなくなる。このため、ボディ3は軟化しないので、磨耗の方向性は、ニードル4のシート部17が磨耗する方向に統一される。
この結果、図3に示すように、磨耗後のシート部17´は、製造時のシート部17よりも径小の部分に移動する。これにより、先端部24に作用する燃料圧力の受圧面積が大きくなるので、シート部17´がシート面16から離座するタイミングは、シート部17がシート面16から離座するタイミングよりも早くなる。このため、図4に示すように、使用を伴う経時とともに、噴射開始タイミングが早まり噴射量が増加する。したがって、噴射量の補正は、噴射開始タイミングが早まり噴射量が増加する方向にのみ対処できればよく、噴射開始タイミングが遅れ噴射量が減少する方向を考慮しなくてもよい。
以上より、実施例1のノズル1を採用すれば、シート面16とシート部17との間で生じる磨耗の方向性を統一することができるとともに、経時変化に伴う噴射量の補正を一律的に行うことができる。
実施例1のノズル1によれば、燃料が150MPa以上の加圧状態でエンジンに噴射供給される。
これにより、近年の噴射圧力の上昇によりシート面16またはシート部17が磨耗する虞が高まっている状況でも、ボディ3(シート面16)またはニードル4(シート部17)の磨耗の方向性を統一することができるとともに、経時変化に伴う噴射量の補正を一律的に行うことができる。
実施例1のノズル1では、ボディ3を焼き戻す温度が270℃以上である。
近年のエンジンによれば、ボディ3の被熱温度は220℃〜270℃である。よって、270℃以上の温度でボディ3を焼き戻せば、ノズル1をいかなる品種のエンジンに搭載しても、ボディ3の焼き戻しによる軟化は発生しなくなる。
実施例1のノズル1は、異なる品種のエンジンに搭載して作動させることができる互換性を有する。
ボディ3の被熱温度が最も高いエンジンに合わせて製造時の焼き戻し温度を設定すれば、いかなる品種のエンジンでノズル1を使用しても、ボディ3の軟化は生じない。よって、ノズル1が互換性を有していても、磨耗の方向性をシート部17が磨耗する方向に統一することができる。この結果、互換性を有するノズル1について、エンジンの品種に応じて製造時の焼き戻し温度を変更する必要がなくなる。
実施例1のノズル1では、ボディ3が、機械構造用肌焼き鋼を素材として製造され、シート面16では、炭素および窒素の表面含有率が内部含有率よりも大きい。
炭素および窒素の含有率を上げれば、「被熱温度よりも高い温度」のような高温度で焼き戻しても硬度の低下を抑えることができる。このため、炭素および窒素の表面含有率を上げれば、シート面16が磨耗する虞をさらに低減することができる。この結果、補正の方向性確保に対する信頼性を高めることができる。
また、実施例1の表面含有率とは、シート面16の表面から0.05mmの深さまでの表層部における含有率であり、炭素の表面含有率は、0.6重量%以上1.0重量%以下であり、窒素の表面含有率は、0.4重量%以上0.9重量%以下である。
上記のように、炭素および窒素の表面含有率を規制することにより、製造時の焼き戻しにおけるシート面16の硬度低下を抑えるとともに、シート面16の靭性を確保することができる。
なお、窒素の表面含有率と硬度低下との相関は、図5に示すとおりである。ここで、硬度低下量とは、300℃にて焼き戻したときのビッカース硬さ(Hv)の低下量を示すものである。この図5によれば、窒素の表面含有率を0.5重量%以上0.9重量%以下にすれば、硬度低下量を60以下に抑えることができる。
実施例2のノズル1では、ボディ3の素材である機械構造用肌焼き鋼がクロムモリブデン鋼であり、このクロムモリブデン鋼は、ケイ素が添加増量されている。
この結果、より強度の高い素材からボディ3が製造されるため、シート面16が磨耗する虞をさらに低減することができる。この結果、補正の方向性確保に対する信頼性を、さらに高めることができる。
また、このクロムモリブデン鋼のケイ素含有率は、0.5重量%以上1.0重量%以下である。
このようにケイ素含有率を規制することにより、製造時の焼き戻しによる硬度低下を抑えることができる。
なお、ケイ素含有率と硬度低下との相関は、図6に示すとおりである。この図6によれば、ケイ素含有率を0.5重量%以上1.0重量%以下にすれば、硬度低下量を50以下に抑えることができる。
ノズルの断面図である(実施例1)。 比出力とボディの被熱温度との相関を示す相関図である(実施例1)。 (a)は、ノズル要部の断面図であり、(b)は、ニードルとボディの接触状態を示す説明図である(実施例1)。 噴射量の経時変化を示すグラフである(実施例1)。 窒素の表面含有率と硬度低下量との相関を示す相関図である(実施例1)。 ケイ素含有率と硬度低下量との相関を示す相関図である(実施例2)。 (a)は、ノズル要部の断面図であり、(b)は、磨耗前のニードルとボディの接触状態を示す説明図であり、(c)は、被熱温度が焼き戻し温度よりも高い場合における磨耗後のニードルとボディの接触状態を示す説明図であり、(d)は、被熱温度が焼き戻し温度よりも低い場合における磨耗後のニードルとボディの接触状態を示す説明図である(従来例)。 噴射量の経時変化を示すグラフである(従来例)。
符号の説明
1 ノズル(燃料噴射ノズル)
2 噴孔
3 ボディ
4 ニードル(弁体)
16 シート面

Claims (8)

  1. 噴孔が形成されたボディと、このボディに移動自在に収容され前記噴孔を開閉する弁体とを備え、
    内燃機関に燃料を噴射供給するとともに、前記ボディが前記内燃機関から熱伝達を受け所定の被熱温度に達する燃料噴射ノズルの製造方法であって、
    前記ボディを焼き戻す焼き戻し工程を備え、
    前記焼き戻し工程は、前記所定の被熱温度よりも高い温度で前記ボディを焼き戻すことを特徴とする燃料噴射ノズルの製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法により製造される燃料噴射ノズルであって、
    前記燃料は、150MPa以上の加圧状態で前記内燃機関に噴射供給されることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  3. 請求項1に記載の製造方法により製造される燃料噴射ノズルであって、
    前記ボディを焼き戻す温度は、270℃以上であることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  4. 請求項2または請求項3に記載の燃料噴射ノズルであって、
    異なる品種の内燃機関に搭載して作動させることができる互換性を有することを特徴とする燃料噴射ノズル。
  5. 請求項2または請求項4に記載の燃料噴射ノズルにおいて、
    前記ボディは、機械構造用肌焼き鋼を素材として製造され、
    前記弁体が着座するシート面では、炭素および窒素の表面含有率が、内部含有率よりも大きいことを特徴とする燃料噴射ノズル。
  6. 請求項5に記載の燃料噴射ノズルにおいて、
    前記表面含有率とは、前記シート面の表面から0.05mmの深さまでの表層部における含有率であり、
    炭素の前記表面含有率は、0.6重量%以上1.0重量%以下であり、
    窒素の前記表面含有率は、0.4重量%以上0.9重量%以下であることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  7. 請求項5または請求項6に記載の燃料噴射ノズルにおいて、
    前記機械構造用肌焼き鋼は、ケイ素が添加増量されたクロムモリブデン鋼であることを特徴とする燃料噴射ノズル。
  8. 請求項7に記載の燃料噴射ノズルにおいて、
    前記クロムモリブデン鋼のケイ素含有率は、0.5重量%以上1.0重量%以下であることを特徴とする燃料噴射ノズル。
JP2005302109A 2004-11-17 2005-10-17 燃料噴射ノズル及びその製造方法 Pending JP2006170192A (ja)

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