JP2006170111A - エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン可変装置を備えたエンジンにおいて、当該可変装置の状態切換時に精度良く燃料噴射量を制御する。
【解決手段】エンジン10において、吸気バルブ21には可変動弁装置25が設けられており、この可変動弁装置25によりバルブリフトの切換が行われる。ECU40は、エンジン運転条件に応じて可変動弁装置25の状態を切り換える。また、ECU40は、可変動弁装置25の状態切換時に、当該切換時の充填効率に応じたシリンダ吸入空気量を推定し、そのシリンダ吸入空気量の推定値に基づいて燃料噴射量を補正する。このとき特に、シリンダに供給される吸入空気の温度に基づいてシリンダ吸入空気量を推定するようにしている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンの燃料噴射制御装置に関するものである。
近年、車両に搭載されるエンジンにおいては、エンジン可変装置として、吸気バルブ又は排気バルブのリフト量や開閉時期等のバルブ開閉動作条件を可変とする可変動弁装置を設け、アクセル開度やエンジン回転速度等に応じて前記バルブ開閉動作条件を可変に制御するようにしたものがある。具体的には、例えばカムリフト量が比較的小さい低速用カムとカムリフト量が比較的大きい高速用カムとをカムシャフトに設け、これら低速用カムと高速用カムとを選択的に用いて吸気バルブ又は排気バルブを開閉リフトさせる。この場合、エンジン運転領域について低速用カムの作動領域と高速用カムの作動領域とが予め設定されており、その都度のアクセル開度やエンジン回転速度等に応じて、該当するカムが適宜切り換えられて使用されるようになっていた。
例えば特許文献1では、カム作動態様の切換直後にカム作動態様の種類(例えば、低速用カム/高速用カムの何れか)に応じて発生する計測吸入空気量と実際のシリンダ吸入空気量との偏差に対応した燃料供給量等の補正量を演算し、その後、カム作動態様切換の確定後から前記偏差がほぼ無くなるまでの期間にわたり前記補正量に基づいて燃料供給量等を補正する。そしてこれにより、カム作動態様の切換時において、その切換に伴う瞬間的なトルク変動や排気エミッションの悪化を抑制するようにしていた。なお、カム作動態様の切換時における補正量の算出は、予め規定した補正量テーブルを参照し、エンジン負荷やエンジン回転速度に基づいて実施するようにしていた。
しかしながら、上記特許文献1では以下に示す問題が生じる。すなわち、カム作動態様の切換時においてエンジン暖機状態や吸気温度等が異なると、要求される補正量(つまり、空気量偏差)が異なってくることがある。そのため、燃料供給量等の補正において十分な精度を保証することができないという問題があった。
特許第2842054号公報
本発明は、エンジン可変装置を備えたエンジンにおいて、当該可変装置の状態切換時に精度良く燃料噴射量を制御することができるエンジンの燃料噴射制御装置を提供することを主たる目的とするものである。
本発明のエンジン制御装置は、少なくとも異なる2状態で切換可能とされてシリンダ内(燃焼室内)への空気吸入の形態を変化させるエンジン可変装置を具備するエンジンに適用され、エンジン運転条件に応じてエンジン可変装置の状態を切り換えると共に、吸気通路を流れる空気量を計測して該計測空気量に基づいて燃料噴射量を制御するようにしている。また、エンジン可変装置の状態切換時に、当該切換時の充填効率に応じたシリンダ吸入空気量を推定し、そのシリンダ吸入空気量の推定値に基づいて燃料噴射量を補正する。かかる場合特に、シリンダに供給される吸入空気の温度に基づいて前記シリンダ吸入空気量を推定する。
要するに、エンジン可変装置の切換時には、その切換前後でその都度のエンジン可変装置の状態に応じてシリンダ吸入空気量(実際にシリンダ内に流入する空気量)がいち早く変化する。このとき、吸気通路に設けられたエアフロメータ等の空気量計測手段で吸気通路の通過空気量を計測しても、該計測手段の計測値は遅れ等を伴うために状態切換直後においてシリンダ吸入空気量の変化量が正確に把握できず、結果空燃比の乱れ等が生じる。これに対して本発明の構成では、エンジン可変装置の状態切換時におけるシリンダ吸入空気量の変化量が正確に把握できるため、空気量計測手段による計測遅れ等による弊害が回避できる。また、エンジン可変装置の状態毎のシリンダ吸入空気量が、充填効率と吸入空気温度とに基づいて推定されるため、エンジン暖機状態や吸気温等が相違してもその影響を吸収することができ、シリンダ吸入空気量の推定精度が向上する。従って、燃料噴射量の補正を高精度に実施することが可能となり、ひいては排気エミッションやドライバビリティの改善が実現できる。
燃料噴射量の補正に際しては、エンジン可変装置の状態切換前後におけるシリンダ吸入空気量の推定値の差分に基づいて燃料噴射量を補正すると良い。
ここで、エンジン可変装置の状態毎に用意した充填効率マップを用い、該充填効率マップにより求めた充填効率に基づいて前記状態毎のシリンダ吸入空気量を算出すると良い。これにより、充填効率の算出を簡易に実施することができる。またこの場合、エンジン可変装置の状態切換時において、充填効率のマップ値から得られたシリンダ吸入空気量(推定値)の差分演算によりシリンダ吸入空気量の変化量を算出することで、該変化量の算出時において機差バラツキや経時変化による特性ずれが吸収できる。
また、エンジン可変装置の状態切換後、燃料噴射量の補正量を徐々に減衰させるようにすると良い。これにより、エンジン可変装置の状態切換後において燃料噴射量の急変に伴う出力変動等が抑制できる。
実際のシリンダ吸入空気量の変化パラメータに対応させて減衰率を設定し、その減衰率に基づいて燃料噴射量を補正すると良い。この場合、エンジン可変装置の状態切換時には初めにシリンダ吸入空気量が大きく変化し(すなわち、エアフロメータ等による計測空気量とシリンダ吸入空気量との空気量偏差が大きくなり)、その後空気量偏差が次第に小さくなるが、その際にも燃料噴射量の補正が好適に実施できる。
ここで、シリンダ吸入空気量の変化は吸気圧と大気圧との比率に相関があるため、吸気圧と大気圧との比率をパラメータとして減衰率を設定すると良い。これにより、燃料噴射量の補正の精度が向上する。なお、吸気圧と大気圧との比率と、減衰率との関係をテーブルデータ等で予め設定しておくと良く、これにより演算装置の処理負荷を低減することができる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態は、内燃機関である車載多気筒ガソリンエンジンを対象にエンジン制御システムを構築するものとしており、当該制御システムにおいては電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢として燃料噴射量の制御や点火時期の制御等を実施することとしている。先ずは、図1を用いてエンジン制御システムの全体概略構成図を説明する。
図1に示すエンジン10において、吸気管11の最上流部にはエアクリーナ12が設けられ、このエアクリーナ12の下流側には吸入空気量(スロットル通過空気量)を検出するためのエアフロメータ13が設けられている。エアフロメータ13の下流側には、DCモータ等のスロットルアクチュエータ15によって開度調節されるスロットルバルブ14が設けられている。スロットルバルブ14の開度(スロットル開度)は、スロットルアクチュエータ15に内蔵されたスロットル開度センサにより検出されるようになっている。スロットルバルブ14の下流側にはサージタンク16が設けられ、このサージタンク16には吸気管圧力を検出するための吸気管圧力センサ17が設けられている。また、サージタンク16には、エンジン10の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド18が接続されており、吸気マニホールド18において各気筒の吸気ポート近傍には燃料を噴射供給する電磁駆動式の燃料噴射弁19が取り付けられている。
エンジン10の吸気ポート及び排気ポートにはそれぞれ吸気バルブ21及び排気バルブ22が設けられており、吸気バルブ21の開動作により空気と燃料との混合気が燃焼室23内に導入され、排気バルブ22の開動作により燃焼後の排ガスが排気管24に排出される。吸気バルブ21及び排気バルブ22にはそれぞれ、各バルブ21,22のリフト量を可変とするエンジン可変装置としての可変動弁装置25,26が設けられている。可変動弁装置25,26の詳細な構成例については後述する。
エンジン10のシリンダヘッドには気筒毎に点火プラグ27が取り付けられており、点火プラグ27には、点火コイル等よりなる点火装置28を通じて、所望とする点火時期において高電圧が印加される。この高電圧の印加により、各点火プラグ27の対向電極間に火花放電が発生し、燃焼室23内に導入した混合気が着火され燃焼に供される。
排気管24には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化するための三元触媒等の触媒31が設けられ、この触媒31の上流側には排ガスを検出対象として混合気の空燃比を検出するための空燃比センサ32(リニアA/Fセンサ、O2センサ等)が設けられている。また、エンジン10のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ33や、エンジンの所定クランク角毎に(例えば30°CA周期で)矩形状のクランク角信号を出力するクランク角度センサ35が取り付けられている。
上述した各種センサの出力は、エンジン制御を司るECU40に入力される。ECU40は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成され、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁19の燃料噴射量や点火プラグ27による点火時期を制御する。
ここで、吸気側の可変動弁装置25の構成を図2を用いて説明する。可変動弁装置25の構成については、少なくとも吸気バルブ21のバルブリフト量を可変とすることができる構成であれば任意のものが適用できるが、本実施の形態ではバルブリフト量を低速用、高速用の2段階に切換可能とする構成を例示して説明する。なお、排気側の可変動弁装置26は、吸気側の可変動弁装置25と実質的に同一であるため、説明を省略する。また以下の記載では、吸気側の可変動弁装置25を制御対象として説明を進めることとする。
図2に示すように、吸気側のカムシャフト51には、揚程が各々異なる低速用カム52と高速用カム53とが一体的に設けられている。低速用カム52は比較的小さな揚程を有し、エンジンの低速運転時に適合したカムプロフィールに形成されている。高速用カム53は、低速用カム52に比べてより広角度にわたる大きな揚程を有し、高速運転時に適合したカムプロフィールに形成されている。カムシャフト51の下方には、当該カムシャフト51に平行に延びるロッカシャフト54が設けられ、ロッカシャフト54を支軸としてロッカアーム55が揺動可能に設けられている。ロッカアーム55の揺動端には吸気バルブ21の上端部が当接しており、ロッカアーム55の揺動に伴い吸気バルブ21が図の上下方向にリフト動作する。
ロッカアーム55は、低速用カム52に摺接して設けられる低速用のロッカアームと、高速用カム53に摺接して設けられる高速用のロッカアームとからなり(但し図示は省略)、これら両ロッカアームのうち何れか一方の動きに連動して吸気バルブ21がリフト動作する。すなわち、低速運転時には、低速用カム52による低速用ロッカアームの揺動に連動して吸気バルブ21がリフト動作し、これにより比較的小さなバルブリフトが実現される。これに対し、高速運転時には、高速用カム53による高速用ロッカアームの揺動に連動して吸気バルブ21がリフト動作し、これにより比較的大きなバルブリフトが実現される。
また、ロッカアーム55には油圧駆動式のカム切換機構56が設けられており、このカム切換機構56によって、低速用ロッカアームの揺動により吸気バルブ21がリフト動作する低速バルブリフト状態と、高速用ロッカアームの揺動により吸気バルブ21がリフト動作する高速バルブリフト状態とが切り換えられるようになっている。かかる場合、低速バルブリフト状態では、図3に点線で示すように、吸気バルブ21はリフト量が小さく且つ開弁期間が短くなるような態様でリフト動作する。また、高速バルブリフト状態では、図3に実線で示すように、吸気バルブ21はリフト量が大きく且つ開弁期間が長くなるような態様でリフト動作する。
ここで、ECU40は、可変動弁装置25の制御モードを、低速時のバルブリフト(低速用カム52によるバルブリフト)を実現する低速リフトモードと、高速時のバルブリフト(高速用カム53によるバルブリフト)を実現する高速リフトモードとで切り換える。かかる場合、図4には、低速/高速の各リフトモードにおけるエンジン出力特性を示しており、図中の切換特性線L1上で各リフトモードを切り換えることにより、その切換前後におけるトルク変動が生じないようになっている。
但し本実施の形態では、前記切換特性線L1とは異なる特性(例えば、図4に一点鎖線で示す切換特性線L2)に基づいて制御モードの切換を実施するようにしており、これにより、出力優先のバルブリフト制御と燃費優先のバルブリフト制御とが運転領域に応じて切り換えられるようになっている。実際には、ECU40は、図5に示す関係の制御モード切換マップを用い、エンジン回転速度とスロットル開度とをパラメータとして可変動弁装置25の制御モードの切換を実施する。この場合、低速モード→高速モードの切換時に用いる切換特性線LAと、高速モード→低速モードの切換時に用いる切換特性線LBとが設定されており、これら特性線LA,LBに基づいて制御モードの切換が実施される。すなわち、低速リフトモードにある時にエンジン運転状態が図の丸数字1のように変化すると、図のa点で高速リフトモードへの切換が実施される。また、高速リフトモードにある時にエンジン運転状態が図の丸数字2のように変化すると、図のb点で低速リフトモードへの切換が実施される。
次に、ECU40により実施される可変バルブリフト制御について説明する。図6は、バルブリフト制御処理を示すフローチャートであり、この処理はECU40内のCPUにより例えば所定のクランク角度毎(本実施の形態では30°CA毎)に実施される。
図6において、先ずステップS101では、エンジン運転状態を示すエンジン回転速度、スロットル開度等の各種パラメータを読み込む。その後、ステップS102では、前記図5に示す関係の制御モード切換マップを参照し、続くステップS103では、今現在のエンジン運転状態を基に、可変動弁装置25の制御モードの切換タイミングであるか否かを判定する。その結果、切換タイミングでなければ、可変動弁装置25を現在の制御モードに維持したまま、本処理を終了する。また、切換タイミングであれば、ステップS104に進み、可変動弁装置25の制御モード切換を実行する。
また、図7は、可変動弁装置25の制御モード切換時における燃料補正量算出処理を示すフローチャートであり、本処理はECU40内のCPUにより所定周期で実行される。
図7において、ステップS201では、低速/高速の各リフトモードにおける充填効率マップを参照し、各リフトモードにおける充填効率ηlow,ηhighをそれぞれ算出する。充填効率マップはエンジン回転速度と吸気圧とをパラメータとしてリフトモード毎に規定されており、図8には、エンジン回転速度=一定とした時の各リフトモードに対応する吸気圧と充填効率との関係の一例を示している。図8では、吸気圧=PAを境に、PA未満で充填効率がηlow>ηhighとなり、PA以上で充填効率がηlow<ηhighとなる関係が定められている。
次に、ステップS202では、今現在のエンジン運転状態に基づいて、低速/高速の各リフトモードにおけるシリンダ吸入空気量Glow,Ghighを算出する。このシリンダ吸入空気量は、その都度のエンジン運転状態下でシリンダ(燃焼室23)内に吸入されると推定される空気量であり、次式によりリフトモード毎に算出される。
シリンダ吸入空気量Glow=充填効率ηlow×吸気圧×定数/吸気温
シリンダ吸入空気量Ghigh=充填効率ηhigh×吸気圧×定数/吸気温
その後、ステップS203では、可変動弁装置25の制御モードの切換が実施されたか否かを判定する。このとき、制御モード切換の指令に基づき可変動弁装置25で実際にリフトモード切換が完了しており、その後モード切換に伴う燃料量補正が実施される補正期間内にある場合にステップS203がYESとされる。そして、制御モードの切換時でなければ(ステップS203がNO)、そのままステップS209に進み、燃料補正量fvlを0にリセットした後本処理を終了する。
また、制御モードの切換時であれば(ステップS203がYES)、ステップS204で今回がモード切換後の初回処理であるか否かを判定し、初回処理である場合にステップS205,S206を実行する。初回処理でない場合には、ステップS205,S206を読み飛ばす。
ステップS205では、制御モードの切換に伴うシリンダ吸入空気量の変化量ΔGを算出する。このとき、モード切換後のシリンダ吸入空気量からモード切換前のシリンダ吸入空気量を減算するようにしており、例えば、低速モード→高速モードの切換時には「ΔG=Ghigh−Glow」により変化量ΔGが算出される。
また、ステップS206では、次式を用い、前記算出したシリンダ吸入空気量の変化量ΔGに基づいて燃料補正量fvlを算出する。なお、kTPは空気量を燃料噴射量に変換するための変換係数である。
fvl=ΔG×kTP
上式によれば、例えば空気過剰率λ=1を満たすのに要する燃料補正量fvlが算出される。
その後、ステップS207では、前記算出した燃料補正量fvlを減衰させるための減衰率を設定すると共に、該減衰率と前記燃料補正量fvlとの乗算により減衰後の燃料補正量fvl(n)を算出する。
fvl(n)=fvl(n−1)×減衰率
このとき、減衰率は、シリンダ吸入空気量の変化特性に合わせて算出されるようになっており、具体的には、図9の関係を用い、吸気圧と大気圧との比率(吸気圧/大気圧)に基づき算出される。図9によれば、臨界圧である「0.53」よりも大きい領域において、吸気圧と大気圧との比率(吸気圧/大気圧)が1に近くなるほど(すなわち吸気圧が大気圧に近くなるほど)減衰率が小さい値として算出される。本実施の形態では、減衰率が小さいことは燃料補正量の減衰が早いことを意味する。なお、図9の関係はテーブルデータとして予め規定され、それによりCPUによる減衰率演算の負荷軽減が図られている。
その後、ステップS208では、減衰後の燃料補正量fvl(n)が0付近に設定した不感帯に含まれるか否かを判定する。そして、fvl(n)≧|不感帯|であれば、そのまま本処理を一旦終了し、fvl(n)<|不感帯|であれば、ステップS209に進み、燃料補正量fvlを0にリセットする。因みに、ステップS208の判定処理は、燃料補正量fvlが完全に0になりきらない場合の無限演算を防止する目的で設けられている。
そして、上記の如く算出された燃料補正量fvlを用いて燃料噴射量の補正が実施される。燃料噴射量の演算手順について簡単に説明すると、エンジン回転速度や吸入空気量(エアフロメータ13により検出されたスロットル通過空気量)等に基づいて基本噴射量Tpが算出され、この基本噴射量Tpに空燃比補正係数等の各種補正係数が乗算されると共にその結果に前記燃料補正量fvlが加算されて最終の燃料噴射量TAUが算出される(TAU=Tp×各種補正係数+fvl)。
次に、可変動弁装置25の制御モード切換時における燃料噴射量の補正手順を図10のタイムチャートを用いて具体的に説明する。図10において、(a)はモード切換指令の変化を、(b)は可変動弁装置25における現実の低速/高速の各リフトモードの変化を、(c)は吸気圧の変化を、(d)は低速/高速の各リフトモードのシリンダ吸入空気量(推定値)の変化を、(e)は実際のシリンダ吸入空気量の変化を、(f)は燃料噴射量の変化を、それぞれ示している。
なお、図10の事例では、エンジン回転速度とスロットル開度とを一定にした状態で、制御モードの切換を強制的に実施する場合の挙動を示している。またここでは、低速リフトモードの方が高速リフトモードよりも充填効率が高い場合を示している(ηlow>ηhigh)。また、吸気圧は臨界圧未満(吸気圧/大気圧<0.53)としており、制御モードの切換前後を通じてスロットル通過空気量(エアフロメータ検出値)が不変となっている。
さて、タイミングt1でECU40により制御モードの切換指令(低速モード→高速モード)が出されると、可変動弁装置25において状態の切換が行われ、タイミングt2でモード切換が完了する。このとき、可変動弁装置25の状態変化に伴い吸気圧が僅かに上昇する。
また、シリンダ吸入空気量の推定値Glow,Ghighは、マップ演算された充填効率ηlow,ηhighを基に、タイミングt2の前後を通じて図示の如く算出される(図10の(d))。その際、タイミングt2以前では、実際のシリンダ吸入空気量が概ね低速リフトモードのシリンダ吸入空気量Glowに一致するのに対し、タイミングt2で制御モードが低速モード→高速モードに切り換えられることで、実際のシリンダ吸入空気量が高速リフトモードのシリンダ吸入空気量Ghighに移行する(図10の(e))。このとき、実際のシリンダ吸入空気量は、モード切換に伴いいち早く変化するのに対し、エアフロメータ13により検出される空気量(スロットル通過空気量)はほとんど不変である。そのため、シリンダ吸入空気量に関して空気量偏差が生じ(図の斜線部分)、その空気量偏差は空燃比変動の原因となる。なお、可変動弁装置25の状態切換に伴いスロットル通過空気量が変化する場合を想定しても、エアフロメータ13の検出値は遅れ等を伴うために状態切換直後においてシリンダ吸入空気量の変化量が正確に把握できず、やはり空燃比変動が生じる。
かかる場合において本実施の形態では、モード切換時にシリンダ吸入空気量の変化量ΔGが算出され、その変化量ΔGに基づいて燃料噴射量の補正が実施される(本例では、シリンダ吸入空気量が減量されることに伴い燃料噴射量が減量側に補正される)。従って、モード切換時における空燃比変動が抑制される。このとき、モード切換時におけるシリンダ吸入空気量の変化量ΔGは、各モードでの充填効率を基に算出されるため、エンジン暖機状態や吸気温等が相違してもその影響が吸収される。それ故に、燃料量補正の精度は高いものとなっている。また、タイミングt2以降、燃料補正量fvlは時間の経過に伴い徐々に減衰される。
以上詳述した本実施の形態によれば、可変動弁装置25の制御モード切換時におけるシリンダ吸入空気量の変化量が正確に把握でき、燃料噴射量の補正を高精度に実施することができる。その結果、排気エミッションやドライバビリティの改善を実現することができる。
制御モード毎のシリンダ吸入空気量の算出時には制御モード毎に用意した充填効率マップを用いるようにしたため、充填効率の算出を簡易に実施することができる。またこの場合、充填効率のマップ値から得られたシリンダ吸入空気量の差分演算によりシリンダ吸入空気量の変化量が算出されるため、その変化量の算出時において機差バラツキや経時変化による特性ずれが吸収できる。
また、可変動弁装置25の制御モード切換後、燃料補正量fvlを徐々に減衰させるため、制御モード切換後において燃料噴射量の急変に伴う出力変動等が抑制できる。このとき、燃料補正量fvlの減衰率を、シリンダ吸入空気量の変化パラメータである吸気圧と大気圧との比率に基づいて設定するようにしたため、燃料噴射量の補正の精度が向上する。
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
上記実施の形態では、可変動弁装置25の制御モード切換後において、燃料補正量fvlの減衰率をシリンダ吸入空気量の変化パラメータ(吸気圧と大気圧との比率)に基づいて設定し、この減衰率に基づいて燃料補正量fvlを減衰させるようにしたが、これを変更しても良い。例えば、単に時間の経過に伴い燃料補正量fvlを減衰させるようにする。
上記実施の形態では、エンジン可変装置として可変動弁装置を適用した事例を説明したが、これに代えて、
・吸気通路内における吸入空気の流通形態を可変とする可変吸気装置、
・エンジンのピストン上死点又は下死点における燃焼室内の容積を可変として圧縮比を適宜変更する可変圧縮比装置、
といった別のエンジン可変装置を本発明に適用することも可能である。これらの適用においても同様の優れた効果を得ることができる。なお、可変吸気装置としては、吸気管長を複数のパターンに変化させる可変吸気管長装置や、吸気通路の形状を複数のパターンに変化させることで燃焼室内への吸入空気にタンブル流又はスワール流を発生させる吸気流動発生装置がある。可変圧縮比装置としては、シリンダボア、シリンダヘッドの位置を変更するもの、第2ピストンを設定してその動きを変更するもの、クランクシャフトの偏心位置を変更するもの、等々が知られている。要は、少なくとも異なる2状態で切り換えられ、その切換に伴いシリンダ内への空気吸入の形態(すなわち充填効率)がステップ的に変化するデバイスであれば良い。
発明の実施の形態におけるエンジン制御システムの概略を示す構成図である。 可変動弁装置を説明するための構成図である。 排気バルブ及び吸気バルブのバルブリフト動作を示すタイムチャートである。 制御モード切換特性を示す図である。 制御モード切換マップの一例を示す図である。 バルブリフト制御処理を示すフローチャートである。 燃料補正量算出処理を示すフローチャートである。 吸気圧と充填効率との関係を示す図である。 吸気圧/大気圧と減衰率との関係を示す図である。 可変動弁装置の制御モード切換時における燃料噴射量の補正手順を説明するためのタイムチャートである。
符号の説明
10…エンジン、11…吸気管、13…エアフロメータ、19…燃料噴射弁、23…燃焼室、25…可変動弁装置、40…ECU。

Claims (6)

  1. 少なくとも異なる2状態で切換可能とされてシリンダ内への空気吸入の形態を変化させるエンジン可変装置を具備するエンジンに適用され、エンジン運転条件に応じて前記エンジン可変装置の状態を切り換えると共に、吸気通路を流れる空気量を計測して該計測空気量に基づいて燃料噴射量を制御するようにしたエンジンの燃料噴射制御装置において、
    前記エンジン可変装置の状態切換時に、当該切換時の充填効率に応じたシリンダ吸入空気量を推定する空気量推定手段と、
    前記空気量推定手段により算出されたシリンダ吸入空気量の推定値に基づいて前記燃料噴射量を補正する補正手段と、を備え、
    前記空気量推定手段は、シリンダに供給される吸入空気の温度に基づいて前記シリンダ吸入空気量を推定することを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 前記補正手段は、前記エンジン可変装置の状態切換前後における前記シリンダ吸入空気量の推定値の差分に基づいて前記燃料噴射量を補正することを特徴とする請求項1に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 前記空気量推定手段は、前記エンジン可変装置の状態毎に用意した充填効率マップを用い、該充填効率マップにより求めた充填効率に基づいて前記状態毎のシリンダ吸入空気量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  4. 前記補正手段は、前記エンジン可変装置の状態切換後、前記燃料噴射量の補正量を徐々に減衰させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  5. 実際のシリンダ吸入空気量の変化パラメータに対応させて減衰率を設定する手段を設け、前記補正手段は、前記減衰率に基づいて燃料噴射量を補正することを特徴とする請求項4に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
  6. 前記減衰率を、吸気圧と大気圧との比率をパラメータとして設定することを特徴とする請求項5に記載のエンジンの燃料噴射制御装置。
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JP2010249059A (ja) * 2009-04-17 2010-11-04 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の吸入空気量推定装置

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