JP2006169559A - 銅合金微粒子とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電ペースト用材料として好適な、BET径が3μm以下で、高い耐酸化性を有する分散性の良い真球状の銅合金微粒子とそれを安価に製造する方法を提供する。しかも、耐酸化性に優れた結晶子サイズの大きな銅微粒子を超える耐酸化性を実現する。
【解決手段】BET径が3μm以下、真球状で、かつ酸化開始温度が190℃以上であることを特徴とする銅合金微粒子を、熔融状態の銅合金の温度を1120℃以上に保持しながら、溶融状態の銅合金単位面積当たり少なくとも0.015リットル/cm・分の流量でアンモニアを含むガスを吹きあてることを特徴とする製造方法などで提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、銅合金微粒子とその製造方法に関し、さらに詳しくは、導電ペースト用材料として好適な、BET径が3μm以下で、高い耐酸化性を有する分散性の良い真球状の銅を基とする金属微粒子とそれを低コストで製造する方法に関する。
回路形成用や積層コンデンサ用の導電ペーストに用いられる導電性金属粉末として、銅、ニッケル及び銀が用いられている。これらの導電性粉末には不純物が少ないことに加えて、粒子形状及び粒径が揃い、かつ凝集のない分散粒子であることなどが望まれている。さらに、ペースト中での分散性が良いことや、不均一な焼結を起こさないように結晶性が良好であることも要求される。
すなわち、具体的には、近年、以下のような基準値に合致する特性を有する金属粉が特に要求されている。
(1)BET法で測定した粒径(以下、BET径と略称する場合もある。)が3μm以下であること。
(2)粒子形状が球状で、分散性が良好であること。
(3)高い耐酸化性を有すること。
(4)マイグレーションを起こしにくいこと。
上記した導電性金属粉末材料のうち、銅はもっとも安価であり、またマイグレーションを起こしにくい材料として優れており、銅を基とする金属微粒子が注目されている。ところが、銅には大気中で比較的低温度で酸化されやすく導電性が低下するという欠点があり、その使用範囲が制約されていた。すなわち、導電性ペーストは、その使用方法で、金属粉末を焼結せしめて配線等に使用される焼成ペーストと、熱硬化型のポリマーで固めるポリマーペーストとに大別されるが、前者の焼成過程に含まれる有機バインダーを分解せしめる脱バインダー工程と後者の熱硬化工程では、いずれも150〜300℃での熱処理が行われ、この温度領域で銅粉の耐酸化性に問題があった。したがって、この温度領域で、銅粉の耐酸化性を向上させることが求められている。
ところで、金属及び合金の微粒子を製造する方法として多くの方法が提案されている。
例えば、ガス噴霧法(例えば、特許文献1参照。)は、溶融状態の合金をノズルなどから噴き出しアルゴンなどの不活性ガス中で急冷する方法であるが、一般に3μm以下の均一な微粒子を製造することが困難で、所定の粒径の微粒子を得ようとすると、得られた粒子を分級しなければならず、歩留まりが悪くコスト高となる。また銅粉等の卑金属球状粒子を得ようとすると、噴霧時に酸化を受けやすく酸素品位が高くなりやすいなどの問題がある。
また、噴霧熱分解法(例えば、特許文献2参照。)は、1種又は2種以上の金属化合物を含む溶液またはこれらを分散させた懸濁液を噴霧して微細な液滴にし、その液滴を該金属化合物の分解温度より高い温度、望ましくは該金属の融点近傍又はそれ以上の高温で加熱し、金属化合物を熱分解することにより目的とする金属又は合金の粉末を析出させる方法である。この方法によれば、高結晶性または単結晶で、高密度、高分散性の真球状金属粉末や合金粉末が得られる。また、この方法の場合、湿式還元法とは異なり固液分離の必要がないので製造が容易であるばかりでなく、純度に影響を及ぼすような添加剤や溶媒を使用しないので、不純物を含まない高純度の粉末が得られる利点がある。更に、粒径の制御が容易であり、また生成粒子の組成は基本的に溶液中の出発金属化合物の組成と一致するので、組成の制御が容易であるという利点もある。
しかしながら、この方法では、原料の金属化合物を含む液滴を熱分解させるため、溶媒等として用いる水や、アルコール、アセトン、エーテル等の有機溶媒も熱分解させることが必要となり、その結果、熱分解時のエネルギーコストが高くなるという問題がある。
すなわち、このプロセスにおいては、加熱により溶媒が蒸発し、次いで凝縮した金属化合物粒子の熱分解が行われるため、溶媒を蒸発させるのに多大なエネルギーを要する。また、噴霧された液滴が相互に合着したり***したりすると、生成する粉末の粒度分布が大きくなる。このため、これを防止するための噴霧速度、キャリアガス中での液滴濃度、反応器中の滞留時間等の、反応条件を設定しなければならず、この条件設定が非常に難しい。その上、この方法で銅合金等の卑金属粉末を得ようとする場合は、熱分解を厳密にコントロールされた還元性または弱還元性雰囲気で行う必要があり、困難である。加えて、溶媒として水を使用する場合は、水分の分解により発生する酸化性ガスのために銅等が酸化され、結晶性の良い粉末は得られない。
また、気相化学反応法で金属粒子を製造する方法では、例えば、銅の塩化物と合金化すべき元素の塩化物をそれぞれ加熱して蒸発させ、これらの蒸気を混合して水素ガスで還元することにより銅合金微粒子が得られる(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、この方法の場合、銅微粒子の生成速度は塩化物の蒸発速度で制約を受け、高い生成速度すなわち高製造能力が得られ難いという問題がある。加えて、気相からの析出反応で得られる粉末は、凝集しやすく、しかも粒子径の制御が困難である。
また、Mg(OH)粉末、銅化合物粉末と銀原料粉末とからなる混合物を水素雰囲気中約600℃で焙焼し、さらに焙焼物中の金属状の銅および銀を互いに拡散させるために約900℃で加熱し、その後加熱生成物中のMgOを酸で溶解し除去する方法(例えば、特許文献4参照。)では、工程が煩雑でありコストが高いという欠点がある。
さらに、金属水酸化物、金属硝酸塩、有機金属化合物等の熱分解性金属化合物粉末の1種又は2種以上を、キャリアガスと一緒に反応容器に供給し、該金属化合物粉末を10g/l以下の濃度で気相中に分散させた状態のもとに、その分解温度以上で、かつ(Tm−200)℃以下の温度(但し、Tm=該金属の融点)で加熱する方法(例えば、特許文献5参照。)も提案されている。この方法は、卑金属であっても、原料として有機金属化合物を用いることにより、キャリアガスに依存することなく反応雰囲気を還元性として金属粒子を得るとするものである。しかしながら、この方法は、得られる金属微粒子の粒度が原料粉末の粒度に比例するため、粒度の揃ったものを用いることが必要である。従って、予め粉砕機や分級機で粉砕、解砕または分級を行うことが必要になる。また、有機金属化合物を用いた場合には、有機化合物を完全に燃焼させることが必要となり、この分のエネルギーコストが高くなる。加えて、酸化物や窒化物や炭化物が生成しやすい。
以上述べたように、従来、回路形成用や積層コンデンサ用の導電ペースト用材料として求められる上記基準値に合致する特性を全て満たす卑金属微粒子、とりわけ銅微粒子及び銅を基とする合金微粒子はなく、そこで、BET径が3μm以下で、高い耐酸化性を有する分散性の良い真球状の銅を基とする金属微粒子の出現が求められ、同時に低コストの製造方法が求められていた。
この解決策として、本出願人による特願2003−288481号では、BET径が3μm以下、真球状で、かつ結晶子サイズが0.1〜10μmであることを特徴とし、上記基準値に合致する特性を全て満たす銅微粒子が提案されており、また銅微粒子の結晶性を上昇して耐酸化性を従来の銅粉以上に向上させる方法が開示されている。しかしながら、近年、より高温度での熱処理に対応できる耐酸化性を有する銅を基とする金属微粒子が求められ、かつそれらを実現できる安価な製造方法が強く要請されている。
なお、本発明に用いる酸化開始温度とは、空気雰囲気における熱重量変化(TG)測定においてサンプル重量が0.5%増加したときの温度を意味する。
特開平7−331360号公報(第1頁、第2頁) 特公昭63−31522号公報(第1頁) 特開2001−131655号公報(第1頁、第2頁) 特開平11−92805号公報(第1頁、第2頁) 特開2002−20809号公報(第1頁、第2頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、導電ペースト用材料として好適な、BET径が3μm以下で、高い耐酸化性を有する分散性の良い真球状の銅を基とする金属微粒子とそれを低コストで製造する方法を提供することにある。しかも、耐酸化性に優れた結晶子サイズの大きな銅微粒子を超える耐酸化性を実現する。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、BET径が3μm以下であって、しかも真球状でかつ特定の酸化開始温度を有する銅合金微粒子を創出したところ、これらが従来のものに較べて導電ペースト用粉末として極めて優れていること、さらには、特定条件で、溶融状態の銅合金にアンモニアあるいはアンモニアを含むガスを吹きあてたところ、上記の優れた特性を有する銅合金微粒子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、BET径が3μm以下、真球状で、かつ酸化開始温度が190℃以上であることを特徴とする銅合金微粒子が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、さらに、酸素含有量が0.6重量%以下であることを特徴とする銅合金微粒子が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、銅合金が銅を基としてニッケル、銀、又はスズから選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする銅合金微粒子が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3いずれかの発明において、導電ペースト材料として使用されることを特徴とする銅合金微粒子が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、溶融状態の銅合金にアンモニアを含むガスを吹きあてる工程を含む、第1〜4いずれかの発明の銅合金微粒子を製造する方法であって、
熔融状態の銅合金の温度を1120℃以上に保持しながら、溶融状態の銅合金単位面積当たり少なくとも0.015リットル/cm・分の流量でアンモニアを含むガスを吹きあてることを特徴とする銅合金微粒子の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、前記アンモニアを含むガスが、アンモニアガス単独、又はアンモニアガスと非酸化性ガスあるいは不活性ガスとの混合ガスであることを特徴とする銅合金微粒子の製造方法が提供される。
本発明の銅合金微粒子は、導電ペースト用材料として好適な、BET径が3μm以下で、高い耐酸化性を有する分散性の良い真球状の銅合金微粒子であり、しかも、耐酸化性に優れた結晶子サイズの大きな銅微粒子を超える耐酸化性が得られるので、近年、特に回路形成用や積層コンデンサ用の導電ペーストに用いられる導電性金属粉末において要求されている特性を全て兼備しており、導電ペースト用材料として極めて有用である。
また、本発明の銅合金微粒子の別の態様である、上記特性に加え、酸素含有量が0.6重量%以下である導電性金属粉末は、積層コンデンサ等特に酸化物の生成を嫌うもの向けに使用する場合に好適である。
さらに、本発明の銅合金微粒子の製造方法は、溶融状態の銅合金にアンモニアを含むガスを吹きあてる工程を含む方法であって、信頼性や実用性が高く、しかも優れた特性を有する銅合金微粒子を低コストで製造することができるので、その工業的価値は極めて大きい。
以下に、本発明の銅合金微粒子とその製造方法について詳細に説明する。
本発明の銅合金微粒子は、BET径が3μm以下、好ましくは2μm以下、より好ましくは1μm以下であって、しかも真球状であり、かつ酸化開始温度が190℃以上、好ましくは200℃以上、より好ましくは210℃以上である。これらの特性は、前述したように、近年、特に回路形成用や積層コンデンサ用の導電ペーストに用いられる導電性金属粉末において要求されている基準値に合致する。
すなわち、本発明の銅合金微粒子の耐酸化性は、耐酸化性に優れた結晶子サイズの大きな銅微粒子において得られる酸化開始温度が高々180℃であることからすると、上記銅微粒子に比べて一段と向上している。さらに、耐酸化性のもうひとつ指標である300℃昇温時増量即ち空気雰囲気における熱重量変化(TG)測定において300℃に到達した時点の酸化増量も、上記銅微粒子に比べて低い値が得られ、これらより、180〜300℃の温度領域で上記銅微粒子に比べて耐酸化性が向上しているといえる。
本発明の銅合金微粒子の酸素含有量は、特に限定されるものではなく、酸素含有量が0.6重量%以下、好ましくは0.4重量%以下、より好ましくは0.15重量%以下であるという特性を、上記特性に加えて具備したものが挙げられる。酸素含有濃度が0.6重量%以下であるとする特性は、積層コンデンサ等特に酸化物の生成を嫌うもの向けに使用する場合に好適である。
本発明の銅合金微粒子の組成は、特に限定されるものではなく、銅を基として各種の合金元素を含む組成が用いられるが、この中で、特に、耐酸化性に優れており導電性ペースト原料として好適である、銅を基としてニッケル、銀、又はスズから選ばれる少なくとも1種を含む合金が好ましい。
そして、本発明の銅合金微粒子は、従来のものに比べて導電ペーストとして極めて優れた特性を示し、特にこれまで斯界において兼備することが困難とされていた特性を全てを具備しているので、導電ペースト用材料として極めて有用である。
本発明の銅合金微粒子の製造方法は、溶融状態の銅合金にアンモニアを含むガスを吹きあて上記銅合金微粒子を製造する方法であって、熔融状態の銅合金の温度を1120℃以上、好ましくは1200〜1400℃、より好ましくは1300〜1400℃とする。
本発明の製造方法によれば、溶融銅合金の飽和蒸気圧から算出される最大蒸発速度をはるかに超える生成速度が得られる。これは、溶融銅合金にアンモニアガスを吹き付けるとアンモニアが熱分解して活性な原子状の水素あるいは窒素が発生し、これが銅および合金元素と化合し、きわめて高い蒸発速度を実現することに起因するものと見られる。このような化合物は、非平衡物質であるので蒸発後ただちに分解し銅合金粒子を形成すると考えられる。
すなわち、上記反応機構からみて、本発明の銅合金微粒子を得るためには、活性ガスと銅合金との反応速度および反応量を規定する要因の制御が重要である。これらの要因としては、溶融銅合金の溶融温度のほかに、溶融銅合金表面へのアンモニアガスの供給速度、溶融表面積などが挙げられ、これらが重要な制御要因となる。従って、これらの要因を、工業的に実用できる範囲内で適切に制御することによって、生成銅合金微粒子の粒径分布を本発明のBET径3μm以下とするとともに、真球状でかつ酸化開始温度が190℃以上である微粒子とすることができる。因みに、熔融状態の銅合金の温度を1120℃以上とすれば、BET径3μm以下のものが得られることが確認されている。
また、本発明の製造方法においては、もう1つの重要な制御要因として吹きあてるアンモニアガスの流量がある。これは前述した溶融銅合金表面へのアンモニアガスの供給速度と溶融表面積とにより算出されるパラメータである。上記アンモニアガスの流量としては、特に限定されるものではなく、目的の銅合金微粒子を安定的にかつ効率よく得るためには、溶融状態の銅合金単位面積当たり、少なくとも0.015リットル/cm・分以上、好ましくは0.03リットル/cm・分以上、より好ましくは0.04リットル/cm・分以上である。
本発明の製造方法に用いる銅合金としては、特に限定されるものではなく、アンモニアを吹きつける温度において均一な融体を形成する合金種および組成の銅合金であれば用いることができ、原料組成とほぼ等しい組成の合金微粒子が得られるが、この中で、特に耐酸化性に優れており導電性ペースト原料として好適な微粒子が得られる、銅を基としてニッケル、銀、又はスズから選ばれる少なくとも1種を含む合金が好ましい。
本発明製造方法に用いるアンモニアを含むガス中のアンモニア濃度は、特に限定されるものではなく、アンモニアが存在さえすれば用いられる。この中で、ガスには生成した銅合金微粒子の酸化を防止しながら回収部へ運搬する役目を果たすことがことが必要であるため、アンモニアガス単独、またはアンモニアガスと非酸化性ガスあるいは不活性ガスとの混合ガスを用いることが推奨される。
なお、混合ガスを用いる場合には、アンモニア濃度、流量、圧力等の具体的な製造条件は、厳密には用いる製造装置のタイプや諸元により左右されるため、用いる装置毎に予め求めておくことが望まれる。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた金属の分析と揮発速度、BET径、酸化開始温度及び300℃昇温時増量の評価方法は、以下の通りである。
(1)金属の分析:ICP発光分析法で行った。
(2)揮発速度の測定:単位時間当たりの合金の揮発量から溶融合金の単位表面積当たりに換算して求めた。
(3)BET径の測定:合金粉の粒径をBET法で測定した。
(4)酸化開始温度の測定:空気雰囲気における熱重量変化(TG)測定においてサンプル重量が0.5%増加したときの温度を求めた。
(5)300℃昇温時増量の測定:空気雰囲気における熱重量変化(TG)測定において300℃に到達した時点のサンプルの増量を元試料重量に対する比率として求めた。
(実施例1)
横型に配置したSiC管(内径100mm)に、銅品位98重量%及び銀品位2重量%の組成の銅合金をいれたアルミナ製坩堝(溶融金属表面の幅60mm及び長さ300mm)を入れ、内部を窒素ガスで置換した後、抵抗加熱式の電気炉で加熱し銅合金を熔融し、熔体温度を1300℃に維持した。ついで、溶融状態の銅合金表面の上方に設けたノズルから9リットル/分(溶融金属単位面積当たり0.05リットル/cm・分)の流量でアンモニアガスを吹き付けた。その際に生成した微粒子をフィルターで捕集した。
その後、得られた微粒子の走査電子顕微鏡(SEM)観察、合金元素品位と酸素品位の分析、、BET径の測定、酸化開始温度の測定及び300℃昇温時増量の測定と揮発速度の測定を行った。結果を表1に示す。また、得られた合金微粒子のSEM像を図1に示す。
(実施例2)
銅品位98重量%及びニッケル品位2重量%の組成の銅合金を用いた以外は実施例1と同様に行い、得られた微粒子の走査電子顕微鏡(SEM)観察、合金元素品位と酸素品位の分析、、BET径の測定、酸化開始温度の測定及び300℃昇温時増量の測定と揮発速度の測定を行った。結果を表1に示す。また、得られた合金微粒子のSEM像を図2に示す。
(実施例3)
銅品位98重量%及びスズ品位2重量%の組成の銅合金を用いた以外は実施例1と同様に行い、得られた微粒子の走査電子顕微鏡(SEM)観察、合金元素品位と酸素品位の分析、、BET径の測定、酸化開始温度の測定及び300℃昇温時増量の測定と揮発速度の測定を行った。結果を表1に示す。また、得られた合金微粒子のSEM像を図3に示す。
(実施例4)
アンモニア吹きつけ量を2.7リットル/分(溶融金属単位面積当たり0.015リットル/cm・分)とした以外は実施例1と同様に行い、得られた微粒子の合金元素品位と酸素品位の分析、BET径の測定、酸化開始温度の測定及び300℃昇温時増量の測定と揮発速度の測定を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
熔融状態の銅合金の温度が1100℃である以外は実施例1と同様に行い、得られた微粒子の走査電子顕微鏡(SEM)観察、合金元素品位と酸素品位の分析、、BET径の測定、酸化開始温度の測定及び300℃昇温時増量の測定と揮発速度の測定を行った。結果を表1に示す。
(比較例2)
合金元素を含まない純銅を用いた以外は実施例1と同様に行い、得られた微粒子の走査電子顕微鏡(SEM)観察、合金元素品位と酸素品位の分析、、BET径の測定、酸化開始温度の測定及び300℃昇温時増量の測定と揮発速度の測定を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
アンモニア吹きつけ量を1.8リットル/分(溶融金属単位面積当たり0.01リットル/cm・分)とした以外は実施例1と同様に行い、得られた微粒子の合金元素品位と酸素品位の分析、BET径の測定、酸化開始温度の測定及び300℃昇温時増量の測定と揮発速度の測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2006169559
表1から明らかなように、実施例1〜3では、銅合金を用いて本発明の方法に従って行われたので、原料合金とほぼ等しい組成で、BET径が1〜2μm、酸素品位が0.1〜0.6%、酸化開始温度が190℃以上、及び300℃昇温時増量が低い耐酸化性に優れた真球状銅合金微粒子が得られることが分かる。これに対して、比較例1又は2では、熔融状態の銅合金の温度あるいは原料組成がこれらの条件に合わないので、BET径あるいは酸化開始温度及び300℃昇温時増量で示される耐酸化性によって満足すべき結果が得られないことが分かる。
本発明の銅合金微粒子とその製造方法は、BET径が3μm以下で分散性の良い真球状粒子で耐酸化性に優れた回路形成用や積層コンデンサ用の導電ペーストに用いられる導電性金属粉末材料として極めて有用な銅合金微粒子とその効率的な製造方法である。
実施例1で得られた銅−銀合金微粒子のSEM像である。 実施例2で得られた銅−ニッケル合金微粒子のSEM像である。 実施例3で得られた銅−スズ合金微粒子のSEM像である。

Claims (6)

  1. BET径が3μm以下、真球状で、かつ酸化開始温度が190℃以上であることを特徴とする銅合金微粒子。
  2. さらに、酸素含有量が0.6重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の銅合金微粒子。
  3. 銅合金が銅を基としてニッケル、銀、又はスズから選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の銅合金微粒子。
  4. 導電ペースト材料として使用されることを特徴とする請求項1〜3に記載の銅合金微粒子。
  5. 溶融状態の銅合金にアンモニアを含むガスを吹きあてる工程を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の銅合金微粒子を製造する方法であって、
    熔融状態の銅合金の温度を1120℃以上に保持しながら、溶融状態の銅合金単位面積当たり少なくとも0.015リットル/cm・分の流量でアンモニアを含むガスを吹きあてることを特徴とする銅合金微粒子の製造方法。
  6. 前記アンモニアを含むガスが、アンモニアガス単独、又はアンモニアガスと非酸化性ガスあるいは不活性ガスとの混合ガスであることを特徴とする請求項5に記載の銅合金微粒子の製造方法。
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