JP2006165269A - 配線回路基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フレキシブル配線回路基板1の屈曲部において、幅方向両端部におけるベース絶縁層2およびカバー絶縁層4の厚みの合計Teを、幅方向中央部におけるベース絶縁層2およびカバー絶縁層4の厚みの合計Tcに対して、厚く形成する。これによって、屈曲部において、速い屈曲動作で屈曲させても、厚みがより厚い幅方向両端部で、弛みの発生を防止しつつ、厚みがより薄い幅方向中央部で、良好な屈曲信頼性を確保することができる。その結果、屈曲動作が速くても、十分な屈曲信頼性を得ることができ、しかも、導体パターン3の破断を防止することができる。
【選択図】 図2
Description
このようなフレキシブル配線回路基板において、屈曲信頼性を向上させるために、例えば、フレキシブル配線回路基板における屈曲部の絶縁層の厚みを、非屈曲部の絶縁層の厚みよりも薄くすることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
本発明の目的は、屈曲動作が速くても、十分な屈曲信頼性を得ることができ、しかも、導体パターンの破断を低減することのできる、配線回路基板を提供することにある。
また、本発明の配線回路基板では、前記屈曲部の前記幅方向の両端部における前記ベース絶縁層の厚みを、前記屈曲部の前記幅方向の中央部における前記ベース絶縁層の厚みよりも、厚くしてもよい。
また、本発明の配線回路基板では、前記屈曲部の前記幅方向の両端部が、前記幅方向の端縁から前記幅方向の内側に、それぞれ1〜200μmの部分であることが好適である。
図1に示すように、このフレキシブル配線回路基板1は、平面視において、特定方向に延びる略矩形平帯形状をなし、図2に示すように、ベース絶縁層2と、そのベース絶縁層2の上に積層された導体パターン3と、導体パターン3を被覆するように、ベース絶縁層2の上に積層されたカバー絶縁層4とを備えている。
ベース絶縁層2は、長手方向および厚み方向に直交する方向(以下、「幅方向」とする。)において、その幅方向両端部5が、その幅方向中央部6に対して、厚みが厚くなる、断面略凹形状に形成されている。
ベース絶縁層2の各端部5は、フレキシブル配線回路基板1の幅方向端縁から幅方向内側に延びるように形成され、その幅(最大幅)W1は、例えば、1〜200μm、好ましくは、5〜100μmである。また、各端部5の厚みT1は、例えば、4〜90μm、好ましくは、6〜50μmである。
ベース絶縁層2において、各端部5の厚みT1と中央部6の厚みT2との差ΔT1-2は、例えば、1〜60μm、好ましくは、3〜30μmである。
導体パターン3は、図1に示すように、長手方向に沿って延びる複数の配線7からなり、各配線7は、幅方向において互いに間隔を隔てて配置されている。各配線7の幅は、例えば、10〜200μm、好ましくは、15〜50μmであり、各配線7の間隔は、例えば、10〜200μm、好ましくは、15〜50μmである。導体パターン3の厚みは、例えば、3〜50μm、好ましくは、5〜15μmである。
カバー絶縁層4は、導体パターン3を被覆しつつ、ベース絶縁層2の各端部5および中央部6にわたって積層されている。このカバー絶縁層4は、ベース絶縁層2の各端部5および中央部6の境界に対応して、段差8が形成される断面略凹形状に形成されている。
なお、カバー絶縁層4は、図示しないが、特定部分が開口されており、その開口部分から露出する各配線7が、外部端子と接続するための端子部とされている。
そして、このフレキシブル配線回路基板1では、ベース絶縁層2において、幅方向両端部5の厚みが、幅方向中央部6の厚みよりも、厚く形成されているので、フレキシブル配線回路基板1の幅方向両端部におけるベース絶縁層2およびカバー絶縁層4の厚みの合計Teが、幅方向中央部におけるベース絶縁層2およびカバー絶縁層4の厚みの合計Tcに対して、厚く形成されている。
この方法では、まず、図3(c)に示すように、支持基板9の上に、幅方向両端部5が幅方向中央部6に対して厚みが厚くなる断面略凹形状に、ベース絶縁層2を形成する。
支持基板9は、例えば、ステンレス、42アロイ、アルミニウム、銅−ベリリウム、りん青銅などからなる金属箔または金属薄板が用いられる。剛性、耐食性および加工性の観点から、好ましくは、ステンレス箔が用いられる。支持基板9の厚みは、例えば、10〜100μm、好ましくは、15〜30μmである。
また、支持基板9の上に、上記したようにベース絶縁層2を形成するには、例えば、図3(a)に示すように、支持基板9の上に、感光性樹脂のワニス10を塗布する。感光性樹脂は、上記した合成樹脂において、感光性であるものが用いられる。好ましくは、感光性ポリイミド樹脂が用いられる。感光性樹脂のワニスは、好ましくは、ポリアミック酸樹脂(ポリイミド前駆体樹脂)のワニスが用いられる。
また、この露光および現像において、幅方向両端部5が幅方向中央部6に対して厚みが厚くなる断面略凹形状にパターンニングするには、例えば、階調露光フォトマスク11において、幅方向中央部6に対向する部分の光の透過率を、全透過から全遮光までの間の半透過に調整するとともに、幅方向両端部5に対向する部分の光の透過率を、全透過(ネガ画像の場合)または全遮光(ポジ画像)にして、階調露光し、次いで、現像時に、幅方向中央部6のワニス10を、厚さ方向途中で残存させる。
なお、このようなベース絶縁層2は、上記した方法以外にも、例えば、幅方向両端部5と同じ厚みで、均一な厚みのベース絶縁層2を形成した後、幅方向中央部6を、厚み方向途中までハーフエッチングすることにより、形成することもできる。
そして、この方法では、次いで、図3(e)に示すように、ベース絶縁層2の幅方向中央部6の上に、導体パターン3を形成する。
また、導体パターン3を形成するには、例えば、サブトラクティブ法やアディティブ法などの公知のパターンニング法が用いられる。
その後、この方法では、図3(f)に示すように、導体パターン3を被覆するように、ベース絶縁層2の上に、カバー絶縁層4を形成する。
カバー絶縁層4は、ベース絶縁層2と同様の合成樹脂が用いられる。カバー絶縁層4の形成は、例えば、感光性樹脂のワニスを塗布して、乾燥後、露光後現像し、硬化させることにより、上記した図示しない開口部が形成されるように、形成することができる。
その後、この方法では、図3(g)に示すように、支持基板9を、エッチングまたは剥離により除去することによって、フレキシブル配線回路基板1を得る。
また、上記した第1実施形態のフレキシブル配線回路基板1では、ベース絶縁層2を、その両端部5が、カバー絶縁層4が積層されている側に向かって突出する断面略凹形状に形成したが、例えば、図4に示す第2実施形態のフレキシブル配線回路基板1のように、ベース絶縁層2を、その両端部5が、カバー絶縁層4が積層されている側と反対側に向かって突出する断面略凹形状に形成してもよい。
図4において、このフレキシブル配線回路基板1では、ベース絶縁層2は、その両端部5において、カバー絶縁層4が積層されている側が、幅方向中央部6から続く平坦形状に形成される一方、その反対側が断面略矩形状に突出するように形成されている。
なお、このフレキシブル配線回路基板1では、ベース絶縁層2が上記のように形成されているので、カバー絶縁層4は、ベース絶縁層2の各端部5および中央部6の境界に対応する段差8が形成されずに、形成されている。
この方法では、まず、図5(a)に示すように、ベース絶縁層2を用意する。ベース絶縁層2は、上記した合成樹脂のフィルムとして用意する。なお、ベース絶縁層2は、得られたフレキシブル配線回路基板1の幅方向両端部5の厚みと同一の厚みで用意される。
なお、ベース絶縁層2の上に導体パターン3を形成するには、例えば、予めベース絶縁層2の上に金属箔が積層されている二層基材を用意して、その二層基材の金属箔をサブトラクティブ法により、導体パターン3に形成することにより、形成することもできる。
そして、この方法では、図5(d)に示すように、エッチングレジスト12で、ベース絶縁層2の幅方向中央部6が露出するように、その部分以外のフレキシブル配線回路基板1を被覆した後、幅方向中央部6が残存するようにハーフエッチング(ウエットエッチング)し、次いで、図5(e)に示すように、エッチングレジスト12を除去することにより、幅方向両端部5が幅方向中央部6に対して厚みが厚くなる断面略凹形状にベース絶縁層2を形成し、これによって、フレキシブル配線回路基板1を得る。
図6において、このフレキシブル配線回路基板1では、ベース絶縁層2は、均一な厚みで形成されており、その厚みは、例えば、3〜30μm、好ましくは、5〜15μmである。
カバー絶縁層4の両端部13は、ベース絶縁層2と接触している側と反対側に向かって断面略矩形状に突出するように形成されており、その幅方向内側面が、幅方向外側上方から幅方向内側下方に向かって傾斜するように形成されている。
カバー絶縁層4の中央部14は、ベース絶縁層2の幅方向における各端部13の間であって、その厚みT4は、例えば、5〜100μm、好ましくは、8〜50μmである。
導体パターン3は、カバー絶縁層4の幅方向における各端部13の間の中央部14に形成されている。
なお、カバー絶縁層4は、図示しないが、特定部分が開口されており、その開口部分から露出する各配線7が、外部端子と接続するための端子部とされている。
そのため、この第3実施形態のフレキシブル配線回路基板1でも、屈曲部において、速い屈曲動作で屈曲させても、厚みがより厚い幅方向両端部で、弛みの発生を防止しつつ、厚みがより薄い幅方向中央部で、良好な屈曲信頼性を確保することができる。その結果、屈曲動作が速くても、十分な屈曲信頼性を得ることができ、しかも、導体パターン3の破断を防止することができる。
この方法では、まず、図7(a)に示すように、ベース絶縁層2を用意する。ベース絶縁層2は、上記した合成樹脂のフィルムとして用意する。
次いで、この方法では、図7(b)に示すように、上記と同様に、例えば、サブトラクティブ法やアディティブ法などの公知のパターンニング法によって、導体パターン3を形成する。
そして、この方法では、図7(f)に示すように、導体パターン3を被覆するように、ベース絶縁層2の上に、幅方向両端部13が幅方向中央部14に対して厚みが厚くなる断面略凹形状に、カバー絶縁層4を形成する。
そして、図7(d)に示すように、上記と同様に、ワニス15を、階調露光フォトマスク16を介して階調露光し、その後、図7(e)に示すように、上記と同様に、幅方向中央部14が残存するように現像することにより、断面略凹形状となるように、パターニングする。
なお、このようなカバー絶縁層4は、上記した方法と同様の方法、例えば、幅方向両端部13と同じ厚みで、均一な厚みのカバー絶縁層4を形成した後、幅方向中央部14を、厚み方向途中までハーフエッチングすることにより、形成することもできる。
なお、上記の説明では、第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態において、フレキシブル配線回路基板1の屈曲部について説明したが、フレキシブル配線回路基板1は、すべてが屈曲部であってもよく、また、一部が屈曲部であってもよい。一部が屈曲部である場合には、その屈曲部以外の部分は、その目的および用途などにより、適宜、公知の構成が採用される。
実施例1
厚み20μmのステンレス箔からなる支持基板を用意して、その支持基板の全面に、感光性ポリアミック酸樹脂のワニスを塗布した後(図3(a)参照)、光半透過部分を有する階調露光フォトマスクを介して階調露光し(図3(b)参照)、現像することにより(図3(c)参照)、ワニスを、幅方向両端部が幅方向中央部に対して厚みが厚くなる断面略凹形状にパターンニングした。その後、ワニスを380℃で2時間硬化させることにより、幅方向両端部(幅方向端縁から幅方向内側へ50μmの部分)の厚さが20μm、幅方向中央部(幅方向両端部間の300μmの部分)の厚さが10μmのベース絶縁層を形成した(図3(d)参照)。
次いで、支持基板を除去することによって(図3(g)参照)、フレキシブル配線回路基板を得た。得られたフレキシブル配線回路基板において、幅方向両端部におけるベース絶縁層およびカバー絶縁層の厚みの合計は、25μmであり、幅方向中央部におけるベース絶縁層およびカバー絶縁層の厚みの合計は、15μmであった。
厚み25μmのポリイミド樹脂のフィルムからなるベース絶縁層の上に、厚み8μmの銅箔が積層されている二層基材を用意した。その二層基材の銅箔の上に、導体パターンに対応するパターンで、厚み10μmのエッチングレジストを形成した後、エッチングレジストから露出する金属箔をエッチングした後、エッチングレジストを剥離することにより、ベース絶縁層の上に、導体パターンを形成した(図5(b)参照)。
その後、エッチングレジストで、ベース絶縁層の幅方向中央部が露出するように、その部分以外のフレキシブル配線回路基板を被覆した後(図5(d)参照)、幅方向中央部が残存するようにハーフエッチング(ウエットエッチング)し、次いで、エッチングレジストを除去することにより、幅方向両端部(幅方向端縁から幅方向内側へ50μmの部分)の厚さが25μm、幅方向中央部(幅方向両端部間の300μmの部分)の厚さが15μmの断面略凹形状にベース絶縁層を形成し、これによって、フレキシブル配線回路基板を得た(図5(e)参照)。得られたフレキシブル配線回路基板において、幅方向両端部におけるベース絶縁層およびカバー絶縁層の厚みの合計は、30μmであり、幅方向中央部におけるベース絶縁層およびカバー絶縁層の厚みの合計は、20μmであった。
厚み12.5μmのポリイミド樹脂のフィルムからなるベース絶縁層の上に、厚み8μmの銅箔が積層されている二層基材を用意した。その二層基材の銅箔の上に、導体パターンに対応するパターンで、厚み10μmのエッチングレジストを形成した後、エッチングレジストから露出する金属箔をエッチングした後、エッチングレジストを剥離することにより、ベース絶縁層の上に、導体パターンを形成した(図7(b)参照)。
比較例1
厚み20μmのステンレス箔からなる支持基板の上に、幅方向にわたって均一な厚みを有する、厚さ10μmのポリイミド樹脂からなるベース絶縁層を形成した以外は、実施例1と同様の方法によって、フレキシブル配線回路基板を得た。
各実施例および比較例のフレキシブル配線回路基板を、曲率半径3mmで屈曲させて、屈曲速度25Hzの条件下で、IPC−240に準拠した屈曲試験を実施した。
その結果、比較例1は、8000万回で導体パターンの断線を生じたが、実施例1〜3は、1億回以上屈曲させても、導体パターンの断線を生じなかった。
2 ベース絶縁層
3 導体パターン
4 カバー絶縁層
5 ベース絶縁層の幅方向両端部
6 ベース絶縁層の幅方向中央部
13 カバー絶縁層の幅方向両端部
14 カバー絶縁層の幅方向中央部
Claims (5)
- ベース絶縁層と、前記ベース絶縁層の上に積層された導体パターンと、前記導体パターンを被覆するように、前記ベース絶縁層の上に積層されたカバー絶縁層とを備える配線回路基板において、
前記配線回路基板の長手方向に対して、前記ベース絶縁層、前記導体パターンおよび前記カバー絶縁層が積層される積層方向に沿って交差する方向に屈曲する屈曲部を備え、
前記屈曲部では、前記長手方向および前記積層方向に対して直交する幅方向の両端部における前記ベース絶縁層および前記カバー絶縁層の厚みの合計が、前記幅方向の中央部における前記ベース絶縁層および前記カバー絶縁層の厚みの合計に対して、厚く形成されていることを特徴とする、配線回路基板。 - 前記屈曲部の前記幅方向の両端部における前記ベース絶縁層および前記カバー絶縁層の厚みの合計と、前記屈曲部の前記幅方向の中央部における前記ベース絶縁層および前記カバー絶縁層の厚みの合計との差が、2〜20μmであることを特徴とする、請求項1に記載の配線回路基板。
- 前記屈曲部の前記幅方向の両端部における前記ベース絶縁層の厚みが、前記屈曲部の前記幅方向の中央部における前記ベース絶縁層の厚みよりも、厚いことを特徴とする、請求項1または2に記載の配線回路基板。
- 前記屈曲部の前記幅方向の両端部における前記カバー絶縁層の厚みが、前記屈曲部の前記幅方向の中央部における前記カバー絶縁層の厚みよりも、厚いことを特徴とする、請求項1または2に記載の配線回路基板。
- 前記屈曲部の前記幅方向の両端部が、前記幅方向の端縁から前記幅方向の内側に、それぞれ1〜200μmの部分であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の配線回路基板。
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