JP2006164436A - 情報記録媒体、その製造方法、および情報記憶装置 - Google Patents

情報記録媒体、その製造方法、および情報記憶装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 記録層中への書き込み磁界の強度と勾配を高める裏打ち層を備える情報記録媒体において、信号再生時、ノイズ発生を抑制できる情報記録媒体、その製造方法および情報記憶装置を提供する。
【解決手段】 基板2と記録層8と軟磁性体より形成される第1の裏打ち層3と補償温度が信号再生温度である第2の裏打ち層4とを、基板2上に第1の裏打ち層3、第2の裏打ち層4、記録層8の順に積層して設ける。上記構成では、信号再生時、ノイズの原因となる各裏打ち層3、4からの漏洩磁束を抑制し、かつ、信号記録時、各裏打ち層3、4により磁気ヘッドから発生する記録磁界を記録層8中に集中させることが可能となる。よって、各裏打ち層3、4を有する情報記録媒体においても、信号再生時、各裏打ち層3、4に起因したノイズを抑制できる情報記憶装置を提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気ディスクなど磁気的な作用により情報の記録再生を行う情報記録媒体、特に、情報記録媒体の記録密度を高密度化できる情報記録媒体、その製造方法、および情報記憶装置に関するものである。
近年、高度情報化社会の到来により、取り扱う情報量が膨大になり、記録装置の大容量化高密度化が求められている。特に、ビット単価が安く、不揮発かつ大容量記録可能な磁気記録装置は大いに普及している情報記憶装置の一つであり、高密度記録可能な磁気記録媒体の開発が強く要求されている。
今後、さらに記録密度が向上していくと、従来の長手磁気記録方式の磁気記録媒体では、室温の熱エネルギーで記録磁化が不安定化し記録ビットを長期間保持するのは困難になってくる。この問題を解決するため、磁気記録媒体は、高密度化するほど記録磁化が安定化するという垂直磁気記録方式へと移行しつつある。
この垂直磁気記録方式を用いた磁気記録媒体においては、記録密度を高密度化するために、磁化情報を記録し保持する記録層に対し、磁気ヘッドが発生する記録磁界を記録層中に集中させる役割を担う軟磁性裏打ち層を設けたものが知られている。
しかし、このNiFeなどの軟磁性材料よりなる軟磁性裏打ち層は、層中でそれぞれ異なった磁化の向きを示す磁区に分割され、この磁区と磁区との境界である磁壁からは大きな漏洩磁束が発生する。この軟磁性裏打ち層からの大きな漏洩磁束が、信号再生時、スパイクノイズと呼ばれる大きなノイズの発生原因となっている。
この軟磁性裏打ち層からのスパイクノイズの発生を抑制する方法として、特許文献1では、基板上にマンガン系反強磁性材料よりなる反強磁性層と軟磁性裏打ち層とを互いに接するように設け、この両者の交換結合により磁壁の制御を行い、軟磁性裏打ち層中の磁壁の形成を抑制している。これにより、軟磁性裏打ち層からの漏洩磁束は抑制され、スパイクノイズの発生は減少している。
また、特許文献2に記載の磁気記録媒体では、少なくとも垂直磁気記録と該垂直磁気記録層を裏打ちする面内方向に磁化を有する裏打ち層とを含む垂直磁気記録媒体であって、上記裏打ち層は、上記記録層に記録された磁化情報の再生が行われる信号再生温度の付近に補償温度を有するフェリ磁性材料で形成されている。上記の様に、裏打ち層を形成することにより、上記記録層に磁化情報が記録される際には裏打ち層が磁化を有し、上記記録層に記録された磁化情報を再生する際には磁化を有さない状態とすることができる。よって、信号再生時の裏打ち層からのノイズ発生を抑制することが可能となる。
特開平10−214719号公報(公開日1998年8月11日) 国際公開番号:WO 02/095739(公開日:2002年11月28日)
しかし、上記特許文献1に記載の磁気記録媒体においては、軟磁性裏打ち層中の磁壁の形成を反強磁性層の形成により抑制したとしても、スパイクノイズの発生を十分に低減するまでには至っていない。
また、上記特許文献2の磁気記録媒体では、信号再生時の裏打ち層からのノイズは無くなりスパイクノイズの問題は解消される。一方、信号記録時においては、裏打ち層は面内磁化を有し裏打ち層として機能するが、裏打ち層がフェリ磁性体で形成されているため、軟磁性体で形成されている軟磁性裏打ち層に比べ、磁性体内部への磁束の取り込み易さの指標である透磁率が小さく、裏打ち層内部へと記録磁界を取り込み難くなっている。
よって、上記特許文献2の磁気記録媒体においては、裏打ち層としての効果は、軟磁性裏打ち層に比べ、小さくなってしまう。つまり、スパイクノイズという問題を除けば、裏打ち層の効果をより良好に発揮するためには、裏打ち層として、軟磁性裏打ち層を用いるのが最適である。
ここで、上述したように、信号再生時の大きなノイズの原因となるスパイクノイズの発生は、軟磁性裏打ち層中の磁壁から発生する大きな漏洩磁束に起因する。この漏洩磁束の強度は、一般に、距離の3乗に反比例し減衰していく。そのため、信号再生時には、磁気ヘッドと軟磁性裏打ち層との間のスペーシング(間隔、距離)は、なるべく大きい方が磁気ヘッドにより検出される裏打ち層からの漏洩磁束がより小さくなりスパイクノイズによる悪影響は減少する。反面、信号記録時、軟磁性裏打ち層と磁気ヘッドとの間のスペーシングは、できるだけ小さい方が裏打ち層としての効果(記録磁界の集中化)がより顕著に得られる。
すなわち、記録用の磁気ヘッドからの記録磁界の強度も、上記裏打ち層からの漏洩磁束と同様に距離の3乗に反比例するため、軟磁性裏打ち層と磁気ヘッドと間のスペーシングが小さいほど、磁気ヘッドで発生した記録磁界を軟磁性裏打ち層がより敏感に感知し誘導することができる。これにより、より記録磁界を絞り込み、かつ、記録磁界強度を強めることができる。
したがって、信号再生時と信号記録時とにおける磁気ヘッドと裏打ち層との間のスペーシングに対する要求は相反してしまう。この要求に対し、信号記録時および信号再生時の双方に共に良好な特性を示すことが可能な裏打ち層を有する磁気記録媒体が求められている。
この課題を解決するため、本発明は、信号再生時、軟磁性裏打ち層と磁気ヘッドとの間のスペーシングを大きくとり、ノイズの原因となる裏打ち層からの漏洩磁束を抑制し、かつ、信号記録時、裏打ち層と磁気ヘッドとの間のスペーシングを小さくし、記録磁界を裏打ち層に誘導し易くすることで、磁気ヘッドから発生する記録磁界を記録層中に集中させることの可能な、従来の記録層と軟磁性裏打ち層により構成される磁気記録媒体よりも信号再生特性の優れた情報記録媒体を提供することを目的とする。
本発明第1の情報記録媒体は、上記課題を解決するために、少なくとも、基板と、記録層と、情報信号の記録に用いられる磁界を上記記録層中に集中させるための裏打ち層とを備え、上記裏打ち層は、軟磁性材料にて形成された第1の裏打ち層と、第1の裏打ち層上に形成された、信号再生温度に近づくと磁化が低下し、信号記録温度で積層方向に対して垂直な方向の磁化を有する第2の裏打ち層とを含み、基板上に第1の裏打ち層、第2の裏打ち層、記録層が、その順にて積層されていることを特徴としている。上記第2の裏打ち層は、信号再生温度で実質的に磁化がゼロとなるものが好ましい。
上記構成によれば、本発明第1の情報記録媒体を搭載した情報再生装置において、信号再生時、第2の裏打ち層は、実質的な磁化が低下、好ましくはゼロとなり、外部への漏洩磁束が低下する(漏出しない)ため、非磁性層的な役割を果たすことが可能となる。つまり、信号再生時、磁気ヘッドと第1の裏打ち層との間のスペーシングは、磁化が低下した第2の裏打ち層の存在によって大きくなり、結果、磁気ヘッドにより検出される第1の裏打ち層からの漏洩磁束は減少する。これは、上述したように、漏洩磁束の強度が、距離の3乗に反比例し減衰していくためである。よって、本発明第1の情報記録媒体において、信号再生時、第1の裏打ち層からの漏洩磁束に起因するノイズによる影響を減少できる。
その上、上記構成によれば、信号記録温度においては、第2の裏打ち層は、積層方向に対して垂直な方向である基板の面内方向に磁化を有し、同様に基板の面内方向に磁化を有する第1の裏打ち層と合わせて裏打ち層として働く。信号記録時、磁気ヘッドから発生した記録磁界は、第2の裏打ち層へと誘導され、その後、より透磁率の高い第1の裏打ち層へと誘導される。第1の裏打ち層中へと誘導された記録磁界は、その後、第1の裏打ち層中を通過し、再び、磁気ヘッドへと戻る磁気閉回路を形成する。
つまり、信号記録時、記録磁界の強度と勾配を高め、情報記録媒体の記録分解能を向上させることができる。加えて、第2の裏打ち層が基板の面内方向の磁化を有することにより、磁気ヘッドと第1の裏打ち層との距離を第2の裏打ち層によって磁気的に狭めて、記録磁界をより敏感に第1および第2の各裏打ち層中へと誘導することで、第1の裏打ち層と記録層との間に第2の裏打ち層と同等膜厚程度の非磁性層を設けた時に比べ、より記録層に印加される記録磁界の強度と勾配を高めることが可能となる。
一般に、磁気ヘッドにより記録層中に印加された記録磁界の強度は、記録層層厚方向に進むに従い、減衰していく。しかし、本発明の情報記録媒体のように裏打ち層を設けることにより、記録磁界は情報記録媒体表面から裏打ち層へと誘導され、磁気ヘッドと裏打ち層との間に磁気閉回路を形成する。そのため、記録磁界は、記録層の層厚方向の磁界強度をほとんど減衰させることなしに、記録層中に記録磁界を印加可能となる。
また、記録磁界の強度を強めていくと、記録磁界は、基板面内方向にブロードに広がる傾向にあり、小さなサイズの記録ビットを書き込むことが難しい。
しかし、本発明の情報記録媒体のように裏打ち層を設けることで上記磁気閉回路を形成し、記録磁界は、裏打ち層方向、つまり、層厚方向下方へと導かれ、結果、ブロードに広がろうとする記録磁界を絞り込み、基板面内方向の記録磁界の印加範囲を小さくし、微小な記録ビットを書き込むことが可能となり、記録密度を高密度化できる。
本発明第2の情報記録媒体は、上記課題を解決するために、本発明第1の構成を備える情報記録媒体に対し、上記第2の裏打ち層が、フェリ磁性材料で形成されるとともに、信号再生温度と実質的に同温度である補償温度を有していることを特徴としている。
これによれば、第2の裏打ち層は、フェリ磁性材料で形成されている。フェリ磁性材料は、磁化量がゼロとなる補償温度を有している。そのため、第2の裏打ち層の補償温度が、情報記録媒体の信号再生温度に応じた、例えば実質的に同程度となるように、上記第2の裏打ち層をなすフェリ磁性材料の磁気特性を調整することにより、信号再生温度にて、第2の裏打ち層の磁化を低下、例えばゼロまたは実質的にゼロにすることができる。つまり、上記情報記録媒体の記録層に記録された情報信号の再生時には、第2の裏打ち層は、実質的な磁化が低下し(ゼロとなり)、漏洩磁束の漏出を抑制できる(出さない)ため、非磁性層的な役割を果たすことができる。よって、本発明第1の効果をより効果的に生じさせることができる。
本発明第3の情報記録媒体は、上記課題を解決するために、上記何れかの構成を備える情報記録媒体に対し、上記何れかの構成を備える情報記録媒体に対し、上記第1の裏打ち層と上記第2の裏打ち層とが互いに接していることを特徴としている。
これによれば、第2の裏打ち層と第1の裏打ち層とが互いに接していることから、上記両者の間には磁気的な交換結合力が生じる。信号再生時、第2の裏打ち層は、補償温度の状態となっており、信号生成時(補償温度)において、第2の裏打ち層は反強磁性的な磁化状態を示すことになる。よって、反強磁性的な磁化状態を示す第2の裏打ち層に隣接する第1の裏打ち層の磁壁は、第2の裏打ち層に係る磁気スピンの向きに固定され、外部からの浮遊磁界による磁壁の移動が抑制される。
ところで、一般に、軟磁性体より形成される裏打ち層を有する情報記録媒体を情報再生装置に搭載した従来の場合、信号再生時、磁気ヘッドと情報記録媒体との周囲に浮遊磁界が存在すると、上記浮遊磁界が、裏打ち層中の磁壁を移動し、再生出力を変動させように機能して、再生信号のエラーの原因となる。
しかし、本発明第3の情報記録媒体のように、反強磁性的な磁化状態を示す第2の裏打ち層によって、軟磁性体より形成されている第1の裏打ち層の磁壁の移動を抑制すれば、再生出力の変動を防止し、再生信号のエラーを抑えることができる。
また、第1の裏打ち層と第2の裏打ち層とが隣接していることから、信号記録時、磁気ヘッドから第2の裏打ち層へと導かれた記録磁界を、より透磁率の高い第1の裏打ち層へとより強く誘導することができる。
よって、本発明第3の膜構成によって、信号再生時には、第1の裏打ち層中の磁壁の移動を抑え、かつ、信号記録時には、より透磁率の高い第1の裏打ち層中へと記録磁界をより強く導くことの可能な情報記録媒体を提供することができる。
本発明第4の情報記録媒体は、上記課題を解決するため、上記何れかの構成を備える情報記録媒体に対し、上記第2の裏打ち層の平均膜厚が、5nm以上100nm以下であることを特徴としている。
これによれば、上記第2の裏打ち層の磁気特性を安定して保つために最低限必要な平均膜厚は5nmであり、上記膜厚以上である時、本発明第4の効果で述べた第2の裏打ち層による第1の裏打ち層の磁壁の移動の抑制効果が現れる。また、光アシスト磁気記録技術のように、本情報記録媒体を、レーザー光で加熱し媒体の磁気特性を変化させる場合、媒体中の膜厚方向温度分布を均一に保つためには、第2の裏打ち層の平均膜厚は、100nm以下である必要がある。よって、第2の裏打ち層の平均膜厚は、5nm以上100nm以下、より好ましくは、10nm以上50nm以下である。
本発明第5の情報記録媒体は、上記課題を解決するため、上記何れかの構成を備える情報記録媒体に対し、上記第2の裏打ち層が、希土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素と、遷移金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素とを含む合金であることを特徴としている。
これによれば、希土類金属−遷移金属合金はフェリ磁性体であり、温度に対して磁気的な特性が急峻に変化する。かつ、希土類金属と遷移金属との組成比を変えることで、補償温度、および、キュリー温度を所望の温度に設定可能である。よって、本発明の目的に沿った第2の裏打ち層を備えた情報記録媒体を容易に作製することができる。
本発明第6の情報記録媒体は、上記課題を解決するため、上記本発明第5の構成を備える情報記録媒体に対し、上記希土類金属元素は、GdおよびHoの少なくとも一方であることを特徴とし、また、本発明第7の情報記録媒体は、上記課題を解決するため、上記本発明第5、または、第6の構成を備える情報記録媒体に対し、上記遷移金属元素は、Fe、Co、およびNiからなる群から選択された少なくとも一つであることを特徴としている。
これによれば、希土類金属元素として、Gdおよび/またはHoを用い、遷移金属元素として、Fe、Co、および/またはNiを用いて得られる合金からなる第2の裏打ち層は、150℃以上の高温領域にて、情報記録媒体の各層の積層方向に対して垂直な方向に大きな磁化を有するものにできる。したがって、上記合金は、第2の裏打ち層をなすフェリ磁性材料として好適に用いることができる。
本発明第8の情報記録媒体は、上記課題を解決するため、上記何れかの構成を備える情報記録媒体に対し、上記第2の裏打ち層と記録層との間に、非磁性中間層が設けられていることを特徴としている。
これによれば、非磁性中間層の介在により、第2の裏打ち層と記録層との間には、ほぼ磁気的な交換相互作用を及ぼし合わない状態となっている。よって、信号記録時、第2の裏打ち層の磁化方向に、記録層の磁化方向が引きずられることなく、基板垂直方向に安定して磁化を記録することができる。
本発明第9の情報記録媒体は、上記課題を解決するため、上記何れかの構成を備える情報記録媒体に対し、上記非磁性中間層の平均膜厚が、5nm以下であることを特徴としている。
これによれば、非磁性中間層の平均膜厚が5nm以下と薄いため、信号記録時、上記本発明第8の効果に加え、磁気ヘッドと第2の裏打ち層との膜厚方向の距離が狭まり、記録磁界を第2の裏打ち層中へと誘導し易くなる。よって、信号記録時、記録層に印加される記録磁界の強度と勾配を高め、情報記録媒体の記録分解能を向上させることができる。
なお、本願明細書において、「平均膜厚」とは、以下のように求めた膜厚を指すものとする。すなわち、測定対象の膜を構成する材料と同一の材料を、測定対象の膜の成膜条件と同じ条件で、膜厚に対して膜表面の凹凸が無視できるほど十分な膜厚に成膜し、この成膜された膜の膜厚を測定する。次に、この測定された膜厚と成膜条件から、単位時間当たりに成膜される膜厚(成膜速度)を算出する。そして、この成膜速度を用いて、測定対象の成膜時間から測定対象の膜の膜厚を求め、これを「平均膜厚」とする。
また、本情報記録媒体の作製後においては、以下の方法で「平均膜厚」を測定することも可能である。まず、本発明の情報記録媒体を基板面に対して垂直方向に切断し、積層面を露にする。積層面を露出させることにより、基板側から順に積層されている各層の積層状態を観測することができる。この断面図を透過型電子顕微鏡(TEM)などで観測し、情報記録媒体中の基板面内方向1μmの任意の箇所において、膜厚を測定したい層の基板面に垂直方向の距離を測定し1μm間での平均値を算出する。この時、算出された凹凸層の基板面に垂直方向の距離の平均値を「平均膜厚」とする。
本発明第10の情報記録媒体は、上記課題を解決するため、上記本発明第8または第9の構成を備える情報記録媒体に対し、上記非磁性中間層は、誘電体にて形成される誘電体層上に、凹凸形状を有するように凹凸層が形成されてなり、上記凹凸層は、凹凸形状が上記記録層に接するように設けられ、上記記録層は、上記凹凸層との界面にて、凹凸形状を有していることを特徴としている。
これによれば、非磁性中間層は、誘電体層と凹凸層とを備えている。また、凹凸層および記録層は、上記凹凸層と記録層との界面に、凹凸形状を有している。そのため、凹凸層によって、上記凹凸層と記録層との界面で形成される凹凸形状により、記録層中での磁壁の移動が妨げられることになる。すなわち、上記凹凸形状がなす凹部および凸部内に、記録層に形成される磁壁の移動が制限されることになる。その結果、記録層への情報信号の記録に際して、記録層に凹凸形状を有していない場合に比較して、磁壁の移動を短い距離に制限することができる。これにより、記録層に安定に磁界を書き込むことができるとともに、情報記録媒体の再生に際して、良好な信号再生特性を得ることができる。
なお、ここで上記凹凸層は必ずしも膜状に限定されるものではなく、凹凸層の下側に配される層の上に、個々の粒子として島状に分布して配されていてもよく、それらの粒子が散らばっている層をも総称して凹凸層と呼ぶことにする。
また、誘電体層も必ずしも膜状に限定されるものではなく、誘電体層の下側に配される層の上に、個々の粒子として島状に分布して配されていてもよく、それらの粒子が散らばっている層をも総称して誘電体層と呼ぶことにする。
本発明第11の情報記録媒体は、上記課題を解決するため、上記本発明第10の構成を備える情報記録媒体に対し、上記誘電体層は、窒化物および酸化物の少なくとも一方で形成されていることを特徴としており、本発明第12の情報記録媒体は、上記課題を解決するため、上記本発明第10または第11の構成を備える情報記録媒体に対し、上記凹凸層は、アルミニウムで形成されていることを特徴としている。
これによれば、誘電体層を設け、該誘電体層上にアルミニウムの凹凸層を形成している。そのため、凹凸形状を有する凹凸層を好適に、かつ、容易に形成することができる。すなわち、誘電体層が窒化物および酸化物の少なくとも一方で形成され、凹凸層がアルミニウムにて形成されている場合、誘電体層上にてアルミニウムが一様に拡散し難い。そのため、誘電体層上に、アルミニウムの層を形成することにより、凹凸形状を有する凹凸層を容易に形成することができる。また、凹凸層を形成するためにアルミニウムを用いているので、細かい凹凸形状を有する凹凸層を形成することができる。さらに、凹凸層にアルミニウムを用いると、凹凸層と記録層との界面に凹凸形状を保持しやすい。従って、記録層中での磁壁の移動をより一層好適に防止することができる。
本発明第13の情報記録媒体は、上記課題を解決するため、上記本発明第10から第12までの何れかの構成を備える情報記録媒体に対し、上記誘電体層の平均膜厚が2nm以下であることを特徴としており、本発明第14の情報記録媒体は、上記課題を解決するため、上記本発明第10から第13までの何れかの構成を備える情報記録媒体に対し、上記凹凸層の平均膜厚が3nm以下であることを特徴としている。
上記の各構成によれば、非磁性中間層の平均膜厚を5nm以下で形成することができる。これにより、情報信号の記録に際して、磁気ヘッドから発生する磁界を、記録層および非磁性中間層を介して、裏打ち層に誘導しやすい。また、情報記録媒体の総厚が大きくなることを防止することができる。
本発明第15の情報記録媒体は、上記課題を解決するため、上記本発明第10から第14までの何れかの構成を備える情報記録媒体に対し、上記凹凸層の平均表面粗さ(Ra)が0.6nm以上1.5nm未満であることを特徴としている。
これによれば、凹凸層の平均表面粗さが0.6nm以上1.5nm以下である。そのため、記録層中での磁壁の移動を効果的に抑制することができる。これにより、記録層に安定に磁界を書き込むことができるとともに、情報記録媒体の再生に際して、良好な信号再生特性を得ることができる。
なお、本情報記録媒体の作製後においては、以下の方法で平均表面粗さ(Ra)を測定することも可能である。まず、本発明第9の効果で述べたように、本発明の情報記録媒体を基板面に対して垂直方向に切断し、積層面を露にする。この断面図を透過型電子顕微鏡(TEM)などで観測し、凹凸層と記録層との界面における凹凸形状を測定し平均表面粗さ(Ra)を算出する。
なお、ここで上記凹凸層は必ずしも膜状に限定されるものではなく、凹凸層の下側に配される層の上に、個々の粒子として島状に分布して配されていてもよく、それらの粒子が散らばっている層をも総称して凹凸層と呼ぶことにする。
本発明第16の情報記録媒体は、上記課題を解決するため、上記本発明第10から第15までの何れかの構成を備える情報記録媒体に対し、上記凹凸層は、該凹凸層をなす凹凸形状の内における凸部の平均径が、上記記録層との界面にて、50nm未満であることを特徴としている。
これによれば、凹凸層と記録層との界面にて、微小な凹凸形状を形成することができる。これにより、記録層中での磁壁の移動を効果的に抑制することができる。これにより、記録層に安定に磁界を書き込むことができるとともに、情報記録媒体の再生に際して、良好な信号再生特性を得ることができる。
本発明第17の情報記録媒体の製造方法は、上記課題を解決するために、上記記録層と第1の裏打ち層と第2の裏打ち層を備え、基板上に、第1の裏打ち層、第2の裏打ち層、記録層の順に積層されてなる情報記録媒体の製造方法において、上記情報記録媒体の信号再生温度と実質的に同温度である補償温度を有するように、上記第2の裏打ち層をフェリ磁性材料で形成する工程を含むことを特徴としている。
上記の方法によれば、裏打ち層は、該裏打ち層の補償温度が、情報記録媒体の信号再生温度と実質的に同温度となるように、フェリ磁性材料にて形成されている。そのため、上記情報記録媒体の再生時には、裏打ち層から漏洩磁束が十分に抑制され、スパイクノイズの発生が低減される。これにより、上記情報記録媒体の情報信号の再生に際して、ノイズを低減し、再生される情報信号の品質を向上させて、良好な信号再生特性を得ることができる情報記録媒体を提供することができる。
本発明第18の情報記録媒体の製造方法は、上記課題を解決するために、さらに、上記第2の裏打ち層と記録層との間に、誘電体層と凹凸層とを備え、上記第2の裏打ち層上に誘電体層を形成する工程と、上記誘電体層上に、凹凸形状を有するように凹凸層を形成する工程と、上記凹凸層の凹凸形状に接するように、上記記録層を形成する工程と、を含むことを特徴としている。
上記の方法によれば、裏打ち層と記録層との間に、誘電体層および凹凸層を有する情報記録媒体を製造することができる。これにより、記録層に安定に磁界を書き込むことができるとともに、情報記録媒体の再生に際して、良好な信号再生特性を得ることができる情報記録媒体を提供することができる。
本発明第19の情報記憶装置は、前記課題を解決するために、本発明第1〜第16の何れかに記載の情報記録媒体を局所的に加熱するための光照射を行う光照射部と、上記情報記録媒体の記録層に対し、情報信号の再生を磁気的に行う磁気ヘッドと、上記情報記録媒体の第2の裏打ち層が有する補償温度まで、該情報記録媒体を加熱するように上記光照射部を制御するとともに、上記第2の裏打ち層が補償温度に達した状態で、上記記録層に記録された情報信号を再生するように磁気ヘッドを制御する制御部と、を備えていることを特徴としている。
これによれば、上記情報記録媒体の情報信号の再生に際して、ノイズを低減し、再生される情報信号の品質を向上させて、良好な信号再生特性を得ることができる情報再生装置といった情報記憶装置を提供することができるという効果を奏する。
本発明第20の情報記憶装置は、前記課題を解決するために、本発明第1〜第16の何れかに記載の情報記録媒体を局所的に加熱するための光照射を行う光照射部と、上記情報記録媒体の記録層に対し、情報信号の記録再生を磁気的に行う磁気ヘッドと、上記情報記録媒体の第2の裏打ち層が有する補償温度まで、該情報記録媒体を加熱するように上記光照射部を制御し、かつ、上記第2の裏打ち層が補償温度に達した状態で、上記記録層に記録された情報信号を再生する、あるいは、上記第2の裏打ち層が情報記録媒体の積層方向に対して垂直な方向の磁化を有する温度に達した状態で、上記記録層に情報信号を書き込むように、上記磁気ヘッドを制御する制御部と、を備えていることを特徴としている。
これによれば、情報記録媒体の信号再生時には、スパイクノイズを低減し、良好な信号特性を得ることができ、情報記録媒体の信号記録時には、磁気ヘッドからの磁界を効率よく記録層に印加することができる情報記録装置または情報再生装置といった情報記憶装置を提供することができる。
本発明第21の情報記憶装置は、前記課題を解決するために、さらに、上記情報記録媒体を回転駆動する情報記録媒体駆動部と、上記光照射部および磁気ヘッドを駆動するヘッド駆動部と、上記情報記録媒体の記録層に記録された情報信号を、当該情報再生装置で再生可能な再生信号に変換する信号処理部とを備えていることを特徴としている。
本発明の情報記録媒体は、以上のように、基板上に第1の裏打ち層、第2の裏打ち層、記録層が、その順にて積層されて有し、情報信号の記録に用いられる磁界を上記記録層中に集中させるための上記裏打ち層は、軟磁性材料にて形成された第1の裏打ち層と、第1の裏打ち層上に形成された、信号再生温度に近づくと磁化が低下し、信号記録温度で積層方向に対して垂直な方向の磁化を有する第2の裏打ち層とを含むことを特徴としている。
その結果、本発明の情報記録媒体を搭載した情報再生装置において、第2の裏打ち層の補償温度を信号再生温度と実質的に同温度に設定した場合、信号再生時、第2の裏打ち層は、トータル磁化量が低下、例えばゼロとなり漏洩磁束を出さないため、非磁性層的な役割を果たす。これにより、信号再生時、磁気ヘッドと第1の裏打ち層との間のスペーシングは大きくなり、結果、磁気ヘッドにより検出される第1の裏打ち層からの漏洩磁束は減少する。よって、本発明の情報記録媒体において、信号再生時、第1の裏打ち層からの漏洩磁束に起因するノイズは減少する。
一方、信号記録温度においては、第2の裏打ち層は基板面内方向に磁化を有し、同様に基板面内方向に磁化を有する第1の裏打ち層と合わせて裏打ち層として働く。信号記録時、磁気ヘッドから発生した記録磁界は、第2の裏打ち層へと誘導され、その後、より透磁率の高い第1の裏打ち層へと誘導される。第1の裏打ち層中へと誘導された記録磁界は、その後、第1の裏打ち層中の基板面内方向を通過し、再び、磁気ヘッドへと戻る磁気閉回路を形成する。つまり、磁化情報書き込み時、上記磁気閉回路を形成することで、記録層に印加される記録磁界の強度と勾配を高め、情報記録媒体の記録分解能を向上させることができる。
よって、まとめると、上記の膜構成によって、信号再生温度では磁気ヘッドと第1の裏打ち層との間のスペーシングを大きくすることができ、磁気ヘッドが検出するスパイクノイズを抑制し、かつ、信号記録温度では第2の裏打ち層が裏打ち層としての役割を果たし、第1の裏打ち層と共に、磁気ヘッドから発生する記録磁界を第1および第2の各裏打ち層方向へと誘導し、記録磁界の強度と勾配を高め、磁気ヘッドから発生する記録磁界を効率よく記録層に印加することの可能な裏打ち層を備えた情報記録媒体を提供することができる。
加えて、本発明の情報記録媒体は、上記第2の裏打ち層と記録層との間に、非磁性中間層が設けられており、上記非磁性中間層が、誘電体にて形成される誘電体層上に、凹凸形状を有するように凹凸層が形成されてなり、上記凹凸層は、凹凸形状が上記記録層に接するように設けられ、上記記録層は、上記凹凸層との界面にて、凹凸形状を有していることを特徴としている。
その結果、非磁性中間層の介在により、第2の裏打ち層と記録層との間には、ほぼ磁気的な交換相互作用を及ぼし合わない状態となっている。よって、信号記録時、第2の裏打ち層の磁化方向により、記録層の磁化方向が引きずられることなく、基板の表面に対し垂直方向に安定して磁化を上記記録層に対し記録することができる。
また、誘電体層により、第2の裏打ち層上において凹凸層の凹凸形状を顕著に形成させることができる。よって、凹凸層と記録層との界面には大きな凹凸形状が形成され、形成された上記凹凸は、記録層中の磁壁の移動を妨げる磁壁束縛部位(ピニングサイト)としての役割を果たす。このため、記録層と接する層との界面に凹凸形状を有しない従来の記録層と裏打ち層から構成される磁気記録媒体と比較して、記録層の磁壁移動を短い距離に抑え、微小なマークを安定して形成できる。つまり、高密度記録においても十分な信号再生特性を得られる。
また、本発明の情報記録媒体の製造方法は、以上のように、上記記録層と第1の裏打ち層と第2の裏打ち層を備え、基板上に、第1の裏打ち層、第2の裏打ち層、記録層の順に積層されてなる情報記録媒体の製造方法において、上記情報記録媒体の信号再生温度と実質的に同温度である補償温度を有するように、上記第2の裏打ち層をフェリ磁性材料で形成する工程を含むことを特徴としている。
この方法によれば、裏打ち層は、該裏打ち層の補償温度が、情報記録媒体の信号再生温度と実質的に同温度となるように、フェリ磁性材料にて形成されている。そのため、上記情報記録媒体の再生時には、裏打ち層から漏洩磁束が十分に抑制され、スパイクノイズの発生が低減される。これにより、上記情報記録媒体の情報信号の再生に際して、ノイズを低減し、再生される情報信号の品質を向上させて、良好な信号再生特性を得ることができる情報記録媒体を提供することができる。
加えて、本発明の情報記録媒体の製造方法は、上記情報記録媒体は、上記第2の裏打ち層と記録層との間に、誘電体層と凹凸層とを備え、上記第2の裏打ち層上に誘電体層を形成する工程と、上記誘電体層上に、凹凸形状を有するように凹凸層を形成する工程と、上記凹凸層の凹凸形状に接するように、上記記録層を形成する工程と、を含むことを特徴としている。
この方法によれば、裏打ち層と記録層との間に、誘電体層および凹凸層を有する情報記録媒体を製造することができる。これにより、記録層に安定に磁界を書き込むことができるとともに、情報記録媒体の再生に際して、良好な信号再生特性を得ることができる情報記録媒体を提供することができる。
また、本発明の情報記憶装置は、本発明の情報記録媒体を局所的に加熱するための光照射を行う光照射部と、上記情報記録媒体の記録層に対し、情報信号の再生を磁気的に行う磁気ヘッドと、上記情報記録媒体の第2の裏打ち層が有する補償温度まで、該情報記録媒体を加熱するように上記光照射部を制御するとともに、上記第2の裏打ち層が補償温度に達した状態で、上記記録層に記録された情報信号を再生するように磁気ヘッドを制御する制御部と、を備えていることを特徴としている。
本発明の他の情報記憶装置は、本発明の情報記録媒体を局所的に加熱するための光照射を行う光照射部と、上記情報記録媒体の記録層に対し、情報信号の記録再生を磁気的に行う磁気ヘッドと、上記情報記録媒体の第2の裏打ち層が有する補償温度まで、該情報記録媒体を加熱するように上記光照射部を制御し、かつ、上記第2の裏打ち層が補償温度に達した状態で、上記記録層に記録された情報信号を再生する、あるいは、上記第2の裏打ち層が情報記録媒体の積層方向に対して垂直な方向の磁化を有する温度に達した状態で、上記記録層に情報信号を書き込むように、上記磁気ヘッドを制御する制御部と、を備えていることを特徴としている。
さらに、上記各情報記憶装置では、上記情報記録媒体を回転駆動する情報記録媒体駆動部と、上記光照射部および磁気ヘッドを駆動するヘッド駆動部と、上記情報記録媒体の記録層に記録された情報信号を、当該情報再生装置で再生可能な再生信号に変換する信号処理部と、を備えていることが好ましい。
この情報記憶装置を用いれば、上記情報記録媒体の情報信号の再生に際して、ノイズを低減し、再生される情報信号の品質を向上させて、良好な信号再生特性を得ることができ、また、情報記録媒体の信号記録時には、磁気ヘッドからの磁界を効率よく記録層に印加することができて、記録密度を高密度化できる。
以下、本発明の情報記録媒体、その製造方法、および情報記録装置および情報再生装置の少なくとも一方といった情報記憶装置に係る実施の各形態について、添付図面を用いて説明する。なお、以下に示す実施の各形態では、本発明の情報記録媒体を磁気ディスクに適用したものである。
(実施の第一形態)
本発明の情報記録媒体に係る実施の第一形態では、図1に示すように、情報記録媒体1の膜構成は、基板2上に、第1の裏打ち層3、第2の裏打ち層4、記録層8、保護層9が順に積層されており、さらにその上に潤滑層10が形成された構造を有している。
本発明に係る実施の第一形態における情報記録媒体1の上記各層について、以下に説明する。まず、基板2は、非磁性体からなり、本実施の形態では、基板2を構成する材料としてガラスを用いたが、アルミニウム、プラスチック、およびシリコンの何れかから構成されるものであってもよい。また、本実施の形態では、基板2の形状は平坦なディスク形状のものを用いたが、基板2の形状はシリンダー状のものであってもよく、この場合、シリンダー外周側面に上記各層を積層する。また、基板2は、上記各層を積層する面が平滑であり、かつ、成膜された各層を変形させることなく保持できる材料であれば、それ以外の材料、形状のものであってもよい。なお、基板2の表面は、上記各層を積層する前に、各層を積層する側の面を逆スパッタなどによりクリーニングすることが好ましい。
次に、第1の裏打ち層3は、軟磁性体によって構成されており、裏打ち層として用いられる軟磁性体の特徴として、後述する磁気ヘッドのコア材料の軟磁性体や、記録層8の磁性体と比べて、飽和磁束密度が大きい、透磁率が高い、保磁力が小さい、基板2の面内方向の磁気異方性が強いなどの特徴を有するものが挙げられる。軟磁性体は、透磁率が高く、外部から磁界を取り込み易いので、磁気ヘッドから発生した記録磁界を第1の裏打ち層3側へと誘導し易い。
これによって、基板2の面内方向に広がろうとしていた記録磁界を、裏打ち層の存在する層厚方向下方へと導こうとする。これにより、基板2の面内方向に、ブロードに広がろうとする記録磁界を、層厚方向下方へと誘導することができ、記録磁界の勾配(磁気ヘッドに対面する位置での記録層8内での記録磁界の磁束密度)を高めることができる。
主な第1の裏打ち層3としては、Ni(ニッケル)とFe(鉄)の合金よりなるパーマロイ合金、Al(アルミニウム)とSi(シリコン)とFe(鉄)の合金よりなるセンダスト合金などの結晶性の裏打ち層材料、および、CoZrNbやCoTaZrなどの非晶質の裏打ち層材料が挙げられる。第1の裏打ち層3の平均膜厚は、記録に使用する磁気ヘッドの構造や特性によって最適値が変化するが、10nm以上300nm以下であることが生産性との兼ね合いから望ましい。
続いて、前記の第2の裏打ち層4について説明する。第2の裏打ち層4は、補償温度とキュリー温度との双方で、それぞれ実質的に磁化量がゼロとなるフェリ磁性体により構成されている。言い換えると、第2の裏打ち層4は、その温度が補償温度(信号再生温度)に近づいていくと、磁化量が低下していき、補償温度に達すると、その磁化が実質的にゼロになるものである。上記実質的にゼロとは、ゼロを含み、第2の裏打ち層4に用いた磁性体の最大磁化量の10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下の磁化量をいう。
本発明において、上記補償温度と信号再生温度とが実質的に等しいとみなせる温度(実質的に同温度)とは、情報記録媒体1の記録層8に記録された情報信号の再生時に、第2の裏打ち層4の磁化量が実質的にゼロとなる温度を示す。第2の裏打ち層4の磁化量が実質的にゼロとは、第2の裏打ち層4全体の磁化量が、該第2の裏打ち層4からのノイズが十分に抑制される程度に、該第2の裏打ち層4の磁化量がゼロに近づくこと、好適には単位体積当たりの磁化量が10emu/cc以下、望ましくはゼロであることを示す。このように上記補償温度を信号再生温度と実質的に同温度に設定することにより、情報記録媒体1の信号再生時には上記第2の裏打ち層4の磁化量が、実質的にゼロ、望ましくはゼロとなるので、上記第2の裏打ち層4からの漏洩磁束の発生を防止することができ、磁気ヘッドと第1の裏打ち層3との間のスペーシングは大きくなる。
本実施の第一形態においては、第2の裏打ち層4として、希土類金属−遷移金属合金であるHoFeCo合金薄膜を用いた。HoFeCo合金薄膜は、希土類金属であるHo(ホルミウム)と遷移金属であるFe(鉄)、および、Co(コバルト)との組成比を調整することで磁気特性を調整できるものである。上記組成比を調整することにより、第2の裏打ち層4は、信号再生温度で補償温度を示し、信号記録温度において、情報記録媒体1の基板2の面内方向(表面方向)に磁化を有するものとすることが可能である。本実施の第一形態においては、信号再生温度を室温(約30℃)、信号記録温度を約240℃に設定した。
ここで、本発明実施の第一形態の情報記録媒体1では、上記第1の裏打ち層3と上記第2の裏打ち層4とは互いに接するように設けられている。これによれば、第2の裏打ち層4と第1の裏打ち層3との間には、磁気的な交換結合力が生じる。信号再生時、第2の裏打ち層4は、補償温度を示しており、補償温度において、第2の裏打ち層4は磁化が実質的にゼロであるから、反強磁性的な磁化状態を示している。よって、反強磁性的な磁化状態を示す第2の裏打ち層4に隣接する第1の裏打ち層3の磁壁は、第2の裏打ち層4の磁気スピンの向きに固定され、外部からの浮遊磁界による磁壁の移動が抑制される。
ところで、一般に、軟磁性体より形成される裏打ち層を有する情報記録媒体を情報記録装置または情報再生装置に搭載した従来の場合、信号再生時、磁気ヘッドと情報記録媒体との周囲に浮遊磁界が存在すると、上記浮遊磁界が、裏打ち層中の磁壁を移動し、再生出力を変動させ、再生信号のエラーの原因となる。
しかし、本情報記録媒体1のように、反強磁性的な磁化状態を示す第2の裏打ち層4によって、軟磁性体より形成されている第1の裏打ち層3における磁壁の移動を抑制すれば、再生出力の変動を防止し、再生信号のエラーを抑えることができる。
また、第1の裏打ち層3と第2の裏打ち層4が隣接していることから、信号記録時、磁気ヘッドから第2の裏打ち層4へと導かれた記録磁界を、より透磁率の高い第1の裏打ち層3へとより強く誘導することができる。
よって、本発明の実施の第一形態の膜構成によって、信号再生時には、第1の裏打ち層3中の磁壁の移動を抑え、かつ、信号記録時には、第2の裏打ち層4より透磁率の高い第1の裏打ち層3中へと記録磁界をより強く導くことの可能で、記録密度を高密度化できる情報記録媒体1を提供することができる。
なお、上記第2の裏打ち層4の磁気特性を安定して保つために最低限必要な平均膜厚は5nmであり、上記膜厚以上である時、上述したように、第2の裏打ち層4による第1の裏打ち層3の磁壁の移動の抑制効果が現れる。また、光アシスト磁気記録技術のように、本情報記録媒体1を、レーザー光で加熱し媒体の磁気特性を変化させる場合、情報記録媒体1中の膜厚方向温度分布を均一に保つためには、第2の裏打ち層4の平均膜厚は、100nm以下が望ましい。よって、第2の裏打ち層4の平均膜厚は、5nm以上100nm以下、好ましくは、10nm以上50nm以下である。
次に、前記の記録層8について説明する。本実施の第一形態では、記録層8の素材としては、アモルファス媒体であり熱安定性に優れた垂直磁気記録媒体であるTbFeCo合金薄膜を用いた。TbFeCo合金は、希土類金属であるTb(テルビウム)と遷移金属であるFe(鉄)、および、Co(コバルト)との組成比を調整することで磁気特性を調整できるものである。
なお、記録層8の素材としては、DyFeCo、TbDyFeCoなどの希土類金属−遷移金属合金薄膜、PtとMn、Fe、Co、Niなどの少なくとも一種以上の遷移金属によって構成される合金薄膜、Pt/CoやPd/Coなどの磁気多層膜、CoCrやCoCrPt−SiO2などのグラニュラー磁気薄膜など垂直磁気異方性が大きく、基板2面に対して垂直方向に磁化され記録情報が安定に保持できるものであれば、TbFeCo合金薄膜に限定されるものではない。
ここで、記録層8が上記PtとMn、Fe、Co、Niなどの少なくとも一種以上の遷移金属によって構成される合金薄膜、Pt/CoやPd/Coなどの磁気多層膜、CoCrやCoCrPt−SiO2などのグラニュラー磁気薄膜のように、結晶性の記録層8である場合、後述する誘電体層5および凹凸層6の代わりに、記録層8の結晶配向性の向上、および、格子欠陥を抑制するために、シード層(図示せず)を設けることが好適である。上記シード層の材料として、TiやTiCrなどのTi系合金やTaを用いることができるが、記録層8の結晶配向性の向上、および、格子欠陥を抑制する効果がある材料であれば、上記材料に限定されるものではない。
本実施の第一形態中で用いたTbFeCo合金薄膜の磁気特性を図3に示す。図3の縦軸はTbFeCo合金薄膜の単位体積(cc)あたりの残留磁化(emu/cc)であり、横軸は温度(℃)である。磁化測定は、VSM(試料振動型磁化測定装置)(図示しない)を用い、残留磁化の温度依存性を測定した。
本実施の第一形態においては、信号再生温度を室温(約30℃)、信号記録温度を約240℃に設定している。記録再生動作に合わせるため、図3に示すように、本情報記録媒体1の記録層8は、室温において大きな磁化を持ち再生感度を高めると共に、240℃近傍で記録層8の保磁力が書き込みのための記録磁界より小さく情報記録媒体1内への書き込みが容易に可能となるように設定されている。
次に、前記の保護層9について説明する。保護層9は、図11に示す磁気ヘッド11と情報記録媒体1が接触する時、上記情報記録媒体1の磁性層が削れるのを防ぐために磁性層を保護する目的で設けられている。保護層9としては磁性層を保護できるものであれば特に限定されるものではないが、本実施の形態では炭素層や窒化炭素層などの炭素系保護層9を用いた。
続いて、前記の潤滑層10について説明する。潤滑層10は、情報記録装置または情報再生装置において、磁気ヘッド11との接触時の摩擦を低減するためのものであり、従来、磁気ディスクなどに使用されている材料を用いることができる。例えば、フッ素系潤滑剤、特にパーフルオロポリオキシアルカン(パーフルオロポリエーテル)系の潤滑剤を用いることができる。
上述したような、本実施の第一形態の情報記録媒体1を搭載した情報記録装置または情報再生装置において、第2の裏打ち層4の補償温度を信号再生温度に設定した場合、信号再生時、第2の裏打ち層4は、トータル磁化量がゼロとなり漏洩磁束を出さないため、非磁性層的な役割を果たす。
つまり、信号再生時、磁気ヘッド11と第1の裏打ち層3との間のスペーシングは大きくなり、結果、磁気ヘッド11により検出される第1の裏打ち層3からの漏洩磁束は減少する。これは、上述したように、漏洩磁束の強度が、距離の3乗に反比例し減衰していくためである。よって、本実施の第一形態の情報記録媒体1において、信号再生時、第1の裏打ち層3からの漏洩磁束に起因するノイズは減少する。
一方、信号記録温度においては、第2の裏打ち層4は基板2の面内方向に磁化を有し、同様に基板2の面内方向に磁化を有する第1の裏打ち層3と合わせて裏打ち層として働く。信号記録時、磁気ヘッド11から発生した記録磁界は、第2の裏打ち層4へと誘導され、その後、より透磁率の高い第1の裏打ち層3へと誘導される。
第1の裏打ち層3中へと誘導された記録磁界は、その後、第1の裏打ち層3中を通過し、再び、磁気ヘッド11へと戻る磁気閉回路を形成する。つまり、信号記録時、記録磁界の強度と勾配を高め、情報記録媒体1の記録分解能を向上させることができる。加えて、第2の裏打ち層4が基板2の面内方向の磁化を有し、磁気ヘッド11と裏打ち層との距離を狭め記録磁界をより敏感に裏打ち層中へと誘導することで、第1の裏打ち層3と記録層8との間に第2の裏打ち層4と同等膜厚程度の非磁性層を設けた時に比べ、より記録層8に印加される記録磁界の強度と勾配を高めることが可能となる。
一般に、磁気ヘッド11により記録層8中に印加された記録磁界の強度は、記録層8層厚方向に進むに従い、減衰していく。しかし、本発明の情報記録媒体1のように裏打ち層を設けることにより、記録磁界は情報記録媒体1表面から裏打ち層へと誘導され、磁気ヘッドと裏打ち層との間に磁気閉回路を形成する。そのため、記録磁界は、記録層8の層厚方向の磁界強度をほとんど減衰させることなしに、記録層8中に磁界を印加可能となる。
また、記録磁界の強度を強めていくと、記録磁界は、基板2の面内方向にブロードに広がる傾向にあり、小さなサイズの記録ビットを書き込むことが難しい。
しかし、本発明の情報記録媒体1のように、第1および第2の各裏打ち層3、4を設けることで上記磁気閉回路を形成し、記録磁界は、裏打ち層方向、つまり、層厚方向下方へと導かれ、結果、ブロードに広がろうとする記録磁界を絞り込み、基板2の面内方向の記録磁界の印加範囲を小さくし、微小な記録ビットを書き込むことが可能となる。
よって、まとめると、本発明第1の膜構成によって、信号再生温度では磁気ヘッド11と第1の裏打ち層3との間のスペーシングを大きくすることができ、磁気ヘッド11が検出するスパイクノイズを抑制して再生信号品質を改善でき、かつ、信号記録温度では第2の裏打ち層4が裏打ち層としての役割を果たし、第1の裏打ち層3と共に、磁気ヘッド11から発生する記録磁界を裏打ち層方向へと誘導し、記録磁界の強度と勾配を高め、磁気ヘッド11から発生する記録磁界を効率よく記録層8に印加して、記録密度を向上可能な裏打ち層を備えた情報記録媒体1を提供することができる。
次に、上記情報記録媒体1の製造方法について説明する。まず、直径2.5インチの磁気ディスク用のガラス基板を基板2としてスパッタ成膜装置(図示しない)内に設置し、上記基板2を設置した上記成膜装置のチャンバー(図示しない)内を3×10-5Pa未満の真空度になるまで排気した。
次に、上記基板2上に、第1の裏打ち層3として、マグネトロンスパッタリング法を用い、NiとFeの2元ターゲットでco−スパッタにより、NiFe膜を平均膜厚25nmとなるように成膜した。スパッタ条件は、スパッタガス圧0.2Pa、スパッタ投入電力を、直流電圧(DC)で、それぞれNiは429W、Feは112Wとし、スパッタガスとして、アルゴン(Ar)ガスを用いた。上記組成比を蛍光X線分析装置(XRF)により測定した結果、各々の元素の組成比は、Ni:Feが80.2at%:19.8at%と測定された。
次に、上記第1の裏打ち層3上に、第2の裏打ち層4としてHoFeCo合金薄膜を、マグネトロンスパッタリング法を用い、HoとFeとCoの3元ターゲットでco−スパッタにより成膜した。スパッタ条件は、スパッタガス圧0.2Pa、スパッタ投入電力を、直流電圧(DC)で、それぞれHoは383W、Feは200W、Coは632Wとし、スパッタガスとして、アルゴン(Ar)ガスを用いた。上記組成比を蛍光X線分析装置(XRF)により測定した結果、各々の元素の組成比は、Ho:Fe:Coが23.3at%:17.3at%:59.4at%と測定された。
上記第2の裏打ち層4の成膜後、記録層8としてTbFeCo合金薄膜を、マグネトロンスパッタリング法により、TbとFeとCoの3つのターゲットをco−スパッタで成膜した。スパッタ条件は、スパッタガス圧0.2Pa、スパッタ投入電力を、直流電圧(DC)で、それぞれTbは72W、Feは200W、Coは39Wとし、スパッタガスとして、アルゴン(Ar)ガスを用いた。上記組成比を蛍光X線分析装置(XRF)により測定した結果、各々の元素の組成比は、Tb:Fe:Coが17.0at%:68.9at%:14.1at%と測定された。
上記記録層8の成膜後、保護層9として、DCマグネトロンスパッタリング法により、平均膜厚が10nmとなるように非晶質炭素(a−C)膜を成膜した。スパッタ条件は、スパッタガス圧1.0Pa、スパッタ電力を直流300Wとし、スパッタガスとして、アルゴン(Ar)ガスを用いた。
上記保護層9の成膜後、潤滑層10として、パーフルオロポリオキシアルカン系の潤滑剤をディップコータにより非晶質炭素膜界面に塗布し、膜厚0.8nmの液体潤滑膜を形成した。なお、保護膜9の形成後、テープバニッシュを行い、その後、上記潤滑層10を形成してもよい。
上記のように製造された本発明の情報記録媒体1の信号再生温度(約30℃)での第1の裏打ち層3、第2の裏打ち層4、おのおのの層の磁気特性を図4、図5に示す。また、信号記録温度(約240℃)での第1の裏打ち層3、第2の裏打ち層4、おのおのの層の磁気特性を図6、図7に示す。
上記磁気特性測定に使用したサンプルは、上記各々の層を基板2上に、それぞれ、上記情報記録媒体1作製時と同条件で成膜し、その上に、酸化防止のため、Al膜を50nm積層し作製した。
作製された上記サンプルの磁化測定は、基板2の面内方向に1cm×1cm径に切り出し、VSM(試料振動型磁化測定装置)(図示しない)を用いて行った。図4から図7までの全て、縦軸はVSMにより検出された単位体積あたりの磁化量(emu/cc)、横軸は外部から印加した印加磁場(Oe)であり、基板2の面内方向の磁化量を測定した。
測定結果から、図4、図5に示すように、信号再生温度(約30℃)においては、第2の裏打ち層4は補償温度を示しており磁化量はゼロとなっており、また、第1の裏打ち層3は大きな基板2の面内方向の磁化を示していることが分かる。
よって、本実施の第一形態の情報記録媒体1を搭載した情報記録装置または情報再生装置において、信号再生時、第2の裏打ち層4は、トータル磁化量がゼロとなり漏洩磁束を出さないため、非磁性層的な役割を果たす。つまり、信号再生時、磁気ヘッド11と第1の裏打ち層3との間のスペーシングは大きくなり、結果、磁気ヘッド11により検出される第1の裏打ち層3からの漏洩磁束は減少する。これは、漏洩磁束の強度が、距離の3乗に反比例し減衰していくためである。よって、本実施の第一形態の情報記録媒体1において、信号再生時、第1の裏打ち層3からの漏洩磁束に起因するノイズは減少する。
また、第2の裏打ち層4と第1の裏打ち層3とは互いに隣接しているため、両者の間には、磁気的な交換結合力を生じる。信号再生時、第2の裏打ち層4は、補償温度を示しており、補償温度において、第2の裏打ち層4は反強磁性的な磁化状態を示している。よって、反強磁性的な磁化状態を示す第2の裏打ち層4に隣接する第1の裏打ち層3の磁壁は、第2の裏打ち層4の磁気スピンの向きに固定され、外部からの浮遊磁界による磁壁の移動が抑制される。
ところで、一般に、軟磁性体より形成される裏打ち層を有する情報記録媒体を情報記録装置または情報再生装置に搭載した従来の場合、信号再生時、磁気ヘッドと情報記録媒体との周囲に浮遊磁界が存在すると、上記浮遊磁界が、裏打ち層中の磁壁を移動し、再生出力を変動させ、再生信号のエラーの原因となる。
しかし、本実施の第一形態に係る情報記録媒体1のように、反強磁性的な磁化状態を示す第2の裏打ち層4によって、第1の裏打ち層3における磁壁の移動を抑制すれば、再生出力の変動を防止し、再生信号のエラーを抑えることができる。
ここで、上記第2の裏打ち層4による第1の裏打ち層3における磁壁の移動の抑制効果を顕著にするためには、第2の裏打ち層4の平均膜厚は、5nm以上であることが望ましい。また、光アシスト磁気記録技術のように、本情報記録媒体1を、レーザー光で加熱し情報記録媒体1の磁気特性を変化させる場合、情報記録媒体1中の膜厚方向温度分布を均一に保つためには、第2の裏打ち層4の平均膜厚は、100nm以下であることが望ましい。よって、第2の裏打ち層4の平均膜厚は、5nm以上100nm以下、より好ましくは、10nm以上50nm以下である。
また、測定結果から、図6、図7に示すように、信号記録温度(約240℃)においては、第2の裏打ち層4、第1の裏打ち層3共に、基板2の面内方向に大きな磁化を示していることが分かる。
ここで、磁性体内部への磁束の取り込み易さを示す指標である透磁率について述べると、透磁率μは、μ=B/Hで表される。上記Bは磁束密度、Hは印加磁場を表し、磁束密度Bは、磁化量Mにほぼ比例する。したがって、同一印加磁場中では、単位体積あたりの磁化が大きいほど、透磁率も大きくなる。換言すると、同一印加磁場中では、単位体積あたりの磁化が大きいほど磁束を層中へと取り込み易くなり、記録磁界を絞り込むことができる。
上記事項を加味し、図6、図7の磁化履歴曲線における磁化飽和領域を見ると、信号記録時、第1の裏打ち層3は第2の裏打ち層4よりも大きな透磁率を有しており、磁束を取り込み易く記録磁界をより強く絞り込む能力を有していることが分かる。
よって、本実施の第一形態の情報記録媒体1を搭載した情報記録装置または情報再生装置において、信号記録温度では、第2の裏打ち層4は基板2の面内方向に磁化を有し、同様に基板2の面内方向に磁化を有する第1の裏打ち層3と合わせて裏打ち層として働く。信号記録時、磁気ヘッド11から発生した記録磁界は、第2の裏打ち層4へと誘導され、その後、より透磁率の高い第1の裏打ち層3へと誘導される。
第1の裏打ち層3中へと誘導された記録磁界は、その後、第1の裏打ち層3中を通過し、再び、磁気ヘッド11へと戻る磁気閉回路を形成する。つまり、信号記録時、記録磁界の強度と勾配を高め、情報記録媒体1の記録分解能を向上させることができる。加えて、第2の裏打ち層4が基板2の面内方向の磁化を有し、磁気ヘッド11と裏打ち層との距離を狭め記録磁界をより敏感に裏打ち層中へと誘導することで、第1の裏打ち層3と記録層8との間に第2の裏打ち層4と同等膜厚程度の非磁性層を設けた時に比べ、より記録層8に印加される記録磁界の強度と勾配を高めることが可能となる。
一般に、磁気ヘッド11により記録層8中に印加された記録磁界の強度は、記録層8層厚方向に進むに従い、減衰していく。しかし、本発明の情報記録媒体1のように裏打ち層を設けることにより、記録磁界は情報記録媒体1表面から裏打ち層へと誘導され、磁気ヘッド11と裏打ち層との間に磁気閉回路を形成する。そのため、記録磁界は、記録層8の層厚方向の磁界強度をほとんど減衰させることなしに、記録層8中に記録磁界を印加可能となる。
また、記録磁界の強度を強めていくと、記録磁界は、基板2の面内方向にブロードに広がる傾向にあり、小さなサイズの記録ビットを書き込むことが難しい。しかし、本発明の情報記録媒体1のように裏打ち層を設けることで上記磁気閉回路を形成し、記録磁界は、裏打ち層方向、つまり、層厚方向下方へと導かれ、結果、ブロードに広がろうとする記録磁界を絞り込み、基板2の面内方向の記録磁界の印加範囲を小さくし、微小な記録ビットを書き込むことが可能となる。
なお、本実施の第一形態では、信号再生温度を室温(約30℃)、信号記録温度を約240℃としたが、どちらも上記温度に限定されるものではない。ただし、上記温度を変更した場合、記録層8、および、第2の裏打ち層4の磁気特性を変更する必要がある。例えば、信号再生温度を90℃付近に設定した場合、第2の裏打ち層4は90℃付近に補償温度が存在し、信号記録温度付近では、情報記録媒体1の基板2の面内方向に大きな磁化が来るよう磁気特性を調整する必要がある。つまり、第2の裏打ち層4は、信号再生時、漏洩磁界を発生させない補償温度であり、信号記録時、情報記録媒体1の基板2の面内方向に大きな磁化が来るよう磁気特性が設定されている必要がある。また、記録層8は、信号再生時、大きな漏洩磁界を生じ、信号記録時、磁気ヘッド11からの書き込み磁界よりも保磁力が小さくなるように磁気特性を設定する必要がある。
また、本実施の第一形態においては、情報記録媒体1中、第2の裏打ち層4の磁気特性を均一に作製しているが、上記媒体中、温度分布を考慮し、上記媒体1の積層方向の磁気特性を変化させ、フェリ磁性体を多層化した裏打ち層としてもよい。
また、本実施の第一形態においては、情報記録媒体1のディスク半径方向に対して、第2の裏打ち層4の磁気特性を均一に作製しているが、上記磁気特性を上記媒体1の内周側と外周側で変化させてもよい。
(実施の第二形態)
本発明の実施の第二形態に係る情報記録媒体の膜構成は、図2に示すように、基板2上に、第1の裏打ち層3、第2の裏打ち層4、誘電体層5および凹凸層6を含む非磁性中間層7、記録層8、保護層9がこの順にて積層されており、さらにその上に潤滑層10が形成された構造を有し、ディスク状に成形されている。
ここで、上記構成の情報記録媒体19において、非磁性中間層7以外の層については、上記実施の第一形態の説明に従い、情報記録媒体19の成膜後の説明も実施の第一形態の説明に従う。以下に、非磁性中間層7について説明する。
非磁性中間層7は、上記第2の裏打ち層4と記録層8との間に配置され、誘電体層5および凹凸層6を含む。この非磁性中間層7を設けることにより、上記第2の裏打ち層4と記録層8との間で、磁気的な交換相互作用が生じることを防止している。したがって、情報記録媒体19への信号記録に際して、記録層8の磁化方向が、第2の裏打ち層4における磁化方向からの影響を受けることを防止して、良好な信号品質での信号記録を実現することができる。
また、上記非磁性中間層7は、記録層8上での磁壁の移動を妨げる(止める)ピニング効果を誘発するために、記録層8に面する非磁性中間層7の表面が凹凸形状を有するように設けられている。すなわち、上記非磁性中間層7は、該非磁性中間層7上に形成される記録層8との界面に、微小な凹凸形状を有している。この凹凸形状は、記録層8中の磁壁の移動を妨げる磁壁束縛部位(ピニングサイト)としての役割を果たす。つまり、上記非磁性中間層7の凹凸形状によって、上記記録層8に形成される磁区が分断され、凹凸形状をなす各凹部内または各凸部内に制限されることになる。そのため、磁区と磁区との境界である磁壁の移動距離は、凹凸形状をなす凹部または凸部の径の大きさに依存して制限されることになる。
したがって、非磁性中間層7の凹凸形状によるピニング効果により、記録層8における磁壁の移動距離を凹部内および凸部内に制限して、記録層8に微小な記録ビットを安定に形成することができる。これにより、情報記録媒体19にて高密度記録を実現することができる。また、記録層8に記録された信号を再生する場合にも、記録層8の磁壁の移動が制限されるので、情報記録媒体19の信号再生に際して、良好な信号再生特性を得ることができる。
ここで、上記非磁性中間層7は、その平均膜厚の上限値が5nm以下であり、4nm以下であることが好ましく、3nm以下であることがより好ましい。また、上記平均膜厚の下限値は特に限定されないが、1nm以上であることが好ましく、1.2nm以上であることがより好ましい。
上記平均膜厚が5nmを超えると、情報記録媒体19の記録層8への信号記録に際して、後述する記録再生装置の磁気ヘッドと第2の裏打ち層4との距離が大きくなり、磁気ヘッドからの書き込み用の記録磁界を第2の裏打ち層4に誘導しにくくなる傾向にある。その結果、記録層8に印加される記録磁界の強度および勾配が低下する傾向にあり、記録分解能を向上することが困難となって好ましくない。また、非磁性中間層7の膜厚が大きくなり、情報記録媒体19の厚さ全体が大きくなる傾向にあるという問題もある。
一方、上記平均膜厚が1nm未満となると、上記第2の裏打ち層4と記録層8との間での磁気的な交換相互作用の発生を防止することが困難になる傾向にあり、好ましくない。
なお、上記平均膜厚は、下記の何れかの手法によって算出された値とする。すなわち、測定対象の層を構成する材料と同一の材料を、測定対象の層の成膜条件と同じ条件で、層の厚さ(膜厚)に対して層表面の凹凸が無視することができる程度に十分な膜厚で成膜し、この成膜された層の膜厚を測定する。次に、この測定された膜厚および成膜条件から、単位時間当たりに成膜される膜厚(成膜速度)を算出する。そして、この成膜速度を用いて、測定対象の成膜時間から測定対象の膜の膜厚を求め、これを平均膜厚とする。
また、情報記録媒体19の作製後には、以下の方法で平均膜厚を測定する。すなわち、まず、情報記録媒体19を基板2面に対して垂直方向に切断し、その切断面である各層の積層面を透過型電子顕微鏡(TEM)等で観測する。そして、情報記録媒体19にて、面内方向に1μmの範囲を設定し、該1μmの範囲内における、互いに異なる複数の任意の箇所にて、膜厚を測定したい層について、基板2面に垂直方向の距離を測定する。続いて、上記1μmの範囲内の複数の箇所で測定された上記垂直方向の距離について、平均値を算出し、この平均値を平均膜厚とする。
上記非磁性中間層7のうち、上記誘電体層5は、第2の裏打ち層4に接するように設けられ、上記非磁性中間層7の凹凸形状を誘発するための上記凹凸層6を容易に形成するために設けられている。上記誘電体層5としては、誘電体からなる層であればよく、窒化物および酸化物のうち少なくとも一方を用いればよい。
一般に、窒化物や酸化物上に形成される金属膜は、拡散が生じ難いため、一様に形成されるのではなく、凹凸形状を有するように形成される。この性質を利用すれば、凹凸形状を有する非磁性中間層7を簡単に形成することができるため、本実施の形態では、窒化物および酸化物のうち少なくとも一方にて誘電体層5を形成し、該誘電体層5上に、金属膜の凹凸層6を形成している。したがって、非磁性中間層7のうち凹凸層6が、記録層8と接するように配置されることになる。
ここで、上記誘電体層5をなす窒化物としては、特に限定されないが、例えば、窒化シリコン(SiN)、窒化アルミニウム、窒化チタン等のうちから選ばれる1種または2種以上を挙げることができる。また、上記誘電体層5をなす酸化物としては、特に限定されないが、例えば、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化銀、酸化白金等のうちから選ばれる1種または2種以上を挙げることができる。
また、上記誘電体層5は、上記した手法で測定される平均膜厚の上限値が、2nm以下であり、1.5nm以下であることが好ましく、1nm以下であることがより好ましい。
また、上記平均膜厚の下限値は特に限定されないが、0.4nm以上であることが好ましく、0.6nm以上であることがより好ましい。上記平均膜厚が2nmを超えると、情報記録媒体19の厚さが大きくなるため、好ましくない。一方、上記平均膜厚が0.4nm未満となると、上記第2の裏打ち層4上に誘電体層5を均質に成膜することが困難となる。そのため、不均質な誘電体層5上に凹凸層6が成膜されると、該凹凸層6と記録層8との界面の凹凸構造にばらつきが生じ、記録層8の特性を制御する上で好ましくない。
なお、第2の裏打ち層4の表面を、プラズマエッチング等により窒化あるいは酸化した場合、窒化または酸化された第2の裏打ち層4の表面を、上記誘電体層5として用いてもよい。
また、上記凹凸層6は、非磁性金属からなる層であればよく、例えば、アルミニウム、亜鉛等を用いればよい。このうち、アルミニウムは、後述する平均表面粗さRaが大きい。また、上記アルミニウムは、後述する記録層8をなす金属膜と化合物を形成することによって化学的に結合しやすく、凹凸形状を保持しやすい。そのため、高いピニング効果を期待することができる。それゆえ、上記凹凸層6は、アルミニウムを用いて形成することが好ましい。
また、上記凹凸層6は、上記した手法で測定される平均膜厚の上限値が、3nm以下であり、2.5nm以下であることが好ましく、2nm以下であることがより好ましい。また、上記平均膜厚の下限値は特に限定されないが、1nm以上であることが好ましく、1.5nm以上であることがより好ましい。上記平均膜厚が3nmを超えると、情報記録媒体19の厚さが大きくなるため、好ましくない。一方、上記平均膜厚が1nm未満となると、凹凸層6と記録層8との界面における凹凸構造の平均表面粗さRaが小さくなり、上記記録層8中の磁壁の移動を妨げる磁壁束縛部位(ピニングサイト)としての効果が生じ難くなって好ましくない。
さらに、上記凹凸層6の平均表面粗さRaは、第2の裏打ち層4の平均表面粗さRaよりも大きいことが好ましい。具体的には、上記凹凸層6の平均表面粗さRaの上限値が、1.5nm以下、好ましくは1.3nm以下、より好ましくは1.1nm以下となっている。
また、上記平均表面粗さRaの下限値は、第2の裏打ち層4の平均表面粗さRaよりも大きければ、特に限定されないが、0.6nm以上であることが好ましく、0.8nm以上であることがより好ましい。上記平均表面粗さRaが、1.5nmを超えると、上記凹凸層6に形成された凸部の径が大きくなり、記録層8中に微小な凹凸形状を形成することが困難となる。
その結果、情報記録媒体19中に、微小な記録ビットを形成することが困難になるので、十分な信号品質で高密度記録を行うためには、平均表面粗さRaを1.5nm以下とすることが好ましい。一方、平均表面粗さRaが、0.6nm未満となると、凹凸層6と記録層8との界面の凹凸構造の平均表面粗さRaが小さいために、上記記録層8中の磁壁の移動を妨げる磁壁束縛部位(ピニングサイト)としての効果が生じ難くなるので好ましくない。
ここで、平均表面粗さRaは、JIS B 0601−1982の定義に基づいており、微細な凹凸の振幅に関する中心線平均粗さを表している。なお、情報記録媒体19の作製後には、上記平均表面粗さRaは、以下の方法で測定すればよい。すなわち、情報記録媒体19を基板2面に対して垂直な方向に切断し、その切断面である各層の積層面を上記TEM等で観測する。そして、凹凸層6と記録層8との界面における凹凸形状を測定して、平均表面粗さを算出すればよい。
また、上記凹凸層6表面、すなわち、凹凸層6と記録層8との界面における凹凸層6に形成された凸部の径の上限値は、50nm未満であり、45nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましい。上記凸部の下限値は特に限定されないが、15nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましい。上記凸部の径が50nm以上になると、記録層8中に微小な凹凸形状を形成することが困難となって、記録層8における磁壁の移動距離を抑制することが困難となる傾向にあるため、好ましくない。
ここで、上記凸部とは、凹部の底部を基準とし、該底部から、情報記録媒体19の各層の積層方向に沿って高くなっている部分をいうものとする。また、上記凸部の径とは、凹凸層6に形成された凸部の径における大きさの平均値をいうものとする。
なお、上記誘電体層5は、上記第2の裏打ち層4上に、上記のように膜状に形成されて層をなしていてもよく、あるいは、上記第2の裏打ち層4上に、誘電体層5をなす化合物が粒子となって点在するように配置されて層をなしていてもよい。すなわち、誘電体層5は、上記した窒化物や酸化物等の化合物が、第2の裏打ち層4上に、散らばって、島状に分布するように配置された層であってもよい。
また、上記凹凸層6は、膜状に形成されて凹凸形状を有するものであってもよく、あるいは、誘電体層5上に点在するように配置されて凹凸形状をなしていてもよい。すなわち、上記凹凸層6は、該凹凸層6に用いられる非磁性金属が粒子となって、誘電体層5上に散らばって、島状に分布するように配置されてなる層であってもよい。
なお、誘電体層5および凹凸層6の少なくとも一方を島状に形成した場合、上記平均表面粗さRaの下限値は、凹凸層6の下方に配置される各層の平均表面粗さに依存することになる。
そのため、凹凸層6の平均表面粗さRaの下限値を規定することは困難である。通常、基板2の平均表面粗さは0.48nm程度であり、HoFeCo合金を用いた第2の裏打ち層4の平均表面粗さは0.38nm程度であり、凹凸層6としてアルミニウムを用いた場合、アルミニウムの原子半径が1.43Å(0.143nm)であることから、上記凹凸層6の平均表面粗さRaの下限値は、0.6nm程度であると考えられる。
続いて、凹凸層6の表面形状について以下に述べる。基板2上に、第1の裏打ち層3としてNiFe膜(厚さ25nm)、第2の裏打ち層4としてHoFeCo膜(膜厚25nm)、誘電体層5として窒化アルミニウム(AlN)膜(膜厚2nm)、凹凸層6としてアルミニウム(Al)膜(膜厚3nm)の順に積層し、凹凸層6の表面形状を原子間力顕微鏡(AFM)により観察し、その時の平均表面粗さ(Ra)を測定した。上記AFM観察用サンプルの作成方法は以下の通りである。
まず、ガラス基板を基板2として用い、これをスパッタ成膜装置(図示しない)に設置し、該スパッタ成膜装置のチャンバー(図示しない)内を3×10-5Pa未満の真空度になるまで排気した。
次に、上記基板2上に、第1の裏打ち層3として、マグネトロンスパッタリング法を用い、NiとFeの2元ターゲットでco−スパッタにより、NiFe膜を平均膜厚25nmとなるように成膜した。スパッタ条件は、スパッタガス圧0.2Pa、スパッタ投入電力を、直流電圧(DC)で、それぞれNiは429W、Feは112Wとし、スパッタガスとして、アルゴン(Ar)ガスを用いた。上記組成比を蛍光X線分析装置(XRF)により測定した結果、各々の元素の組成比は、Ni:Feが80.2at%:19.8at%と測定された。
次に、第2の裏打ち層4として、マグネトロンスパッタリング法を用い、HoとFeとCoの3元ターゲットでco−スパッタにより、HoFeCo膜を平均膜厚25nmとなるように成膜した。スパッタ条件は、スパッタガス圧0.2Pa、スパッタ投入電力を、直流電圧(DC)で、それぞれHoは383W、Feは200W、Coは632Wとし、スパッタガスとして、アルゴン(Ar)ガスを用いた。上記組成比を蛍光X線分析装置(XRF)により測定した結果、各々の元素の組成比は、Ho:Fe:Coが23.3at%:17.3at%:59.4at%と測定された。
上記第2の裏打ち層4の成膜後、誘電体層5としてAlN膜を反応性スパッタリング法により、平均膜厚2nmとなるように成膜した。スパッタ条件は、スパッタガス圧0.08Pa、スパッタ投入電力を、高周波電圧(RF)で2kWとし、スパッタガスとして、アルゴン(Ar)と窒素ガス(N2)を用いた。
上記誘電体層5の成膜後、凹凸層6として、マグネトロンスパッタ法を用い、アルミニウム膜を平均膜厚3nmとなるように成膜した。上記凹凸層6の成膜後、チャンバー内より試料(以後、試料Aと称する)を取り出し原子間力顕微鏡(AFM)により、図8に示すように、凹凸層6(アルミニウム膜)の表面形状を観察した。上記観察像を示す。図8より、アルミニウム膜である凹凸層6の表面は、平均表面粗さ(Ra)が1.0nmとなり、非常に表面粗さの大きな凹凸形状をしていることが分かる。
比較用試料として、上記試料Aと同じ成膜条件を用い、基板2上にNiFe膜、HoFeCo膜を、それぞれ、平均膜厚25nmとなるように順に成膜した試料(以後、試料Bと称する)を、図9に示すように第一比較層26として作製した。また、上記試料Aと同じ成膜条件を用い、基板2上にNiFe膜、HoFeCo膜を、それぞれ25nm、アルミニウム膜を5nm順に成膜した試料(以後、試料Cと称する)を図10に示すように第二比較層36として作製した。上記各試料B、Cも原子間力顕微鏡(AFM)により観察された。また、図8、図9、図10の観察により、それぞれの試料表面の平均表面粗さ(Ra)を測定した。上記各試料A、試料B、試料Cの平均表面粗さ(Ra)は、それぞれ1.0nm、0.38nm、0.43nmと測定された。
図9から第2の裏打ち層4(HoFeCo膜)の表面である第一比較層26の平均表面粗さ(Ra)は非常に小さく、平坦な表面形状をしていることが分かる。
また、図10から、平均表面粗さ(Ra)は、第2の裏打ち層4(HoFeCo膜)上にAl膜(5nm)を成膜した表面である第二比較層36も平坦な(表面粗さが小さい)ことが分かる。よって、第2の裏打ち層4(HoFeCo膜)上に、誘電体層5である窒化アルミニウム(AlN)膜、凹凸層6となるアルミニウム(Al)膜を順に積層することにより、第2の裏打ち層4(HoFeCo膜)よりも表面粗さの大きい凹凸層6を容易に形成できることがわかる。
次に、本実施の第二形態に係る情報記録媒体19の製造方法について説明する。上記製造方法は、第2の裏打ち層4と記録層8との間に、誘電体層5、凹凸層6を含む非磁性中間層7を設けること以外は、実施の第一形態に記載の情報記録媒体1の製造方法に従うものである。以下に、第2の裏打ち層4を形成した後の誘電体層5、凹凸層6の成膜条件を示す。
上記第2の裏打ち層4を成膜した後、反応性スパッタリング法を用いて、平均膜厚が2nmとなるように、AlN膜を成膜し、誘電体層5とした。このときのスパッタリングの条件は、ガス圧を0.08Paとし、投入電力を高周波電圧(RF)で、2kWとし、スパッタリングのガスとしてArガスおよびN2(窒素)ガスを用いた。次いで、上記誘電体層5上に、マグネトロンスパッタリング法を用いて、平均膜厚が3nmとなるように、Al膜を成膜し、凹凸層6とした。その後、実施の第一形態と同様に、記録層8、保護層9を順に積層し、さらにその上に潤滑層10を作製した。
(実施の第三形態)
以下に、上記実施の第一形態で作製した情報記録媒体1を用いた情報記録装置または情報再生装置としての情報記憶装置16における実施の一形態を、本発明の実施の第三形態として説明する。
図11、図12に示すように、本実施の形態の情報記憶装置16は、上記本実施の形態で作製した情報記録媒体1と、上記情報記録媒体1を回転させるための情報記録媒体駆動部13と、上記情報記録媒体1を局所的に加熱するためのレーザー光を照射する光照射部12、上記情報記録媒体1中に情報を記録、および、記録した情報を再生するための磁気ヘッド11と、磁気ヘッド11、および、光照射部12を駆動するための記録再生系駆動部14と、記録再生信号処理系15とを備えている。
本実施の第三形態である情報記憶装置16を用いた情報の記録再生原理について、以下に説明する。まず、情報の記録方法について説明する。上記構成を備える情報記憶装置16においては、光照射部12から情報記録媒体1に照射したレーザー光により、上記情報記録媒体1を局所的に加熱することが可能である。上記局所的に加熱された部分に、磁気ヘッド11により書き込み用の記録磁界を印加することで情報記録媒体1中に情報の書き込みを行う。
詳しくは以下の通りである。まず、記録時、レーザー光により情報記録媒体1は加熱され、局所的に上記媒体温度が記録層8のキュリー温度付近まで昇温される。昇温されキュリー温度付近まで到達した部分は保磁力が弱められ、磁気ヘッド11から情報記録媒体1中に印加された上記記録磁界よりも媒体保磁力が小さくなり、情報記録媒体1中への書き込みが可能となる。
この時、第2の裏打ち層4は基板2の面内方向に磁化を有し、同様に基板2の面内方向に磁化を有する第1の裏打ち層3と合わせて裏打ち層として働く。信号記録時、磁気ヘッド11から発生した記録磁界は、第2の裏打ち層4へと誘導され、その後、より透磁率の高い第1の裏打ち層3へと誘導される。第1の裏打ち層3中へと誘導された記録磁界は、その後、第1の裏打ち層3中を通過し、再び、磁気ヘッド11へと戻る磁気閉回路を形成する。つまり、信号記録時、記録磁界の強度と勾配を高め、情報記録媒体1の記録分解能を向上させることができる。
次に、情報の再生方法について説明する。情報の再生は、情報記録媒体1の記録層8に磁化の向きとして記録された情報を、記録層8からの漏洩磁界を磁気ヘッド11により検出することで行う。なお、本情報記憶装置16は磁化情報の再生温度は室温(約30℃)で行った。
ここで、実施の第一形態で述べたように、信号再生時、第2の裏打ち層4は、反強磁性的な磁化状態を示しトータル磁化量がゼロとなり漏洩磁束を出さないため、非磁性層的な役割を果たす。つまり、信号再生時、磁気ヘッド11と裏打ち層との間のスペーシングは大きくなり、その結果、磁気ヘッド11により検出される第1の裏打ち層3からの漏洩磁束は減少する。これは、上述したように、漏洩磁束の強度が、距離の3乗に反比例し減衰していくために起こる。よって、本実施の第一形態の情報記録媒体1において、信号再生時、第1の裏打ち層3からの漏洩磁束に起因するノイズは減少する。
上記のように、裏打ち層として、第2の裏打ち層4と第1の裏打ち層3を組み合わせることによって、記録再生特性に優れた情報記憶装置16を提供することが可能である。
なお、上記情報記録媒体1において、極磁気カー効果を用いて情報の再生を行うことも可能である。上記極磁気カー効果を用いる場合、情報の再生には、レーザー光を用い、情報記録媒体1への入射光と情報記録媒体1からの反射光との偏光面のずれを、両者のレーザー光の光量の差として、受光素子により読み取ることで行う。また、上記極磁気カー効果を用いる場合、情報記録媒体1の保護層8はAlNやSiNなどの透明誘電体薄膜が好適であり、潤滑層10は設けなくてもよい。
また、本実施の第三形態では、情報記録媒体1を局所的に加熱する手段として、レーザー光を用いたが、情報記録媒体1を局所的に加熱することができるものであれば、上記レーザー光に限定されるものではない。
本実施の形態においては、情報記録媒体1を局所加熱する方法を用いたが、上記情報記録媒体1を局所冷却し、情報記録媒体1の磁気特性を変化させる方法を用いてもよい。
なお、図11および図12においては、磁気ヘッド11と光照射部12とを一体化した記録再生ヘッドとして記述したが、磁気ヘッド11と光照射部12とは分離していてもよい。その場合、情報記憶装置16で、磁気ヘッド11と光照射部12とは別々に駆動可能なものとしてもよいし、一つの駆動部によって磁気ヘッド11と光照射部12とを駆動してもよい。
以上、本発明の実施の第三形態としての情報記憶装置16では、本発明に係る実施の第一形態の情報記録媒体1を用いて説明したが、本発明に係る実施の第二形態の情報記録媒体19を用いることもできる。また、本発明に係る情報記録媒体1、19は、情報を記録するのみの情報記録装置にも、情報を再生するのみの情報再生装置にも、さらに情報を記録して再生する情報記憶装置にも適用可能なことは明らかである。
以上、本発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、上記発明の趣旨を逸脱していない範囲においては、種々の変更が可能である。
本発明の情報記録媒体、その製造方法および情報記憶装置は、裏打ち層を設けて、信号記録時における、記録層中への書き込み用の記録磁界の強度と勾配を高めることができて、記録密度を向上できると共に、信号再生時、上記裏打ち層に起因するノイズ発生を抑制できて再生信号品質を改善できるから、磁気を用いた情報記憶分野に好適に利用できる。
本発明の情報記録媒体に係る実施の第一形態を示す断面図である。 本発明の情報記録媒体に係る実施の第二形態を示す断面図である。 上記実施の第一形態における情報記録媒体の記録層の磁気特性を示すグラフである。 上記実施の第一形態に係る情報記録媒体における第1の裏打ち層の信号再生時での磁気特性を示すグラフである。 上記実施の第一形態に係る情報記録媒体における第2の裏打ち層の信号再生時での磁気特性を示すグラフである。 上記実施の第一形態に係る情報記録媒体における第1の裏打ち層の信号記録時での磁気特性を示すグラフである。 上記実施の第一形態に係る情報記録媒体における第2の裏打ち層の信号記録時での磁気特性を示すグラフである。 上記実施の第二形態に係る情報記録媒体の凹凸層である試料Aの表面形状の原子間力顕微鏡像による斜視図である。 上記実施の第二形態に係る情報記録媒体の凹凸層である試料Bの表面形状の原子間力顕微鏡像による斜視図である。 上記実施の第二形態に係る情報記録媒体の凹凸層である試料Cの表面形状の原子間力顕微鏡像による斜視図である。 上記情報記録媒体を備えた本発明の実施の第三形態に係る情報記録再生装置の概略正面図である。 上記情報記録再生装置のブロック図である。
符号の説明
1 情報記録媒体
2 基板
3 第1の裏打ち層
4 第2の裏打ち層
5 誘電体層
6 凹凸層
7 非磁性中間層
8 記録層
9 保護層
10 潤滑層
11 磁気ヘッド
12 光照射部
13 情報記録媒体駆動部
14 記録再生系駆動部
15 記録再生信号処理系
16 情報記憶装置
17 制御部
18 記録再生ヘッド
19 情報記録媒体

Claims (21)

  1. 少なくとも、基板と、記録層と、情報信号の記録に用いられる磁界を上記記録層中に集中させるための裏打ち層とを備え、
    上記裏打ち層は、軟磁性材料にて形成された第1の裏打ち層と、第1の裏打ち層上に形成された、信号再生温度に近づくと磁化が低下し、信号記録温度で積層方向に対して垂直な方向の磁化を有する第2の裏打ち層とを含み、
    基板上に第1の裏打ち層、第2の裏打ち層、記録層が、その順にて積層されていることを特徴とする情報記録媒体。
  2. 上記第2の裏打ち層が、フェリ磁性材料で形成されるとともに、信号再生温度と実質的に同温度である補償温度を有していることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
  3. 上記第1の裏打ち層と上記第2の裏打ち層とが互いに接していることを特徴とする請求項1または2に記載の情報記録媒体。
  4. 上記第2の裏打ち層の平均膜厚が、5nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の磁気記録媒体。
  5. 上記第2の裏打ち層が、希土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素と、遷移金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素とを含む合金であることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の情報記録媒体。
  6. 上記希土類金属元素は、GdおよびHoの少なくとも一方であることを特徴とする請求項5に記載の情報記録媒体。
  7. 上記遷移金属元素は、Fe、Co、およびNiからなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項5または6に記載の情報記録媒体。
  8. 上記第2の裏打ち層と記録層との間に、非磁性中間層が設けられていることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載の情報記録媒体。
  9. 上記非磁性中間層の平均膜厚が、5nm以下であることを特徴とする請求項8に記載の情報記録媒体。
  10. 上記非磁性中間層は、誘電体にて形成される誘電体層と、誘電体層上に凹凸形状に形成された凹凸層とを有し、
    上記凹凸層は、凹凸形状が上記記録層に接するように設けられ、
    上記記録層は、上記凹凸層との界面にて、凹凸形状を有していることを特徴とする請求項8または9に記載の情報記録媒体。
  11. 上記誘電体層は、窒化物および酸化物の少なくとも一方で形成されていることを特徴とする請求項10に記載の情報記録媒体。
  12. 上記凹凸層は、アルミニウムで形成されていることを特徴とする請求項10または11に記載の情報記録媒体。
  13. 上記誘電体層の平均膜厚が2nm以下であることを特徴とする請求項10ないし12の何れか1項に記載の情報記録媒体。
  14. 上記凹凸層の平均膜厚が3nm以下であることを特徴とする請求項10ないし13の何れか1項に記載の情報記録媒体。
  15. 上記凹凸層の平均表面粗さ(Ra)が0.6nm以上1.5nm未満であることを特徴とする請求項10ないし14の何れか1項に記載の情報記録媒体。
  16. 上記凹凸層は、上記凹凸層をなす凹凸形状のうちの凸部の平均径が、上記記録層との界面にて、50nm未満であることを特徴とする請求項10ないし15の何れか1項に記載の情報記録媒体。
  17. 基板上に、記録層と第1の裏打ち層と第2の裏打ち層とを、第1の裏打ち層、第2の裏打ち層、記録層の順に積層されて備える情報記録媒体の製造方法において、
    上記情報記録媒体の信号再生温度と実質的に同温度である補償温度を有するように、上記第2の裏打ち層をフェリ磁性材料で形成する工程を含むことを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
  18. さらに、上記情報記録媒体は、上記第2の裏打ち層と記録層との間に、誘電体層と凹凸層とを備え、
    上記第2の裏打ち層上に誘電体層を形成する工程と、
    上記誘電体層上に、凹凸形状を有するように凹凸層を形成する工程と、
    上記凹凸層の凹凸形状に接するように、上記記録層を上記凹凸層上に形成する工程と、を含むことを特徴とする請求項17に記載の情報記録媒体の製造方法。
  19. 請求項1ないし16の何れか1項に記載の情報記録媒体を局所的に加熱するための光照射を行う光照射部と、
    上記情報記録媒体の記録層に対し、情報信号の再生を磁気的に行う磁気ヘッドと、
    上記情報記録媒体の第2の裏打ち層が有する補償温度まで、該情報記録媒体を加熱するように上記光照射部を制御するとともに、上記第2の裏打ち層が補償温度に達した状態で、上記記録層に記録された情報信号を再生するように磁気ヘッドを制御する制御部と、を備えていることを特徴とする情報記憶装置。
  20. 請求項1ないし16の何れか1項に記載の情報記録媒体を局所的に加熱するための光照射を行う光照射部と、
    上記情報記録媒体の記録層に対し、情報信号の記録再生を磁気的に行う磁気ヘッドと、
    上記情報記録媒体の第2の裏打ち層が有する補償温度まで、該情報記録媒体を加熱するように上記光照射部を制御し、かつ、上記第2の裏打ち層が補償温度に達した状態で、上記記録層に記録された情報信号を再生する、あるいは、上記第2の裏打ち層が情報記録媒体の積層方向に対して垂直な方向の磁化を有する温度に達した状態で、上記記録層に情報信号を書き込むように、上記磁気ヘッドを制御する制御部と、を備えていることを特徴とする情報記憶装置。
  21. さらに、上記情報記録媒体を回転駆動する情報記録媒体駆動部と、
    上記光照射部および磁気ヘッドを駆動するヘッド駆動部と、
    上記情報記録媒体の記録層に記録された情報信号を、当該情報再生装置で再生可能な再生信号に変換する信号処理部と、を備えていることを特徴とする請求項19または20に記載の情報記憶装置。

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JP2010249886A (ja) * 2009-04-10 2010-11-04 Taiyo Ink Mfg Ltd ソルダーレジスト組成物、それを用いたドライフィルム及びプリント配線板

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