JP2006160202A - アンチスキッド制御装置およびアンチスキッド制御方法 - Google Patents

アンチスキッド制御装置およびアンチスキッド制御方法 Download PDF

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和広 栗原
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Abstract

【課題】 砂地走行時に増圧のタイミングを適切に設定して十分な減速度が得られるようにするアンチスキッド制御装置およびアンチスキッド制御方法の提供。
【解決手段】 車両の車輪FR,FL,RRおよびRLのスリップ率に基づいて車輪FR〜RLに制動力を付与するためのブレーキ圧を増減させるアンチスキッド制御装置1は、車両の走行路が砂地路であるか否かを判定する走行路判定部105と、車輪FR〜RLのスリップ率を取得するスリップ率取得部101と、走行路判定部105によって走行路が砂地路であると判断され、かつ、スリップ率取得部101によって取得される車輪FR〜RLのスリップ率に相当する値ΔVWが閾値β以下である場合に、ブレーキ圧の増圧を許容するブレーキ液圧制御部102とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両の車輪のスリップ率に基づいて前記車輪に制動力を付与するためのブレーキ圧を増減させるアンチスキッド制御装置およびアンチスキッド制御方法に関する。
従来から、車両の制動時に車輪がロックしてスリップしてしまうことを抑制するために、様々なアンチスキッド制御装置が提案されている。例えば、制動距離を確保すると共にアンチスキッド制御の早期終了を防止するための技術として、車輪のスリップ量が設定値を下回り、かつ、車輪の加減速度が第1の設定値を上回るか、または第2の設定値を下回ったときに、一旦減圧された制動用の流体圧の増圧を許容するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、アンチスキッド制御に関する技術としては、他に、次の特許文献2から4に記載されたものも知られている。
特開平10−129451号公報 特開2000−127936号公報 特開平11−180279号公報 特開平10−006962号公報
上記特許文献1に記載の技術によれば、車両の走行路が舗装路のような通常の走行路であれば、増圧のタイミングを適切に設定して制動距離を確保すると共にアンチスキッド制御の早期終了を抑制することが可能となる。しかしながら、車両の走行路が砂地路である場合、路面反力が小さいことに起因して車輪の加減速度の変動が少なくなるので、上記特許文献1に記載の技術を用いても、増圧のタイミングを適切に設定し得なくなり、十分な減速度を得ることが困難となることがあった。
そこで、本発明は、砂地走行時に増圧のタイミングを適切に設定して十分な減速度が得られるようにするアンチスキッド制御装置およびアンチスキッド制御方法の提供を目的とする。
本発明によるアンチスキッド制御装置は、車両の車輪のスリップ率に基づいて車輪に制動力を付与するためのブレーキ圧を増減させるアンチスキッド制御装置において、車両の走行路が砂地路であるか否かを判定する砂地走行判定手段と、車輪のスリップ率を取得するスリップ率取得手段と、砂地走行判定手段によって走行路が砂地路であると判断され、かつ、スリップ率取得手段によって取得される車輪のスリップ率が閾値以下である場合に、ブレーキ圧の増圧を許容する増圧許容手段とを備えることを特徴とする。
このアンチスキッド制御装置に含まれる増圧許容手段は、砂地走行判定手段によって走行路が砂地路であると判断され、かつ、スリップ率取得手段によって取得される車輪のスリップ率が閾値以下である場合に、ブレーキ圧の増圧を許容する。すなわち、このアンチスキッド制御装置によれば、車両の走行路が砂地路である場合、車輪の加減速度等に拘らず、車輪のスリップ率が閾値以下であればブレーキ圧が増圧されることになる。これにより、砂地走行時に増圧のタイミングが適切に設定され、スリップ率を比較的高くして十分な減速度を得ることが可能となる。
この場合、砂地走行判定手段は、車両の加速時における駆動輪の推定車輪加速度と実車輪加速度との偏差に基づいて車両の走行路が砂地路であるか否かを判定すると好ましい。
一般に、砂地路を走行している際の走行抵抗は、通常路を走行している際の走行抵抗よりも大きい。このため、砂地路を走行している車両の加速時における駆動輪の推定車輪加速度と実車輪加速度との偏差は、通常路を走行している際の駆動輪の推定車輪加速度と実車輪加速度との偏差よりも大きくなる。従って、車両の加速時における駆動輪の推定車輪加速度と実車輪加速度との偏差と予め定められた基準値とを比較することにより、走行路が砂地路であるか否かを精度よく判定することが可能となる。
また、本発明によるアンチスキッド制御装置は、砂地走行判定手段によって走行路が砂地路であると判断された場合に、予め定められている通常路用または砂地路用の車体速度算出手順に従って車両の車体速度を算出する車体速度算出手段を更に備えると好ましい。
このように、車両が砂地を走行している際には、通常路用または砂地路用の車体速度算出手順に従って車両の車体速度を算出することにより、車両の車体速度を精度よく得ることが可能となる。
更に、本発明によるアンチスキッド制御装置は、砂地走行判定手段によって走行路が砂地路であると判断された場合に、車両の後輪に制動力を付与するためのブレーキ圧を左右独立に制御する手段を更に備えると好ましい。
このような構成を採用すれば、車両が砂地路を走行している際に十分な減速度を確実に得ることが可能となる。
また、本発明によるアンチスキッド制御装置は、砂地走行判定手段によって走行路が砂地路であると判断された場合に、アンチスキッド制御を終了すべきか否か判定するための終了車体速度を通常時の値よりも高く設定する手段を更に備えると好ましい。
かかる構成のもとでは、車両の走行路が砂地路であると判断されると、終了車体速度が通常時の値よりも高く設定され、アンチスキッド制御が早期に終了させられる。これにより、車両が砂地路を走行している際に十分な減速度を早期に得ることが可能となる。
本発明によるアンチスキッド制御方法は、車両の車輪のスリップ率に基づいて車輪に制動力を付与するためのブレーキ圧を増減させるアンチスキッド制御方法において、車両の走行路が砂地路であると判断され、かつ、車輪のスリップ率が閾値以下である場合に、ブレーキ圧の増圧を許容することを特徴とする。
本発明によれば、砂地走行時に増圧のタイミングを適切に設定して十分な減速度を得ることが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明によるアンチスキッド制御装置を示す概略構成図である。同図に示されるアンチスキッド制御装置1は、いわゆるEBD(Electronic Brake force Distribution:電子制動力分配制御)付きアンチスキッド制御装置(ABS)として構成されており、例えばエンジンによって駆動される車両に適用される。図1に示されるように、アンチスキッド制御装置1は、ブレーキペダル3の操作によって液圧を発生するマスタシリンダ2aおよびブースタ2bと、車輪FR,FL,RRおよびRLのそれぞれに対して設けられたホイールシリンダ51〜54とを含む。また、ブレーキペダル3に対しては、ペダル踏み込み時にONされるブレーキスイッチ4が設けられている。
ここで、車輪FRは運転席からみて前方右側、車輪FLは前方左側、車輪RRは後方右側、車輪RLは後方左側の車輪をそれぞれ示す。そして、アンチスキッド制御装置1における液圧回路は、右前輪FRおよび左後輪RL用の系統と、左前輪FLおよび右後輪RR用の系統とが独立したダイアゴナル系統として構成される。これにより、一方の系統に何らかの支障をきたしても、他方の系統の機能は確実に維持される。また、車輪FR〜RLには、それぞれの回転速度すなわち車輪速度に応じた信号を出力する車輪速センサ41〜44が設けられている。
マスタシリンダ2aの一方の出力ポートには、ノーマルオープンの電磁弁31および37が並列に接続されており、電磁弁31には液圧路を介してホイールシリンダ51が、電磁弁37には、液圧路を介してホイールシリンダ54が接続されている。そして、電磁弁31,37とマスタシリンダ2aとの間には、液圧ポンプ21の吐出口が接続されている。また、マスタシリンダ2aの他方の出力ポートには、ノーマルオープンの電磁弁33および35が並列に接続されており、電磁弁33には液圧路を介してホイールシリンダ52が、電磁弁35には、液圧路を介してホイールシリンダ53が接続されている。そして、電磁弁33,35とマスタシリンダ2aとの間には、液圧ポンプ22の吐出口が接続されている。液圧ポンプ21および22は電動モータ20によって駆動されるものであり、これらの液圧ポンプ21および22が作動すると、ホイールシリンダ51〜54に対して所定の圧力に昇圧されたブレーキ液が供給される。
ホイールシリンダ51には、更にノーマルクローズの電磁弁32が接続され、ホイールシリンダ54には、更にノーマルクローズの電磁弁38が接続されている。電磁弁32および38の下流側ポートはリザーバ23に接続されると共に、逆止弁CVを介して液圧ポンプ21の吸入口に接続されている。また、ホイールシリンダ52には、ノーマルクローズの電磁弁34が接続され、ホイールシリンダ53には、ノーマルクローズの電磁弁36が接続されている。電磁弁34および36の下流側ポートはリザーバ24に接続されると共に、逆止弁CVを介して液圧ポンプ22の吸入口に接続されている。各リザーバ23,24は、ピストンおよびスプリングを含み、電磁弁32〜38を介して流れ込むホイールシリンダ51〜54からのブレーキ液を収容する。
電磁弁31〜38は、何れもソレノイドコイルを備えた2ポート2位置電磁切換弁である。電磁弁31〜38は、ソレノイドコイルの非通電時に図1に示される第1位置に設定され、これにより、ホイールシリンダ51〜54はマスタシリンダ2aと連通する。また、電磁弁31〜38は、ソレノイドコイルの通電時に第2位置に設定され、これにより、ホイールシリンダ51〜54はマスタシリンダ2aから遮断され、リザーバ23または24と連通する。なお、図1において、DPはダンパ、CVは逆止弁、ORはオリフィス、FTはフィルタを示す。逆止弁CVは、ホイールシリンダ51〜54およびリザーバ23,24からマスタシリンダ2aへのブレーキ液の流通を許容する一方、それとは逆方向の流れを遮断する。
そして、電磁弁31〜38のソレノイドコイルの通電状態を制御することにより、ホイールシリンダ51〜54のブレーキ液圧を増圧、減圧または保持することが可能となる。すなわち、電磁弁31〜38のソレノイドコイルの非通電時には、ホイールシリンダ51〜54にマスタシリンダ2aおよび液圧ポンプ21または22からブレーキ液が供給され、これにより、ホイールシリンダ51〜54のブレーキ液圧が増圧される。また、電磁弁31〜38のソレノイドコイルの通電時には、ホイールシリンダ51〜54がリザーバ23または24と連通し、ホイールシリンダ51〜54のブレーキ液圧が減圧される。更に、電磁弁31,33,35および37のソレノイドコイルに通電する一方、その他の電磁弁32,34,36および38のソレノイドコイルを非通電とすれば、ホイールシリンダ51〜54のブレーキ液圧が保持される。そして、上記ソレノイドコイルに対する通電、非通電の時間間隔を調整することにより、ホイールシリンダ51〜54のブレーキ液圧を緩やかに増圧(パルス増圧)させることも可能となる。
図1に示されるように、電磁弁31〜38は、アンチスキッド制御用電子制御装置(以下、「ABSECU」という)10に接続されており、ABSECU10によって各ソレノイドコイルの通電状態が制御される。上述の液圧ポンプ21および22の電動モータ20もABSECU10に接続されており、ABSECU10によって制御される。また、ABSECU10には、車輪FR〜RLの車輪速センサ41〜44やブレーキスイッチ4等も接続されている。更に、ABSECU10には、リニア前後加速度センサ(以下、「リニアGセンサ」という)45が接続されている。リニアGセンサ45は、車両の加減速に伴う前後方向の錘の移動を電気信号に変換し、車両の加速度(減速度を含む)に対しリニアに比例する信号をABSECU10に与える。
また、ABSECU10は、車両のエンジンを制御するエンジンECU200および図示されない変速機を制御する変速機ECU300と信号線または無線を介して互いに接続され、相互に信号のやり取りを行う。なお、アンチスキッド制御装置1は、ハイブリッド車両や電気自動車に適用され得ることはいうまでもなく、このような場合には、ABSECU10には、エンジンECUに加えて、あるいはそれに代えて、モータを制御するハイブリッドECUやモータECUが接続される。
ABSECU10は、各種演算処理を実行するCPU、制御プログラム等を記憶させたROM、演算結果などの各種データを記憶するRAMおよびバッテリからの給電を受けて記憶内容を保持可能なバックアップRAM等を有している。そして、ABSECU10には、車輪FR〜RLのスリップ率を取得するスリップ率取得部101と、車輪FR〜RLのスリップ率に応じてホイールシリンダ51〜54のブレーキ液圧を制御するブレーキ液圧制御部102、リニアGセンサ45からの信号に基づいて車体速度VSOを算出する車体速度演算部103、車輪速センサ41〜44からの車輪速度信号に基づいて車体加速度(減速度を含む)を算出する車体加速度演算部104、および車両の走行路の状態を判定する走行路判定部105等が構築されている。
ABSECU10の車体加速度演算部104は、推定加速度演算部と、実加速度演算部とを含む。推定加速度演算部は、エンジンECU200を介して得られるエンジン回転数および変速機ECU300を介して得られる変速機のギヤ比に基づいて、駆動輪、ここでは前方右側の車輪FRまたは前方左側の車輪FLの推定車輪速度VWeを微小時間おきに求め、求めた推定車輪速度VWeと当該微小時間とに基づいて推定車輪加速度DVWeを算出する。一方、実加速度演算部は、車輪速センサ41〜44によって検出される回転速度に基づいて実車輪速度VWを微小時間おきに求め、求めた実車輪速度Vと当該微小時間とに基づいて車輪FR〜RLの実車輪加速度DVWを算出する。
また、走行路判定部105は、車体加速度演算部104によって算出される実車輪加速度DVW等に基づいて車両の走行路が通常路、砂地路および悪路の何れかであるかを判定する。そして、走行路判定部105は、判定結果に応じて、通常路である旨、走行路が砂地路である旨、あるいは悪路である旨を示すフラグを設定する。なお、「通常路」とは、「砂地路」よりも走行抵抗が小さい舗装路や平坦路をいうものとする。
具体的には、走行路判定部105は、車体加速度演算部104によって算出される例えば駆動輪の実車輪加速度DVWが予め定められた値を超えた場合に、走行路が「悪路」であると判断する。また、走行路判定部105は、車両の加速時に、駆動輪(本実施形態では、前方右側の車輪FRまたは前方左側の車輪FL)について推定車輪加速度DVWeと実車輪加速度DVWとの偏差を求め、当該偏差が所定の基準値ε以上である場合、走行路が「砂地路」であると判断する一方、当該偏差が所定の基準値εを下回っている場合、走行路が「通常路」であると判断する。
ここで、砂地路を走行している際の走行抵抗は、通常路を走行している際の走行抵抗よりも大きい。このため、砂地路を走行している車両の加速時における駆動輪の推定車輪加速度DVWeと実車輪加速度DVWとの偏差は、通常路を走行している際の駆動輪の推定車輪加速度DVWeと実車輪加速度DVWとの偏差よりも大きくなる。従って、車両の加速時における当該偏差と予め定められた基準値εとを比較することにより、走行路が砂地路であるか通常路であるか否かを精度よく判定することが可能となる。基準値εは、予め実験的に車両を砂地路および通常路で走行させることによって得られる値であってもよく、このような実験に際して得られた複数の値を平均化したものであってもよい。
図2は、ABSECU10の車体速度演算部103による車体速度の算出手順を説明するためのフローチャートである。図2のルーチンは、車体速度演算部103によって所定時間おきに繰り返し実行されるものである。同図に示されるように、車体速度演算部103は、走行路判定部105によって設定されているフラグに基づいて、車両の走行路が悪路であるか否か判定する(S1)。車体速度演算部103は、車両の走行路が悪路であると判断すると(S1におけるYes)、リニアGセンサ45からの信号に基づいて車両の加速度を取得すると共に、取得した車両の加速度に予め実験的、経験的に定められている悪路定数を乗じて車体速度VSOを算出する(S2)。
車体速度演算部103は、車両の走行路が悪路ではないと判断すると(S1におけるNo)、走行路判定部105によって設定されているフラグに基づいて、車両の走行路が砂地路であるか否か判定する(S4)。車体速度演算部103は、車両の走行路が砂地路であると判断すると(S4におけるYes)、リニアGセンサ45からの信号に基づいて車両の加速度を取得すると共に、取得した車両の加速度に予め実験的、経験的に定められている砂地定数を乗じて車体速度VSOを算出する(S6)。更に、車体速度演算部103は、車両の走行路が砂地路ではないと判断すると(S4におけるNo)、車両の走行路が通常路であるとみなし、リニアGセンサ45からの信号に基づいて車両の加速度を取得すると共に、取得した車両の加速度に予め実験的、経験的に定められている通常路定数を乗じて車体速度VSOを算出する(S8)。S2,S6およびS8の何れかにおいて算出された車体速度VSOは、ABSECU10の所定の記憶領域に格納される。
このように、本実施形態のアンチスキッド制御装置1では、駆動輪の推定車輪加速度DVWeと実車輪加速度DVWとの偏差に基づいて走行路判定部105によって車両が砂地を走行していると判断された際に、上記砂地定数を用いた砂地路用の車体速度算出手順に従って車両の車体速度VSOが算出されることになる。これにより、車輪FR〜RLのスリップ率が比較的高く保たれる砂地走行時において、車両の車体速度VSOを精度よく得ることが可能となる。なお、上述のように砂地定数を定めなくてもよく、走行路判定部105によって車両が砂地路を走行していると判断された際に、上記通常路定数を用いた通常路用の車体速度算出手順に従って車両の車体速度VSOが算出されてもよい。
次に、図3を参照しながら、上述のABSECU10によるアンチスキッド制御手順について説明する。
図3に示されるルーチンは、車輪FR,FL,RRおよびRLごとに実行されるものであり、スリップ率取得部101によって算出されるスリップ率に対応した値ΔVW=VSO−VW(ただし、VSOは、上述の車体速度であり、VWは、上述の実車輪速度である)が所定値を上回ると、アンチスキッド制御が開始される。アンチスキッド制御の開始に伴い、ブレーキ液圧制御部102は、ホイールシリンダ51〜54のブレーキ液圧が減圧されるように電磁弁31〜38のソレノイドコイルを通電状態にする(S10)。ブレーキ液圧制御部102は、ホイールシリンダ51〜54のブレーキ液圧を減圧させ始めると、車輪FR,FL,RRおよびRLごとに、スリップ率取得部101によって算出されるスリップ率に対応した値ΔVWが閾値α以下になっているか否か判定する(S12)。S12にて用いられる閾値αは、車体速度演算部103により算出される車体速度VSOを用いて、
α=A×VSO+B
として定められる(ただし、AおよびBは、予め実験的、経験的に定められる定数である)。
ブレーキ液圧制御部102は、車輪FR〜RLのスリップ率に対応する値ΔVWが閾値αを上回っている間(S12におけるNo)、電磁弁31〜38のソレノイドコイルを通電状態に維持し、ホイールシリンダ51〜54のブレーキ液圧が減圧されるようにする(S10)。そして、スリップ率に対応する値ΔVWが閾値α以下になると(S12におけるYes)、ブレーキ液圧制御部102は、電磁弁31,33,35および37のうち、該当するもののソレノイドコイルに通電する一方、電磁弁32,34,36および38のうち、該当するもののソレノイドコイルを非通電とし、該当するホイールシリンダ51〜54のブレーキ液圧が保持されるようにする(S14)。
S14にてホイールシリンダ51〜54のブレーキ液圧を保持させると、ブレーキ液圧制御部102は、車体加速度演算部104によって算出される車輪FR〜RLの実車輪加速度DVWを取得し、車輪FR,FL,RRおよびRLごとに、実車輪加速度DVWが予め定められている値G4以上になっているか否か判定する(S16)。ブレーキ液圧制御部102は、車輪FR〜RLの何れかの実車輪加速度DVWが予め定められている値G4以上となったと判断すると(S16におけるYes)、当該車輪に対応した電磁弁31〜38のソレノイドコイルを非通電状態とすると共に、液圧ポンプ21または22を作動させ、該当するホイールシリンダ51〜54のブレーキ液圧を増圧させる(S18)。
また、実車輪加速度DVWが予め定められている値G4以上になっていないと判断した場合(S16におけるNo)、ブレーキ液圧制御部102は、車輪FR,FL,RRおよびRLごとに、実車輪加速度DVWがゼロG以上になった後にゼロG未満になっているか否か判定する(S20)。ブレーキ液圧制御部102は、S20にて肯定判断を行った場合(S20におけるYes)、該当する車輪FR〜RLに対応した電磁弁31〜38のソレノイドコイルを非通電状態とすると共に、液圧ポンプ21または22を作動させ、該当するホイールシリンダ51〜54のブレーキ液圧を増圧させる(S18)。
更に、実車輪加速度DVWがゼロG以上になった後にゼロG未満になっていないと判断した場合(S20におけるNo)、ブレーキ液圧制御部102は、走行路判定部105によって設定されているフラグに基づいて、車両の走行路が砂地路であるか否か判定する(S22)。車両の走行路が砂地路ではないと判断した場合(S22におけるNo)、ブレーキ液圧制御部102は、再度S16の処理を実行する。一方、車両の走行路が砂地路であると判断した場合(S22におけるYes)、ブレーキ液圧制御部102は、車輪FR,FL,RRおよびRLごとに、スリップ率取得部101によって算出されるスリップ率に対応した値ΔVWが閾値β以下になっているか否か判定する(S24)。S24にて用いられる閾値βは、車体速度演算部103により算出される車体速度VSOを用いて、
β=C×VSO+D
として定められる(ただし、CおよびDは、予め実験的、経験的に定められる定数である)。
ブレーキ液圧制御部102は、車輪FR〜RLの何れかのスリップ率に対応した値ΔVWが閾値β以下になっていると判断すると(S24におけるYes)、当該車輪に対応した電磁弁31〜38のソレノイドコイルを非通電状態とすると共に、液圧ポンプ21または22を作動させ、該当するホイールシリンダ51〜54のブレーキ液圧を増圧させる(S18)。このように、アンチスキッド制御装置1では、走行路判定部105によって走行路が砂地路であると判断されており、かつ、車輪FR〜RLのスリップ率が閾値β以下である場合に、ブレーキ圧の増圧が許容される。すなわち、アンチスキッド制御装置1によれば、車両の走行路が砂地路である場合、車輪FR〜RLの加減速度に拘らず、車輪のスリップ率に対応した値ΔVWが閾値β以下であればブレーキ圧が増圧されることになる。これにより、砂地走行時に増圧のタイミングが適切に設定され、スリップ率を比較的高くして十分な減速度を得ることが可能となる。
ブレーキ液圧制御部102は、S24にて否定判断を行った場合(S24におけるNo)、再度S16の処理を実行する。また、S18にて該当するホイールシリンダ51〜54のブレーキ液圧を増圧させると、ブレーキ液圧制御部102は、所定の手順に従って、ホイールシリンダ51〜54のブレーキ液圧を減圧させるべきか否か判定する(S26)。ブレーキ液圧制御部102は、ホイールシリンダ51〜54のブレーキ液圧を減圧させるべきであると判断すると(S26におけるYes)、再度S10以降の処理を実行する。また、ブレーキ液圧制御部102は、ホイールシリンダ51〜54のブレーキ液圧を減圧させる必要がないと判断すると(S26におけるNo)、アンチスキッド制御を一旦終了させる。
図4は、ABSECU10によるアンチスキッド制御中に実行される他のルーチンを説明するためのフローチャートである。
図4のルーチンは、ABSECU10によってアンチスキッド制御中に所定時間おきに繰り返し実行されるものである。同図に示されるように、ABSECU10は、所定のタイミングが到来すると、車両の走行路が砂地路であるか否か判定する(S30)。そして、車両の走行路が砂地路であると判断した場合(S30におけるYes)、ABSECU10は、車両の後輪RRおよびRLに対して制動力を付与するためのホイールシリンダ53および54のブレーキ圧を左右独立に制御する後輪独立制御モードを設定する(S32)。これにより、アンチスキッド制御装置1では、車両が砂地路を走行している際に、後輪RRおよびRLに対して制動力を良好に付与して十分な減速度を確実に得ることが可能となる。
更に、車両の走行路が砂地路であると判断した場合(S30におけるYes)、ABSECU10は、アンチスキッド制御を終了すべきか否か判定するための終了車体速度を通常時の値よりも高い砂地路用の値に設定する(S34)。この結果、車両の走行路が砂地路である場合には、アンチスキッド制御が早期に終了させられ、これにより、車両が砂地路を走行している際に十分な減速度を早期に得ることが可能となる。
なお、車両の走行路が砂地路ではないと判断した場合(S30におけるNo)、ABSECU10は、後輪RRおよbRLのうち、ロック傾向にある車輪に合わせて両後輪RRおよびRLに対するブレーキ圧力を同時に制御する後輪セレクトロー制御モードを設定する(S36)。また、車両の走行路が砂地路ではないと判断した場合(S30におけるNo)、ABSECU10は、アンチスキッド制御を終了すべきか否か判定するための終了車体速度を通常時の値に設定する(S38)。
本発明によるアンチスキッド制御装置の概略構成図である。 図1のアンチスキッド制御装置における車体速度の算出手順を説明するためのフローチャートである。 図1のアンチスキッド制御装置におけるアンチスキッド制御手順を説明するためのフローチャートである。 図1のアンチスキッド制御装置においてアンチスキッド制御中に実行される他のルーチンを説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 アンチスキッド制御装置、2a マスタシリンダ、2b ブースタ、3 ブレーキペダル、4 ブレーキスイッチ、10 ABSECU、20 電動モータ、21,22 液圧ポンプ、23,24 リザーバ、31,32,33,34,35,36,37,38 電磁弁、41,42,43,44 車輪速センサ、45 リニア前後加速度センサ、51,52,53,54 ホイールシリンダ、101 スリップ率取得部、102 ブレーキ液圧制御部、103 車体速度演算部、104 車体加速度演算部、105 走行路判定部、200 エンジンECU、300 変速機ECU、CV 逆止弁、DP ダンパ、FT フィルタ、OR オリフィス

Claims (6)

  1. 車両の車輪のスリップ率に基づいて前記車輪に制動力を付与するためのブレーキ圧を増減させるアンチスキッド制御装置において、
    前記車両の走行路が砂地路であるか否かを判定する砂地走行判定手段と、
    前記車輪のスリップ率を取得するスリップ率取得手段と、
    前記砂地走行判定手段によって前記走行路が砂地路であると判断され、かつ、前記スリップ率取得手段によって取得される前記車輪のスリップ率が閾値以下である場合に、前記ブレーキ圧の増圧を許容する増圧許容手段とを備えることを特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 前記砂地走行判定手段は、前記車両の加速時における駆動輪の推定車輪加速度と実車輪加速度との偏差に基づいて前記車両の走行路が砂地路であるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のアンチスキッド制御装置。
  3. 前記砂地走行判定手段によって前記走行路が砂地路であると判断された場合に、予め定められている通常路用または砂地路用の車体速度算出手順に従って前記車両の車体速度を算出する車体速度算出手段を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載のアンチスキッド制御装置。
  4. 前記砂地走行判定手段によって前記走行路が砂地路であると判断された場合に、前記車両の後輪に制動力を付与するための前記ブレーキ圧を左右独立に制御する手段を更に備えることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のアンチスキッド制御装置。
  5. 前記砂地走行判定手段によって前記走行路が砂地路であると判断された場合に、アンチスキッド制御を終了すべきか否か判定するための終了車体速度を通常時の値よりも高く設定する手段を更に備えることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のアンチスキッド制御装置。
  6. 車両の車輪のスリップ率に基づいて前記車輪に制動力を付与するためのブレーキ圧を増減させるアンチスキッド制御方法において、
    前記車両の走行路が砂地路であると判断され、かつ、前記車輪のスリップ率が閾値以下である場合に、前記ブレーキ圧の増圧を許容することを特徴とするアンチスキッド制御方法。
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JP2011219092A (ja) * 2011-06-22 2011-11-04 Nissan Motor Co Ltd 車両の駆動制御装置

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