JP2006156542A - インクジェット方式を使用したレジストパターンの形成方法、弾性表面波素子片の製造方法および弾性表面波デバイス - Google Patents

インクジェット方式を使用したレジストパターンの形成方法、弾性表面波素子片の製造方法および弾性表面波デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】 レジストを選択的に塗布するインクジェット方式を使用したレジストパターンの形成方法、弾性表面波素子片の製造方法および弾性表面波デバイスを提供する。
【解決手段】 弾性表面波素子片10の製造方法は、圧電基板12上に金属を成膜して、すだれ状電極14および前記すだれ状電極14に接続するパッド18を形成する工程と、インクジェットヘッドを用いてレジストの液滴を前記パッド18上に塗布してレジストパターンを形成する工程と、前記すだれ状電極14上にパッシベーション膜24を形成する工程と、前記レジストパターンを除去する工程とを備えた構成である。
【選択図】 図1

Description

本発明はインクジェット方式を使用したレジストパターンの形成方法、弾性表面波素子片の製造方法および弾性表面波デバイスに係り、特にインクジェット方式を使用してレジストパターンを形成する方法を利用する弾性表面波素子片の製造方法に関する。
従来、弾性表面波(SAW)素子片の製造において、圧電基板上に設けられるすだれ状電極や反射器等の電極パターンはフォトリソグラフィ技術を利用して形成されていた。この電極パターンの形成は、次に説明するような工程で行われていた。まず圧電基板上に電極パターンとなる金属が成膜された後、フォトレジストが金属膜上に塗布される。このフォトレジストの塗布は、スピンコート法やスプレーコート法、スキャンコート法によって行われる。そして目的とする電極パターンに応じたフォトマスクを使用してフォトレジストを感光させ、フォトレジストに感光部分と非感光部分を形成する。
この後、現像液にフォトレジスト全体を曝すことで感光部分および非感光部分のいずれか一方を溶解させて、目的の電極パターンに応じたレジストパターンを得る。次にレジストパターンを利用して金属膜をエッチングし、その後レジストパターンを除去すると、圧電基板上に目的の電極パターンが得られる。
そしてフォトリソグラフィを用いてSAW素子片の電極パターンを形成することについて開示されたものとして、例えば特許文献1〜3が挙げられる。特に特許文献3に開示された発明は、インクジェット法を用いてフォトレジストを塗布するものであり、圧電素子片の一部分を除いてフォトレジストを塗布した後、フォトレジストに対する露光・現像を行うことによって目的のレジストパターンを形成している。
特開2000−278067号公報 特開2001−168667号公報 特開平11−177364号公報
フォトレジストを塗布する場合、一般的にスピンコート法が使用されているが、この方法では圧電基板上に塗布したフォトレジストのほとんどがスピンアウトされて排出されてしまい、フォトレジストの使用効率が極めて悪くなっていた。またスピンコート法以外のスプレーコート法やスキャンコート法等のいずれの場合であってもフォトレジストの使用効率は悪くなっていた。
また圧電基板上に塗布されたフォトレジストに目的とする電極パターンを形成するためには、その電極パターンに応じたフォトマスクが必要になる。そして電極パターンはSAW素子片の種類によって形状が異なるので、フォトマスクはSAW素子片の種類毎に必要になり、多種のフォトマスクを作製し管理しなければならない。したがってフォトマスクの作製・管理に掛かるコストが製品の製造原価を押し上げる要因のひとつとなっていた。
またSAW素子片の電極パターンの材料は、一般的にアルミニウムが使用されている。このアルミニウムは、アルカリにも酸にも反応して腐食される性質を持つ。ところでフォトレジストの現像液はアルカリ系の溶液なので、電極パターンが現像液によって腐食され、SAW素子片の品質がフォトレジストの現像工程で悪化されることがある。したがって電極パターンが腐食されると、電極パターンの線幅が変わり、SAW素子片の共振周波数が変化して、その製品に許容される範囲を外れる原因となっていた。
本発明は、レジストを選択的に塗布するインクジェット方式を使用したレジストパターンの形成方法、弾性表面波素子片の製造方法および弾性表面波デバイスを提供することを目的とする。
図8は弾性表面波素子片の説明図であり、図8(a)は概略平面図、同図(b)は一部分を拡大した断面図である。SAW素子片1は、圧電基板6上にすだれ状電極2、このすだれ状電極2と導通するパッド3、およびすだれ状電極2の両端に反射器4を備えたものである。このパッド3は、SAW素子片1が搭載されるパッケージ(不図示)に設けられたパッド電極等(不図示)にワイヤまたはバンプを介して電気的に接続されるものである。そして微細な加工が施されているすだれ状電極2上には、導電性を有する異物5等が付着して短絡故障するのを防ぐために、絶縁性の保護膜(パッシベーション膜)が形成される場合がある。このパッシベーション膜は、例えば酸化アルミニウムや酸化シリコン、窒化シリコン等である。ところでパッシベーション膜が形成される場合、すだれ状電極2と共にパッド3上にもパッシベーション膜が形成されると、ワイヤボンディングやフリップチップボンディングが施されるときに導通不良を起こしてしまう可能性が高い。このためパッシベーション膜が形成される場合、パッド3の上面を露出させるために、電極パターン上にレジストパターンが必要な箇所と、必要でない箇所が存在することになる。そしてレジストパターンは、フォトレジストを基板全体に塗布した後に露光・現像を行って必要な箇所のみに形成させることができるが、上述したようにフォトレジストの使用効率が悪く、電極パターンの形状に応じて多くのフォトマスクが必要になり、またフォトレジストの現像液によって電極パターンが腐食されるという課題が生じることになる。本発明は、特に、必要箇所のみにレジストの液滴を塗布してレジストパターンを形成することにより、上述した課題を解決するものである。
そして、このような課題を解決するために、本発明に係るインクジェット方式を使用したレジストパターンの形成方法は、レジストの吐出口が横方向に複数並べられたインクジェットヘッドに対して圧電基板を縦方向に移動させ、前記圧電基板上のマスクを形成する部分に前記突出口からレジストの液滴を塗布し、前記圧電基板上にレジストパターンを形成する、ことを特徴としている。この場合、前記圧電基板上には弾性表面波素子片の電極パターンが形成されており、前記電極パターン上に直接描画により前記レジストを選択的に塗布することができる。また電極パターン上にパッシベーション膜を形成しておき、前記パッシベーション膜上に前記レジストを選択的に塗布することもできる。インクジェットヘッドからインク(レジスト)を圧電基板上に塗布する場合、レジストは、マスクが必要な部分のみに塗布され、不必要な部分には塗布されない。またレジストは、必要とされる量だけインクジェットヘッドから吐出される。したがって目的とするレジストパターンをインクジェットによる印刷方式によって直接描画することができる。なお直接描画は、マスクを必要とする箇所にレジストを選択的に塗布し、塗布されたレジストの溶剤を気化させることによってレジストパターンを形成することであり、フォトリソグラフィのようにレジストの露光・現像作業を必要としないので、レジストパターンの形成工程を簡略化することができる。
また前記レジストの液滴を塗布する前に、レジストの濡れ拡がりを向上させる処理を前記圧電基板に施すことを特徴としている。これにより塗布されたレジストが弾かれることがなくなり、目的とするレジストパターンを形成することができる。
また本発明に係る弾性表面波素子片の製造方法は、圧電基板上に金属を成膜して、すだれ状電極および前記すだれ状電極に接続するパッドを形成する工程と、インクジェットヘッドを用いてレジストの液滴を前記パッド上に塗布してレジストパターンを形成する工程と、前記すだれ状電極上にパッシベーション膜を形成する工程と、前記レジストパターンを除去する工程と、を備えたことを特徴としている。これにより製造された弾性表面波素子片は、すだれ状電極の表面がパッシベーション膜で覆われるので、すだれ状電極同士の短絡を防ぐことができる。またパッドの表面がパッシベーション膜から露出しているので、パッドに電気的接続手段を施して導通を取ることができる。
またレジストはパッド上のみに塗布されるので、少ないレジストの使用量でレジストパターンを形成することができる。すなわちレジストの使用効率を向上させることができる。さらにレジストパターンをインクジェットによる印刷方式で直接描画できるので、露光・現像処理を必要としない。したがってインクジェット方式では、レジストパターンの形成工程を簡略化および低コスト化することができ、且つすだれ状電極が現像液に触れることがないので、すだれ状電極の腐食を防ぐことができる。
また前記パッシベーション膜は、前記金属を陽極酸化して形成することを特徴としている。これによりすだれ状電極の表面にパッシベーション膜を形成することができ、且つパッドの表面をパッシベーション膜から露出させることができる。
また圧電基板上にすだれ状電極およびこのすだれ状電極に接続するパッドを形成する工程と、前記すだれ状電極および前記パッド上にパッシベーション膜を形成する工程と、前記すだれ状電極の上側にあるパッシベーション膜の表面にインクジェットヘッドを用いてレジストの液滴を塗布しレジストパターンを形成する工程と、前記パッドの上側にあるパッシベーション膜をエッチングする工程と、前記レジストパターンを除去する工程と、を備えたことを特徴としている。これにより製造された弾性表面波素子片は、すだれ状電極の表面がパッシベーション膜で覆われるので、すだれ状電極同士の短絡を防ぐことができる。またパッドの表面がパッシベーション膜から露出しているので、パッドに電気的接続手段を施して導通を取ることができる。
またレジストはすだれ状電極の上側にあるパッシベーション膜の表面のみに塗布されるので、少ないレジストの使用量でレジストパターンを形成することができる。したがってレジストの使用効率を向上させることができる。さらにレジストパターンをインクジェットによる印刷方式で直接描画できるので、露光・現像処理を必要としない。したがってインクジェット方式では、レジストパターンの形成工程を簡略化および低コスト化することができ、且つすだれ状電極が現像液に触れることがないので、すだれ状電極の腐食を防ぐことができる。
また前記パッシベーション膜は、絶縁性材料を成膜して形成することを特徴としている。これによりすだれ状電極の周囲にパッシベーション膜を形成することができ、且つパッドの表面をパッシベーション膜から露出させることができる。
また前記レジストの液滴を塗布する工程の前に、前記レジストが塗布される箇所に前記レジストの濡れ拡がりを向上させる処理を施す工程を備えたことを特徴としている。これにより塗布されたレジストが弾かれることがなくなり、目的とするレジストパターンを形成することができる。
また本発明に係る弾性表面波デバイスは、上述した特徴を有する製造方法を使用して製造した弾性表面波素子片をパッケージに搭載したことを特徴としている。この場合、弾性表面波デバイスは、弾性表面波共振子や弾性表面波フィルタを構成することができ、また弾性表面波共振子を発振させる回路等をパッケージに搭載させると共に、回路と弾性共振子とを電気的に接続させて弾性表面波発振器を構成することができる。また弾性表面波発振器には、電圧制御回路や温度補償回路を搭載することもできる。
以下に、本発明に係るインクジェット方式を使用したレジストパターンの形成方法、弾性表面波素子片の製造方法および弾性表面波デバイスの最良の実施形態について説明する。まず第1の実施形態について説明する。図1は第1の実施形態に係る弾性表面波素子片の説明図であり、図1(a)は概略平面図、図1(b)は同図(a)のA−A線における概略断面図である。第1の実施形態に係る弾性表面波(SAW)素子片10は、圧電基板12上に一対のすだれ状電極(IDT)14が設けられた構成である。各IDT14a,14bは複数の電極指16を有し、この電極指16の一端同士が接続された構成である。そして各IDT14a,14bが電極指16を交互に噛み合わせることにより、一対のIDT14が形成される。また各IDT14a,14bは、圧電基板12上に設けられたパッド18に電気的に接続されている。このパッド18は、ワイヤボンディングやフリップチップボンディング等の電気的接続手段が施される電極となる。さらにIDT14の電極指16の噛み合わせに沿う方向のIDT14の両端に反射器20が設けられている。このようなIDT14、パッド18および反射器20から構成される電極パターン22は、アルミニウムやアルミニウム合金等の金属材料を用いて形成されている。そしてIDT14の表面には、パッシベーション膜24が設けられている。このパッシベーション膜24は、IDT14上に導電性を有する異物が付着した場合でもIDT14同士の短絡を防止する絶縁性の保護膜である。なお図1(a)では、IDT14の破線部分にパッシベーション膜24が形成されていることを示している。
次に、インクジェットヘッド30について説明する。図2はインクジェットヘッド30の説明図であり、図2(a)は概略正面断面図、図2(b)は概略側面断面図である。インクジェットヘッド30には、下方に向けてレジストの微小な液滴を吐出させる複数の吐出口34がライン状に配設されている。この吐出口34は、ノズル36を介してレジストを溜めておくインク室38に接続されている。インク室38の隔壁の外側には、インク室38を膨張・圧縮させるピエゾ素子40が設けられている。またインク室38は、上部に設けられたレジスト供給通路42を介してレジストの供給源となるタンク(不図示)と接続されている。このレジストは、ノズル36および吐出口34を通過して微小な液滴として吐出されるために粘度等が調整されたものである。なお従来用いられていたレジストは、インクジェット方式に用いられることを想定していないため、インクジェットヘッドから吐出させることができなかった。したがってインクジェットヘッド30から吐出されるレジストは、粘度等が調整されたものである。
またインクジェットヘッド30の下方には、レジストの吐出口34が並べられた方向と交差する方向、すなわち横方向に並べられた吐出口34に対して縦方向に移動する搬送手段(不図示)が設けられている。この搬送手段は、圧電基板12を載置して、インクジェットヘッド30の下方を移動するものであり、例えばローラコンベア、X−Yテーブル等で構成されればよい。なお実施形態によっては、圧電基板12を固定して、この圧電基板12の上方をインクジェットヘッド30が移動する構成であってもよい。
次に、インクジェット方式を使用したレジストパターンの形成方法およびSAW素子片10の製造方法について説明する。まず圧電基板12上に電極パターン22の材料となる金属を成膜する。この後、フォトリソグラフィによって電極パターン22を形成する。具体的には、電極パターン22は、金属膜上にフォトレジストを塗布し、フォトレジストに対して露光・現像を行うことによってフォトレジストのレジストパターンを形成し、レジストパターンが形成されていない箇所の金属膜をエッチングする工程を行うことによって形成される。
そして電極パターン22には、表面の濡れ性を向上させる処理が施される。この処理は、電極パターン22表面に後述するレジストが塗布された場合に、電極パターン22表面とレジストとのなじみ具合を調整するものであり、予め実験等を行って処理条件を求めている。なお、この処理は、例えば洗浄処理等であればよい。
この後、インクジェット方式を用いて電極パターン22上に選択的にレジストが塗布される。図3はレジストを選択的に電極パターン22上へ塗布するときの説明図である。具体的には、圧電基板12は前記搬送手段上に載置されており、前記搬送手段によって吐出口34がライン状に並ぶ方向と交差する方向に移動される。そしてレジスト32を塗布する箇所がインクジェットヘッド30の吐出口34の下方に来ると、インクジェットヘッド30に設けられたピエゾ素子40が所定の駆動パルスで駆動してインク室38を膨張・圧縮させ、この内容積の変化に連動して吐出口34からレジスト32の液滴が吐出される。これによりレジスト32は、電極パターン22上に選択的に塗布される。本実施形態では、レジスト32はパッド18上に塗布される。なおレジスト32を吐出している間も、前記搬送手段は所定の速さで移動し続けているので、塗布箇所の全体にレジスト32が塗布される。そしてレジスト32はパッド18上に塗布されると濡れ広がり、電極パターン22に沿ってパッド18からIDT14の方へ濡れ広がって行く。また塗布されたレジスト32には表面張力が働くので、レジスト32がパッド18の側面に流れ出ることはなく、レジスト32によってマスクの必要な箇所を覆うことが可能になる。そしてレジスト32の溶剤が気化すると、レジスト32の樹脂成分がパッド18の上面を覆い、パッド18上にレジストパターン44が形成される。なおレジスト32を塗布する作業を繰り返して、レジストパターン44を厚く形成することも可能である。
この後、IDT14上にパッシベーション膜24を形成する。このパッシベーション膜24は、IDT14の表面を陽極酸化することにより形成される。図4は陽極酸化装置の説明図である。陽極酸化装置50は酸化液槽52および電源54を備えており、酸化液槽52にはIDT14表面を陽極酸化させる酸化液56が満たされている。この酸化液56は、例えばリン酸塩やホウ酸塩等の水溶液であればよい。一方電源54は電圧の調整手段(不図示)を有し、電源54の陰極端子には電流計58を介して陰極電極板60が接続され、陽極端子には金属クリップ62が接続されている。また電源54の両端子間には、電圧計64が接続されている。
そして金属クリップ62に圧電基板12上に形成されたIDT14を接続して、圧電基板12と陰極電極板60とを酸化液56に浸漬する。この後、電源54をONにして陽極酸化電圧を印加すると、IDT14が陽極酸化されてその表面に陽極酸化膜が形成される。なお陽極酸化膜は酸化アルミニウム膜であり、これがパッシベーション膜24になる。
このようなIDT14の陽極酸化が終了すると、パッド18上のレジストパターン44が除去される。このようにして製造されたSAW素子片10は、パッシベーション膜24がIDT14の表面に形成され、またパッド18の表面にワイヤボンディングやフリップチップボンディングを施して導通させることが可能になる。
このようにインクジェット方式を使用したレジストパターン44の形成方法およびSAW素子片10の製造方法では、インクジェットヘッド30からレジスト32を選択的に塗布することができるので、パッド18上にレジストパターン44を形成することができる。またパッド18の大きさは、SAW素子片10の形状等にも依存するが、例えば小さいもので40〜45μm角程度の大きさであり、大きいものでも300×200μm程度の大きさしかないが、インクジェットヘッド30からはレジスト32の微小な液滴を塗布できるので、小さなパッド18上にもレジスト32を塗布することができる。さらに小さなレジスト32の液滴を吐出させるために、インクジェットヘッド30のノズル36や吐出口34を微小なものにしているが、レジスト32の樹脂成分や溶剤成分を調整しているので、インクジェットヘッド30からレジスト32を吐出させることができる。
したがってレジストパターン44が必要な箇所のみレジスト32を塗布し、これを乾燥させるとレジストパターン44を形成できるので、レジストパターン44の形成工程を簡略化することができる。すなわち従来のフォトリソグラフィ工程のように、基板全体へのレジストの塗布、露光および現像を行う必要がない。またインクジェット方式で使用されるレジスト32の量は、従来のフォトリソグラフィ工程で使用されるレジストの量の1/10程度になるので、レジスト32の使用量の削減によって低コスト化ができる。さらにインクジェット方式では、従来のフォトリソグラフィ工程のようにフォトマスクや現像液が不要なので、低コスト化できる。
またインクジェット方式では現像作業が必要ないので、現像液による電極パターン22(アルミニウム)の腐食が発生することがない。したがってSAW素子片10は、電極パターン22の線幅が変化しないので、一定の共振周波数を出力することができる。
なお上述したように、レジスト32は、電極パターン22上の選択箇所を被覆できればいいので感光性を必要とせず、感光性のない被覆用レジストを用いてもよい。
また上述した実施形態では、パッシベーション膜24はIDT14の表面のみに設けられているが、IDT14および反射器20の表面にも設けられてもよい。
さらにSAW素子片10の製造において、インクジェット方式を用いてレジストパターン44を形成した場合と、フォトリソグラフィを用いてレジストパターンを形成した場合とを比較すると、パッシベーション膜24が形成された箇所と形成されてない箇所との境界に違いが生じる。図5はインクジェット方式を用いてパッド上にレジストパターンを形成した場合と、フォトリソグラフィを用いてパッド上にレジストパターンを形成した場合との説明図であり、図5(a)はインクジェット方式を用いた場合の概略平面図、図5(b)はフォトリソグラフィを用いた場合の概略平面図である。
インクジェット方式を用いた場合、レジストは、パッド18上に塗布されるとパッド18からIDTへ向けて濡れ広がる。そして濡れ広がりが止まり、レジストが乾燥してレジストパターン44が形成されると、レジストパターン44の周縁部は直線にならず、にじんだようになっている。この後パッシベーション膜が形成されると、このパッシベーション膜の周縁部はレジストパターン44周縁部のにじみ形状66に倣うことになる。したがってパッシベーション膜の周縁部は、レジストパターン44が除去されても前記にじみ形状66が残ることになる。
これに対してフォトリソグラフィを用いた場合、レジストを塗布した後に露光・現像を施してレジストパターンを形成するので、レジストパターン44の周縁部は直線68になり、インクジェット方式のようなにじみ形状66が生じることはない。したがってパッシベーション膜の周縁部は、レジストパターン44周縁部の形状に倣って直線になる。
このようなパッシベーション膜の周縁部の形状の違いから、インクジェット方式を用いてレジストパターン44を形成した場合と、フォトリソグラフィを用いてレジストパターン67を形成した場合とを判別することができる。
次に、第2の実施形態について説明する。なお第2の実施形態では、第1の実施形態と同構成の部分には同番号を付し、その説明を省略または簡略する。図6は第2の実施形態に係る弾性表面波素子片の説明図であり、図6(a)は概略平面図、図6(b)は同図(a)のB−B線における概略断面図である。第2の実施形態に係るSAW素子片70は、圧電基板12上にIDT14、パッド18および反射器20からなる電極パターン22が設けられた構成である。そしてIDT14および反射器20上には、これらを覆うようにしてパッシベーション膜24が設けられている。
次に、インクジェット方式を使用したレジストパターンの形成方法およびSAW素子片70の製造方法について説明する。まず圧電基板12上に電極パターン22となる金属を成膜した後、フォトリソグラフィによって電極パターン22を形成する。そして圧電基板12の表面全体にパッシベーション膜24を形成する。具体的には、圧電基板12上にパッシベーション膜24となる絶縁性材料、例えば酸化シリコンや窒化シリコン、酸化アルミニウム等をスパッタや蒸着、気相成長等の方法により成膜すればよい。この後、パッシベーション膜24には、表面の濡れ性を向上させる処理が施される。なお、この処理は、例えば洗浄処理等であればよい。
次に、インクジェット方式を用いてパッシベーション膜24上に選択的にレジストが塗布される。図7はレジストを選択的にパッシベーション膜24上へ塗布するときの説明図である。具体的には、圧電基板12は前記搬送手段上に載置されており、前記搬送手段によってインクジェットヘッド30に吐出口がライン状に並ぶ方向と交差する方向に移動される。そしてレジスト32を塗布する箇所がインクジェットヘッド30の吐出口の下方に来ると、吐出口からレジスト32の液滴が吐出される。これによりレジスト32は、パッシベーション膜24上に選択的に塗布される。本実施形態では、レジスト32はIDT14および反射器20の上側に設けられたパッシベーション膜24の表面に塗布され、パッド18の上側に設けられたパッシベーション膜24の表面には塗布されない。なお前記搬送手段は、レジスト32が吐出されている間も移動し続けているので、塗布箇所の全体にレジスト32が塗布される。そしてパッシベーション膜24上に塗布されたレジスト32の溶剤が気化すると、レジスト32の樹脂成分がパッシベーション膜24上を覆い、レジストパターン72が形成される。なおレジスト32を塗布する作業を繰り返して、レジストパターン72を厚く形成することも可能である。
この後、レジストパターン72が設けられていない箇所のパッシベーション膜24をエッチングして、パッド18の表面を露出させる。そしてエッチングが終了すると、パッシベーション膜24上のレジストパターン72が除去される。このようにして製造されたSAW素子片70は、パッシベーション膜24がIDT14および反射器20の周囲に形成され、またパッド18の表面にワイヤボンディングやフリップチップボンディングを施して導通させることが可能になる。
このようにインクジェット方式を使用したレジストパターン72の形成方法およびSAW素子片70の製造方法では、インクジェットヘッド30からレジスト32を選択的に塗布することができるので、IDT14および反射器20の上側に設けられたパッシベーション膜24の表面にレジストパターン72を形成することができる。これによりパッシベーション膜24をエッチングすると、パッド18の周囲にあるパッシベーション膜24が除去されてパッド18の表面を露出させることができ、またIDT14と反射器20をパッシベーション膜24で覆うことができる。またレジストパターン72が必要な箇所のみレジスト32を塗布し、これを乾燥させるとレジストパターン72が形成されるので、レジストパターン72の形成工程を簡略化することができる。さらにインクジェット方式で使用されるレジスト32の量は、従来のフォトリソグラフィ工程で使用されるレジストの量の1/10程度になるので、レジスト32の使用量の削減による低コスト化ができる。さらにインクジェット方式では、従来のフォトリソグラフィ工程のようにフォトマスクや現像液が不要なので、低コスト化できる。
なお上述した実施形態では、パッシベーション膜24はIDT14および反射器20の周囲に設けられているが、IDT14の周囲にのみ設けられてもよい。この場合、レジスト32は、IDT14の上側に設けられたパッシベーション膜24の表面のみにインクジェットヘッド30から塗布されればよい。
また第1の実施形態および第2の実施形態では、SAW素子片10,70を圧電基板12の状態で形成する方法を示したが、SAW素子片10,70を圧電ウエハーの状態で形成することもできる。この場合、インクジェット方式を用いて形成したレジストパターン44,72を除去した後に、圧電ウエハーをチップ毎に切断してSAW素子片10,70を形成すればよい。
このようなSAW素子片10,70は、パッケージに搭載されてSAW共振子やSAWフィルタを形成することができ、発振回路と共にパッケージに搭載されてSAW発振器を形成することができる。この場合、SAW素子片10,70に設けられたパッド18には、ワイヤボンディングやフリップチップボンディング(電気的接続手段)が施されて、パッケージに設けられたパッド電極や発振回路と電気的に接続される。なおSAW発振器に搭載される発振回路は、外部からの制御電圧によって共振周波数を変える電圧制御回路や、SAW素子片の周囲温度にかかわらず一定の共振周波数を出力するように周波数温度特性を補正する温度補償回路等を備えることができる。そしてSAW素子片10,70が搭載されているSAW共振子やSAW発振器、SAWフィルタ等のSAWデバイスは、基準周波数源や周波数選択機能素子、角速度センサとして様々な電子機器に搭載されることができる。
第1の実施形態に係る弾性表面波素子片の説明図である。 インクジェットヘッドの説明図である。 レジストを選択的に電極パターン上へ塗布するときの説明図である。 陽極酸化装置の説明図である。 インクジェット方式を用いてパッド上にレジストパターンを形成した場合と、フォトリソグラフィを用いてパッド上にレジストパターンを形成した場合との説明図である。 第2の実施形態に係る弾性表面波素子片の説明図である。 レジストを選択的にパッシベーション膜上へ塗布するときの説明図である。 弾性表面波素子片の説明図である。
符号の説明
10………弾性表面波(SAW)素子片、12………圧電基板、14………すだれ状電極(IDT)、18………パッド、22………電極パターン、24………パッシベーション膜、30………インクジェットヘッド、32………レジスト、34………吐出口、44………レジストパターン、50………陽極酸化装置、70………SAW素子片、72………レジストパターン。

Claims (8)

  1. レジストの吐出口が横方向に複数並べられたインクジェットヘッドに対して圧電基板を縦方向に移動させ、
    前記圧電基板上のマスクを形成する部分に前記突出口からレジストの液滴を塗布し、
    前記圧電基板上に直接描画によりレジストパターンを形成する、
    ことを特徴とするインクジェット方式を使用したレジストパターンの形成方法。
  2. 前記レジストの液滴を塗布する前に、レジストの濡れ拡がりを向上させる処理を前記圧電基板に施すことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット方式を使用したレジストパターンの形成方法。
  3. 圧電基板上に金属を成膜して、すだれ状電極および前記すだれ状電極に接続するパッドを形成する工程と、
    インクジェットヘッドを用いてレジストの液滴を前記パッド上に塗布してレジストパターンを形成する工程と、
    前記すだれ状電極上にパッシベーション膜を形成する工程と、
    前記レジストパターンを除去する工程と、
    を備えたことを特徴とする弾性表面波素子片の製造方法。
  4. 前記パッシベーション膜は、前記金属を陽極酸化して形成することを特徴とする請求項3に記載の弾性表面波素子片の製造方法。
  5. 圧電基板上にすだれ状電極およびこのすだれ状電極に接続するパッドを形成する工程と、
    前記すだれ状電極および前記パッド上にパッシベーション膜を形成する工程と、
    前記すだれ状電極の上側にあるパッシベーション膜の表面にインクジェットヘッドを用いてレジストの液滴を塗布しレジストパターンを形成する工程と、
    前記パッドの上側にあるパッシベーション膜をエッチングする工程と、
    前記レジストパターンを除去する工程と、
    を備えたことを特徴とする弾性表面波素子片の製造方法。
  6. 前記パッシベーション膜は、絶縁性材料を成膜して形成することを特徴とする請求項5に記載の弾性表面波素子片の製造方法。
  7. 前記レジストの液滴を塗布する工程の前に、前記レジストが塗布される箇所に前記レジストの濡れ拡がりを向上させる処理を施す工程を備えたことを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載の弾性表面波素子片の製造方法。
  8. 請求項3ないし7のいずれかに記載の製造方法を使用して製造した弾性表面波素子片をパッケージに搭載したことを特徴とする弾性表面波デバイス。
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