JP2006153075A - 管・ケーブル保持具、及びその保持構造 - Google Patents

管・ケーブル保持具、及びその保持構造 Download PDF

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Abstract

【課題】
管又はケーブルの周りに充填材が充填された防火構造を有する管・ケーブル保持具において、充填材の充填作業が容易であって、しかも充填状態の確認を可能にすることである。
【解決手段】
壁又は床に設けられた貫通孔H1 に挿通されるスリーブ(管又はケーブル)P1 を保持する管・ケーブル保持具Kであって、前記貫通孔H1 の周りに当接して壁面Waに固定される固定部12と、前記スリーブP1 を保持する保持部11とを備え、前記保持部11と固定部12との間には、前面側から前記保持部11の裏面側に充填材Aを充填可能とする充填開口15が形成され、前記開口15から充填材Aを充填することにより、スリーブP1 と貫通孔H1 との間の隙間を塞ぐように構成する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、防火区画構造の壁又は床に設けられた貫通孔に挿通される管又はケーブルを保持する管・ケーブル保持具に関し、更に詳しくは、管又はケーブルの保持に加えて、管又はケーブルの周りに充填材が充填される防火区画構造になし得る管・ケーブル保持具に関するものである。
防火区画構造の壁や床を貫通する管又はケーブルを保持する管・ケーブル保持具(以下、「保持具」と略称する場合もある)の一つとして、特許文献1に記載のものが知られている。この保持具は、有底短円筒状の本体部の開口側の周縁の外側に固定フランジ部が一体に形成され、本体部を構成する底板部の中心に管又はケーブルの挿通孔が形成された構成である。壁に貫通された管・ケーブルを保持具の底板部の貫通孔に挿通して、壁の両壁面にそれぞれフランジ部を介して保持具を固定することにより、壁に貫通された管・ケーブルは保持される。
しかし、上記保持具においては、壁面に固定する前に、壁面と本体部との間に形成される充填空間に予め充填材を充填しておく必要があって、充填の作業性が悪い。また、保持具の充填区間に充填材を充填した後に保持具を壁面に固定するために、保持具を壁面に固定する際の管又はケーブルの「ずれ」により、充填済の充填材の内部に空洞が発生したり、管又はケーブルの周囲に充填材を均等に充填することは難しかった。また、保持具の固定後においては、充填済の充填材の全てが本体部により覆われるため、充填状態の確認もできなかった。
実開平1−72261号公報
本発明は、管又はケーブルの周りに充填材が充填された防火構造を有する管・ケーブル保持具において、充填材の充填作業が容易であって、しかも充填状態の確認を可能にすることを課題としている。
上記の課題を解決するために請求項1の発明は、壁又は床に設けられた貫通孔に挿通される管又はケーブルを保持する管・ケーブル保持具であって、前記貫通孔の周りに当接して壁面に固定される固定部と、前記管又はケーブルを保持する保持部とを備え、前記保持部と固定部との間には、前面側から前記保持部の裏面側に充填材を充填可能とする充填開口が形成され、前記充填開口から充填材を充填することにより、管又はケーブルと貫通孔との間の隙間を塞ぐようにしたことを特徴としている。
請求項1の発明においては、壁又は床に設けられた貫通孔に管又はケーブルを挿通しておいて、該管又はケーブルの一端において保持部を外嵌させた状態にして、そのまま管・ケーブル保持具を移動させて壁面等に密着させ、その固定部を前記貫通孔の周りの前記壁面等に固定させる。これにより、貫通孔に挿通された管又はケーブルは、壁等の表裏両面に固定された一対の管・ケーブル保持具により保持される。そして、管・ケーブル保持具が壁面等に固定された状態で、固定部と保持部との間に形成された充填開口から、その内側の部分に充填材を充填すると、該充填材は、その流動性によって保持部の裏面側、及び管又はケーブルと貫通孔との間の隙間に充填される。
このように、請求項1の発明によれば、管・ケーブル保持具が壁面等に固定された状態で、しかも壁面等と対向した安定した姿勢で充填材の充填作業を行えるため、内部に空洞(未充填空間)が発生することなく充填材の充填を行えて、防火区画壁の防火性能が高められる。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記保持部は、前記固定部を壁面等に当接させた状態で、該壁面等と保持部の裏面との間に充填材が充填される充填空間を形成すべく前記壁面等から離間する位置に形成されていることを特徴としている。
例えば壁が、所定間隔をおいて一対の石膏ボードで形成された中空壁である場合には、コンクリート壁のように、貫通孔の内周面と、該貫通孔に挿通された管の外周面との間の隙間に充填材を隙間なく充填できる構造とはならない。このような中空壁において防火区画構造を実現するには、壁面の外側に充填空間を形成して、この充填空間に防火材を充填する構造にせざるを得ない。
請求項2の発明によれば、中空壁の壁面を基準にして、これよりも外側に形成された充填空間に充填材が所定の厚さで充填されるために、中空壁における防火区画構造を簡単に実現できる。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記保持部の裏面側に充填される充填材を支持して、該充填材がその自重により垂れ下がるのを防止する周壁を備えていることを特徴としている。
請求項3の発明によれば、周壁によって充填空間の外縁が区画されて、該充填空間に充填された充填材の垂れ下がりを確実に防止できるため、垂れ下がった充填材により壁面が汚損されるのを防止できると共に、充填空間内に空洞が発生しなくなる。
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記保持部は、管又はケーブルを前記貫通孔の中心に配置させる芯出機能を有していることを特徴としている。
請求項4の発明によれば、壁等の表裏両面に固定される一対の管・ケーブル保持具によって管・ケーブルを保持するのみで、貫通孔に挿通された管・ケーブルは水平或いは垂直に配置される。
また、請求項5の発明は、請求項2に記載の管・ケーブル保持具を使用して、中空壁の貫通孔に挿通された管・ケーブルを保持する構造であって、前記中空壁の両壁面における貫通孔の周りに前記管・ケーブル保持具が固定部を介してそれぞれ固定されて、各保持部により管・ケーブルが保持され、各管・ケーブル保持具の充填開口から充填された耐火充填材が壁面の外側に設けられた充填空間に充填されて、防火区画構造となっていることを特徴としている。
請求項5の発明によれば、中空壁の貫通孔に挿通された管・ケーブルの安定した保持と、防火性の高い防火区画構造とを同時に実現できる。即ち、管・ケーブル保持具の手前側の充填開口から内部の充填空間に充填材を充填可能であるために、充填済の充填材の内部に空洞が発生しないために防火性が高まると共に、管・ケーブル保持具が壁面に固定された状態で、壁面の手前側から充填材を充填できるため、充填材の充填操作も容易である。
本発明に係る管・ケーブル保持具は、保持部と固定部との間に、前面側から前記保持部の裏面側に充填材を充填可能な充填開口が形成されているため、管・ケーブル保持具が壁面等に固定された状態で、しかも壁面等と対向した安定した姿勢で充填材の充填作業を行えるため、内部に空洞(未充填空間)が発生することなく充填材の充填を行えて、防火区画壁等の防火性能が高められる。
以下、複数の実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
図1は、本発明に係る管・ケーブル保持具Kを正面から見た斜視図であり、図2は、同じく裏面から見た斜視図であり、図3は、一対の管・ケーブル保持具Kを使用して中空壁Wの貫通孔H1 にスリーブP1 が保持されて、スリーブP1 の周りに充填材Aが充填された状態の正面図であり、図4は、一対の管・ケーブル保持具Kを使用して中空壁Wの貫通孔H1 にスリーブP1 が保持されて、充填材Aが未充填の状態の縦断面図であり、図5は、同じく充填材Aが充填された状態の縦断面図(図3のX−X線断面図)であり、図6は、管・ケーブル保持具Kの充填開口15から充填材Aを充填している状態を示す斜視図である。最初に、管・ケーブル保持具Kの構成について説明し、その後に、保持具Kの使用方法について説明する。
本発明に係る管・ケーブル保持具Kは、図5に示されるような防火区画壁となる中空壁Wの貫通孔H1 に挿通されるスリーブP1 を保持するために使用される。中空壁Wは、所定間隔をおいて配置された一対の壁板1により形成され、一対の壁板1の間は中空部2となっている。壁板1は、例えば石膏ボード、木製板等で構成される。スリーブP1 内には電線管(ケーブル)が挿通され、中空壁Wにおける電線管が挿通される部分を防火区画構造とすることにより、火災発生時における電線管の延焼を抑止又は防止するものである。中空壁Wが防火区画壁となる場合には、コンクリート壁のように全壁厚に亘って貫通孔を形成できないため、貫通孔の内周面と、該貫通孔に挿通される管の外周面との間の隙間に充填材を充填して防火構造とすることはできない。そこで、中空壁Wの場合には、スリーブP1 を保持するために前記中空壁Wの壁面の外側に固定される管・ケーブル保持具Kによって、中空壁Wから突出したスリーブP1 の周りに充填空間を形成して、該充填空間に充填材を充填する工法が採用されている。
上記の用途に使用される管・ケーブル保持具Kは、図1及び図2に示されるように、合成樹脂の射出成形によって形成されて、中空壁Wに設けられた貫通孔H1 に挿通されるスリーブP1 を保持するための筒リング状をした保持部11と、該保持部11の外側であって、しかも該保持部11の軸心方向Qに沿ってその奥側の端面が更に奥側にずれた位置に設けられる略楕円板状をした固定部12とを備え、固定部12の中央の円形開口の周縁には短リング状の周壁部13が前方に向けて一体に形成され、前記周壁部13と前記保持部11とは、その周方向に沿った複数箇所(実施例では3箇所)において半径方向に沿った連結リブ14を介して一体に連結されている。更に詳細には、周壁部13と保持部11とは、それらの軸心方向Qに沿って周壁部13の手前側の端部と保持部11の奥側の端部とが、それぞれ複数個の連結リブ14を介して一体に連結されている。従って、図4に示されるように、周壁部13と保持部11とは、縦断面視においてそれらの軸心方向Qに沿って一部が重複した関係になっていて、保持部11は、固定部12を中空壁Wの壁面Waに固定した状態において、壁面Waから「L(図4参照)」だけ離間した位置に配置される。
この結果、管・ケーブル保持具Kを中空壁Wの壁面Waに固定した状態において、前記保持部11の裏面側には、中空壁Wの壁面Waと管・ケーブル保持具Kの周壁部13とによって充填空間V1 (図4参照)が形成される。また、保持部11と、該保持部11の外側に軸心方向Qに沿ってずれた状態で同心に配置された周壁部13との間の環状の開口は、保持部11と周壁部13とを連結している複数の連結リブ14によって周方向に沿って複数に分割されて、それぞれ前記充填空間V1 に充填材Aを充填するための充填開口15となっている。実施例の連結リブ14は3個であって、管・ケーブル保持具Kが中空壁Wの壁面Waに固定された状態で、特定の一つの連結リブ14が充填開口15の最も低い位置に上下方向に配置されるようにしてある。また、連結リブ14は、スリーブP1 及び該スリーブP1 に挿通された電線管の各荷重を支持する部分でもあるため、所定の荷重支持強度が必要である。このため、連結リブ14の数、及びその幅(周方向に沿った長さ)に関しては、その数が少ない程、またその幅が狭い程、開口面積が大きくなって、充填済の充填材Aの充填状態の確認が容易となるため、「充填状態の確認の容易性」と「管の必要荷重支持強度」との均衡から定められることとなる。
また、図1及び図2に示されるように、管・ケーブル保持具Kを中空壁Wの壁面Waに固定した状態で、筒リング状をした保持部11の上下方向に沿って相対向する部分には、弾性変形可能な一対の保持爪16が形成されている。保持爪16は、保持部11に2本のスリット10を周方向に所定間隔をおいて手前側から奥側に向けて軸心方向Qに設けることにより形成されている。各保持爪16の内周面の自由端側には、保持部11に挿通されたスリーブP1 を上下から保持するための保持突条16aが周方向に沿ってそれぞれ形成されている。当然のことながら、上記一対の保持突条16aの間でスリーブP1 を保持可能とするために、相対向する一対の保持爪16の保持突条16aの間隔(d1)は、保持部11の内径(d0)よりも僅かに小さくなっている(図3参照)。また、保持部11の外周面における前記各保持爪16と周方向に沿った位相が90°異なる部分には、一対の位置決め突条17が軸心方向Qに沿って形成されている。一対の位置決め突条17は、管・ケーブル保持具Kを中空壁Wの壁面Waに固定する際に、これらを結ぶ線分が水平となる位置が正しいことを目視的に確認するための目印である。
また、図2に示されるように、略楕円板状をした固定部12の裏面には、管・ケーブル保持具Kを中空壁Wの壁面Waに接着固定するための両面テープ18が貼着されている。固定部12の壁面Waに対する接着面積が大きいので、通常の場合には両面テープ18の接着力と、充填空間V1 に充填された充填材Aの壁面Waに対する接着力とによって、保持具Kにより保持されたスリーブP1 の荷重を支持することが可能である。しかし、保持具Kを壁面Waに確実に固定したい場合には、固定部12の左右両端部に形成されたビス下孔19に挿通したビス21により保持具Kを壁面Waに固定することも可能である。また、固定部12の周縁における垂直線及び水平線と交叉する部分には、保持具Kを壁面Waに位置決めして固定する際に、壁面Waに縦横に罫書かれた各罫書き線3,4(図3及び図6参照)と合致させて保持具Kの固定位置を確認するための目印となる各位置決め凹部22,23がそれぞれ形成されている。なお、図2において、18aは、両面テープ18の剥離紙を示す。
また、保持具Kにおいて、固定部12に設けられた上下一対の位置決め凹部22を結ぶ線分と、左右一対の位置決め凹部23を結ぶ各線分の交点は、保持部11の中心Cと一致している。このため、図3及び図6に示されるように、壁面Waに罫書かれた縦横の各罫書き線3,4の交点を中心に貫通孔H1 が穿孔されている場合には、壁面Waの各罫書き線3,4と保持具Kの各位置決め凹部22,23とを合致させて保持具Kを壁面Waに固定させた状態で、保持具Kの保持部11にスリーブP1 を挿通して保持させると、スリーブP1 の中心は貫通孔H1 の中心と一致して、スリーブP1 は、貫通孔H1 に対して芯出しされた状態で中空壁Wの両面の各保持具Kによって保持される。
次に、図3ないし図6を参照にして、上記した管・ケーブル保持具Kを使用して、中空壁Wに形成された貫通孔H1 にスリーブP1 を防火区画構造にして保持する施工方法について説明する。まず、中空壁Wを構成する一方の壁板1の壁面Waに、穿孔予定の貫通孔H1 の中心を通る縦横の各罫書き線3,4を罫書いて、その交点を中心にして中空壁Wを構成する各壁板1に、スリーブP1 の外径よりも僅かに大きな内径の貫通孔H1 を穿孔する。次に、穿孔された貫通孔H1 にスリーブP1 を挿通させた後に、スリーブP1 の両端部にそれぞれ管・ケーブル保持具Kを外嵌させて、そのまま壁面Waの位置まで移動させた状態で、保持具Kの縦横の各位置決め凹部22,23と、壁面Waに罫書かれた縦横の罫書き線3,4とを合致させた状態で、両面テープ18を介して各保持具Kを壁面Waにそれぞれ固定する(図4)。これにより、スリーブP1 は、中空壁Wに穿孔された貫通孔H1 に対して同心となって(芯出しされて)、各壁面Waに固定された一対の管・ケーブル保持具Kに保持される。なお、スリーブP1 は、保持具Kを構成する保持部11の上下に対向する一対の保持爪16によって上下方向に沿ってのみ隙間のない状態で保持される。
このように、中空壁Wの両壁面Waに固定された一対の管・ケーブル保持具Kによって、中空壁Wの貫通孔H1 に挿通されたスリーブP1 が保持された状態において、固定部12の円形開口の周縁に形成された周壁部13の内周面と壁面WaとスリーブP1 の外周面との間に充填材Aの充填空間V1 が形成され、該充填空間V1 は、複数の連結リブ14の部分を除いた残りの部分が手前側に開口していて、この開口は、充填材Aの充填開口15となっている(図4及び図6参照)。また、貫通孔H1 の内径は、スリーブP1 の外径よりも僅かに大きいために、貫通孔H1 の内周面とスリーブP1 の外周面との間にリング状の隙間24(図4及び図5参照)が形成される。
このため、前記充填空間V1 に充填材Aを充填するには、管・ケーブル保持具Kが壁面Waに固定されたままで、しかも前面側に大きく開口した充填開口15を通して内部の充填空間V1 に充填材Aを充填することができるので、充填作業が容易になるのに加えて、充填空間V1 の大部分が前面に開口しているために、充填状態を把握できる。即ち、本実施形態においては、充填開口15は、複数の連結リブ14を介して周方向に複数に分割されているため、図6に示されるように、低い側の分割された充填開口15に、充填材が収容された容器Mの吐出ノズル51の先端部を挿入して、吐出された充填材Aを充填空間V1 に充填させる。次に、全く同様にして、高い側の充填開口15から充填材Aを内部の充填空間V1 に充填させる。このようにして、充填開口15から充填空間V1 に充填された充填材Aは、その低い流動性によっても保持部11の裏面側(図4でV1aで示される部分)に流動して隙間なく充填される。なお、図5に示されるように、充填空間V1 に充填された充填材Aの一部は、貫通孔H1 の内周面とスリーブP1 の外周面との間の隙間24のうち手前側の部分に充填される。
このように、充填空間V1 の大部分が前面に開口していて、充填材Aの充填状態が把握できるため、空洞(未充填空間)が発生している場合には容易に確認できるため、その空洞の部分のみに充填材Aを補充充填することができて、空洞の発生を防止できる。また、充填空間V1 に充填された充填材Aは、硬化するまでの間は低い流動性を有していて垂れ下がる恐れがあるが、充填空間V1 の全周囲は周壁部13で囲まれているため、充填済の充填材Aが自重により充填空間V1 の外部に垂れ下がって、壁面Waを汚損させる恐れもない。なお、充填空間V1 は、その前面側の大部分が開口していて充填開口15となっているが、通常の充填材は、自重によりその直下に垂れ下がることはあっても、前記充填開口15を通して前面側(手前側)に流れ出ることはないので、充填空間V1 の前面の大部分が開口されていても、問題はない。
なお、上記実施形態では、中空壁Wを構成する各壁板1に形成する貫通孔H1 の内径は、スリーブP1 の外径よりも僅かに大きくなっていて、貫通孔H1 の内周面とスリーブP1 の外周面との間にリング状の隙間24に充填材Aの一部が充填される構成であるが、貫通孔H1 の内径は、スリーブP1 の外周面との間に殆ど隙間が形成されてない程度(即ち、手前側の充填空間V1 に充填された充填材Aがその流動性によっても充填されない程度)であってもよい。また、逆に、貫通孔H1 の内径は、スリーブP1 の外周面との間に耐火区画構造に必要な量の充填材Aが充填可能な大きな隙間が形成される程度に大きなものとして、この隙間に充填される充填材を耐火区画壁の主体部となるように構成することも可能である。この耐火区画構造の場合には、管・ケーブル保持具に周壁部を形成して、壁面の前面に充填材の充填空間を形成する必要はない。
次に、上記した管・ケーブル保持具Kを使用して、前記スリーブP1 よりも外径の小さな別のスリーブP2 を保持する場合について説明する。図7は、中空壁Wの壁面Waに固定した管・ケーブル保持具Kに対してスペーサSを嵌め込む状態を示す斜視図であり、図8は、管・ケーブル保持具KとスペーサSとの組み合わせによってスリーブP2 を保持した状態の斜視図であり、図9は、同じく縦断面図である。
スペーサSは、管・ケーブル保持具Kの保持部11の内側に嵌合される小管保持部31と、該小管保持部31の手前側の端部の外側に向けて一体に形成されていて、管・ケーブル保持具Kの保持部11の前端面に当接する板状のフランジ部32とで構成される。小管保持部31は、保持具Kの保持部11の保持内径のみをスリーブP2 を保持可能なように小さくしたものであって、上下方向に沿って対向する部分に一対の保持爪33が形成されている。各保持爪33の自由端部の内側には、スリーブP2 の外周面に当接してこれを保持する保持突条33aが周方向に沿って形成されている。小管保持部31の外周面には、その周方向に沿った複数箇所(実施形態では4箇所)であって、前記保持爪33に対してずれた位置に、保持具Kの保持部11の内周面に嵌合可能な嵌合突条34が半径方向に突出した状態で軸心方向Qに沿ってそれぞれ形成されている。各嵌合突条34は、そのままフランジ部32の裏面まで延長されて、保持具Kの保持部11の前端面に当接する当接突条35となっている。なお、36は、保持具Kの位置決め突条17に対応する位置決め突条である。
そして、図7及び図9に示されるように、中空壁Wの両壁面WaにスリーブP1 よりも小径のスリーブP2 の外径よりも僅かに大きな内径の貫通孔H2 を穿孔して、両壁面Waに管・ケーブル保持具Kを固定し、その保持部11に前記スリーブP1 よりも小径のスリーブP2 を遊嵌状態で挿通しておいて、スリーブP2 の端部の外側にスペーサSの小管保持部31を外嵌させて、そのまま保持具Kの保持部11の内側に嵌合させる。この際に、保持具Kの保持部11の位置決め突条17とスペーサSの小管保持部31の位置決め突条36とを合致させると、小管保持部31の一対の保持爪33が上下方向に沿って対向する。なお、図9において、25は、貫通孔H2 の内周面とスリーブP2 の外周面との間に形成された隙間を示す。
これで、図9に示されるように、スリーブP2 は、中空壁Wの両壁面Waにおいて、保持具Kの保持部11の内側に嵌合されたスペーサSの小管保持部31によって保持されて、保持具KによってスリーブP1 を保持した場合と同様にして、保持具Kの充填開口15から充填材Aを内部の充填空間V1 に充填できる。なお、充填材Aの一部は、保持具Kの保持部11とスペーサSの小管保持部31とで新たに形成される環状の充填空間V2 に対しても充填される。
このように、スペーサSの使用によって、同一の管・ケーブル保持具Kを使用して、外径の異なる2本のスリーブP1 ,P2 の保持が可能となる。
図10は、本発明に係る別の管・ケーブル保持具K’の縦断面図である。この保持具K’は、前記保持具Kに対して固定部12’を厚くすることにより、周壁部13を設けることなく、充填空間V3 を形成し、しかも充填済の充填材Aの垂れ下がりを防止できる構造のものである。即ち、連結リブ14’は、固定部12’の板厚よりも薄くて、固定部12’の板厚によって充填空間V3 を形成した点に特徴を有する。なお、図10において、11’,16’は、それそれ保持部、及び保持突条を示す。
また、上記各実施形態は、本発明に係る管・ケーブル保持具K,K’を使用して中空壁Wの壁面の外側に充填空間を形成し、該充填空間に充填材を充填することにより防火区画構造にする例である。これに対して、コンクリート壁の場合には、これに穿孔された貫通孔の内周面と、該貫通孔に挿通されたスリーブ等の管類の外周面との隙間にモルタルを充填することにより、防火区画構造を実現している。本発明に係る管・ケーブル保持具K,K’は、中空壁に限られず、コンクリート壁の防火区画構造の実現に対しても使用可能である。即ち、中空壁の場合と全く同様にして、コンクリート壁の壁面に管・ケーブル保持具K,K’を固定しておいて、その前面の充填開口からモルタルを前記隙間に注入して充填すればよく、モルタルの充填作業が容易である利点がある。なお、本発明に係る管・ケーブル保持具をコンクリート壁の防火区画構造に使用する場合には、中空壁の場合のように、コンクリート壁の前面に充填材を充填する必要がないので、周壁部13を設けて充填空間を形成することは必ずしも必要ではない。
なお、中空壁の場合によっては、スリーブを使用することなく直接に電線管(ケーブル)を中空壁の貫通孔に挿通した状態で防火区画構造とすることもあるが、この場合においても、本発明の管・ケーブル保持具の使用は可能である。
本発明に係る管・ケーブル保持具Kを正面から見た斜視図である。 同じく裏面から見た斜視図である。 一対の管・ケーブル保持具Kを使用して中空壁Wの貫通孔H1 にスリーブP1 が保持されて、スリーブP1 の周りに充填材Aが充填された状態の正面図である。 一対の管・ケーブル保持具Kを使用して中空壁Wの貫通孔H1 にスリーブP1 が保持されて、充填材Aが未充填の状態の縦断面図である。 同じく充填材Aが充填された状態の縦断面図(図3のX−X線断面図)である。 管・ケーブル保持具Kの充填開口15から充填材Aを充填している状態を示す斜視図である。 中空壁Wの壁面Waに固定した管・ケーブル保持具Kに対してスペーサSを嵌め込む状態を示す斜視図である。 管・ケーブル保持具KとスペーサSとの組み合わせによってスリーブP2 を保持した状態の斜視図である。 同じく縦断面図である。 本発明に係る別の管・ケーブル保持具K’の縦断面図である。
符号の説明
A:充填材
1 ,H2 :貫通孔
K,K’:管・ケーブル保持具
1 ,P2 :スリーブ(管・ケーブル)
1 〜V3 :充填空間
W:中空壁
Wa:壁面
11:保持部
12:固定部
13:周壁部
15:充填開口
24,25:貫通孔とスリーブとの隙間

Claims (5)

  1. 壁又は床に設けられた貫通孔に挿通される管又はケーブルを保持する管・ケーブル保持具であって、
    前記貫通孔の周りに当接して壁面に固定される固定部と、前記管又はケーブルを保持する保持部とを備え、
    前記保持部と固定部との間には、前面側から前記保持部の裏面側に充填材を充填可能とする充填開口が形成され、前記充填開口から充填材を充填することにより、管又はケーブルと貫通孔との間の隙間を塞ぐようにしたことを特徴とする管・ケーブル保持具。
  2. 前記保持部は、前記固定部を壁面等に当接させた状態で、該壁面等と保持部の裏面との間に充填材が充填される充填空間を形成すべく前記壁面等から離間する位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の管・ケーブル保持具。
  3. 前記保持部の裏面側に充填される充填材を支持して、該充填材がその自重により垂れ下がるのを防止する周壁を備えていることを特徴とする請求項2に記載の管・ケーブル保持具。
  4. 前記保持部は、管又はケーブルを前記貫通孔の中心に配置させる芯出機能を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の管・ケーブル保持具。
  5. 請求項2に記載の管・ケーブル保持具を使用して、中空壁の貫通孔に挿通された管・ケーブルを保持する構造であって、
    前記中空壁の両壁面における貫通孔の周りに前記管・ケーブル保持具が固定部を介してそれぞれ固定されて、各保持部により管・ケーブルが保持され、
    各管・ケーブル保持具の充填開口から充填された耐火充填材が壁面の外側に設けられた充填空間に充填されて、耐火構造となっていることを特徴とする管・ケーブルの保持構造。
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