JP2006152040A - ヒドラゾン化合物および電子写真感光体 - Google Patents

ヒドラゾン化合物および電子写真感光体 Download PDF

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Abstract

【課題】 高感度な電子写真感光体を得るための化合物と、その化合物を含有する高感度の電子写真感光体とを提供する。
【解決手段】 下記式(I)で表されるヒドラゾン化合物を合成して、その化合物を含有する電子写真感光体を製造した。
【化16】
Figure 2006152040


(式中、Aは、炭素数6〜20のアリレン基または2価の複素環式基を示す。R1〜R3は、同一または異なる基であって、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜20アリール基を示す。Ar1およびAr2は、同一または異なる基であって、炭素数6〜20のアリレン基を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体に好適なヒドラゾン化合物およびこの化合物を含有する電子写真感光体に関する。
画像形成装置では、光源の波長領域に感度を有する種々の感光体が使用されている。その1つはセレンなどの無機材料を感光層に用いた無機感光体であり、他は有機材料を感光層に用いた有機感光体である。
有機感光体は、無機感光体に比べて製造が容易であり、かつ電荷発生剤、電荷輸送剤(電子輸送剤・正孔輸送剤)、バインダ樹脂などの材料選択肢が多様で、機能設計の自由度が高いことから、近年、多く使用されるようになっている。下記特許文献1には、そのような電子写真感光体の例として、特定の構造を有するヒドラゾン化合物(正孔輸送剤)と、フタロシアニン系光導電性材料とを含有した電子写真感光体が記載されている。
しかし、上記正孔輸送剤を用いた電子写真感光体では、十分な感度(電気特性)が得られていないのが現状であるため、より高感度な電子写真感光体の開発が望まれている。
特公平7−97222号公報
本発明の課題は、高感度な電子写真感光体を得るための化合物と、その化合物を含有する高感度の電子写真感光体とを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記に示す特定の化学構造を有する化合物を電子写真感光体に含有させた場合、高感度な電子写真感光体が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のヒドラゾン化合物は、下記式(I)で表される。また、本発明の電子写真感光体は、上記化合物を含有することを特徴とする。
Figure 2006152040


(式中、Aは、炭素数6〜20のアリレン基または2価の複素環式基を示す。R1〜R3は、同一または異なる基であって、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜20アリール基を示す。Ar1およびAr2は、同一または異なる基であって、炭素数6〜20のアリレン基を示す。)
本発明によれば、正孔輸送剤として上記化合物を用いることにより、高感度な電子写真感光体を得ることができる。また、この電子写真感光体を備えた画像形成装置によって、良好な画像を得ることができる。
<ヒドラゾン化合物> 本発明の化合物は、上記式(I)で表される。この式(I)のA、Ar1およびAr2におけるアリレン基の基本骨格としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ぺンタセンなどの炭素数が6〜20の基本骨格が挙げられる。また、このA、Ar1およびAr2におけるアリレン基は置換基を有していてもよく、これら置換基の置換位置については特に限定されない。そして、これらアリレン基の結合手の位置は、特に限定されない。なお、本発明においては、式(I)のA、Ar1およびAr2のアリレン基としては、フェニレン基またはナフチレン基であることが好ましい。
また、式(I)のAにおける2価の複素環式基は、ヘテロ原子として窒素、酸素、硫黄などを含む化合物が挙げられ、具体例としては、チオフェン、フラン、ピロール、アゾールなどの2価の基が挙げられる。
式(I)におけるR1〜R3は、水素原子、アルキル基またはアリール基を示すが、ここでいうアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などの炭素数1〜10の基が挙げられる。また、アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニリル基、o−テルフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、およびこれらがさらにアルキル基などの置換基で置換された基などが挙げられる。
式(I)で表される化合物としては、例えば、下記HT−1〜4が挙げられる。
Figure 2006152040

Figure 2006152040

Figure 2006152040

Figure 2006152040

<ヒドラゾン化合物の合成>
次に、式(I)で表される化合物の合成方法について説明する。
Figure 2006152040

上記に示すように、まず、ハロゲン(例えばヨウ素、塩素、臭素、フッ素など)化合物(a)および(c)と、アミン化合物(b)とを反応させて、化合物(d)を得る。この化合物(d)は、例えば、炭酸カリウムおよび銅の存在下で、化合物(a)〜(c)をヨードベンゼンなどの溶媒中で加熱することによって得られる。
次に、化合物(d)をホルミル化することにより、化合物(e)を得る。ここで用いることができるホルミル化反応としては、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)などの溶媒中でオキシ塩化リン(POCl3)を用いる反応(Vilismeier-Haak反応)、Gattermann反応、Gattermann-Koch反応などが挙げられる。
次に、化合物(e)と化合物(f)好ましくはその塩酸塩とを反応させて、ヒドラゾン化合物(g)を得る。この化合物(g)を得るためには、例えば、塩化亜鉛の存在下、トルエンなどの溶媒中で反応を行えばよい。
化合物(g)はAr2を有する部位がホルミル化されて、化合物(h)を得る。ここで用いることができるホルミル化反応は、化合物(e)を得る場合と同様である。
化合物(h)から式(I)の化合物を得るための反応としては、例えば、ホスホン酸エステルを用いたWittig-Horner反応、またはホスホニウム塩を用いたWitting反応が挙げられる。上記式には、化合物(h)のホルミル基と、ホスホン酸エステル(化合物(j))との反応、つまりWittig-Horner反応の例を示している。この例では、ナトリウムメトキシド(NaOMe)等とともに攪拌して、式(I)の化合物を得ている。なお、化合物(j)は、ハロゲン化物(i)と亜リン酸トリエチルとを加熱下で反応させることにより得ることができる。
<電子写真感光体>
本発明の電子写真感光体は、少なくとも電荷発生剤、正孔輸送剤およびバインダ樹脂を含有した感光層を導電性基体上に備えており、上記式(I)に示す化合物を正孔輸送剤として含有している。感光層には単層型感光層と積層型感光層とがあるが、本発明にはいずれの感光層も適用可能である。
単層型感光層は、電荷発生剤、電荷輸送剤およびバインダ樹脂を同一の層に含有する光導電層単独で構成されるものである。この単層型感光層は、層構成が簡単で生産性に優れており、層を形成する際の皮膜欠陥を抑制でき、層間の界面が少なく光学的特性を向上できるという利点がある。
一方、積層型感光層は、電荷輸送剤を含有する電荷輸送層と電荷発生剤を含有する電荷発生層とを、導電性基体上に積層して構成される。なお、電荷発生剤とともに電荷輸送剤を含有させた光導電層を、電荷輸送層、電荷発生層と組み合わせてもよい。積層型感光層は、上記電荷発生層、電荷輸送層などの形成順序と、両層に含有させる電荷輸送剤の種類(正孔輸送剤または電子輸送剤)によって種々の組み合わせが考えられるが、本発明においては、電荷輸送層および光導電層の少なくとも1つに、式(I)で表される化合物を正孔輸送剤として含有させる。積層型感光体は、電荷発生、電荷輸送といった機能を各層に分離しているので、構成材料の無駄が少なく、感度を向上させ易いという利点を有する。
<正孔輸送剤>
本発明において使用する正孔輸送剤は、前記式(I)で表される化合物である。本発明では、上記式(I)で表される化合物のみを感光層に含有させてもよいが、さらに公知の正孔輸送剤を感光層に含有させてもよい。ここでいう公知の正孔輸送剤としては、例えば、N,N,N’,N’‐テトラフェニルベンジジン誘導体、N,N,N’,N’‐テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’‐テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’‐テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体、2,5‐ジ(4−メチルアミノフェニル)‐1,3,4‐オキサジアゾールなどのオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなどのスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール系化合物、有機ポリシラン化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンなどのピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物などの含窒素環式化合物や、縮合多環指揮化合物が挙げられる。
<電荷発生剤>
電荷発生剤としては、例えば無金属フタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、α−チタニルフタロシアニン、Y−チタニルフタロシアニン、V−ヒドロキシガリウムフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、ピリリウム顔料、アンサンスロン顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、キナクリドン系顔料といった有機光導電体、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミニウム、アモルファスシリコンといった無機光導電材料などが挙げられる。これらの電荷発生剤は単独でまたは2種以上をブレンドして用いてもよい。
本発明では、特にフタロシアニン系顔料、とりわけ無金属フタロシアニン(例えばX型無金属フタロシアニン)、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンおよびクロロガリウムフタロシアニンから選ばれる少なくとも1種を電荷発生剤として用いるのが、LEDやレーザー等、650nm以上の赤色もしくは赤外光を露光光源としたときの、感光体の電気特性のうえで好ましい。
<電子輸送剤>
電子輸送剤としては、例えばジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、マロノニトリル誘導体、チオピラン誘導体、チオキサントン誘導体(2,4,8−トリニトロチオキサントン等)、フルオレノン誘導体(3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン誘導体等)、アントラセン誘導体、アクリジン誘導体、ジニトロベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸誘導体、無水マレイン酸誘導体、ジブロモ無水マレイン酸誘導体などの、電子受容性を有する化合物が挙げられる。
<バインダ樹脂>
バインダ樹脂としては、例えばスチレン系重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂などの熱可塑性樹脂や、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリウレタン、その他架橋性の熱硬化性樹脂、さらにエポキシ−アクリレート、ウレタン−アクリレートなどの光硬化性樹脂などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で使用できるほか、2種以上を併用することもできる。
<導電性基体>
導電性基体としては、導電性を有する各種の材料が使用可能であり、例えば鉄、アルミニウム、銅、スズ、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、真鍮などの金属単体、上記金属が蒸着もしくはラミネートされたプラスチック材料、さらにヨウ化アルミニウム、酸化スズ、酸化インジウムなどで被覆されたガラスなどが挙げられる。導電性基体は、使用する画像形成装置の構造に合わせてドラム状、シート状などの形態で使用される。この導電性基体は充分な機械的強度を有しているのが好ましい。
<単層型感光層>
単層型感光層は、電荷発生剤、電子輸送剤、バインダ樹脂、必要に応じて正孔輸送剤や他の添加剤を適当な溶剤と共に、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機などを用いて混合して分散液を調製し、この分散液を導電性基体上にこれを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。乾燥後の感光層の厚さは5〜100μm、好ましくは10〜50μmであるのがよい。
分散液を調製するための溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n‐ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸メチルなどのエステル類、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらの溶剤は単独で使用するほか、2種以上を混合して用いてもよい。さらに、電荷発生剤および電荷輸送剤の分散性、感光体表面の平滑性を良くするために、界面活性剤、レベリング剤などを使用してもよい。
単層型感光層においては、バインダ樹脂100質量部に対して、電荷発生剤を0.1〜50質量部、特に0.5〜30質量部の割合で、正孔輸送剤を5〜500質量部、特に25〜200質量部の割合で含有させるのがよい。電子輸送剤を含有させる場合は、バインダ樹脂100質量部に対して5〜100質量部、特に10〜80質量部の割合でそれぞれ含有させるのがよい。
また、感光層として単層型感光層を備えた電子写真感光体は、構造が簡単で製造が容易である上、被膜欠陥の発生を抑制し、光学的特性を向上させることができる等の利点がある。また、単層型感光層を備えた感光体は、電荷輸送剤として電子輸送剤と正孔輸送剤とを併用することで、1つの感光体を正帯電型および負帯電型の両方に使用でき、感光体の応用範囲を広げることができる。
<積層型感光層>
積層型感光層は、電荷発生剤および電荷輸送剤をそれぞれ適当なバインダ樹脂および溶剤と共に、ロールミル、ボールミル、アトライタ、ペイントシェーカー、超音波分散機などを用いて混合して分散液を調製し、この分散液を導電性基体上にこれを公知の手段により塗布して乾燥させればよい。乾燥後の各層の厚さは、電荷発生層で0.01〜5μm、好ましくは0.1〜3μmであり、電荷輸送層で2〜100μm、好ましくは5〜50μmであるのがよい。
積層型感光層のうち電荷発生層においては、バインダ樹脂100質量部に対して電荷発生剤を5〜1000質量部、特に30〜500質量部の割合で含有させるのがよい。また、電荷輸送層においては、バインダ樹脂100質量部に対して正孔輸送剤を10〜100質量部、特に30〜80質量部の割合で含有させるのがよい。また、正孔輸送剤と電子輸送剤を併用する場合は、その総量がバインダ樹脂100質量部に対して10〜500質量部、特に30〜200質量部の割合で含有させるのがよい。
感光層には、前記した成分のほかに、画像形成に悪影響を与えない範囲で、種々の添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、例えば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、紫外線吸収剤などの劣化防止剤、軟化剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤,増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナーなどが挙げられる。また、感度を向上させるために、例えばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
単層型感光層または積層型感光層と、導電性基体との間や、積層型感光層を構成する電荷発生層と電荷輸送層との間には、感光体の特性を阻害しない範囲で中間層、バリア層などを形成してもよい。また、感光層の表面には保護層が形成されていてもよい。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明の化合物および電子写真感光体をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1:HT−1の合成]
HT−1の合成方法を、下記式にしたがって説明する。
Figure 2006152040

(化合物3の合成)
1Lのフラスコに、炭酸カリウム(K2CO3、160g、1.16mol)と、銅(Cu、7.37g、0.116mol)とを加えて、減圧下(約5mmHg)で攪拌しながら2時間加熱(約200℃)した。次に、化合物1(45g、0.483mol)と、化合物2(252.8g、1.16mol)とを加えて、240℃で8時間反応させた。その後、冷却して、500mlのトルエンを加えた。
次に、濾過を行い、濾液からトルエンと化合物2とを減圧留去した。次に、濾液から得られた残渣をクロロホルムに溶解して、活性白土で処理した。その後、クロロホルムを減圧留去した。その減圧留去で得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム展開)にて精製し、白色結晶(収量98.8g、収率74.8%)の化合物3を得た。
(化合物4の合成)
1Lのフラスコに、化合物3(65g、0.238mol)と、ジメチルホルムアミド(DMF、200ml)と、塩化ホスホリル(POCl3、54.8g、0.357mol)のDMF100ml溶液とを加えて、攪拌下で反応(0.5時間、70℃)させた。次に、イオン交換水(600ml)およびトルエン(300ml)の混合液に、上記反応液を滴下して、トルエン層をイオン交換水にて水洗した。次に、トルエン層に無水硫酸ナトリウムと活性白土とを加えて、乾燥及び吸着処理した。その後、トルエンを減圧留去して、残渣を得た。さらに、残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム展開)にて精製して、黄色結晶(収量57.3g、収率79.9%)の化合物4を得た。
(化合物6の合成)
500mlの2口フラスコに、化合物4(32g、0.106mol)と、トルエン(200ml)と、塩化亜鉛(2.17g、0.0159mol)と、化合物5(1,1−ジフェニルヒドラジン塩酸塩、28g、0.127mol)のトルエン100ml溶液とを加えて、2時間還流させることにより反応させた。その後、冷却して、イオン交換水(400ml)に反応液を滴下して、トルエン層をイオン交換水にて水洗した。さらに、トルエン層に無水硫酸ナトリウム及び活性白土を加え、乾燥及び吸着処理した。次に、トルエンを減圧留去して、残渣を得た。そして、その残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム展開)にて精製して、化合物6(収量38.6g、収率77.9%)を得た。
(化合物7の合成)
500mLのフラスコに、化合物6(25g、0.0535mol)と、DMF(100ml)と、POCl3(12.3g、0.0802mol)のDMF40ml溶液とを加えて、攪拌下で反応(2時間、85℃)させた。次に、イオン交換水(400ml)およびトルエン(200ml)の混合液に、上記反応液を滴下して、トルエン層をイオン交換水にて水洗した。次に、トルエン層に無水硫酸ナトリウムと活性白土とを加えて、乾燥及び吸着処理した。その後、トルエンを減圧留去して、残渣を得た。さらに、残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム展開)にて精製して、化合物7(収量20.6g、収率77.7%)を得た。
(化合物9の合成)
500mLのフラスコに、化合物8(50g、0.286mol)と、亜リン酸トリエチル(142g、0.858mol)とを加えた。そして、180℃で8時間加熱することにより、反応を行った。冷却後、過剰な亜リン酸トリエチルを減圧留去して、化合物9(収量88.7g、収率82%)を得た。
(HT−1の合成)
0℃の環境下で、200mlの2口フラスコに、化合物9(5.92g、0.0156mol)と、テトラヒドロフラン(dryTHF、50ml)と、28%ナトリウムメトキシド(7.25g、0.0376mol)とを加えて、30分間攪拌した。次に、化合物7(15.5g、0.0313mol)のTHF200ml溶液を加えて、25℃で12時間反応させた。次に、反応液をイオン交換水に注ぎ、トルエンにて抽出を行った。次に、有機相をイオン交換水にて5回洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去して、残渣を得た。さらに、その残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム展開)にて精製して、黄色の結晶(収量9.75g、収率58.9%)のHT−1を得た。
[実施例2:HT−2の合成]
(化合物3’の合成)
実施例1の化合物3に代えて化合物3’を合成した。2Lのフラスコに、炭酸カリウム(K2CO3、320g、2.32mol)と、銅(Cu、14.74g、0.232mol)とを加えて、減圧下(約5mmHg)で2時間加熱(約200℃)および攪拌した。次に、化合物1(90g、0.963mol)と、化合物2(253g、1.16mol)と、化合物2’(285g、1.16mol)とを加えて、240℃で8時間反応させた。その後、冷却して、10000mlのトルエンを加えた。次に、濾過を行い、さらに濾液からトルエンと化合物2および2’とを減圧留去した。次に、濾液から得られた残渣をクロロホルムに溶解して、活性白土で処理した。その後、クロロホルムを減圧留去した。その減圧留去で得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム展開)にて精製し、化合物3’(収量79.2g、収率54.4%)を得た。
Figure 2006152040

得られた化合物3’(71.7g、0.238mol)を用いて、かつ化合物5に代えて化合物5’(1−(4−メチルフェニル)−1−フェニルヒドラジン塩酸塩(29.8g、0.127mol)を、および化合物9に代えて下記化合物9’(6.7g、0.0156mol)を用いた以外は、実施例1と同様の方法でHT−2(収量8.8g、収率47.2%)を合成した。なお、化合物9’は、化合物8に代えて化合物8’(64g、0.286mol)を用いて、上記化合物9の合成方法と同様の方法で合成した。
Figure 2006152040

Figure 2006152040

[実施例3:HT−3の合成]
化合物9に代えて下記化合物9’’(5.9g、0.0156mol)を用いた以外は、実施例1と同様の方法でHT−3(収量9.3g、収率56.2%)を合成した。なお、化合物9’’は、化合物8に代えて化合物8’’(50g、0.286mol)を用いて、上記化合物9の合成方法と同様の方法で合成した。
Figure 2006152040

[実施例4:HT−4の合成]
化合物9に代えて下記化合物9’’’(6g、0.0156mol)を用いた以外は、実施例1と同様の方法でHT−4(収量8.6g、収率51.6%)を合成した。なお、化合物9’’’は、化合物8に代えて化合物8’’’(51.8g、0.286mol)を用いて、上記化合物9の合成方法と同様の方法で合成した。
Figure 2006152040

[実施例5〜16、比較例1〜6]
<単層型感光体の作製>
次に示す方法にて単層型感光体を作製した。電荷発生剤(X型無金属フタロシアニン)を5重量部、正孔輸送剤60重量部、電子輸送剤20重量部およびバインダ樹脂(ポリカーボネイト)100重量部を、溶剤(テトラヒドロフラン)800重量部と共にボールミルにて50時間混合分散させて、単層感光層用の塗布液を作製した。次いで、この塗布液を導電性基材(アルミニウム素管)上にデップコート法にて塗布し、100℃で30分間熱風乾燥して、膜厚25μmの単層型感光体を作製した。なお、ここで用いた正孔輸送剤および電子輸送剤の種類は、下記表1に示す。表1中における、HT−1〜4は前記した化合物であり、HT−5〜6およびET−1〜3は下記に示す化合物である。
Figure 2006152040

Figure 2006152040

<電気特性試験>
GENTEC社製のドラム感度試験機を用いて、表面電位を+700V(V0)に帯電させた状態で、波長780nmの単色光(半値幅20nm、光強度1.5μJ/m2)を感光体表面に照射(照射時間1.5秒)し、露光開始から0.5秒経過した時点での表面電位を残留電位(VL)として測定した。つまり、残留電位の値が小さいほど、感度が高いことを示す。なお、波長780nmの単色は、ハロゲンランプの白色光からバンドパスフィルターを用いて取り出したものである。結果を表1に示す。
Figure 2006152040

表1に示すように、比較例1〜6と比べて、実施例5〜16では、VLの値が小さく高感度な電子写真感光体が得られたことが分かる。

Claims (2)

  1. 下記式(I)で表されるヒドラゾン化合物。
    Figure 2006152040


    (式中、Aは、炭素数6〜20のアリレン基または2価の複素環式基を示す。R1〜R3は、同一または異なる基であって、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数6〜20アリール基を示す。Ar1およびAr2は、同一または異なる基であって、炭素数6〜20のアリレン基を示す。)
  2. 請求項1に記載の化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体。




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